JPH1129311A - コーティング被膜の製造方法及びリン酸カルシウム系被膜の製造方法 - Google Patents

コーティング被膜の製造方法及びリン酸カルシウム系被膜の製造方法

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JPH1129311A
JPH1129311A JP9199402A JP19940297A JPH1129311A JP H1129311 A JPH1129311 A JP H1129311A JP 9199402 A JP9199402 A JP 9199402A JP 19940297 A JP19940297 A JP 19940297A JP H1129311 A JPH1129311 A JP H1129311A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チタン等の易酸化性の金属であっても、酸化
することなく、また、緻密で、且つ良質なリン酸カルシ
ウム系等の被膜を製造する方法を提供する。 【解決手段】 有機金属化合物、リンを含む塩、カルシ
ウムを含む塩、キレート化剤及びキレート化合物等を、
蒸留水或いはメタノール、エタノール等の有機溶剤に溶
解し、均質、透明な溶液を得る。この溶液を10倍程度
に濃縮し、この濃縮液に、チタン、チタン合金、ステン
レス鋼等の金属又はアルミナ、ジルコニア等のセラミッ
クスからなる基材を浸漬する。その後、オゾンの存在
下、50〜500℃程度の温度で熱処理し、溶剤及び残
留カーボン等の残留有機物を除去し、その後、800℃
程度の温度で焼成して、基材表面にリン酸カルシウム系
等の被膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属化合物が溶解
された溶液を用い、特定の条件下、コーティング被膜を
製造する方法に関する。また、本発明は、特に、特定の
条件下、リン酸カルシウム系被膜を製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】セラミックス粉末及びガラス粉末等を金
属などの基材の表面に塗布し、コーティング被膜を形成
する方法が従来より知られている。また、近年では、低
温で、良質な被膜を形成することができるゾル−ゲル法
等の各種の手法が研究されている。このゾル−ゲル法で
は、比較的低温で操作されるため加熱による基材の熱劣
化や酸化劣化が抑えられ、薄く、且つ緻密なコ−ティン
グ被膜を得ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、金属、セラミ
ックス等の基材の表面に形成されるコ−ティング被膜中
に残留有機物が含まれると、その被膜自身が本来有する
電気的、磁気的、光学的特性などが阻害されるため、残
留有機物は除去される。除去の方法としては、空気或い
は酸素を流通させつつ燃焼させる方法が一般的である。
この方法によって残留有機物を除去する際に特に問題と
なるのは、緻密、且つ微細なゲル構造を有するコ−ティ
ング被膜の場合である。このような緻密、且つ微細な被
膜では、残留有機物を除去するためには、空気或いは酸
素を流通させつつ高温において長時間の熱処理をする必
要がある。
【0004】しかしながら、基材に酸化劣化され易い基
材を用いた場合には問題が生じる。高温で長時間の熱処
理により基材が酸化すると例えば、基材自身の強度が低
下したり、基材と被膜の密着強度が低下し、本来の目的
が達成されないため、基材の酸化劣化を抑える必要があ
る。この基材の酸化劣化の抑制と残留有機物の除去の両
立は非常に難しく、高温、長時間の熱処理では基材の劣
化を十分に抑えることができず、一方、窒素、アルゴン
等の不活性ガス雰囲気で熱処理した場合は、被膜中の残
留有機物を十分に除去することができない。本発明者ら
は、空気或いは酸素を流通させつつ、基材が劣化しない
程度の低温において熱処理を行った後、アルゴン雰囲気
下、高温で熱処理したみたが、残留有機物を十分に除去
することはできなかった。上記のように酸化し易い基材
の酸化劣化を抑え、且つ被膜中の残留有機物を十分に除
去することは非常に難しい。
【0005】一方、リン酸カルシウム系被膜の場合、通
常のアルコキシド法により得られる被膜は乾燥時、或い
は焼成時等の加熱による収縮によってクラックを生じ、
不均質な被膜となり易い。本発明者等は、エチレンジア
ミン四酢酸等のキレ−ト化剤を用いることによって、上
記の問題を解決することができ、低温において均質な水
酸アパタイト等の単相被膜が得られることを見いだし、
先に出願した(特開平8−91814号公報)。しか
し、この方法においても、基材がアルミナ、ジルコニア
等の酸化物セラミックスである場合は残留有機物の問題
はないが、チタン、チタン合金、ステンレス鋼等、易酸
化性のものでは酸化劣化の問題があるため大気中或いは
酸素中での熱処理を高温で行うことができないため、被
膜中の残留カ−ボン等、残留有機物の除去が不十分とな
り、被膜が着色するなどの問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1発明のコーティング
被膜の製造方法は、金属化合物が溶解された溶液を基材
に塗布し、コ−ティング被膜を製造する方法において、
オゾンの存在下、50〜500℃で熱処理する工程を備
えることを特徴とする。
【0007】また、第4発明のリン酸カルシウム系被膜
の製造方法は、カルシウムを含む塩と、リンを含む塩
と、カルシウムイオン及びリンイオンのうちの少なくと
も一方に配位可能なキレ−ト化剤とが溶解された溶液を
基材に塗布し、リン酸カルシウム系被膜を製造する方法
において、オゾンの存在下、50〜500℃で熱処理す
る工程を備えることを特徴とする。
【0008】更に、第6発明のリン酸カルシウム系被膜
の製造方法は、カルシウムを含むキレート化合物とリン
を含むキレート化合物、又はカルシウムを含むキレート
化合物とリンを含む塩、又はリンを含むキレート化合物
とカルシウムを含む塩、が溶解された溶液を基材に塗布
し、リン酸カルシウム系被膜を製造する方法において、
オゾンの存在下、50〜500℃で熱処理する工程を備
えることを特徴とする。これら第1、第4及び第6発明
の製造方法によれば、基材の酸化劣化が抑えられ、且つ
被膜中の残留有機物、特に残留カーボン等が除去された
コーティング被膜及びリン酸カルシウム系被膜を得るこ
とができる。
【0009】上記「金属化合物」は特に限定されず、金
属アルコキシド、金属アセチルアセテート等の有機金属
化合物及び各種の金属の無機塩を使用することができ
る。また、上記「溶液」は、この金属化合物が溶解され
た溶液であり、有機溶剤を溶媒とする溶液であってもよ
いし、水溶液であってもよい。この溶液としては、金属
イオンをキレート化剤で安定化させた溶液等、種々のも
のを用いることができる。
【0010】第4発明における上記「カルシウムを含む
塩」及び上記「リンを含む塩」としては、下記の各種の
無機塩及び有機塩を使用することができる。無機塩とし
ては、硝酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、塩素酸塩、
亜塩素酸塩、亜硝酸塩、亜硫酸塩等が挙げられる。ま
た、有機塩としては、酢酸塩、蓚酸塩、乳酸塩、酒石酸
塩、クエン酸塩、安息香酸塩、イソ酪酸塩、マレイン酸
塩等を用いることができる。
【0011】更に、カルシウムイオン及びリンイオンの
うちの少なくとも一方に配位可能な上記「キレ−ト化
剤」としては、カルシウムイオン、リンイオンに配位可
能なものであればいずれも使用することができる。例え
ば、ジメチルグリオキシム、ジチゾン、オキシン、アセ
チルアセトン、グリシン、アチレンジアミン四酢酸(以
下、「EDTA」という。)及びニトリロ三酢酸等が挙
げられる。このキレート化剤としては、溶解度が高く、
反応性に優れるEDTAが特に好ましい。
【0012】また、リン酸カルシウム化合物を生成させ
るための出発原料として、第4発明では、上記の各塩と
キレート化剤とを用いているが、第6発明に記載の出発
原料を使用することもできる。即ち、「カルシウムを含
むキレート化合物」と「リンを含むキレート化合物」、
又はカルシウムを含むキレート化合物とリンを含む塩、
又はリンを含むキレート化合物とカルシウムを含む塩、
を組み合わせた場合も、第4発明とまったく同様に均
質、透明な溶液が得られ、同様に緻密で、且つ良質なリ
ン酸カルシウム系被膜を形成することができる。尚、こ
れら第4及び第6発明においても、溶液は、有機溶剤を
溶媒とする溶液であってもよいし、水溶液であってもよ
い。
【0013】有機溶剤としては、各成分が容易に溶解す
るものであれば用いることができる。例えば、メタノー
ル、エタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエ
チルケトン等のケトン類などが挙げられ、特にアルコー
ル類が好ましい。これら有機溶剤は表面張力が小さく、
金属、セラミックス等の基材に濡れ易い。そのため、基
材に塗布した場合に、特に、表面の凹凸が激しい基材で
あっても、均一な厚さの被膜が得られる。また、一般に
沸点が低く、基材に塗布した後、加熱、乾燥することに
より、容易に気化させて除去することができる。
【0014】更に、溶媒として水を使用した場合も、有
機溶剤の場合と同様に、有機金属化合物は容易に溶解
し、キレート化も容易になされ、安定なキレート化合物
が生成する。また、出発原料として使用するキレート化
合物も有機溶剤の場合と同様に速やかに溶解する。
【0015】第4及び第6発明において、溶液中のカル
シウムとリンとの原子比(Ca/P)は、1.40〜
1.75とすることが好ましい。原子比をこの範囲とし
て、所定の熱処理をし、焼成をすれば水酸アパタイト
(HAp;Ca/P=1.67)が得られ、リンの量比
が高い場合は第三リン酸カルシウム(TCP;Ca/P
=1.50)が生成する。このカルシウムとリンとの原
子比は、出発原料のCa/P比によって容易に制御する
ことができ、HApとTCPとの混合相とすることもで
きる。
【0016】また、溶液中のカルシウムとリンとの合計
モル濃度は0.25モル/リットル以下とすることが好
ましい。このモル濃度が0.25モル/リットルを越え
ると、調製時には透明な溶液となるものの、濃縮した場
合に結晶が析出したり、表面が白濁したりすることがあ
る。これは熱処理工程及び焼成工程における不純物生成
の原因となるため好ましくない。このような現象は上記
のモル濃度が0.25モル/リットル以下であれば生ず
ることはない。第4及び第6発明では、このカルシウム
とリンとの合計モル濃度はさらに低濃度であってもよ
く、例えば、0.05モル/リットル程度でも実用上は
特に問題ない。
【0017】尚、上記の溶液のpHを4以上に保持する
ことが好ましい。pHが4以上であれば安定な溶液状態
が維持される。しかし、pHが4未満になると溶液から
結晶が析出することがある。この析出する結晶はEDT
Aであるが、pHが低い場合は錯体の安定度が低下する
ため析出するものと考えられる。溶液のpHはアルカリ
性側へはアンモニア水、酸性側へは塩酸を加えることに
より容易に調整することができる。
【0018】第1発明において2種以上の有機金属化合
物を使用する場合、及び第4及び第6発明において、各
成分を有機溶剤或いは水に添加する順序は特に限定され
ない。どのような添加順序であっても、有機金属化合物
は容易に溶解し、キレート化は容易になされ、また、キ
レート化合物は速やかに溶解する。そして、カルシウム
分等の沈殿のまったくない、均質、透明な溶液となる。
この溶液を金属、セラミックス等の基材に塗布し、熱処
理することにより、コーティング被膜又はリン酸カルシ
ウム系被膜を形成することができる。
【0019】基材に対する溶液の「塗布」は、流延、噴
霧、ディッピング、スピニング、刷毛塗り等、公知の方
法によって実施することができる。尚、得られる溶液を
そのまま塗布してもよいが、数倍、例えば5〜15倍程
度に濃縮した液を塗布することもできる。このような濃
縮液を用いれば、被膜は厚くなり、また、緻密になる。
この濃縮は、100〜150℃で加熱し、又は40〜9
0℃の比較的低温において減圧下に加熱し、溶剤を徐々
に除去することにより行うことができる。このようにし
て濃縮すれば、溶液に沈殿を生ずることはなく、粘度が
上昇して、やや粘稠な透明な溶液が得られる。
【0020】本発明は、溶液を基材に塗布した後、「オ
ゾンの存在下」、「50〜500℃」で「熱処理」する
ことを最も大きな特徴とする。この熱処理の温度が50
℃未満では残留有機物が十分に分解、除去されず、50
0℃を越える場合も、残留有機物が十分に除去されな
い。この熱処理の温度は更に好ましくは100〜350
℃、特に150〜350℃の範囲が好ましく、熱処理の
時間は特に限定されないが、例えば30秒〜30分、特
に30秒〜15分、とすることが好ましい。また、この
オゾンの存在下でのオゾン濃度は1000ppm以上、
特に5000ppm以上が好ましい。
【0021】上記の熱処理によって所定のコーティング
被膜又はリン酸カルシウム系被膜を形成することができ
る。しかし、より緻密な被膜を得るためには、熱処理の
後、第2及び第7発明のように、「不活性雰囲気中」、
「600〜900℃」で「焼成」することが好ましい。
この焼成の温度はコーティング被膜の性状により決定さ
れるが、前記リン酸カルシウム系被膜の場合には700
〜900℃の範囲が好ましく、焼成の時間は特に限定さ
れないが、2〜30分、特に10〜20分が好ましい。
この焼成温度及び焼成時間とすれば、緻密で良質な被膜
を得ることができる。尚、不活性雰囲気とは、窒素、ヘ
リウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラ
ドン等、不活性ガスからなる雰囲気をいうが、入手のし
易さ、コストなどの点から窒素又はアルゴンが好まし
い。但し、チタンを基材とする場合は、窒素雰囲気中で
は窒化チタンが生成するため、アルゴン雰囲気中で焼成
することがより好ましい。
【0022】第1、第4及び第6発明において、上記
「基材」としては、金属、セラミックス等、熱処理或い
は焼成時の加熱に耐えられるものであれば使用すること
ができる。本発明では、特に、第3及び第8発明のよう
に、易酸化性基材であっても、これを酸化劣化させるこ
となく被膜を形成することができる。この易酸化性基材
であっても、何ら問題なく適用することができるとの利
点は、特に、リン酸カルシウム系被膜の場合において有
用である。
【0023】アルミナ、ジルコニア等のセラミックスを
基材とする場合、EDTA等のキレート化剤を用いて
も、基材の劣化や着色等の問題のないリン酸カルシウム
系被膜が得られる。しかし、チタン、チタン合金、ステ
ンレス鋼等の酸化劣化し易い基材を用いた場合において
は、この劣化を抑えるために熱処理温度を低くすれば、
残留有機物が十分に除去されず、被膜が着色し、本来の
高純度のリン酸カルシウム系被膜が得られないとの問題
を生ずることは前記の通りである。本発明では、この熱
処理をオゾンの存在下に行うことにより、被膜中の残留
有機物を低温でも十分に除去することができ、且つ基材
の酸化劣化を生ずることもなく、緻密、且つ良質なリン
酸カルシウム系被膜を形成することができる。
【0024】従って、アルミナ、ジルコニア、炭化珪
素、窒化珪素等のセラミックスばかりでなく、第8発明
のように、基材が、チタン、チタン合金、ステンレス鋼
等の鉄、銅などの易酸化性基材であっても、何ら問題な
くリン酸カルシウム系被膜を形成することができる。特
に、チタン、チタン合金等からなる、生体に対する毒性
がなく、耐腐食性に優れ、且つ強度の大きい基材に、生
体活性に優れるリン酸カルシウム系被膜を形成すること
により、生体活性に優れ、強度の大きい生体硬組織代替
部材を得ることができる。
【0025】厚い被膜を得るためには、溶液の塗布及び
熱処理の操作を数回繰り返し、その後、焼成を実施する
ことにより、所定厚さの被膜とすることができる。
【0026】
【作用】酸素存在下での熱処理による燃焼除去では効果
が不十分であることから、オゾンと有機膜の単なる熱的
効果ではなく、化学的、熱的な反応によるものと推察さ
れる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、実施例によって本発明を詳
しく説明する。 実施例1 蒸留水1リットルに、硝酸カルシウムを3.125×1
-2モル溶解した。この水溶液にEDTAを等モル量加
え、30分攪拌した。この反応液にリン酸アンモニウム
を1.875×10-2モル加え、透明な溶液となるまで
攪拌した。その後、120℃にまで昇温させて水を徐々
に除去し、10倍に濃縮した後、pHを4.4に調整し
た。
【0028】この濃縮液をチタンの平板からなる基材に
ディッピングにより塗布した。次いで、この基材を20
0℃で加熱しながらオゾンを1万ppmの濃度下で流通
させ、10分間熱処理した。その後、オゾンの流通を停
止し、恒温槽内を大気雰囲気とし、5℃/分の速度で5
50℃まで昇温させ、再び10分間熱処理した。形成さ
れた被膜は白色を呈していた。この塗布と熱処理とを繰
り返し所定の厚さの被膜とした後、アルゴン雰囲気下、
800℃で10分間焼成し、被膜の緻密度を高めた。焼
成後の被膜は厚さが約1μmで透明な白色を呈してい
た。X線回折法によって構成結晶相の同定を行ったとこ
ろ、この被膜はHAp単相であることが確認された。
【0029】実施例2 硝酸カルシウムを3.00×10-2モルとし、リン酸ア
ンモニウムを2.00×10-2モルとした他は、実施例
1と同様にして被膜を形成した。焼成後の被膜は厚さが
約1μmで透明な白色を呈していた。また、X線回折法
によって構成結晶相の同定を行ったところ、この被膜は
TCP単相であることが確認された。
【0030】実施例3 リン酸アンモニウム2.00×10-2モルに代えて、硝
酸ジルコニウム3.00×10-2モルとした他は、実施
例2と同様にして被膜を形成した。焼成後の被膜は厚さ
が約1μmで透明な白色を呈していた。また、X線回折
法によって構成結晶相の同定を行ったところ、この被膜
はジルコン酸カルシウム単相であることが確認された。 実施例4 オゾンの存在下の熱処理温度を100℃とした以外は実
施例1と同様にして被膜を形成した。焼成後の被膜は厚
さが約1μmで透明な白色を呈していた。また、X線回
折法によって構成結晶相の同定を行ったところ、この被
膜はHAp単相であることが確認された。
【0031】実施例5 オゾンの存在下の熱処理温度を400℃とした以外は実
施例1と同様にして被膜を形成した。焼成後の被膜は厚
さが約1μmで透明な白色を呈していた。また、X線回
折法によって構成結晶相の同定を行ったところ、この被
膜はHAp単相であることが確認された。 実施例6 基材をTi6A14Vとした以外は実施例1と同様にし
て被膜を形成した。焼成後の被膜は厚さが約1μmで透
明な白色を呈していた。また、X線回折法によって構成
結晶相の同定を行ったところ、この被膜はHAp単相で
あることが確認された。
【0032】実施例7 基材をステンレス鋼とした以外は実施例1と同様にして
被膜を形成した。焼成後の被膜は厚さが約1μmで透明
な白色を呈していた。また、X線回折法によって構成結
晶相の同定を行ったところ、この被膜はHAp単相であ
ることが確認された。 実施例8 チタンの平板からなる基材を、透明な石英ガラスの平板
からなる基材とした他は、実施例1と同様にして被膜を
形成した。焼成後の被膜は厚さが約1μmで透明な白色
を呈していた。また、X線回折法によって構成結晶相の
同定を行ったところ、この被膜はHAp単相であること
が確認された。尚、この実施例8では、基材が透明であ
るため、チタンの平板からなる基材の影響が考えられる
実施例1に比べて、被膜が残留有機物による着色がない
ことを、より確実に確認することができた。
【0033】比較例1 オゾンの存在下の熱処理温度を600℃とした以外は実
施例1と同様にして被膜を形成した。焼成後の被膜は厚
さが約1μmであった。また、この比較例1では、被膜
中の残留有機物が十分に除去されないため、被膜は褐色
を呈していた。 比較例2 オゾンの存在下での熱処理を行わなかった以外は実施例
1と同様にして被膜を形成した。焼成後の被膜は厚さが
約1μmであり、褐色を呈していた。その後、基材を2
00℃で加熱しながら、オゾンを1万ppmの濃度で流
通させ、30分間熱処理したが、被膜は褐色のままであ
った。
【0034】比較例3 基材を透明な石英ガラスの平板からなるものとし、オゾ
ンの存在下の熱処理温度を600℃とした以外は実施例
2と同様にして被膜を形成した。焼成後の被膜は厚さが
約1μmであった。また、この比較例3では、被膜中の
残留有機物が十分に除去されないため、被膜は褐色を呈
していた。 比較例4 オゾンの存在下での熱処理を行わず、また、恒温槽中に
純酸素を8ミリリットル/分の流速で流通させ、5℃/
分の速度で550℃まで昇温させ、10分間熱処理した
他は実施例1と同様にして被膜を形成した。この被膜は
褐色を呈していた。また、焼成後の被膜は厚さが約1μ
mであり、焼成前の被膜と同様に褐色を呈していた。
【0035】比較例5 オゾンの存在下での熱処理を行わず、また、恒温槽中に
水にバブリングさせた空気を8ミリリットル/分の流速
で流通させ、5℃/分の速度で550℃まで昇温させ、
10分間熱処理した他は実施例1と同様にして被膜を形
成した。この被膜は褐色を呈していた。また、焼成後の
被膜は厚さが約1μmであり、焼成前の被膜と同様に褐
色を呈していた。
【0036】
【発明の効果】第1発明のコーティング被膜の製造方法
によれば、チタン、チタン合金等の酸化し易い基材であ
っても、その酸化が抑えられ、且つ電気的、磁気的及び
光学的特性等、被膜が本来有する特性を低下させる残留
有機物等が十分に除去されたコーティング被膜を容易に
製造することができる。また、被膜の美観も何ら損なわ
れることはない。これらは、電気的、磁気的、光学的特
性を要求される用途等において有用である。更に、第4
及び第6発明のリン酸カルシウム系被膜の製造方法によ
れば、特に、均質で緻密で白色の、且つ生体活性に優れ
る被膜を容易に製造することができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属化合物が溶解された溶液を基材に塗
    布し、コ−ティング被膜を製造する方法において、オゾ
    ンの存在下、50〜500℃で熱処理する工程を備える
    ことを特徴とするコ−ティング被膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記熱処理する工程の後に、不活性雰囲
    気中、600〜900℃で焼成する工程を備える請求項
    1記載のコ−ティング被膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記基材が易酸化性である請求項1又は
    2記載のコ−ティング被膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 カルシウムを含む塩と、リンを含む塩
    と、カルシウムイオン及びリンイオンのうちの少なくと
    も一方に配位可能なキレ−ト化剤とが溶解された溶液を
    基材に塗布し、リン酸カルシウム系被膜を製造する方法
    において、オゾンの存在下、50〜500℃で熱処理す
    る工程を備えることを特徴とするリン酸カルシウム系被
    膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記キレ−ト化剤がエチレンジアミン四
    酢酸である請求項4記載のリン酸カルシウム系被膜の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 カルシウムを含むキレート化合物とリン
    を含むキレート化合物、又はカルシウムを含むキレート
    化合物とリンを含む塩、又はリンを含むキレート化合物
    とカルシウムを含む塩、が溶解された溶液を基材に塗布
    し、リン酸カルシウム系被膜を製造する方法において、
    オゾンの存在下、50〜500℃で熱処理する工程を備
    えることを特徴とするリン酸カルシウム系被膜の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 上記熱処理する工程の後に、不活性雰囲
    気中、600〜900℃で焼成する工程を備える請求項
    4乃至6のいずれか1項に記載のリン酸カルシウム系被
    膜の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記基材が易酸化性である請求項4乃至
    7のいずれか1項に記載のリン酸カルシウム系被膜の製
    造方法。
JP19940297A 1997-07-08 1997-07-08 リン酸カルシウム系被膜の製造方法 Expired - Fee Related JP3846817B2 (ja)

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JP2010202475A (ja) * 2009-03-05 2010-09-16 Tftech:Kk 3次元の空隙形状を有する構造体上にリン酸カルシウム化合物を被覆する処理方法と該構造体の製造方法
JP2011504454A (ja) * 2007-11-26 2011-02-10 プロミミック・アクチボラゲット 二官能性の前駆体を用いる、粉末形状またはコーティング形状のナノサイズリン酸カルシウム粒子の生産
JP2015025209A (ja) * 2014-10-06 2015-02-05 株式会社イーエスティージャパン 金属の腐食阻害方法

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