JPH11269524A - 溶銑予備処理方法 - Google Patents
溶銑予備処理方法Info
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- JPH11269524A JPH11269524A JP10070278A JP7027898A JPH11269524A JP H11269524 A JPH11269524 A JP H11269524A JP 10070278 A JP10070278 A JP 10070278A JP 7027898 A JP7027898 A JP 7027898A JP H11269524 A JPH11269524 A JP H11269524A
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Abstract
現し、強攪拌によって脱燐反応を促進し、かつ、脱燐反
応中にスロッピング現象及び脱炭反応が起こらず、予備
処理後の溶銑が高い熱裕度を保持し、歩留が高く、フラ
ックスとしてホタル石を使用しない溶銑予備処理方法を
提供する。 【解決手段】 底吹き攪拌と酸素ガス上吹きとを行いつ
つ脱燐を含む精錬を行う溶銑予備処理方法において、底
吹き攪拌動力を1kW/t以上、上吹き酸素ガス流量を
0.7〜2.0Nm3 /t/min、予備処理後のスラ
グ中CaO/SiO2 を2.5以下、T.Feを3%以
上とすることを特徴とする溶銑予備処理方法である。添
加するフラックス中にはホタル石を含まない。溶銑予備
処理終了時の溶銑温度を1300℃以上1400℃以下
とすることが好ましい。
Description
先立ち、溶銑の脱燐を含む精錬を行う溶銑予備処理方法
に関するものである。
転炉内で同時に行う転炉製鋼法にかわり、脱炭に先立っ
て溶銑の脱珪、脱燐を脱炭とは別の容器で行う溶銑予備
処理方法が用いられるようになった。溶銑予備処理にお
いては、第1に溶銑に酸化鉄をはじめとする固体酸素源
を添加して脱珪を行い、脱珪スラグを排除した上で溶銑
に脱燐用フラックスを添加して脱燐精錬を行う方法が一
般的であった。脱燐精錬においては、フラックスとして
石灰源を添加して高塩基度の脱燐スラグを形成し、酸化
鉄をはじめとする固体酸素源を同じくフラックスとして
添加して脱燐を行っていた。また、予備処理精錬容器と
しては、トーピードカー内の溶銑に脱燐用フラックスを
インジェクションして予備脱燐を行う方法、取鍋内の溶
銑に脱燐用フラックスをインジェクションするかもしく
は吹き付けて予備脱燐を行う方法、あるいは脱炭に用い
るのと同等の転炉を用いて脱燐を行い、次いで別の転炉
で脱炭を行う方法が用いられている。
来の方法では、溶銑Siが特に低い場合を除き、脱燐処
理の前に脱珪処理を行い、かつ脱珪スラグを排滓してか
ら脱燐処理を行う必要がある。さもないと、脱燐処理時
に大量のフラックスを添加する必要が生じ、効率の良い
脱燐処理を行うことができないからである。
脱珪剤、脱燐剤として用いる方法では、固体酸素源を還
元する反応が吸熱反応であるため、酸素ガスを用いて脱
珪脱燐を行う場合に比較して熱ロスが大きい。そのた
め、鉄源としてスクラップ等の冷鉄源を使用できる使用
比率の限度が低くなる、いわゆる熱裕度が低いという問
題を有する。
取鍋を用いる従来方法では、容器容量が小さく強攪拌精
錬を行うことが困難で、特に脱燐反応は平衡から遠く、
目標の脱燐量を達成するためには必要以上のフラックス
を使用しなければならず、かつ反応速度が遅いために精
錬に長時間を要するという問題がある。
脱燐反応容器に転炉を用い、フラックス添加と酸素上吹
きおよび底吹き攪拌とを行って溶銑を脱りん精錬する際
に、底吹き攪拌動力が1.0kW/t以上、処理後のス
ラグ中のCaO/SiO2 が0.6以上2.5以下、処
理終点温度が1250℃以上1400℃以下となるよう
に投入フラックス量および/または底吹きガス量を調整
して脱りん精錬を行うことを特徴とする転炉製鋼法が開
示されている。更に上記に付加する条件として、上吹き
送酸速度が2.5Nm3 /min/t以上、処理後のス
ラグ中T.Fe濃度が10〜20重量%とする。
iO2 )を2.5以下と低塩基度にしているので、脱珪
と脱燐を同時に行うことが可能であり、また脱燐フラッ
クス量を従来に比較して低減することができる。上吹き
酸素ガスを用いて脱珪、脱燐を行うので、従来の固体酸
化鉄を用いる方法に比較して高い熱裕度を実現すること
ができる。又、脱燐容器として転炉を用い、上吹きガス
と底吹き攪拌力を用いるので、脱燐反応が平衡に近いと
ころまで進行し、短い処理時間で反応が進行する。
26号公報に開示された発明に基づいて、高速に脱燐精
錬を行うことが可能になったものの、脱燐反応中にスラ
グがフォーミングして転炉外に飛び出すスロッピング現
象を完全に防止するまでには至らず、予備処理における
歩留が十分には向上していなかった。又、脱燐反応中に
脱炭反応も一部進行する現象が見られた。脱燐精錬にお
ける脱燐反応効率を高めるためには終点温度を低く抑え
る必要がある。上記発明においては終点温度上限を14
00℃としている。脱燐精錬はこのような低温で終了す
るので、引続く脱炭精錬で必要な終点温度を確保するた
めには、脱炭精錬における熱源を十分に確保する必要が
あり、そのためには脱燐反応における脱炭反応は低いほ
ど好ましい。
タル石を添加することが必須であった。しかし、フッ素
が環境に及ぼす影響を考慮し、鋼の精錬においてもホタ
ル石の使用を抑えることが要請されている。
理を低塩基度のスラグによって実現し、強攪拌によって
脱燐反応を促進し、かつ、脱燐反応中にスロッピング現
象及び脱炭反応が起こらず、予備処理後の溶銑が高い熱
裕度を保持し、歩留が高く、フラックスとしてホタル石
を使用しない溶銑予備処理方法を提供することを目的と
する。
るところは、以下の通りである。 (1)底吹き攪拌と酸素ガス上吹きとを行いつつ脱燐を
含む精錬を行う溶銑予備処理方法において、底吹き攪拌
動力を1kW/t以上、上吹き酸素ガス流量を0.7〜
2.0Nm3/t/min、予備処理後のスラグ中Ca
O/SiO2 を2.5以下、T.Feを3%以上とする
ことを特徴とする溶銑予備処理方法。 (2)溶銑予備処理において添加するフラックス中には
ホタル石を含まないことを特徴とする前記(1)に記載
の溶銑予備処理方法。 (3)溶銑予備処理前の溶銑中のSi含有量が0.10
重量%以上であることを特徴とする前記(1)又は
(2)に記載の溶銑予備処理方法。 (4)溶銑予備処理後のスラグ中T.Feを3%以上2
0%以下とすることを特徴とする前記(1)乃至(3)
に記載の溶銑予備処理方法。 (5)溶銑予備処理終了時の溶銑温度を1300℃以上
1400℃以下とすることを特徴とする前記(1)乃至
(4)に記載の溶銑予備処理方法。 (6)上吹き送酸強さを示す下記(L/L0 )が、底吹
き攪拌動力εとの関係において、 0.4 −0.17×ε<(L/L0 )<0.6 −0.1 ×ε の範囲にあることを特徴とする請求項1乃至5に記載の
溶銑予備処理方法。但し、 L=Lh ・exp(−0.78h/Lh ) Lh =63.0(F/nd)2/3 ここで、Lキャビティー深さ(mm)、hはランスと鋼
浴面間距離(mm)、Fは上吹き酸素供給速度(Nm3/H
r)、nはノズル数、dはノズル直径(mm)である。
また、L0 は鋼浴深さ(mm)、εは底吹き攪拌動力
(kW/t)である。 (7)CaO/Oを0.5以上とすることを特徴とする
前記(1)乃至(6)に記載の溶銑予備処理方法。但
し、CaO/O=(予備処理で添加したCaO量(k
g))/(予備処理で気酸及び酸化鉄として供給した全
酸素(kg)) (8)CaO/Oを0.5以上1.5以下とすることを
特徴とする前記(7)に記載の溶銑予備処理方法。 (9)添加するCaOの全部又は一部をキャリアガスと
共に粉体として供給することを特徴とする前記(1)乃
至(8)に記載の溶銑予備処理方法。 (10)キャリアガスを酸素とすることを特徴とする前
記(9)に記載の溶銑予備処理方法。 (11)溶銑予備処理後に溶銑を別の容器に排出するこ
とによって予備処理スラグを溶銑から排除し、次いで前
記溶銑を脱炭炉に装入することを特徴とする前記(1)
乃至(10)に記載の溶銑予備処理方法。 (12)溶銑予備処理後の溶銑中C濃度が3.0%以上
であることを特徴とする前記(1)乃至(11)に記載
の溶銑予備処理方法。 (13)溶銑の脱珪処理を行って溶銑中のSi含有量を
0.10%〜0.20%とし、次いで前記(1)乃至
(12)に記載の溶銑予備処理を行い、更に脱炭処理を
行う鋼の精錬方法において、前記脱炭処理で発生した脱
炭スラグを前記脱珪処理の添加フラックスとして使用す
ることを特徴とする鋼の精錬方法。 (14)前記(1)乃至(12)に記載の溶銑予備処理
を行い、更に脱炭処理を行う鋼の精錬方法において、前
記溶銑予備処理の添加フラックスとして、前記脱炭処理
で発生した脱炭スラグを1〜20kg/t及び/又はア
ルミナを1〜5kg/t使用することを特徴とする鋼の
精錬方法。
量%を意味している。また、フラックス添加量のkg/
t表示は、溶銑トン当たりの添加量(kg)を意味し、
底吹き攪拌動力kW/t表示は、溶銑トン当たりの動力
(kW)を意味している。
ためには、スラグの塩基度を高める、スラグ中T.Fe
を高めてスラグの酸化度を増大する、溶銑温度を低く抑
える、という対策が有効である。従来のトーピードカー
等を利用した溶銑脱燐精錬においては、スラグの塩基度
を高めることによって脱燐反応の促進を図っていた。転
炉を用いた脱燐精錬においては、上吹き酸素ガスを用い
てスラグ中のT.Feを高めることも可能であったが、
溶銑予備処理でのスラグ中のT.Feの上昇はスラグと
メタルの非平衡度を増大させることとなり、高いT.F
e領域ではスラグ中のT.Feが安定せず、制御するこ
とが困難であった。特にスラグ中に上吹きランスにより
高速で酸素を連続的に供給する転炉型の処理では、スラ
グ中の成分の不均一化により局部的に高T.Fe部が生
じたり、溶銑とスラグの接触が不均一となることによ
り、脱炭量が変動し安定しないことがT.Feの不均一
化の要因であった。そのため高T.Fe領域を用いた脱
燐精錬は採用できなかった。本発明においては、上吹き
酸素ガス吹き込みと底吹き攪拌力の併用により、高T.
Feでの脱燐精錬を可能にした。本発明においては、1
kW/t以上の底吹き攪拌力を併用することにより、ス
ラグが適度に均一攪拌され、上述したようにスラグ中で
のT.Feの偏差を抑制するため、高T.Feでも安定
して脱燐精錬を行うことができる。一方、上吹き送酸条
件(速度+吹き付け強さ)に対して底吹きが強すぎる
と、スラグ/メタル間の反応(脱炭反応)が進行してス
ラグ中のT.Feを高位に保持することが困難となる。
用した脱燐精錬においては、速い脱燐反応速度を得るた
め、上吹き送酸速度として2.5Nm3 /min/t以
上の速度が用いられていた。送酸速度が速いと、浴表面
での溶鉄と酸素ガスとが結合して酸化鉄となる反応が促
進されるため、スラグ中の酸素ポテンシャルが高く、即
ちスラグ中のT.Feが高く保たれる。スラグ中の酸素
ポテンシャルの上昇は、脱燐反応が促進されるので好ま
しいと考えられていた。しかし、本発明者らの研究の結
果、スラグ中の酸素ポテンシャルが高すぎると、スラグ
−メタル界面でスラグ中の酸化鉄とメタル中の炭素とが
反応してCOガスが発生し、スラグがフォーミングして
スロッピング発生の原因となることが判明した。また、
上記COガス発生反応の結果として脱燐精錬中に脱炭反
応が進行し、脱燐精錬完了時の溶銑中炭素が過度に低下
する原因となっていることも判明した。本発明は、上記
知見に基づき、上吹き送酸速度上限を2.0Nm3 /m
in/tとし、スラグ中T.Feを20%以下、好まし
くは15%以下におさえてスラグ中の酸素ポテンシャル
を抑え、もってスロッピング発生を防止するとともに脱
燐精錬中の脱炭反応を低く抑えたところに最大の特徴が
ある。本発明においては、スラグ中T.Feは3%以上
20%以下(好ましくは15%以下)であれば発明の効
果を発揮することができる。本発明においては、上吹き
ランスの送酸速度と攪拌力の関係を適正化するために上
吹きランス高さの調整によって上吹き送酸強さを最適化
し、また、脱燐前溶銑Siレベルと脱燐スラグ塩基度と
の適正化によって最適量の脱燐スラグが生成され、効率
的な脱燐反応を行うことができるため、スラグ中T.F
e3%以上という低いT.Feでも脱燐精錬を行うこと
ができるのである。
2.5以下としているため、従来の脱燐精錬用フラック
ス成分として必須であったホタル石を添加しなくても、
脱燐スラグとして十分な滓化性が確保できる点に第2の
特徴がある。
ス上吹きとを併用するため、反応容器としては溶銑を装
入した上で十分なフリーボードを確保できる容器が必要
である。また、酸素ガス上吹きのためのランスをはじめ
とする送酸設備が必要である。この目的のためには、鋼
の脱炭精錬のために用いられる通常の上底吹き転炉が最
も好ましい。ただし、上吹き送酸速度は脱炭精錬に比較
すると低いので、容器容量は脱炭精錬に用いられる容器
容量よりは小さくすることも可能である。傾動可能であ
って出鋼口を有する転炉を用いることにより、炉前側に
傾動して予備処理前溶銑を装入し、炉を直立して予備処
理を行い、次に炉裏側に傾動して炉下に準備した取鍋に
出湯し、予備処理スラグを排除した上で脱炭精錬のため
の転炉に再装入して脱炭精錬を完了することができる。
転炉型の予備処理炉を用いれば、予備処理の主原料とし
てスクラップ等の冷鉄源を用いることも可能になる。予
備処理で主原料に冷鉄源を用いれば、たとえ脱炭精錬に
おける熱裕度が十分でなくても精錬工程全体として冷鉄
源使用比率を十分に高めることが可能になる。
ら、溶鉄とスラグ間のP分配について、広いC濃度範囲
で適用可能な見かけの平衡式について、Healy Typeの燐
分配実験式を下記式(1)のように導出されている(特
開平7−70626号公報)。
(P)/[P]obs. )と、上記式(1)から計算した計算P分
配(Lp-calc.=(P)/[P]calc. )の比をとり、この比を見
かけの平衡到達度(Lp-obs./Lp-calc.)とした。底吹き
攪拌動力(kW/t)をパラメータとして見かけの平衡
到達度を整理すると、攪拌動力1kW/t以上で溶鉄と
スラグのP分配は見かけの平衡に到達している。このこ
とより、本発明の底吹き攪拌動力は1kW/t以上とし
た。なお、底吹き攪拌動力ε’は、下記式(2)を用い
て底吹きガス流量等から求めることができる。
/t)は底吹きガス流量、Tn (K)は吹き込みガス温
度、Tl (K)は溶鉄温度、P2 (Pa)は雰囲気圧力
を示す。底吹きガス種としては、どのようなガスを用い
ることもできる。アルゴン、窒素、二酸化炭素、一酸化
炭素等の精錬ガス、或いはこれら精錬ガスと酸素との混
合ガスを用いることができる。溶銑予備処理において
は、それに続く脱炭処理で同時に脱窒を行うことができ
るので、処理後の溶鋼中窒素濃度が上昇しても問題にな
らない。従って、製造コストを低減する上では窒素又は
圧縮空気を用いることが最適である。酸素を含有するガ
スを用いる場合には、底吹きガスによる脱炭を抑制する
ために、ガス中酸素比率は70%以下とすることが望ま
しい。
とする。3%未満では十分な脱燐反応を得ることができ
ないからである。また、スラグ中T.Feの上限は20
%とすることが好ましい。20%を超えると、スラグ中
酸化鉄と溶鉄中炭素との反応が激しくなり、スロッピン
グ発生や過度の脱炭反応の進行が起こるからである。ス
ラグ中のT.Feは、より好ましくは15%以下とす
る。これにより、スロッピングの発生や脱炭反応の進行
を抑え、より一層の効果を発揮するからである。脱燐精
錬における供給酸素の大部分を酸化鉄としてインジェク
ションする従来の予備処理においては、スラグ中のT.
Feはいずれも低く、送酸速度の影響を受けにくい。そ
れに対し、本発明の上吹きランスから酸素ガスを高速供
給する方法においては、酸素供給速度が高いほどスラグ
酸素ポテンシャル(スラグ中T.Fe濃度)が高くな
る。また、酸素供給速度とスラグ中T.Fe濃度との関
係は底吹き攪拌動力にも影響を受ける。底吹き攪拌動力
が2kW/tにおいては、上吹き送酸速度2.0Nm3
/t/minにおいてスラグ中T.Feが15%とな
り、この範囲を超えてスラグ中T.Feが高くなるとス
ラグ中酸化鉄と溶鉄中炭素との反応が激しくなり、上記
のようにスロッピング発生や過度の脱炭反応の進行が起
こる。そのため、本発明の上吹き送酸速度の上限を2.
0Nm3 /t/minとした。なお、底吹き攪拌動力が
下がると同じ上吹き送酸速度でもスラグ中T.Fe濃度
は上昇する。また、上吹き送酸速度の下限は0.7Nm
3 /t/minとする。送酸速度がこれより低いと、ス
ラグ中T.Fe濃度が3%未満となり、十分な脱燐反応
を得ることができなくなるからである。
2 (塩基度)の上限は2.5とする。塩基度の上昇とと
もに、スラグの融点が上昇するためスラグの十分な滓化
が困難になり、塩基度が2.5を超えると脱燐反応効率
の上昇が見られなくなる。一方、塩基度が高くなるほど
必要なフラックス量は多くなり、スラグ中に取り込まれ
る鉄ロスも増大するため、塩基度の上限を2.5とし
た。一方、塩基度が低くなると脱燐反応効率が低下する
が、予備処理後のスラグ塩基度が1.2以上であれば本
発明の効果を十分に達成することができる。生石灰のみ
で滓化が不足する場合は、アルミナあるいは脱炭工程で
発生する脱炭滓を添加することによって滓化を促進させ
ることができる。アルミナ添加量は1〜5kg/t、脱
炭滓添加量は1〜20kg/tの範囲が好適である。
ので、添加フラックスとしてはCaOのみとし、ホタル
石を添加しなくても十分にスラグを滓化することができ
る。このため、予備処理においてホタル石無添加を実現
することができ、精錬工程の副産物中のフッ素含有をな
くして環境の改善を図ることができる。ホタル石は無添
加とすることがより好ましいが、添加量が1kg/t未
満であれば十分に目的を達することができる。
な脱燐スラグ量を確保するため、スラグ中のSiO2 を
確保する必要がある。予備処理前の溶銑中のSi含有量
を0.10重量%以上とすれば、本発明の予備処理中に
おいて上記Siが燃焼し、スラグ中のSiO2 源とする
ことができる。そのため、本発明の溶銑予備処理に先立
って溶銑脱珪処理を行う場合には、脱珪処理後の溶銑中
Siを0.10重量%以上とすることが好ましい。溶銑
中のSi含有量が低い場合には、滓化剤としてSiO2
源を添加することにより塩基度を調整することも可能で
ある。
終了時の溶銑温度が低いほど脱燐反応は進行する。予備
処理終了時の溶銑温度を1400℃以下とすれば、脱燐
反応は十分に進行して本発明の効果を十分に達成するこ
とができるので好ましい。一方、予備処理終了時の溶銑
温度が低すぎると、引続く脱炭処理において熱源が不足
し、脱炭終了時の必要な溶鋼温度を確保することができ
ない場合が生じるので、予備処理終了時の溶銑温度は1
300℃以上とすることが好ましい。
本発明の適正範囲に保ち、かつ本発明の低T.Fe濃度
において効率的な脱燐を促進するためには、底吹き攪拌
動力、及び上吹き酸素ガス流量を規定するのみならず、
上吹きランス高さを調整して上吹き送酸強さを適正化す
ることが好ましい。上吹き送酸強さは下記計算式で計算
されるLと鋼浴深さL0 の比(L/L0 )によって表さ
れ、(L/L0 )が、底吹き攪拌動力εとの関係におい
て、 0.4 −0.17×ε<(L/L0 )<0.6 −0.1 ×ε の範囲にある場合に効率的な脱燐を実行することができ
る。但し、 L=Lh ・exp(−0.78h/Lh ) Lh =63.0(F/nd)2/3 ここで、Lキャビティー深さ(mm)、hはランスと鋼
浴面間距離(mm)、Fは上吹き酸素供給速度(Nm3/H
r)、nはノズル数、dはノズル直径(mm)である。
また、L0 は鋼浴深さ(mm)、εは底吹き攪拌動力
(kW/t)である。
ための必要な上吹きの吹き付け強度から決定される。即
ち、L/L0 が規定された範囲より低い場合にはスラグ
中の攪拌が不足し、生成された酸化鉄の反応界面への移
動、反応界面で生成された燐酸のバルクへの移動が不十
分となり、T.Feが高すぎたり、脱燐効率の低下が発
生する。また、L/L0 の上限は、スラグ/メタル間の
非平衡度を保持するための上吹き最大攪拌動力を示す。
即ち、L/L0 が規定された範囲より大きい場合(ハー
ドブロー)にはスラグとメタルの混合が促進された平衡
に近づくため、スラグ中T.Feが低位となり必要な非
平衡度が保持不可能となる。
たPは3CaO・P2 O5 の形で脱燐生成物となると考
え、添加したフラックス(CaO)のうち、脱燐に寄与
した(3CaO・P2 O5 となった)CaOの割合であ
る脱燐寄与効率ηCaO を下記式(3)のように定義す
る。
の溶銑中P濃度を、WCaO(kg/t)は添加した生石灰原単位
を示す。
化鉄として供給した全酸素)の重量比をCaO/O(kg/
kg) と定義する。CaO/Oは、溶銑脱燐処理実施時の
スラグ酸化度とスラグ塩基度レベルを支配する操業パラ
メータの一つである。ηCaOは、CaO/Oとの相関が
強く、CaO/Oが高くなるとηCaO は低下する。本発
明においては、CaO/Oを1.5以下とすることによ
り、生石灰の反応効率(ηCaO )を10%以上とするこ
とができるので好ましい。
に脱硫反応も重要な制御因子である。特に近年は製銑工
程での安価原料燃料使用による溶銑Sレベルの上昇、製
品規格の厳格化に伴う精錬後目標Sレベルの低下によ
り、溶銑予備処理での脱硫負荷が高まり、スラグ量増大
要因の一つとなっている。このため、本発明の溶銑予備
処理における同時脱硫率(式(4)で定義するRs)が高
ければ、一貫スラグ量低減の視点からも効果は大きい。
/Oによって整理できることを本発明者らが明らかにし
た。即ち、CaO/Oの値が大きいほど同時脱硫率
(Rs)を高くすることができる。CaO/Oを0.5以
上とすれば、本発明の溶銑予備処理において同時脱硫能
力を得ることができる。これにより、本発明の溶銑予備
処理において同時に脱硫精錬も行うことが可能になり、
脱燐+脱硫一貫でのスラグ発生量低減に有効である。
(CaO)は、塊状の生石灰として添加することが可能
である。更に、添加するCaOの全部又は一部をキャリ
アガスと共に粉体として供給することもできる。本発明
のスラグは低塩基度であることが特徴であるが、CaO
を粉体としてキャリアガスとともに溶銑中に供給するこ
とにより、局部的に高塩基度のフラックスと溶銑とが接
触することとなり、それもフラックスは粉体として供給
するので接触する表面積が多くなり、脱燐反応を促進す
る効果を得ることができる。キャリアガスとともに粉体
を供給する手段としては、底吹きガスに混合して供給す
る方法、上吹き酸素ガスに混合して供給する方法、上吹
き酸素ランスとは別に粉体供給ランスを準備して溶銑の
上方から吹き付ける方法、上吹きインジェクションラン
スを用いて溶銑中に吹き込む方法から選択することがで
きる。
ンスから粉体とともに供給すると、酸素ガスが溶鉄と反
応する高温の火点において粉体が溶鉄に接触するため、
添加したCaOと酸化鉄とからカルシウムフェライトが
生成することにより、脱燐効率を一層向上させることが
可能である。
予備処理終了時の溶銑温度が低い方が好ましいのは前記
した通りである。また、予備処理において脱炭が進行し
て予備処理終了時の溶銑中炭素が低くなると、続く脱炭
工程での熱源が不足して熱裕度が十分に確保できなくな
ることも前記した通りである。予備処理終点における溶
銑中Cを3.0重量%以上とすることが好ましい。これ
により、脱炭工程で主原料としてスクラップ等を使用す
ることも含め、十分な熱裕度を確保することができる。
本発明においては、上吹き酸素供給速度を本発明範囲内
とすることにより、予備処理中の脱炭を抑制して予備処
理終点C濃度を確保することが可能である。
転炉にて行った場合には、そのまま同じ転炉で脱炭処理
を行うことも可能である。その場合、溶銑予備処理で生
成したスラグ(Pを含む)を除去してから脱炭処理を開
始する必要があり、例えば転炉を炉前側に傾動してスラ
グを炉口から排出することが行われる。しかし、この方
法では十分にスラグを排出することができず、炉内に残
存したスラグ中のPが脱炭処理中に復燐して脱炭終点時
の溶鋼中のPが高くなるという問題を有する。これに対
し、溶銑予備処理を出鋼口を有する転炉で行い、溶銑予
備処理完了後に出鋼口から溶銑を転炉下に配置した取鍋
に出湯し、炉内に残存したスラグを別容器に排出して予
備処理完了溶銑とスラグとを分離することができる。次
いで前記取鍋に出湯した溶銑を改めて脱炭炉に装入して
脱炭処理を行えば、脱炭中における復燐を大幅に抑制す
ることができる。予備処理に用いる転炉と脱炭に用いる
転炉は、同一の炉でも別の炉でもかまわない。
には、各精錬工程での反応効率の向上によって添加する
フラックス量を低減させると同時に、各工程で発生した
スラグをより付加価値の高い工程へリサイクルを実施す
ることによる一貫での発生量低減が重要である。従来よ
り、溶銑予備処理後に脱炭処理を行う場合において、脱
炭工程で発生する脱炭滓を予備処理工程にリサイクルす
ることが行われている。溶銑の脱珪処理を行い、次いで
本発明の溶銑予備処理を行い、更に脱炭処理を行う鋼の
精錬方法においては、本発明の溶銑予備処理で生成する
スラグの塩基度が比較的低いので、Pの分配比が他の溶
銑予備処理に比較して低位である。このため、本プロセ
スへの脱炭滓の多量リサイクル時には、脱炭滓から混入
する(脱炭工程で得られるP分配比に応じて含有する燐
酸)による燐分の増加は好ましくない。また、本発明の
ように好ましい脱燐前Siレベルが0.1%以上の場合
には、系外からの更なるSiO2 源を添加することは、
更なる塩基度の低下を招き、P分配比の低下を招くため
好ましくない。そのため、脱炭滓は脱燐を含む本発明の
溶銑予備処理ではなく、脱珪工程にリサイクルすること
が好ましい。脱炭滓を本発明の溶銑予備処理にリサイク
ルする場合には、スラグの反応性を向上させる滓化剤と
して、20kg/t以下の添加が好ましい。
進ではなく、スロッピングの抑制を目的として塩基度を
保持するものであり、その塩基度のレベルは多少の低下
があっても操業上問題はない。このため、塩基度3〜5
を有する脱炭滓は脱珪期での有効な塩基度確保のための
フラックスとなりうる。Pの上昇もない。この場合の脱
珪工程とは、脱燐と同一炉、又は脱珪の専用炉(転炉、
鍋、TPC)において事前のSiレベル調整のために実
施する工程を示す。
例としてトーピードカーで予備処理を行う方法(比較例
1(B)、比較例2(C))及び取鍋で予備処理を行う
方法(比較例3(D))を実施した。
・脱燐処理方式であり、比較例1(B)、比較例2
(C)は鋳床で予備脱珪を実施した溶銑を用い、銑鋼間
の溶銑輸送容器であるトーピードカー(TPC)でのフ
ラックスインジェクション方式、比較例3(D)ではT
PCにて予備脱珪した後、転炉への溶銑装入鍋でのフラ
ックスインジェクション方式を採用した。酸素供給方式
に関しては、インジェクション方式では酸化鉄やダスト
等(固酸)が中心であるのに対し、本発明では上吹きに
よる気体酸素が主体となる。
(P)/[P]obs. )と、前記式(1)から計算した計算P分
配(Lp-calc.=(P)/[P]calc. )の比をとり、この比を見
かけの平衡到達度(Lp-obs./Lp-calc.)とした。底吹き
攪拌動力(kW/t)をパラメータとして見かけの平衡
到達度を整理して図2に示した。攪拌動力1kW/t以
上の本発明で溶鉄とスラグのP分配は見かけの平衡に到
達している。底吹き攪拌動力ε’は、前記式(2)を用
いて底吹きガス流量等から求めることができる。
素)と予備処理後のスラグ酸化度の指標としての(%
T.Fe)の関係を、また、図4には式(5)で定義し
た見かけの脱燐反応速度k'P に及ぼす酸素供給速度の影
響を示す。
部分を酸化鉄としてインジェクションする従来の予備処
理においては、スラグ中のT.Feはいずれも低く、送
酸速度の影響を受けにくいのに対し、本発明の上吹きラ
ンスから酸素ガスを高速供給する方法においては、酸素
供給速度が高いほどスラグ酸素ポテンシャル(スラグ中
T.Fe濃度)が高くなる傾向が認められる。図4の脱
燐速度に関しては、いずれのプロセスでも送酸速度の増
加に伴い見かけ上の脱燐速度が増加する傾向が認められ
る。
グ−メタル間のP分配との関係を示す。塩基度2.5以
下では塩基度の上昇とともにP分配も向上するのに対
し、塩基度が2.5を超えるとP分配比の上昇が見られ
なくなる傾向が認められる。
とスラグ−メタル間のP分配との関係を示す。予備処理
終了時の溶銑温度が高くなると急激に分配比が低下する
傾向が認められる。
のスラグによって実現し、強攪拌によって脱燐反応を促
進し、かつ、脱燐反応中にスロッピング現象及び脱炭反
応がが起こらず、予備処理後の溶銑が高い熱裕度を保持
し、歩留が高く、フラックスとしてホタル石を使用しな
い溶銑予備処理方法を提供することができた。
示す図である。
衡到達度との関係を示す図である。
T.Fe)との関係を示す図である。
応速度との関係を示す図である。
ラグ−メタル間P分配との関係を示す図である。
−メタル間P分配との関係を示す図である。
Claims (14)
- 【請求項1】 底吹き攪拌と酸素ガス上吹きとを行いつ
つ脱燐を含む精錬を行う溶銑予備処理方法において、底
吹き攪拌動力を1kW/t以上、上吹き酸素ガス流量を
0.7〜2.0Nm3/t/min、予備処理後のスラ
グ中CaO/SiO2 を2.5以下、T.Feを3%以
上とすることを特徴とする溶銑予備処理方法。 - 【請求項2】 溶銑予備処理において添加するフラック
ス中ホタル石添加量が1kg/t未満であることを特徴
とする請求項1に記載の溶銑予備処理方法。 - 【請求項3】 溶銑脱燐処理前の溶銑中のSi含有量が
0.10重量%以上であることを特徴とする請求項1又
は2に記載の溶銑予備処理方法。 - 【請求項4】 溶銑予備処理後のスラグ中T.Feを3
%以上20%以下とすることを特徴とする請求項1乃至
3に記載の溶銑予備処理方法。 - 【請求項5】 溶銑予備処理終了時の溶銑温度を130
0℃以上1400℃以下とすることを特徴とする請求項
1乃至4に記載の溶銑予備処理方法。 - 【請求項6】 上吹き送酸強さを示す下記(L/L0 )
が、底吹き攪拌動力εとの関係において、 0.4 −0.17×ε<(L/L0 )<0.6 −0.1 ×ε の範囲にあることを特徴とする請求項1乃至5に記載の
溶銑予備処理方法。但し、 L=Lh ・exp(−0.78h/Lh ) Lh =63.0(F/nd)2/3 ここで、Lキャビティー深さ(mm)、hはランスと鋼
浴面間距離(mm)、Fは上吹き酸素供給速度(Nm3/H
r)、nはノズル数、dはノズル直径(mm)である。
また、L0 は鋼浴深さ(mm)、εは底吹き攪拌動力
(kW/t)である。 - 【請求項7】 CaO/Oを0.5以上とすることを特
徴とする請求項1乃至6に記載の溶銑予備処理方法。但
し、CaO/O=(予備処理で添加したCaO量(k
g))/(予備処理で気酸及び酸化鉄として供給した全
酸素(kg)) - 【請求項8】 CaO/Oを0.5以上1.5以下とす
ることを特徴とする請求項7に記載の溶銑予備処理方
法。 - 【請求項9】 添加するCaOの全部又は一部をキャリ
アガスと共に粉体として供給することを特徴とする請求
項1乃至8に記載の溶銑予備処理方法。 - 【請求項10】 キャリアガスを酸素とすることを特徴
とする請求項9に記載の溶銑予備処理方法。 - 【請求項11】 溶銑予備処理後に溶銑を別の容器に排
出することによって予備処理スラグを溶銑から排除し、
次いで前記溶銑を脱炭炉に装入することを特徴とする請
求項1乃至10に記載の溶銑予備処理方法。 - 【請求項12】 溶銑予備処理後の溶銑中C濃度が3.
0%以上であることを特徴とする請求項1乃至11に記
載の溶銑予備処理方法。 - 【請求項13】 溶銑の脱珪処理を行って溶銑中のSi
含有量を0.10%〜0.20%とし、次いで請求項1
乃至12に記載の溶銑予備処理を行い、更に脱炭処理を
行う鋼の精錬方法において、前記脱炭処理で発生した脱
炭スラグを前記脱珪処理の添加フラックスとして使用す
ることを特徴とする鋼の精錬方法。 - 【請求項14】 請求項1乃至12に記載の溶銑予備処
理を行い、更に脱炭処理を行う鋼の精錬方法において、
前記溶銑予備処理の添加フラックスとして、前記脱炭処
理で発生した脱炭スラグを1〜20kg/t及び/又は
アルミナを1〜5kg/t使用することを特徴とする鋼
の精錬方法。
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