JPH11293420A - 鉄系軟磁性焼結体、およびその製造方法 - Google Patents

鉄系軟磁性焼結体、およびその製造方法

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JPH11293420A
JPH11293420A JP10112720A JP11272098A JPH11293420A JP H11293420 A JPH11293420 A JP H11293420A JP 10112720 A JP10112720 A JP 10112720A JP 11272098 A JP11272098 A JP 11272098A JP H11293420 A JPH11293420 A JP H11293420A
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Norishige Yamaguchi
紀繁 山口
Eiichi Kosugi
栄一 小杉
Hidetomo Hattori
秀智 服部
Keisuke Itakura
圭助 板倉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポアの形成を抑制し、切削工具の長寿命化を
図ると共に、保磁力Hc ≦5.0Oe、かつ25Oeにおけ
る磁束密度B25≧10.0kGの磁気特性を満足しうる鉄
系軟磁性焼結体を実現する。 【解決手段】 鉄系金属粉末と、ガラス粉末とを混合
し、焼成して得られる鉄系軟磁性焼結体であって、前記
ガラス粉末の組成は、酸化ナトリウムをNa2O換算
で:0.03〜10wt%、酸化アルミニウムをAl23
換算で:3〜10wt%、酸化ケイ素をSiO2 換算
で:9〜60wt%、酸化カルシウムをCaO換算で:
0.005〜15wt%、酸化バリウムをBaO換算で:
0.1〜30wt%、酸化亜鉛をZnO換算で:0〜65
wt%であり、これを0.3〜2.0wt%含有する鉄系軟
磁性焼結体とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スピンドルモー
タ、VCMヨーク等、加工精度と、高磁束密度、低保磁
力等といった磁気特性とを要求される鉄系軟磁性焼結体
およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄系軟磁性焼結体の製造方法の一つとし
て、粉末冶金法が挙げられる。この粉末冶金法は、原料
の混合、成形および焼成工程を経て行なわれる。
【0003】このような粉末冶金法による鉄系軟磁性焼
結体部品の製造は、従来の板材を切り出しての製造よ
り、切削量が少なく、複雑形状のものを製造でき、コス
ト的にも有利であることから、現在、OA機器、モー
タ、自動車部品などに使用されつつある。
【0004】鉄系軟磁性焼結体によりスピンドルモー
タ、VCMヨーク等といった極めて高い精度を要求され
る部品を製造する場合、所定の形状に成形し、焼結した
ものを加工した後、さらに切削加工することにより所望
の形状を得ている。切削加工を行う場合、特に量産工程
において切削工具の摩耗や、消耗が問題となる。切削工
具の寿命を律する要因として、鉄系軟磁性焼結体の表面
に形成される酸化膜や、鉄系軟磁性焼結体の内部に形成
されるポア(空孔)等が挙げられる。特に内部に形成さ
れたポアは、熱伝導性を阻害して工具の温度を上昇させ
たり、切削加工中に工具に対して繰り返し微細な衝撃を
与えることとなり、工具が摩耗しやすく、寿命を短くす
る要因となっていた。
【0005】特公平8−26441号公報には、切削工
具の寿命を延ばすことを目的として、金属粉末に、平均
粒径40〜100μm のガラス、このガラスと窒化ホウ
素、ガラスとタルク、ガラスと窒化ホウ素とタルクから
なる非金属粉末のいずれかを10体積%以下添加し、混
合し、この混合粉を焼結させたことを特徴とする鉄系軟
磁性焼結体が記載されている。なお、添加するガラスの
密度や添加量の記載はあるが、その具体的な組成につい
ての記載は見られない。
【0006】しかし、上記非金属粉末を添加した鉄系軟
磁性焼結体は、保磁力Hc ≦5.0Oe、かつ25Oeでの
磁束密度B25≧10.0kGの磁気特性を満足するものは
得られていない。また、平均粒径40〜100μm のガ
ラスを添加した鉄系軟磁性焼結体は、焼成時にガラス成
分が溶融し、その部分に大きなポアが残存してしまう。
これは、切削加工時に切削工具に大きな衝撃を与えると
共に、メッキ密着性等を低下させ、製品の信頼性を損ね
る要因にもなる。さらに、窒化ホウ素を添加した鉄系軟
磁性焼結体は、焼結時に窒化ホウ素が分解し、特に肉厚
部で膨れを生じて焼結不良を生じたり、ポアを形成した
りする場合がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポア
の形成を抑制し、切削工具の長寿命化を図ると共に、保
磁力Hc ≦5.0Oe、かつ25Oeでの磁束密度B25≧1
0.0kGの磁気特性を満足しうる鉄系軟磁性焼結体を実
現することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(7)の本発明により達成される。 (1) 鉄系金属粉末と、ガラス粉末とを混合し、焼成
して得られる鉄系軟磁性焼結体であって、前記ガラス粉
末の組成は、 酸化ナトリウムをNa2O換算で : 0.03〜10wt%、 酸化アルミニウムをAl23 換算で: 3〜10wt%、 酸化ケイ素をSiO2 換算で : 9〜60wt%、 酸化カルシウムをCaO換算で :0.005〜15wt%、 酸化バリウムをBaO換算で : 0.1〜30wt%、 酸化亜鉛をZnO換算で : 0〜65wt% であり、これを0.3〜2.0wt%含有する鉄系軟磁性
焼結体。 (2) 前記鉄系金属粉末は、化学組成が、Si:1〜
4wt%を含むFe−Si系、P:0.3〜1.5wt%を
含むFe−P系、Cr:10〜20wt%を含むFe−C
r系、Co:25〜60wt%を含むFe−Co系、C
o:25〜60wt%およびV:0.5〜5wt%を含むF
e−Co−V系、Ni:40〜90wt%残部Fe、また
はNi:70〜85wt%およびMo:0.5〜5wt%を
含むFe−Ni−Mo系、および純Feのいずれかであ
る上記(1)の鉄系軟磁性焼結体。 (3) 保磁力Hc ≦5.0Oe、かつ25Oeでの磁束密
度B25≧10.0kGである磁気特性を有する上記(1)
または(2)の鉄系軟磁性焼結体。 (4) 鉄系金属粉末と、ガラス粉末とを混合し、圧縮
成型した後、不活性ないし還元性雰囲気中で焼成して鉄
系軟磁性焼結体を得る鉄系軟磁性焼結体の製造方法であ
って、前記ガラス粉末の組成は、 酸化ナトリウムをNa2O換算で : 0.03〜10wt%、 酸化アルミニウムをAl23 換算で: 3〜10wt%、 酸化ケイ素をSiO2 換算で : 9〜60wt%、 酸化カルシウムをCaO換算で :0.005〜15wt%、 酸化バリウムをBaO換算で : 0.1〜30wt%、 酸化亜鉛をZnO換算で : 0〜65wt% であり、これをその含有量が0.3〜2.0wt%となる
よう添加する鉄系軟磁性焼結体の製造方法。 (5) 前記鉄系金属粉末は、化学組成が、Si:1〜
4wt%を含むFe−Si系、P:0.3〜1.5wt%を
含むFe−P系、Cr:10〜20wt%を含むFe−C
r系、Co:25〜60wt%を含むFe−Co系、C
o:25〜60wt%およびV:0.5〜5wt%を含むF
e−Co−V系、Ni:40〜90wt%残部Fe、また
はNi:70〜85wt%およびMo:0.5〜5wt%を
含むFe−Ni−Mo系、および純Feのいずれかであ
る上記(4)の鉄系軟磁性焼結体の製造方法。 (6) 前記ガラス粉末は、添加時の平均粒径が2〜2
0μm である上記(4)または(5)の鉄系軟磁性焼結
体の製造方法。 (7) 前記鉄系金属粉末は、添加時の平均粒径が50
〜120μm である上記(4)〜(6)のいずれかの鉄
系軟磁性焼結体の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的構成につい
て詳細に説明する。本発明の鉄系軟磁性焼結体は、鉄系
金属粉末と、ガラス粉末とを混合し、焼成して得られる
鉄系軟磁性焼結体であって、前記ガラス粉末の組成は、 酸化ナトリウムをNa2O換算で : 0.03〜10wt%、 酸化アルミニウムをAl23 換算で: 3〜10wt%、 酸化ケイ素をSiO2 換算で : 9〜60wt%、 酸化カルシウムをCaO換算で :0.005〜15wt%、 酸化バリウムをBaO換算で : 0.1〜30wt%、 酸化亜鉛をZnO換算で : 0〜65wt% であり、その含有量が0.3〜2.0wt%である。
【0010】ガラスを添加し、好ましくはその平均粒径
を一定範囲のものとすることにより、ポアの形成が抑制
され、切削工具の寿命を延ばすことができる。ガラスの
含有量は、0.3〜2.0wt%、好ましくは0.5〜
0.7wt%である。ガラスの添加量が少なすぎると工具
の摩耗が増加し、ガラスの添加量が多すぎると焼結密度
が下がり、磁気特性を悪化させる。
【0011】ガラスの組成としては、酸化ナトリウム、
酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化カルシウム、酸化
バリウム、酸化亜鉛を下記の酸化物換算で、 Na2O : 0.03〜10wt%、 Al23 :3〜10wt%、 SiO2 :9〜60wt%、好ましくは10〜60wt
%、 CaO :0.005〜15wt%、好ましくは0.0
2〜15wt%、 BaO :0.1〜30wt%、好ましくは5〜30wt
%、 ZnO :0〜65wt%、好ましくは0〜60wt%、
より好ましくは0〜20wt%である。これらの中でZn
Oは添加しない方が好ましいが、本発明のガラス組成の
範囲内であれば添加されていてもよい。なお、これらの
酸化物は通常化学量論組成で存在するが、これから多少
偏倚していてもよい。
【0012】添加される際のガラスの粒径としては、平
均粒径が好ましくは2〜20μm 、より好ましくは4〜
10μm である。ガラスの粒径が大きすぎると焼成時に
ポアが生じやすくなる。また、ガラスの粒径が小さすぎ
ても凝集してしまい、結果として粒径が大きい場合と同
様にポアが生じやすくなる。
【0013】鉄系金属粉末としては、化学組成が、S
i:1〜4wt%を含むFe−Si系、P:0.3〜1.
5wt%、好ましくは0.4〜1.0wt%を含むFe−P
系、Cr:10〜20wt%を含むFe−Cr系、Co:
25〜60wt%を含むFe−Co系、Co:25〜60
wt%およびV:0.5〜5wt%を含むFe−Co−V
系、Ni:40〜90wt%残部Fe、またはNi:70
〜85wt%およびMo:0.5〜5wt%を含むFe−N
i−Mo系、純Feのいずれかである。これら各組成の
鉄系金属粉末であれば、いずれのものでも本発明のガラ
ス含有組成とすることで、以下に記載するような効果を
得ることができるが、特にFe−P系が安価に入手でき
好ましい。
【0014】本発明の鉄系軟磁性焼結体は、上記鉄系金
属粉末と、上記ガラス粉末とを混合し、圧縮成型した
後、不活性ないし還元性雰囲気中で焼成して得ることが
できる。以下にその製造方法について詳細に説明する。
【0015】製造を行なうにあたっては、先ず原料粉末
である鉄系金属粉末、例えば純Fe粉末や、フェロシリ
コン、フェロリン、フェロクロム、フェロコバルト、フ
ェロバナジウム、フェロニッケル、フェロモリブデン等
のフェロアロイである合金粉末を用いることができる。
【0016】また、この他、上記化学組成の合金、例え
ばアトマイズ合金粉末等を用いることができる。ただ
し、処理が効率よく行なえ、安価な原料であるフェロア
ロイを用いることが望ましい。
【0017】鉄系原料粉末の平均粒径は、通常、10〜
150μm 程度のものを用いる。この鉄系原料粉末に、
上記ガラス組成であって、好ましくは上記粒径のガラス
粉末を添加し、攪拌・混合する。混合には、例えば、V
型ミキサーを用いて、大気中において、回転数10〜5
0 rpmで15〜60分間といった条件で行なわれる。上
記V型ミキサーの他、乾式振動ミル、乾式アトライタ、
乾式ボールミル等を用いることができる。
【0018】混合の際、固体潤滑剤を原料に対して、
0.1〜5wt%、特に0.1〜3wt%、さらには0.3
〜2wt%添加することが望ましい。固体潤滑剤の添加量
が上記範囲より少ないと、成形が困難になり、良好な成
形体が得難くなる。また、多すぎると脱バインダ不良
(ふくれ等)が発生し易く、焼結密度が低下してくる。
【0019】固体潤滑剤としては、ステアリン酸および
その塩、その誘導体、あるいはワックス等を用いること
ができる。ステアリン酸塩としては、例えばステアリン
酸亜鉛が挙げられる。ステアリン酸の誘導体としては、
ステアリン酸アミンあるいはアミド等が挙げられる。ワ
ックスとしては、例えば市販のSN ワックス(サンノ
プコ製 商品名)等を用いることができる。
【0020】混合された原料粉末を用い、所望形状に成
形が行なわれる。成形圧は650〜780MPa 程度が好
ましい。
【0021】成形体は以下のようにして焼成される。本
発明における焼成は、脱バインダ処理工程、および焼成
工程からなる。本発明においては、上記各工程の温度条
件等は、次のように設定されることが望ましい。
【0022】脱バインダ処理工程 昇温速度:50〜500℃/時間、 保持温度:400〜600℃、 保持時間:0.5〜3時間、
【0023】焼成工程 昇温速度:100〜600℃/時間、 保持温度:1200〜1300℃ 保持時間:0.5〜10時間、 冷却速度:200〜600℃/時間、
【0024】好ましくは、焼成工程における雰囲気を、
還元性雰囲気とし、通常その他の期間における雰囲気を
不活性雰囲気とする。
【0025】還元性雰囲気としては、例えば1%以上の
2 ガスを含む雰囲気、あるいは10%以上のH2 ガス
を含むNH3 分解ガス等を用いることができる。H2
ス100%の雰囲気であってもよい。H2 ガスの割合が
高いほど、脱炭素の効果が顕著になる。
【0026】不活性雰囲気としては、例えばN2 ガス、
Arガス、真空を用いることができ、酸素分圧は1Pa以
下とする。
【0027】得られた焼結体の磁気特性は、保磁力Hc
が、好ましくは 5.0Oe以下、より好ましくは2.0O
e以下である。その下限としては特に規制されるもので
はないが、通常、0.8Oe程度である。また、25Oeで
の磁束密度B25は、好ましくは10.0kG以上、より好
ましくは15.0kG以上である。その上限としては特に
規制されるものではないが、通常、16kG程度である。
保磁力、磁束密度とも上記範囲内であることが好まし
い。このような磁気特性を備えることにより、磁気シー
ルド効果が高まり、例えば、モータのロータ部の肉厚を
1/2以下とすることもできる。また、モータのロータ
部等の軽量化によりモータの負担が減少し、モータ自体
を小型にすることができ、装置全体をより小型化、軽量
化することができる。また、モータの駆動電流を減少さ
せることができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。 <Fe−0.6P系>原料として、アトマイズ鉄粉(粒
径20〜180μm )に、P:0.6wt%となるように
混合した混合粉を用いた。この混合粉の化学組成を表1
に示す。
【0029】
【表1】
【0030】この混合粉に、下記表2、表3に示すガラ
スA,B,C,Dを、それぞれ所定量添加し、さらに固
体潤滑剤として、ステアリン酸亜鉛0.5wt%を加え、
V型ミキサーで十分に均一に混合させた後、成形圧約6
90MPa で、圧縮成形を行った。また、比較サンプルと
して、ガラスを添加しないサンプルを作製した。
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】次いで、この成形体を、600℃の窒素雰
囲気トンネル炉中を2時間かけて通過させ、脱バインダ
処理した後、水素・窒素混合ガス雰囲気のトンネル炉を
最高温度設定1300℃の箇所を2時間かけて通過し、
相対焼結密度96%以上の焼結体を得た。この焼結体サ
ンプルは、図1に示すように、外形a=23.5mm、内
径b=11.0mm、長さc=約19mmの円筒状の焼結体
である。また、比較サンプルとして、ガラスを添加しな
いサンプルを作製した。
【0034】得られた焼結体を、アルキメデス法による
焼結密度、および磁気測定器により磁気特性を測定し
た。ガラスおよびその添加量(図中カッコ内の数値が添
加量を示す)に対する焼結密度を図2に、ガラスおよび
その添加量(図中カッコ内の数値が添加量を示す)に対
する25Oeでの飽和磁束密度B25、および保磁力Hc の
関係を図3に示す。
【0035】また、被削性の評価を以下のようにして行
った。図1に示す焼結体サンプル(テストピース)の外
形を、下記に示す切削条件で、各サンプル毎に連続5回
切削し、各サンプルの切削径eを測定し、第1のサンプ
ルに対して、それ以降のサンプルの切削径eの増加量を
バイトの摩耗量とした。なお、被削性の評価に使用した
テスト工具は、従来の溶融材と同等以上の被削性を追求
し、各バイトをテスト、検討した結果、サーメットが一
番良好であったので、TiC−TiN−TaC−WC系
サーメットを使用した。結果を図4に示す。
【0036】<切削条件>図1のテストピースの掴み部
2をチャッキングし、焼肌を1パス(1回切削:以後1
パスという)剥離した後、切削テスト用バイトに替え、
周速V=157m/minで一定とし、送り量f=0.05
mm/rev.、切り込み量Δt=0.15mmで、テストピー
ス1個につき、長さ10mmの切削加工部dの切削を5パ
ス行い、これを連続15個のサンプルについて行った。
切削テストバイトは、15個のサンプルを加工する間、
同一のものを使用し、バイトの刃先部も同一箇所とし
た。なお、切削に用いた機械は、ターレット型NC旋盤
を用い、切削に際しては切削油を使用した。
【0037】〔結果〕図2から、いずれのサンプルもガ
ラスの添加量の増加により焼結密度は若干低下するもの
の、密度7.73g/cm3 以上、相対密度98.9%以
上得られることがわかる。図3から、いずれのサンプル
においても、保磁力Hcが、1.0Oe以下であり、25O
eにおける磁束密度B25は、16.2kG以上と優れた磁
気特性を示している。
【0038】図4から、添加ガラス組成のうち、A,
B,Cが有効であることがわかる。これらの中でも特
に、ガラス組成AとBがバイト摩耗の抑制に優れている
ことがわかる。表2のガラス成分毎に、バイト摩耗量と
の相関を求めたところ、Na2O、Al23 、SiO
2 、CaO、BaOの成分がバイトの摩耗を抑制する上
で効果的であることが解った。
【0039】さらに、平均粒径60μm のガラス(組成
A)を添加したサンプルと、平均粒径8μm のガラス
(組成A)を添加したサンプルを作成し、その断面を観
察したところ、それぞれ図5、図6のようになってい
た。図5,図6から明らかなように、粒径の大きなガラ
スを添加したサンプルは、大きなポアができていること
がわかる。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、ポアの
形成を抑制し、切削工具の長寿命化を図ると共に、保磁
力Hc ≦5.0Oe、かつ25Oeにおける磁束密度B25≧
10.0kGの磁気特性を満足しうる鉄系軟磁性焼結体を
実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例にて作製した、焼結体サンプルの外形を
示した外観斜視図である。
【図2】実施例で作製したサンプルの焼結密度、相対密
度と添加ガラスとの関係を示したグラフである。
【図3】実施例で作製したサンプルの飽和磁束密度B2
5、保磁力Hc と添加ガラスとの関係を示したグラフで
ある。
【図4】実施例で作製したサンプルのバイト摩耗量と添
加ガラスとの関係を示したグラフである。
【図5】粒径の大きなガラス(平均粒径60μm )を添
加したサンプルの断面を示す図面代用顕微鏡写真であ
る。
【図6】本発明範囲の粒径のガラス(平均粒径8μm )
を添加したサンプルの断面を示す図面代用顕微鏡写真で
ある。
【符号の説明】
1 焼結体 2 掴み部 3 切削部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 板倉 圭助 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄系金属粉末と、ガラス粉末とを混合
    し、焼成して得られる鉄系軟磁性焼結体であって、 前記ガラス粉末の組成は、 酸化ナトリウムをNa2O換算で : 0.03〜10wt%、 酸化アルミニウムをAl23 換算で: 3〜10wt%、 酸化ケイ素をSiO2 換算で : 9〜60wt%、 酸化カルシウムをCaO換算で :0.005〜15wt%、 酸化バリウムをBaO換算で : 0.1〜30wt%、 酸化亜鉛をZnO換算で : 0〜65wt% であり、これを0.3〜2.0wt%含有する鉄系軟磁性
    焼結体。
  2. 【請求項2】 前記鉄系金属粉末は、化学組成が、S
    i:1〜4wt%を含むFe−Si系、P:0.3〜1.
    5wt%を含むFe−P系、Cr:10〜20wt%を含む
    Fe−Cr系、Co:25〜60wt%を含むFe−Co
    系、Co:25〜60wt%およびV:0.5〜5wt%を
    含むFe−Co−V系、Ni:40〜90wt%残部F
    e、またはNi:70〜85wt%およびMo:0.5〜
    5wt%を含むFe−Ni−Mo系、および純Feのいず
    れかである請求項1の鉄系軟磁性焼結体。
  3. 【請求項3】 保磁力Hc ≦5.0Oe、かつ25Oeでの
    磁束密度B25≧10.0kGである磁気特性を有する請求
    項1または2の鉄系軟磁性焼結体。
  4. 【請求項4】 鉄系金属粉末と、ガラス粉末とを混合
    し、圧縮成型した後、不活性ないし還元性雰囲気中で焼
    成して鉄系軟磁性焼結体を得る鉄系軟磁性焼結体の製造
    方法であって、 前記ガラス粉末の組成は、 酸化ナトリウムをNa2O換算で : 0.03〜10wt%、 酸化アルミニウムをAl23 換算で: 3〜10wt%、 酸化ケイ素をSiO2 換算で : 9〜60wt%、 酸化カルシウムをCaO換算で :0.005〜15wt%、 酸化バリウムをBaO換算で : 0.1〜30wt%、 酸化亜鉛をZnO換算で : 0〜65wt% であり、これをその含有量が0.3〜2.0wt%となる
    よう添加する鉄系軟磁性焼結体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記鉄系金属粉末は、化学組成が、S
    i:1〜4wt%を含むFe−Si系、P:0.3〜1.
    5wt%を含むFe−P系、Cr:10〜20wt%を含む
    Fe−Cr系、Co:25〜60wt%を含むFe−Co
    系、Co:25〜60wt%およびV:0.5〜5wt%を
    含むFe−Co−V系、Ni:40〜90wt%残部F
    e、またはNi:70〜85wt%およびMo:0.5〜
    5wt%を含むFe−Ni−Mo系、および純Feのいず
    れかである請求項4の鉄系軟磁性焼結体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記ガラス粉末は、添加時の平均粒径が
    2〜20μm である請求項4または5の鉄系軟磁性焼結
    体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記鉄系金属粉末は、添加時の平均粒径
    が50〜120μmである請求項4〜6のいずれかの鉄
    系軟磁性焼結体の製造方法。
JP10112720A 1998-04-08 1998-04-08 鉄系軟磁性焼結体、およびその製造方法 Withdrawn JPH11293420A (ja)

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