JPH11292954A - 液状エポキシ樹脂組成物およびその硬化物 - Google Patents

液状エポキシ樹脂組成物およびその硬化物

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JPH11292954A
JPH11292954A JP9500898A JP9500898A JPH11292954A JP H11292954 A JPH11292954 A JP H11292954A JP 9500898 A JP9500898 A JP 9500898A JP 9500898 A JP9500898 A JP 9500898A JP H11292954 A JPH11292954 A JP H11292954A
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liquid
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epoxy
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diglycidyl ether
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JP9500898A
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Inventor
Hirofumi Nishida
裕文 西田
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NAGASE CHIBA KK
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NAGASE CHIBA KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低毒性で低粘度でかつ、長時間液状を維持す
ることができる液状エポキシ樹脂組成物であり、かつそ
の硬化物が高耐熱性で低吸水性となる組成物を提供す
る。 【解決手段】 特定の一般式で表わされるエポキシ化合
物および別の特定の一般式で表わされるエポキシ化合物
よりなる群から選ばれた3種以上の化合物を含み、それ
らが全エポキシ化合物中に80重量%以上含有される液
状エポキシ樹脂組成物を用い、硬化物を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気・電子材料、
たとえば半導体の封止材料などとして使用される液状エ
ポキシ樹脂組成物を製造し、使用する技術分野に属す
る。さらに詳しくは、低毒性で低粘度で、長時間液状を
維持することができる液状エポキシ樹脂組成物であり、
かつ、硬化物が高耐熱性で低吸水性となる液状エポキシ
樹脂組成物を製造し、使用する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】エポ
キシ樹脂組成物は、優れた電気特性や接着性を有するた
め、電気・電子分野の種々の用途に使用されている。と
くに液状エポキシ樹脂組成物は、パッケージ組立の際、
高温加熱や加圧という工程を省略できることから有利な
点が多い。
【0003】液状エポキシ樹脂組成物の主原料となるエ
ポキシ樹脂としては、従来から、主に常温で液状の種々
のエポキシ樹脂、たとえばビスフェノールA型エポキシ
樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルAD型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジ
ルアミン型エポキシ樹脂などが多用されている。また必
要に応じて、様々な希釈剤を添加して使用されている。
【0004】しかし、これらのエポキシ樹脂を主成分と
する組成物からえられる硬化物はガラス転移温度が低
く、充分な耐熱性がえられない、あるいは硬化物の吸水
率が高いなどの種々の問題を有しており、充分な特性を
有するエポキシ樹脂組成物はえられていない。
【0005】また、多くの用途では、かなりの量の無機
充填剤を配合してエポキシ樹脂組成物の各種特性の向上
をはかっているが、充填剤の配合量は液状成分の粘度に
よる制約をうけるため、より低粘度なエポキシ樹脂組成
物、とくに封止用エポキシ樹脂組成物の開発が望まれて
いる。
【0006】近年、これら低粘度、高耐熱性、低吸水性
など各種特性を満たしうるものとして、ジヒドロキシナ
フタレンジグリシジルエーテルが注目されている。この
エポキシ樹脂を主成分とした樹脂組成物を使用したばあ
い、エポキシ当量が小さいため酸無水物などの液状硬化
剤の配合量が多くなり、硬化前の組成物の粘度が低くな
る、硬化物のガラス転移温度が高く高耐熱性である、硬
化物の吸水率が低いなどのメリットがある。
【0007】しかし、ナフタレン骨格を有するエポキシ
樹脂は指定化学物質であり、使用するばあい、公衆衛生
・安全性の確保の観点から種々の規制がある。
【0008】一方、結晶性であるため常温では固体であ
るが、溶融時や液状硬化剤に溶解したときの粘度が比較
的低く、硬化物の耐熱性、吸水性などの特性に優れたエ
ポキシ樹脂も存在する。
【0009】しかし、これらを液状エポキシ樹脂組成物
の製造に使用したばあい、組成物の製造後短時間で成分
の再結晶化がおこるため、その配合量は少量に制限さ
れ、組成物に充分な耐熱性、低吸水性などの特性を与え
ることは困難である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記実情に鑑
みてなされたものであり、低毒性で低粘度で、長時間液
状を維持することができる液状エポキシ樹脂組成物であ
って、硬化したばあいに高耐熱性で低吸水性の硬化物を
提供するためになされたものである。
【0011】すなわち、本発明は、(A)一般式
(1):
【0012】
【化3】
【0013】(式中、Gはグリシジル基、R1はグリシ
ジルエーテル基、C1〜4の脂肪族基、C1〜4のアルコキ
シ基、水素原子またはハロゲン原子であって、各R1
同じであっても異なっていてもよい、nは0、1または
2である)で表わされるエポキシ化合物および一般式
(2):
【0014】
【化4】
【0015】(式中、Gはグリシジル基、R2はC1〜4
の脂肪族基、C1〜4のアルコキシ基、水素原子またはハ
ロゲン原子であって、各R2は同じであっても異なって
いてもよい)で表わされるエポキシ化合物よりなる群か
ら選ばれた3種以上を含み、それらが全エポキシ化合物
中に80%(重量%、以下同様)以上含有されるエポキ
シ化合物の混合物ならびに(B)液状硬化剤を含有する
液状エポキシ樹脂組成物(請求項1)、および請求項1
記載の液状エポキシ樹脂組成物を熱硬化してえられた液
状エポキシ樹脂組成物の硬化物(請求項2)に関する。
【0016】本発明の液状エポキシ樹脂組成物に含有さ
れる一般式(1)および一般式(2)で表わされるエポ
キシ化合物の多くは、優れた諸特性、すなわち溶解した
ときの粘度が低い、硬化物が高耐熱性で低吸水性である
などの特性を有しているものの、同時に高い結晶性を有
する。そのため、前記エポキシ化合物を単独で使用して
液状エポキシ樹脂組成物を製造すると、溶解したエポキ
シ化合物の再結晶化が組成物の製造後、短時間でおこる
ため、安定した液状エポキシ樹脂組成物をうることがで
きない。本発明は、前記エポキシ化合物の中から選ばれ
た3種以上を混合することにより、各成分の再結晶化を
抑え、長期間にわたって安定して液状を呈する低粘度の
液状エポキシ樹脂組成物をうることに関するが、常温で
液状のエポキシ化合物を成分として含んでいてもよいこ
とは当然である。ただし、液状樹脂組成物の粘度を低く
し、あるいは硬化物の前記諸特性が優れたものをうるた
めには、本発明の液状エポキシ樹脂組成物の必須成分で
あるエポキシ化合物の混合物(A)(以下、(A)成分
ともいう)中の80%以上が一般式(1)および(また
は)一般式(2)で表わされるエポキシ化合物であるこ
とを要する。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の液状エポキシ樹脂組成物
(以下、液状樹脂組成物ともいう)には、一般式
(1):
【0018】
【化5】
【0019】(式中、Gはグリシジル基、R1はグリシ
ジルエーテル基、C1〜4の脂肪族基、C1〜4のアルコキ
シ基、水素原子またはハロゲン原子であって、各R1
同じであっても異なっていてもよい、nは0、1または
2である)で表わされるエポキシ化合物(以下、エポキ
シ化合物類(1)ともいう)および一般式(2):
【0020】
【化6】
【0021】(式中、Gはグリシジル基、R2はC1〜4
の脂肪族基、C1〜4のアルコキシ基、水素原子またはハ
ロゲン原子であって、各R2は同じであっても異なって
いてもよい)で表わされるエポキシ化合物(以下、エポ
キシ化合物類(2)ともいう)に含まれる3種以上が含
まれ、それらが全エポキシ化合物中に80%以上、好ま
しくは90%以上含有されるエポキシ化合物の混合物
(A)が含有される。
【0022】エポキシ化合物類(1)に含まれる化合物
は、いずれも比較的低分子量であり、溶解したときの粘
度が低い、硬化物が高耐熱性で低吸水性であるなどの諸
特性を有するため、液状樹脂組成物の低粘度化や硬化物
の高耐熱性化、低吸水性化などの点からは好ましいが、
結晶性が高いため液状樹脂組成物の原料として使用した
ばあい、組成物の製造後短時間(通常、5℃で1〜16
時間程度)で再結晶化がおこり、安定した液状樹脂組成
物がえられないという好ましくない性質を有する。
【0023】一方、エポキシ化合物類(2)に含まれる
化合物は、いずれも溶解したときの粘度が比較的低く、
硬化物が高耐熱性で低吸水性であるため、液状樹脂組成
物の低粘度化よりも、むしろ、硬化物の高耐熱性化、低
吸水性化に大きな効果を発揮するが、エポキシ化合物類
(1)と同様に結晶性が高いため液状樹脂組成物の原料
として使用したばあい、組成物の製造後短時間(通常、
5℃で5〜24時間程度)で再結晶化がおこり、安定し
た液状樹脂組成物がえられないという好ましくない性質
を有する。
【0024】本発明においては、エポキシ化合物類
(1)およびエポキシ化合物類(2)に含まれる化合物
の3種以上を混合して使用するため、エポキシ化合物類
(1)およびエポキシ化合物類(2)に含まれる化合物
を単独で使用したばあいの欠点である液状樹脂組成物の
製造後におこる、短時間での再結晶化が軽減される。な
お、前記のように3種以上を混合して使用するのは、2
種では各成分の再結晶化を互いに抑制する効果が小さ
く、液状樹脂組成物の製造後、短時間で再結晶化がおこ
るが、3種以上、好ましくは4種以上の混合物のばあい
には、再結晶化が抑制され、本発明の液状樹脂組成物に
したばあいに、5℃で結晶化の核となりうる無機フィラ
ー(たとえばシリカ)を80%混合した条件で静置保存
したばあいに、20日以上、さらには60日以上安定な
液状樹脂組成物の状態を保持することができるからであ
る。
【0025】本発明で用いられるエポキシ化合物類
(1)およびエポキシ化合物類(2)から選ばれた3種
以上の化合物の割合は、前述のごとく、全エポキシ化合
物中の80%以上、好ましくは90%以上である。エポ
キシ化合物類(1)およびエポキシ化合物類(2)から
選ばれた3種以上の化合物の割合が、全エポキシ化合物
中の80%未満であり、その他のエポキシ化合物の割合
が20%をこえるばあいには、その他のエポキシ化合物
の諸特性の影響が大きくなるため好ましくない。すなわ
ち、その他のエポキシ化合物には、硬化前に低粘度で低
毒性であり、かつ硬化後に高耐熱性、低吸水性の硬化物
を与えるような性能のものが存在しないため、たとえ
ば、その他のエポキシ化合物の粘度が高いばあいには、
えられる液状樹脂組成物の粘度も充分に低くならない。
また、その他のエポキシ化合物の硬化物の耐熱性が低い
ばあいには、えられる液状樹脂組成物からの硬化物も充
分な高耐熱性を有するものにならない。さらに、その他
のエポキシ化合物の硬化物の吸水性が高いばあいには、
えられる液状樹脂組成物からの硬化物も充分な低吸水性
を有するものにならない。
【0026】えられる液状樹脂組成物が充分に低粘度で
低毒性であって、前記液状樹脂組成物からえられる硬化
物が充分に高耐熱性で低吸水性であるためには、エポキ
シ化合物類(1)およびエポキシ化合物類(2)から選
ばれた3種以上の化合物が80%以上、好ましくは90
%以上、さらに好ましくは100%である。その他のエ
ポキシ化合物は、液状樹脂組成物の安定性をさらに改善
するために必要に応じて添加してもよいが、なるべく少
量であるのが好ましい。
【0027】本発明で使用されるエポキシ化合物類
(1)は、前述のごとく、一般式(1)で表わされる化
合物である。
【0028】一般式(1)中のnは、0、1または2で
あるが、nが0のばあい、エポキシ化合物類(1)の分
子量が小さくなるため、とくに液状樹脂組成物の低粘度
化の観点から好ましく、nが1または2の化合物のばあ
い、とくに結晶性成分の再結晶化を抑制する効果が大き
い観点から好ましい。また、nが1または2の化合物の
中では、より低粘度の液状樹脂組成物をうるためには、
nが2よりも1のほうが好ましく、また、使用量をなる
べく少なくするのが好ましい。なお、nが3をこえる
と、化合物の粘度が高くなりすぎるため、結晶性成分の
再結晶化を抑制できても低粘度の液状樹脂組成物をうる
観点から好ましくない。
【0029】一般式(1)中のnが0のばあい、一般式
(1)は、一般式(3):
【0030】
【化7】
【0031】で表わされる。
【0032】一般式(3)に含まれる2つのグリシジル
エーテル基(GO基)は、互にオルト、メタ、パラのい
ずれの位置に存在していてもよいが、各グリシジルエー
テル基が互にある程度離れているほうが、立体障害によ
る硬化反応の阻害がないか、あっても小さく、液状樹脂
組成物の性能を充分に発揮しうる点から好ましい。ま
た、対称性のよい位置に結合しているほうが、直線的で
剛直な骨格の、耐熱性の高い硬化物の構造を実現しうる
点から好ましい。具体的には2つのグリシジルエーテル
基が互にオルトの位置に結合しているよりも、メタの位
置、さらにはパラの位置に結合しているほうが好まし
い。
【0033】また、一般式(3)に含まれる2つのR1
基は、1つのグリシジルエーテル基に対してそれぞれオ
ルト、メタ、パラのいずれの位置に存在していてもよい
が、たとえば2つの水素原子以外のR1が互にメタ位に
あって、その間にグリシジルエーテル基が結合している
構造などよりも、なるべく各グリシジルエーテル基と各
1が互にオルト以外の位置に結合することが、硬化反
応の阻害がおこりにくくなる点から好ましい。
【0034】一般式(3)の好ましい構造としては、た
とえば
【0035】
【化8】
【0036】などがあげられる。これらの構造を有する
ばあいには、硬化反応の阻害がないか、あっても少な
く、また硬化物が高耐熱性になりやすい点から好まし
い。
【0037】一般式(1)中のnが1または2のばあい
には、一般式(3)中の1つのGO基を一般式(4):
【0038】
【化9】
【0039】に置き換えればよい。一般式(4)中のG
O基と2つのR1と−O−CH2−CH(OH)−CH2
−O−基との関係は、nが0のばあいの1つのGO基と
2つのR1とのこりのGO基の関係に準ずればよい。
【0040】nが1のばあいの一般式(1)の好ましい
構造としては、たとえば
【0041】
【化10】
【0042】などがあげられる。これらの構造を有する
ばあいには、nが0のばあいよりも結晶性が低い点から
好ましい。
【0043】nが2のばあいの一般式(1)の好ましい
構造としては、たとえば
【0044】
【化11】
【0045】などがあげられる。これらの構造を有する
ばあいには、nが1のばあいよりもさらに結晶性が低い
点から好ましい。
【0046】一般式(1)中のR1は、グリシジルエー
テル基、C1〜4の脂肪族基、C1〜4のアルコキシ基、水
素原子またはハロゲン原子を表わし、各R1は同じであ
っても異なっていてもよい。
【0047】R1が水素原子、C1〜4の脂肪族基のうち
のアルキル基、トリフルオロメチル基、アルケニル基で
あるのが低吸水性の点から好ましく、また、臭素原子、
塩素原子などのハロゲン原子であるのが難燃性の点から
好ましい。
【0048】また、複数個含まれるR1が同じであるば
あいには、合成工程の単純化に伴うコストダウンの点か
ら好ましく、異なっているばあいには、結晶化の抑制の
点から好ましい。
【0049】さらに、結合する基が小さいほど、また少
ないほど分子量が小さくなり、さらにはエポキシ当量が
小さくなって液状硬化剤の配合割合が大きくなるため、
液状樹脂組成物の低粘度化に好ましく、また結合する基
が嵩高いほど硬化物の耐熱性の向上の観点から好まし
い。
【0050】R1としてC1〜4の脂肪族基、C1〜4のア
ルコキシ基、ハロゲン原子が1つのベンゼン環に2個結
合しているときは、これらの基は硬化反応には関与しな
いため、グリシジルエーテル基の説明のところで述べた
ように、対称性のよい位置に結合しているよりも、かえ
って対称性のわるい位置に結合しているほうが結晶化の
抑制の点から好ましい。
【0051】また、R1としてグリシジルエーテル基を
選ぶばあい、2つのGO基に加えて、さらにGO基が含
有されることになる。前記GO基の数は、液状樹脂組成
物の硬化物の高耐熱性の点からは多いほうが好ましく、
低吸水性の点からは少ないほうが好ましい。一般式
(1)中に含まれるGO基の数が5個以上になると硬化
物の吸水性が高くなりやすい。高耐熱性と低吸水性を同
時に満たしうる硬化物をうる観点から、GO基の数は分
子中に4個以下、さらには3個以下であるのが好まし
い。また、各グリシジル基は、既に述べたように、互に
ある程度離れていたほうが、立体障害による硬化反応の
阻害がない点から好ましく、対称性のよい位置に結合し
ているほうが硬化物の高耐熱性の点から好ましい。具体
的には、1つのベンゼン環においては、互にパラやメタ
の位置にGO基が結合していることが好ましく、ベンゼ
ン環を複数個有する化合物のばあいには、なるべく各ベ
ンゼン環に分散してGO基が結合していることが好まし
い。
【0052】さらに、具体的には、一般式(1)中のn
が0で、R1の1つがグリシジルエーテル基のばあい、
たとえば3つのグリシジルエーテル基が、ベンゼン環の
1,3,5位に結合している構造は、反応性や硬化物の
高耐熱性の点から好ましく、一般式(1)中のnが1ま
たは2のときは、たとえば2個または3個の各ベンゼン
環に、それぞれ2個以下のグリシジルエーテル基が結合
していて、各エーテル基が互にベンゼン環のパラやメタ
の位置に結合している構造などが好ましい。
【0053】前記C1〜4の脂肪族基の具体例としては、
たとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプ
ロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブ
チル基などのアルキル基、トリフルオロメチル基などの
ハロゲン置換アルキル基、ビニル基、アリル基、プロペ
ニル基などのアルケニル基などがあげられる。これらの
うちでは、メチル基やエチル基などの小さい基が低粘度
化の観点から水素原子のつぎに好ましく、イソプロピル
基やtert−ブチル基などの嵩高い基が高耐熱性化の
観点から好ましい。
【0054】また、前記C1〜4のアルコキシ基の具体例
としては、たとえばメトキシ基、エトキシ基、n−プロ
ポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブ
トキシ基、tert−ブトキシ基などがあげられる。こ
れらのなかではメトキシ基が低粘度化の点から好まし
い。
【0055】前記ハロゲン原子の具体例としては、たと
えば塩素原子、臭素原子、フッ素原子などがあげられ
る。これらのうちでは臭素原子や塩素原子が本発明の液
状樹脂組成物の硬化物に難燃性を付与する効果が大きい
点から好ましい。ただし、分子量の増大を抑えて低粘度
を保つには、その数は少ないほうがよい。
【0056】エポキシ化合物類(1)の具体例として
は、nが0のばあいの化合物として、たとえばヒドロキ
ノンジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエ
ーテル、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノンジ
グリシジルエーテル、2,5−ジ−イソプロピルヒドロ
キノンジグリシジルエーテル、フロログルシントリグリ
シジルエーテル、2,5−ジ−tert−アミルヒドロ
キノンジグリシジルエーテルなど、nが1または2のば
あいの化合物として、前記nが0のばあいの化合物中の
GO基の1つを−O―CH2―CH(OH)―CH2―O
―基で置き換え連結してえられる2核体や2つを置き換
え連結してえられる3核体などがあげられる。前記3核
体はnが0のエポキシ化合物類(1)(たとえばヒドロ
キノンジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジル
エーテルなど)と対応するフェノール類(たとえば、ヒ
ドロキノン、レゾルシノールなど)を、テトラメチルア
ンモニウムクロライドやテトラメチルアンモニウムテト
ラフルオロボレートなどの触媒の存在下、2対1のモル
比でアダクトさせることにより、手軽にうることができ
る。これらは単独で用いてもよく2種以上を組み合わせ
て用いてもよい。
【0057】なお、前記触媒のなかではテトラメチルア
ンモニウムクロライドが低価格の点から好ましく、テト
ラメチルアンモニウムテトラフルオロボレートが高触媒
能、低吸湿性の点から好ましい。
【0058】本発明で使用されるエポキシ化合物類
(2)は、前述のごとく、一般式(2)で表わされる化
合物である。
【0059】一般式(2)中のR2は、C1〜4の脂肪族
基、C1〜4のアルコキシ基、水素原子またはハロゲン原
子を表わし、各R2は同じであっても異なっていてもよ
い。
【0060】なお、前記C1〜4の脂肪族基、C1〜4のア
ルコキシ基、ハロゲン原子の具体例としては、たとえば
一般式(1)中のR1の具体例としてあげられたものと
同様のものがあげられる。
【0061】エポキシ化合物類(2)は、グリシジル基
を1分子中に2個含有する。各グリシジル基は、エポキ
シ化合物類(1)の説明で述べたのと同様の理由によ
り、互にある程度離れた位置に結合しているほうが、硬
化反応性の点から好ましく、また、対称性のよい位置に
結合しているほうが、硬化物の高耐熱性の点から好まし
い。具体的には、たとえばビフェノール骨格の4および
4′位にグリシジルエーテル基の結合した骨格や3およ
び3′位にグリシジルエーテル基の結合した骨格などが
好ましい。
【0062】複数個含まれるR2が同じであるばあいに
は、合成工程の単純化に伴うコストダウンの点から好ま
しく、異なっているばあいには対称性の低下に伴う結晶
化の抑制の点から好ましい。
【0063】また、一般式(1)のところで説明したの
と同様に、一般に結合する基が小さいほど、また少ない
ほど分子量が小さくなり、さらにはエポキシ当量が小さ
くなって液状硬化剤の配合割合が大きくなるため、液状
樹脂組成物の低粘度化の点から好ましく、また結合する
基が嵩高いほど硬化物の高耐熱性の点から好ましい。
【0064】また、C1〜4の脂肪族基、C1〜4のアルコ
キシ基、ハロゲン原子が1つのベンゼン環に2個結合し
ているときには、これらの基は硬化反応には関与しない
ため、グリシジルエーテル基の説明で述べたように、対
称性のよい位置に結合しているよりも、かえって対称性
のわるい位置に結合しているほうが再結晶化の抑制の点
から好ましい。
【0065】また、R2が臭素原子や塩素原子などのハ
ロゲン原子のばあいには、分子量の増大を抑えて低粘度
を保つためには、その数は少ないほうがよい。
【0066】一般式(2)の好ましい構造としては、た
とえば
【0067】
【化12】
【0068】などがあげられる。これらの構造を有する
ばあいには、比較的低粘度で高耐熱性となる点から好ま
しい。
【0069】一般式(2)で表わされるエポキシ化合物
類(2)の具体例としては、たとえば4,4′−ビフェ
ノールジグリシジルエーテル、3,3′,5,5′−テ
トラメチル−4,4′−ビフェノールジグリシジルエー
テル、2,2′−ビフェノールジグリシジルエーテルな
どがあげられる。これらは単独で用いてもよく2種以上
を組み合わせて用いてもよい。これらのなかでは2,
2′−ビフェノールジグリシジルエーテルが低粘度の点
から好ましく、3,3′,5,5′−テトラメチル−
4,4′−ビフェノールジグリシジルエーテルが高耐熱
性の点から好ましい。
【0070】本発明において用いられるエポキシ化合物
類(1)およびエポキシ化合物類(2)から選ばれた3
種以上の化合物を全エポキシ化合物中に80%以上含有
するエポキシ化合物の混合物(A)に含まれる20%以
下の前記その他のエポキシ化合物は粘度調整、高ガラス
転移温度化(高Tg化)、難燃性付与、低応力化、靱性
付与のために用いられる成分である。その具体例として
は粘度調整のために用いられるビスフェノールF型エポ
キシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、高Tg化のために用い
られる脂環式エポキシ樹脂、多官能グリシジルアミン、
難燃性付与のために用いられるブロム化エポキシ樹脂、
低応力化、靱性付与のために用いられるアクリルゴム分
散エポキシ樹脂、NBR変性エポキシ樹脂、シリコーン
変性エポキシ樹脂などがあげられる。前記脂環式エポキ
シ樹脂としては、たとえばCelloxide−202
1P(ダイセル化学工業(株)製)、CY175(チバ
・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)など、前記ビ
スフェノールF型エポキシ樹脂としては、たとえばEP
ICLON830LVP(大日本インキ化学工業(株)
製)、RE−304S(日本化薬(株)製)など、前記
多官能グリシジルアミンとしては、スミエポキシELM
−100(住友化学工業(株)製)、MY721(チバ
・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)など、前記ブ
ロム化エポキシ樹脂としては、BREN−S(日本化薬
(株)製)、デナコールEX−147(ナガセ化成
(株)製)など、前記アクリルゴム分散エポキシ樹脂と
しては、エポセットBPA328((株)日本触媒
製)、NBR変性エポキシ樹脂としては、R−1415
−1(旭電化工業(株)製)、シリコーン変性エポキシ
樹脂としては、ブレンデュアA−2130E((株)日
本油脂製)などがあげられる。これらは単独で用いても
よく2種以上を組合わせて用いてもよい。
【0071】なお、前記その他のエポキシ化合物の使用
割合については(A)成分中で20%以下であればとく
に限定はないが、使用する効果をうるためには5%以
上、さらには10%以上使用するのが好ましい。
【0072】本発明で用いられる(A)成分には、エポ
キシ化合物類(1)およびエポキシ化合物類(2)より
選ばれた3種以上が含まれ、それらが全エポキシ化合物
中に80%以上含有される。
【0073】(A)成分を形成する3種以上の化合物の
選び方としては、本発明の液状エポキシ樹脂組成物がえ
られる限りとくに限定はなく、エポキシ化合物類(1)
またはエポキシ化合物類(2)のどちらか一方のみから
3種以上えらんでもよく、エポキシ化合物類(1)およ
びエポキシ化合物類(2)の両者それぞれから1種以上
を選んで、3種以上にしてもよい。
【0074】一般に、分子量が小さく対称性のよい化合
物は、結晶性が比較的高いため、一種類をあまり多く配
合しない方が好ましい。結晶性の高い化合物を多く使用
するばあいには、なるべく多くの種類のエポキシ化合物
を少量ずつ混合して使用するのが、再結晶化の抑制を容
易にする点から好ましい。
【0075】このような結晶性の高いエポキシ化合物と
して、たとえばヒドロキノンジグリシジルエーテル、
2,5−ジ−tert―ブチルヒドロキノンジグリシジ
ルエーテル、4,4′−ビフェノールジグリシジルエー
テルなどがあげられる。
【0076】また、分子中にグリシジル基が3個以上含
まれる化合物の配合量が多くなると、硬化物の高耐熱性
の点からは好ましいが、あまり多く配合しすぎると硬化
物の充分な低吸水性を確保しにくくなる。グリシジル基
が3個以上含まれる化合物の配合量は、全エポキシ化合
物中50%以下、さらには40%以下で、10%以上、
さらには20%以上であるのが、高耐熱性と低吸水性の
バランスのよい硬化物をうる点から好ましい。グリシジ
ル基が3個以上含まれるエポキシ化合物としては、たと
えばフロログルシントリグリシジルエーテル、ピロガロ
ールトリグリシジルエーテル、1,2,4−トリヒドロ
キシベンゼントリグリシジルエーテルなどがあげられ
る。
【0077】エポキシ化合物類(1)のみから3種以上
の化合物を選ぶばあいには、混合物(A)のエポキシ当
量が小さくなりやすく、とくに液状樹脂組成物が低粘度
になるという特徴があり、エポキシ化合物類(2)のみ
から3種以上の化合物を選ぶばあいには、混合物(A)
のエポキシ当量が比較的大きくなりやすく、低粘度の液
状樹脂組成物がえられにくくなるが、高耐熱性や低吸水
性に優れた硬化物がえられるという特徴があり、エポキ
シ化合物類(1)およびエポキシ化合物類(2)の両者
それぞれから1種以上を選んで、3種以上を選ぶばあい
には、特性のバランスのよい組成物、すなわち低粘度の
液状樹脂組成物がえられ、しかも高耐熱性でかつ低吸水
性に優れた硬化物がえられるという特徴がある。
【0078】これらのなかではエポキシ化合物類(1)
およびエポキシ化合物類(2)の両者それぞれから1種
以上を選んで、3種以上を選ぶのが、前記諸特性(硬化
物の耐熱性、耐湿性および作業性)のバランスのよい組
成物がえやすく、高Tg、低吸水率、低粘度、低結晶性
である点から好ましい。
【0079】混合物(A)としてエポキシ化合物類
(1)を2種以上選び、エポキシ化合物類(2)を1種
以上選ぶばあいの好ましい組み合わせを具体的に説明す
る。
【0080】混合物(A)の具体的な成分の組み合わせ
および混合割合としては、たとえば全エポキシ化合物中
に80%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましく
は100%含まれるように、ヒドロキノンジグリシジル
エーテル5〜15%、さらには8〜10%、2,5−ジ
―tert―ブチルヒドロキノンジグリシジルエーテル
10〜25%、さらには15〜20%、レゾルシンジグ
リシジルエーテル10〜30%、さらには15〜20
%、3,3′,5,5′―テトラメチル−4,4′―ビ
フェノールジグリシジルエーテル40〜65%、さらに
は50〜60%の組み合わせ(混合物(イ))、ヒドロ
キノンジグリシジルエーテル5〜20%、さらには12
〜15%、2,5−ジ―tert―ブチルヒドロキノン
ジグリシジルエーテル10〜25%、さらには15〜2
0%、レゾルシンジグリシジルエーテル0〜10%、さ
らには5〜8%、ヒドロキノンジグリシジルエーテルと
ヒドロキノンの2:1(モル比)の反応物(エポキシ化
合物類(1)のなかのnが2の化合物)2〜15%、さ
らには5〜10%、3,3′,5,5′―テトラメチル
−4,4′―ビフェノールジグリシジルエーテル40〜
65%、さらには50〜60%の組み合わせ(混合物
(ロ))、レゾルシンジグリシジルエーテル5〜20
%、さらには10〜15%、フロログルシントリグリシ
ジルエーテル20〜50%、さらには35〜40%、
3,3′,5,5′―テトラメチル−4,4′―ビフェ
ノールジグリシジルエーテル30〜60%、さらには4
0〜55%の組み合わせ(混合物(ハ))などがあげら
れる。
【0081】混合物(イ)においては、ヒドロキノンジ
グリシジルエーテルおよびレゾルシンジグリシジルエー
テルそれぞれの割合が少なすぎるばあいには、充分低粘
度な液状樹脂組成物がえられにくくなり、またほかの結
晶性成分の再結晶化を充分抑制することが困難になり、
多すぎるばあいには、充分高耐熱性で低吸水性の硬化物
がえられにくくなり、また、これらの成分の再結晶化を
充分抑制することが困難になる傾向が生ずる。また、
2,5−ジ―tert―ブチルヒドロキノンジグリシジ
ルエーテルおよび3,3′,5,5′―テトラメチル−
4,4′―ビフェノールジグリシジルエーテルのそれぞ
れの割合が少なすぎるばあいには、充分高耐熱性で低吸
水性の硬化物がえられにくくなり、またほかの結晶性成
分の再結晶化を充分抑制することが困難になり、多すぎ
るばあいには、充分低粘度な液状樹脂組成物がえられに
くくなり、またこれらの成分の再結晶化を充分抑制する
ことが困難になる傾向が生ずる。
【0082】また、混合物(ロ)においては、前記反応
物の割合が少なすぎるばあいには、ヒドロキノンジグリ
シジルエーテルの再結晶化を充分抑制することが困難に
なり、多すぎるばあいには、充分低粘度な液状樹脂組成
物がえられにくくなる傾向が生じる。なお、ヒドロキノ
ンジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエー
テルおよび2,5−ジ―tert―ブチルヒドロキノン
ジグリシジルエーテル、3,3′,5,5′―テトラメ
チル−4,4′―ビフェノールジグリシジルエーテルの
使用割合については混合物(イ)と同様である。
【0083】さらに、混合物(ハ)においては、フロロ
グルシントリグリシジルエーテルの割合が少なすぎるば
あいには、液状樹脂組成物の低粘度化と硬化物の高耐熱
性化の効果を充分に発揮させることができず、多すぎる
ばあいには、硬化物の吸水率が高くなりやすくなる傾向
が生じる。なお、レゾルシンジグリシジルエーテル、
3,3′,5,5′―テトラメチル−4,4′―ビフェ
ノールジグリシジルエーテルの使用割合については混合
物(イ)、(ロ)と同様である。
【0084】つぎに、混合物(A)としてエポキシ化合
物類(1)のみから3種以上を選ぶばあいの好ましい組
み合わせを具体的に説明する。
【0085】混合物(A)の具体的な成分の組み合わせ
および混合割合としては、たとえば全エポキシ化合物中
に80%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましく
は100%含まれるように、2,5−ジ―tert―ブ
チルヒドロキノンジグリシジルエーテル10〜25%、
さらには15〜20%、レゾルシンジグリシジルエーテ
ル5〜20%、さらには10〜15%、ヒドロキノンジ
グリシジルエーテル5〜15%、さらには8〜10%、
フロログルシントリグリシジルエーテル20〜50%、
さらには35〜40%、2,5−ジ−イソプロピルヒド
ロキノンジグリシジルエーテル10〜25%、さらには
15〜20%の組み合わせ(混合物(ニ))などがあげ
られる。
【0086】混合物(ニ)においては、2,5−ジ―t
ert―ブチルヒドロキノンジグリシジルエーテルの割
合が少なすぎるばあいには、低Tgになり、多すぎるば
あいには高粘度になり結晶性が増大し、レゾルシンジグ
リシジルエーテルの割合が少なすぎるばあいには、高粘
度になり、多すぎるばあいには低Tgになり、ヒドロキ
ノンジグリシジルエーテルの割合が少なすぎるばあいに
は、高粘度になり、多すぎるばあいには結晶化が増大
し、フロログルシントリグリシジルエーテルの割合が少
なすぎるばあいには、低Tgになり、多すぎるばあいに
は高吸水率になり、2,5−ジ−イソプロピルヒドロキ
ノンジグリシジルエーテルの割合が少なすぎるばあいに
は、低Tgになり、多すぎるばあいには高粘度になり結
晶性が増大する傾向が生ずる。
【0087】本発明の液状樹脂組成物には、混合物
(A)とともに液状硬化剤(B)が含有される。
【0088】液状硬化剤(B)は、結晶性の高いエポキ
シ化合物を含む混合物(A)の溶剤としての機能も果た
すため、硬化剤自体の粘度が低いほど、またその配合量
が多くなるほど長期間液状にたもたれる安定な液状樹脂
組成物をうることができる点から好ましく、また液状樹
脂組成物の低粘度化の観点からも好ましい。
【0089】液状硬化剤(B)としては、従来公知の5
℃で液状の各種硬化剤が使用されうるが、たとえば液状
酸無水物系硬化剤、液状アミン系硬化剤、液状フェノー
ル系硬化剤などがあげられる。これらのなかでは、液状
酸無水物系硬化剤が低粘度化の点から好ましい。また、
酸無水物系硬化剤とエポキシ化合物の反応は比較的遅い
ため、適当な潜在性硬化剤を使用することで容易に一液
化できるという利点も有している。
【0090】なお、前記液状酸無水物系硬化剤は、一般
にほかの液状硬化剤に比べて低粘度であり、エポキシ基
1当量あたりに配合することのできる量も多いうえに、
ガラス転移温度の高い高耐熱性の硬化物をうることがで
きるため、液状エポキシ樹脂組成物の原料として広く使
用されている。
【0091】前記液状酸無水物系硬化剤のうち、高耐熱
性の硬化物がえられるものの具体例としては、たとえば
メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒド
ロフタル酸無水物、メチルハイミック酸無水物、トリア
ルキルテトラヒドロフタル酸無水物、ドデセニルコハク
酸無水物などがあげられる。これらは単独で用いてもよ
く2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0092】前記液状アミン系硬化剤は、通常は分子中
にアミノ基を2個以上有しており、活性水素当量が小さ
いため、エポキシ化合物と配合できる量は少ないのが一
般的である。そのため、なるべく結晶性が低い混合物
(A)、具体的には、たとえば2,5−ジ−tert−
ブチルヒドロキノンジグリシジルエーテル/3,3′,
5,5′−テトラメチル−4,4′−ビフェノールジグ
リシジルエーテル/ヒドロキノンジグリシジルエーテル
/レゾルシンジグリシジルエーテル/ビスフェノールA
ジグリシジルエーテル=15/50/10/15/10
などとともに使用するのが好ましい。前記液状アミン系
硬化剤を使用するばあい、液状酸無水物系硬化剤を使用
するばあいと比較して低粘度の液状樹脂組成物をうるこ
とは難しいが、本発明に用いられる混合物(A)ととも
に使用することにより、従来の液状アミン系硬化剤を使
用した液状樹脂組成物ではえられなかったレベルまで低
粘度化が可能になる。
【0093】前記液状アミン系硬化剤にはとくに限定は
ないが、耐熱性の高い硬化物を与えるものとして、たと
えば3,3′−ジエチル−4,4′−ジアミノジフェニ
ルメタン、1,3―ジアミノ−2,6―ジエチル−4−
メチルベンゼン、1,3―ジアミノ−4,6―ジエチル
−2−メチルベンゼンなどがあげられる。これらは単独
で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0094】前記液状フェノール系硬化剤は、前記液状
酸無水物系硬化剤と比較して高粘度のものが多く、エポ
キシ基1当量あたりに配合することができる量も少ない
ため、結晶性がなるべく低い混合物(A)と使用するこ
とが好ましい。具体的には、たとえば2,5−ジ−te
rt−ブチルヒドロキノンジグリシジルエーテル/3,
3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ビフェノー
ルジグリシジルエーテル/ヒドロキノンジグリシジルエ
ーテル/レゾルシンジグリシジルエーテル/ビスフェノ
ールAジグリシジルエーテル=15/50/10/15
/10などとともに使用するのが好ましい。前記液状ア
ミン系硬化剤のところで述べたのと同様に、液状酸無水
物系硬化剤を使用するばあいと比較して低粘度の液状樹
脂組成物をうることは難しいが、混合物(A)を使用す
ることにより、従来の液状フェノール系硬化剤を使用す
る液状樹脂組成物ではえられなかったレベルまで低粘度
化が可能になる。
【0095】前記液状フェノール系硬化剤にもとくに限
定はないが、低粘度なものとして、たとえばジアリルビ
スフェノールF、ジアリルジヒドロキシナフタレン、ア
リル化フェノールノボラック樹脂などのアリル化物など
があげられる。これらは単独で用いてもよく2種以上を
組み合わせて用いてもよい。
【0096】液状硬化剤(B)の配合量は、硬化剤とし
ての効果を発揮しうる量であればとくに限定はないが、
通常、混合物(A)のエポキシ基1当量あたり、液状酸
無水物系硬化剤のばあいには、酸無水物当量で0.5〜
1.5当量、さらには0.7〜1.1当量、液状アミン
系硬化剤のばあいには、活性水素当量で0.5〜1.5
当量、さらには0.7〜1.1当量、液状フェノール系
硬化剤のばあいには、水酸基当量で0.4〜1.2当
量、さらには0.5〜1.0当量の割合で使用されるの
が好ましい。液状硬化剤(B)の配合量が少なすぎるば
あいには、液状樹脂組成物の粘度が高くなったり、結晶
性のエポキシ化合物の再結晶がおこりやすくなったりす
る傾向が生じ、一方、多すぎるばあいには、硬化不良を
おこすなど硬化物本来の特性が発揮できなくなり、多量
に用いることによる有益な効果はえられなくなる傾向が
生じる。
【0097】本発明の液状樹脂組成物は、たとえば常温
で固体のエポキシ化合物類(1)および(または)エポ
キシ化合物類(2)をほかの液状成分に溶かして液状化
し、さらにほかの原材料を配合して製造することができ
る。その際、必要に応じて加熱・攪拌してもよい。加熱
温度は、固体のエポキシ化合物類(1)および(また
は)エポキシ化合物類(2)が溶解し、エポキシ基の自
己重合または高熱による分解反応がおこらず、粘度上昇
を伴わない範囲ならよい。通常は、室温から150℃く
らいの温度範囲で加熱して固体成分を溶解させることに
より製造される。
【0098】このようにして製造された本発明の液状樹
脂組成物は、たとえば液状酸無水物硬化剤を使用したば
あい、25℃における初期混合物粘度が200〜100
0cPで、20日以上、さらには60日以上の期間液状
で保持される。また、混合物(A)がナフタレン骨格を
有しないため低毒性であり、公衆衛生、安全性の確保の
点から好ましい。
【0099】本発明の液状樹脂組成物には、従来公知の
種々の硬化促進剤を使用してもよい。潜在性の硬化促進
剤を使用するばあいには、液状樹脂組成物の可使時間が
長くなり、一液化が可能になるというメリットがある。
【0100】前記硬化促進剤としてはFXE−1000
(富士化成工業(株)製)、UCat3502T、UC
at3503N(サンアプロ(株)製)などの尿素系硬
化促進剤、アミキュアMY24(味の素(株)製)など
のアミンアダクト系硬化剤、2−エチル−4−メチルイ
ミダゾール、2−メチルイミダゾールなどのイミダゾー
ル類、UCatSA102(サンアプロ(株)製)など
の脂肪族カルボン酸塩、TPP−K(北興化学工業
(株)製)などの有機リン系化合物などがあげられる
が、これらに限定されるものではない。
【0101】前記硬化促進剤の配合量は、用いられる硬
化促進剤の種類により異なるため一概に規定することは
できないが、通常混合物(A)100部に対して、1〜
8部、さらには1〜5部であるのが好ましい。前記硬化
促進剤の配合量が、混合物(A)100部に対して8部
をこえると、硬化物の架橋間分子量の低下や耐湿性の低
下などが生じることがあり、1部未満だと硬化促進剤を
使用する効果が充分えられなくなる傾向がある。
【0102】また、本発明の液状樹脂組成物には、従来
公知の種々の無機充填剤を配合してもよい。無機充填剤
の種類や配合量は用途や液状樹脂組成物の粘度に応じて
適宜選べばよい。
【0103】前記無機充填剤の具体例としては、たとえ
ば溶融シリカ粉末、石英ガラス粉末、結晶性シリカ粉
末、ガラス繊維、タルク、アルミナ粉末、ケイ酸カルシ
ウム粉末、炭酸カルシウム粉末、酸化アンチモン粉末、
硫酸バリウム粉末、酸チタン粉末、水酸化アルミニウム
粉末などがあげられるが、これらに限定されるものでは
ない。液状樹脂組成物の用途が電子・半導体分野である
ばあいには、高純度品がえられ、線膨張係数も小さい溶
融シリカ粉末や石英ガラス粉末などが適している。
【0104】さらに、本発明の液状樹脂組成物には、粘
度や吸水率、耐熱性に悪影響を与えない範囲で、各種カ
ップリング剤、消泡剤、低応力化剤、ゴム粒子、顔料な
ど、各種の添加剤を配合してもよい。
【0105】本発明の液状樹脂組成物の硬化物は、本発
明の液状樹脂組成物を熱硬化させることによりえられ
る。熱硬化させるばあいの条件は、液状樹脂組成物本来
の性能を発揮させることができる条件である限りとくに
限定はないが、硬化収縮を抑え、残留応力を小さくする
点から、数段回に分けて徐々に昇温するステップ硬化が
一般に採用されている。
【0106】液状酸無水物系硬化剤を使用するばあいの
硬化温度は、通常100〜200℃、さらには120〜
180℃、液状アミン系硬化剤を使用するばあいの硬化
温度は、通常80〜180℃、さらには100〜150
℃、液状フェノール系硬化剤を使用するばあいの硬化温
度は、通常120〜220℃、さらには140〜180
℃であるのが好ましい。
【0107】また、硬化時間は、いずれの硬化剤を用い
たばあいも通常30分〜10時間、さらには1〜5時間
であるのが好ましい。
【0108】ただし、これらの条件に限定されるもので
はない。
【0109】このようにしてえられる本発明の液状樹脂
組成物を熱硬化してえられる硬化物は、たとえば液状酸
無水物系硬化剤で硬化させたばあいには、ガラス転移温
度(DSC装置(示差走査熱量計)により比熱容量が変
化する点から測定した温度)が100℃以上、さらには
150℃以上で、吸水率(プレッシャークッカーテスト
(以下、PCTともいう)で120℃、2気圧の条件で
700時間処理したあとの値)が3.0%以下、さらに
は2.5%以下という優れた特性を示す。
【0110】本発明の液状樹脂組成物の好ましい態様と
しては、たとえば前記の混合物(イ)、混合物(ロ)ま
たは混合物(ハ)と前記各種液状酸無水物系硬化剤と
を、エポキシ基1当量あたり酸無水物を0.8〜1.0
当量の割合で混合し、120℃で攪拌溶解したのち冷却
して硬化促進剤、無機充填剤、カップリング剤などを添
加してミキサーで充分に混錬してえられた液状樹脂組成
物などがあげられる。
【0111】また、本発明の硬化物の好ましい態様とし
ては、前記好ましい態様の液状樹脂組成物を100℃に
て1時間、さらに150℃にて2時間、さらに180℃
にて2時間硬化させることによってえられた性能を有す
るものがあげられる。
【0112】
【実施例】つぎに、本発明を実施例に基づいてさらに詳
細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0113】なお、実施例で使用する原材料およびその
略号はつぎのとおりである。また、これらは全て指定化
学物質ではない。
【0114】YDC―1312:2,5−ジ―tert
―ブチルヒドロキノンジグリシジルエーテル(エポキシ
当量約176、東都化成(株)製) EX―201:レゾルシノールジグリシジルエーテル
(エポキシ当量約112、ナガセ化成(株)製) EX―203:ヒドロキノンジグリシジルエーテル(エ
ポキシ当量約114、ナガセ化成(株)製) N2HQ:EX―203の2molとヒドロキノン1m
olとの反応物(エポキシ当量約298) PGTE:フロログルシントリグリシジルエーテル(エ
ポキシ当量約100、ナガセ化成(株)製) IPHG:2,5−ジ−イソプロピルヒドロキノンジグ
リシジルエーテル(エポキシ当量約160、新日鐵化学
(株)製) YX4000:3,3′,5,5′―テトラメチル4,
4′―ビフェノールジグリシジルエーテル(エポキシ当
量約186、油化シェルエポキシ(株)製) Celloxide―2021P:脂環式エポキシ樹脂
(エポキシ当量約135、ダイセル化学工業(株)製) EPICLON830LVP:ビスフェノールF型エポ
キシ樹脂(エポキシ当量約162、大日本インキ化学工
業(株)製) HN5500:無水メチルヘキサヒドロフタル酸(酸無
水物当量約168、日立化成工業(株)製) 2E4MZ:2―エチル−4―メチルイミダゾール(四
国化成工業(株)製)
【0115】また、実施例および比較例における評価は
以下の方法で行なった。
【0116】(1)ポットライフ えられた液状樹脂組成物を5℃で所定の時間放置したの
ち、結晶が生じているか否かを調べた。240時間放置
しても結晶が生じなかったものを○、24時間放置後に
結晶が生じたものを×と判定した。
【0117】(2)初期粘度 えられた液状樹脂組成物の粘度(cP(センチポア
ズ))を25℃にてE型粘度計(東機産業(株)製)を
用いて測定した。
【0118】(3)ガラス転移温度(Tg) えられた液状樹脂組成物を100℃で1時間、さらに1
50℃で1時間、さらに180℃で1時間硬化させてえ
られた硬化物のガラス転移温度を、DSC装置(セイコ
ー電子(株)製)を使用して測定した。スキャンは16
℃/分の昇温条件で行ない、比熱容量が変化する点をガ
ラス転移温度とした。
【0119】(4)吸水率 えられた液状樹脂組成物2gを直径40mm、厚さ10
mmの円形コイン型の金型に注型し、100℃で1時
間、さらに150℃で1時間、さらに180℃で1時間
硬化させてえられた硬化物を、プレッシャークッカーテ
スト(PCT)にて120℃、2気圧、相対湿度100
%の条件下に700時間暴露して吸水させ、吸水率を
式: 吸水率(%)=(吸水後の重量 ― 初期重量)÷ 初期
重量 × 100により計算した。
【0120】実施例1〜4および比較例1〜3 表1に示す成分を表1に示す割合で配合し、液状エポキ
シ樹脂組成物をえた。えられた樹脂組成物のポットライ
フと初期粘度、およびえられた樹脂組成物からの硬化物
のガラス転移温度と吸水率を測定した。
【0121】結果を表1に示す。
【0122】
【表1】
【0123】
【発明の効果】本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、指
定化学物質を原材料に使用することなく、低粘度で、長
時間、液状を維持することができる組成物であり、その
硬化物は高耐熱性で低吸水性である。よって、高耐熱
性、低吸水性などが要求される多くの電気・電子部品の
注型材料などに、公衆衛生上の諸規制に制限されること
なく適用できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式(1): 【化1】 (式中、Gはグリシジル基、R1はグリシジルエーテル
    基、C1〜4の脂肪族基、C1〜4のアルコキシ基、水素原
    子またはハロゲン原子であって、各R1は同じであって
    も異なっていてもよい、nは0、1または2である)で
    表わされるエポキシ化合物および一般式(2): 【化2】 (式中、Gはグリシジル基、R2はC1〜4の脂肪族基、
    1〜4のアルコキシ基、水素原子またはハロゲン原子で
    あって、各R2は同じであっても異なっていてもよい)
    で表わされるエポキシ化合物よりなる群から選ばれた3
    種以上を含み、それらが全エポキシ化合物中に80重量
    %以上含有されるエポキシ化合物の混合物ならびに
    (B)液状硬化剤を含有する液状エポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の液状エポキシ樹脂組成物
    を熱硬化してえられた液状エポキシ樹脂組成物の硬化
    物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005097544A (ja) * 2003-08-20 2005-04-14 Tosoh Corp ディスプレイ用プラスチック基板および表示素子
JP2020041048A (ja) * 2018-09-10 2020-03-19 日立化成株式会社 エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物及び複合材料

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