JPH11273546A - 酸化物陰極 - Google Patents
酸化物陰極Info
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- JPH11273546A JPH11273546A JP7771098A JP7771098A JPH11273546A JP H11273546 A JPH11273546 A JP H11273546A JP 7771098 A JP7771098 A JP 7771098A JP 7771098 A JP7771098 A JP 7771098A JP H11273546 A JPH11273546 A JP H11273546A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高い電流密度の状態で動作させても、長期間
にわたって安定した高い電子放射特性を維持させること
を可能にした酸化物陰極を提供する。 【解決手段】 高融点金属製のスリーブ4と、スリーブ
4の一端に嵌合され、ニッケルを主成分としてシリコン
やマグネシウム等の微量の還元性金属元素を含有する帽
状金属基体1と、金属基体1の露出表面に被着され、バ
リウム、ストロンチウム、カルシウムの金属酸化物から
なる電子放射物質層2と、スリーブ4に内包された加熱
ヒーター5とからなる酸化物陰極において、電子放射物
質層2内に0.05乃至0.1重量%の範囲内の含有量
で酸化ルテチウム(Lu2 O3 )粉末3を混合した。こ
の場合、粉末3には、酸化ルテチウム(Lu2 O3 )、
酸化ツリウム(Tm2 O3 )、酸化エルビウム(Er2
O3 )の中のいずれか1種以上が用いられる。
にわたって安定した高い電子放射特性を維持させること
を可能にした酸化物陰極を提供する。 【解決手段】 高融点金属製のスリーブ4と、スリーブ
4の一端に嵌合され、ニッケルを主成分としてシリコン
やマグネシウム等の微量の還元性金属元素を含有する帽
状金属基体1と、金属基体1の露出表面に被着され、バ
リウム、ストロンチウム、カルシウムの金属酸化物から
なる電子放射物質層2と、スリーブ4に内包された加熱
ヒーター5とからなる酸化物陰極において、電子放射物
質層2内に0.05乃至0.1重量%の範囲内の含有量
で酸化ルテチウム(Lu2 O3 )粉末3を混合した。こ
の場合、粉末3には、酸化ルテチウム(Lu2 O3 )、
酸化ツリウム(Tm2 O3 )、酸化エルビウム(Er2
O3 )の中のいずれか1種以上が用いられる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化物陰極に係わ
り、特に、カラー陰極線管や撮像管等の電子銃に用いら
れ、使用時に長期間にわたって高い電子放射特性を安定
に維持させることを可能にした酸化物陰極に関する。
り、特に、カラー陰極線管や撮像管等の電子銃に用いら
れ、使用時に長期間にわたって高い電子放射特性を安定
に維持させることを可能にした酸化物陰極に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、カラー陰極線管や撮像管等の電子
銃に用いられる酸化物陰極としては、例えば、特開昭5
8−154130号に開示のものが知られている。
銃に用いられる酸化物陰極としては、例えば、特開昭5
8−154130号に開示のものが知られている。
【0003】この特開昭58−154130号に開示さ
れている酸化物陰極は、高融点金属からなるスリーブ
と、スリーブの一端に嵌合され、ニッケル(Ni)を主
成分としてシリコン(Si)、マグネシウム(Mg)、
ジルコニウム(Zr)等の微量の還元性金属元素を含有
する帽状金属基体と、金属基体の表面に被着され、バリ
ウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カルシウム
(Ca)の金属酸化物からなる電子放射物質層と、スリ
ーブに内包された加熱用ヒーターとからなるものであ
る。
れている酸化物陰極は、高融点金属からなるスリーブ
と、スリーブの一端に嵌合され、ニッケル(Ni)を主
成分としてシリコン(Si)、マグネシウム(Mg)、
ジルコニウム(Zr)等の微量の還元性金属元素を含有
する帽状金属基体と、金属基体の表面に被着され、バリ
ウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カルシウム
(Ca)の金属酸化物からなる電子放射物質層と、スリ
ーブに内包された加熱用ヒーターとからなるものであ
る。
【0004】かかる構成による酸化物陰極は、その動作
時に、金属基体中に含有されているシリコン(Si)や
マグネシウム(Mg)等の微量の還元性金属元素によっ
て、電子放射物質層内に遊離バリウム(Ba)が生成さ
れ、生成された遊離バリウム(Ba)が電子放射物質層
の表面領域に集中し、バリウム(Ba)の原子層を形成
するようになるので、電子放射物質層から多くの電子を
継続的に放出させることが可能になり、電子放射特性の
良好な酸化物陰極を得ることができる。
時に、金属基体中に含有されているシリコン(Si)や
マグネシウム(Mg)等の微量の還元性金属元素によっ
て、電子放射物質層内に遊離バリウム(Ba)が生成さ
れ、生成された遊離バリウム(Ba)が電子放射物質層
の表面領域に集中し、バリウム(Ba)の原子層を形成
するようになるので、電子放射物質層から多くの電子を
継続的に放出させることが可能になり、電子放射特性の
良好な酸化物陰極を得ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年になって、カラー
陰極線管や撮像管等のような電子銃を備えた画像表示用
機器においては、表示画像の高精細化が進むに伴い、カ
ラー陰極線管や撮像管等の電子銃に用いられる陰極は、
その動作時に、高い電流密度状態で、長時間にわたって
安定した電子放射特性を有するものが特に強く要望され
るようになっている。
陰極線管や撮像管等のような電子銃を備えた画像表示用
機器においては、表示画像の高精細化が進むに伴い、カ
ラー陰極線管や撮像管等の電子銃に用いられる陰極は、
その動作時に、高い電流密度状態で、長時間にわたって
安定した電子放射特性を有するものが特に強く要望され
るようになっている。
【0006】ところで、前記特開昭58−154130
号に開示されている酸化物陰極は、その動作時に、高い
電流密度の状態にすると、電子放射物質層や金属基体の
比較的大きな電気抵抗によって、電子放射物質層や金属
基体内を通流する大きな電流の流れが阻害され、そのと
きにジュール熱が発生する。そして、ジュール熱が発生
すると、電子放射物質層の温度が上昇し、電子放射物質
層の溶融や蒸発が引き起こされ、その結果、電子放射物
質層内における遊離バリウム(Ba)の生成が阻まれ、
電子放射物質層の電気抵抗がより高くなって、電子放射
物質層内の電流の流れがより妨げられるという動作上の
悪循環が生じる。
号に開示されている酸化物陰極は、その動作時に、高い
電流密度の状態にすると、電子放射物質層や金属基体の
比較的大きな電気抵抗によって、電子放射物質層や金属
基体内を通流する大きな電流の流れが阻害され、そのと
きにジュール熱が発生する。そして、ジュール熱が発生
すると、電子放射物質層の温度が上昇し、電子放射物質
層の溶融や蒸発が引き起こされ、その結果、電子放射物
質層内における遊離バリウム(Ba)の生成が阻まれ、
電子放射物質層の電気抵抗がより高くなって、電子放射
物質層内の電流の流れがより妨げられるという動作上の
悪循環が生じる。
【0007】このように、前記特開昭58−15413
0号に開示されている酸化物陰極は、電子放射特性が良
好であったとしても、高い電流密度の状態で動作させる
ことができないという問題を有している。
0号に開示されている酸化物陰極は、電子放射特性が良
好であったとしても、高い電流密度の状態で動作させる
ことができないという問題を有している。
【0008】本発明は、かかる問題点を解決するもの
で、その目的は、動作時に、高い電流密度の状態で長期
間にわたって安定した高い電子放射特性を維持させるこ
とを可能にした酸化物陰極を提供することにある。
で、その目的は、動作時に、高い電流密度の状態で長期
間にわたって安定した高い電子放射特性を維持させるこ
とを可能にした酸化物陰極を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の酸化物陰極は、電子放射物質層内に0.0
5乃至0.1重量%の範囲内の含有量で酸化ルテチウム
(Lu2 O3 )、酸化ツリウム(Tm2 O3 )、酸化エ
ルビウム(Er2 O3 )各粉末のいずれか1種または2
種以上を混合した手段を具備する。
に、本発明の酸化物陰極は、電子放射物質層内に0.0
5乃至0.1重量%の範囲内の含有量で酸化ルテチウム
(Lu2 O3 )、酸化ツリウム(Tm2 O3 )、酸化エ
ルビウム(Er2 O3 )各粉末のいずれか1種または2
種以上を混合した手段を具備する。
【0010】この場合、酸化ルテチウム(Lu
2 O3 )、酸化ツリウム(Tm2 O3 )、酸化エルビウ
ム(Er2 O3 )各粉末は、粒径が10μm未満のもの
である。
2 O3 )、酸化ツリウム(Tm2 O3 )、酸化エルビウ
ム(Er2 O3 )各粉末は、粒径が10μm未満のもの
である。
【0011】前記手段によれば、電子放射物質層内に、
0.05乃至0.1重量%の範囲内の含有量で酸化ルテ
チウム(Lu2 O3 )、酸化ツリウム(Tm2 O3 )、
酸化エルビウム(Er2 O3 )各粉末の中のいずれか1
種または2種以上を混合したことにより、電子放射物質
層の電気伝導度が向上し、それにより電子放射物質層内
の電気抵抗が小さくなるので、酸化物陰極を高い電流密
度の状態で動作させても、ジュール熱の発生が抑えら
れ、電子放射物質層内の電気抵抗が僅かに増大するだけ
で、遊離バリウム(Ba)の生成が妨げられることはな
い。
0.05乃至0.1重量%の範囲内の含有量で酸化ルテ
チウム(Lu2 O3 )、酸化ツリウム(Tm2 O3 )、
酸化エルビウム(Er2 O3 )各粉末の中のいずれか1
種または2種以上を混合したことにより、電子放射物質
層の電気伝導度が向上し、それにより電子放射物質層内
の電気抵抗が小さくなるので、酸化物陰極を高い電流密
度の状態で動作させても、ジュール熱の発生が抑えら
れ、電子放射物質層内の電気抵抗が僅かに増大するだけ
で、遊離バリウム(Ba)の生成が妨げられることはな
い。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態において、酸
化物陰極は、高融点金属からなるスリーブと、スリーブ
の一端に嵌合され、ニッケル(Ni)を主成分としてシ
リコン(Si)やマグネシウム(Mg)等の微量の還元
性金属元素を含有する帽状金属基体と、金属基体の表面
に被着され、バリウム(Ba)、ストロンチウム(S
r)、カルシウム(Ca)の金属酸化物からなる電子放
射物質層と、スリーブに内包された加熱ヒーターとから
なるものであって、電子放射物質層内に0.05乃至
0.1重量%の範囲内の含有量で酸化ルテチウム(Lu
2 O3 )、酸化ツリウム(Tm2 O3 )、酸化エルビウ
ム(Er2 O3 )各粉末の中のいずれか1種または2種
以上を混合したものである。
化物陰極は、高融点金属からなるスリーブと、スリーブ
の一端に嵌合され、ニッケル(Ni)を主成分としてシ
リコン(Si)やマグネシウム(Mg)等の微量の還元
性金属元素を含有する帽状金属基体と、金属基体の表面
に被着され、バリウム(Ba)、ストロンチウム(S
r)、カルシウム(Ca)の金属酸化物からなる電子放
射物質層と、スリーブに内包された加熱ヒーターとから
なるものであって、電子放射物質層内に0.05乃至
0.1重量%の範囲内の含有量で酸化ルテチウム(Lu
2 O3 )、酸化ツリウム(Tm2 O3 )、酸化エルビウ
ム(Er2 O3 )各粉末の中のいずれか1種または2種
以上を混合したものである。
【0013】本発明の実施の形態の好適例において、酸
化ルテチウム(Lu2 O3 )、酸化ツリウム(Tm2 O
3 )、酸化エルビウム(Er2 O3 )各粉末は、粒径が
10μm未満のものである。
化ルテチウム(Lu2 O3 )、酸化ツリウム(Tm2 O
3 )、酸化エルビウム(Er2 O3 )各粉末は、粒径が
10μm未満のものである。
【0014】これらの本発明の実施の形態によれば、電
子放射物質層内に0.05乃至0.1重量%の範囲内の
含有量で酸化ルテチウム(Lu2 O3 )、酸化ツリウム
(Tm2 O3 )、酸化エルビウム(Er2 O3 )各粉末
の中のいずれか1種または2種以上を混合し、それによ
り電子放射物質層の電気伝導度を向上させるようにして
いるので、電子放射物質層の電気抵抗を小さくすること
が可能になり、高い電流密度の状態で動作させたとして
も、ジュール熱の発生を抑えることが可能な酸化物陰極
を得ることができる。そして、電子放射物質層における
ジュール熱の発生が少なくなったことにより、電子放射
物質層の電気抵抗の増大が僅かになり、遊離バリウム
(Ba)の生成が大幅に妨げられることはなくなり、そ
の結果、高い電流密度の状態で、長時間にわたって安定
した電子放射特性を維持させることが可能な酸化物陰極
が得られる。
子放射物質層内に0.05乃至0.1重量%の範囲内の
含有量で酸化ルテチウム(Lu2 O3 )、酸化ツリウム
(Tm2 O3 )、酸化エルビウム(Er2 O3 )各粉末
の中のいずれか1種または2種以上を混合し、それによ
り電子放射物質層の電気伝導度を向上させるようにして
いるので、電子放射物質層の電気抵抗を小さくすること
が可能になり、高い電流密度の状態で動作させたとして
も、ジュール熱の発生を抑えることが可能な酸化物陰極
を得ることができる。そして、電子放射物質層における
ジュール熱の発生が少なくなったことにより、電子放射
物質層の電気抵抗の増大が僅かになり、遊離バリウム
(Ba)の生成が大幅に妨げられることはなくなり、そ
の結果、高い電流密度の状態で、長時間にわたって安定
した電子放射特性を維持させることが可能な酸化物陰極
が得られる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
する。
【0016】図1は、本発明による酸化物陰極の一実施
例の要部構成を示す断面図である。
例の要部構成を示す断面図である。
【0017】図1において、1はニッケル(Ni)を主
成分としてシリコン(Si)やマグネシウム(Mg)、
ジルコニウム(Zr)等の微量の還元性金属元素を含有
する帽状金属基体、2はバリウム(Ba)、ストロンチ
ウム(Sr)、カルシウム(Ca)の金属酸化物からな
る電子放射物質層、3は電子放射物質層2内に混合され
ている酸化ルテチウム(Lu2 O3 )粉末、4は高融点
金属からなる円筒状スリーブ、5は加熱ヒーターであ
る。
成分としてシリコン(Si)やマグネシウム(Mg)、
ジルコニウム(Zr)等の微量の還元性金属元素を含有
する帽状金属基体、2はバリウム(Ba)、ストロンチ
ウム(Sr)、カルシウム(Ca)の金属酸化物からな
る電子放射物質層、3は電子放射物質層2内に混合され
ている酸化ルテチウム(Lu2 O3 )粉末、4は高融点
金属からなる円筒状スリーブ、5は加熱ヒーターであ
る。
【0018】そして、スリーブ4は、一端に帽状金属基
体1が嵌合され、開口端側から内部に加熱ヒーター5が
挿入固定されている。帽状金属基体1は、露出表面に電
子放射物質層2が被着されている。この場合、スリーブ
4及び加熱ヒーター5のリードは、図示されていない保
持部材によって、同じように図示されていない電子銃構
体に保持固定されている。また、電子放射物質層2は、
平均粒径が5μmの酸化ルテチウム(Lu2 O3 )粉末
3が0.07重量%含有されている。
体1が嵌合され、開口端側から内部に加熱ヒーター5が
挿入固定されている。帽状金属基体1は、露出表面に電
子放射物質層2が被着されている。この場合、スリーブ
4及び加熱ヒーター5のリードは、図示されていない保
持部材によって、同じように図示されていない電子銃構
体に保持固定されている。また、電子放射物質層2は、
平均粒径が5μmの酸化ルテチウム(Lu2 O3 )粉末
3が0.07重量%含有されている。
【0019】前記構成による本実施例の酸化物陰極は、
例えば、次のような工程を経て製造される。
例えば、次のような工程を経て製造される。
【0020】まず、バリウム(Ba)、ストロンチウム
(Sr)、カルシウム(Ca)の炭酸塩{(Ba、S
r、Ca)CO3 }の中に、平均粒径が6μmで、純度
99.9%の酸化ルテチウム(Lu2 O3 )粉末3を
0.07重量%を含有した均一分散懸濁液(サスペンシ
ョン)を作成する。
(Sr)、カルシウム(Ca)の炭酸塩{(Ba、S
r、Ca)CO3 }の中に、平均粒径が6μmで、純度
99.9%の酸化ルテチウム(Lu2 O3 )粉末3を
0.07重量%を含有した均一分散懸濁液(サスペンシ
ョン)を作成する。
【0021】次に、この均一分散懸濁液(サスペンショ
ン)をスプレーガンを用いて、スリーブ4の一端に嵌合
した帽状金属基体1の露出表面に吹き付け、約70μm
の厚さの塗布層を形成する。
ン)をスプレーガンを用いて、スリーブ4の一端に嵌合
した帽状金属基体1の露出表面に吹き付け、約70μm
の厚さの塗布層を形成する。
【0022】次いで、バリウム(Ba)、ストロンチウ
ム(Sr)、カルシウム(Ca)の炭酸塩{(Ba、S
r、Ca)CO3 }を加熱処理し、バリウム(Ba)、
ストロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)の酸化物
{(Ba、Sr、Ca)O}に変化させる。
ム(Sr)、カルシウム(Ca)の炭酸塩{(Ba、S
r、Ca)CO3 }を加熱処理し、バリウム(Ba)、
ストロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)の酸化物
{(Ba、Sr、Ca)O}に変化させる。
【0023】続いて、バリウム(Ba)、ストロンチウ
ム(Sr)、カルシウム(Ca)の酸化物{(Ba、S
r、Ca)O}を、帽状金属基体1に含有されているシ
リコン(Si)、マグネシウム(Mg)、ジルコニウム
(Zr)等の微量の還元性金属によって還元し、活性化
された電子放射物質層2を形成する。
ム(Sr)、カルシウム(Ca)の酸化物{(Ba、S
r、Ca)O}を、帽状金属基体1に含有されているシ
リコン(Si)、マグネシウム(Mg)、ジルコニウム
(Zr)等の微量の還元性金属によって還元し、活性化
された電子放射物質層2を形成する。
【0024】このようにして構成した本実施例の酸化物
陰極は、その動作時に、電子放射物質層2内に含有され
ている微量(例えば、0.07重量%)の酸化ルテチウ
ム(Lu2 O3 )粉末3により、酸化ルテチウム(Lu
2 O3 )粉末3を含有していない、既知の酸化物陰極の
電子放射物質層に比べて、電子放射物質層2の電気伝導
度が向上するようになり、電子放射物質層2内の電気抵
抗が小さくなる。このため、本実施例の酸化物陰極は、
高い電流密度の状態で動作させたとしても、大きな電流
の流れに伴うジュール熱の発生が抑制され、電子放射物
質層2の電気抵抗が僅かに増大するだけであるので、電
子放射物質層2内の遊離バリウム(Ba)の生成が大幅
に妨げられることがなくなり、高い電流密度の状態で、
長時間にわたって安定した電子放射特性を維持すること
が可能な酸化物陰極を得ることができる。
陰極は、その動作時に、電子放射物質層2内に含有され
ている微量(例えば、0.07重量%)の酸化ルテチウ
ム(Lu2 O3 )粉末3により、酸化ルテチウム(Lu
2 O3 )粉末3を含有していない、既知の酸化物陰極の
電子放射物質層に比べて、電子放射物質層2の電気伝導
度が向上するようになり、電子放射物質層2内の電気抵
抗が小さくなる。このため、本実施例の酸化物陰極は、
高い電流密度の状態で動作させたとしても、大きな電流
の流れに伴うジュール熱の発生が抑制され、電子放射物
質層2の電気抵抗が僅かに増大するだけであるので、電
子放射物質層2内の遊離バリウム(Ba)の生成が大幅
に妨げられることがなくなり、高い電流密度の状態で、
長時間にわたって安定した電子放射特性を維持すること
が可能な酸化物陰極を得ることができる。
【0025】この場合、電子放射物質層2内に混合され
る酸化ルテチウム(Lu2 O3 )粉末3は、含有量が
0.05重量%未満の場合、酸化ルテチウム(Lu2 O
3 )粉末3を加えたことによる効果があまり期待でき
ず、一方、含有量が0.1重量%を超えた場合、0.1
重量%以上の酸化ルテチウム(Lu2 O3 )粉末3を加
えたとしても、加えた量だけの改善効果が期待できない
だけでなく、酸化物陰極の他の特性の劣化が生じる、例
えば、初期エミッションが低下するようになり、特性
上、好ましいものでなくなる。
る酸化ルテチウム(Lu2 O3 )粉末3は、含有量が
0.05重量%未満の場合、酸化ルテチウム(Lu2 O
3 )粉末3を加えたことによる効果があまり期待でき
ず、一方、含有量が0.1重量%を超えた場合、0.1
重量%以上の酸化ルテチウム(Lu2 O3 )粉末3を加
えたとしても、加えた量だけの改善効果が期待できない
だけでなく、酸化物陰極の他の特性の劣化が生じる、例
えば、初期エミッションが低下するようになり、特性
上、好ましいものでなくなる。
【0026】このため、本実施例においては、酸化ルテ
チウム(Lu2 O3 )粉末3の含有量を0.05乃至
0.1重量%の範囲内に選んでいる。
チウム(Lu2 O3 )粉末3の含有量を0.05乃至
0.1重量%の範囲内に選んでいる。
【0027】また、電子放射物質層2内に混合される酸
化ルテチウム(Lu2 O3 )粉末3は、酸化ルテチウム
(Lu2 O3 )粉末3以外の電子放射物質層2を構成す
る各粒子の平均粒径が10μm以下であることから、平
均粒径が10μm以下であることが好ましい。
化ルテチウム(Lu2 O3 )粉末3は、酸化ルテチウム
(Lu2 O3 )粉末3以外の電子放射物質層2を構成す
る各粒子の平均粒径が10μm以下であることから、平
均粒径が10μm以下であることが好ましい。
【0028】ここで、図2は、酸化物陰極を動作させた
際の電子放射能の径時変化を示す特性図であって、横軸
はキロアワー(KHr)で示す動作経過時間、縦軸は初
期の電子放射能を100とした場合の電子放射能の相対
値である。
際の電子放射能の径時変化を示す特性図であって、横軸
はキロアワー(KHr)で示す動作経過時間、縦軸は初
期の電子放射能を100とした場合の電子放射能の相対
値である。
【0029】図2において、特性(A)は、本実施例に
よる酸化物陰極を電子銃に組み込んだカラー陰極線管に
おける特性を示し、特性(B)は、既知の酸化物陰極を
電子銃に組み込んだカラー陰極線管における特性を示す
もので、いずれの特性も酸化物陰極を電流密度2A/c
m2 の高い電流密度で動作させたときの特性を示すもの
である。
よる酸化物陰極を電子銃に組み込んだカラー陰極線管に
おける特性を示し、特性(B)は、既知の酸化物陰極を
電子銃に組み込んだカラー陰極線管における特性を示す
もので、いずれの特性も酸化物陰極を電流密度2A/c
m2 の高い電流密度で動作させたときの特性を示すもの
である。
【0030】図2の特性(B)に示されるように、既知
の酸化物陰極を用いたカラー陰極線管は、その電子放射
能が、使用を開始してから5000時間が経過した時点
で、使用開始直後の電子放射能に対して約75%程度
に、使用を開始してから10000時間が経過した時点
で、使用開始直後の電子放射能に対して約60%程度
に、使用を開始してから15000時間が経過した時点
で、使用開始直後の電子放射能に対して約45%程度に
それぞれ低下する。これに対して、図2の特性(A)に
示されるように、本実施例の酸化物陰極を用いたカラー
陰極線管は、その電子放射能が、使用を開始してから5
000時間が経過した時点で、使用開始直後の電子放射
能に対して約80%程度に、使用を開始してから100
00時間が経過した時点で、使用開始直後の電子放射能
に対して約70%程度に、使用を開始してから1500
0時間が経過した時点で、使用開始直後の電子放射能に
対して約65%程度にそれぞれ低下するに過ぎないもの
である。
の酸化物陰極を用いたカラー陰極線管は、その電子放射
能が、使用を開始してから5000時間が経過した時点
で、使用開始直後の電子放射能に対して約75%程度
に、使用を開始してから10000時間が経過した時点
で、使用開始直後の電子放射能に対して約60%程度
に、使用を開始してから15000時間が経過した時点
で、使用開始直後の電子放射能に対して約45%程度に
それぞれ低下する。これに対して、図2の特性(A)に
示されるように、本実施例の酸化物陰極を用いたカラー
陰極線管は、その電子放射能が、使用を開始してから5
000時間が経過した時点で、使用開始直後の電子放射
能に対して約80%程度に、使用を開始してから100
00時間が経過した時点で、使用開始直後の電子放射能
に対して約70%程度に、使用を開始してから1500
0時間が経過した時点で、使用開始直後の電子放射能に
対して約65%程度にそれぞれ低下するに過ぎないもの
である。
【0031】このように、本実施例の酸化物陰極は、既
知の酸化物陰極に比べて、明らかに長期間にわたって優
れた電子放射特性を維持すること、即ち、長い寿命特性
を維持することができるものである。
知の酸化物陰極に比べて、明らかに長期間にわたって優
れた電子放射特性を維持すること、即ち、長い寿命特性
を維持することができるものである。
【0032】なお、図2の特性(A)に示すような本実
施例の酸化物陰極における優れた特性は、酸化物陰極を
カラー陰極線管の電子銃に用いた場合にのみ発揮される
ものではなく、同種の他の管、例えば、撮像管の電子銃
に用いた場合においても同様に発揮させることができる
ことはいうまでもない。
施例の酸化物陰極における優れた特性は、酸化物陰極を
カラー陰極線管の電子銃に用いた場合にのみ発揮される
ものではなく、同種の他の管、例えば、撮像管の電子銃
に用いた場合においても同様に発揮させることができる
ことはいうまでもない。
【0033】前記実施例においては、電子放射物質層2
内に0.05乃至0.1重量%の範囲内の含有量で酸化
ルテチウム(Lu2 O3 )粉末3を混合した場合を示す
ものであるが、本発明の酸化物陰極において電子放射物
質層2内に混合することが可能な粉末は、酸化ルテチウ
ム(Lu2 O3 )粉末に限られるものでなく、酸化ルテ
チウム(Lu2 O3 )の代わりに、酸化ツリウム(Tm
2 O3 )粉末を用いてもよく、また、酸化エルビウム
(Er2 O3 )粉末を用いてもよい。この他にも、酸化
ルテチウム(Lu2 O3 )の代わりに、酸化ルテチウム
(Lu2 O3 )、酸化ツリウム(Tm2 O3 )、酸化エ
ルビウム(Er2 O3 )の中のいずれか2種を混合した
粉末を用いてもよく、酸化ルテチウム(Lu2 O3 )、
酸化ツリウム(Tm2 O3 )、酸化エルビウム(Er2
O3 )の3種を混合した粉末を用いてもよい。
内に0.05乃至0.1重量%の範囲内の含有量で酸化
ルテチウム(Lu2 O3 )粉末3を混合した場合を示す
ものであるが、本発明の酸化物陰極において電子放射物
質層2内に混合することが可能な粉末は、酸化ルテチウ
ム(Lu2 O3 )粉末に限られるものでなく、酸化ルテ
チウム(Lu2 O3 )の代わりに、酸化ツリウム(Tm
2 O3 )粉末を用いてもよく、また、酸化エルビウム
(Er2 O3 )粉末を用いてもよい。この他にも、酸化
ルテチウム(Lu2 O3 )の代わりに、酸化ルテチウム
(Lu2 O3 )、酸化ツリウム(Tm2 O3 )、酸化エ
ルビウム(Er2 O3 )の中のいずれか2種を混合した
粉末を用いてもよく、酸化ルテチウム(Lu2 O3 )、
酸化ツリウム(Tm2 O3 )、酸化エルビウム(Er2
O3 )の3種を混合した粉末を用いてもよい。
【0034】そして、酸化ルテチウム(Lu2 O3 )、
酸化ツリウム(Tm2 O3 )、酸化エルビウム(Er2
O3 )の中のいずれか1種以上の粉末が含有されてお
り、しかも、その含有量(各粉末の総合含有量)が0.
05乃至0.1重量%の範囲内にあれば、前記実施例の
特性と同様の特性を示す酸化物陰極が得られる。
酸化ツリウム(Tm2 O3 )、酸化エルビウム(Er2
O3 )の中のいずれか1種以上の粉末が含有されてお
り、しかも、その含有量(各粉末の総合含有量)が0.
05乃至0.1重量%の範囲内にあれば、前記実施例の
特性と同様の特性を示す酸化物陰極が得られる。
【0035】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、電子放
射物質層に0.05乃至0.1重量%の範囲内の含有量
で酸化ルテチウム(Lu2 O3 )、酸化ツリウム(Tm
2 O3)、酸化エルビウム(Er2 O3 )の中のいずれ
か1種以上の粉末を混合したものを用いたことにより、
電子放射物質層の電気伝導度を増大させて電子放射物質
層の電気抵抗を低下させ、高い電流密度の状態で動作さ
せる際のジュール熱の発生を抑制しているので、電子放
射物質層の温度が過度に上昇するのを防いで、電子放射
物質層内の遊離バリウム(Ba)の生成を大幅に阻害す
ることがなくなり、高い電流密度の状態で動作させて
も、長時間にわたって安定した電子放射特性を維持させ
ることが可能な酸化物陰極が得られるという効果があ
る。
射物質層に0.05乃至0.1重量%の範囲内の含有量
で酸化ルテチウム(Lu2 O3 )、酸化ツリウム(Tm
2 O3)、酸化エルビウム(Er2 O3 )の中のいずれ
か1種以上の粉末を混合したものを用いたことにより、
電子放射物質層の電気伝導度を増大させて電子放射物質
層の電気抵抗を低下させ、高い電流密度の状態で動作さ
せる際のジュール熱の発生を抑制しているので、電子放
射物質層の温度が過度に上昇するのを防いで、電子放射
物質層内の遊離バリウム(Ba)の生成を大幅に阻害す
ることがなくなり、高い電流密度の状態で動作させて
も、長時間にわたって安定した電子放射特性を維持させ
ることが可能な酸化物陰極が得られるという効果があ
る。
【図1】本発明による酸化物陰極の一実施例の要部構成
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図2】酸化物陰極を動作させた際の電子放射能の径時
変化を示す特性図である。
変化を示す特性図である。
1 金属基体 2 電子放射物質層 3 酸化ルテチウム(Lu2 O3 )粉末 4 スリーブ 5 加熱ヒーター
Claims (2)
- 【請求項1】 高融点金属からなるスリーブと、前記ス
リーブの一端に嵌合され、ニッケル(Ni)を主成分と
してシリコン(Si)やマグネシウム(Mg)等の微量
の還元性金属元素を含有する帽状金属基体と、前記金属
基体の表面に被着され、バリウム(Ba)、ストロンチ
ウム(Sr)、カルシウム(Ca)の金属酸化物からな
る電子放射物質層と、前記スリーブに内包された加熱ヒ
ーターとからなる酸化物陰極において、前記電子放射物
質層内に0.05乃至0.1重量%の範囲内の含有量で
酸化ルテチウム(Lu2 O3 )、酸化ツリウム(Tm2
O3 )、酸化エルビウム(Er2 O3 )各粉末の中のい
ずれか1種または2種以上を混合したことを特徴とする
酸化物陰極。 - 【請求項2】 前記酸化ルテチウム(Lu2 O3 )、酸
化ツリウム(Tm2O3 )、酸化エルビウム(Er2 O
3 )各粉末は、粒径が10μm未満であることを特徴と
する請求項1に記載の酸化物陰極。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7771098A JPH11273546A (ja) | 1998-03-25 | 1998-03-25 | 酸化物陰極 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7771098A JPH11273546A (ja) | 1998-03-25 | 1998-03-25 | 酸化物陰極 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11273546A true JPH11273546A (ja) | 1999-10-08 |
Family
ID=13641459
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7771098A Pending JPH11273546A (ja) | 1998-03-25 | 1998-03-25 | 酸化物陰極 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11273546A (ja) |
-
1998
- 1998-03-25 JP JP7771098A patent/JPH11273546A/ja active Pending
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