JPH1129399A - GaAs単結晶の製造方法及びその装置 - Google Patents

GaAs単結晶の製造方法及びその装置

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JPH1129399A
JPH1129399A JP18116197A JP18116197A JPH1129399A JP H1129399 A JPH1129399 A JP H1129399A JP 18116197 A JP18116197 A JP 18116197A JP 18116197 A JP18116197 A JP 18116197A JP H1129399 A JPH1129399 A JP H1129399A
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gas
pressure vessel
single crystal
carbon monoxide
gaas single
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Takashi Suzuki
隆 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】COを含まないガスとCOを含むガスとをバル
ブの開閉により選択的に圧力容器内に導入する際に、バ
ルブを開いた時に生じるガスの高速突入に起因するヒー
タ発熱量の変動をなくし、GaAs単結晶中の炭素濃度
を成長方向で一定にする。 【解決手段】GaAs単結晶3を液体封止引上法によっ
て製造するに際し、圧力容器9内の雰囲気ガス中の一酸
化炭素濃度に応じて2つのガス導入系51、52に設け
たバルブ17、18を開閉制御し、第1のガスボンベ1
9からCOガスを含まないArガスを、第2のガスボン
ベ20からCOガスの混入したArガスを圧力容器9内
に選択的に導入する。このガスが導入される圧力容器9
のガス導入口9aに、多孔質のグラファイト製キャップ
25を嵌めて、ガスが圧力容器9内に導入される時、ガ
スを分散してその流速を低減し、高速突入を阻止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化合物半導体であ
るGaAs単結晶を液体封止引上げ法(以下LEC法と
略記する)により製造するGaAs単結晶の製造方法及
びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】GaAs単結晶は、磁電変換素子、電界
効果トランジスタ(FET)、集積回路(IC)、大規
模集積回路(LSI)等の高速高周波素子の基板として
広い用途で使用されている。これらの素子に用いられる
基板材料の単結晶の製造方法の一つにLEC法がある。
【0003】このLEC法によるGaAs単結晶の製造
では、不活性ガスとしてAr又はN2 ガスを用いて加圧
後に加熱して結晶成長を実施しているが、炭素がGaA
s結晶中に不純物として混入する。このGaAs結晶中
に混入した炭素は浅いアクセプタとなり、その濃度の高
低でGaAs単結晶の電気特性が大きく変化する。一
方、GaAsウェハに求められる電気特性は、GaAs
ウェハが基板として使われる素子の種類によって異な
る。このため、GaAs単結晶中に含まれる炭素濃度
は、結晶の先端から後端にかけて、希望する炭素濃度に
対してなるべくばらつきが少なく、均一であることが望
ましい。また、そのようなGaAs単結晶を再現性よく
成長する方法が必要とされている。
【0004】上記LEC法によるGaAs単結晶に混入
する炭素は、結晶成長中の雰囲気ガス中の一酸化炭素か
ら供給される。このため結晶成長中の炉内即ち圧力容器
34内の一酸化炭素濃度を所定の値に制御することで、
単結晶に含まれる炭素濃度を希望値にする方法が行われ
ている。
【0005】図4に、上述したLEC法を用いた従来の
GaAs単結晶製造装置の構成を示す。圧力容器34内
にpBN(熱分解窒化ホウ素)製のルツボ31をルツボ
支持軸32により回転自在に支持して設置し、このルツ
ボ31に原料のGa及びAsを収容しその上に液体封止
剤として原料元素と反応性の低いB2 3 を被せ、外部
に設けられた排気装置(図示せず)により排気ガス用ガ
ス配管46及びバルブ47を通して圧力容器34内を排
気する。排気後、圧力容器34内部に、第1のガスボン
ベ(Arガスボンベ)44からバルブ42、または第2
のガスボンベ(COガス混入Arガスボンベ)45から
バルブ43、及びガス導入配管41を通して不活性ガス
であるArガス、またはCOガスの混じったArガスを
所定の圧力で導入する。
【0006】この後、ルツボ31の外周部に位置するヒ
ータ33で加熱して、GaAs融液30を作る。このと
きGaAs融液30は液体封止剤29である溶融B2
3 により被覆される。この後、結晶引上げ軸26の下端
に設けた種結晶27をGaAs融液30の液面に接触さ
せ、徐々に種結晶27を引き上げ、所定の径に制御しな
がら引き上げて行くことにより、炭素濃度の制御された
GaAsの単結晶28を得る。なお、35〜40は断熱
材である。
【0007】一酸化炭素濃度COのコントロールは次の
ようにして行われる。圧力容器34内の雰囲気ガスをガ
ス配管48を通して炉外のCO濃度測定装置49に導
き、このCO濃度測定装置49により圧力容器34内の
COガス濃度をモニターし、所定の値よりも圧力容器3
4内のCOガス濃度が高い場合には、COガスを含まな
い不活性ガス(Arガス)を、第1のガスボンベ44よ
りバルブ42、ガス導入配管41を通して圧力容器34
内に導入し、かつ圧力容器34内のガスを排気ガス用ガ
ス配管46及びバルブ47を通して排出することによ
り、圧力容器34内のCOガス濃度を下げる。また圧力
容器34内のCOガス濃度が所定の値よりも低い場合に
は、第2のガスボンベ(COガス混入Arガスボンベ)
45からバルブ43及びガス導入配管41を通して、C
Oガスの混じった不活性ガス(COガス混入Arガス)
を圧力容器34内に導入し、かつ圧力容器34内のガス
を排気ガス用ガス配管46及びバルブ47を通して排出
することにより、圧力容器34内のCOガス濃度を上げ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の製造方法に用い
られる単結晶引上げ装置では、圧力容器34内にガスを
導入する場合、ガスボンベ44,45からのガス導入配
管41の終端開口を圧力容器34内に直接に開放し連通
させる構成を採っており、圧力容器内の一酸化炭素濃度
に応じて、それまで閉じていたバルブ42または43を
瞬時に開放して、ガスボンベ44または45からの高圧
ガスを圧力容器34内に高速で突入させるようになって
いた。
【0009】しかし、ガスが高速で圧力容器内に突入す
ると、圧力容器内の雰囲気が乱されて、ヒータ33の発
熱量が大きく変化し、GaAs融液30の温度が大きく
変動してしまうことがあった。
【0010】ヒータの発熱量の大きな変化が生じると、
GaAs単結晶の径の制御が乱れ、GaAs単結晶を再
現性よく成長することが難しくなる。また、GaAs融
液の温度が変動すると、雰囲気ガスから原料融液に混入
するCOガスの量が変化し、GaAs単結晶中の炭素濃
度を成長方向で一定にすることが困難となり、GaAs
ウェハの電気特性の不均一をもたらす。
【0011】なお、圧力容器内へのガスの高速突入をな
くすために、開閉バルブをオン/オフするのではなく、
流量制御弁の開度を変えてガスの導入量を制御すること
も考えられるが、即応性が悪くなるため、採用できな
い。
【0012】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、ガス導入時におけるヒータ発熱量の大きな変動をな
くし、GaAs融液に大きな温度変動が生じないように
して、GaAs単結晶を再現性よく成長させ、GaAs
単結晶中の炭素濃度を成長方向で一定にすることが可能
なGaAs単結晶の製造方法及びその装置を提供するこ
とにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明はつぎのように構成されたものである。
【0014】本発明のGaAs単結晶の製造方法は、G
aAs単結晶を液体封止引上法によって製造するに際
し、圧力容器内の雰囲気ガス中の一酸化炭素濃度に応じ
て2つのガス導入系に設けたバルブを開閉制御し、2つ
のガス導入系から一酸化炭素ガスを含まない不活性ガス
と一酸化炭素ガスの混入した不活性ガスを圧力容器内に
選択的に導入することにより、GaAs単結晶に含まれ
る炭素濃度を制御するGaAs単結晶の製造方法におい
て、上記一酸化炭素ガスを含まない不活性ガス及び一酸
化炭素ガスの混入した不活性ガスを圧力容器内に導入す
る際に、ガスの流速を減速するようにしたものである。
【0015】また、本発明のGaAs単結晶の製造装置
は、不活性ガスで加圧した圧力容器内に、GaAs融液
と該融液の上面を覆う液体封止剤を収容しヒータにより
加熱されるルツボを設置し、GaAs単結晶の種結晶を
GaAs融液上面に接触させて回転させながら引き上げ
ることによりGaAs単結晶を製造する装置において、
圧力容器内の一酸化炭素濃度を測定する一酸化炭素濃度
測定手段と、一酸化炭素ガスを含まない不活性ガスと一
酸化炭素ガスの混入した不活性ガスとをそれぞれ導く2
つのガス導入系と、2つのガス導入系にそれぞれ設けら
れ、一酸化炭素ガスを含まない不活性ガスと一酸化炭素
ガスの混入した不活性ガスとを圧力容器内に選択的に導
入するために、一酸化炭素濃度測定手段の測定結果に応
じて開閉制御される開閉弁と、2つのガス導入系が接続
される圧力容器のガス導入口に設けられ、圧力容器内に
導入される一酸化炭素ガスを含まない不活性ガス及び一
酸化炭素ガスの混入した不活性ガスの流速を減速する減
速手段とを備えたものである。
【0016】成長したGaAs単結晶中のAs格子点に
置換した炭素原子数で表す炭素濃度を、例えば1×10
15〜5×1016/cm3 の範囲に抑えると、比抵抗が10
17Ω−cm以上の半絶縁性が確保されることが分かってい
る。そこで、前提となる圧力容器内の雰囲気ガス中の一
酸化炭素濃度の制御は、成長したGaAs単結晶中の炭
素濃度が、この範囲中の希望値として得られるように制
御される。例えば、GaAs単結晶中の炭素濃度の希望
値として2×1015/cm3 を得たい場合、圧力容器内の
雰囲気ガス中の一酸化炭素濃度は、所定値の500ppm
になるように制御される。
【0017】上記のような炭素濃度の希望値に対し、L
EC法で成長したGaAs単結晶の先端から後端にかけ
て炭素濃度のばらつきの小さいGaAs単結晶を再現性
よく成長すべく、圧力容器内の雰囲気ガス中の一酸化炭
素濃度に応じて2つのガス導入系に設けたバルブを開閉
制御し、2つのガス導入系から一酸化炭素ガスを含まな
い不活性ガスと一酸化炭素ガスの混入した不活性ガスを
圧力容器内に選択的に導入する。
【0018】この圧力容器内への不活性ガスの導入はバ
ルブの開閉制御、すなわちオン/オフ制御により行って
いるため、バルブを開いたとき、圧力容器内にガスが高
速で突入することになる。ガスが高速で圧力容器内に突
入すると、圧力容器内の雰囲気が乱されてヒータの発熱
量が大きく変化し、GaAs融液に大きな温度変動が生
じる。
【0019】本発明は、このようなヒータ発熱量の変化
やGaAs融液の温度変動をなくすために、圧力容器内
に導入するガスの流速を低減して、圧力容器内の雰囲気
が乱されるのを抑制するものである。
【0020】このガスの流速を低減する減速手段は、例
えば、圧力容器内のガス導入口にグラファイトのような
多孔質の物質から成るキャップを嵌めて、その多孔質物
質の細孔を通し分散させる構成とすることで達成でき
る。
【0021】このようにグラファイト製キャップ等の減
速手段を通すことにより圧力容器内に導入するガスの流
速をガス導入口にて低減すると、ガスの突入が緩和され
るので、圧力容器内の雰囲気が乱されるのが抑制され、
ヒータの発熱量が大きく変化する現象がなくなり、Ga
As融液に大きな温度変動が生じなくなる。従って、G
aAs単結晶を再現性よく成長させ、GaAs単結晶中
の炭素濃度を希望する値にて成長方向で一定にすること
ができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0023】本発明を実施するために用いた結晶成長炉
たる単結晶引上げ装置の構成を図1に示す。
【0024】図1に示すように、圧力容器9内にpBN
製のルツボ6がルツボ支持軸7により回転自在に支持さ
れて設置され、ルツボ6の外周囲にはヒータ8が配置さ
れ、その更に外周囲には断熱材10〜12が配置され、
圧力容器9の底部との間にも断熱材13〜15が配置さ
れている。
【0025】圧力容器9の内部は、排気ガス用ガス配管
21及びバルブ22を通して外部に設けられた排気装置
(図示せず)に接続される。また、ガス導入配管16及
びバルブ17を通してArガスボンベである第1のガス
ボンベ19に接続されていると共に、ガス導入配管16
及びバルブ18を通してCOガス混入Arガスボンベで
ある第2のガスボンベ20に接続されている。この第2
のガスボンベ20には、アルゴンガスにCOガスを5%
混入した混合ガスが入っている。そして、圧力容器9の
内部は、ガス配管23を通して炉外のCO濃度測定装置
24に接続されている。
【0026】上記ガス導入配管16から第1のガスボン
ベ19に至る配管が第1のガス導入系51を構成し、上
記ガス導入配管16から第2のガスボンベ20に至る配
管が第2のガス導入系52を構成する。
【0027】ここで、ガスボンベ19,20からのガス
導入配管16の終端開口を圧力容器9内に直接に開放し
連通させる従来の構成では、ガスボンベ19,20から
のArガス又は混合ガスが圧力容器9内に直接に導入さ
れ、そのガスの導入に起因してガスの導入時にヒータ8
の発熱量が大きく変化し、GaAs融液5の温度が大き
く変動する現象が生じる。
【0028】かかる不都合を回避するため、図1の単結
晶引上げ装置では、図示するように、ガス導入配管16
と圧力容器9の接続部のガスが導入してくる入口、つま
り圧力容器9内のガス導入口9aに、グラファイト製の
キャップ25を取り付けてある。この実施形態の場合、
ガス導入口9aは圧力容器9の外周部の下部に設けられ
ており、グラファイト製のキャップ25は、このガス導
入口9aを圧力容器9の内側から被う形で、圧力容器9
の内側面と断熱材13との間に設けられている。グラフ
ァイトは多孔質の物質であり、通気性がある。グラファ
イト製キャップ25をガス導入の入口に取り付けること
で、圧力容器9内に導入するガスの流速は、低減され
る。
【0029】(実施例)上記構成の単結晶引上げ装置を
用い、次のようにして、GaAs単結晶を10本成長し
た。
【0030】ルツボ6に原料のGa及びAsを収容しそ
の上に液体封止剤として原料元素と反応性の低いB2
3 を被せ、外部に設けられた排気装置により排気ガス用
ガス配管21及びバルブ22を通して圧力容器9内を排
気した後、圧力容器9内部に、第1のガスボンベ19か
らバルブ17及びガス導入配管16を通して不活性ガス
であるArガスを所定の圧力20kg/cm2 で導入する。
この後、ルツボ6の外周部に位置するヒータ8で加熱し
て、GaAs融液5を作る。このときGaAs融液5は
液体封止剤4である溶融B2 3 により被覆される。
【0031】このように20kg/cm2 の圧力下で、ルツ
ボ6にAsが過剰組成となるようなGaAs融液5を2
0kg作成した後、バルブ17、18の開閉により、結晶
が引き上げられる空間のCOガス濃度が所定の値の50
0ppm になるようにした。即ち、圧力容器9内の雰囲気
ガスをガス配管23を通して炉外のCO濃度測定装置2
4に導き、このCO濃度測定装置24により圧力容器9
内のCOガス濃度をモニターし、所定の値の500ppm
よりも圧力容器9内のCOガス濃度が高い場合には、C
Oガスを含まない不活性ガス(Arガス)を、第1のガ
スボンベ19よりバルブ17、ガス導入配管16を通し
て圧力容器9内に導入し、かつ圧力容器9内のガスを排
気ガス用ガス配管21及びバルブ22を通して排出する
ことにより、圧力容器9内のCOガス濃度を下げた。
【0032】また、圧力容器9内のCOガス濃度が所定
の値の500ppm よりも低い場合には、第2のガスボン
ベ20からバルブ18及びガス導入配管16を通して、
COガスの混じった不活性ガス(COガスを5%混入し
たArガス)を圧力容器9内に導入し、かつ圧力容器9
内のガスを排気ガス用ガス配管21及びバルブ22を通
して排出することにより、圧力容器9内のCOガス濃度
を上げた。
【0033】上記のように圧力容器9内のCOガス濃度
を制御しつつ、結晶引上げ軸1の下端に設けた種結晶2
をGaAs融液5に液面に接触させ、徐々に種結晶2を
引き上げ、所定の径に制御しながら引き上げて行くこと
によりGaAsの単結晶3を得た。
【0034】その際、GaAs単結晶が引き上げられる
空間及びヒータ8が設置される加熱空間の圧力をぞれぞ
れ20kg/cm2 にし、GaAs結晶中の炭素濃度を希望
値の2.0×1015/cm3 とすることを狙い、種結晶2
をGaAs融液5につけて、直径110mm、長さ350
mmのGaAs単結晶3を成長した。このようにしてGa
As単結晶3を10本引き上げた。
【0035】表1に、この実施例1の方法により引き上
げた計10本のGaAs単結晶の成長結果を示す。実施
例1の方法による場合、全て単結晶の成長となり、多結
晶の発生は認められなかった。
【0036】
【表1】
【0037】(比較例)図4に示す従来の減速手段を設
けていない単結晶引上げ装置を用いてGaAs単結晶を
成長した。
【0038】第2のガスボンベ45には、ArガスにC
Oガスが5%混入したガスが入っている。20kg/cm2
の圧力下で、pBN製のルツボ31にAsが過剰組成と
なるようなGaAs融液30を20kg作成した後、バル
ブ42、43の開閉により、圧力容器34内に、第1の
ガスボンベ44からの単体のArガスと、第2のガスボ
ンベ45からの一酸化炭素ガスを含んだArガスを選択
的に導入して、圧力容器34内の一酸化炭素ガス濃度が
所定値の500ppm になるようにした。
【0039】この後、実施例1と同様に、GaAs単結
晶の引き上げられる空間及びヒータ33が設置される加
熱空間の圧力をそれぞれ20kg/cm2 にし、GaAs単
結晶の炭素濃度を希望値の2.0×1015/cm3 とする
ことを狙い、種結晶27をGaAs融液30につけて、
直径110mm、長さ350mmのGaAs単結晶28を成
長した。このようにしてGaAs単結晶28を10本引
き上げた。
【0040】表2に、上記比較例の方法により引き上げ
た計10本の単結晶の成長結果を示す。
【0041】
【表2】
【0042】(実施例と比較例との比較)比較例の製造
方法によった場合、表2に示す如く、10本中の5本だ
けが単結晶で、他の5本は多結晶となった。その多結晶
の発生位置は一定しておらず、結晶の形状に乱れが認め
られた。
【0043】これに対し上記実施例の製造方法の場合、
成長した計10本の結晶は、既に上記表1の所で触れた
如く10本とも全て単結晶であった。よって、実施例の
製造方法は、この比較例の製造方法に比べ、結晶形状に
乱れのない単結晶を安定して成長できる優れたGaAs
単結晶の製造方法であることがわかる。
【0044】次に、成長したGaAs単結晶中の炭素濃
度分布を測定するため、上記実施例の製造方法及び上記
比較例の製造方法によって成長したGaAs単結晶から
無作為に結晶を1本づつ選び、それぞれの結晶の先端
(シード)から後端(テール)までの20mmおきの各位
置から5mmの厚さの試料を採取し、各試料の両面を研磨
して鏡面にした。この後、赤外線吸収法により、それぞ
れの試料のGaAs単結晶中の炭素濃度を測定し、Ga
As単結晶中の炭素濃度の分布を調べた。
【0045】その結果を図2及び図3に示す。比較例の
方法により成長したGaAs単結晶(図3)では、ガス
が突入するたびに、その影響が炭素濃度の大きな変動と
して現れているに比べて、実施例の方法により成長した
GaAs単結晶(図2)の場合は、ガスの突入が緩和さ
れているため、GaAs単結晶中の炭素濃度の希望値
(2×1015/cm3 )からのずれが小さい。
【0046】
【発明の効果】本発明方法によれば、バルブの開放によ
り圧力容器内に導入されるガスの流速を減速して圧力容
器内の雰囲気を乱さないようにしたので、ヒータ発熱量
の変動を抑えることができ、GaAs融液に大きな温度
変動が生じなくなる。したがって、導入時のガス流速を
減速していない従来の方法に比べて、結晶形状に乱れの
ない単結晶を安定して、かつ所望する炭素濃度に対して
ばらつきの少ない炭素濃度の結晶を安定して製造でき
る。その結果、電気特性のより均一なGaAs単結晶を
より安価に生産することができ、これらを基板として使
用する素子の製造コストを下げることができる。
【0047】本発明装置によれば、圧力容器のガス導入
口にガスの流速を減速する減速手段を設けるという構造
によって、上記効果を適切に得ることができる。
【0048】特に減速手段を多孔質の物質からなるキャ
ップで構成した場合には、多孔質キャップを圧力容器の
ガス導入口に嵌めるという簡単な構成で実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の製造方法で用いた単結晶引上げ装置
の構成を示す図である。
【図2】炭素濃度2.0×1015/cm3 の結晶を得るべ
く、実施形態の製造方法により成長したGaAs単結晶
の成長方向の炭素濃度分布を示した図である。
【図3】炭素濃度2.0×1015/cm3 の結晶を得るべ
く、従来の製造方法によって成長したGaAs単結晶の
成長方向の炭素濃度分布を示した図である。
【図4】比較例の製造方法で用いた単結晶引上げ装置の
構成を示す図である。
【符号の説明】
1 結晶引上げ軸 2 種結晶 3 GaAs単結晶 4 液体封止剤 5 GaAs融液 6 pBN製のルツボ 8 ヒータ 9 圧力容器 9a ガス導入口 16 ガス導入配管 17,18 バルブ 19 第1のガスボンベ(Arガスボンベ) 20 第2のガスボンベ(COガス混入Arガスボン
ベ) 24 CO濃度測定装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】GaAs単結晶を液体封止引上法によって
    製造するに際し、圧力容器内の雰囲気ガス中の一酸化炭
    素濃度に応じて2つのガス導入系に設けたバルブを開閉
    制御し、2つのガス導入系から一酸化炭素ガスを含まな
    い不活性ガスと一酸化炭素ガスの混入した不活性ガスを
    圧力容器内に選択的に導入することにより、GaAs単
    結晶に含まれる炭素濃度を制御するGaAs単結晶の製
    造方法において、上記一酸化炭素ガスを含まない不活性
    ガス及び一酸化炭素ガスの混入した不活性ガスを圧力容
    器内に導入する際に、ガスの流速を減速するようにした
    ことを特徴とするGaAs単結晶の製造方法。
  2. 【請求項2】不活性ガスで加圧した圧力容器内に、Ga
    As融液と該融液の上面を覆う液体封止剤を収容しヒー
    タにより加熱されるルツボを設置し、GaAs単結晶の
    種結晶をGaAs融液上面に接触させて回転させながら
    引き上げることによりGaAs単結晶を製造する装置に
    おいて、圧力容器内の一酸化炭素濃度を測定する一酸化
    炭素濃度測定手段と、一酸化炭素ガスを含まない不活性
    ガスと一酸化炭素ガスの混入した不活性ガスとをそれぞ
    れ導く2つのガス導入系と、2つのガス導入系にそれぞ
    れ設けられ、一酸化炭素ガスを含まない不活性ガスと一
    酸化炭素ガスの混入した不活性ガスとを圧力容器内に選
    択的に導入するために、一酸化炭素濃度測定手段の測定
    結果に応じて開閉制御される開閉弁と、2つのガス導入
    系が接続される圧力容器のガス導入口に設けられ、圧力
    容器内に導入される一酸化炭素ガスを含まない不活性ガ
    ス及び一酸化炭素ガスの混入した不活性ガスの流速を減
    速する減速手段とを備えたGaAs単結晶の製造装置。
  3. 【請求項3】上記減速手段が、圧力容器のガス導入口に
    嵌められた多孔質の物質からなるキャップで構成されて
    いる請求項2に記載のGaAs単結晶の製造装置。
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