JPH0887950A - 酸化物陰極を備えた電子管 - Google Patents

酸化物陰極を備えた電子管

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JPH0887950A
JPH0887950A JP22204094A JP22204094A JPH0887950A JP H0887950 A JPH0887950 A JP H0887950A JP 22204094 A JP22204094 A JP 22204094A JP 22204094 A JP22204094 A JP 22204094A JP H0887950 A JPH0887950 A JP H0887950A
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JP
Japan
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electron
material layer
emitting material
barium
powder
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JP22204094A
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English (en)
Inventor
Shunji Saito
駿次 斎藤
Yukio Suzuki
行男 鈴木
Tadanori Taguchi
貞憲 田口
Norihisa Miyama
憲久 深山
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子放射物質層15からの電子放射能力を増
大させ、かつ、長時間にわたる高電流密度の動作状態に
おいても、電子放射物質層15の電子放射特性が低下し
ない酸化物陰極を備えた電子管を提供する。 【構成】 ニッケル(Ni)を主成分とし、微量のマグ
ネシウム(Mg)やシリコン(Si)等の還元性金属を
含んだ組成の基体金属14と、基体金属14上に設けら
れ、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カル
シウム(Ca)の酸化物の微粉末、もしくは、少なくと
もバリウム(Ba)の酸化物の微粉末からなる組成の電
子放射物質層15とを有する酸化物陰極を備えた電子管
において、電子放射物質層15に、白金(Pt)、パラ
ジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、ロジウム(R
h)の白金属元素の粉末または金(Au)の粉末のいず
れか、もしくは、それらの粉末の数種が混合されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化物陰極を備えた電
子管に係わり、特に、高精細カラーブラウン管や大型カ
ラーブラウン管または撮像管等のように、長時間にわた
って高電流密度の動作状態を維持させることが可能な酸
化物陰極を備えた電子管に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、酸化物陰極を備えた電子管、とり
わけ、高精細カラーブラウン管や大型カラーブラウン管
または撮像管等の電子管においては、ニッケル(Ni)
を主成分とし、微量のマグネシウム(Mg)やシリコン
(Si)等の還元性金属を含んだ組成の基体金属と、前
記基体金属上に設けられ、バリウム(Ba)、ストロン
チウム(Sr)、カルシウム(Ca)の酸化物の微粉
末、もしくは、少なくともバリウム(Ba)の酸化物の
微粉末からなる電子放射物質層とを有する酸化物陰極が
用いられている。このような酸化物陰極は、長時間にわ
たって高電流密度の動作状態を維持させると、電子放射
物質層に大きなジュール熱が発生し、それにより電子放
射物質層内にあるバリウム(Ba)等が順次蒸発し、そ
れにより電子放射物質層が次第に痩せて損耗するという
現象が現れることが知られている。
【0003】ところで、かかる酸化物陰極における電子
放射物質層の損耗を防ぐために、これまでに各種の電子
放射物質層の損耗抑制手段が提案されている。この中
で、例えば、J.Elect and Contol
11、1〜12(1961)においては、電子放射物質
層にニッケル(Ni)の微粉末や、ジルコニウム(Z
r)、チタニウム(Ti)等の還元性金属の微粉末を混
合する損耗抑制手段が提案されている。この損耗抑制手
段において、ニッケル(Ni)の微粉末は、電子放射物
質層内で電気伝導体の役割を果たし、それによって電子
放射物質層の電気抵抗を低下させ、一方、ジルコニウム
(Zr)、チタニウム(Ti)等の還元性金属の微粉末
は、電子放射物質層に形成されたバリウム(Ba)の酸
化物を還元して金属バリウム(Ba)を生成させ、それ
によって電子放射物質層の電気抵抗を低下させるように
したものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記提
案による既知の損耗抑制手段は、電子放射物質層の出発
原料であるバリウム(Ba)、ストロンチウム(S
r)、カルシウム(Ca)の各炭酸塩(Ba、Sr、C
a)CO3 がバリウム(Ba)、ストロンチウム(S
r)、カルシウム(Ca)の各酸化物(Ba、Sr、C
a)Oに分解される際、その分解時に生成される炭酸ガ
ス(CO2 )による酸化を受けたり、電子管外囲器に酸
化物陰極を封着する際、大気による酸化を受けたりし
て、期待するような電子放射物質層の電気抵抗の低減が
達成することができないという問題がある。
【0005】前記提案による既知の損耗抑制手段におい
て電子放射物質層の電気抵抗の低減が達成できない理由
は、次の通りである。
【0006】即ち、本来、ニッケル(Ni)を主成分と
する基体金属内に含まれる微量のマグネシウム(Mg)
やシリコン(Si)等の還元性金属は、電子放射物質層
の酸化バリウム(BaO)と反応し、この種の酸化物陰
極の電子放射特性を左右する金属バリウム(Ba)を生
成させる。ところが、電子放射物質層に混合されたニッ
ケル(Ni)の微粉末は、電子放射物質層内で酸化して
ニッケル酸化物になり、このニッケル酸化物が電子放射
物質層内に生成された金属バリウム(Ba)と反応し、
金属バリウム(Ba)を酸化バリウム(BaO)に変化
させるためであり、また、同じく電子放射物質層内で金
属バリウム(Ba)の生成を促すために混合したジルコ
ニウム(Zr)、チタニウム(Ti)等の還元性金属の
微粉末は、電子放射物質層内において酸化され、電子放
射物質層内の酸化バリウム(BaO)に対する還元機能
を失っているためである。
【0007】本発明は、かかる問題点を解決するもので
あって、その目的は、電子放射物質層からの電子放射能
力を増大させ、かつ、長時間にわたる高電流密度の動作
状態においても、電子放射物質層の電子放射特性が低下
しない酸化物陰極を備えた電子管を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、ニッケル(Ni)を主成分とし、微量の
マグネシウム(Mg)やシリコン(Si)等の還元性金
属を含んだ組成の基体金属と、前記基体金属上に設けら
れ、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カル
シウム(Ca)の酸化物の微粉末、もしくは、少なくと
もバリウム(Ba)の酸化物の微粉末からなる組成の電
子放射物質層とを有する酸化物陰極を備えた電子管にお
いて、前記電子放射物質層に、白金(Pt)、パラジウ
ム(Pd)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)の
白金属元素の粉末または金(Au)の粉末のいずれか、
もしくは、それらの粉末の数種が混合されている第1の
手段を備える。
【0009】また、前記目的を達成するために、本発明
は、ニッケル(Ni)を主成分とし、微量のマグネシウ
ム(Mg)やシリコン(Si)等の還元性金属を含んだ
組成の基体金属と、前記基体金属上に設けられ、バリウ
ム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カルシウム(C
a)の酸化物の微粉末、もしくは、少なくともバリウム
(Ba)の酸化物の微粉末からなる電子放射物質層とを
有する酸化物陰極を備えた電子管において、前記電子放
射物質層を2層構造にし、その2層構造の中の一方は、
電子放射物質層に白金(Pt)、パラジウム(Pd)、
イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)の白金属元素の
粉末または金(Au)の粉末のいずれか、もしくは、そ
れらの粉末の数種が混合されたもので構成され、他方
は、電子放射物質層に前記粉末が混合されていないもの
で構成される第2の手段を備える。
【0010】
【作用】前記第1の手段及び第2の手段においては、電
子放射物質層に、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、
イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)の白金属元素の
粉末または金(Au)の粉末のいずれか、もしくは、そ
れらの粉末の数種を混合させている。この場合、既知の
酸化物陰極の電子放射物質層に混合させていたニッケル
(Ni)の微粉末のように、電子放射物質層内で酸化し
てニッケル酸化物になり、このニッケル酸化物が電子放
射物質層内に生成された金属バリウム(Ba)と反応し
て、金属バリウム(Ba)を酸化バリウム(BaO)に
変化させたり、同じく、既知の酸化物陰極の電子放射物
質層に混合させていたジルコニウム(Zr)、チタニウ
ム(Ti)等の還元性金属の微粉末のように、電子放射
物質層内において酸化され、電子放射物質層内の酸化バ
リウム(BaO)に対する還元機能を失ったりしている
のに対し、前記第1の手段及び第2の手段において、電
子放射物質層に混合させている白金(Pt)、パラジウ
ム(Pd)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、
金(Au)の各粉末は、炭酸ガス(CO2 )の存在下に
おける加熱によっても、または、大気中における加熱に
よっても酸化されることがない。
【0011】このように、前記第1の手段及び第2の手
段によれば、電子放射物質層において電子放射に寄与す
る金属バリウム(Ba)を消耗したり、金属バリウム
(Ba)の生成の助けを阻害したりすることがなくな
り、電子放射物質層の電気抵抗を低減させ、それにより
ジュール熱の発生を抑制することが可能になる。
【0012】また、前記第1の手段及び第2の手段にお
いて用いている白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イ
リジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、金(Au)の各
粉末は、ニッケル(Ni)を主成分とする基体金属内に
含まれる微量のマグネシウム(Mg)やシリコン(S
i)等の還元性金属が電子放射物質層内の酸化バリウム
(BaO)と反応し、金属バリウム(Ba)を生成させ
た際に、この金属バリウム(Ba)を容易に拡散吸収す
る特性を有しているので、電子放射物質層で所要の機能
を果たした後の金属バリウム(Ba)の一部を吸収した
り、所要の機能を果たさずに電子放射物質層から外部に
蒸発する金属バリウム(Ba)の一部を吸収したりする
働きがある。ところで、ニッケル(Ni)を主成分とす
る基体金属内に含まれる微量のマグネシウム(Mg)や
シリコン(Si)等の還元性金属が電子放射物質層内の
酸化バリウム(BaO)と反応して生成される金属バリ
ウム(Ba)は、酸化物陰極の動作時間が経過するとと
もに減少する傾向があり、そのために電子放射物質層に
おける電子放射能力も低下するようになる。
【0013】しかしながら、前記第1の手段及び第2の
手段によれば、電子放射物質層における電子放射能力の
低下が生じた際に、白金(Pt)、パラジウム(P
d)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、金(A
u)の各粉末に拡散吸収されていた金属バリウム(B
a)が放出され、金属バリウム(Ba)の生成速度の減
少を補うので、電子放射物質層における電子放射能力の
減少の度合いが抑制される。即ち、白金(Pt)、パラ
ジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、ロジウム(R
h)、金(Au)の各粉末は、既知の酸化物陰極の電子
放射物質層に混合させていたジルコニウム(Zr)、チ
タニウム(Ti)等の還元性金属の微粉末によって行わ
れていた金属バリウム(Ba)の生成機能の一部を代行
する機能をも果たしているものである。
【0014】さらに、前記第1の手段及び第2の手段に
おいて用いている白金(Pt)、パラジウム(Pd)の
粉末は、水素ガス(H2 )を豊富に吸蔵する能力を有し
ているので、白金(Pt)、パラジウム(Pd)の粉末
に、予め水素ガス(H2 )を吸蔵させておけば、酸化物
陰極の動作時の初期時点に、吸蔵していた水素ガス(H
2 )の放出によって、電子放射物質層の酸化バリウム
(BaO)の還元を行って多くの金属バリウム(Ba)
を生成させ、電子放射物質層の電子放射能力を一時的に
高めるようにすることができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて詳細に
説明する。
【0016】図1は、本発明に係わる酸化物陰極を備え
た電子管の一実施例を示す概要断面構成図であって、電
子管としてカラーブラウン管である場合の例を示すもの
である。
【0017】図1において、1はパネル部、2はファン
ネル部、3はネック部、4は螢光面、5はシャドウマス
ク、6は磁気シールド、7は偏向ヨーク、8はピュリテ
イ調整用マグネット、9はセンタービームスタティック
コンバーゼンス調整用マグネット、10はサイドビーム
スタティックコンバーゼンス調整用マグネット、11は
電子銃、12は電子ビームである。
【0018】そして、カラーブラウン管を構成する管体
は、前側に配置されたパネル部1と、電子銃11を収納
しているネック部3と、パネル部1及びネック部3の中
間に配置されたファンネル部2とからなっている。パネ
ル部1は、その内面に螢光面4が配置形成され、この螢
光面4に対向してシャドウマスク5が配置される。パネ
ル部1とファンネル部2の結合部分の内側に磁気シール
ド6が配置され、ファンネル部2とネック部3の結合部
分の外側に偏向ヨーク7が設けられる。ネック部3の外
側に、ピュリテイ調整用マグネット8、センタービーム
スタティックコンバーゼンス調整用マグネット9、サイ
ドビームスタティックコンバーゼンス調整用マグネット
10が並設配置され、電子銃11から放射された3本の
電子ビーム12(図1では1本だけが示されている)
は、偏向ヨーク7で所定方向に偏向された後、シャドウ
マスク5を通して螢光面4における対応する画素に到達
するように構成されている。
【0019】前記構成によるカラーブラウン管における
動作、即ち、画像表示動作は、既知のカラーブラウン管
における画像表示動作と全く同じであるので、このカラ
ーブラウン管における画像表示動作については、その説
明を省略する。
【0020】続く、図2は、図1に図示のカラーブラウ
ン管の電子銃11に用いられる酸化物陰極の第1の実施
例の構成を示す拡大断面図である。
【0021】図2において、13は高融点金属材料で構
成される筒状の陰極スリーブ、14はニッケル(Ni)
を主成分とし、微量のマグネシウム(Mg)やシリコン
(Si)等の還元性金属を含んだ組成の帽状の基体金
属、15はバリウム(Ba)、ストロンチウム(S
r)、カルシウム(Ca)の酸化物の微粉末からなる組
成の電子放射物質層、16は白金(Pt)の粉末、17
はヒーターである。
【0022】そして、筒状の陰極スリーブ13は、一端
に帽状の基体金属14の開口部分が嵌合され、内部にヒ
ーター17が収納される。帽状の基体金属14の頂面に
は電子放射物質層15が被着形成され、この電子放射物
質層15内に若干量の白金(Pt)の粉末16が混合さ
れている。
【0023】かかる構成の酸化物陰極は、次のようにし
て製造される。
【0024】始めに、筒状の陰極スリーブ13の一端
に、ニッケル(Ni)を主成分とし、それぞれ約0.0
5重量%のマグネシウム(Mg)及びシリコン(Si)
を含有した組成を有し、厚さが約0.15mmの帽状の
基体金属14の開口部分を嵌合し、その後、陰極スリー
ブ13と基体金属14の接合部分の少なくとも一部を溶
接接合し、陰極スリーブ13に基体金属14を固着させ
る。次に、炭酸バリウム(BaCO3 )、炭酸ストロン
チウム(SrCO3 )、炭酸カルシウム(CaCO3
のそれぞれを50対40対10重量%の割合で混合し、
その混合体の中に、平均粒径3μmの白金(Pt)の粉
末をさらに10重量%の割合で混合してサスペンション
(懸濁液)を形成し、既知の電子放射物質層と同様に、
このサスペンション(懸濁液)をスプレー法によって帽
状の基体金属14の頂面に塗布し、厚さが約70μm
で、密度が1.02の電子放射物質層15を形成させ
る。その後で、筒状の陰極スリーブ13の内部にヒータ
ー17を収納し、酸化物陰極を形成させる。
【0025】こうして形成された酸化物陰極は、他の構
成部品とともに電子銃11に組込まれ、さらに、この電
子銃11が管体のネック部3内に挿入され、電子銃11
のステム部がネック部3の端部に封止されて、カラーブ
ラウン管が完成されるものである。
【0026】この場合、電子放射物質層15内に混合さ
れている白金(Pt)の粉末は、金属バリウム(Ba)
を容易に拡散吸収する特性を備えている。このため、基
体金属14内に含まれているマグネシウム(Mg)及び
シリコン(Si)が電子放射物質層15内に形成された
酸化バリウム(BaO)と反応し、金属バリウム(B
a)を生成させた際に、白金(Pt)が、電子放射物質
層15で電子放射機能を果たした後の金属バリウム(B
a)の一部を吸収したり、電子放射機能を果たさずに電
子放射物質層から外部に蒸発する金属バリウム(Ba)
の一部を吸収したりする。そして、白金(Pt)に吸収
された金属バリウム(Ba)は、酸化物陰極の動作時間
の経過とともに金属バリウム(Ba)が減少したときに
放出され、金属バリウム(Ba)の生成速度の減少を補
っているので、酸化物陰極の動作時間の経過とともに減
少する電子放射物質層15における電子放射能力を実質
的に補うものである。即ち、白金(Pt)粉末は、既知
の酸化物陰極の電子放射物質層に混合させていたジルコ
ニウム(Zr)、チタニウム(Ti)等の還元性金属の
微粉末によって行われていた金属バリウム(Ba)の生
成機能の一部を代行する機能も果たすものである。
【0027】なお、第1の実施例においては、電子放射
物質層15に混合する金属粉末として、白金(Pt)の
粉末を用いた場合について説明したが、本発明において
用いられる金属粉末としては、白金(Pt)の粉末に限
られるものではなく、同じ白金属元素であるパラジウム
(Pd)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)の粉
末を用いてもほぼ同等の機能を達成させることができ、
白金属元素の他にも、金(Au)の粉末を用いてもほぼ
同等の機能を達成させることができる。
【0028】また、第1の実施例においては、電子放射
物質層15に混合する金属粉末として、白金(Pt)の
粉末だけを用いた場合について説明したが、本発明にお
いて用いられる金属粉末としては、1種類だけを用いる
場合に限られるものではなく、白金(Pt)、パラジウ
ム(Pd)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、
金(Au)の中の2つの種類またはそれ以上の種類の粉
末を同時に混合させて用いるようにしてもよい。
【0029】さらに、第1の実施例においては、電子放
射物質層15に混合する金属粉末として、平均粒径が3
μmの白金(Pt)の粉末を10重量%の割合で混合し
た例を挙げて説明したが、本発明において用いられる金
属粉末としては、平均粒径が3μmのものを10重量%
の割合で混合した場合に限られるものではなく、使用可
能な白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム
(Ir)、ロジウム(Rh)、金(Au)の平均粒径は
0.5乃至10μmの範囲内で、しかも、白金(P
t)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、ロジ
ウム(Rh)、金(Au)の混合割合は、5乃至20重
量%の範囲内であれば、所要の機能を充分に発揮させ得
ることが確認できた。
【0030】続いて、図3は、同じく図1に図示のカラ
ーブラウン管の電子銃11に用いられる酸化物陰極の第
2の実施例の構成を示す拡大断面図である。
【0031】図3において、15aはバリウム(B
a)、ストロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)の
酸化物の微粉末の中に白金(Pt)の粉末16を若干量
混合させた組成の電子放射物質層の第1層、15bはバ
リウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カルシウム
(Ca)の酸化物の微粉末からなる組成の電子放射物質
層の第2層であり、その他、図2に示された構成要素と
同じ構成要素には同じ符号を付けている。
【0032】この第2の実施例と前記第1の実施例との
構成の違いは、電子放射物質層15に関して、第1の実
施例は、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、
カルシウム(Ca)の酸化物の微粉末の中に白金(P
t)の粉末16を若干量混合させた組成の電子放射物質
層15だけの1層構造で構成されているのに対し、第2
の実施例は、バリウム(Ba)、ストロンチウム(S
r)、カルシウム(Ca)の酸化物の微粉末の中に白金
(Pt)の粉末16を若干量混合させた組成の第1層1
5aと、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、
カルシウム(Ca)の酸化物の微粉末からなる組成の第
2層15bとからなる2層構造で構成されている点だけ
であって、その他に、第2の実施例と第1の実施例との
間に構成上の違いはない。
【0033】かかる構成の酸化物陰極は、次のようにし
て製造される。
【0034】始めに、筒状の陰極スリーブ13の一端
に、ニッケル(Ni)を主成分とし、それぞれ約0.0
5重量%のマグネシウム(Mg)及びシリコン(Si)
を含有した組成を有し、厚さが約0.15mmの帽状の
基体金属14の開口部分を嵌合し、その後、陰極スリー
ブ13と基体金属14の接合部分の少なくとも一部を溶
接接合し、陰極スリーブ13に基体金属14を固着させ
る。次に、炭酸バリウム(BaCO3 )、炭酸ストロン
チウム(SrCO3 )、炭酸カルシウム(CaCO3
のそれぞれを50対40対10重量%の割合で混合し、
第1のサスペンション(懸濁液)を形成する。続いて、
この第1のサスペンション(懸濁液)の中に、平均粒径
3μmの白金(Pt)の粉末をさらに10重量%の割合
で混合して第2のサスペンション(懸濁液)を形成す
る。次いで、既知の電子放射物質層と同様に、第2のサ
スペンション(懸濁液)をスプレー法によって帽状の基
体金属14の頂面に塗布し、厚さが約40μmで、密度
が1.02の電子放射物質層の第1層15aを形成さ
せ、続いて、第1のサスペンション(懸濁液)をスプレ
ー法によって既に形成した第1層15aの上に塗布し、
厚さが約30μmで、密度が1.0の電子放射物質層の
第2層15bを形成させる。その後で、筒状の陰極スリ
ーブ13の内部にヒーター17を収納し、酸化物陰極を
形成させる。
【0035】こうして形成された酸化物陰極は、他の構
成部品とともに電子銃11に組込まれ、さらに、この電
子銃11が管体のネック部3内に挿入され、電子銃11
のステム部がネック部3の端部に封止されて、カラーブ
ラウン管が完成される。
【0036】かかる構成の第2の実施例の酸化物陰極の
動作は、既に述べた第1の実施例の酸化物陰極の動作と
ほぼ同じであるので、この第2の実施例の酸化物陰極の
動作については、その説明を省略する。
【0037】なお、第2の実施例においても、電子放射
物質層の第1層15aに混合する金属粉末として、白金
(Pt)の粉末以外に、パラジウム(Pd)、イリジウ
ム(Ir)、ロジウム(Rh)、金(Au)の各粉末を
用いることができ、しかも、それらの中の2種類または
それ以上の粉末を併用することもできる。
【0038】また、第2の実施例に用いられる白金(P
t)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、ロジ
ウム(Rh)、金(Au)の各粉末については、平均粒
径が0.5乃至10μmの範囲内であればよく、その混
合の割合が5乃至20重量%の範囲内であればよい。
【0039】また、第1及び第2の実施例においては、
電子管としてカラーブラウン管を用いた例を挙げて説明
したが、本発明による電子管は、カラーブラウン管に限
られるものではなく、他の電子管、例えば、撮像管等に
も同様に適用することができる。
【0040】この他に、第1及び第2の実施例において
は、基体金属14に第1のサスペンション(懸濁液)及
び第2のサスペンション(懸濁液)の塗布をスプレー法
によって行う場合について説明したが、本発明によるこ
れらサスペンション(懸濁液)の塗布は、スプレー法に
限られるのはなく、これらサスペンション(懸濁液)を
ペースト状にし、印刷法によって行っても構わない。
【0041】さらに、前記第1の実施例及び第2の実施
例において、電子放射物質層15に混合させる金属とし
て白金(Pt)またはパラジウム(Pd)の粉末を選択
した場合、白金(Pt)やパラジウム(Pd)は水素ガ
ス(H2 )を豊富に吸蔵する能力を有しているので、電
子放射物質層15に混合させる白金(Pt)やパラジウ
ム(Pd)の粉末に、予め水素ガス(H2 )を吸蔵させ
るようにしておけば、酸化物陰極が動作する際の初期時
点に、この吸蔵していた水素ガス(H2 )が放出され、
電子放射物質層15の酸化バリウム(BaO)を還元し
て多くの金属バリウム(Ba)を生成させるので、電子
放射物質層15の電子放射能力を一時的に高めることが
できる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、電子放射物質層に、炭酸ガス(CO2 )の存在下に
おける加熱によっても、または、大気中における加熱に
よっても酸化されない、白金(Pt)、パラジウム(P
d)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、金(A
u)の金属粉末の中の1種類または2種類以上を混合さ
せているものである。
【0043】このため、本発明によれば、既知の酸化物
陰極のように、電子放射物質層に混合させた金属粉末、
即ち、ニッケル(Ni)、ジルコニウム(Zr)、チタ
ニウム(Ti)の粉末が、電子放射物質層内で金属バリ
ウム(Ba)を消耗したり、金属バリウム(Ba)の生
成の助けを阻害したりすることがなくなり、電子放射物
質層の電気抵抗を低減して、ジュール熱の発生を抑制す
ることが可能になる。
【0044】また、本発明によれば、電子放射物質層に
おける電子放射能力の低下が生じた際に、白金(P
t)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、ロジ
ウム(Rh)、金(Au)の各粉末に拡散吸収されてい
た金属バリウム(Ba)が放出され、金属バリウム(B
a)の生成速度の減少を補うように働く、即ち、白金
(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、
ロジウム(Rh)、金(Au)の各粉末は、既知の酸化
物陰極の電子放射物質層に混合させていたジルコニウム
(Zr)、チタニウム(Ti)等の還元性金属の粉末に
よって行われていた金属バリウム(Ba)の生成機能の
一部を代行する機能を果たしているので、電子放射物質
層における電子放射能力の減少の度合いを抑制すること
ができる。
【0045】従って、本発明によれば、長時間にわたっ
て高電流密度状態で動作させても、電子放射機能が余り
低下しない電子放射物質層を得ることができ、それによ
って、既知の酸化物陰極では殆んど改善がみられなかっ
た、酸化物陰極における高電流密度状態の動作機能を相
当量向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる酸化物陰極を備えた電子管の一
実施例を示す概要断面構成図である。
【図2】図1に図示のカラーブラウン管の電子銃に用い
られる酸化物陰極の第1の実施例の構成を示す拡大断面
図である。
【図3】図1に図示のカラーブラウン管の電子銃に用い
られる酸化物陰極の第2の実施例の構成を示す拡大断面
図である。
【符号の説明】
1 パネル部 2 ファンネル部 3 ネック部 4 螢光面 5 シャドウマスク 6 磁気シールド 7 偏向ヨーク 8 ピュリテイ調整用マグネット 9 センタービームスタティックコンバーゼンス調整用
マグネット 10 サイドビームスタティックコンバーゼンス調整用
マグネット 11 電子銃 12 電子ビーム 13 筒状の陰極スリーブ 14 帽状の基体金属 15 電子放射物質層 15a 電子放射物質層の第1層 15b 電子放射物質層の第2層 16 白金(Pt)の粉末 17 ヒーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 深山 憲久 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニッケル(Ni)を主成分とし、微量の
    マグネシウム(Mg)やシリコン(Si)等の還元性金
    属を含んだ組成の基体金属と、前記基体金属上に設けら
    れ、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カル
    シウム(Ca)の酸化物の微粉末、もしくは、少なくと
    もバリウム(Ba)の酸化物の微粉末からなる組成の電
    子放射物質層とを有する酸化物陰極を備えた電子管にお
    いて、前記電子放射物質層に、白金(Pt)、パラジウ
    ム(Pd)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)の
    白金属元素の粉末または金(Au)の粉末のいずれか、
    もしくは、それらの粉末の数種が混合されていることを
    特徴とする酸化物陰極を備えた電子管。
  2. 【請求項2】 ニッケル(Ni)を主成分とし、微量の
    マグネシウム(Mg)やシリコン(Si)等の還元性金
    属を含んだ組成の基体金属と、前記基体金属上に設けら
    れ、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カル
    シウム(Ca)の酸化物の微粉末、もしくは、少なくと
    もバリウム(Ba)の酸化物の微粉末からなる組成の電
    子放射物質層とを有する酸化物陰極を備えた電子管にお
    いて、前記電子放射物質層を2層構造にし、その2層構
    造の中の一方は、電子放射物質層に白金(Pt)、パラ
    ジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、ロジウム(R
    h)の白金属元素の粉末または金(Au)の粉末のいず
    れか、もしくは、それらの粉末の数種が混合されたもの
    で構成され、他方は、電子放射物質層に前記粉末が混合
    されていないもので構成されていることを特徴とする酸
    化物陰極を備えた電子管。
  3. 【請求項3】 前記白金(Pt)、パラジウム(P
    d)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、金(A
    u)の混合量は、5乃至20重量%であることを特徴と
    する請求項1乃至2のいずれかに記載の酸化物陰極を備
    えた電子管。
  4. 【請求項4】 前記白金(Pt)、パラジウム(P
    d)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、金(A
    u)の粉末粒子径は、0.5乃至10μmの範囲内にあ
    ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の
    酸化物陰極を備えた電子管。
  5. 【請求項5】 前記白金(Pt)、パラジウム(Pd)
    は、水素ガス(H2)を含んだ雰囲気内において熱処理
    を施したものを用いていることを特徴とする請求項1乃
    至4のいずれかに記載の酸化物陰極を備えた電子管。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030047054A (ko) * 2001-12-07 2003-06-18 삼성에스디아이 주식회사 전자관용 금속 음극 및 그 제조방법
KR100393047B1 (ko) * 2001-03-14 2003-07-31 삼성에스디아이 주식회사 금속 음극 및 이를 구비한 방열형 음극구조체
KR100428972B1 (ko) * 2001-06-22 2004-04-29 삼성에스디아이 주식회사 전자관용 음극 및 그 제조방법

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KR100428972B1 (ko) * 2001-06-22 2004-04-29 삼성에스디아이 주식회사 전자관용 음극 및 그 제조방법
KR20030047054A (ko) * 2001-12-07 2003-06-18 삼성에스디아이 주식회사 전자관용 금속 음극 및 그 제조방법

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