JPH1128347A - 混練物の製造方法及び混練装置 - Google Patents

混練物の製造方法及び混練装置

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JPH1128347A
JPH1128347A JP10017556A JP1755698A JPH1128347A JP H1128347 A JPH1128347 A JP H1128347A JP 10017556 A JP10017556 A JP 10017556A JP 1755698 A JP1755698 A JP 1755698A JP H1128347 A JPH1128347 A JP H1128347A
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Toshiyuki Nobori
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 混練物を製造するための混練操作の全工程で
効率的な操作を行うことにより、工程所要時間を短縮す
る。 【解決手段】 混練部材30が公転しつつ自転する混練
装置を用いる。混練部材30の公転速度と自転速度を独
立に制御可能とし、自転係数を可変とする。混練操作の
各工程で、各工程での食品原料の混練操作に適した自転
係数を選択する。各工程で、食品原料の混練進行に伴う
物性変化をトルクセンサ46a,46bで検出し、検出
された物性変化に基づいて、マイコン制御装置が各工程
の終了のタイミングを決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トナー、半導体材
料、クッキー生地、餡等の食品材料といった、各種の混
練対象材料(混練材料)を混練して混練物となす混練物
の製造方法及びその実施に使用する混練装置に関する。
【0002】
【従来の技術】混練物の一例であるパン生地等の食品の
製造には、遊星運動を利用した混練装置が多用されてい
る。即ち、直径の大きい歯車の周囲に直径の小さい歯車
を噛み合わせ、小さい歯車を大きな歯車上で公転させる
と、その小さい歯車は自転しながら公転する。この運動
が遊星運動である。これを利用する混練装置では、大き
い歯車の周囲に、歯車を介して噛み合う自転軸が配置さ
れ、自転軸を公転させることにより、自転軸の下端部に
連結された混練部材が、容器内で公転しつつ自転して、
容器内の原料を混練する。
【0003】このような混練装置では、容器内の混練部
材がサイクロイド曲線状の軌跡を描いて運動するため、
通常の回転羽根の場合と比べて、容器内の原料が効率よ
く混練される。そして、この混練の効率を更に高めるた
めに、大きい歯車の周囲に複数の自転軸を配置し、複数
の自転軸の下端部にそれぞれ混練部材を連結したいわゆ
る複軸タイプの混練装置が知られており、この混練装置
は、混練材料に強い変形力を繰り返し加える必要がある
例えばパン生地の製造に、フック形の混練部材と組み合
わせて使用されている。
【0004】また、大きい歯車の周囲に1本の自転軸を
配置し、その自転軸の下端部に混練部材を連結したいわ
ゆる単軸タイプの混練装置は、例えば餡の製造、即ち製
餡に、ブレード式の混練部材と組み合わせて使用されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
混練装置では、以下に示す問題点がある。
【0006】例えば、複軸タイプの混練装置を使用する
パン生地の製造では、その混練操作が容器内の原料の状
況によって混合−前混練−後混練の各工程に区分され
る。混合工程では、混練装置の容器内で乾質原料、湿質
原料及び液体原料が均一に混合されて生地塊とされる。
前混練工程では、容器内の生地塊に繰り返し変形が加え
られることにより、強固なネットワークが形成される。
後混練工程では、ネットワークの形成されたパン生地が
混練部材に付着することにより、混練速度が低下する。
【0007】そして、混練装置の機能としては、混合工
程では混合効率が高いことが要求され、前混練工程及び
後混練工程では、生地塊に強い変形エネルギーを与え続
けることが要求される。
【0008】ところが、従来の複軸タイプの混練装置で
は、自転方向と公転方向が機種によって一義的に設定さ
れている。また、自転軸の公転速度を変更することによ
り、自転軸の動作速度、即ち公転速度及び自転速度は一
応調節されるが、公転速度と自転速度の比率は調節する
ことができない。
【0009】即ち、公転中心の周囲を自転軸が1回公転
する間に、その自転軸が自転する回数を自転係数と定義
すると、この自転係数は正負を含め、下式に示される混
練装置に固有な一定値となる。
【0010】 自転係数=大きい歯車の歯数/小さい歯車の歯数 ここで、この自転係数としては、パン生地製造用の混練
装置では、当然のことながら、前混練工程における生地
塊の混練に適した値が設定されている。
【0011】しかし、この値は、必ずしも混合工程にお
ける原料の混合に適した自転係数とは一致しない。この
ために混合効率が犠牲になり、工程所要時間の延長を招
いているのが実情である。
【0012】一方、後混練工程では、前混練工程でパン
生地に強固なネットワークが形成され、そのパン生地の
粘弾性が大きくなっているため、パン生地が塊となって
混練部材に付着し、混練部材と共に運動して、容器の内
面に叩き付けられるいわゆるバッティングが発生する。
その結果、パン生地自体に大きな力が作用しなくなり、
これも工程所要時間を延長する原因になっている。
【0013】また、パン生地の製造とこれ以外の食品の
製造とでは、適切な自転係数が当然相違するが、同じ混
練装置でいずれの食品も効率よく製造することは不可能
である。このような問題点は、トナーや半導体材料とい
った他の混練物を製造する場合にも同様に発生する。
【0014】一方、単軸タイプの混練装置を用いて餡を
製造(以下では製餡と称する)する場合は、以下に示す
問題点があった。
【0015】餡には生漉し餡、粒餡、その他多くの種類
の加糖餡があるが、いずれも砂糖に水を加えて加熱溶解
した後に、生餡を加え加熱混合して仕上げられるが、こ
の加熱混合では多少の練りが必要であり、このため、製
餡、特に生餡を加えた後の加熱混合は餡練とも呼ばれて
いる。
【0016】餡練時の混合攪拌では、その作業工程中に
刻々と温度や粘度、糖度、水分等が変化するため、練り
が強すぎても弱すぎても目的の品質を維持できない製品
が製造される。昔はこの混合攪拌を人手で行っていたた
め、攪拌部材に適宜、適切な速度や力、軌跡を与えるこ
とができたが、混練装置を使用すると、攪拌部材が単一
運動であるため、問題が発生する。
【0017】即ち、砂糖の加熱溶解が終わると、生漉し
餡、又は水煮した粒生餡を入れ、続けて加熱攪拌を行う
が、その前期においては水分が多い上に、熱伝達がよ
く、沸騰による対流も生じるので、掻き取り作業(スク
レープ作業)が中心となり、激しい混合攪拌は不要であ
る。
【0018】ここで、激しい混合攪拌を行うと、かえっ
て空気の混入や潰れが生じる。しかし、加熱攪拌が進
み、水分が減少して、鍋内の材料がスラリー状態となる
と、鍋との接触面で熱により糖分が溶けだし、材料が滑
りやすくなるため、その材料が攪拌部材と共回りするよ
うになり、混合状態が悪化して焦げが生じやすくなる。
【0019】このようなことから、従来の製餡では、全
工程を通して効率的な作業を行うことが困難であった。
また、餡練の前期で空気の混入や材料の潰れが生じると
か、その後期で焦げが発生するといった問題があった。
更に、製餡用の混練装置を他の食品の製造へ転用するこ
とは困難であり、同じ製餡用の装置の場合でさえ、餡の
種類によって装置を使い分ける必要があった。
【0020】本発明は、このような現状に鑑みてなされ
たものであり、混練物を製造するための混練操作の全工
程で高効率な操作を行うことにより、工程所要時間を短
縮でき、結果的に混練物の製造コストを低減でき、また
その品質を向上できる混練物の製造方法及びその実施に
使用する混練装置を提供することを目的とする。
【0021】本発明の他の目的は、混練物の種類が変わ
ってもそれぞれの混練物を効率よく混練することかで
き、且つその混練の全工程で高効率な操作を行うことが
できる混練物の製造方法及びその実施に使用する混練装
置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明の混練物の製造方
法は、容器内に収容された混練材料を、公転しつつ自転
する混練部材により混練し、且つ、該混練部材の動作速
度及び自転係数を制御すべく自転速度及び公転速度が独
立に制御可能になった自転係数可変型の混練装置によ
り、複数の工程を経て、混練物の製造を行う混練物の製
造方法であって、各工程で、各工程での混練材料の混練
操作に適した混練部材の動作速度及び自転係数を選択
し、その選択された動作速度及び自転係数が満足される
自転速度及び公転速度で、該混練部材を動作させるよう
にしてなり、そのことにより上記目的が達成される。
【0023】好ましくは、前記複数の工程のうちの少な
くとも一つの工程内で、前記混練部材の自転係数を変化
させる。
【0024】また、好ましくは、前記各工程で、容器内
に収容された混練材料の混練進行に伴う物性変化を検出
し、その検出された物性変化に基づいて各工程終了のタ
イミングを決定する。
【0025】また、本発明の混練装置は、混練材料を収
容する容器と、該容器内に収容された混練材料を混練す
る1又は複数の混練部材と、該1又は複数の混練部材を
それぞれ支持する複数の自転軸と、回転速度が可変にな
った第1の駆動手段を用いて該1又は複数の自転軸を公
転させる公転手段と、回転速度が可変になった第2の駆
動手段を用いて該1又は複数の自転軸をそれぞれ自転さ
せる自転手段と、該第1の駆動手段及び該第2の駆動手
段にそれぞれ回転速度を指令する制御手段とを具備して
おり、そのことにより上記目的が達成される。
【0026】好ましくは、前記混練材料の混練進行度に
対応する情報を検出する検出センサを更に備え、該検出
センサの検出情報に基づき前記制御手段が前記第1の駆
動手段及び前記第2の駆動手段に前記回転速度を指令す
る構成とする。
【0027】また、本発明の混練装置は、混練材料を収
容する容器と、該容器内に収容された混練材料を混練す
る1又は複数の混練部材と、該1又は複数の混練部材を
それぞれ支持する1又は複数の自転軸と、第1の駆動手
段を用いて該1又は複数の自転軸を公転させる公転手段
と、第2の駆動手段を用いて該1又は複数の自転軸をそ
れぞれ自転させる自転手段と、該第1の駆動手段及び該
第2の駆動手段の出力軸同士を、クラッチを介して相互
に連結する動力伝達手段とを具備しており、そのことに
より上記目的が達成される。
【0028】いずれの混練装置においても、前記混練部
材は複数とし、且つ、各混練部材は鉤針状に湾曲したフ
ックとすることができる。前記混練部材は又、1個であ
って、前記容器の内底面に接触する掻き取り式のブレー
ドとすることができる。
【0029】以下に本発明の作用を説明する。
【0030】従来一般の混練装置は、その装置に固有な
自転係数をもつ。即ち、混練部材の公転速度を変えるこ
とにより自転速度も変わるが、両者の比率は一定であ
り、この比率が自転係数である。これに対し、本発明の
混練物の製造方法では、混練部材の動作速度及び自転係
数を制御すべく自転速度及び公転速度が独立に制御可能
になった自転係数可変型の混練装置が使用される。そし
て各工程で、各工程での食品原料の混練操作に適した混
練部材の動作速度及び自転係数が選択される。以下に、
各工程に固有の自転係数を選択することの意味について
説明する。
【0031】自転係数可変型の混練装置では、その自転
係数は次式で表される。
【0032】自転係数=歯車の歯数にて決まる自転係数
(1+公転速度/自転速度) ここで、歯車の歯数とは、前述した大きい歯車の歯数と
小さい歯車の歯数のことである。
【0033】遊星運動を利用する混練装置では、図3に
示されるように、公転中心から離れた位置に自転軸42
が存在し、その自転軸42の下端部に混練部材30が連
結されることにより、混練部材30は自転しながら公転
中心の周囲を周回する。今、この遊星運動における混練
部材30の自転中心から離れた特定点の軌跡を考える
と、その特定点は、図6及び図7に示すように、公転中
心Oに対して接近・離反を繰り返しながら、公転中心O
の回りを周回する。
【0034】そして自転係数が正、即ち自転方向と公転
方向が同一のときは、図6に示すように、特定点は公転
中心Oに近い位置から外側に向けて増速運動し、公転中
心Oから最も離れた位置で最大速度となり、その後、公
転中心Oに向かって減速運動し、公転中心Oに最も近い
位置で最小速度となり、再び増速しながら外側に向か
う。このときの外側に向かって増速する運動はアルファ
ベットのQを書くときの状況に似ているので、以後、自
転係数が正のときの遊星運動をQ運動と称する。
【0035】一方、自転係数が負のとき、即ち自転方向
と公転方向が逆向きのときは、図7に示すように、自転
係数が正のときとは逆に、特定点は公転中心Oに近い位
置から外側に向けて減速運動し、公転中心Oから最も離
れた位置で最小速度となり、その後、公転中心Oに向か
って増速運動し、公転中心Oに最も近い位置で最大速度
となり、再び減速しながら外側に向かう。このときの内
側に向かって増速する運動はギリシャ文字のγを書くと
きの状況に似ているので、以後、自転係数が負のときの
遊星運動をr運動と称する。
【0036】そして、Q運動は、外側で運動速度が大き
いので、容器内の混練材料の混合に適しており、一方、
r運動は、内側に向かって増速するので、容器内の混練
材料に大きな変形のためのエネルギーを与えるのに好都
合である。これが、各工程に固有の自転係数を選択する
ことの第1の意味である。
【0037】なお、自転係数が0のときは、特定点は公
転中心Oからの距離が一定の円運動を行う。
【0038】遊星運動における自転係数は有理数であ
り、一般には少数か分数であって、次式により表され
る。
【0039】 自転係数=a+1/b+1/c+1/d・・・ 但し、a,b,c,d・・・は整数で、b<c<d・・
・である。
【0040】ここで、自転係数の小数点以下を捨て去っ
た整数aは、混練材料の混練では、容器内の混練材料に
対する混練部材の作用角度を表す。即ち、混練部材の自
転中心から最も離れた部分の軌跡と、混練部材の自転中
心が描く公転円との交点での、両者のなす角度を混練部
材の作用角度とすれば、この容器内の原料に対する混練
部材の作用角度は、自転係数の整数aが大きくなるほど
大となる。そして、この作用角度は、例えば容器内の原
料を混合する場合は小さい方が良いが、容器内の混練材
料に大きな力を加える場合は、大きい方が好都合とな
る。
【0041】図6は自転係数が2.5の場合のQ運動を
示し、図7は自転係数が−4の場合のr運動を示す。Q
運動とr運動の違いはあるが、自転係数の整数aが小さ
い図6の場合には、容器内の混練材料に対する攪拌部材
の作用角度が小さいことにより、混練材料の効率的な混
合が行われ、自転係数の整数aが大きい図7の場合に
は、容器内の混練材料に対する攪拌部材の作用角度が大
きいことにより、混練材料に強い力を加えることができ
る。これが各工程に固有の自転係数を選択することの第
2の意味である。
【0042】因みに、混練装置を使用する従来の食品製
造方法では、混練操作の全工程でこの作用角度が一定で
あったため、混練はうまく行われても、混合や混練に続
く仕上げで効率が低下するというような問題があった。
【0043】また、遊星運動では、特定点の軌跡は、自
転係数に従って特定の運動を行った後に必ずその運動の
開始位置に戻るものとなる。この開始位置に戻るまでの
公転数を軌跡周期の公転数と定義すると、軌跡周期の公
転数が大きい場合の自転係数は、開始位置に戻るまでの
間に特定点が繰り返し軌跡の最遠隔円Sと接するので、
軌跡と最遠隔円Sの交点位置数が多いことを意味する。
逆に軌跡周期の公転数が小さい場合の自転係数は、軌跡
と最遠隔円Sの交点位置数が少ないことを意味する。
【0044】混練材料の混練を行う場合、軌跡周期の公
転数が大きいことは、容器の内周面近くを混練部材がく
まなく操作することを意味し、通常は大きい場合を良し
とするが、工程によっては、この軌跡周期の公転数を犠
牲にして、他の条件を優先させる方が良い場合も生じ
る。ここに、工程に固有の自転係数を選択することの第
3の意味がある。
【0045】なお、以下の説明では、混練材料の混練で
混練部材が、軌跡周期の公転数だけ遊星運動を行ったと
きの、運動軌跡と最遠隔円Sの交点位置数を容器内壁最
接近回数と定義する。これは次式で表される。
【0046】 容器内壁最接近回数= abcd+cd+bd+bc 但し、a,b,c,dのみの場合である。
【0047】このように、混練物の製造に使用される混
練装置の自転係数は、3つの機能を1つの有理数が表す
ものとなっている。1つは自転係数が正負にまたがって
変更されることによるQ運動とr運動の区別であり、い
ま一つは小数点以下を捨て去った整数aに支配される容
器内の混練材料に対する攪拌部材の作用角度である。そ
して最後の1つは、少数点以下を表すb,c,d・・・
に支配される容器内壁最接近回数である。
【0048】混練装置を使用する従来の食品製造方法で
は、混練操作の全工程でQ運動又はr運動の何れかが選
択されていた。また、容器内の原料に対する混練部材
(攪拌部材)の作用角度も、全工程で一定であった。更
に、容器内壁最接近回数も一定であった。そのため、特
定の工程では効率的な操作が行われるが、他の工程では
必ずしも効率的な操作は行われず、その結果として工程
所要時間の延長や品質の低下を招いていた。
【0049】これに対し、本発明の混練物の製造方法
は、一例として、食品を製造する場合を例にとって説明
すると、自転係数が可変の混練装置を用い、各工程で、
各工程での食品原料の混練操作に適した混練部材の動作
速度及び自転係数を選択することにより、全工程で効率
的な混練操作が行われ、その結果として工程所要時間が
短縮され、製造された食品の品質向上も期待できる。
【0050】また、本発明の混練装置では、1又は複数
の混練部材をそれぞれ支持する複数の自転軸と、回転速
度が可変になった第1の駆動手段を用いて1又は複数の
自転軸を公転させる公転手段と、回転速度が可変になっ
た第2の駆動手段を用いて1又は複数の自転軸をそれぞ
れ自転させる自転手段と、第1及び第2の駆動手段にそ
れぞれ回転速度を指令する制御手段とを具備し、複数の
自転軸の自転速度及び公転速度が独立に制御されるの
で、混練部材の動作速度と共に自転係数が任意に変更さ
れる。従って、混練物の種類が変わってもそれぞれの混
練物を効率よく混練することが可能となり、且つその混
練の全工程で高効率な操作を行うことが可能となる。
【0051】また、第1の駆動手段及び該第2の駆動手
段の出力軸同士をクラッチを介して相互に連結する構成
によれば、例えば第1の駆動手段を作動させた場合はそ
の出力軸の回転がクラッチを介して第2の駆動手段の出
力軸に伝達される。これにより、自転軸の自転運動と公
転運動を同調させることが可能になり、この同調により
自転軸の公転に伴う自転運動が相殺されるので、自転軸
は公転運動のみを行う。
【0052】第1の駆動手段の回転動作を第2の駆動手
段の出力軸に伝達させずに両駆動手段を動作させて、自
転軸を同方向に自転及び公転させた場合は、両駆動手段
の回転速度に対応する自転係数のQ運動を自転軸は行
う。第1の駆動手段の回転動作を第2の駆動手段の出力
軸に伝達させず、且つ自転軸が逆方向に自転及び公転を
行うように両駆動手段を動作させた場合は、両駆動手段
の回転速度に対応する自転係数のr運動を自転軸は行
う。
【0053】従って、第1の駆動手段及び該第2の駆動
手段の出力軸同士を、クラッチを介して相互に連結した
場合は、第1の駆動手段及び該第2の駆動手段の回転速
度を特に変化させなくても、混練部材は公転運動、Q運
動及びr運動を選択的に実行することが可能となる。
【0054】ここで、混練部材を複数とし、且つ、各混
練部材を鉤針状に湾曲したフックとした混練装置は、混
練材料に強い変形力を加えることが要求されるパン生地
等の製造に特に適する。
【0055】また、混練部材を1個とし、且つ前記容器
の内底面に接触する掻き取り式のブレードとした混練装
置は、混練材料の潰れや焦げ付きを防ぎつつ効率的な攪
拌混合を行うことが要求される餡等の製造に特に適す
る。
【0056】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0057】(実施形態1)図1〜図7は本発明の実施
形態1を示す。実施形態1は、本発明の混練装置を用い
て食品を製造する場合を示している。
【0058】本実施形態の混練装置は、図1及び図2に
示すように、フレーム10の架台部11上に設けられた
容器20と、複数(ここでは2個)の混練部材30,3
0に遊星運動を行わせるるために、容器20の上方に位
置してフレーム10に取り付けられた駆動部40とを備
えている。
【0059】容器20は、その内部を加熱するためのヒ
ータ21等を装備しており、駆動部40との連結及び分
離、並びに容器20内への食品原料の装入及びその原料
の取り出しのために、フレーム10の架台部11上を上
下方向及び前後方向に駆動される。
【0060】駆動部40は、図3に示すように、装置セ
ンタに対して同心状に配置されたスリーブ状の公転駆動
軸41aと、スリーブ状の公転駆動軸41aの内側に挿
通された自転駆動軸41bと、スリーブ状の公転駆動軸
41aの下端部に連結された複数本(ここでは2本)の
自転軸42,42と、公転駆動軸41aを駆動する第1
駆動源43aと、自転駆動軸41bを駆動する第2駆動
源43bと、第1駆動源43a及び第2駆動源43bを
制御する制御手段50とを備えており、複数の混練部材
30,30は自転軸42,42の下端部にそれぞれ連結
されている。
【0061】スリーブ状の公転駆動軸41aは、図4に
示すように、フレーム10に固定されたスリーブ状のブ
ラケット44aの内側に上下の軸受45a,45aを介
して回転自在に支持されている。公転駆動軸41aを駆
動する第1駆動源43aは、回転方向及び回転速度が可
変のモータ、即ち回転速度が正負にわたって可変のモー
タであり、公転駆動軸41aの上部に取り付けられたプ
ーリ46にトルクセンサ46aを介して連結されること
により、公転駆動軸41aを任意の方向及び速度で駆動
する。
【0062】スリーブ状の公転駆動軸41aの内側に挿
通された自転駆動軸41bは、上下の軸受45b,45
bにより、外側の公転駆動軸41aに対して独立に回転
自在となっている。自転駆動軸41bを駆動する第2駆
動源43bは、回転方向及び回転速度が可変のモータ、
即ち回転速度が正負にわたって可変のモータであり、自
転駆動軸41bの上方に設けられている。そして、トル
クセンサ46bを介して下方の自転駆動軸41bと連結
されることにより、この公転駆動軸41bを任意の方向
及び速度で駆動する。
【0063】公転駆動軸41aの下端部に連結された複
数本の自転軸42,42は、装置センタの周囲に等間隔
で垂直に、且つその装置センタまでの距離が一定となる
ように配置されている。これらの自転軸42,42は、
公転駆動軸41aの下端部にブラケット44bにより連
結されており、ブラケット44bの中で各自転軸42は
上下の軸受45c,45cにより回転自在に支持される
と共に、自転軸42に外嵌する小歯車47bが、自転駆
動軸42aの下端部に取り付けられた大歯車47aと噛
み合うことにより、自転駆動軸42aと連結されてい
る。
【0064】そして、混練部材30,30は、自転軸4
2,42の各下端部にそれぞれ連結されており、各混練
部材30は、ここでは混練に適した鉤針形状のフックと
されている。
【0065】なお、48はブラケット44bの部分を覆
うためにフレーム10に取り付けられたフードであっ
て、且つ、容器20の開口部を塞ぐ蓋体であり、容器2
0の中を覗くための覗き窓48aや容器20の中を真空
排気するための排気管48b等を備えている(図1及び
図2参照)。
【0066】このような駆動部40では、第1駆動源4
3aにより公転駆動軸41aが回転駆動されると、その
回転がブラケット44bを介して自転軸42,42に伝
わることにより、自転軸42,42は装置センタの周囲
を公転運動する。また、第2駆動源43bにより自転駆
動軸41bが回転駆動されると、その回転が大歯車47
a及び小歯車47bを介して各自転軸42にそれぞれ伝
わることにより、各自転軸42は自転運動を行う。
【0067】従って、複数の混練部材30,30は公転
しつつ自転するという遊星運動を行う。しかも、第1駆
動源43aの回転方向及び回転速度と第2駆動源43b
の回転方向及び回転速度は独立に制御されるので、混練
部材30,30では公転運動及び自転運動の方向及び速
度が独立に制御され、これにより動作速度と自転係数の
制御が可能となる。また、トルクセンサ46a,46b
の出力からは、混練部材30,30の公転トルクと自転
トルクが検出される。
【0068】第1駆動源43a及び第2駆動源43bを
制御する制御手段50は、マイコン制御装置51及び操
作パネル52を備えている。これらはフレーム10の架
台部11内に収容されている。マイコン制御装置51
は、CPU、ROM、RAM等を備えており、ROMに
格納されたプログラムに従い、図5に示す処理内容を実
行する。即ち、トルクセンサ46a,46bから与えら
れる混練部材30,30の公転トルク及び自転トルク情
報に基づき、第1駆動源43a及び第2駆動源43bに
それぞれの回転方向指令及び回転速度指令を与える。
【0069】以下に、図5に示すフローチャートに基づ
きCPU、即ちマイコン制御装置51の制御内容につい
て説明する。但し、本実施形態では、パン生地を製造す
る場合を例示している。
【0070】オペレータが操作パネル52を操作して、
ROMに格納されたプログラムがスタートすると、マイ
コン制御装置51、より具体的には、CPUはオペレー
タの設定入力値、即ち設定条件を取り込み(ステップS
1)、この条件で混練部材30,30の動作速度及び自
転係数を設定すべく、第1駆動源43a及び第2駆動源
43bに回転速度指令を与える(ステップS2)。これ
により、容器20内の原料の混合が開始される。
【0071】ここで、この混合工程は、乾質原料、湿質
原料及び液体原料を混合するものであり、この工程で
は、乾質原料、湿質原料及び液体原料を均一に混合する
ことが要求される。そのため、設定条件としては、低速
動作と、2程度から4程度に増大する自転係数を与える
(図6参照)。自転係数は正であるので、混練部材3
0,30の遊星運動は自転係数が徐々に増大するQ運動
となる。Q運動は外側に向かって増速する運動であり、
最遠隔円Sの近傍で大きな速度を得ることができる。ま
た、その自転係数を変化させることにより、その過程で
自転係数の少数点以下が大きく変化し、大きな容器内壁
最接近回数が得られると共に、容器20内の原料に対す
る混練部材30,30の作用角度が経時的に増大する。
これらにより、混練部材30,30は容器20の内周面
近傍を最大の周速度で頻繁にくまなく攪拌することにな
る。従って、容器20内の原料が効率よく混合される。
【0072】従来の前混練工程に適した中速動作、自転
係数が−4程度のr運動では、混練部30,30は容器
20内の中心部に向かって増速する画一的な運動を行う
ので、上記のような混合効率は得られない。従って、本
実施形態では、混合工程の所要時間が短縮される。ま
た、最終的な混合度も向上する。
【0073】混合が開始されると、マイコン制御装置5
1は、トルクセンサ46a、46bの検出値を所定のサ
ンプリングピッチで取り込む(ステップS3)。即ち、
混練部材30,30の公転トルク値及び自転トルク値を
取り込み、その合計値を混練トルクとして監視する。
【0074】ここで、混練トルク値は、原料の混合度が
進行するに連れて増大するので、マイコン制御装置51
は、ステップS4で混練トルク値の上昇の割合が少なく
なったか否かを判定する。そして、上昇の割合が少なく
なった時点で、ステップS5に移行し、ここで前混練工
程を開始する。
【0075】前混練工程では、塊となったパン生地にエ
ネルギーを供給することにより変形させて、強固なネッ
トワークを形成する。このための設定条件としては、中
速動作と、−4程度の自転係数を与える(図7参照)。
これによる混練部材30,30の動作は、容器20内の
中心部に向かって増速するr運動となるので、パン生地
の混練に好適である。
【0076】次いで、マイコン制御装置51は、トルク
センサ46a、46bの検出値を取り込み、上記同様に
して、この工程における混練トルク値を監視する。ここ
で、前混練工程では、混練トルク値は原料の混練度が進
行するに連れて増大し、その後、後述するバッティング
現象により減少する。そこで、マイコン制御装置51
は、ステップS7で混練トルク値の変化がピークになっ
たか否かを判定し、ピークになった時点で、後混練工程
を開始する(ステップS8)。
【0077】後混練工程では、パン生地は前混練工程で
強固なネットワークが形成され、その粘弾性が大きくな
っているので、自転係数が−4程度のr運動をそのまま
続けると、パン生地は混練部材30,30に粘着してい
わゆるバッティング状態となり、有効な変形のためのエ
ネルギーが付与されなくなる。そこで、この工程では、
設定条件として、自転係数を負のままでその絶対値を増
大させたものを与える。これにより、容器20内の原料
に対する混練部材30,30の作用角度が大きくなり、
粘弾性の大きいパン生地に再び大きなエネルギーが供給
される。従って、後混練工程の所要時間が短縮される。
また、最終的な混練度も向上する。
【0078】そして、この工程が開始されると、上記同
様にして、混練トルク値を監視する(ステップS9)。
この仕上げ工程では、パン生地への有効なエネルギーの
付与により、混練トルク値は再び増大するが、やがて減
少し始める。
【0079】そこで、マイコン制御装置51は、ステッ
プS10で混練トルク値が減少し始めたか否かを判定
し、減少し始めたことを確認すると、仕上げ工程をこれ
以上行う必要がないので、第1駆動源43a及び第2駆
動源43bを停止させ、この制御処理を終了する。
【0080】以上の操作により、混合工程での工程所要
時間が短縮されると共に、原料の最終的な混合度が向上
する。また、後混練工程での工程所要時間が短縮される
と共に、原料の最終的な混練度が向上する。これらによ
り、全工程の所要時間が短縮されると共に、混練操作に
より製造された食品の品質が向上する。
【0081】なお、上記実施形態では、工程の進行に伴
う容器20内の原料の物性変化をトルクセンサ46a、
46bの検出信号により判定する構成を採用している
が、本発明は、このような手法に限定されるのではな
く、例えば加熱を伴う混練操作の場合は、工程の進行に
伴って容器20内の原料の重量が減少するので、容器2
0の重量変化をロードセルで検出し、この検出結果に基
づき、各工程を制御する構成をとることも可能である。
また、上記の実施形態では、第1駆動源43a及び第2
駆動源43bとして、別個のモータを用いているが、駆
動源として1個のモータを用い、歯車減速装置等により
駆動系統を2分割して駆動する構成をとるこ (実施形態2)図8〜図13は本発明の実施形態2を示
す。実施形態2も、本発明の混練装置を用いて食品を製
造する場合を示している。
【0082】本実施形態の混練装置は、図8に示すよう
に、混練材料を収容する容器20と、容器20内の混練
材料を混練する1つの混練部材(ブレード)30と、1
つの混練部材30に遊星運動を行わせる駆動部60とを
備えており、駆動部60は水平な支持フレーム70に支
持されている。この混練装置は、実施形態1の混練装置
と比較して、混練部材30の数及び形式、並びに駆動部
60の構成が相違する。以下にこれらを詳細に説明す
る。
【0083】駆動部60を支持する支持フレーム70
は、容器20の蓋体22を先端部に支持しており、架台
71が支持軸72を中心に回動することにより、蓋体2
2の脱着と、攪拌部材30の容器20への挿入及び容器
20からの取り出しを行う。
【0084】駆動部60は、図9に示すように、支持フ
レーム70の先端部内に垂直に設けられたスリーブ状の
公転駆動軸61と、スリーブ状の公転駆動軸61の内側
に挿通された自転駆動軸62と、公転駆動軸61の下端
部に取り付けられた旋回ケース63と、公転駆動軸61
に対して偏心した状態で旋回ケース63に支持された自
転軸64とを備えている。
【0085】公転駆動軸61は、支持フレーム70の先
端部内に軸受61a,61aにより回転自在に支持され
ている。公転駆動軸61の内側を挿通する自転駆動軸6
2も、公転駆動軸61の上下に設けられた軸受62a,
62aにより回転自在に支持されている。自転駆動軸6
2の下端部は、旋回ケース63内に設けられた大歯車6
3a、中間歯車63b及び小歯車63cを介して自転軸
64の上端部と連結されている。
【0086】支持フレーム70の基部には、公転駆動軸
61を駆動する第1駆動源65と、自転駆動軸62を駆
動する第2駆動源66とが設けられている。第1駆動源
65は、回転方向が切り換え可能であって、且つ回転速
度が可変のモータ、即ち回転速度が正負に跨がって可変
のモータである。その出力軸が公転駆動軸61に、支持
フレーム70内のチェーン65a及び各軸に取り付けら
れたスプロケット65b,61bを介して連結されるこ
とにより、公転駆動軸61を任意の方向に、且つ任意の
速度で回転駆動する。
【0087】第2駆動源66も、回転方向が切り換え可
能であって、且つ回転速度が可変のモータであり、その
出力軸が自転駆動軸62に、支持フレーム70内のチェ
ーン66a及び各軸に取り付けられたスプロケット66
b,62bを介して連結されることにより、自転駆動軸
62を任意の方向に、且つ任意の速度で回転駆動する。
【0088】駆動部60により遊星運動を行う混練部材
30は、容器20の内底面の中心部から周縁部にかけて
線接触する掻き取り式のブレードである。この混練部材
30は、容器20の内底面との接触を保つために、自転
軸64の下端部にピン31によって回動自在に取り付け
られている。また、その内底面を掻き取るために、自転
軸64に対し所定の角度で傾斜している。
【0089】駆動部60において、第1駆動源65によ
り公転駆動軸61が回転駆動されると、旋回ケース63
が偏心回転運動を行うことにより、自転軸64が公転中
心線の周囲を公転する。また、第2駆動源66により自
転駆動軸62が回転駆動されると、その回転が旋回ケー
ス63内の大歯車63a、中間歯車63b及び小歯車6
3cを介して自転軸64に伝わることにより、自転軸6
4は自転運動を行う。
【0090】従って、混練部材30は、容器20の内底
面に接触しつつ、公転と自転が組み合わされた遊星運動
を行う。しかも、第1駆動源65の回転方向及び回転速
度、第2駆動源66の回転方向及び回転速度が独立に制
御されるので、混練部材30では動作速度と自転係数の
制御が可能となる。
【0091】また、容器20の上端部における内周面に
は、これに当接するブレード70が水平な支持部材71
によって旋回ケース63下面の回転中心部に連結されて
おり、このため、容器20の内底面だけでなく、上端部
における内周面に対しても掻き落とし操作が行われる。
【0092】本実施形態の混練装置は、上述のように、
食品の製造に使用される。その製造方法を、餡を製造す
る場合、即ち製餡を例にとって以下に説明する。
【0093】製餡は、前述したように、砂糖の加熱溶
解、餡練の工程を経て製造される。
【0094】砂糖の加熱溶解では、砂糖に水を加えて加
熱混合する。この場合、糖度が60%以上のため、一般
には攪拌が必要である。この攪拌では、砂糖と水の混合
促進が要求されるため、乱流状態を形成するのが好まし
い。このため、混練部材30の運動としては、図10に
示す公転運動のみ(自転係数=0)や図11に示すQ運
動(自転係数>0)より、図12や図13に示すr運動
(自転係数>0)が選択される。
【0095】砂糖の加熱溶解が終わると、生漉し餡、又
は水煮した粒生餡を入れ加熱攪拌を行う餡練に移行する
が、餡練の前期においては水分が多い上に、熱伝達がよ
く、沸騰による対流も生じるので、掻き取り作業が中心
となり、激しい混合攪拌は不要である。ここで激しい混
合攪拌を行うと、かえって空気の混入や潰れが生じる。
潰し餡も練りすぎると粘りが出すぎ、粒餡は粒が潰れて
しまうために、良い餡はできない。
【0096】このため、餡練の前期においては、混練部
材30の運動として、図10に示す公転運動のみ(自転
係数=0)や図11に示すQ運動(自転係数>0)が選
択される。
【0097】餡練において加熱攪拌が進み、水分が減少
して、容器20内の材料がスラリー状態となると、容器
20との接触面で熱により糖分が溶けだし、材料が滑り
やすくなる。このため、図10に示す公転運動のみ(自
転係数=0)や図11に示すQ運動(自転係数>0)の
ままでは、容器20内の材料が混練部材30と共回りす
るようになり、混合状態が悪化すると共に焦げが生じや
すくなる。
【0098】このため、餡練の後期においては、混練部
材30の運動として、図12や図13に示すr運動(自
転係数>0)が選択される。
【0099】ここで、自転係数の小数点以下を捨て去っ
た整数は、容器20内の材料に対する混練部材30の作
用角度を表し、この作用角度は整数が小さいほど小とな
る。そして、作用角度を小さくした場合は、攪拌部材3
0が材料に対して横滑りをするので、混練部材30に付
着した餡を取り除く効果が期待できる。
【0100】このように、製餡の工程進行に伴う材料の
物性変化に応じて、混練部材30での自転係数を正負に
跨がって変化させることにより、砂糖の溶解では効率的
な攪拌が行われ、砂糖の溶解に続く餡練では、空気の混
入や潰れ、更には焦げ付きを生じることなく効率的な攪
拌が行われる。
【0101】従って、本実施形態でも、全工程の所要時
間が短縮されると共に、混練操作により製造された食品
の品質が向上する。
【0102】(実施形態3)図14〜図16は本発明の
実施形態3を示す。実施形態3の混練装置は、実施形態
2の混練装置と比較して、混練部材30に遊星運動を実
行させる駆動部60が相違する。
【0103】具体的には、図14及び図15に示すよう
に、公転駆動軸61を駆動する第1駆動源65の出力軸
が、実施形態2の混練装置では公転駆動軸61のみと連
結されているのに対し、実施形態3の混練装置では、こ
の出力軸が、自転駆動軸62を駆動する第2駆動源66
の出力軸に、スプロケット65c、チェーン65d及び
クラッチ68を介して連結されている。クラッチ68
は、第1駆動源65が正方向に回転したときにその回転
を第2駆動源66の出力軸に伝達するワンウエイクラッ
チであり、ここでは第2駆動源66の出力軸に取り付け
られている。
【0104】第1駆動源65を正方向に回転させると、
図16(a)に示すように、第1駆動源65の出力軸の
回転が、チェーン65aを介して公転駆動軸61に伝達
され、これにより、公転駆動軸61が第1駆動源65の
出力軸と同じ方向に回転する。また、第1駆動源65の
出力軸の回転が、チェーン65d及びクラッチ68を介
して、第2駆動源66の出力軸に伝達され、更に、その
出力軸の回転がチェーン66aを介して自転駆動軸62
に伝達されることにより、自転駆動軸62も第1駆動源
65の出力軸と同じ正方向に回転する。
【0105】その結果、自転軸64は同方向に公転運動
及び自転運動を行う。ここで、自転軸64の公転運動に
伴う自転運動が相殺されるように、スプロケットの歯数
を設定しておくと、混練部材30は図10に示す公転運
動のみ(自転係数=0)を行う。
【0106】第1駆動源65及び第2駆動源66を共に
正方向に回転させ、且つ第2駆動源66の回転速度を第
1駆動源65の回転速度より速くした場合は、図16
(b)に示すように、第1駆動源65の出力軸の回転
が、チェーン65aを介して公転駆動軸61に伝達さ
れ、これにより、公転駆動軸61が第1駆動源65の出
力軸と同じ方向に回転する。また、第1駆動源65の出
力軸の回転が、チェーン65dを介してクラッチ68に
伝達されるが、第2駆動源66は第1駆動源65より高
速で回転しているので、第2駆動源66の出力軸はクラ
ッチ68より高速で回転することになり、その回転がチ
ェーン66aを介して自転駆動軸62に伝達され、これ
により、自転駆動軸62は公転駆動軸61と同方向に高
速回転する。その結果、自転軸64の自転速度が公転速
度より速くなり、混練部材30はQ運動を行う。
【0107】第1駆動源65を逆方向に回転させ、第2
駆動源66を正方向に回転させた場合は、図16(c)
に示すように、第1駆動源65の回転は、第2駆動源6
6の出力軸には伝達されず、公転駆動軸61のみを逆方
向に回転させる。一方、第2駆動源66の出力軸は正方
向に回転し、その回転が自転駆動軸62に伝達される。
これにより、公転駆動軸61と自転駆動軸62の回転方
向が逆向きとなり、自転軸64の自転方向と公転方向が
逆向きになるため、混練部材30はr運動を行う。
【0108】このように、公転駆動軸61を駆動する第
1駆動源65の出力軸を、自転駆動軸62を駆動する第
2駆動源66の出力軸にクラッチ68を介して連結する
ことにより、第1駆動源65及び第2駆動源66を特に
速度可変としなくても、第1駆動源65の回転方向を切
り換えるだけで、公転運動、Q運動、r運動の切り換え
が可能となる。
【0109】但し、第1駆動源65及び第2駆動源66
を速度可変としない場合は、自転係数の正負の変更は可
能であっても絶対値の調整は不可能であるので、実際の
混練装置では第1駆動源65及び第2駆動源66を速度
可変として、自転係数の調整ができるようにすることが
好ましい。その場合にあっても、第1駆動源65及び第
2駆動源66で高精度な速度制御を行わなくても、自転
係数の広範囲の変更が可能である。
【0110】なお、クラッチ68は、ここでは第1駆動
源65の出力軸の一方向の回転のみを第2駆動源66の
出力軸に伝達するワンウエイクラッチとなっているが、
強制的な接断の切り換えが可能なクラッチであってもよ
い。また、その取り付け位置については、図示例の位置
に限定されるものではなく、出力軸の先端部等に取り付
けることも可能である。
【0111】(その他の実施形態)実施形態1,2,3
の混練装置では、回転の伝達にスプロケットとチェーン
の組み合わせを用いているが、プーリとベルトの組み合
わせを用いることも可能である。
【0112】実施形態1の混練装置では、混練部材30
を複数としているが、1個であってもよい。逆に実施形
態2,3の混練装置では、混練部材30を1個としてい
るが、複数個であってもよい。即ち、実施形態2,3の
混練装置に採用された駆動部60は、実施形態1の混練
装置、即ち複軸タイプの駆動部40に適用することが可
能である。
【0113】また、本発明はパン生地や餡に限らず、ク
ッキー生地、スープ等の他の食品の混練操作にも同様に
適用することが可能である。更には、トナーや半導体材
料といった他の混練物の製造にも同様に適用することが
可能である。
【0114】
【発明の効果】以上の本発明混練物の製造方法によれ
ば、混練装置により複数の工程を経て混練物を製造する
場合に、各工程でそれぞれの工程に適した自転係数が選
択されることにより、混練操作の全工程で高効率な操作
が行われるので、工程所要時間が短縮されると共に、製
造された混練物の品質も向上する。
【0115】また、特に請求項2記載の混練物の製造方
法によれば、複数の工程のうちの少なくとも一つの工程
内で自転係数が変化させられるので、混練効率を更に向
上できる。
【0116】また、特に請求項3記載の混練物の製造方
法によれば、各工程で、容器内に収容された混練材料の
混練進行に伴う物性変化が検出され、その検出された物
性変化に基づいて工程終了のタイミングが決定されるの
で、各工程を無駄なく、しかも、確実に行うことができ
る。よって、混練効率及び混練物の品質を一層向上でき
る利点がある。
【0117】また、請求項4記載の本発明混練装置によ
れば、1又は複数の混練部材の自転速度及び公転速度が
独立に制御されることにより、混練部材の動作速度と共
に自転係数が任意に変更されるので、混練物の種類が変
わってもそれぞれの混練物が特に効率よく混練され、且
つその混練の全工程で高効率な操作が可能になる。
【0118】また、特に請求項5記載の混練装置によれ
ば、容器内の混練材料の混練進行度を監視する構成をと
るので、各工程を無駄なく、しかも、確実に行うことが
できる。よって、混練効率及び混練物の品質を一層向上
できる利点がある。
【0119】また、請求項8記載の本発明混練装置によ
れば、第1の駆動手段と第2の駆動手段の各出力軸同士
がクラッチを介して相互に連結された構成をとることに
より、各駆動手段が高精度な速度制御を行わなくても自
転係数の広範囲な変更が可能になるので、各駆動手段を
簡略化できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明混練装置の外観を示す正面図。
【図2】本発明混練装置の外観を示す側面図。
【図3】本発明混練装置の概念図。
【図4】本発明混練装置の駆動部の構造を示す縦断面
図。
【図5】マイコン制御装置の制御内容を示すフローチャ
ート。
【図6】遊星運動での自転係数が2.5の場合の運動軌
跡図。
【図7】遊星運動での自転係数が−4の場合の運動軌跡
図。
【図8】本発明混練装置の主要部の構造を示す縦断面
図。
【図9】本発明混練装置の駆動部の構造を示す縦断面
図。
【図10】遊星運動での自転係数が0の場合の運動軌跡
図。
【図11】遊星運動での自転係数が2.5の場合の運動
軌跡図。
【図12】遊星運動での自転係数が1.7の場合の運動
軌跡図。
【図13】遊星運動での自転係数が2.6の場合の運動
軌跡図。
【図14】本発明混練装置の駆動部の構造を示す縦断面
図。
【図15】本発明混練装置の概念図。
【図16】本発明混練装置の動作説明図。
【符号の説明】
10 フレーム 20 容器 30 混練部材 40 駆動部 41a 公転駆動軸 41b 自転駆動軸 42 自転軸 43a 第1駆動源 43b 第2駆動源 46a,46b トルクセンサ 47a 大歯車 47b 小歯車 50 マイコン制御装置 52 操作パネル 60 駆動部 61 公転駆動軸 62 自転駆動軸 64 自転軸 65 第1駆動源 66 第2駆動源 68 クラッチ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器内に収容された混練材料を、公転し
    つつ自転する混練部材により混練し、且つ、該混練部材
    の動作速度及び自転係数を制御すべく自転速度及び公転
    速度が独立に制御可能になった自転係数可変型の混練装
    置により、複数の工程を経て、混練物の製造を行う混練
    物の製造方法であって、 各工程で、各工程での混練材料の混練操作に適した混練
    部材の動作速度及び自転係数を選択し、その選択された
    動作速度及び自転係数が満足される自転速度及び公転速
    度で、該混練部材を動作させる混練物の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記複数の工程のうちの少なくとも一つ
    の工程内で、前記混練部材の自転係数を変化させる請求
    項1記載の混練物の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記各工程で、容器内に収容された混練
    材料の混練進行に伴う物性変化を検出し、その検出され
    た物性変化に基づいて各工程終了のタイミングを決定す
    る請求項1又は請求項2記載の混練物の製造方法。
  4. 【請求項4】 混練材料を収容する容器と、 該容器内に収容された混練材料を混練する1又は複数の
    混練部材と、 該1又は複数の混練部材をそれぞれ支持する1又は複数
    の自転軸と、 回転速度が可変になった第1の駆動手段を用いて該1又
    は複数の自転軸を公転させる公転手段と、 回転速度が可変になった第2の駆動手段を用いて該1又
    は複数の自転軸をそれぞれ自転させる自転手段と、 該第1の駆動手段及び該第2の駆動手段にそれぞれ回転
    速度を指令する制御手段とを具備する混練装置。
  5. 【請求項5】 前記混練材料の混練進行度に対応する情
    報を検出する検出センサを更に備え、該検出センサの検
    出情報に基づき前記制御手段が前記第1の駆動手段及び
    前記第2の駆動手段に前記回転速度を指令する請求項4
    記載の混練装置。
  6. 【請求項6】 前記混練部材は、複数であり、且つ、各
    混練部材は鉤針状に湾曲したフックである請求項4又は
    請求項5記載の混練装置。
  7. 【請求項7】 前記混練部材は1個であって、前記容器
    の内底面に接触する掻き取り式のブレードである請求項
    4又は請求項5記載の混練装置。
  8. 【請求項8】 混練材料を収容する容器と、 該容器内に収容された混練材料を混練する1又は複数の
    混練部材と、 該1又は複数の混練部材をそれぞれ支持する1又は複数
    の自転軸と、 第1の駆動手段を用いて該1又は複数の自転軸を公転さ
    せる公転手段と、 第2の駆動手段を用いて該1又は複数の自転軸をそれぞ
    れ自転させる自転手段と、 該第1の駆動手段及び該第2の駆動手段の出力軸同士
    を、クラッチを介して相互に連結する動力伝達手段とを
    具備する混練装置。
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