JPH11281578A - ポリカルボン酸分析方法 - Google Patents
ポリカルボン酸分析方法Info
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- JPH11281578A JPH11281578A JP8631698A JP8631698A JPH11281578A JP H11281578 A JPH11281578 A JP H11281578A JP 8631698 A JP8631698 A JP 8631698A JP 8631698 A JP8631698 A JP 8631698A JP H11281578 A JPH11281578 A JP H11281578A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ポリカルボン酸分析方法を提供する。
【解決手段】 本発明に係るポリカルボン酸検出方法
は、ポリカルボン酸の2以上のカルボキシル基にピレン
蛍光分子を結合させてラベル化し、該ピレン蛍光分子を
光励起することのより生じるエキシマー蛍光を検出する
ことからなる。さらに、本発明に係るポリカルボン酸検
出方法は、ポリカルボン酸にピレン蛍光分子を2個以上
結合してラベル化し、該ピレン分子を光励起し、励起後
一定時間経過後該エキシマー蛍光減衰曲線を検出するこ
とからなる。
は、ポリカルボン酸の2以上のカルボキシル基にピレン
蛍光分子を結合させてラベル化し、該ピレン蛍光分子を
光励起することのより生じるエキシマー蛍光を検出する
ことからなる。さらに、本発明に係るポリカルボン酸検
出方法は、ポリカルボン酸にピレン蛍光分子を2個以上
結合してラベル化し、該ピレン分子を光励起し、励起後
一定時間経過後該エキシマー蛍光減衰曲線を検出するこ
とからなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリカルボン酸分
析方法に関する。
析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリカルボン酸の分析は、モノカ
ルボン酸の分析と比較して非常に困難で有り、従ってそ
の生理的役割に関して解明されていない部分が多かっ
た。また、生体ポリカルボン酸(マロン酸、コハク酸、
グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸等)は、種々のグルタル酸血症
などの先天性代謝異常症において、その患者の血液ある
いは尿中で高値を示すことが知られている。この場合に
要求される測定感度は高くpmol程度である。また、長鎖
ポリカルボン酸、例えばアジピン酸は医薬品の成分分析
においても重要である。従来一般に用いられている分析
方法は蛍光色素によるラベル化と、HPLCによる分離
を組合せた方法である。
ルボン酸の分析と比較して非常に困難で有り、従ってそ
の生理的役割に関して解明されていない部分が多かっ
た。また、生体ポリカルボン酸(マロン酸、コハク酸、
グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸等)は、種々のグルタル酸血症
などの先天性代謝異常症において、その患者の血液ある
いは尿中で高値を示すことが知られている。この場合に
要求される測定感度は高くpmol程度である。また、長鎖
ポリカルボン酸、例えばアジピン酸は医薬品の成分分析
においても重要である。従来一般に用いられている分析
方法は蛍光色素によるラベル化と、HPLCによる分離
を組合せた方法である。
【0003】ラベル化試薬としてはカルボキシル基に反
応するものが多く使用される。この際、ポリカルボン酸
と混在するカルボキシル基含有の他の成分、例えばアミ
ノ酸、オリゴペプチド等が同様にラベル化される。従っ
て、蛍光ラベル化されたポリカルボン酸を他の成分と分
離しなければならないという問題点があった。
応するものが多く使用される。この際、ポリカルボン酸
と混在するカルボキシル基含有の他の成分、例えばアミ
ノ酸、オリゴペプチド等が同様にラベル化される。従っ
て、蛍光ラベル化されたポリカルボン酸を他の成分と分
離しなければならないという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題に鑑
み、たとえモノカルボキシル基含有成分を多量に混在す
る場合でも、該モノカルボキシル基含有成分を分離する
ことなく、簡便に高感度で選択的にポリカルボン酸及び
その混合物を分析する方法を見出し本発明を完成するに
至った。
み、たとえモノカルボキシル基含有成分を多量に混在す
る場合でも、該モノカルボキシル基含有成分を分離する
ことなく、簡便に高感度で選択的にポリカルボン酸及び
その混合物を分析する方法を見出し本発明を完成するに
至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の問題
を解決するべく鋭意研究し、ポリカルボン酸の2以上の
カルボキシル基にピレン蛍光分子でラベル化すると、該
ピレン蛍光分子を光励起した際に効率的にエキシマー蛍
光を生じることを見出し本発明を完成するに至った。
を解決するべく鋭意研究し、ポリカルボン酸の2以上の
カルボキシル基にピレン蛍光分子でラベル化すると、該
ピレン蛍光分子を光励起した際に効率的にエキシマー蛍
光を生じることを見出し本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、2以上のカルボキシ
ル基を有するポリカルボン酸(又は混合物)を、ピレン
基を有するラベル化試薬でラベル化し、ピレン基に基づ
くモノマー蛍光よりも長波長領域(450〜520n
m)に生じる蛍光の蛍光強度及び/又は蛍光強度減衰曲
線の測定に基づき前記ポリカルボン酸(またはその混合
物)量を分析する方法を提供するものである。
ル基を有するポリカルボン酸(又は混合物)を、ピレン
基を有するラベル化試薬でラベル化し、ピレン基に基づ
くモノマー蛍光よりも長波長領域(450〜520n
m)に生じる蛍光の蛍光強度及び/又は蛍光強度減衰曲
線の測定に基づき前記ポリカルボン酸(またはその混合
物)量を分析する方法を提供するものである。
【0007】また、本発明は、前記ピレン基に基づく蛍
光よりも長波長領域に生じる蛍光が、前記ポリカルボン
酸の2以上のカルボキシル基が前記試薬でラベル化さ
れ、前記ピレン基の光励起に基づき前記ポリカルボン酸
の分子内で形成されるエキシマー蛍光であることを特徴
とする、前記ポリカルボン酸を分析する方法を提供する
ものである。
光よりも長波長領域に生じる蛍光が、前記ポリカルボン
酸の2以上のカルボキシル基が前記試薬でラベル化さ
れ、前記ピレン基の光励起に基づき前記ポリカルボン酸
の分子内で形成されるエキシマー蛍光であることを特徴
とする、前記ポリカルボン酸を分析する方法を提供する
ものである。
【0008】さらに、本発明は、前記ポリカルボン酸混
合物が、少なくとも、マロン酸、コハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン
酸、セバシン酸からなる群のいずれか1つを含むもので
あることを特徴とする前記ポリカルボン酸を分析する方
法を提供するものである。
合物が、少なくとも、マロン酸、コハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン
酸、セバシン酸からなる群のいずれか1つを含むもので
あることを特徴とする前記ポリカルボン酸を分析する方
法を提供するものである。
【0009】以下本発明を実施の形態に即して詳しく説
明する。
明する。
【0010】
【発明の実施の形態】(ポリカルボン酸、及びポリカル
ボン酸を含む試料)本発明の方法で分析可能なポリカル
ボン酸、ポリカルボン酸混合物、又はそれらを含む試料
は特に限定されない。溶液状態の試料でも、半固体状態
の試料でも、さらには固体状態の試料でもよく、適当な
溶媒により、以下で説明するラベル化反応を行える濃度
に希釈されるものであればよい。
ボン酸を含む試料)本発明の方法で分析可能なポリカル
ボン酸、ポリカルボン酸混合物、又はそれらを含む試料
は特に限定されない。溶液状態の試料でも、半固体状態
の試料でも、さらには固体状態の試料でもよく、適当な
溶媒により、以下で説明するラベル化反応を行える濃度
に希釈されるものであればよい。
【0011】具体的には、生体からの試料としては、尿
サンプル、血液サンプル等に含まれるポリカルボン酸類
である。また、本発明に係る方法を用いる際の上記試料
の前処理についても特に制限はないが、以下に説明する
ように、本発明に係る方法は、ポリカルボン酸のカルボ
キシル基にラベル化するものであり、しかも蛍光測定に
よる検出方法を用いるものであるため、共存する種々の
成分をあらかじめ除去することは好ましいことである。
具体的な前処理としては、混在する酸性の成分を除去、
又は混在する蛋白質成分の除去が挙げられる。混在する
酸性の成分を除去するためには通常のイオン交換カラム
クロマト法により容易に可能であり、また、混在する蛋
白質成分を除去するためには、通常の酸、有機溶媒、又
は加熱による方法等を容易に行うことができる。特に蛋
白質成分中には強い蛍光を示すものがあり、本発明に係
る方法においてバックグラウンド蛍光の原因となること
から、本発明に係る方法を高感度分析に使用するために
は好ましい処理である。
サンプル、血液サンプル等に含まれるポリカルボン酸類
である。また、本発明に係る方法を用いる際の上記試料
の前処理についても特に制限はないが、以下に説明する
ように、本発明に係る方法は、ポリカルボン酸のカルボ
キシル基にラベル化するものであり、しかも蛍光測定に
よる検出方法を用いるものであるため、共存する種々の
成分をあらかじめ除去することは好ましいことである。
具体的な前処理としては、混在する酸性の成分を除去、
又は混在する蛋白質成分の除去が挙げられる。混在する
酸性の成分を除去するためには通常のイオン交換カラム
クロマト法により容易に可能であり、また、混在する蛋
白質成分を除去するためには、通常の酸、有機溶媒、又
は加熱による方法等を容易に行うことができる。特に蛋
白質成分中には強い蛍光を示すものがあり、本発明に係
る方法においてバックグラウンド蛍光の原因となること
から、本発明に係る方法を高感度分析に使用するために
は好ましい処理である。
【0012】さらに、本発明に係る方法は、ポリカルボ
ン酸に多量のモノカルボン酸成分が混在していてもよ
い。ここでモノカルボン酸成分としては、具体的には、
上記の生体試料中の種々の有機酸およびアミノ酸成分が
挙げられる。本発明に係る方法においては、ピレン基を
有するラベル化試薬によるラベル化反応によりこれらの
モノカルボン酸成分もまた非選択的にラベル化される。
一方これらラベル化されたモノカルボン酸成分は光励起
によりピレン基自体の蛍光を発生するが、本発明に係る
ピレン基自体の蛍光よりも長波長領域の蛍光、又はエキ
シマー形成によるエキシマー蛍光は全く発生させない。
従って、本発明に係る方法は、これら混在するモノカル
ボン酸成分の存在には影響されるものでない。
ン酸に多量のモノカルボン酸成分が混在していてもよ
い。ここでモノカルボン酸成分としては、具体的には、
上記の生体試料中の種々の有機酸およびアミノ酸成分が
挙げられる。本発明に係る方法においては、ピレン基を
有するラベル化試薬によるラベル化反応によりこれらの
モノカルボン酸成分もまた非選択的にラベル化される。
一方これらラベル化されたモノカルボン酸成分は光励起
によりピレン基自体の蛍光を発生するが、本発明に係る
ピレン基自体の蛍光よりも長波長領域の蛍光、又はエキ
シマー形成によるエキシマー蛍光は全く発生させない。
従って、本発明に係る方法は、これら混在するモノカル
ボン酸成分の存在には影響されるものでない。
【0013】さらに、ポリカルボン酸成分が試料中で特
別の構造を有し、遊離の形では存在しない場合には、そ
の特別な構造を種々の化学反応を含む処理により分解
し、ポリカルボン酸を遊離させることも好ましい前処理
である。
別の構造を有し、遊離の形では存在しない場合には、そ
の特別な構造を種々の化学反応を含む処理により分解
し、ポリカルボン酸を遊離させることも好ましい前処理
である。
【0014】(分析可能なポリカルボン酸)本発明に係
る方法により分析されるポリカルボン酸については特に
制限はなく、分子中に2個以上のカルボキシル基がある
成分であればよい。
る方法により分析されるポリカルボン酸については特に
制限はなく、分子中に2個以上のカルボキシル基がある
成分であればよい。
【0015】また、本発明に係る方法により分析される
ポリカルボン酸は、分子中にさらに種々の他の置換基が
ある構造を有していてもよい。具体的には、他の置換基
がある構造としては、アミノ酸構造、核酸構造、糖構
造、蛋白構造、脂質構造が挙げられる。蛋白構造として
は、より具体的には2個以上のカルボキシル基を有する
アミノ酸、又はそのアミノ酸を含むオリゴペプチド(蛋
白質を含む)が挙げられる。2個以上のカルボキシル基
を有するアミノ酸の例としてグルタミン酸、アスパラギ
ン酸が挙げられる。さらには、アルキル骨格、または環
状アルキル骨格を有するポリカルボン酸、芳香族環を含
むポリカルボン酸、その他のポリカルボン酸化合物が本
発明の分析の対象となる。このうち、本発明に係る方法
は特に生体ポリカルボン酸として知られている、マロン
酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、
スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等のポリカルボ
ン酸、または それらの混合物を分析するために好まし
いものである。
ポリカルボン酸は、分子中にさらに種々の他の置換基が
ある構造を有していてもよい。具体的には、他の置換基
がある構造としては、アミノ酸構造、核酸構造、糖構
造、蛋白構造、脂質構造が挙げられる。蛋白構造として
は、より具体的には2個以上のカルボキシル基を有する
アミノ酸、又はそのアミノ酸を含むオリゴペプチド(蛋
白質を含む)が挙げられる。2個以上のカルボキシル基
を有するアミノ酸の例としてグルタミン酸、アスパラギ
ン酸が挙げられる。さらには、アルキル骨格、または環
状アルキル骨格を有するポリカルボン酸、芳香族環を含
むポリカルボン酸、その他のポリカルボン酸化合物が本
発明の分析の対象となる。このうち、本発明に係る方法
は特に生体ポリカルボン酸として知られている、マロン
酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、
スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等のポリカルボ
ン酸、または それらの混合物を分析するために好まし
いものである。
【0016】本発明に係る方法は、各ポリカルボン酸成
分が単独で存在する状態でも好ましく使用可能であり、
この場合には当該ポリカルボン酸の存在量が分析可能と
なる。
分が単独で存在する状態でも好ましく使用可能であり、
この場合には当該ポリカルボン酸の存在量が分析可能と
なる。
【0017】さらには本発明に係る方法は、複数のポリ
カルボン酸成分が混合した状態でも好ましく使用可能で
ある。この場合には、存在するポリカルボン酸の全量が
分析可能である。この際、以下説明するように、上記複
数のポリカルボン酸成分を分離することなく存在するポ
リカルボン酸の総量が分析可能とするものである。上記
混合物の各成分毎の量については、HPLC等の手段に
より混合物を分離して分析することも可能である。
カルボン酸成分が混合した状態でも好ましく使用可能で
ある。この場合には、存在するポリカルボン酸の全量が
分析可能である。この際、以下説明するように、上記複
数のポリカルボン酸成分を分離することなく存在するポ
リカルボン酸の総量が分析可能とするものである。上記
混合物の各成分毎の量については、HPLC等の手段に
より混合物を分離して分析することも可能である。
【0018】(ラベル化試薬)本発明に係る方法に使用
可能なラベル化試薬はピレン基を有するものである。こ
こでピレン基は無置換ピレン環、及び置換ピレン環を含
むものである。置換ピレン環の置換基は特に制限はない
が、エキシマー形成を阻害しない置換基またはエキシマ
ー形成を促進する置換基が好ましく使用可能である。本
発明に係る方法においては、特に無置換ピレン環を有す
るラベル化試薬が好ましい。
可能なラベル化試薬はピレン基を有するものである。こ
こでピレン基は無置換ピレン環、及び置換ピレン環を含
むものである。置換ピレン環の置換基は特に制限はない
が、エキシマー形成を阻害しない置換基またはエキシマ
ー形成を促進する置換基が好ましく使用可能である。本
発明に係る方法においては、特に無置換ピレン環を有す
るラベル化試薬が好ましい。
【0019】また本発明に係る方法に使用可能なラベル
化試薬はピレン基が含まれていればその他の構造には特
に制限されない。従って、通常公知の又は市販のカルボ
キシル基ラベル化用の種々のピレン含有ラベル化試薬が
好ましく使用可能である。具体的には、1−ピレン酪酸
ヒドラジド、1−ピレンメタノール、1−ピレニルジア
ゾメタン、N-シクロヘキシル-N’-(1-ピレニル)カ
ルボジイミド及び1-ブロモアセチルピレンが挙げられ
る。本発明においては特に1−ピレン酪酸ヒドラジドが
好ましく使用可能である。
化試薬はピレン基が含まれていればその他の構造には特
に制限されない。従って、通常公知の又は市販のカルボ
キシル基ラベル化用の種々のピレン含有ラベル化試薬が
好ましく使用可能である。具体的には、1−ピレン酪酸
ヒドラジド、1−ピレンメタノール、1−ピレニルジア
ゾメタン、N-シクロヘキシル-N’-(1-ピレニル)カ
ルボジイミド及び1-ブロモアセチルピレンが挙げられ
る。本発明においては特に1−ピレン酪酸ヒドラジドが
好ましく使用可能である。
【0020】本発明においては、ラベル化試薬の反応選
択性は、末端カルボキシル基に優先的に反応する試薬に
限定されることはない。分子内カルボキシル基に反応す
るものでもよい。また、それらのカルボキシル基のラベ
ル化反応が混在してもよい。従って、ポリカルボン酸の
構造により3以上のピレン基でラベル化される場合もあ
り得る。この場合であっても、以下説明するように、分
子内の2つのピレン基によるエキシマーが形成され、エ
キシマー蛍光が観測可能となり、従って、本発明に係る
方法を用いてポリカルボン酸分析が可能となる。
択性は、末端カルボキシル基に優先的に反応する試薬に
限定されることはない。分子内カルボキシル基に反応す
るものでもよい。また、それらのカルボキシル基のラベ
ル化反応が混在してもよい。従って、ポリカルボン酸の
構造により3以上のピレン基でラベル化される場合もあ
り得る。この場合であっても、以下説明するように、分
子内の2つのピレン基によるエキシマーが形成され、エ
キシマー蛍光が観測可能となり、従って、本発明に係る
方法を用いてポリカルボン酸分析が可能となる。
【0021】本発明に係る方法においては、上記のピレ
ン基を含むラベル化試薬により、試料中に混在するモノ
カルボキシル基を有する成分中のカルボキシル基も非選
択的にラベル化するものであるが、この場合、分子内で
エキシマー形成が不可能でありエキシマー蛍光は発生し
ない。
ン基を含むラベル化試薬により、試料中に混在するモノ
カルボキシル基を有する成分中のカルボキシル基も非選
択的にラベル化するものであるが、この場合、分子内で
エキシマー形成が不可能でありエキシマー蛍光は発生し
ない。
【0022】さらに、過剰のラベル化試薬が未反応又は
加水分解を受けて後溶液中に混在していても上記と同様
にエキシマー蛍光は生じないので分離する必要はない。
加水分解を受けて後溶液中に混在していても上記と同様
にエキシマー蛍光は生じないので分離する必要はない。
【0023】(エキシマー蛍光)一般に知られているよ
うに、1分子内にピレンなどの芳香族分子を2個持つ場
合(例えば1,3−ビス−(1−ピレニル)−プロパ
ン)、光励起された励起状態においてピレンが会合し、
分子内エキシマー蛍光を発する。ここでエキシマー蛍光
は励起分子の2分子会合により生じるものであり、この
会合が1分子内で生じる場合は、該蛍光強度は、分子の
濃度に単調に比例する。さらに従来の知見によれば、上
記のエキシマーが生じるためには、2つのピレン基がエ
キシマー形成のためには、好ましい空間位置をとること
が必要であり、そのため2つのピレン基間の特定構造に
より上記の好ましい空間位置を保持することが必要とさ
れている。
うに、1分子内にピレンなどの芳香族分子を2個持つ場
合(例えば1,3−ビス−(1−ピレニル)−プロパ
ン)、光励起された励起状態においてピレンが会合し、
分子内エキシマー蛍光を発する。ここでエキシマー蛍光
は励起分子の2分子会合により生じるものであり、この
会合が1分子内で生じる場合は、該蛍光強度は、分子の
濃度に単調に比例する。さらに従来の知見によれば、上
記のエキシマーが生じるためには、2つのピレン基がエ
キシマー形成のためには、好ましい空間位置をとること
が必要であり、そのため2つのピレン基間の特定構造に
より上記の好ましい空間位置を保持することが必要とさ
れている。
【0024】一方、本発明に係る方法においては、ラベ
ル化されたポリカルボン酸を光励起する際に生じる蛍光
を測定するものであるが、本発明に係る方法は特に、ピ
レン基自体からの蛍光ではなく、当該蛍光よりも長波長
領域に現われる新たな蛍光を観測するものである。この
新たな蛍光は、上記説明したエキシマー蛍光と同様に、
ポリカルボン酸分子内でピレン基を光励起することによ
り形成されるエキシマーに基づく蛍光(エキシマー蛍
光)と考えられる。すなわち、本発明者は、生体内で見
出される種々のポリカルボン酸の2以上のカルボキシル
基にピレン基を有するラベル化試薬でラベル化すること
により、ピレン基自体からの蛍光のみならず、エキシマ
ー蛍光と考えられる当該蛍光よりも長波長領域に新たな
蛍光が観測されること、さらにその蛍光強度はポリカル
ボン酸の種類(化学構造)にはほとんど依存しないこと
を見出した。また、種々のポリカルボン酸の混合物の場
合には、得られる当該蛍光の強度は、存在するポリカル
ボン酸の総量に比例することを見出した。また、上記の
結果は、ポリカルボン酸混合物として、マロン酸、コハ
ク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン
酸、アゼライン酸、セバシン酸等、又はこれらの混合物
でも適用されることを見出した。図1には、アジピン酸
をピレン基ラベル化試薬でラベル化したときの蛍光スペ
クトルを示すものである。ラベル化試薬のみの場合に
は、ピレン自体の蛍光スペクトルのみが観測される(励
起波長305nmで390nm及び415nmに発光極
大)が、アジピン酸との反応の結果、ピレン基自体の発
光は減少し、新たに475nmを極大とする発光が観測
される。この蛍光は上記説明したエキシマー蛍光と考え
られ、当該エキシマー蛍光強度は溶媒の組成(含水率、
極性溶媒の種類、及びそれらの存在比)に依存する。
ル化されたポリカルボン酸を光励起する際に生じる蛍光
を測定するものであるが、本発明に係る方法は特に、ピ
レン基自体からの蛍光ではなく、当該蛍光よりも長波長
領域に現われる新たな蛍光を観測するものである。この
新たな蛍光は、上記説明したエキシマー蛍光と同様に、
ポリカルボン酸分子内でピレン基を光励起することによ
り形成されるエキシマーに基づく蛍光(エキシマー蛍
光)と考えられる。すなわち、本発明者は、生体内で見
出される種々のポリカルボン酸の2以上のカルボキシル
基にピレン基を有するラベル化試薬でラベル化すること
により、ピレン基自体からの蛍光のみならず、エキシマ
ー蛍光と考えられる当該蛍光よりも長波長領域に新たな
蛍光が観測されること、さらにその蛍光強度はポリカル
ボン酸の種類(化学構造)にはほとんど依存しないこと
を見出した。また、種々のポリカルボン酸の混合物の場
合には、得られる当該蛍光の強度は、存在するポリカル
ボン酸の総量に比例することを見出した。また、上記の
結果は、ポリカルボン酸混合物として、マロン酸、コハ
ク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン
酸、アゼライン酸、セバシン酸等、又はこれらの混合物
でも適用されることを見出した。図1には、アジピン酸
をピレン基ラベル化試薬でラベル化したときの蛍光スペ
クトルを示すものである。ラベル化試薬のみの場合に
は、ピレン自体の蛍光スペクトルのみが観測される(励
起波長305nmで390nm及び415nmに発光極
大)が、アジピン酸との反応の結果、ピレン基自体の発
光は減少し、新たに475nmを極大とする発光が観測
される。この蛍光は上記説明したエキシマー蛍光と考え
られ、当該エキシマー蛍光強度は溶媒の組成(含水率、
極性溶媒の種類、及びそれらの存在比)に依存する。
【0025】これらポリカルボン酸はそれぞれ以下の化
学構造を有するポリカルボン酸である。これらの末端カ
ルボキシル基間の空間距離は、C−C結合の数で評価し
て、2(マロン酸)〜9個(セバシン酸)の範囲であ
る。
学構造を有するポリカルボン酸である。これらの末端カ
ルボキシル基間の空間距離は、C−C結合の数で評価し
て、2(マロン酸)〜9個(セバシン酸)の範囲であ
る。
【0026】
【化1】
【0027】これらの種々のポリカルボン酸の標準品混
合物をラベル化反応して後、そのまま蛍光測定してエキ
シマー蛍光(475〜550nm)強度を測定して得ら
れた蛍光強度と、さらにこの混合物をHPLCで分離
し、それぞれのラベル化されたポリカルボン酸のピーク
に基づくエキシマー蛍光強度(グラジエント溶媒による
エキシマー蛍光強度を補正した後)を測定し各成分の蛍
光強度積分値の和とは同じ値(変動係数5%)を示し
た。
合物をラベル化反応して後、そのまま蛍光測定してエキ
シマー蛍光(475〜550nm)強度を測定して得ら
れた蛍光強度と、さらにこの混合物をHPLCで分離
し、それぞれのラベル化されたポリカルボン酸のピーク
に基づくエキシマー蛍光強度(グラジエント溶媒による
エキシマー蛍光強度を補正した後)を測定し各成分の蛍
光強度積分値の和とは同じ値(変動係数5%)を示し
た。
【0028】この結果は、本発明に係る分析方法におい
ては、これらの広範囲に異なる構造を有するポリカルボ
ン酸化合物のピレン基に基づくエキシマー蛍光強度は実
質的に同じであることを意味するものである。
ては、これらの広範囲に異なる構造を有するポリカルボ
ン酸化合物のピレン基に基づくエキシマー蛍光強度は実
質的に同じであることを意味するものである。
【0029】従って、本発明に係る方法を使用すること
により、混在するモノカルボン酸成分による阻害を受け
ないで、ポリカルボン酸の種類に拘らず、試料中に存在
する全ポリカルボン酸量を簡便に分析することが可能で
あることを示すものである。
により、混在するモノカルボン酸成分による阻害を受け
ないで、ポリカルボン酸の種類に拘らず、試料中に存在
する全ポリカルボン酸量を簡便に分析することが可能で
あることを示すものである。
【0030】(蛍光測定)本発明に係る方法において使
用可能な蛍光測定装置については特に制限はない。ピレ
ン基を励起する励起光(例えば波長305〜345n
m)、及びエキシマー蛍光を観測する検出器(波長47
5nmが好ましい)があればよい。また、測定に適した
試料濃度、測定セル、測定条件についても特に制限はな
く、通常公知の条件、器具等を好ましく使用できる。必
要ならば、測定条件の最適化についても通常公知の方法
で可能である。
用可能な蛍光測定装置については特に制限はない。ピレ
ン基を励起する励起光(例えば波長305〜345n
m)、及びエキシマー蛍光を観測する検出器(波長47
5nmが好ましい)があればよい。また、測定に適した
試料濃度、測定セル、測定条件についても特に制限はな
く、通常公知の条件、器具等を好ましく使用できる。必
要ならば、測定条件の最適化についても通常公知の方法
で可能である。
【0031】具体的な測定手段の一例としては、ポリカ
ルボン酸混合物(グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸
の等量混合物)を溶媒DMF-H2O(5:1 体積/体
積)を用いて、ピリジン及び1-エチル-3-(3-ジメチ
ルアミノプロピル)カルボジイミドの存在下、1-ピレ
ン酪酸ヒドラジドによりラベル化した試料濃度(ポリカ
ルボン酸に換算して)1x10-5〜1x10-8Mの溶液を
1〜4mlの石英セルにて測定する。この際励起波長は
305nmであり、測定波長は475nmである。得ら
れるエキシマー蛍光強度については、波長475nmか
ら550nmまでの範囲の強度を積分する。ポリカルボ
ン酸を加えない条件、又はラベル化しない試料をバック
グラウンド(又はコントロールとして)同条件で測定す
る。
ルボン酸混合物(グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸
の等量混合物)を溶媒DMF-H2O(5:1 体積/体
積)を用いて、ピリジン及び1-エチル-3-(3-ジメチ
ルアミノプロピル)カルボジイミドの存在下、1-ピレ
ン酪酸ヒドラジドによりラベル化した試料濃度(ポリカ
ルボン酸に換算して)1x10-5〜1x10-8Mの溶液を
1〜4mlの石英セルにて測定する。この際励起波長は
305nmであり、測定波長は475nmである。得ら
れるエキシマー蛍光強度については、波長475nmか
ら550nmまでの範囲の強度を積分する。ポリカルボ
ン酸を加えない条件、又はラベル化しない試料をバック
グラウンド(又はコントロールとして)同条件で測定す
る。
【0032】(全ポリカルボン酸量算出方法)得られる
エキシマー蛍光強度に基づいて試料中の全ポリカルボン
酸を算出(定量)する方法においても特に限定はされな
い。例えば、既知濃度の単一のポリカルボン酸の標準品
((株)和光純薬から入手可能)を用いて、本発明に係
るラベル化反応を行い、蛍光測定により得られるエキシ
マー蛍光強度から検量線を作成することにより好ましく
ポリカルボン酸の量を算出することが可能である。
エキシマー蛍光強度に基づいて試料中の全ポリカルボン
酸を算出(定量)する方法においても特に限定はされな
い。例えば、既知濃度の単一のポリカルボン酸の標準品
((株)和光純薬から入手可能)を用いて、本発明に係
るラベル化反応を行い、蛍光測定により得られるエキシ
マー蛍光強度から検量線を作成することにより好ましく
ポリカルボン酸の量を算出することが可能である。
【0033】または、濃度既知のポリカルボン酸の標準
品を添加する標準添加法も好ましく使用可能である。こ
の場合、上で説明したように試料中に含まれていると推
定されるポリカルボン酸の1種を用いることが好まし
く、具体的には、例えば、既知濃度のアジピン酸又はピ
メリン酸を試料に添加した後にラベル化試薬で処理して
得られるエキシマー蛍光強度を測定し、この測定値と上
記の標準品を添加せずに得られるエキシマー蛍光強度の
測定値を比較することにより試料中のポリカルボン酸の
量を分析することが可能となる。
品を添加する標準添加法も好ましく使用可能である。こ
の場合、上で説明したように試料中に含まれていると推
定されるポリカルボン酸の1種を用いることが好まし
く、具体的には、例えば、既知濃度のアジピン酸又はピ
メリン酸を試料に添加した後にラベル化試薬で処理して
得られるエキシマー蛍光強度を測定し、この測定値と上
記の標準品を添加せずに得られるエキシマー蛍光強度の
測定値を比較することにより試料中のポリカルボン酸の
量を分析することが可能となる。
【0034】(エキシマー蛍光の蛍光減衰曲線)本発明
においては、該エキシマー蛍光の蛍光減衰曲線に基づ
き、時間分解蛍光測定法を用いて、エキシマー蛍光に基
づく蛍光のみを選択的に測定し、ポリカルボン酸の量を
分析することも可能である。すなわち、図4において、
本発明によりラベル化された試料からのエキシマー蛍光
の時間特性は、励起後一定時間経過した後にピークをむ
かえており、励起光の減衰曲線とオーバーラップしてい
ない。なお、夾雑物由来の背景光も励起光とほとんど同
様の減衰曲線とみなしてよい。従って、図4におけるA
時間から蛍光測定を始めることで、ノイズ光成分を除去
できることが明らかであり、エキシマー蛍光強度を損な
うことなくノイズ光成分を減らすことができる。
においては、該エキシマー蛍光の蛍光減衰曲線に基づ
き、時間分解蛍光測定法を用いて、エキシマー蛍光に基
づく蛍光のみを選択的に測定し、ポリカルボン酸の量を
分析することも可能である。すなわち、図4において、
本発明によりラベル化された試料からのエキシマー蛍光
の時間特性は、励起後一定時間経過した後にピークをむ
かえており、励起光の減衰曲線とオーバーラップしてい
ない。なお、夾雑物由来の背景光も励起光とほとんど同
様の減衰曲線とみなしてよい。従って、図4におけるA
時間から蛍光測定を始めることで、ノイズ光成分を除去
できることが明らかであり、エキシマー蛍光強度を損な
うことなくノイズ光成分を減らすことができる。
【0035】より具体的には図4で示したような蛍光減
衰曲線を測定し、B領域に相当する面積をもとめエキシ
マー蛍光量とするか、もしくはゲート機能付きの光検出
器を用いて、励起中および励起後はゲートを閉じA時間
で開くように設定して得られた光強度をエキシマー蛍光
量とすることで、より高感度な測定が可能となる。
衰曲線を測定し、B領域に相当する面積をもとめエキシ
マー蛍光量とするか、もしくはゲート機能付きの光検出
器を用いて、励起中および励起後はゲートを閉じA時間
で開くように設定して得られた光強度をエキシマー蛍光
量とすることで、より高感度な測定が可能となる。
【0036】この際、時間分解光スペクトル測定装置は
特に限定されず、ピレン基の励起手段と、得られるエキ
シマー蛍光を時間分解して測定する手段を有していれば
よい。また、図4のAに相当する時間も、測定に応じて
適宜決めることが可能である。
特に限定されず、ピレン基の励起手段と、得られるエキ
シマー蛍光を時間分解して測定する手段を有していれば
よい。また、図4のAに相当する時間も、測定に応じて
適宜決めることが可能である。
【0037】ポリカルボン酸の量を分析することも可能
である。
である。
【0038】この際時間分解蛍光スペクトル測定装置は
特に限定されず、ピレン基の励起手段と、得られるエキ
シマー蛍光を時間分解して測定する手段を有していれば
よい。
特に限定されず、ピレン基の励起手段と、得られるエキ
シマー蛍光を時間分解して測定する手段を有していれば
よい。
【0039】
【実施例】以下実施例に基づき本発明を具体的に説明す
るが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に
限定されるものではない。
るが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に
限定されるものではない。
【0040】(実施例1)ポリカルボン酸として、グル
タル酸、アジピン酸、ピメリン酸それぞれの単一物、及
びこれらの等量混合物(各5nmol)100μlに、それぞれ1
0%ピリジン50μl、2Mの1-エチル-3-(3-ジメチルア
ミノプロピル)カルボジイミド50μl、1mMの1-ピレン
酪酸ヒドラジン100μlを加え、50℃で15分間反応さ
せラベル化を行った。
タル酸、アジピン酸、ピメリン酸それぞれの単一物、及
びこれらの等量混合物(各5nmol)100μlに、それぞれ1
0%ピリジン50μl、2Mの1-エチル-3-(3-ジメチルア
ミノプロピル)カルボジイミド50μl、1mMの1-ピレン
酪酸ヒドラジン100μlを加え、50℃で15分間反応さ
せラベル化を行った。
【0041】ラベル化ポリカルボン酸混合物の分離は、
高速液体クロマトグラフ(以下HPLCという)(条
件:カラム;COSMOSIL5C18-MS(4.6mm×250mm、5μm、n
acalaitesque)、移動相;アセトニトリル−水(65:3
5、体積/体積)、流速1.0ml/minを行った。分離された
各ピークは、通常のピレン基の蛍光波長(励起波長30
5nm、観測波長385nm)及び、ピレンエキシマー蛍光
波長(励起波長305nm、観測波長485nm)で検出した(図
2)。
高速液体クロマトグラフ(以下HPLCという)(条
件:カラム;COSMOSIL5C18-MS(4.6mm×250mm、5μm、n
acalaitesque)、移動相;アセトニトリル−水(65:3
5、体積/体積)、流速1.0ml/minを行った。分離された
各ピークは、通常のピレン基の蛍光波長(励起波長30
5nm、観測波長385nm)及び、ピレンエキシマー蛍光
波長(励起波長305nm、観測波長485nm)で検出した(図
2)。
【0042】さらに、HPLCで分離した上記のそれぞ
れのラベル化ポリカルボン酸の質量分析(TOF−M
S、島津製作所(株)製MALDI IV)の結果は、
これらのすべてのカルボキシル基の2箇所でラベル化さ
れていることが示された。
れのラベル化ポリカルボン酸の質量分析(TOF−M
S、島津製作所(株)製MALDI IV)の結果は、
これらのすべてのカルボキシル基の2箇所でラベル化さ
れていることが示された。
【0043】図3には、同様に1-ピレン酪酸ヒドラジ
ドでラベル化したアジピン酸、ピメリン酸、カプリン
酸、及びラウリン酸及びブランク試料の反応混合物の蛍
光スペクトルを示したものである。この場合測定溶液中
には、未反応の試薬及び試薬由来の未知物質も同時に過
剰に存在し、全ての試料でこれらに由来する蛍光が強く
観測される(蛍光ピーク405nm)。
ドでラベル化したアジピン酸、ピメリン酸、カプリン
酸、及びラウリン酸及びブランク試料の反応混合物の蛍
光スペクトルを示したものである。この場合測定溶液中
には、未反応の試薬及び試薬由来の未知物質も同時に過
剰に存在し、全ての試料でこれらに由来する蛍光が強く
観測される(蛍光ピーク405nm)。
【0044】ブランク及びモノカルボン酸化合物につい
ては、ピレン自体の蛍光よりも長波長の蛍光であるエキ
シマー蛍光(極大波長485nm)はまったく観測されな
い。これに対して、ポリカルボン酸であるアジピン酸、
ピメリン酸については470−600nm付近に新たなエキシマ
ー蛍光が明瞭に観測される。
ては、ピレン自体の蛍光よりも長波長の蛍光であるエキ
シマー蛍光(極大波長485nm)はまったく観測されな
い。これに対して、ポリカルボン酸であるアジピン酸、
ピメリン酸については470−600nm付近に新たなエキシマ
ー蛍光が明瞭に観測される。
【0045】さらに、この測定試料のエキシマー蛍光領
域でのエキシマー蛍光の時間減衰曲線を図4に示す。励
起光に比較して、新たな蛍光の発光の遅延は、この発光
がエキシマー形成に基づくエキシマー蛍光であることを
示すものである。
域でのエキシマー蛍光の時間減衰曲線を図4に示す。励
起光に比較して、新たな蛍光の発光の遅延は、この発光
がエキシマー形成に基づくエキシマー蛍光であることを
示すものである。
【0046】(実施例2)各ポリカルボン酸成分のラベ
ル化反応後のエキシマー蛍光領域である470-600nmの蛍
光強度をそれぞれの試料で比較した結果を下の表に示
す。ポリカルボン酸としてアジピン酸とピメリン酸を、
またカルボン酸としカプリン酸とラウリン酸を測定して
比較した。
ル化反応後のエキシマー蛍光領域である470-600nmの蛍
光強度をそれぞれの試料で比較した結果を下の表に示
す。ポリカルボン酸としてアジピン酸とピメリン酸を、
またカルボン酸としカプリン酸とラウリン酸を測定して
比較した。
【0047】
【0048】ポリカルボン酸(アジピン酸、ピメリン
酸)が顕著な強度の増加を示し、モノカルボン酸(カプ
リン酸、ラウリン酸)には全く強度の増加はみられな
い。また、アジピン酸、ピメリン酸は実質的に同じ強度
を示した。
酸)が顕著な強度の増加を示し、モノカルボン酸(カプ
リン酸、ラウリン酸)には全く強度の増加はみられな
い。また、アジピン酸、ピメリン酸は実質的に同じ強度
を示した。
【0049】(実施例3)モノカルボン酸類が過剰量共
存している条件下での、ポリカルボン酸のエキシマー蛍
光への影響。
存している条件下での、ポリカルボン酸のエキシマー蛍
光への影響。
【0050】モノカルボン酸化合物(カプリン酸、ラウ
リン酸)をそれぞれ約100倍量共存したアジピン酸の
混合物を、実施例1と同様の条件でラベル化し、得られ
た反応溶液の蛍光を測定した。この条件下で測定された
エキシマー蛍光の強度は相対強度で0.9であった。比
較として、モノカルボン酸化合物が共存しない条件下で
同様のラベル化した反応溶液の蛍光を測定した。この場
合測定されたエキシマー蛍光の強度は0.9であった。
すなわち、これらの蛍光強度には有意の差が見られず、
多量のモノカルボン酸類の共存には全く影響されないこ
とが明らかである。この結果は、本発明に係るポリカル
ボン酸分析方法は、試料中に多量のモノカルボン酸化合
物の共存には影響を受けないことを示している。
リン酸)をそれぞれ約100倍量共存したアジピン酸の
混合物を、実施例1と同様の条件でラベル化し、得られ
た反応溶液の蛍光を測定した。この条件下で測定された
エキシマー蛍光の強度は相対強度で0.9であった。比
較として、モノカルボン酸化合物が共存しない条件下で
同様のラベル化した反応溶液の蛍光を測定した。この場
合測定されたエキシマー蛍光の強度は0.9であった。
すなわち、これらの蛍光強度には有意の差が見られず、
多量のモノカルボン酸類の共存には全く影響されないこ
とが明らかである。この結果は、本発明に係るポリカル
ボン酸分析方法は、試料中に多量のモノカルボン酸化合
物の共存には影響を受けないことを示している。
【0051】(実施例4)ポリカルボン酸分析用検量線
作成。
作成。
【0052】図5〜10に種々のポリカルボン酸の濃度
対エキシマー蛍光強度をプロットした。これらの検量線
は、実質的に同じであり、ポリカルボン酸の種類により
ほとんど依存しないことが示された。この結果は、本発
明に係るポリカルボン酸分析方法は、試料中の種々のポ
リカルボン酸の混合物からなる全ポリカルボン酸を簡便
に分析することが可能であることを示すものである。さ
らに、HPLC等の分離手段を使用し、単一成分の検量
線を用いてさらに高感度の分析も可能とするものであ
る。
対エキシマー蛍光強度をプロットした。これらの検量線
は、実質的に同じであり、ポリカルボン酸の種類により
ほとんど依存しないことが示された。この結果は、本発
明に係るポリカルボン酸分析方法は、試料中の種々のポ
リカルボン酸の混合物からなる全ポリカルボン酸を簡便
に分析することが可能であることを示すものである。さ
らに、HPLC等の分離手段を使用し、単一成分の検量
線を用いてさらに高感度の分析も可能とするものであ
る。
【0053】さらには、これらの検量線に基づき、本発
明に係る方法による検出限界は、約30nM程度(ブラン
ク値の標準偏差値の3倍のシグナルを与える濃度)であ
ることが示された。
明に係る方法による検出限界は、約30nM程度(ブラン
ク値の標準偏差値の3倍のシグナルを与える濃度)であ
ることが示された。
【図1】1-ピレン酪酸ヒドラジド(5nmol)の
み、及びアジピン酸(5nmol)との反応後の蛍光ス
ペクトルを示す図である。
み、及びアジピン酸(5nmol)との反応後の蛍光ス
ペクトルを示す図である。
【図2】ポリカルボン酸化合物の混合物(グルタル酸、
アジピン酸、ピメリン酸、各5nmol)を、ピレン基
でラベル化し、HPLCで分離し、エキシマー蛍光測定
により検出したクロマトグラムを示す図であり、(A)
は励起波長305nm、蛍光観測波長475nmでのク
ロマトグラムであり、(B)は励起波長305nm、蛍
光観測波長375nmでのクロマトグラムである。
アジピン酸、ピメリン酸、各5nmol)を、ピレン基
でラベル化し、HPLCで分離し、エキシマー蛍光測定
により検出したクロマトグラムを示す図であり、(A)
は励起波長305nm、蛍光観測波長475nmでのク
ロマトグラムであり、(B)は励起波長305nm、蛍
光観測波長375nmでのクロマトグラムである。
【図3】ピレンでラベル化した各種カルボン酸(アジピ
ン酸、ピメリン酸、カプリン酸、ラウリン酸)の蛍光ス
ペクトル(10%ピリジン50μl及び2Mの1−エチ
ル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミ
ド50μl中において、各5nmolのポリカルボン酸
100μlに、1mMの1−ピレン酪酸ヒドラジド10
0μlでラベル化して得られた溶液)を示す図である。
ン酸、ピメリン酸、カプリン酸、ラウリン酸)の蛍光ス
ペクトル(10%ピリジン50μl及び2Mの1−エチ
ル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミ
ド50μl中において、各5nmolのポリカルボン酸
100μlに、1mMの1−ピレン酪酸ヒドラジド10
0μlでラベル化して得られた溶液)を示す図である。
【図4】ピレンでラベル化したアジピン酸の蛍光減衰曲
線を示す図である。
線を示す図である。
【図5】グルタル酸の濃度対エキシマー蛍光強度の相関
を示す図である。
を示す図である。
【図6】アジピン酸の濃度対エキシマー蛍光強度の相関
を示す図である。
を示す図である。
【図7】ピメリン酸の濃度対エキシマー蛍光強度の相関
を示す図である。
を示す図である。
【図8】スベリン酸の濃度対エキシマー蛍光強度の相関
を示す図である。
を示す図である。
【図9】アゼライン酸の濃度対エキシマー蛍光強度の相
関を示す図である。
関を示す図である。
【図10】セバシン酸の濃度対エキシマー蛍光強度の相
関を示す図である。
関を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 秀幸 宮崎県串間市大字奈留5269−1 (72)発明者 山口 政俊 福岡県福岡市東区箱崎1−20−15
Claims (3)
- 【請求項1】 2以上のカルボキシル基を有するポリカ
ルボン酸を、ピレン基を有するラベル化試薬でラベル化
し、450〜520nmでの波長領域に生じる蛍光の蛍
光強度及び/又は蛍光強度減衰曲線の測定に基づき前記
ポリカルボン酸量を分析する方法。 - 【請求項2】 前記波長領域に生じる蛍光が、前記ポリ
カルボン酸の2以上のカルボキシル基が前記試薬でラベ
ル化され、前記ピレン基の光励起に基づき前記ポリカル
ボン酸の分子内で形成されるエキシマー蛍光であること
を特徴とする請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 請求項1〜2のいずれか1項に記載の方
法において、さらに、前記ポリカルボン酸混合物が、少
なくとも、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸からなる群のいずれか1つを含むものであることを特
徴とする方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8631698A JPH11281578A (ja) | 1998-03-31 | 1998-03-31 | ポリカルボン酸分析方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8631698A JPH11281578A (ja) | 1998-03-31 | 1998-03-31 | ポリカルボン酸分析方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11281578A true JPH11281578A (ja) | 1999-10-15 |
Family
ID=13883441
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8631698A Pending JPH11281578A (ja) | 1998-03-31 | 1998-03-31 | ポリカルボン酸分析方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11281578A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006275762A (ja) * | 2005-03-29 | 2006-10-12 | Toyota Motor Corp | 樹脂の劣化度評価方法及び樹脂のリサイクル方法 |
| JP2007187469A (ja) * | 2006-01-11 | 2007-07-26 | Toyota Motor Corp | 樹脂の劣化度測定方法 |
-
1998
- 1998-03-31 JP JP8631698A patent/JPH11281578A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006275762A (ja) * | 2005-03-29 | 2006-10-12 | Toyota Motor Corp | 樹脂の劣化度評価方法及び樹脂のリサイクル方法 |
| JP2007187469A (ja) * | 2006-01-11 | 2007-07-26 | Toyota Motor Corp | 樹脂の劣化度測定方法 |
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