JPH11288108A - 電子写真感光体及びその製造方法 - Google Patents

電子写真感光体及びその製造方法

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JPH11288108A
JPH11288108A JP17725598A JP17725598A JPH11288108A JP H11288108 A JPH11288108 A JP H11288108A JP 17725598 A JP17725598 A JP 17725598A JP 17725598 A JP17725598 A JP 17725598A JP H11288108 A JPH11288108 A JP H11288108A
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charge
coating
binder
coating liquid
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JP17725598A
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English (en)
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友子 ▲崎▼村
Tomoko Sakimura
Shinichi Hamaguchi
進一 濱口
Hirofumi Hayata
裕文 早田
Kazumasa Watanabe
一雅 渡邉
Akira Kinoshita
昭 木下
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度にして残留電位が小さく、かつ光応答
が速い、機械的な耐久性に優れた電子写真感光体を提供
する。又、電子輸送性の電荷輸送層を有し、残留電位が
小さくて画像コントラストが確保できる電子写真感光体
を提供する。更に、感光体が円形量規制型塗布機を用い
て製造された場合、反復使用後も画像欠陥の極めて少な
い電子写真感光体を得る。 【解決手段】 導電性支持体上に、電荷発生層及び電荷
輸送層をこの順に積層してなる電子写真感光体におい
て、該電荷輸送層が、電荷発生層に接する側に設けたポ
リスチレン樹脂をバインダとした電荷輸送層と、その上
に重ね合わせたポリカーボネート樹脂をバインダとした
電荷輸送層との組み合わせからなることを特徴とする電
子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体に
関するものであり、特にプリンタ、複写機等に有効な高
感度の感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体としては、セレ
ン、酸化亜鉛、硫化カドミウム、シリコーン等の無機光
導電性化合物を主成分とする感光層を有する無機感光体
が広く用いられてきた。しかし、これらは感度、熱安定
性、耐湿性、耐久性等において必ずしも満足し得るもの
でなく、また一部の無機感光体では感光体中に人体に有
害な物質を含むため、廃棄に際しての問題がある。
【0003】これらの無機感光体の持つ欠点を克服する
目的で、様々な有機光導電性化合物を主成分とする感光
層を有する有機感光体の研究、開発が近年盛んに行われ
ている。特に電荷発生機能と電荷輸送機能とを異なる物
質にそれぞれ分担させた機能分離型の感光体は、それぞ
れの材料を広い範囲から選択する事ができ、任意の性能
を有する感光体を比較的容易に作製し得る事から多くの
研究が成されている。
【0004】機能分離型の有機感光体は感光体表面の帯
電電荷によって2つに分類される。一つは負帯電の感光
体で、電荷輸送物質としては正孔を輸送するアミン系の
化合物が用いられる。例えば電荷発生物質としてペリレ
ン誘導体、電荷輸送物質としてオキサジアゾール誘導体
をもちいたもの(USP3,871,882号公報)、
また電荷発生物質にジスチリルベンゼン系ビスアゾ化合
物、電荷輸送物質にヒドラゾン化合物を用いたもの(特
開昭55−84943号公報)など多くの技術が知られ
ている。
【0005】この負帯電型感光体はコロナ帯電時のオゾ
ンの発生量が多いという欠点はあるものの、無機感光体
で見られた熱安定性や廃棄の問題が無いことから、市場
に商品として出回って10数年にもなる。その間、様々
な需要を満たして来てはいるが、電子写真方式による複
写機、プリンタ、ファクシミリ等における高速化、小型
化の要求は近年ますます高まっている。その結果、感光
体にはいっそうの感度の向上とともに光応答の高速性が
要求されるようになってきた。
【0006】もう一つの感光体である正帯電有機感光体
は負帯電の感光体の欠点であったコロナ帯電時のオゾン
の発生量を減ずる事を狙ったもので、電荷輸送物質とし
て電子を輸送する化合物を用いる。これらの例として
2,4,7−トリニトロフルオレノンや特開平1−20
6349号公報、特開平2−214866号公報、特開
平5−279582号公報、USP5,468,583
号公報に記載の化合物などが知られている。
【0007】しかしながら、これらの電子輸送物質を用
いても、従来の電荷輸送層では、電荷発生層からの電荷
注入特性に重大な障害が存在するために、顕著な残留電
位が残ってしまい、画像形成に必要な電位コントラスト
を得ることはできない。現在までのところ、機能分離型
の正帯電有機感光体は商品化されていない。
【0008】以上述べてきたように、正負いずれの感光
体も問題を抱えており、単に電荷発生物質(CGM)と
電荷輸送物質(CTM)を検討するだけでは解決策が見
出されていない。
【0009】CGM、CTM以外の重要な素材としてバ
インダが挙げられる。負帯電型感光体においてバインダ
はポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチ
レン樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリメチルメタアク
リレート樹脂などが既に知られている。これらの樹脂の
うち電荷輸送層のバインダ樹脂としてポリスチレンを用
いた場合、電荷輸送層内の電荷移動性が飛躍的に増大す
ることが報告されている(電子写真学会第62回研究討
論会予稿集p134横山ら、1988年11月18
日)。
【0010】しかしながら、ポリスチレン樹脂を用いた
感光体の欠点として、一般に機械的強度が十分でなく、
例えばクリーニングブレードやブラシ、現像剤、或いは
紙などとの接触により磨耗や傷を生じやすい点があげら
れ、実用化には至っていない。
【0011】このように素材の検討の範囲をバインダま
で広げても、従来の問題を単に素材の交換だけで解決す
る事は現在においても出来ていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第一の目的
は、高速、小型の複写機、プリンタ、ファクシミリ等を
実現可能にする、高感度にして残留電位が小さく、かつ
光応答が速い電子写真感光体を提供することにあり、更
に繰り返し使用してもそれらの特性が変化しない機械的
な耐久性に優れた電子写真感光体を提供することにあ
る。
【0013】また、本発明の第二の目的は、電子輸送性
の電荷輸送層を有し、残留電位が小さくて画像コントラ
ストが確保できる電子写真感光体を提供することにあ
る。
【0014】本発明の第三の目的は、感光体が円形量規
制型塗布機を用いて製造された場合、反復使用後も画像
欠陥の極めて少ない電子写真感光体を提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記構
成を採ることにより達成される。
【0016】(1)導電性支持体上に、電荷発生層及び
電荷輸送層をこの順に積層してなる電子写真感光体にお
いて、該電荷輸送層が、電荷発生層に接する側に設けた
ポリスチレン樹脂をバインダとした電荷輸送層と、その
上に重ね合わせたポリカーボネート樹脂をバインダとし
た電荷輸送層との組み合わせからなることを特徴とする
電子写真感光体。
【0017】(2)上記電荷輸送層が電子輸送性であ
り、かつ、該電荷輸送層中に含有される電子輸送物質の
一部もしくは全部が単分子吸収極大波長に比べて20n
m以上波長シフトした状態で存在することを特徴とする
(1)に記載の電子写真感光体。
【0018】(3)導電性支持体上に、電荷発生層及び
電荷輸送層をこの順に積層してなる電子写真感光体の製
造方法において、該電荷輸送層が、電荷発生層に接する
側に設けたポリスチレン樹脂をバインダとした電荷輸送
層と、その上に重ね合わせたポリカーボネート樹脂をバ
インダとした電荷輸送層との組み合わせからなり、該電
荷輸送層の塗工液を円形量規制型塗布装置により塗布加
工して形成させることを特徴とする電子写真感光体の製
造方法。
【0019】発明者らは、特定の組み合わせの電荷輸送
層用バインダ樹脂を用いた場合に、それぞれのバインダ
樹脂の性能から予想される効果を越えた、高感度で高速
な光応答特性が得られ、かつ、機械的な耐久性に優れた
電子写真感光体が得られることを見いだした。
【0020】更に、電子輸送物質の電荷注入効率を高め
て本発明の第二の目的を達成するために、発明者らは、
電荷輸送層中の電子輸送物質を特別な状態で存在させる
ことが有効であることを見いだした。即ち、電子輸送物
質が単分子吸収波長に比べて20nm以上長波長側にシ
フトした状態で存在するときに本発明の効果が得られ
る。
【0021】従来は、電子輸送物質をバインダ中に単分
子状態で溶解させて感光層が作製されてきたが、特に電
子輸送物質の場合には電荷の注入障害が発生し、残留電
位の問題を解決するのが難しかった。本発明においては
電子輸送物質を単分子溶解状態ではなく、凝集状態にす
ることにより電荷注入の障害を取り除くことができたと
思われる。これは従来知られていた、ポリスチレンバイ
ンダ中では電荷の移動が速いとの報告(電子写真学会第
62回研究討論会予稿集p134横山ら、1988年1
1月18日)では説明の付かない優れた効果である。
【0022】電子輸送物質の凝集状態を形成させるため
には、バインダ樹脂の選択が重要である。電子輸送物質
とポリスチレン及びポリカーボネートとの組み合わせに
おいて本発明の凝集状態が形成されるとき、電荷輸送層
中では単分子溶解状態の部分(非凝集層)と凝集析出部
分(凝集層)の両方が存在する。凝集層では電荷発生層
からの電荷注入特性と電荷移動特性の両方が向上するも
のと考えられる。
【0023】目的の凝集状態が形成されたかどうかは分
光光度計で吸収スペクトルを測定することによって確認
される。測定サンプルは電子輸送物質を含む感光層塗布
液をガラスプレート上に薄膜塗布して作製する。一方、
単分子溶解状態の吸収スペクトルは電子輸送物質を含む
感光層塗布液を塗布溶媒で希釈して溶液状態で測定され
る。同じ単分子溶解状態であっても塗布膜状態と溶液状
態では媒体の相違により吸収極大波長は10nm程度異
なるのは通例であるが、凝集が生じた場合は吸収スペク
トルがブロードになり、かつ吸収極大も20nm以上長
波長シフトする。
【0024】尚、本発明における電子輸送性の電荷輸送
層とは、正孔輸送能力を有していても良いが、正孔輸送
能力に対して電子輸送能力の方が優るものをいう。
【0025】正孔及び電子の輸送能力は、電荷発生物質
と組み合わせて電子写真感光体を作製し、正孔輸送支配
の動作モードでの光感度と、電子輸送支配の動作モード
での光感度を、比較することによって決定出来る。
【0026】例えば、導電性支持体の上に電荷発生層と
電荷輸送層をこの順に積層して感光体を作製した場合
は、正帯電モードでの光感度(例えば半減露光量)は電
子輸送能力を表し、負帯電モードでの光感度は正孔輸送
能力を表すので、正帯電モードでの光感度の方が高い場
合を電子輸送支配というものとする。
【0027】図1は本発明の感光体の層構成を説明する
図である。導電性支持体10上に電荷発生層20を形成
し、これにポリスチレン樹脂をバインダとした電荷輸送
層30、その上に重ね合わせたポリカーボネート樹脂を
バインダとした電荷輸送層30′を積層して感光層40
を形成したものである。支持体10と感光層40の間に
バリア機能と接着性を持つ下引き層(中間層)を設けて
も良く、感光層の上に保護層を設けても良い。
【0028】本発明の電子写真感光体に用いられる電荷
発生物質としてはフタロシアニン化合物、具体的にはA
型、B型、Y型などの結晶型のチタニルフタロシアニン
をはじめ、チタニルフタロシアニンと他のフタロシアニ
ンの混晶、更にはX型、τ型などの無金属フタロシアニ
ン、銅フタロシアニン等に代表される各種の金属フタロ
シアニン、ナフタロシアニン等が挙げられる。また、ポ
ルフィリン誘導体、アゾ化合物、イミダゾールペリレン
やペリレンビスイミドなどのペリレン色素、アンスアン
スロンやアントラキノンなどの多環キノン色素、ペリノ
ン色素、ペリリウム化合物及びピリリウム化合物の共晶
錯体、アズレニウム化合物、スクエアリウム化合物等も
挙げることができる。
【0029】本発明の電子写真感光体に用いられる電荷
輸送物質としては任意のものを用いることができ、また
複数のものを同時に用いることができる。
【0030】正孔輸送物質の代表的なものとして、例え
ば、オキサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、チ
アジアゾール、イミダゾール等に代表される含窒素複素
環核、及びその縮合環核を有する化合物、ポリアリール
アルカン型の化合物、ヒドラゾン系化合物、ピラゾリン
系化合物、トリアリールアミン系化合物、スチリル系化
合物、ポリス(ビス)スチリル系化合物、スチリルトリ
フェニルアミン系化合物、β−フェニルスチリルトリフ
ェニルアミン系化合物、ブタジエン系化合物、ヘキサト
リエン化合物、カルバゾール系化合物、縮合多環系化合
物等が挙げられる。正孔輸送物質の具体例としては、例
えば特開昭61−107356号に記載の電荷輸送物質
を挙げることができるが、特に限定されるものではな
い。
【0031】代表的な化合物を以下に示す。
【0032】
【化1】
【0033】
【化2】
【0034】
【化3】
【0035】
【化4】
【0036】
【化5】
【0037】電子輸送物質の代表的なものとして例え
ば、ベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノン、チ
オピラノン、フルオレノン、インデノン、インダンジオ
ン系化合物等が挙げられる。代表的には下記一般式
(A)〜(C)で表されるものが有用である。
【0038】
【化6】
【0039】式中、Xは>SO2、>C=Q2を表し、Q
1、Q2は=O、=NR7、=C(Z1)(Z2)を表す。
1とR2或いはR3とR4は、それぞれ互いに結合して芳
香族環もしくは脂肪族環を形成してもよく、R5とR
6は、=NR7もしくは=C(R8)(R9)の構造を有し
てもよい。Z1、Z2は電子求引基を表す。R1〜R9は水
素原子、置換或いは無置換のアルキル基、置換或いは無
置換のアリール基、置換或いは無置換の複素環基、ハロ
ゲン、シアノ基、ニトロ基、置換ビニル基を表す。
【0040】好ましいアルキル基は、炭素数1〜20の
ものであり、好ましいアリール基はフェニル基、ナフチ
ル基である。好ましい複素環基としては、ピリジン、フ
ラン、チオフェン、イミダゾール、キノリン、オキサゾ
ールが挙げられる。アルキル基、アリール基、複素環基
上の好ましい置換基としては、アルキル基、アリール
基、ハロゲン、アルコキシ、ビニル、トリフルオロメチ
ル、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミ
ノ、ニトロ、アルコキシカルボニル、アシル、アルキル
カルバミド、アルキルスルホンアミド、カルバモイルが
挙げられる。置換ビニル基上の好ましい置換基として
は、置換或いは無置換のアリール基、シアノ基、アルコ
キシカルボニル基が挙げられる。
【0041】電子求引基の好ましいものとしては、シア
ノ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニ
ル、ニトロ、ハロゲン、トリフルオロメチル、アシル、
スルホニル及びこれらの基が置換したフェニル基、ナフ
チル基が挙げられるが、シアノ基、アルコキシカルボニ
ル基が特に好ましい。
【0042】具体的な化合物例を以下に示す。
【0043】
【化7】
【0044】
【化8】
【0045】
【化9】
【0046】
【化10】
【0047】
【化11】
【0048】
【化12】
【0049】
【化13】
【0050】
【化14】
【0051】
【化15】
【0052】
【化16】
【0053】
【化17】
【0054】
【化18】
【0055】
【化19】
【0056】
【化20】
【0057】
【化21】
【0058】本発明において、二層の電荷輸送層に含有
させる電荷輸送物質は、同一であることが好ましい。
【0059】本発明のポリスチレン樹脂は、繰り返し単
位として下記一般式(1)単独からなる重合体または主
要繰り返し単位として下記一般式(1)を構造組成に含
む共重合体である。
【0060】
【化22】
【0061】但し、一般式(1)中、Rはアルキル基、
シアノ基、ハロゲン原子を表し、nは1〜5の整数を表
す。ポリスチレン共重合体としては、スチレン−ブタジ
エン共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合
体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
塩化ビニル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合
体等が挙げられる。
【0062】本発明のポリカーボネート樹脂は、繰り返
し単位として下記一般式(2)の1種類もしくは2種類
以上からなる重合体である。
【0063】
【化23】
【0064】一般式(2)中、Zの具体例を以下に示
す。
【0065】
【化24】
【0066】感光層の形成において、電荷発生層は、電
荷発生物質を単独もしくはバインダや添加剤ともに適当
な分散媒中に微粒子分散させた液を塗布するか、或いは
電荷発生物質を真空蒸着する方法が有効である。前者の
場合、分散手段としては、超音波分散機、ボールミル、
サンドミル、ホモミキサー等の分散装置が使用できる。
【0067】電荷輸送層用の塗布液は、電荷輸送物質を
バインダとともに溶媒に溶解し必要に応じて添加剤等を
加えて調製するのが一般的である。バインダや添加剤と
ともに溶解させた溶液を塗布、乾燥して電荷輸送層を形
成する事ができる。本発明の凝集状態をつくるには、そ
のような液を塗布した後、溶媒の乾燥工程において自然
に凝集を起こさせるのが望ましいが、塗布、乾燥後に塗
布膜を適当な溶媒処理して凝集させる方法や、電子輸送
物質が溶解した塗布液に溶解性の低い電子輸送物質の凝
集状態粒子を添加、分散してから塗布する方法を用いる
こともできる。
【0068】電荷発生物質、電荷輸送物質の分散媒とし
ては、例えばトルエン、キシレン等の炭化水素類;メチ
レンクロライド、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン
化炭化水素;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等
のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、
メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等のアルコール類
及びその誘導体;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキ
サン等のエーテル類;ピリジンやジエチルアミン等のア
ミン類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類等
の窒素化合物等の1種又は2種以上を用いる事ができ
る。
【0069】電荷発生層に用いるバインダとして有用な
ポリマーとしては、例えばポリスチレン、アクリル樹
脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹
脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウ
レタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アル
キッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、
メラミン樹脂ならびに、これらの繰り返し単位のうちの
2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられる。またこれら
の絶縁性樹脂の他、ポリビニル−N−カルバゾール等の
高分子有機半導体が挙げられる。
【0070】電荷輸送層の形成に際しては、本発明のポ
リスチレン、ポリカーボネート樹脂の他に上記の樹脂を
併用してもよい。
【0071】バインダに対する電荷発生物質の割合は、
バインダ100重量部に対し電荷発生物質10〜600
重量部が望ましく、更には50〜500重量部が好まし
い。バインダに対する電荷輸送物質の割合はバインダ1
00重量部に対し、電荷輸送物質10〜500重量部が
好ましく、更には25〜200重量部とするのが好まし
い。電荷発生層の厚さは0.01〜20μmとされる
が、更には0.05〜5μmが好ましい。電荷輸送層の
厚さは、電荷発生層に接する側に設けたポリスチレン樹
脂をバインダとした電荷輸送層は、1〜100μmが好
ましいが、更には5〜50μmが好ましい。その上に重
ね合わせたポリカーボネート樹脂をバインダとした電荷
輸送層は、1〜50μmが好ましいが、更には5〜20
μmが好ましい。
【0072】中間層、保護層に用いられるバインダとし
ては、上記の電荷発生層用に挙げたものを用いることが
できるが、その他にポリアミド樹脂、ナイロン樹脂、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−
無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル−メタ
クリル酸共重合体等のエチレン系樹脂、ポリビニルアル
コール、セルロース誘導体等が有効である。また、メラ
ミン、エポキシ、イソシアネート等の熱硬化或いは化学
的硬化を利用した硬化型のバインダを用いることができ
る。
【0073】導電性支持体としては、金属板、金属ドラ
ムが用いられる他、導電性ポリマーや酸化インジウム等
の導電性化合物、もしくはアルミニウム、パラジウム等
の金属の薄層を塗布、蒸着、ラミネート等の手段により
紙やプラスチックフィルムなどの基体の上に設けてなる
ものを用いることができる。
【0074】また本発明の感光層に於いては、オゾン劣
化防止の目的で酸化防止剤を添加する事が出来る。酸化
防止剤としては、ヒンダードフェノール類、ヒンダード
アミン類、パラフェニレンジアミン類、ヒドロキノン
類、有機燐化合物類等が挙げられる。
【0075】また本発明の感光体には、その他、必要に
より感光層を保護する目的で紫外線吸収剤又は感色補正
の染料を含有しても良い。
【0076】従来、有機感光体を塗布手段を用いて形成
する場合、浸漬塗布、ブレード塗布、スピン塗布、ビー
ム塗布、スパイラル塗布等種々の塗布方法が用いられて
いるが、低コストで且つ平滑な塗膜が容易に得られるこ
とから、多量の塗布液を満たしたタンクに被塗布体を浸
漬して塗布する浸漬塗布法が最も広く用いられている。
【0077】しかしながら、浸漬塗布方法を用いて感光
体を形成する場合、塗布時に下層を一部溶解するために
下層の成分が上層用の塗布液に一部溶けだし、製造初期
は問題なくとも、塗布が実際の製造で繰り返されると蓄
積して塗布液成分の変化が生じ、電子写真性能に悪影響
を及ぼす。
【0078】スプレー塗布では、上述したような塗布液
成分の変化の問題はないが、本発明のポリスチレン、ポ
リカーボネートのような同種の溶媒に可溶な樹脂の組み
合わせでは、その液滴によって界面にムラが生じ、画像
欠陥を生じやすい。
【0079】そこで、本発明では下層を溶解することな
く上層を塗布することが出来、しかも塗布液の成分変化
を伴わずに塗布することが出来る円形量規制型塗布装
置、中でもその一種であるスライドホッパ型塗布装置を
用いることにより、前記問題を解決するようにしてい
る。これらの技術については、特開昭58−18906
1号公報、特開平7−128023号公報、或いは特開
平9−10654号公報等に記載されている。
【0080】以下に、この方式の説明をする。
【0081】図2は、本発明に係る塗布装置の概要断面
図である。図2に於いて、中心線Yに沿って直線上に重
ね合わした円筒状基材1A,1Bと該円筒状基材1A,
1Bに順次感光層用塗布液2を塗布するスライドホッパ
型の塗布装置を示す。前記円筒状基材1Aを取り囲む様
に、塗布液2の塗布液スライド面4が形成され、該塗布
液スライド面4に供給された塗布液2を前記円筒状基材
1Aに順次塗布するように構成している。塗布方法とし
ては、前記環状の塗布装置3を固定し、前記円筒状基材
1Aを中心線Yに沿って矢印方向に上昇移動させながら
上端部より塗布を行う。前記塗布装置3の塗布液スライ
ド面4に塗布液2を供給するため、外部に設けた塗布液
タンク5より送液ポンプ6−1と送液管6−1′と、塗
布液供給部6Aにより前記環状の円形量規制型塗布装置
に接続し、塗布液2を供給する。
【0082】次に供給された塗布液2は、前記環状の塗
布装置3内に形成した環状の塗布液分配室7に供給され
て塗布液分配スリット8より送液され、エンドレスの塗
布液流出口9より前記塗布液スライド面4に塗布液2が
連続的に供給され、塗布液2は前記円筒状基材1Aの全
周面に塗布される。12は、前記塗布液スライド面4よ
り落下した塗布液2を液溜めする液溜部である。
【0083】図3は、図2に示す前記スライドホッパ型
の塗布装置3の一部を切欠して示す斜視図である。
【0084】図4は、スライドホッパ型の塗布装置3を
用いて円筒状基材1A,1Bに感光体となる塗布液を同
時に重層塗布する同時重層塗布方法を示す塗布装置の概
要断面図である。図4に於いて、中心線Yに沿って直線
上に重ね合わした円筒状基材1A,1Bと、該円筒状基
材1A,1Bに順次感光用の塗布液2を塗布する環状の
塗布装置3を示す。図の様に前記円筒状基材1Aを取り
囲む様に、塗布液2,2Aの塗布液スライド面4が形成
され、該塗布液スライド面4に供給される塗布液2,2
Aを前記円筒状基材1Aに順次塗布するように構成して
いる。塗布方法としては、前記環状の塗布装置3を固定
し、円筒状基材1Aを中心線Yに沿って矢印方向に上昇
させながら上端部より塗布を行う。前記塗布装置3の塗
布液スライド面4に塗布液2,2Aを供給するため、外
部に設けた塗布液タンク5より送液ポンプ6−1と、塗
布液供給部6Aから塗布液分配室7に塗布液を送る。
【0085】塗布液タンク51から塗布液分配室71へ
の送液も同時に行う。
【0086】次に供給された塗布液2,2Aは、塗布装
置3内に形成した環状の塗布液分配室7には前記塗布液
2を供給し、該塗布装置3内に形成した環状の塗布液分
配室71には前記塗布液2Aを供給する。先ず供給され
た塗布液2は塗布液分配スリット8よりエンドレスの塗
布液流出口9より塗布液スライド面4に塗布液2が連続
的に供給され、前記円筒状基材1Aの全周面に先ず塗布
液2が塗布される。
【0087】更に前記塗布液分配室71には前記塗布液
2Aが供給される。供給された塗布液2Aは塗布液分配
スリット81よりエンドレスの塗布液流出口91より塗
布液面2上に連続的に供給され、前記円筒状基材1Aの
全周面に先ず塗布液が、その上に塗布液2Aが重層塗布
される。12は、前記塗布液スライド面4より落下した
塗布液2を液溜めする液溜部である。
【0088】図5は前記図2の実施態様例に使用されて
いる塗布装置3を上下に配置した、逐次重層塗布方法に
用いられる塗布装置の概要断面図である。これも前記図
4に示すようなエンドレスに形成した円筒状基材1A,
1Bに塗布液の重層塗布を行う実施態様例である。
【0089】先ず前記図2と同様に塗布スライド面4に
供給される塗布液2を円筒状気体1Aに塗布する。塗布
方法としては、塗布装置3を固定し、前記円筒状基材1
Aを中心線Yに沿って矢印方向に上昇移動させながら上
端部より塗布を行う。前記塗布装置3の塗布液スライド
面4に塗布液2を供給するため、外部に設けた塗布液タ
ンク5より送液ポンプ6−1と送液管6−1′と、塗布
液供給部6Aから塗布液分配室7に塗布液を送る(塗布
液タンク52から塗布液分配室72への送液も同時に行
う)。
【0090】これにより塗布装置3内に形成した環状の
塗布液分配室7に供給されて塗布液分配スリット8より
エンドレスの塗布液流出口9より前記塗布液スライド面
4に塗布液2が連続的に供給され、塗布液2は前記円筒
状基材1Aの全周面に一層目が塗布される。
【0091】更に塗布装置3の上部に塗布装置32が設
けられている。一層目の塗布液2が塗布された円筒状基
材1Aは矢印方向に上昇し、塗布装置32の塗布液スラ
イド面42のところに進入する。塗布液スライド面42
の供給される塗布液2Aを前記円筒状基材1Aに塗布さ
れて塗布液2面上に順次重層塗布する。塗布方法として
は、前期同様に塗布装置32を固定し、前記円筒状基材
1Aを中心線Yに沿って矢印方向に上昇移動させながら
上端部より重層塗布を行う。
【0092】前記環状の塗布装置32の塗布液スライド
面42に塗布液2Aを供給するため、外部に設けた塗布
液タンク52より送液ポンプの塗布液供給部を塗布装置
32に接続し(接続方法は前記塗布装置3に対するのと
同一)、塗布液2Aを供給する。次に供給された塗布液
2Aは、塗布装置32内に形成した環状の塗布液分配室
72に供給されて塗布液分配スリット82よりエンドレ
スの塗布液流出口92より前記塗布液スライド面42に
塗布液2Aが連続的に供給され、塗布液2Aは前記円筒
状基材1Aに塗布された塗布液2面上に塗布される。
【0093】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。なお、本実
施例に於いて「部」とは「重量部」を表す。
【0094】実施例1 アルミニウムを蒸着したPETフィルム上に、CuKα
特性X線に対するブラッグ角2θの9.5°、24.1
°、27.2°にピークを有するチタニルフタロシアニ
ン1部、シリコーン−ブチラール樹脂0.5部、メチル
イソプロピルケトン50部をサンドミルを用いて分散し
た液をワイヤーバーを用いて塗布し、膜厚0.4μmの
電荷発生層を形成した。次いで例示化合物P−6;1.
5部とポリスチレン樹脂「スタイロン679」(旭化成
工業社製)2部を1,2−ジクロロエタン12部に溶解
した液を電荷発生層上にドクターブレードを用いて塗布
して膜厚18μmの第1の電荷輸送層を形成した。この
上に、例示化合物P−6;1.5部とポリカーボネート
樹脂「ユーピロンZ−200」(三菱瓦斯化学社製)2
部を1,2−ジクロロエタン15部に溶解した液を前記
電荷輸送層上にドクターブレードを用いて塗布して膜厚
5μmの第2の電荷輸送層を形成し、実施例感光体1を
作製した。
【0095】実施例2、3 例示化合物P−6の代わりに表1に示す例示化合物を用
いた他は実施例1と同様にして実施例感光体2、3を作
製した。
【0096】比較例1 実施例1において、第1の電荷輸送層を形成せず、膜厚
23μmの第2の電荷輸送層のみを形成した他は実施例
1と同様にして比較例感光体1を作製した。
【0097】比較例2 実施例1において、第1の電荷輸送層のバインダとして
ポリスチレン樹脂の代わりにポリエステル樹脂「バイロ
ン200」(東洋紡社製)を用いた他は実施例1と同様
にして比較例感光体2を作製した。
【0098】《評価1》実施例1〜3及び比較例1、2
により得られた電子写真感光体サンプルについて、静電
複写試験装置EPA−8100(川口電機社製)を用い
て−800Vに帯電させ、10luxの白色光を露光
し、表面電位が半分となるのに必要な露光量E1/2
(lux・sec)を求め、感度とした。結果を表1に
示す。
【0099】
【表1】
【0100】表1から明らかなように、本発明の感光体
は、高感度な電子写真感光体を提供することが出来る。
【0101】実施例4 円筒形アルミ基体上にポリアミド樹脂「CM8000」
(東レ社製)からなる厚さ0.5μmの中間層を設け
た。その上に、CuKα特性X線に対するブラッグ角2
θの9.5°、24.1°、27.2°にピークを有す
るチタニルフタロシアニン1部、シリコーン−ブチラー
ル樹脂0.5部、メチルイソプロピルケトン50部をサ
ンドミルを用いて分散した液を浸漬塗布して膜厚0.4
μmの電荷発生層を形成した。次いで例示化合物P−
6;1.5部とポリスチレン樹脂「スタイロン679」
(旭化成工業社製)2部を1,2−ジクロロエタン12
部に溶解した液を電荷発生層上に浸漬塗布して膜厚18
μmの第1の電荷輸送層を形成した。この上に、例示化
合物P−6;1.5部とポリカーボネート樹脂「ユーピ
ロンZ−200」(三菱瓦斯化学社製)2部を1,2−
ジクロロエタン15部に溶解した液を前記電荷輸送層上
に浸漬塗布して膜厚5μmの第2の電荷輸送層を形成
し、実施例感光体4を作製した。
【0102】比較例3 実施例4において、第1の電荷輸送層を形成せず、膜厚
23μmの第2の電荷輸送層のみを形成した他は実施例
4と同様にして比較例感光体3を作製した。
【0103】比較例4 実施例4において、第1の電荷輸送層のバインダとして
ポリスチレン樹脂の代わりにポリエステル樹脂「バイロ
ン200」(東洋紡社製)を用いた他は実施例4と同様
にして比較例感光体4を作製した。
【0104】《評価2》高速応答性をテストするため
に、実施例4及び比較例3、4により得られた電子写真
感光体ドラムをコニカ社製デジタルコピー「Konic
a9028」改造機に装着し、負帯電条件下で光照射を
行い、露光後0.09秒における表面電位V0.09
(V)を測定した。結果を表2に示した。
【0105】
【表2】
【0106】以上の例から明らかなように、本発明の感
光体は高速応答において優れた特性を示すものである。
【0107】《評価3》実施例4により得られた電子写
真感光体ドラムについて、コニカ社製デジタルコピー
「Konica9028」改造機に装着し画像を複写し
たところ、コントラストが高く原画に忠実でかつ鮮明な
複写画像を得た。また5,000回繰り返してもコント
ラストが高く鮮明な複写画像が得られた。
【0108】以上のように、本発明の電子写真感光体
は、感度が高く、繰り返し使用時の感光体特性も安定し
ていることが解る。
【0109】実施例5 アルミニウムを蒸着したPETフィルム上に、CuKα
特性X線に対するブラッグ角2θの9.5°、24.1
°、27.2°にピークを有するチタニルフタロシアニ
ン1部、シリコーン−ブチラール樹脂0.5部、メチル
エチルケトン50部をサンドミルを用いて分散した液を
ワイヤーバーを用いて塗布し、膜厚0.3μmの電荷発
生層を形成した。次いで例示化合物A−22;1.4部
とポリスチレン樹脂「スタイロン679」(旭化成工業
社製)2部を1,2−ジクロロエタン12部に溶解した
液を電荷発生層上にドクターブレードを用いて塗布して
膜厚18μmの第1の電子輸送層を形成した。この上
に、例示化合物A−22;1.4部とポリカーボネート
樹脂「ユーピロンZ−200」(三菱瓦斯化学社製)2
部を1,2−ジクロロエタン15部に溶解した液を前記
電子輸送層上にドクターブレードを用いて塗布して膜厚
5μmの第2の電子輸送層を形成し、実施例感光体5を
作製した。
【0110】電子輸送層の吸収スペクトルは塗布液を塗
布溶媒で希釈しガラスプレート上に塗布して分光光度計
「UV−3100」(島津製作所製)で測定した。単分
子溶解状態の吸収スペクトルは電子輸送層塗布液を1,
2−ジクロロエタンで希釈し溶液で測定した。
【0111】結果を図6に示す(実線は塗布膜状態の、
破線は単分子溶解状態のスペクトルを表す)。吸収極大
は溶解状態の420nmから447nmへと長波長シフ
トし、かつピークがブロードになっている。これは凝集
が起きたことを示唆する。
【0112】実施例6、7 例示化合物A−22の代わりに表3中の例示化合物を用
いた他は実施例5と同様にして実施例感光体6、7を作
製した。
【0113】実施例5と同様にして測定した電荷輸送層
の吸収スペクトルを図7、8に示す。
【0114】電子輸送物質A−91を使用した実施例6
では、吸収極大は溶解状態の402nmから440nm
へと長波長シフトし、かつピークがブロードになってい
る。これは凝集が起きたことを示唆する。
【0115】A−31を使用した実施例7では、吸収極
大は溶解状態の380nmから395nmへと長波長シ
フトしているが、シフト巾が小さく、ピークがブロード
にはなっていない。これでは凝集が起きたとは言えな
い。
【0116】比較例5 実施例5において、第1の電荷輸送層を形成せず、膜厚
23μmの第2の電荷輸送層のみを形成した他は実施例
5と同様にして比較例感光体5を作製した。
【0117】実施例5と同様にして測定した電荷輸送層
の吸収スペクトルを図9に示す。
【0118】吸収極大は溶解状態の415nmから塗膜
中の428nmへと長波長シフトしているが、シフト幅
は20nm以下であり、かつピークはブロードにはなっ
ていない。これでは凝集が起きたとは言えない。
【0119】比較例6 実施例1において、第1の電荷輸送層のバインダとして
ポリスチレン樹脂の代わりにポリエステル樹脂「バイロ
ン200」(東洋紡社製)を用いた他は実施例5と同様
にして比較例感光体6を作製した。
【0120】実施例6と同様にして測定した電荷輸送層
の吸収スペクトルを図10に示す。
【0121】吸収極大は溶解状態の410nmから塗膜
中の423nmへと長波長シフトしているが、シフト幅
は20nm以下であり、かつピークはブロードにはなっ
ていない。これでは凝集が起きたとは言えない。
【0122】《評価4》実施例5〜7及び比較例5、6
により得られた電子写真感光体サンプルについて、静電
複写試験装置EPA−8100(川口電機社製)を用い
て+800Vに帯電させ、10luxの白色光を露光
し、表面電位が半分となるのに必要な露光量E1/2
(lux・sec)を求め、感度とした。また、10秒
間露光後の表面電位を残留電位Vr(V)とした。結果
を表3に示す。
【0123】
【表3】
【0124】表3から明らかなように、本発明では、高
感度な感光体を提供する事ができ、更に、凝集状態をと
る場合にのみ顕著な残留電位の低下効果がみられる。
【0125】実施例8 円筒形アルミ基体上にポリアミド樹脂「CM8000」
(東レ社製)からなる厚さ0.5μmの中間層を設け
た。その上に、CuKα特性X線に対するブラッグ角2
θの9.5°、24.1°、27.2°にピークを有す
るチタニルフタロシアニン1部、シリコーン−ブチラー
ル樹脂0.5部、メチルエチルケトン50部をサンドミ
ルを用いて分散した液を浸漬塗布して膜厚0.3μmの
電荷発生層を形成した。次いで例示化合物A−22;
1.4部とポリスチレン樹脂「スタイロン679」(旭
化成工業社製)2部を1,2−ジクロロエタン12部に
溶解した液を電荷発生層上に浸漬塗布して膜厚18μm
の第1の電荷輸送層を形成した。この上に、例示化合物
A−22;1.4部とポリカーボネート樹脂「ユーピロ
ンZ−200」(三菱瓦斯化学社製)2部を1,2−ジ
クロロエタン15部に溶解した液を前記電子輸送層上に
浸漬塗布して膜厚5μmの第2の電荷輸送層を形成し、
実施例感光体8を作製した。
【0126】比較例7 実施例8において、第1の電子輸送層を形成せず、膜厚
23μmの第2の電子輸送層のみを形成した他は実施例
8と同様にして比較例感光体7を作製した。
【0127】比較例8 実施例8において、第1の電子輸送層のバインダとして
ポリスチレン樹脂の代わりにポリエステル樹脂「バイロ
ン200」(東洋紡社製)を用いた他は実施例8と同様
にして比較例感光体8を作製した。
【0128】《評価5》高速応答性をテストするため
に、実施例8及び比較例7、8により得られた電子写真
感光体ドラムをコニカ社製デジタルコピー「Konic
a9028」改造機に装着し、正帯電条件下で光照射を
行い、露光後0.2秒及び0.5秒における表面電位V
0.2(V)、V0.5(V)を測定した。結果を表4
に示した。
【0129】
【表4】
【0130】以上の例から明らかなように、本発明の感
光体は高速応答において優れた特性を示すものである。
【0131】《評価6》実施例8により得られた電子写
真感光体ドラムについて、コニカ社製デジタルコピー
「Konica9028」改造機に装着し画像を複写し
たところ、コントラストが高く原画に忠実でかつ鮮明な
複写画像を得た。また5,000回繰り返してもコント
ラストが高く鮮明な複写画像が得られた。
【0132】以上のように、本発明の電子写真感光体
は、感度が高く、繰り返し使用時の感光体特性も安定し
ていることが解る。
【0133】比較例9 実施例4において、第2の電子輸送層を形成せず、膜厚
23μmの第1の電子輸送層のみを形成した他は実施例
4と同様にして比較例感光体9を作製した。
【0134】比較例10 実施例8において、第2の電子輸送層を形成せず、膜厚
23μmの第1の電子輸送層のみを形成した他は実施例
8と同様にして比較例感光体10を作製した。
【0135】(評価7)実施例4、8及び比較例9、1
0により得られた電子写真感光体ドラムをコニカ社製デ
ジタルコピー「Konica9028」改造機に装着
し、10,000コピーの繰り返し使用を行った後、感
光層膜厚の減耗量を測定した。結果を表5に示した。
【0136】
【表5】
【0137】以上の例から明らかなように、本発明の感
光体は、繰り返し使用時の機械的耐久性に優れる。
【0138】実施例9、10 電荷輸送層の塗布を浸漬塗布に代えてスライドホッパ型
塗布装置により行った他は、実施例4、8と同様にして
実施例9、10の感光体を得た。この感光体を評価3と
同じコニカ社製デジタルコピー「Konica902
8」改造機に搭載し、同条件で50,000プリントを
行い画像サンプルと比較したが、浸漬塗布よりさらに良
好な画像が得られた。特に中間調画像に於いて全く画像
欠陥は観察されなかった。
【0139】
【発明の効果】本発明により、第一の効果として、高感
度にして残留電位が小さく、かつ光応答が速い電子写真
感光体を提供し、更に繰り返し使用してもそれらの特性
が変化しない機械的な耐久性に優れた高速の複写機、プ
リンタ、ファクシミリ用の電子写真感光体を提供するこ
とが出来る。
【0140】また、本発明の第二の効果として、電子輸
送性の電荷輸送層を有し、残留電位が小さくて画像コン
トラストが確保できる電子写真感光体を提供することが
出来る。
【0141】更に、感光体が円形量規制型塗布機を用い
て製造された場合、反復使用後も画像欠陥の極めて少な
い電子写真感光体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる感光体の構成を示す断面図
【図2】本発明に係る塗布装置の概要断面図
【図3】本発明に係る塗布装置の斜視図
【図4】本発明に係る塗布装置の概要断面図
【図5】本発明に係る塗布装置の概要断面図
【図6】電子輸送層の吸収スペクトル図
【図7】電子輸送層の吸収スペクトル図
【図8】電子輸送層の吸収スペクトル図
【図9】電子輸送層の吸収スペクトル図
【図10】電子輸送層の吸収スペクトル図
【符号の説明】
1A,1B 円筒状基体 2,2A 塗布液 3 塗布装置 10 導電性支持体 20 電荷発生層 30 ポリスチレン樹脂をバインダとする電荷輸送層 30′ ポリカーボネート樹脂をバインダとする電荷輸
送層 40 感光層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡邉 一雅 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 (72)発明者 木下 昭 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に、電荷発生層及び電荷
    輸送層をこの順に積層してなる電子写真感光体におい
    て、該電荷輸送層が、電荷発生層に接する側に設けたポ
    リスチレン樹脂をバインダとした電荷輸送層と、その上
    に重ね合わせたポリカーボネート樹脂をバインダとした
    電荷輸送層との組み合わせからなることを特徴とする電
    子写真感光体。
  2. 【請求項2】 電荷輸送層が電子輸送性であり、かつ、
    該電荷輸送層中に含有される電子輸送物質の一部もしく
    は全部が単分子吸収極大波長に比べて20nm以上波長
    シフトした状態で存在することを特徴とする請求項1に
    記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 導電性支持体上に、電荷発生層及び電荷
    輸送層をこの順に積層してなる電子写真感光体の製造方
    法において、該電荷輸送層が、電荷発生層に接する側に
    設けたポリスチレン樹脂をバインダとした電荷輸送層
    と、その上に重ね合わせたポリカーボネート樹脂をバイ
    ンダとした電荷輸送層との組み合わせからなり、該電荷
    輸送層の塗工液を円形量規制型塗布装置により塗布加工
    して形成させることを特徴とする電子写真感光体の製造
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009104571A1 (ja) * 2008-02-22 2009-08-27 富士電機デバイステクノロジー株式会社 電子写真感光体およびその製造方法、それを使用した電子写真装置
US10353305B2 (en) * 2013-03-22 2019-07-16 Mitsubishi Chemical Corporation Electrophotographic photoreceptor and image formation device

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WO2009104571A1 (ja) * 2008-02-22 2009-08-27 富士電機デバイステクノロジー株式会社 電子写真感光体およびその製造方法、それを使用した電子写真装置
JPWO2009104571A1 (ja) * 2008-02-22 2011-06-23 富士電機システムズ株式会社 電子写真感光体およびその製造方法、それを使用した電子写真装置
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