JPH11269554A - 電子銃部品用Fe−Ni合金の製造方法 - Google Patents
電子銃部品用Fe−Ni合金の製造方法Info
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- JPH11269554A JPH11269554A JP10090962A JP9096298A JPH11269554A JP H11269554 A JPH11269554 A JP H11269554A JP 10090962 A JP10090962 A JP 10090962A JP 9096298 A JP9096298 A JP 9096298A JP H11269554 A JPH11269554 A JP H11269554A
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- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
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- C22C—ALLOYS
- C22C38/00—Ferrous alloys, e.g. steel alloys
- C22C38/08—Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing nickel
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- C21D6/00—Heat treatment of ferrous alloys
- C21D6/001—Heat treatment of ferrous alloys containing Ni
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 金型寿命の低下の問題を生じることなく、打
抜き性を改善した電子銃部品用Fe−Ni合金の製造方
法を提供する。 【解決手段】 重量%で、Ni:30〜55%、Mn:
0.8%以下、Ti,Mg,Ce及びCaのうち一種ま
たは二種以上を合計で0.005%以上かつ0.5%未
満を含有し、残部がFe及び不可避的不純物よりなるF
e−Ni合金を、基本的に溶解、鋳造、熱間加工、冷間
圧延、焼鈍からなる工程で製造する電子銃部品用Fe−
Ni合金の製造方法であって、Fe−Ni合金は、Sの
含有量を[%S]、Ti,Mg,Ce,Caの含有量の
合計を[%X]としたときに、0.00005≦[%X]
[%S]≦0.0100を満たし、かつ、熱間加工を下記
式で示す温度Tに加熱して行う。
抜き性を改善した電子銃部品用Fe−Ni合金の製造方
法を提供する。 【解決手段】 重量%で、Ni:30〜55%、Mn:
0.8%以下、Ti,Mg,Ce及びCaのうち一種ま
たは二種以上を合計で0.005%以上かつ0.5%未
満を含有し、残部がFe及び不可避的不純物よりなるF
e−Ni合金を、基本的に溶解、鋳造、熱間加工、冷間
圧延、焼鈍からなる工程で製造する電子銃部品用Fe−
Ni合金の製造方法であって、Fe−Ni合金は、Sの
含有量を[%S]、Ti,Mg,Ce,Caの含有量の
合計を[%X]としたときに、0.00005≦[%X]
[%S]≦0.0100を満たし、かつ、熱間加工を下記
式で示す温度Tに加熱して行う。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子銃部品、例え
ば電子銃電極材料として好適な、プレス打抜き性を向上
させたFe−Ni合金の製造方法に関する。
ば電子銃電極材料として好適な、プレス打抜き性を向上
させたFe−Ni合金の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図1は、公知のシャドウマスク型カラー
ブラウン管の断面図であって、パネル1に赤、緑、青の
3原色を発光する蛍光膜2が塗布されており、一方ネッ
ク部には電子ビーム3を発射する電子銃4が装備されて
いる。電子ビーム3は偏向ヨーク5により偏向操作され
る。6はシャドウマスク、そして7は磁気シールドであ
る。
ブラウン管の断面図であって、パネル1に赤、緑、青の
3原色を発光する蛍光膜2が塗布されており、一方ネッ
ク部には電子ビーム3を発射する電子銃4が装備されて
いる。電子ビーム3は偏向ヨーク5により偏向操作され
る。6はシャドウマスク、そして7は磁気シールドであ
る。
【0003】図2(a)及び(b)は、電子銃4に装備
される打抜き加工部品の一例としての電極(グリッド電
極)10を示す斜視図及び断面図である。電極10は、
電子銃の陰極から熱放出された電子を制御し、電子ビー
ムを形成し、その電子流量を変調する役目をなす。電極
10にはそれぞれ赤、緑及び青発色用ビームを通過させ
る微小孔10a、10b及び10cをコイニングとプレ
ス打抜き加工により形成している。
される打抜き加工部品の一例としての電極(グリッド電
極)10を示す斜視図及び断面図である。電極10は、
電子銃の陰極から熱放出された電子を制御し、電子ビー
ムを形成し、その電子流量を変調する役目をなす。電極
10にはそれぞれ赤、緑及び青発色用ビームを通過させ
る微小孔10a、10b及び10cをコイニングとプレ
ス打抜き加工により形成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に、受像管などに
用いられる電子銃部品は、板厚0.05〜0.5mm程
度の非磁性ステンレス鋼を上述のようにコイニングを経
てあるいは経ずにプレス打抜き加工することにより完成
させる。ところが、最近は電子銃の陰極に近いところに
位置する電極には、非磁性であることよりもむしろ熱膨
張が小さいことが重要視されるようになってきた。すな
わち、近年のコンピューターディスプレー等の受像管の
高精細化、高機能化にともない、電極部品の熱膨張によ
る微妙な寸法変化がパネル1(図1参照)上の画面の性
能(色純度)に影響するようになってきたのである。
用いられる電子銃部品は、板厚0.05〜0.5mm程
度の非磁性ステンレス鋼を上述のようにコイニングを経
てあるいは経ずにプレス打抜き加工することにより完成
させる。ところが、最近は電子銃の陰極に近いところに
位置する電極には、非磁性であることよりもむしろ熱膨
張が小さいことが重要視されるようになってきた。すな
わち、近年のコンピューターディスプレー等の受像管の
高精細化、高機能化にともない、電極部品の熱膨張によ
る微妙な寸法変化がパネル1(図1参照)上の画面の性
能(色純度)に影響するようになってきたのである。
【0005】そこで、低熱膨張特性を有するFe−Ni
合金、特にFe−42%Ni合金(42合金)が電極材
料として用いられ始めたが、従来の42合金は電極部品
に微小孔10a、10b及び10cを打抜き加工する際
に、パンチが素材から打抜きカスを切り離す先端縁10
e(図2参照)にバリBが発生するという問題がある。
打抜き加工時に発生するバリは、電子ビームの制御に悪
影響を与え、電子銃にとっての致命的欠陥と言える。今
後、さらに受像管の高精細化が進むことから電子銃部品
に発生するバリ低減への要求はますます厳しくなってい
る。
合金、特にFe−42%Ni合金(42合金)が電極材
料として用いられ始めたが、従来の42合金は電極部品
に微小孔10a、10b及び10cを打抜き加工する際
に、パンチが素材から打抜きカスを切り離す先端縁10
e(図2参照)にバリBが発生するという問題がある。
打抜き加工時に発生するバリは、電子ビームの制御に悪
影響を与え、電子銃にとっての致命的欠陥と言える。今
後、さらに受像管の高精細化が進むことから電子銃部品
に発生するバリ低減への要求はますます厳しくなってい
る。
【0006】従来から、Fe−Ni合金の打抜き性を改
善するための提案が、特開平6−184703号、特開
平6−122945号、特開平7−3400号、特開平
7−34199号等によりなされている。その中で、特
開平6−184703号では、S含有量を0.002〜
0.05%に規定し、SまたはS化合物を粒界または粒
内に分散することが提案されている。しかしながら、単
に快削性元素であるSを添加し、その含有量を規定する
だけでは、最近の極めて高い精度が要求される部品にお
けるバリ抑制には十分とは言えない。
善するための提案が、特開平6−184703号、特開
平6−122945号、特開平7−3400号、特開平
7−34199号等によりなされている。その中で、特
開平6−184703号では、S含有量を0.002〜
0.05%に規定し、SまたはS化合物を粒界または粒
内に分散することが提案されている。しかしながら、単
に快削性元素であるSを添加し、その含有量を規定する
だけでは、最近の極めて高い精度が要求される部品にお
けるバリ抑制には十分とは言えない。
【0007】次に、特開平6−122945号、特開平
7−3400号、特開平7−34199号では、Ti、
Nb、V、Ta、W、Zr等の強度向上元素を添加し、
硬さ上昇と適度の脆化によりバリ発生を押さえようとす
る提案がなされているが、硬さ上昇による金型寿命の低
下の問題を抱えている。したがって本発明は、上記従来
技術の問題点を解消し、金型寿命の低下の問題を生じる
ことなく、プレス打抜き性を改善した電子銃部品用Fe
−Ni合金の製造方法を提供することを目的としてい
る。
7−3400号、特開平7−34199号では、Ti、
Nb、V、Ta、W、Zr等の強度向上元素を添加し、
硬さ上昇と適度の脆化によりバリ発生を押さえようとす
る提案がなされているが、硬さ上昇による金型寿命の低
下の問題を抱えている。したがって本発明は、上記従来
技術の問題点を解消し、金型寿命の低下の問題を生じる
ことなく、プレス打抜き性を改善した電子銃部品用Fe
−Ni合金の製造方法を提供することを目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、プレス打
抜き性に影響を及ぼす介在物と、介在物の分布に及ぼす
製造条件の影響を鋭意研究した結果、Ti,Mg,C
e,Ca及びSの含有量を特定の範囲に限定すること
と、それらの含有量によって決まる適性温度に加熱して
熱間加工を行うことにより、電子銃部品用Fe−Ni合
金のプレス打抜き性を改善し、上記目的を達成するに到
った。
抜き性に影響を及ぼす介在物と、介在物の分布に及ぼす
製造条件の影響を鋭意研究した結果、Ti,Mg,C
e,Ca及びSの含有量を特定の範囲に限定すること
と、それらの含有量によって決まる適性温度に加熱して
熱間加工を行うことにより、電子銃部品用Fe−Ni合
金のプレス打抜き性を改善し、上記目的を達成するに到
った。
【0009】すなわち、Ti,Mg,Ce,Caの硫化
物を適当量材料中に析出させ、打抜きの際にき裂の発生
と伝播を促進することによって、プレス打抜き性を向上
させることができる。さらに、本発明者らの検討によれ
ば、プレス打抜き性を向上させるためには、単に上記元
素(以下、硫化物形成元素という)とSの含有量を規定
するだけでは硫化物の量や分布を制御することができず
不充分であり、それには熱間加工時の加熱温度が大きく
関わってくることが明らかになった。そして、本発明者
らは、Ti,Mg,Ce,Ca及びSの含有量によって
熱間加工の適性な加熱温度が変動することを見出し、こ
の適正な加熱温度と上記硫化物形成元素及びSの含有量
を適性範囲に制御することとを合わせて、初めて電子銃
部品のバリに対する厳しい要求に応えられる合金を供給
できることを見出すに到った。なお、本発明では、合金
の硬さ上昇には効果の小さな硫化物をプレス打抜き性向
上に利用するので、硬さ上昇による金型寿命の低下の問
題を生じることはない。
物を適当量材料中に析出させ、打抜きの際にき裂の発生
と伝播を促進することによって、プレス打抜き性を向上
させることができる。さらに、本発明者らの検討によれ
ば、プレス打抜き性を向上させるためには、単に上記元
素(以下、硫化物形成元素という)とSの含有量を規定
するだけでは硫化物の量や分布を制御することができず
不充分であり、それには熱間加工時の加熱温度が大きく
関わってくることが明らかになった。そして、本発明者
らは、Ti,Mg,Ce,Ca及びSの含有量によって
熱間加工の適性な加熱温度が変動することを見出し、こ
の適正な加熱温度と上記硫化物形成元素及びSの含有量
を適性範囲に制御することとを合わせて、初めて電子銃
部品のバリに対する厳しい要求に応えられる合金を供給
できることを見出すに到った。なお、本発明では、合金
の硬さ上昇には効果の小さな硫化物をプレス打抜き性向
上に利用するので、硬さ上昇による金型寿命の低下の問
題を生じることはない。
【0010】本発明の電子銃部品用Fe−Ni合金の製
造方法は、上記知見に基づいてなされたもので、重量%
で、Ni:30〜55%、Mn:0.8%以下、S:
0.001〜0.050%、Ti,Mg,Ce及びCa
のうち一種または二種以上を合計で0.005%以上か
つ0.5%未満を含有し、残部がFe及び不可避的不純
物よりなるFe−Ni合金を、基本的に溶解、鋳造、熱
間加工、冷間圧延、焼鈍からなる工程で製造する電子銃
部品用Fe−Ni合金の製造方法において、Fe−Ni
合金は、Sの含有量を[%S]、Ti,Mg,Ce,C
aの含有量の合計を[%X]としたときに、0.000
05≦[%X][%S]≦0.0100を満たし、かつ、熱
間加工を下記式で示す温度Tに加熱して行うことを特徴
としている。
造方法は、上記知見に基づいてなされたもので、重量%
で、Ni:30〜55%、Mn:0.8%以下、S:
0.001〜0.050%、Ti,Mg,Ce及びCa
のうち一種または二種以上を合計で0.005%以上か
つ0.5%未満を含有し、残部がFe及び不可避的不純
物よりなるFe−Ni合金を、基本的に溶解、鋳造、熱
間加工、冷間圧延、焼鈍からなる工程で製造する電子銃
部品用Fe−Ni合金の製造方法において、Fe−Ni
合金は、Sの含有量を[%S]、Ti,Mg,Ce,C
aの含有量の合計を[%X]としたときに、0.000
05≦[%X][%S]≦0.0100を満たし、かつ、熱
間加工を下記式で示す温度Tに加熱して行うことを特徴
としている。
【数2】
【0011】
【発明の実施の形態】以下、上記数値限定の理由を本発
明の作用とともに説明する。 Ni:NiはFe−Ni合金の熱膨張特性を決定する重
要な元素であり、30%未満あるいは55%を超えると
熱膨張係数が大きくなりすぎて好ましくない。よって、
Niの成分範囲は30〜55%とした。 Mn:Mnは0.8%を超えて含有すると合金の硬さが
上昇して金型の摩耗を促進するようになるとともに、熱
膨張係数も大きくなる。よって、Mnの成分範囲は0.
8%以下とした。
明の作用とともに説明する。 Ni:NiはFe−Ni合金の熱膨張特性を決定する重
要な元素であり、30%未満あるいは55%を超えると
熱膨張係数が大きくなりすぎて好ましくない。よって、
Niの成分範囲は30〜55%とした。 Mn:Mnは0.8%を超えて含有すると合金の硬さが
上昇して金型の摩耗を促進するようになるとともに、熱
膨張係数も大きくなる。よって、Mnの成分範囲は0.
8%以下とした。
【0012】S:SはTi,Mg,Ce,Caとともに
プレス打抜き性を向上させる硫化物を形成する。S含有
量が0.001%未満ではプレス打抜き性向上に十分で
なく、0.050%を超えると熱間加工性や耐食性が劣
化するので、Sの成分範囲を0.001〜0.050%
とした。なお、さらに好ましい範囲は0.003〜0.
020%である。
プレス打抜き性を向上させる硫化物を形成する。S含有
量が0.001%未満ではプレス打抜き性向上に十分で
なく、0.050%を超えると熱間加工性や耐食性が劣
化するので、Sの成分範囲を0.001〜0.050%
とした。なお、さらに好ましい範囲は0.003〜0.
020%である。
【0013】Ti,Mg,Ce,Ca:これらの元素は
Sと硫化物(TiS,MgS,CeS,CaS)を形成
し、プレス打抜き性を向上させる。これら元素の含有量
の合計が0.005%未満ではプレス打抜き性の効果が
充分でなく、0.5%以上では合金の硬さが上昇して好
ましくない。よって、上記元素の含有量の合計を0.0
05%以上かつ0.5%未満とした。上記以外の成分は
不可避的不純物とFeである。不純物は、C、Si、A
l、P、Crなどの通常の不純物であって、熱膨張特性
にとって有害であるので、これらの不純物元素の含有量
は総計で0.001〜0.5%が望ましい。
Sと硫化物(TiS,MgS,CeS,CaS)を形成
し、プレス打抜き性を向上させる。これら元素の含有量
の合計が0.005%未満ではプレス打抜き性の効果が
充分でなく、0.5%以上では合金の硬さが上昇して好
ましくない。よって、上記元素の含有量の合計を0.0
05%以上かつ0.5%未満とした。上記以外の成分は
不可避的不純物とFeである。不純物は、C、Si、A
l、P、Crなどの通常の不純物であって、熱膨張特性
にとって有害であるので、これらの不純物元素の含有量
は総計で0.001〜0.5%が望ましい。
【0014】硫化物形成元素(Ti,Mg,Ce,C
a)とSの濃度積[%X][%S]:この濃度積[%X][%
S]は、電子銃部品用Fe−Ni合金のプレス打抜き性
の向上に関して、本発明者らが初めて着目したパラメー
タであって、このパラメータの範囲を規定することによ
り、上記硫化物形成元素またはS単独の含有量を規定す
るのと比較して硫化物の量をより確実に制御することが
できる。本発明者らの検討によれば、濃度積[%X][%
S]が0.00005未満ではプレス打抜き性向上に充
分な硫化物が析出せず、0.01を超えると硫化物が多
くなりすぎて耐食性が劣化することが判った。よって、
硫化物形成元素とSの濃度積[%X][%S]は、下記式
[数3]を満たす範囲に規定した。
a)とSの濃度積[%X][%S]:この濃度積[%X][%
S]は、電子銃部品用Fe−Ni合金のプレス打抜き性
の向上に関して、本発明者らが初めて着目したパラメー
タであって、このパラメータの範囲を規定することによ
り、上記硫化物形成元素またはS単独の含有量を規定す
るのと比較して硫化物の量をより確実に制御することが
できる。本発明者らの検討によれば、濃度積[%X][%
S]が0.00005未満ではプレス打抜き性向上に充
分な硫化物が析出せず、0.01を超えると硫化物が多
くなりすぎて耐食性が劣化することが判った。よって、
硫化物形成元素とSの濃度積[%X][%S]は、下記式
[数3]を満たす範囲に規定した。
【数3】0.00005≦[%X][%S]≦0.01
【0015】熱間加工加熱温度T:熱間加工の加熱温度
が低すぎると析出した硫化物の粒径が小さすぎてプレス
打抜き性の向上に寄与しない。本発明者らの検討によれ
ば、硫化物の粒径を確保してプレス打抜き性を向上させ
るためには、熱間加工の加熱温度は少なくとも1050
℃は必要であることが明らかとなった。また、熱間加工
加熱温度が高すぎると、プレス打抜き性向上に寄与する
硫化物が解離し、解離した硫化物形成元素及びSのマト
リックスへの再固溶が著しくなる。
が低すぎると析出した硫化物の粒径が小さすぎてプレス
打抜き性の向上に寄与しない。本発明者らの検討によれ
ば、硫化物の粒径を確保してプレス打抜き性を向上させ
るためには、熱間加工の加熱温度は少なくとも1050
℃は必要であることが明らかとなった。また、熱間加工
加熱温度が高すぎると、プレス打抜き性向上に寄与する
硫化物が解離し、解離した硫化物形成元素及びSのマト
リックスへの再固溶が著しくなる。
【0016】したがって、プレス打抜き性向上のために
は熱間加工加熱温度を適正に制御する必要があるが、適
正な温度範囲は硫化物形成元素とSの含有量により変化
する。本発明者らは、硫化物形成元素とSの濃度積[%
X][%S]に対するプレス打抜き性が向上する熱間加工
の加熱温度との関係を調べた結果、両者に図3のプロッ
トに見られる相関関係が存在することを見出した。そし
て、図3においてプレス打抜き性の良否の境界となる曲
線を求めたところ、下記式[数4]を得るに到り、上記
数2に示す熱間加工加熱温度Tの範囲を得た。なお、熱
間加工とは具体的には分塊圧延、熱間鍛造、熱間圧延を
意味する。
は熱間加工加熱温度を適正に制御する必要があるが、適
正な温度範囲は硫化物形成元素とSの含有量により変化
する。本発明者らは、硫化物形成元素とSの濃度積[%
X][%S]に対するプレス打抜き性が向上する熱間加工
の加熱温度との関係を調べた結果、両者に図3のプロッ
トに見られる相関関係が存在することを見出した。そし
て、図3においてプレス打抜き性の良否の境界となる曲
線を求めたところ、下記式[数4]を得るに到り、上記
数2に示す熱間加工加熱温度Tの範囲を得た。なお、熱
間加工とは具体的には分塊圧延、熱間鍛造、熱間圧延を
意味する。
【0017】
【数4】
【0018】本発明の電子銃部品用Fe−Ni合金の製
造にあたっては、上述した所定の成分組成に溶製したF
e−Ni合金インゴットあるいは連続鋳造スラブを上述
した加熱温度条件で熱間加工を行い、冷間圧延と焼鈍を
必要に応じて繰り返して最終板厚とし、最終焼鈍して板
厚0.05〜0.5mm程度のプレス打抜き用素材に仕
上げる。
造にあたっては、上述した所定の成分組成に溶製したF
e−Ni合金インゴットあるいは連続鋳造スラブを上述
した加熱温度条件で熱間加工を行い、冷間圧延と焼鈍を
必要に応じて繰り返して最終板厚とし、最終焼鈍して板
厚0.05〜0.5mm程度のプレス打抜き用素材に仕
上げる。
【0019】
【実施例】以下、具体的な実施例により本発明を詳細に
説明する。Fe−42%Ni合金を主成分とする12種
類のFe−Ni合金(合金番号1〜12)を誘導型真空
溶解炉により重量約300kgのインゴットに溶製し
た。原料としては、電解Fe、電解Ni、電解Mn、金
属Ti、Ni−Mg母合金、Ni−Ce母合金、Ni−
Ca母合金を用い、S含有量の調整はFe−S(硫化
鉄)の添加により行った。各合金の化学組成を表1およ
び表2に示す。
説明する。Fe−42%Ni合金を主成分とする12種
類のFe−Ni合金(合金番号1〜12)を誘導型真空
溶解炉により重量約300kgのインゴットに溶製し
た。原料としては、電解Fe、電解Ni、電解Mn、金
属Ti、Ni−Mg母合金、Ni−Ce母合金、Ni−
Ca母合金を用い、S含有量の調整はFe−S(硫化
鉄)の添加により行った。各合金の化学組成を表1およ
び表2に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】各インゴットから厚さ40mmの試料を切
り出し、表1および表2に示す各温度にそれぞれを加熱
し1時間保持した後熱間圧延を行い、厚さ4mmの板に
した。これを焼鈍し、酸洗した後1.5mmの厚さに冷
間圧延し、続いて焼鈍後0.5mmの厚さまで冷間圧延
した。次にこれを真空中で750℃にて1時間焼鈍して
供試材とした。
り出し、表1および表2に示す各温度にそれぞれを加熱
し1時間保持した後熱間圧延を行い、厚さ4mmの板に
した。これを焼鈍し、酸洗した後1.5mmの厚さに冷
間圧延し、続いて焼鈍後0.5mmの厚さまで冷間圧延
した。次にこれを真空中で750℃にて1時間焼鈍して
供試材とした。
【0023】打抜き性の評価は、供試材を板厚0.28
mmにコイニングした後、直径0.4mmの孔を10個
あけ、切口面の破断面割合をそれぞれについて測定して
その結果を表1及び表2に示した。表1及び表2に記載
した破断面割合は、10個の孔の破断面割合の平均値を
示す。また、表1及び表2では、熱間圧延の温度が本発
明の範囲内のものを「本発明例」、範囲外のものを「比
較例」と記載して区別した。なお、表1及び表2におい
て本発明の範囲を逸脱する数値には下線を付してある。
また、図3は、硫化物形成元素及びSの濃度積[%X]
[%S]を横軸、熱間圧延の加熱温度を縦軸にとり、各供
試材(合金番号9〜12を除く)におけるそれらの値を
プロットしたものである。ここで、破断面割合(%)は
(破断面厚さ/板厚)×100により定義され、せん断
面と破断面との和が板厚である。なお、本発明者等の打
抜き性の研究により、破断面割合が大きい方がバリが小
さくなることが明らかになっており、この実施例の条件
では、破断面割合が30%以上であることがプレス打抜
性に優れる条件となる。
mmにコイニングした後、直径0.4mmの孔を10個
あけ、切口面の破断面割合をそれぞれについて測定して
その結果を表1及び表2に示した。表1及び表2に記載
した破断面割合は、10個の孔の破断面割合の平均値を
示す。また、表1及び表2では、熱間圧延の温度が本発
明の範囲内のものを「本発明例」、範囲外のものを「比
較例」と記載して区別した。なお、表1及び表2におい
て本発明の範囲を逸脱する数値には下線を付してある。
また、図3は、硫化物形成元素及びSの濃度積[%X]
[%S]を横軸、熱間圧延の加熱温度を縦軸にとり、各供
試材(合金番号9〜12を除く)におけるそれらの値を
プロットしたものである。ここで、破断面割合(%)は
(破断面厚さ/板厚)×100により定義され、せん断
面と破断面との和が板厚である。なお、本発明者等の打
抜き性の研究により、破断面割合が大きい方がバリが小
さくなることが明らかになっており、この実施例の条件
では、破断面割合が30%以上であることがプレス打抜
性に優れる条件となる。
【0024】表1及び表2から明らかなように、本発明
例ではいずれも破断面割合が30%を超えており打抜き
性が優れている。また、前述のように、図3のプロット
は前記「数4]の曲線の根拠となったものであり、この
曲線を境界としてプレス打抜き性に優れた本発明例とそ
うでない比較例とが明確に区別されていることが判る。
例ではいずれも破断面割合が30%を超えており打抜き
性が優れている。また、前述のように、図3のプロット
は前記「数4]の曲線の根拠となったものであり、この
曲線を境界としてプレス打抜き性に優れた本発明例とそ
うでない比較例とが明確に区別されていることが判る。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、プ
レス打抜き性を著しく改善した電子銃部品用Fe−Ni
合金を製造することができ、電子銃部品として致命的な
バリの問題を解消し、受像管の高品質化に対応できる優
れた電子銃部品を得ることができる。
レス打抜き性を著しく改善した電子銃部品用Fe−Ni
合金を製造することができ、電子銃部品として致命的な
バリの問題を解消し、受像管の高品質化に対応できる優
れた電子銃部品を得ることができる。
【図1】 シャドウマスク型ブラウン管の断面図であ
る。
る。
【図2】 電子銃の電極であり、本発明に係るFe−N
i合金で製造される電子銃部品の一例を示す斜視図
(a)及び断面図(b)である。
i合金で製造される電子銃部品の一例を示す斜視図
(a)及び断面図(b)である。
【図3】 実施例における硫化物形成元素及びSの濃度
積[%X][%S]と熱間圧延の加熱温度との関係を示す線
図である。
積[%X][%S]と熱間圧延の加熱温度との関係を示す線
図である。
1 パネル 2 蛍光膜 3 電子ビーム 4 電子銃 5 偏向ヨーク 6 シャドウマスク 7 磁気シールド 10 電極 10a,10b,10c 微小孔 10e 先端縁 B バリ
Claims (1)
- 【請求項1】 重量%で、Ni:30〜55%、Mn:
0.8%以下、S:0.001〜0.050%、Ti,
Mg,Ce及びCaのうち一種または二種以上を合計で
0.005%以上かつ0.5%未満を含有し、残部がF
e及び不可避的不純物よりなるFe−Ni合金を、基本
的に溶解、鋳造、熱間加工、冷間圧延、焼鈍からなる工
程で製造する電子銃部品用Fe−Ni合金の製造方法に
おいて、 上記Fe−Ni合金は、Sの含有量を[%S]、Ti,
Mg,Ce,Caの含有量の合計を[%X]としたとき
に、0.00005≦[%X][%S]≦0.01を満た
し、かつ、上記熱間加工を下記式で示す温度Tに加熱し
て行うことを特徴とする電子銃部品用Fe−Ni合金の
製造方法。 【数1】
Priority Applications (6)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10090962A JPH11269554A (ja) | 1998-03-19 | 1998-03-19 | 電子銃部品用Fe−Ni合金の製造方法 |
| TW088100696A TW428033B (en) | 1998-03-19 | 1999-01-18 | Manufacture of iron-nickel alloy for electron gun parts |
| KR1019990002500A KR100310187B1 (ko) | 1998-03-19 | 1999-01-27 | 전자총 부품용 철-니켈 합금의 제조방법 |
| US09/260,514 US6348111B1 (en) | 1998-03-19 | 1999-03-02 | Method for producing Fe—Ni alloy |
| MYPI99000797A MY118926A (en) | 1998-03-19 | 1999-03-04 | Method for producing fe-ni alloy |
| CN99104115A CN1078913C (zh) | 1998-03-19 | 1999-03-18 | 电子枪部件用铁-镍合金的制造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10090962A JPH11269554A (ja) | 1998-03-19 | 1998-03-19 | 電子銃部品用Fe−Ni合金の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11269554A true JPH11269554A (ja) | 1999-10-05 |
Family
ID=14013133
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10090962A Pending JPH11269554A (ja) | 1998-03-19 | 1998-03-19 | 電子銃部品用Fe−Ni合金の製造方法 |
Country Status (6)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US6348111B1 (ja) |
| JP (1) | JPH11269554A (ja) |
| KR (1) | KR100310187B1 (ja) |
| CN (1) | CN1078913C (ja) |
| MY (1) | MY118926A (ja) |
| TW (1) | TW428033B (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN106269867A (zh) * | 2015-06-08 | 2017-01-04 | 丹阳市凯鑫合金材料有限公司 | 一种成本较低且效率较高的殷钢方锭热轧制作管坯的方法 |
Family Cites Families (10)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5014531A (ja) * | 1973-06-13 | 1975-02-15 | ||
| US4698545A (en) * | 1984-09-26 | 1987-10-06 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Color picture tube having a shadow mask with a Cr enriched layer |
| JPH0737652B2 (ja) * | 1990-03-30 | 1995-04-26 | 新日本製鐵株式会社 | Fe―Ni系高透磁率磁性合金の製造方法 |
| US5264050A (en) * | 1990-06-29 | 1993-11-23 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Fe-Ni based alloy |
| JP2536685B2 (ja) * | 1990-10-22 | 1996-09-18 | 日本鋼管株式会社 | Agメッキ性に優れたリ―ドフレ―ム素材用Fe―Ni合金およびその製造方法 |
| JPH05339681A (ja) * | 1992-06-11 | 1993-12-21 | Hitachi Metals Ltd | Fe−Ni系電子銃電極材料 |
| JPH06184703A (ja) * | 1993-07-01 | 1994-07-05 | Toshiba Corp | 電子銃部品用Fe−Ni系合金 |
| JP3426426B2 (ja) * | 1995-09-28 | 2003-07-14 | 日鉱金属株式会社 | 電子銃部品用Fe−Ni合金並びに電子銃プレス打ち抜き部品 |
| JP3222085B2 (ja) * | 1997-03-24 | 2001-10-22 | 日鉱金属株式会社 | 電子銃部品用Fe−Ni合金並びに電子銃プレス打抜き加工部品 |
| JP3566489B2 (ja) * | 1997-03-27 | 2004-09-15 | 日鉱金属加工株式会社 | 電子銃部品用Fe−Ni合金並びに電子銃プレス打抜き加工部品 |
-
1998
- 1998-03-19 JP JP10090962A patent/JPH11269554A/ja active Pending
-
1999
- 1999-01-18 TW TW088100696A patent/TW428033B/zh not_active IP Right Cessation
- 1999-01-27 KR KR1019990002500A patent/KR100310187B1/ko not_active Expired - Fee Related
- 1999-03-02 US US09/260,514 patent/US6348111B1/en not_active Expired - Fee Related
- 1999-03-04 MY MYPI99000797A patent/MY118926A/en unknown
- 1999-03-18 CN CN99104115A patent/CN1078913C/zh not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| KR100310187B1 (ko) | 2001-11-01 |
| MY118926A (en) | 2005-02-28 |
| KR19990077393A (ko) | 1999-10-25 |
| CN1231345A (zh) | 1999-10-13 |
| US6348111B1 (en) | 2002-02-19 |
| CN1078913C (zh) | 2002-02-06 |
| TW428033B (en) | 2001-04-01 |
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