JPH1128762A - 便座又は便蓋の製造方法 - Google Patents

便座又は便蓋の製造方法

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JPH1128762A
JPH1128762A JP18373097A JP18373097A JPH1128762A JP H1128762 A JPH1128762 A JP H1128762A JP 18373097 A JP18373097 A JP 18373097A JP 18373097 A JP18373097 A JP 18373097A JP H1128762 A JPH1128762 A JP H1128762A
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JP
Japan
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parison
weight
toilet seat
resin
outer layer
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Application number
JP18373097A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Ishii
利之 石居
Minoru Sugawara
稔 菅原
Masami Takimoto
正己 滝本
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】表面に抗菌性能が付与され、表面光沢、耐衝撃
性、耐薬品性にも優れた便座又は便蓋を製造する方法を
提供する。 【解決手段】多層ブロー成形機を用い、外層部がメルト
インデックス0.1〜20g/10分のプロピレン単独
重合体に抗菌剤を含有させたものからなり、内層部がメ
ルトインデックス0.8g/10分以下のポリプロピレ
ン系樹脂からなる多層溶融パリソンを、成形面の温度が
パリソン外層部樹脂の結晶化温度よりも10℃低い温度
から融点までの温度域にある成形機の金型で挟み、パリ
ソンの内部に冷却ガスを吹き込み、パリソン外層部を金
型面に密着させながら、多層溶融パリソンを冷却固化さ
せて賦形することを特徴とする便座又は便蓋の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面に抗菌性能が
付与された便座又は便蓋の製造方法に関するものであ
り、さらに詳しくは、表面光沢、耐衝撃性、耐薬品(洗
剤)性にも優れた便座又は便蓋を多層ブロー成形法で製
造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】樹脂製の便座又は便蓋に関しては、抗菌
性ゼオライトを含有する樹脂からなる予備成形体に加圧
流体を吹き込み成形する方法(特開平2−238923
号公報)、容器の最内層に防菌作用を有する金属粉を含
む樹脂層からなる防菌効果を有する容器(特開昭57−
206448号公報)、造核剤を配合した高結晶性ポリ
プロピレンで成形した耐酸性洗浄剤性に優れた便座(特
開平7−184806号公報)等が提案がされている
が、得られた成形品の表面光沢、耐衝撃性といった性能
面は未だ、十分ではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、表面に抗菌
性能が付与され、表面光沢、耐衝撃性、耐薬品性にも優
れた便座又は便蓋の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
につき鋭意検討した結果、以下に示す内容を要旨とする
本発明を完成させた。 (1)多層ブロー成形機を用い、外層部がメルトインデ
ックス(230℃、2.16kgf)が0.1〜20g
/10分のプロピレン単独重合体に抗菌剤を含有させた
ものからなり、内層部がメルトインデックス(230
℃、2.16kgf)が0.8g/10分以下のポリプ
ロピレン系樹脂からなる多層溶融パリソンを、成形面の
温度がパリソン外層部樹脂の結晶化温度よりも10℃低
い温度から融点までの温度域にある成形機の金型で挟
み、パリソンの内部に冷却ガスを吹き込み、パリソン外
層部を金型面に密着させながら、多層溶融パリソンを冷
却固化させて賦形することを特徴とする便座又は便蓋の
製造方法。
【0005】(2)パリソン外層部に用いるプロピレン
単独重合体が、分子量分布(重量平均分子量/数平均分
子量)が8以下であり、かつ、220℃で3分間溶融し
た後10℃/分の降温速度で130℃にしてから球晶径
が100μmとなるまでの球晶径の成長速度が12μm
/分以下である結晶化特性を有する前記(1)記載の便
座又は便蓋の製造方法。
【0006】(3)パリソン内層部を、(A)メルトイ
ンデックス(230℃、2.16kgf)が0.8g/
10分以下のポリプロピレン系樹脂30〜70重量%、
(B)メルトインデックス(190℃、2.16kg
f)が0.01〜0.5g/10分で、固有粘度が3.
5dl/g以上の高密度ポリエチレン樹脂10〜30重
量%、(C)エチレン−α−オレフィン共重合体または
エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体10
〜30重量%及び(D)平均粒径10μm以下の無機粉
末5〜30重量%からなる樹脂組成物とした前記(1)
又は(2)に記載の便座又は便蓋の製造方法。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。 〔多層ブロー成形機〕本発明に用いる多層ブロー成形機
としては、複数のスクリュウ押出機をパリソン押出ダイ
ヘッドに直接設けたタイプの他、スクリュウ押出機の先
にアキュムレータを設けたタイプ等いずれの共押出ブロ
ー成形機も用いることができる。
【0008】パリソンの層構造は、基本的には2層構造
とするが、本発明の目的を損なわない範囲で3層以上の
構造とすることもできる。2層構造の場合、内外層の厚
み比は適宜選択可能であるが、通常は外層部の方を薄く
する。具体的な機械仕様の一例を挙げれば、口径90m
m(内層部用)と65mm(外層部用)の2台の押出機
を使用し、アキュムレータ付きの2層共押出しダイを使
用し、ダイリップの外径を220mmφ、内径を218
mmφとすることができる。
【0009】多層ブロー成形機の附帯設備としては、金
型とその温度調整機構、冷却設備付きのブロー用ガス供
給設備が必要である。 〔パリソン外層部の樹脂〕本発明におけるパリソン外層
部の樹脂としては、メルトインデックス(230℃、
2.16kgf)が0.1〜20g/10分のプロピレ
ン単独重合体を用いる。
【0010】メルトインデックスが0.1g/10分よ
り小さいと、メルトフラクチャーを起こし易く、表面荒
れの原因となる場合があり、20g/10分を超えると
多層成形性不良による表面荒れを起こし、外観不良とな
る場合がある。さらに、プロピレン単独重合体が、分子
量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が8以下であ
り、かつ、220℃で3分間溶融した後10℃/分の降
温速度で130℃にしてから球晶径が100μmとなる
までの球晶径の成長速度が12μm/分以下である結晶
化特性を有するものであることが好ましい。ここで、球
晶径の成長速度測定は、偏光顕微鏡による観察におい
て、樹脂が130℃になった時点から1分毎に写真撮影
し、経過時間と球晶サイズの関係を一次相関式に当ては
めて、その直線勾配から求めることができる。
【0011】上記分子量分布が8を超えると、成形品の
表面光沢が不十分となるほか金型の転写性の低下が見ら
れる場合がある。又、球晶径の上記成長速度が12μm
/分を超えると、金型の転写性の低下が見られる場合が
ある。このようなプロピレン単独重合体としては、例え
ば出光石油化学(株)製のIDEMITSU PPY4
00GPを使用することができる。
【0012】パリソン外層部の樹脂には、次に述べるよ
うな抗菌剤を含有させることが必須であるが、さらに、
本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、酸化
防止剤、光安定剤、熱安定剤、滑剤、触媒中和剤、帯電
防止剤、着色剤、離型剤、難燃剤等を添加することがで
きる。 〔抗菌剤〕パリソン外層部の樹脂に含有させる抗菌剤と
しては、プラスチック練り込み用抗菌剤であれば特に制
限されるものではないが、典型的にはゼオライト、シリ
カアルミナ、燐酸ジルコニウム、アパタイト、ガラス等
の無機の担体に、銀、銅、亜鉛等の抗菌性をもった金属
を担持させた無機系抗菌剤を使用できる。
【0013】より具体的には、組成式 xMm O・Al2O3・y
SiO2・zH2Oで表されるゼオライトの金属Mの一部又は全
部を銀、亜鉛、水銀、錫、鉛、ビスマス、カドミウムお
よびクロムからなる群より選ばれた少なくとも1種の金
属イオンにより置換したもの、特に、銀を用いたAg−
ゼオライト、AgCu−ゼオライト、AgZn−ゼオラ
イト、AgCuZn−ゼオライトを好適に用いることが
できる。
【0014】これら金属の抗菌作用は、解離しているA
+ 、Cu+ 、Cu2+等が細菌の細胞膜のタンパク質に
吸着されて細菌を破壊するためといわれている。抗菌剤
の添加量は、主として大腸菌に対する抗菌性能に応じて
適正量が決定される。例えば、抗菌性ゼオライト「バク
テキラー(鐘紡化成品の商品名:登録商標)」を外層部
樹脂に添加混練して使用する場合の添加量は、通常、
0.1〜3重量%、より好ましくは0.3〜1.0重量
%の範囲である。
【0015】〔パリソン内層部の樹脂〕 (1)本発明におけるパリソン内層部の樹脂としては、
メルトインデックス(230℃、2.16kgf)が
0.8g/10分以下のポリプロピレン系樹脂を用いる
ことができる。このポリプロピレン系樹脂は、特に制限
はなく、プロピレン単独重合体であってもよく、プロピ
レンと他のα−オレフィンとの共重合体であってもよ
く、これらの混合物であってもよい。この共重合体に用
いる他のα−オレフィンとしては、炭素数2〜8のも
の、例えばエチレン、ブテン−1、ペンテン−2、ヘキ
セン−1、ヘプテン−1、オクテン−1などが好ましく
挙げられる。該共重合体としては、前記の他のα−オレ
フィン単位を通常40重量%以下、好ましくは30重量
%以下含有するブロック共重合体やランダム共重合体を
用いることができるが、特に20重量%以下のエチレン
単位を含有するプロピレン−エチレンブロック共重合体
が好適である。
【0016】ポリプロピレン系樹脂のメルトインデック
ス(230℃、2.16kgf)は、0.8g/10分
以下、好ましくは0.6g/10分以下とする。0.8
g/10分以上では、ブロー成形が困難となる場合があ
る。なお、2種以上のポリプロピレン系樹脂を混合して
用いる場合、メルトインデックスが最も大きいポリプロ
ピレン及びメルトインデクッスが最も小さいポリプロピ
レンのメルトインデックスをそれぞれMI(大)および
MI(小)とすると、MI(大)/MI(小)比は3以
下であることが望ましい。この比が3を超えるとブロー
アップ特性(溶融したパリソンが均一に膨張すること)
が低下する傾向がみられる。
【0017】(2)本発明におけるパリソン内層部の樹
脂としては、(A)メルトインデックス(230℃、
2.16kgf)が0.8g/10分以下のポリプロピ
レン系樹脂30〜70重量%、(B)メルトインデック
ス(190℃、2.16kgf)が0.01〜0.5g
/10分で、固有粘度が3.5dl/g以上の高密度ポ
リエチレン樹脂10〜30重量%、(C)エチレン−α
−オレフィン共重合体またはエチレン−α−オレフィン
−非共役ジエン共重合体10〜30重量%及び(D)平
均粒径10μm以下の無機粉末5〜30重量%からなる
樹脂組成物を用いることもできる。この樹脂組成物は、
耐ドローダウン性などのブロー成形性に優れ、かつ良好
な機械的強度性能を有する。
【0018】この樹脂組成物中の(A)成分であるポリ
プロピレン系樹脂については、前記(1)と同じものを
用いることができる。(B)成分の高密度ポリエチレン
樹脂は、通常、密度が0.94〜0.97g/cm3
範囲にあるが、この高密度ポリエチレンは1種用いても
よいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。そのメ
ルトインデクッス(190℃、2.16kgf)が0.
5g/10分を超えるとドローダウンが大きく成形が困
難になる場合が生じ、0.01g/10分より小さい
と、押出成形不能となる場合が生じる。又、固有粘度が
3.5dl/gより小さければ、ドローダウンが顕著に
なり、成形不能となる場合がある。
【0019】(C)成分としては、エチレン−α−オレ
フィン共重合体又はエチレン−α−オレフィン−非共役
ジエン共重合体を用いる。当該α−オレフィンとして
は、炭素数3〜12のものが挙げられるが、特にプロピ
レンが好適である。又、非共役ジエン系化合物として
は、例えば1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエ
ン、1,5−ヘキサジエン、ジシクロペタジエン、メチ
レンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、シクロオ
クタジエン、メチルテトラヒドロインデンなどが挙げら
れるが、これらの中で、1,4−ヘキサジエン、エチリ
デンノルボルネン及びジシクロペタジエンが好適であ
る。この(C)成分の共重合体としては、特にエチレン
−プロピレン二元系共重合体(EPM)及びエチレン−
プロピレン−ジエン三元系共重合体(EPDM)が好適
である。共重合体は1種でも、2種以上を組み合わせて
用いてもよい。
【0020】(D)成分の無機粉末としては、例えば、
シリカ、ケイソウ土、バリウムフェライト、酸化ベリリ
ウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基
性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、硫酸マグネシウム、ドロマイト、ドーソナイト、硫
酸カルシュム、硫酸バリウム、硫酸アンモニウム、亜硫
酸カルシウム、タルク、クレー、珪酸カルシウム、モン
モリロナイト、ベントナイト、カーボンブラック、グラ
ファイト、硫化モリブテン、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バ
リウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウムなど、あ
るいは亜鉛、銅、鉄、鉛、アルミニウム、ニッケル、ク
ロム、チタン、マンガン、スズ、白金、タングステン、
金、マグネシウム、コバルト、ストロンチウムなどの金
属及びこれらの金属酸化物、ステンレス鋼、ハンダ、真
鍮などの合金、炭化珪素、窒化珪素、ジルコニア、窒化
アルミニウム、炭化チタンなどの金属系セラミックスな
どの粉末が挙げられるが、これらの中で特にタルクが好
適である。これらの無機粉末は1種用いてもよいし、2
種以上組み合わせて用いてもよい。無機粉末の平均粒径
は10μm以下、好ましくは5μm以下とする。10μ
mを超えるとブローアップ特性が悪くなることがある。
【0021】なお、無機粉末は必要に応じて、公知の表
面処理剤により表面処理して用いることができる。この
表面処理剤としては、例えばステアリン酸、パルミチン
酸などの飽和高級脂肪酸又はその誘導体、オレイン酸な
どの不飽和高級脂肪酸又はその誘導体、シラン系カップ
リング剤、チタネート系カップリング剤、シリコーンオ
イル、高級アルコールなどが挙げられる。表面処理する
方法については特に制限はなく、例えば、ヘンシェルミ
キサー内で、該無機粉末に表面処理剤を吹きつけ、混合
攪拌して処理してもよいし、無機粉末の製造段階で同時
に処理してもよい。
【0022】樹脂組成物中における成分(A)のポリプ
ロピレン系樹脂の含有量は、30〜70重量%、好まし
くは30〜60重量%とする。30重量%より少なけれ
ば、剛性が不十分となる場合があり、70重量%より多
ければ、ブロー成形性が低下する場合がある。成分
(B)の高密度ポリエチレンの含有量は、10〜30重
量%、好ましくは、10〜20重量%とする。10重量
%より少なければ、ブロー成形性が低下する場合があ
り、30重量%より多ければ、剛性が低下する場合があ
る。
【0023】成分(C)の共重合体の含有量は、10〜
30重量%の範囲で選ばれる。10重量%より少なけれ
ば、耐衝撃性が低下する場合があり、30重量%より多
ければ、剛性が低下する場合がある。成分(D)の無機
粉末の含有量は、5〜30重量%、好ましくは10〜2
5重量%の範囲で選ばれる。この含有量が5%より少な
ければ、剛性が低下する場合があり、30重量%より多
ければ、ブロー成形性が困難になるほかパーティングラ
インの強度が低下する場合がある。なお、前記(1)及
び(2)のパリソン内層部の樹脂には、本発明の目的を
損なわない範囲で、必要に応じて、酸化防止剤、光安定
剤、熱安定剤、滑剤、触媒中和剤、帯電防止剤、着色
剤、離型剤、難燃剤等を添加することができる。
【0024】〔鏡面転写成形によるブロー成形〕本発明
による便座又は便蓋の製造においては、金型の転写性を
高め、成形品表面の外観光沢を良くするため、鏡面転写
成形を行う。すなわち、溶融パリソンを予め加温された
成形機の金型で挟み、パリソンの内部に冷却ガスを吹き
込み、パリソン外層部を金型面に密着させながら、溶融
パリソンを冷却固化させて賦形することにより目的とす
る便座又は便蓋を製造する。
【0025】溶融パリソンが供給されるときの金型の表
面(成形面)の温度は、パリソン外層部樹脂の金型面へ
の密着性を高めるため、パリソン外層部樹脂の結晶化温
度よりも10℃低い温度から融点までの温度域とする。
さらに、成形サイクルの短縮化のためには、好ましく
は、結晶化温度より5℃低い温度から結晶化温度より3
0℃高い温度までの温度域、さらに好ましくは、結晶化
温度から結晶化温度より20℃高い温度までの温度域と
する。実際の金型表面温度の設定に当たっては、主に金
型表面の状況(鏡面、シボ面、模様、文字)や成形品の
肉厚・大きさ等に応じて、適宜の実験により最適な条件
を選定する。
【0026】金型の加温方法には、特に制限はなく、
水、油等の熱媒体を循環する方法、抵抗加熱・誘電加熱
などの電気的加熱の方法をとることができる。このよう
に予め加温された左右に開いた金型の間に多層溶融パリ
ソンを装填して挟み(金型を型締めし)、パリソン内に
冷却ガスを吹き込んで、パリソン外面を金型に密着させ
ながら、冷却固化させて賦形する。
【0027】パリソン内に吹き込む冷却ガスとしては、
圧力が通常2〜10Kg/cm2 で、温度が−10℃以
下、好ましくは−20℃以下、より好ましくは−30℃
以下の冷却空気を用いることができる。冷却ガスのパリ
ソン内への吹き込みと同時に、パリソン外へのガスの排
出も行うことにより、パリソン内壁面における冷却ガス
との熱交換効率を高め、冷却時間の短縮化、すなわち成
形サイクルの短縮化を図ることができる。
【0028】さらに、従来よりも小さい穴径と高い設置
密度のガス抜き穴を有する金型を用いることにより、金
型表面への密着性(転写性)を高めると共に、ガス抜き
穴による表面荒れを解消することができる。具体的に
は、従来のガス抜き穴径が一般的には0.2〜0.5m
mφ程度であるのに対して、100μmφ以下、さらに
は80μmφ以下とするのが好ましい。この径が100
μmφより大きければ、成形品の表面に微細な樹脂のヒ
ゲが現れることがある。また、ガス抜き穴の径を小さく
したことに伴い、ガス抜き穴のピッチを10mm以下、
さらには8mm以下、6mm以下とするのが好ましい。
このピッチが10mmを超えると成形品表面にガス抜き
不良による霞が生ずることがある。以上詳述してきたよ
うに、本発明によれば、特定のポリオレフィン系樹脂を
用い、鏡面転写成形を応用した多層ブロー成形によっ
て、表面光沢、耐衝撃性及び耐薬品性に優れ、抗菌性能
も付与された便座、便蓋を得ることができる。
【0029】
【実施例】本発明について、更に、実施例を用いて詳細
に説明する。 〔実施例1〕図1に示す便座、便蓋のうち便蓋について
下記条件で二層ブロー成形により成形した。 ・成形機 IHI製 IPB−EPML−90S(二
層ブロー成形機) ・原料 外層部:IDEMITSU PP E105G
M(プロピレン単独重合体、MI(230℃、2.16
kgf)=0.5) 内層部:IDEMITSU PP E185G(プロピ
レン−エチレンブロック共重合体、MI(230℃、
2.16kgf)=0.6) ・抗菌剤:抗菌性ゼオライト「バクテキラー(鐘紡化成
品の商品名:登録商標)BM102GA」を外層部樹脂
100重量部当たり0.7重量部を添加する。成形品全
体の中、外層部の占める重量比は、約1/10であり、
抗菌剤の成形品中に含まれる混入量は、0.56gであ
る。 ・パリソン表面温度:220℃・金型表面温度: 1
20℃ ・冷却ガス温度: −30℃ ・金型:二つ割り型、内面仕上げ#1500、内面ガス
抜き穴径80μmφ、ガス抜き穴ピッチ20〜25mm 成形して得られた便蓋は、目付が0.8Kgであった。
【0030】得られた成形品の光沢、耐衝撃性、抗菌
性、耐薬品性について評価した結果を表1に示す。 なお、それぞれの評価方法は以下のとおりである。
(1)成形品の光沢:JIS K7105により、光沢
測定器は日本電色工業VGSを用いた。なお、光線入射
角は60度、受光角は60度である。 (2)成形品の耐衝撃性:落球衝撃テストにより、評価
する。−10℃で、1Kg剛球を高さを変えて落下さ
せ、成形品の割れ又はクラックの入らない最高の高さで
評価する。 (3)成形品の抗菌性:銀等無機抗菌剤研究会「銀等無
機抗菌剤の自主規格及び抗菌試験法(1995年度版)
−抗菌加工製品の抗菌力試験法I(1995年度版)」
による。数値データは、24時間後の生菌数を表す。
(抗菌剤なしの場合のブランクは、生菌数が1.8×1
5 個である。) (4)成形品の耐薬品性:常温において、便蓋(図2)
の嵌合部(3)に2Kgの荷重をかけ、更に当該部に洗
剤(「カビキラー」:ジョンソン製)を毎日、塗布し、
2カ月後の成形品のクラックの有無を観察した。
【0031】〔実施例2〕実施例1において、外層部の
原料を下記の原料に変更した以外は同一の条件で行い、
評価した。その結果は表1に示す。 ・外層部の原料:IDEMITSU PP Y400G
P(プロピレン単独重合体、MI(230℃、2.16
kgf)=3.5、分子量分布(Mw/Mn =6)、球晶
径の成長速度:球晶径が100μmまでの球晶径の成長
速度が10μm/分である。)
【0032】〔実施例3〕実施例1において、内層部の
原料を下記の原料に変更した以外は同一の条件で行い、
評価した。その結果は表1に示す。 ・内層部の原料:(a)プロピレン−エチレンブロック
共重合体(MI=0.50、エチレン含量=1.8モル
%)55重量部(b)高密度ポリエチレン(MI(19
0℃、2.16kgf)=0.02、〔η〕=3.5)
10重量部(c)エチレン−プロピレン共重合体ゴム
(EPR)25重量部(d)タルク(平均粒径2μm)
10重量部を配合した樹脂組成物である。なお、成形品
の便蓋の目付は、0.880Kgであった。
【0033】〔比較例1〕図1に示す便座、便蓋の中、
便蓋を下記条件で射出成形した。 (成形条件) ・成形機:三菱重工 850MGW(単層ブロー成形
機) ・原料: IDEMITSU PP J750HP(プ
ロピレン−エチレンブロック共重合体(MI(230
℃、2.16kgf)=14、エチレン含量=6.8モ
ル%) ・抗菌剤:抗菌性ゼオライト「バクテキラー(鐘紡化成
品の商品名:登録商標)BM102GA」を原料樹脂1
00重量部当たり0.7重量部を添加する。 ・金型:スリープレート金型、フィルム一点ゲート ・パリソン表面温度:220℃ ・金型表面温度: 45℃ 成形して得られた便蓋は、目付が0.4Kgであった。
得られた成形品の光沢、耐衝撃性、抗菌性、耐薬品性に
ついて実施例1と同様に評価した結果を、表1に示す。
【0034】〔比較例2〕比較例1において、原料を下
記樹脂に変更した以外は同一の条件で行い、評価した。
その結果は表1に示す。 ・原料:ABS樹脂(日本合成ゴム製 ABS樹脂12
B(MI(200℃、5kgf)=18) 成形して得られた便蓋は、目付が0.5Kgであった。
得られた成形品の光沢、耐衝撃性、抗菌性、耐薬品性に
ついて実施例1と同様に評価した結果を、表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、表面光沢、耐衝撃性及
び耐薬品性に優れ、抗菌性能も付与された便座、便蓋を
得ることができる。特に、多層構造の外層部にのみ抗菌
剤を添加するので抗菌剤の使用量を逓減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】便座・便蓋の斜視図
【図2】便蓋の耐薬品試験
【符号の説明】
1:便座 2:便蓋 3:便蓋の嵌合部 4:錘(荷重)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多層ブロー成形機を用い、外層部がメルト
    インデックス(230℃、2.16kgf)が0.1〜
    20g/10分のプロピレン単独重合体に抗菌剤を含有
    させたものからなり、内層部がメルトインデックス(2
    30℃、2.16kgf)が0.8g/10分以下のポ
    リプロピレン系樹脂からなる多層溶融パリソンを、成形
    面の温度がパリソン外層部樹脂の結晶化温度よりも10
    ℃低い温度から融点までの温度域にある成形機の金型で
    挟み、パリソンの内部に冷却ガスを吹き込み、パリソン
    外層部を金型面に密着させながら、多層溶融パリソンを
    冷却固化させて賦形することを特徴とする便座又は便蓋
    の製造方法。
  2. 【請求項2】パリソン外層部に用いるプロピレン単独重
    合体が、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)
    が8以下であり、かつ、220℃で3分間溶融した後1
    0℃/分の降温速度で130℃にしてから球晶径が10
    0μmとなるまでの球晶径の成長速度が12μm/分以
    下である結晶化特性を有する請求項1記載の便座又は便
    蓋の製造方法。
  3. 【請求項3】パリソン内層部を、(A)メルトインデッ
    クス(230℃、2.16kgf)が0.8g/10分
    以下のポリプロピレン系樹脂30〜70重量%、(B)
    メルトインデックス(190℃、2.16kgf)が
    0.01〜0.5g/10分で、固有粘度が3.5dl
    /g以上の高密度ポリエチレン樹脂10〜30重量%、
    (C)エチレン−α−オレフィン共重合体またはエチレ
    ン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体10〜30
    重量%及び(D)平均粒径10μm以下の無機粉末5〜
    30重量%からなる樹脂組成物とした請求項1又は2に
    記載の便座又は便蓋の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000232950A (ja) * 1999-02-15 2000-08-29 Idemitsu Petrochem Co Ltd 便座および便座用成形材料
DE102005044982A1 (de) * 2005-09-20 2007-03-22 Palesta Anstalt Zusammensetzung eines Materials für Badewannenlifter oder dessen Bauteile
CN121281054A (zh) * 2025-12-10 2026-01-06 齐鲁工业大学(山东省科学院) 一种脂须形态参数的图像提取方法及预测方法

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