JPH11296925A - 光磁気記録媒体、再生方法及び再生装置 - Google Patents
光磁気記録媒体、再生方法及び再生装置Info
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- JPH11296925A JPH11296925A JP10277398A JP10277398A JPH11296925A JP H11296925 A JPH11296925 A JP H11296925A JP 10277398 A JP10277398 A JP 10277398A JP 10277398 A JP10277398 A JP 10277398A JP H11296925 A JPH11296925 A JP H11296925A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 再生信号振幅を低下させることなく光の回折
限界以下の周期の信号が高速で再生可能となり、記録密
度並びに転送速度を大幅に向上できる光磁気記録媒体、
再生方法及び小型化可能な再生装置を提供する。 【解決手段】 少なくとも第1、第2の磁性層を有する
光磁気記録媒体であって、該第1の磁性層11は周囲温
度近傍において該第2の磁性層12に比べて相対的に磁
壁抗磁力が小さく磁壁移動度の大きな垂直磁化膜からな
り、第2の磁性層12は垂直磁化膜であり、第1磁性層
11及び第2磁性層12は磁気的に結合していることを
特徴とする。
限界以下の周期の信号が高速で再生可能となり、記録密
度並びに転送速度を大幅に向上できる光磁気記録媒体、
再生方法及び小型化可能な再生装置を提供する。 【解決手段】 少なくとも第1、第2の磁性層を有する
光磁気記録媒体であって、該第1の磁性層11は周囲温
度近傍において該第2の磁性層12に比べて相対的に磁
壁抗磁力が小さく磁壁移動度の大きな垂直磁化膜からな
り、第2の磁性層12は垂直磁化膜であり、第1磁性層
11及び第2磁性層12は磁気的に結合していることを
特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気光学効果を利
用してレーザー光により情報の記録再生を行う光磁気記
録媒体等に関し、更に詳しくは媒体の高密度記録化を可
能とする光磁気記録媒体、再生方法および再生装置に関
する。
用してレーザー光により情報の記録再生を行う光磁気記
録媒体等に関し、更に詳しくは媒体の高密度記録化を可
能とする光磁気記録媒体、再生方法および再生装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】書き換え可能な高密度記録方式として、
半導体レーザーの熱エネルギーを用いて、磁性薄膜に磁
区を書き込んで情報を記録し、磁気光学効果を用いて、
この情報を読み出す光磁気記録媒体が注目されている。
また、近年この光磁気記録媒体の記録密度を高めて更に
大容量の記録媒体とする要求が高まっている。光磁気記
録媒体等の光ディスクの線記録密度は、再生光学系のレ
ーザー波長および対物レンズの開口数に大きく依存す
る。すなわち、再生光学系のレーザー波長λと対物レン
ズの開口数NAが決まるとビームウェストの径が決まる
ため、信号再生時の空間周波数は2NA/λ程度が検出
可能な限界となってしまう。
半導体レーザーの熱エネルギーを用いて、磁性薄膜に磁
区を書き込んで情報を記録し、磁気光学効果を用いて、
この情報を読み出す光磁気記録媒体が注目されている。
また、近年この光磁気記録媒体の記録密度を高めて更に
大容量の記録媒体とする要求が高まっている。光磁気記
録媒体等の光ディスクの線記録密度は、再生光学系のレ
ーザー波長および対物レンズの開口数に大きく依存す
る。すなわち、再生光学系のレーザー波長λと対物レン
ズの開口数NAが決まるとビームウェストの径が決まる
ため、信号再生時の空間周波数は2NA/λ程度が検出
可能な限界となってしまう。
【0003】したがって、従来の光ディスクで高密度化
を実現するためには、再生光学系のレーザー波長を短く
し、対物レンズの開口数NAを大きくする必要がある。
しかしながら、レーザー波長や対物レンズの開口数の改
善にも限度がある。このため、記録媒体の構成や読み取
り方法を工夫し、記録密度を改善する技術が開発されて
いる。
を実現するためには、再生光学系のレーザー波長を短く
し、対物レンズの開口数NAを大きくする必要がある。
しかしながら、レーザー波長や対物レンズの開口数の改
善にも限度がある。このため、記録媒体の構成や読み取
り方法を工夫し、記録密度を改善する技術が開発されて
いる。
【0004】例えば、特開平3−93058号において
は、磁気的に結合される再生層と記録保持層とを有して
なる多層膜の、記録保持層に信号記録を行うとともに、
再生層の磁化の向きを揃えた後、レーザー光を照射して
加熱し、再生層の昇温領域に、記録保持層に記録された
信号を転写しながら読み取る信号再生方法が提案されて
いる。
は、磁気的に結合される再生層と記録保持層とを有して
なる多層膜の、記録保持層に信号記録を行うとともに、
再生層の磁化の向きを揃えた後、レーザー光を照射して
加熱し、再生層の昇温領域に、記録保持層に記録された
信号を転写しながら読み取る信号再生方法が提案されて
いる。
【0005】この方法によれば、再生用のレーザーのス
ポット径に対して、このレーザーによって加熱されて転
写温度に達し信号が検出される領域は、より小さな領域
に限定できるため、再生時の符号間干渉を減少させ、光
の回折限界以下の周期の信号が再生可能となる。
ポット径に対して、このレーザーによって加熱されて転
写温度に達し信号が検出される領域は、より小さな領域
に限定できるため、再生時の符号間干渉を減少させ、光
の回折限界以下の周期の信号が再生可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、特
開平3−93058号記載の光磁気再生方法では、再生
用のレーザーのスポット径に対して、有効に使用される
信号検出領域が小さくなるため、再生信号振幅が大幅に
低下し、十分な再生出力が得られない欠点を有してい
る。
開平3−93058号記載の光磁気再生方法では、再生
用のレーザーのスポット径に対して、有効に使用される
信号検出領域が小さくなるため、再生信号振幅が大幅に
低下し、十分な再生出力が得られない欠点を有してい
る。
【0007】また、再生層の磁化をレーザー光が照射す
る前に一方向に揃えなければならない。そのため、従来
の装置に再生層の初期化用磁石を追加することが必要と
なる。このため前記再生方法は、光磁気記録装置が複雑
化し、コストが高くなる、小型化が難しい等の問題点を
有している。
る前に一方向に揃えなければならない。そのため、従来
の装置に再生層の初期化用磁石を追加することが必要と
なる。このため前記再生方法は、光磁気記録装置が複雑
化し、コストが高くなる、小型化が難しい等の問題点を
有している。
【0008】本発明は、この様な従来技術の課題を解決
すべくなされたものである。すなわち本発明の目的は、
再生信号振幅を低下させることなく光の回折限界以下の
周期の信号が高速で再生可能となり、記録密度並びに転
送速度を大幅に向上でき、再生装置の小型化も可能な光
磁気記録媒体、再生方法および再生装置を提供すること
にある。
すべくなされたものである。すなわち本発明の目的は、
再生信号振幅を低下させることなく光の回折限界以下の
周期の信号が高速で再生可能となり、記録密度並びに転
送速度を大幅に向上でき、再生装置の小型化も可能な光
磁気記録媒体、再生方法および再生装置を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の目的は以下の手段
によって達成される。
によって達成される。
【0010】すなわち、本発明は、少なくとも第1、第
2の磁性層を有する光磁気記録媒体であって、該第1の
磁性層は、周囲温度近傍において該第2の磁性層に比べ
て相対的に磁壁抗磁力が小さく磁壁移動度の大きな垂直
磁化膜からなり、第2の磁性層は垂直磁化膜であり、第
1磁性層及び第2磁性層は磁気的に結合していることを
特徴とする光磁気記録媒体を提案するものであり、各情
報トラック間における第1の磁性層の膜面方向の交換結
合力が情報トラック内における交換結合力より小さいこ
と、該第1磁性層と該第2磁性層が室温において交換結
合していること、該第1磁性層と該第2磁性層との間に
第3の磁性層を設けた光磁気記録媒体で、これらの磁性
層は互いに室温において交換結合しており、該第3磁性
層は該第1磁性層より低いキュリー温度を有しているこ
と、該第1磁性層と該第2磁性層が静磁結合しているこ
とを含む。
2の磁性層を有する光磁気記録媒体であって、該第1の
磁性層は、周囲温度近傍において該第2の磁性層に比べ
て相対的に磁壁抗磁力が小さく磁壁移動度の大きな垂直
磁化膜からなり、第2の磁性層は垂直磁化膜であり、第
1磁性層及び第2磁性層は磁気的に結合していることを
特徴とする光磁気記録媒体を提案するものであり、各情
報トラック間における第1の磁性層の膜面方向の交換結
合力が情報トラック内における交換結合力より小さいこ
と、該第1磁性層と該第2磁性層が室温において交換結
合していること、該第1磁性層と該第2磁性層との間に
第3の磁性層を設けた光磁気記録媒体で、これらの磁性
層は互いに室温において交換結合しており、該第3磁性
層は該第1磁性層より低いキュリー温度を有しているこ
と、該第1磁性層と該第2磁性層が静磁結合しているこ
とを含む。
【0011】また本発明は、前記の光磁気記録媒体から
記録情報を再生する方法であって、光ビームを該媒体に
対して相対的に移動させながら前記第1の磁性層の側か
ら照射し、該媒体上に該光ビームのスポットの移動方向
に対して勾配を有する温度分布を形成し、該温度分布を
少なくとも第1磁性層に形成されていた磁壁を温度が高
い方向へ移動させようとする該磁壁に生じる力が第2磁
性層から生じる結合力より大きくなる温度よりも高い温
度領域を有する温度分布とすることによって該第1の磁
性層に形成されていた磁壁を移動させ、該光ビームの反
射光の偏光面の変化を検出して記録情報を再生すること
を特徴とする再生方法を提案するものであり、前記第2
磁性層から生じる結合力が磁気的結合力、交換結合力、
静磁結合力であることを含む。
記録情報を再生する方法であって、光ビームを該媒体に
対して相対的に移動させながら前記第1の磁性層の側か
ら照射し、該媒体上に該光ビームのスポットの移動方向
に対して勾配を有する温度分布を形成し、該温度分布を
少なくとも第1磁性層に形成されていた磁壁を温度が高
い方向へ移動させようとする該磁壁に生じる力が第2磁
性層から生じる結合力より大きくなる温度よりも高い温
度領域を有する温度分布とすることによって該第1の磁
性層に形成されていた磁壁を移動させ、該光ビームの反
射光の偏光面の変化を検出して記録情報を再生すること
を特徴とする再生方法を提案するものであり、前記第2
磁性層から生じる結合力が磁気的結合力、交換結合力、
静磁結合力であることを含む。
【0012】また、本発明は、前記の光磁気記録媒体か
ら記録情報を再生する方法であって、光ビームを該媒体
に対して相対的に移動させながら前記第1の磁性層の側
から照射し、該媒体上に該光ビームのスポットの移動方
向に対して勾配を有する温度分布を形成し、該温度分布
を少なくとも第1磁性層及び第3磁性層に形成されてい
た磁壁を温度が高い方向へ移動させようとする該磁壁に
生じる力が第2磁性層から生じる交換結合力より大きく
なる温度よりも高い温度領域を有する温度分布とするこ
とによって該第1の磁性層及び第3磁性層に形成されて
いた磁壁を移動させ、該光ビームの反射光の偏光面の変
化を検出して記録情報を再生することを特徴とする再生
方法を提案するものである。
ら記録情報を再生する方法であって、光ビームを該媒体
に対して相対的に移動させながら前記第1の磁性層の側
から照射し、該媒体上に該光ビームのスポットの移動方
向に対して勾配を有する温度分布を形成し、該温度分布
を少なくとも第1磁性層及び第3磁性層に形成されてい
た磁壁を温度が高い方向へ移動させようとする該磁壁に
生じる力が第2磁性層から生じる交換結合力より大きく
なる温度よりも高い温度領域を有する温度分布とするこ
とによって該第1の磁性層及び第3磁性層に形成されて
いた磁壁を移動させ、該光ビームの反射光の偏光面の変
化を検出して記録情報を再生することを特徴とする再生
方法を提案するものである。
【0013】更に本発明は、前記の光磁気記録媒体から
記録情報を再生する再生装置であって、光ビームのスポ
ットの移動方向に対して勾配を有する温度分布を形成で
きる加熱手段を有することを特徴とする再生装置を提案
するものである。
記録情報を再生する再生装置であって、光ビームのスポ
ットの移動方向に対して勾配を有する温度分布を形成で
きる加熱手段を有することを特徴とする再生装置を提案
するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を参照して詳
細に説明する。
細に説明する。
【0015】図1は、本発明の光磁気記録媒体およびそ
の再生方法における作用を説明するための模式図であ
る。図1(a)は、本発明の光磁気記録媒体の模式的断
面図である。この媒体の磁性層は、第1の磁性層11、
第2の磁性層12が順次積層されてなる。各層中の矢印
14は原子スピンの向きを表している。スピンの向きが
相互に逆向きの領域の境界部には磁壁15が形成されて
いる。
の再生方法における作用を説明するための模式図であ
る。図1(a)は、本発明の光磁気記録媒体の模式的断
面図である。この媒体の磁性層は、第1の磁性層11、
第2の磁性層12が順次積層されてなる。各層中の矢印
14は原子スピンの向きを表している。スピンの向きが
相互に逆向きの領域の境界部には磁壁15が形成されて
いる。
【0016】図1(b)は、本発明の光磁気記録媒体に
形成される温度分布を示すグラフである。この温度分布
は、再生用に照射されている光ビーム自身によって媒体
上に誘起されるものでもよいが、望ましくは別の加熱手
段を併用して、再生用の光ビームのスポットの手前側か
ら温度を上昇させ、スポットの後方に温度のピークが来
るような温度分布を形成する。
形成される温度分布を示すグラフである。この温度分布
は、再生用に照射されている光ビーム自身によって媒体
上に誘起されるものでもよいが、望ましくは別の加熱手
段を併用して、再生用の光ビームのスポットの手前側か
ら温度を上昇させ、スポットの後方に温度のピークが来
るような温度分布を形成する。
【0017】ここで位置Xsにおいては、媒体温度が第
1磁性層に形成されていた磁壁を温度が高い方向へ移動
させようとする該磁壁に生じる力が第2磁性層から生じ
る磁気的結合力より大きくなる温度Ts(臨界温度)に
なっている。
1磁性層に形成されていた磁壁を温度が高い方向へ移動
させようとする該磁壁に生じる力が第2磁性層から生じ
る磁気的結合力より大きくなる温度Ts(臨界温度)に
なっている。
【0018】図1(c)は、図1(b)の温度分布に対
応する第1の磁性層の磁壁エネルギー密度σ1の分布を
示すグラフである。この様にX方向に磁壁エネルギー密
度σ1の勾配があると、位置xに存在する各層の磁壁に
対して下記式から求められる力F1が作用する。力F1
=δσ/δxこの力F1は、磁壁エネルギー密度の低い
方に磁壁を移動させるように作用する。第1の磁性層
は、磁壁抗磁力が小さく磁壁移動度が大きいので、単独
では、この力F1によって容易に磁壁が移動する。
応する第1の磁性層の磁壁エネルギー密度σ1の分布を
示すグラフである。この様にX方向に磁壁エネルギー密
度σ1の勾配があると、位置xに存在する各層の磁壁に
対して下記式から求められる力F1が作用する。力F1
=δσ/δxこの力F1は、磁壁エネルギー密度の低い
方に磁壁を移動させるように作用する。第1の磁性層
は、磁壁抗磁力が小さく磁壁移動度が大きいので、単独
では、この力F1によって容易に磁壁が移動する。
【0019】容易に磁壁が移動するためには各情報トラ
ック間で互いに磁気的に分離されており、各トラック上
に形成された第1磁性層の磁区が閉じた磁壁を有さない
構造となっていることが必要である。
ック間で互いに磁気的に分離されており、各トラック上
に形成された第1磁性層の磁区が閉じた磁壁を有さない
構造となっていることが必要である。
【0020】例えば本発明の媒体は、図9(a)に断面
形状で示した様に、基板91上に、誘電体層92、磁性
層93、誘電体層94が積層され、基板91の案内溝を
深さ1000オングストロームの矩形に形成してある。
このため、ランド96上に積層された磁性層93は、案
内溝95の部分でほぼ分離されている。なお実際には、
段差部にも多少膜が堆積して磁性層が繋がってしまう
が、他の部分と比較して膜厚が非常に薄くなるので、段
差部での磁気的結合は無視できる。交換結合力は磁性膜
の膜面内方向にも作用しているので、このことは各情報
トラック間における第1の磁性層の膜面方向の交換結合
力が情報トラック内における交換結合力よりも小さいこ
とを意味する。本発明において、各情報トラック間で互
いに磁気的に分離されるとは、この様な状態も含まれ
る。このランド96上に幅いっぱいに反転磁区を形成す
ると、図9(b)に示す様に、ランド96上の磁区の境
界部に、閉じていない磁壁97が形成される。このよう
な磁壁97は、トラック方向に移動させても、トラック
側部の磁壁97の生成・消滅を伴わないので、容易に移
動させることができる。磁気的に分離する他の方法とし
ては、トラッキング用の溝を有する基板を用いた場合は
溝部の磁性が消失するような処理を行ってもよい。1例
としてはレーザービーム照射によるアニールがある。こ
のアニール処理は磁性層の膜面方向の交換結合力を小さ
くすることになる。
形状で示した様に、基板91上に、誘電体層92、磁性
層93、誘電体層94が積層され、基板91の案内溝を
深さ1000オングストロームの矩形に形成してある。
このため、ランド96上に積層された磁性層93は、案
内溝95の部分でほぼ分離されている。なお実際には、
段差部にも多少膜が堆積して磁性層が繋がってしまう
が、他の部分と比較して膜厚が非常に薄くなるので、段
差部での磁気的結合は無視できる。交換結合力は磁性膜
の膜面内方向にも作用しているので、このことは各情報
トラック間における第1の磁性層の膜面方向の交換結合
力が情報トラック内における交換結合力よりも小さいこ
とを意味する。本発明において、各情報トラック間で互
いに磁気的に分離されるとは、この様な状態も含まれ
る。このランド96上に幅いっぱいに反転磁区を形成す
ると、図9(b)に示す様に、ランド96上の磁区の境
界部に、閉じていない磁壁97が形成される。このよう
な磁壁97は、トラック方向に移動させても、トラック
側部の磁壁97の生成・消滅を伴わないので、容易に移
動させることができる。磁気的に分離する他の方法とし
ては、トラッキング用の溝を有する基板を用いた場合は
溝部の磁性が消失するような処理を行ってもよい。1例
としてはレーザービーム照射によるアニールがある。こ
のアニール処理は磁性層の膜面方向の交換結合力を小さ
くすることになる。
【0021】位置Xsより手前(図では右側)の領域で
は、まだ媒体温度がTsより低く、磁壁抗磁力の大きな
第2の磁性層と交換結合しているために、第2の磁性層
中の磁壁の位置に対応した位置に第1の磁性層中の磁壁
も固定されている。
は、まだ媒体温度がTsより低く、磁壁抗磁力の大きな
第2の磁性層と交換結合しているために、第2の磁性層
中の磁壁の位置に対応した位置に第1の磁性層中の磁壁
も固定されている。
【0022】本発明においては、図1(a)に示す様
に、磁壁15が媒体の位置Xsにあると、媒体温度が温
度Tsまで上昇し、第1の磁性層と第2の磁性層との間
の交換結合力が弱くなり、第1磁性層に形成されている
磁壁を磁壁エネルギー密度の小さな方向へ移動させよう
とする力より小さくなる。交換結合力をあらかじめ弱く
することによりこの現象を起こさせることが可能であ
る。交換結合力を低減する方法として、第2磁性層の成
膜前に第1磁性層の表面を微量酸素雰囲気や微量水分雰
囲気にさらしたり、第2磁性層の成膜時の圧力を高くし
たりすることが挙げられる。また第1の磁性層成膜終了
直前にアルゴン等のスパッタ用不活性ガスに窒素や酸素
を添加して成膜しても良い。また、第1磁性層成膜後酸
素プラズマにさらしても良い。非磁性層を薄く第1磁性
層の上に形成しても良い。希土類の元素のみを薄く第1
磁性層の上に形成してもよい。または、第2の磁性層の
成膜時のスパッタ圧力を高くしてもよい。
に、磁壁15が媒体の位置Xsにあると、媒体温度が温
度Tsまで上昇し、第1の磁性層と第2の磁性層との間
の交換結合力が弱くなり、第1磁性層に形成されている
磁壁を磁壁エネルギー密度の小さな方向へ移動させよう
とする力より小さくなる。交換結合力をあらかじめ弱く
することによりこの現象を起こさせることが可能であ
る。交換結合力を低減する方法として、第2磁性層の成
膜前に第1磁性層の表面を微量酸素雰囲気や微量水分雰
囲気にさらしたり、第2磁性層の成膜時の圧力を高くし
たりすることが挙げられる。また第1の磁性層成膜終了
直前にアルゴン等のスパッタ用不活性ガスに窒素や酸素
を添加して成膜しても良い。また、第1磁性層成膜後酸
素プラズマにさらしても良い。非磁性層を薄く第1磁性
層の上に形成しても良い。希土類の元素のみを薄く第1
磁性層の上に形成してもよい。または、第2の磁性層の
成膜時のスパッタ圧力を高くしてもよい。
【0023】この結果、第1の磁性層中の磁壁15は、
破線矢印17で示した様に、より温度が高く磁壁エネル
ギー密度の小さな領域へと“瞬間的”に移動する。
破線矢印17で示した様に、より温度が高く磁壁エネル
ギー密度の小さな領域へと“瞬間的”に移動する。
【0024】再生用の光ビームのスポット16の下を磁
壁15が通過すると、スポット内の第1の磁性層の原子
スピンは全て一方向に揃う。そして、媒体の移動に伴っ
て磁壁15が位置Xsに来る度に、スポットの下を磁壁
15が瞬間的に移動しスポット内の原子スピンの向きが
反転して全て一方向に揃う。この結果、図1(a)に示
す様に、再生信号振幅は記録されている磁壁の間隔(即
ち記録マーク長)によらず、常に一定かつ最大の振幅に
なり、光学的な回折限界に起因した波形干渉等の問題か
ら完全に解放されるのである。
壁15が通過すると、スポット内の第1の磁性層の原子
スピンは全て一方向に揃う。そして、媒体の移動に伴っ
て磁壁15が位置Xsに来る度に、スポットの下を磁壁
15が瞬間的に移動しスポット内の原子スピンの向きが
反転して全て一方向に揃う。この結果、図1(a)に示
す様に、再生信号振幅は記録されている磁壁の間隔(即
ち記録マーク長)によらず、常に一定かつ最大の振幅に
なり、光学的な回折限界に起因した波形干渉等の問題か
ら完全に解放されるのである。
【0025】但し、磁壁の移動速度は無限大ではないか
ら、スポットの下を磁壁が通過するのに要する時間τ
が、最短記録マーク長相当の距離を媒体が移動するのに
要する時間tminよりも長くならないようにする必要
がある(図2参照)。
ら、スポットの下を磁壁が通過するのに要する時間τ
が、最短記録マーク長相当の距離を媒体が移動するのに
要する時間tminよりも長くならないようにする必要
がある(図2参照)。
【0026】図3は、上述の原理作用による本発明と、
通常の従来法とを比較する模式図である。この図におい
て(a1)〜(a7)、および(b1)〜(b7)は、
記録マーク長の異なる磁区33が形成された情報トラッ
ク36上を、再生用スポット31が移動する状態を示
す。また(a8)および(b8)は、得られる再生信号
のグラフである。
通常の従来法とを比較する模式図である。この図におい
て(a1)〜(a7)、および(b1)〜(b7)は、
記録マーク長の異なる磁区33が形成された情報トラッ
ク36上を、再生用スポット31が移動する状態を示
す。また(a8)および(b8)は、得られる再生信号
のグラフである。
【0027】従来の再生方法においては、再生用スポッ
ト31自体が情報トラック36上のひとつの磁区内に完
全に入った状態(b2)でないと、再生信号の最大振幅
が得られない(b8)。一方、本発明においては、再生
用スポット31と温度プロファイルを同方向32に相対
移動させ、再生用スポット31の直前部分が臨界温度T
sになる様にしてある。したがって、再生用スポット3
1が磁壁34に差掛る直前において、磁壁34の部分の
温度が臨界温度Tsとなり、磁壁34が逆方向35に移
動し、再生用スポット31が記録マーク内に完全に入っ
た状態(a2)となり、瞬時に再生信号の最大振幅が得
られる(a8)。
ト31自体が情報トラック36上のひとつの磁区内に完
全に入った状態(b2)でないと、再生信号の最大振幅
が得られない(b8)。一方、本発明においては、再生
用スポット31と温度プロファイルを同方向32に相対
移動させ、再生用スポット31の直前部分が臨界温度T
sになる様にしてある。したがって、再生用スポット3
1が磁壁34に差掛る直前において、磁壁34の部分の
温度が臨界温度Tsとなり、磁壁34が逆方向35に移
動し、再生用スポット31が記録マーク内に完全に入っ
た状態(a2)となり、瞬時に再生信号の最大振幅が得
られる(a8)。
【0028】また、従来の再生方法においては、磁区3
3がスポット径よりも狭い場合には、再生用スポット3
1全体が磁区内に納まらず(b3〜b7)、得られる再
生信号も不明瞭となる(b8)。一方、本発明において
は、再生用スポット31が記録マークの磁壁にほぼ差掛
った段階で、磁壁が逆方向後方に逐次移動するので(a
3〜a7)、極めて明瞭な再生信号が得られる(a
8)。
3がスポット径よりも狭い場合には、再生用スポット3
1全体が磁区内に納まらず(b3〜b7)、得られる再
生信号も不明瞭となる(b8)。一方、本発明において
は、再生用スポット31が記録マークの磁壁にほぼ差掛
った段階で、磁壁が逆方向後方に逐次移動するので(a
3〜a7)、極めて明瞭な再生信号が得られる(a
8)。
【0029】以上、第1の磁性層、第2の磁性層を有す
る本発明の光磁気記録媒体について説明したが、本発明
においては、図4に示す様に、第3の非磁性層43を第
1の磁性層41と第2の磁性層42との間に設けてもよ
い。この第3の非磁性層43は、交換結合をしない厚さ
を有し、且つ少なくともTs温度以上の温度において、
第2磁性層から第1磁性層に働く静磁結合力が第1磁性
層に形成された磁壁を磁壁エネルギー密度が小さくなる
方向へ移動させようとする該磁壁に働く力より小さくな
るような厚さを有する。
る本発明の光磁気記録媒体について説明したが、本発明
においては、図4に示す様に、第3の非磁性層43を第
1の磁性層41と第2の磁性層42との間に設けてもよ
い。この第3の非磁性層43は、交換結合をしない厚さ
を有し、且つ少なくともTs温度以上の温度において、
第2磁性層から第1磁性層に働く静磁結合力が第1磁性
層に形成された磁壁を磁壁エネルギー密度が小さくなる
方向へ移動させようとする該磁壁に働く力より小さくな
るような厚さを有する。
【0030】図4(a)(b)に示す様に、この第3の
非磁性層を有する光磁気記録媒体においても同様に、位
置Xsで温度Tsとすることによって、第1の磁性層と
第2の磁性層との間の磁気的結合を弱くし、第1の磁性
層中の磁壁を移動できる。
非磁性層を有する光磁気記録媒体においても同様に、位
置Xsで温度Tsとすることによって、第1の磁性層と
第2の磁性層との間の磁気的結合を弱くし、第1の磁性
層中の磁壁を移動できる。
【0031】図4(c)は、上述の温度分布に対応した
第1の磁性層の磁壁エネルギーσ1の分布を示すグラフ
である。この様にX方向に磁壁エネルギー密度σ1の勾
配があると、力F1が作用し、この力F1は、磁壁エネ
ルギーの低い方に磁壁を移動させるのである。
第1の磁性層の磁壁エネルギーσ1の分布を示すグラフ
である。この様にX方向に磁壁エネルギー密度σ1の勾
配があると、力F1が作用し、この力F1は、磁壁エネ
ルギーの低い方に磁壁を移動させるのである。
【0032】一方、記録を高速で読み出すためには、磁
壁を高速で移動させる必要がある。そのために、磁壁に
大きな力を作用させる必要がある。一般に、磁壁エネル
ギー密度の温度依存性は、キュリー温度に近づく程大き
くなる。従って、キュリー温度近傍の温度範囲で温度勾
配を与えた方が、X方向の磁壁エネルギー密度の勾配を
大きくすることができ、磁壁に大きな力を作用させるこ
とができる。しかし、第1の磁性層からの反射光の偏光
面の変化を検出するためには、再生用の光ビームのスポ
ットの照射領域においては、第1の磁性層のキュリー温
度よりも充分に低い温度になっている必要がある。そこ
で非磁性層は熱伝導率が大きい金属よりは熱伝導率が小
さい非金属が望ましい。
壁を高速で移動させる必要がある。そのために、磁壁に
大きな力を作用させる必要がある。一般に、磁壁エネル
ギー密度の温度依存性は、キュリー温度に近づく程大き
くなる。従って、キュリー温度近傍の温度範囲で温度勾
配を与えた方が、X方向の磁壁エネルギー密度の勾配を
大きくすることができ、磁壁に大きな力を作用させるこ
とができる。しかし、第1の磁性層からの反射光の偏光
面の変化を検出するためには、再生用の光ビームのスポ
ットの照射領域においては、第1の磁性層のキュリー温
度よりも充分に低い温度になっている必要がある。そこ
で非磁性層は熱伝導率が大きい金属よりは熱伝導率が小
さい非金属が望ましい。
【0033】また、本発明においては、図5に示す様
に、第3の磁性層53を第1の磁性層51と第2の磁性
層52との間に設けてもよい。この第3の磁性層53
は、該第1の磁性層よりも低いキュリー温度を有し、か
つ少なくとも臨界温度Ts以上の温度において、該第2
の磁性層に比べて相対的に磁壁抗磁力が小さな垂直磁化
膜からなるものである。この第3の磁性層は、更に第1
の磁性層中の磁壁を移動させるのに充分な力を誘発する
ためのものである。
に、第3の磁性層53を第1の磁性層51と第2の磁性
層52との間に設けてもよい。この第3の磁性層53
は、該第1の磁性層よりも低いキュリー温度を有し、か
つ少なくとも臨界温度Ts以上の温度において、該第2
の磁性層に比べて相対的に磁壁抗磁力が小さな垂直磁化
膜からなるものである。この第3の磁性層は、更に第1
の磁性層中の磁壁を移動させるのに充分な力を誘発する
ためのものである。
【0034】図5(a)(b)に示す様に、この第3の
磁性層を有する光磁気記録媒体においても同様に、位置
Xsで臨界温度Tsとすることによって、第3の磁性層
と第2の磁性層との間の交換結合力を低減し、第1及び
第3の磁性層中の磁壁を移動できる。
磁性層を有する光磁気記録媒体においても同様に、位置
Xsで臨界温度Tsとすることによって、第3の磁性層
と第2の磁性層との間の交換結合力を低減し、第1及び
第3の磁性層中の磁壁を移動できる。
【0035】図5(c)は、上述の温度分布に対応した
第1の磁性層の磁壁エネルギー密度σ1および第3の磁
性層の磁壁エネルギー密度σ3の分布を示すグラフであ
る。この様にx方向に磁壁エネルギー密度σ1の勾配が
あると、先に説明したと同様に位置xに存在する各層の
磁壁に対して力Fiが作用し、この力Fiは、磁壁エネ
ルギーの低い方に磁壁を移動させるのである。
第1の磁性層の磁壁エネルギー密度σ1および第3の磁
性層の磁壁エネルギー密度σ3の分布を示すグラフであ
る。この様にx方向に磁壁エネルギー密度σ1の勾配が
あると、先に説明したと同様に位置xに存在する各層の
磁壁に対して力Fiが作用し、この力Fiは、磁壁エネ
ルギーの低い方に磁壁を移動させるのである。
【0036】一方、記録を高速で読み出すためには、磁
壁を高速で移動させる必要がある。そのために、磁壁に
大きな力を作用させる必要がある。一般に、磁壁エネル
ギー密度の温度依存性は、キュリー温度に近づく程大き
くなる。従って、キュリー温度近傍の温度範囲で温度勾
配を与えた方が、x方向の磁壁エネルギー密度の勾配を
大きくすることができ、磁壁に大きな力を作用させるこ
とができる。しかし、第1の磁性層からの反射光の偏光
面の変化を検出するためには、再生用の光ビームのスポ
ットの照射領域においては、第1の磁性層のキュリー温
度よりも充分に低い温度になっている必要がある。
壁を高速で移動させる必要がある。そのために、磁壁に
大きな力を作用させる必要がある。一般に、磁壁エネル
ギー密度の温度依存性は、キュリー温度に近づく程大き
くなる。従って、キュリー温度近傍の温度範囲で温度勾
配を与えた方が、x方向の磁壁エネルギー密度の勾配を
大きくすることができ、磁壁に大きな力を作用させるこ
とができる。しかし、第1の磁性層からの反射光の偏光
面の変化を検出するためには、再生用の光ビームのスポ
ットの照射領域においては、第1の磁性層のキュリー温
度よりも充分に低い温度になっている必要がある。
【0037】ここで図5に示した様に、第1の磁性層よ
りキュリー温度の低い第3の磁性層53を、第1の磁性
層の光ビームの入射側と反対側に隣接して設ければ、再
生用の光ビームのスポットの照射領域において、第1の
磁性層のキュリー温度よりは充分低く、かつ第3の磁性
層のキュリー温度近傍の温度範囲で温度勾配を与えるこ
とができる。
りキュリー温度の低い第3の磁性層53を、第1の磁性
層の光ビームの入射側と反対側に隣接して設ければ、再
生用の光ビームのスポットの照射領域において、第1の
磁性層のキュリー温度よりは充分低く、かつ第3の磁性
層のキュリー温度近傍の温度範囲で温度勾配を与えるこ
とができる。
【0038】この結果、第3の磁性層中の磁壁に大きな
力が作用し、第1の磁性層中の磁壁にも、第3の磁性層
との交換相互作用による力が付加されて、大きな力が作
用するのである。
力が作用し、第1の磁性層中の磁壁にも、第3の磁性層
との交換相互作用による力が付加されて、大きな力が作
用するのである。
【0039】また更に、第3の磁性層に、第2の磁性層
に近づく程キュリー温度が低くなるような膜厚方向のキ
ュリー温度の勾配をつければ、X方向の温度勾配に伴っ
て、X方向に順次キュリー温度直下の第3の磁性層の構
成部を形成できるので、磁壁を移動させる必要のあるX
方向の範囲全般に渡って、比較的大きな力を作用させる
ことが可能になる。該温度勾配を付ける場合、多層磁性
層にして不連続にしてもよいし、連続的に組成を変えて
キュリー温度の勾配をつけてもよい。
に近づく程キュリー温度が低くなるような膜厚方向のキ
ュリー温度の勾配をつければ、X方向の温度勾配に伴っ
て、X方向に順次キュリー温度直下の第3の磁性層の構
成部を形成できるので、磁壁を移動させる必要のあるX
方向の範囲全般に渡って、比較的大きな力を作用させる
ことが可能になる。該温度勾配を付ける場合、多層磁性
層にして不連続にしてもよいし、連続的に組成を変えて
キュリー温度の勾配をつけてもよい。
【0040】以下、本発明を適用した実施態様について
図面を参照しながら説明する。
図面を参照しながら説明する。
【0041】図6は、本発明の光磁気記録媒体の層構成
の一実施態様を示す模式的断面図である。この態様にお
いては、透明基板65上に、誘電体層64、第1の磁性
層61、第2の磁性層62、誘電体層63が順次積層さ
れている。
の一実施態様を示す模式的断面図である。この態様にお
いては、透明基板65上に、誘電体層64、第1の磁性
層61、第2の磁性層62、誘電体層63が順次積層さ
れている。
【0042】透明基板65としては、例えば、ポリカー
ボネート、ガラス等を用いることができる。誘電体層6
4としては、例えば、Si3 N4 、AlN、SiO2 、
SiO、ZnS、MgF2 などの透明誘電材料が使用で
きる。最後に保護膜として再び形成される誘電体層63
も同様のものを用いることができる。これら各層は、例
えばマグネトロンスパッタ装置による連続スパッタリン
グ、または連続蒸着等によって被着形成できる。特に各
磁性層は、真空を破ることなく連続成膜されることで、
互いに交換結合をしている。
ボネート、ガラス等を用いることができる。誘電体層6
4としては、例えば、Si3 N4 、AlN、SiO2 、
SiO、ZnS、MgF2 などの透明誘電材料が使用で
きる。最後に保護膜として再び形成される誘電体層63
も同様のものを用いることができる。これら各層は、例
えばマグネトロンスパッタ装置による連続スパッタリン
グ、または連続蒸着等によって被着形成できる。特に各
磁性層は、真空を破ることなく連続成膜されることで、
互いに交換結合をしている。
【0043】また、この構成に、更にAl、AlTa、
AlTi、AlCr、Cuなどからなる金属層を付加し
て、熱的な特性を調整してもよい。また、高分子樹脂か
らなる保護コートを付与してもよい。あるいは、成膜後
の基板を貼り合わせてもよい。
AlTi、AlCr、Cuなどからなる金属層を付加し
て、熱的な特性を調整してもよい。また、高分子樹脂か
らなる保護コートを付与してもよい。あるいは、成膜後
の基板を貼り合わせてもよい。
【0044】上記媒体において、各磁性層61、62
は、種々の磁性材料によって構成することが考えられる
が、例えば、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、H
oなどの希土類金属元素の一種類あるいは二種類以上が
10〜40at%と、Fe、Co、Niなどの鉄族元素
の一種類あるいは二種類以上が90〜60at%とで構
成される希土類−鉄族非晶質合金によって構成し得る。
また、耐食性向上などのために、これにCr、Mn、C
u、Ti、Al、Si、Pt、Inなどの元素を少量添
加してもよい。
は、種々の磁性材料によって構成することが考えられる
が、例えば、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、H
oなどの希土類金属元素の一種類あるいは二種類以上が
10〜40at%と、Fe、Co、Niなどの鉄族元素
の一種類あるいは二種類以上が90〜60at%とで構
成される希土類−鉄族非晶質合金によって構成し得る。
また、耐食性向上などのために、これにCr、Mn、C
u、Ti、Al、Si、Pt、Inなどの元素を少量添
加してもよい。
【0045】重希土類−鉄族非晶質合金の場合、飽和磁
化は、希土類元素と鉄族元素との組成比により制御する
ことが可能である。また、キュリー温度も、組成比によ
り制御することが可能であるが、飽和磁化と独立に制御
するためには、鉄族元素として、Feの一部をCoで置
き換えた材料を用い、置換基を制御する方法がより好ま
しく利用できる。即ち、Fe 1at%をCoで置換す
ることにより、6℃程度のキュリー温度上昇が見込める
ので、この関係を用いて所望のキュリー温度となるよう
にCoの添加量を調整する。また、Cr、Tiなどの非
磁性元素を微量添加することにより、逆にキュリー温度
を低下させることも可能である。あるいはまた、二種類
以上の希土類元素を用いてそれらの組成比を調整するこ
とでもキュリー温度を制御できる。
化は、希土類元素と鉄族元素との組成比により制御する
ことが可能である。また、キュリー温度も、組成比によ
り制御することが可能であるが、飽和磁化と独立に制御
するためには、鉄族元素として、Feの一部をCoで置
き換えた材料を用い、置換基を制御する方法がより好ま
しく利用できる。即ち、Fe 1at%をCoで置換す
ることにより、6℃程度のキュリー温度上昇が見込める
ので、この関係を用いて所望のキュリー温度となるよう
にCoの添加量を調整する。また、Cr、Tiなどの非
磁性元素を微量添加することにより、逆にキュリー温度
を低下させることも可能である。あるいはまた、二種類
以上の希土類元素を用いてそれらの組成比を調整するこ
とでもキュリー温度を制御できる。
【0046】この他に、ガーネット、白金族−鉄族周期
構造膜、もしくは白金族−鉄族合金などの材料も使用可
能である。
構造膜、もしくは白金族−鉄族合金などの材料も使用可
能である。
【0047】第1の磁性層としては、例えば、GdC
o、GdFeCo、GdFe、NdGdFeCoなどの
垂直磁気異方性の小さな希土類−鉄族非晶質合金や、ガ
ーネット等のバブルメモリ用材料が望ましい。
o、GdFeCo、GdFe、NdGdFeCoなどの
垂直磁気異方性の小さな希土類−鉄族非晶質合金や、ガ
ーネット等のバブルメモリ用材料が望ましい。
【0048】第2の磁性層としては、例えば、TbFe
Co、DyFeCo、TbDyFeCoなどの希土類−
鉄族非晶質合金や、Pt/Co、Pd/Coなどの白金
族−鉄族周期構造膜など、垂直磁気異方性が大きく安定
に磁化状態が保持できるものが望ましい。
Co、DyFeCo、TbDyFeCoなどの希土類−
鉄族非晶質合金や、Pt/Co、Pd/Coなどの白金
族−鉄族周期構造膜など、垂直磁気異方性が大きく安定
に磁化状態が保持できるものが望ましい。
【0049】本発明の光磁気記録媒体へのデータ信号の
記録は、媒体を移動させながら、第2の磁性層がキュリ
ー温度以上になるようなパワーのレーザー光を照射しな
がら外部磁界を変調して行うか、もしくは、一定方向の
磁界を印加しながらレーザーパワーを変調して行う。後
者の場合、光スポット内の所定領域のみが第2の磁性層
のキュリー温度近傍になる様にレーザー光の強度を調整
すれば、光スポットの径以下の記録磁区が形成でき、そ
の結果、光の回折限界以下の周期の信号を記録できる。
記録は、媒体を移動させながら、第2の磁性層がキュリ
ー温度以上になるようなパワーのレーザー光を照射しな
がら外部磁界を変調して行うか、もしくは、一定方向の
磁界を印加しながらレーザーパワーを変調して行う。後
者の場合、光スポット内の所定領域のみが第2の磁性層
のキュリー温度近傍になる様にレーザー光の強度を調整
すれば、光スポットの径以下の記録磁区が形成でき、そ
の結果、光の回折限界以下の周期の信号を記録できる。
【0050】更に、非磁性層を設けた媒体の構成を図7
に示す。この態様においては、透明基板76上に、誘電
体層75、第1の磁性層71、非磁性層74、第2の磁
性層72、誘電体層73が順次積層されている。各層の
材料、製造法に関しては、図5について述べたものと同
様である。
に示す。この態様においては、透明基板76上に、誘電
体層75、第1の磁性層71、非磁性層74、第2の磁
性層72、誘電体層73が順次積層されている。各層の
材料、製造法に関しては、図5について述べたものと同
様である。
【0051】
【実施例】以下に具体的な実施例をもって本発明を更に
詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以
下の実施例に限定されるものではない。
詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以
下の実施例に限定されるものではない。
【0052】まず、図6に示した様な第1、第2の磁性
層を有する光磁気記録媒体の実施例を以下に挙げる。
層を有する光磁気記録媒体の実施例を以下に挙げる。
【0053】<実施例1>直流マグネトロンスパッタリ
ング装置に、BドープしたSi、及びGd、Tb、F
e、Coの各ターゲットを取り付け、トラッキング用の
案内溝の形成されたポリカーボネイト基板を基板ホルダ
ーに固定した後、1×10-5Pa以下の高真空になるま
でチャンバー内をクライオポンプで真空排気した。真空
排気をしたままArガスを0.3Paとなるまでチャン
バー内に導入し、基板を回転させながら、干渉層である
SiN層を800オングストローム成膜した。引き続
き、第1の磁性層としてGdCo層を300オングスト
ロームを形成した後に、チャンバーに酸素ガスを微量導
入し1×10-2Paの状態で2分間放置した。その後酸
素ガス供給をストップし一旦高真空まで排気した。その
後、第2の磁性層としてTbFeCo層を800オング
ストローム順次成膜した。最後に、保護層としてSiN
層を800オングストローム成膜した。SiN層成膜時
にはArガスに加えてN2 ガスを導入し、直流反応性ス
パッタにより成膜した。各磁性層は、Gd、Tb、F
e、Coの各ターゲットに直流パワーを印加して成膜し
た。
ング装置に、BドープしたSi、及びGd、Tb、F
e、Coの各ターゲットを取り付け、トラッキング用の
案内溝の形成されたポリカーボネイト基板を基板ホルダ
ーに固定した後、1×10-5Pa以下の高真空になるま
でチャンバー内をクライオポンプで真空排気した。真空
排気をしたままArガスを0.3Paとなるまでチャン
バー内に導入し、基板を回転させながら、干渉層である
SiN層を800オングストローム成膜した。引き続
き、第1の磁性層としてGdCo層を300オングスト
ロームを形成した後に、チャンバーに酸素ガスを微量導
入し1×10-2Paの状態で2分間放置した。その後酸
素ガス供給をストップし一旦高真空まで排気した。その
後、第2の磁性層としてTbFeCo層を800オング
ストローム順次成膜した。最後に、保護層としてSiN
層を800オングストローム成膜した。SiN層成膜時
にはArガスに加えてN2 ガスを導入し、直流反応性ス
パッタにより成膜した。各磁性層は、Gd、Tb、F
e、Coの各ターゲットに直流パワーを印加して成膜し
た。
【0054】各磁性層の組成は、全て補償組成近傍にな
るように調整し、キュリー温度は、第1の磁性層が30
0℃以上、第2の磁性層が200℃程度となるように設
定した。
るように調整し、キュリー温度は、第1の磁性層が30
0℃以上、第2の磁性層が200℃程度となるように設
定した。
【0055】この媒体は、図9(a)に断面形状で示し
た様に、基板91上に、誘電体層92、磁性層93、誘
電体層94が積層され、基板91の案内溝を深さ100
0オングストロームの矩形に形成してある。このため、
ランド96上に積層された磁性層92は、案内溝95の
部分でほぼ分離されている。なお実際には、段差部にも
多少膜が堆積して磁性層が繋がってしまうが、他の部分
と比較して膜厚が非常に薄くなるので、段差部での磁気
的結合は無視できる。本発明において、各情報トラック
間で互いに磁気的に分離されるとは、この様な状態も含
まれる。このランド96上に幅いっぱいに反転磁区を形
成すると、図9(b)に示す様に、ランド96上の磁区
の境界部に、閉じていない磁壁97が形成される。この
ような磁壁97は、トラック方向に移動させても、トラ
ック側部の磁壁97の生成・消滅を伴わないので、容易
に移動させることができる。
た様に、基板91上に、誘電体層92、磁性層93、誘
電体層94が積層され、基板91の案内溝を深さ100
0オングストロームの矩形に形成してある。このため、
ランド96上に積層された磁性層92は、案内溝95の
部分でほぼ分離されている。なお実際には、段差部にも
多少膜が堆積して磁性層が繋がってしまうが、他の部分
と比較して膜厚が非常に薄くなるので、段差部での磁気
的結合は無視できる。本発明において、各情報トラック
間で互いに磁気的に分離されるとは、この様な状態も含
まれる。このランド96上に幅いっぱいに反転磁区を形
成すると、図9(b)に示す様に、ランド96上の磁区
の境界部に、閉じていない磁壁97が形成される。この
ような磁壁97は、トラック方向に移動させても、トラ
ック側部の磁壁97の生成・消滅を伴わないので、容易
に移動させることができる。
【0056】この様にして得た光磁気記録媒体につい
て、記録再生特性を測定した。
て、記録再生特性を測定した。
【0057】測定に用いた記録再生装置には、図10に
示すように、一般的な光磁気ディスク記録再生装置の光
学系に、加熱用のレーザーが付加されている。101
は、記録再生用のレーザー光源で、波長は780nm
で、記録媒体に対してP偏向が入射する様に配置されて
いる。102は、加熱用のレーザー光源で、波長は1.
3μmで、同じく記録媒体に対してP偏向が入射する様
に配置されている。103は、780nm光を100%
透過し、1.3μm光を100%反射するように設計さ
れたダイクロイックミラーである。104は、偏向ビー
ムスプリッタで、780nm光、1.3μm光、各々の
P偏向は70〜80%透過し、S偏向は100%反射す
るよう設計されている。1.3μm光の光束径は、対物
レンズ85の開口径よりも小さくなるようにしてあり、
全開口部を通過して集光される780nm光に比べて、
NAが小さくなるようにしてある。また、107は、
1.3μm光が、信号検出系に洩れ込まないようにする
ために設けるもので、780nm光を100%透過し、
1.3μm光を100%反射するように設計されたダイ
クロイックミラーである。
示すように、一般的な光磁気ディスク記録再生装置の光
学系に、加熱用のレーザーが付加されている。101
は、記録再生用のレーザー光源で、波長は780nm
で、記録媒体に対してP偏向が入射する様に配置されて
いる。102は、加熱用のレーザー光源で、波長は1.
3μmで、同じく記録媒体に対してP偏向が入射する様
に配置されている。103は、780nm光を100%
透過し、1.3μm光を100%反射するように設計さ
れたダイクロイックミラーである。104は、偏向ビー
ムスプリッタで、780nm光、1.3μm光、各々の
P偏向は70〜80%透過し、S偏向は100%反射す
るよう設計されている。1.3μm光の光束径は、対物
レンズ85の開口径よりも小さくなるようにしてあり、
全開口部を通過して集光される780nm光に比べて、
NAが小さくなるようにしてある。また、107は、
1.3μm光が、信号検出系に洩れ込まないようにする
ために設けるもので、780nm光を100%透過し、
1.3μm光を100%反射するように設計されたダイ
クロイックミラーである。
【0058】この光学系により、記録媒体106の記録
面上に、図11(a)に示すように、案内溝114間の
ランド105上において、記録再生用のスポット111
と、加熱用のスポット112とを結像させることができ
る。加熱用のスポット112は、波長が長くNAが小さ
いので、記録再生用のスポット111よりも径が大きく
なる。これにより、移動している媒体の記録面上の記録
再生用のスポット111の領域に、図11(b)に示し
てあるような所望の温度勾配を容易に形成することがで
きる。ここで温度Tsの等温線116も図示する。記録
再生は媒体を線速5m/secで駆動して行なった。
面上に、図11(a)に示すように、案内溝114間の
ランド105上において、記録再生用のスポット111
と、加熱用のスポット112とを結像させることができ
る。加熱用のスポット112は、波長が長くNAが小さ
いので、記録再生用のスポット111よりも径が大きく
なる。これにより、移動している媒体の記録面上の記録
再生用のスポット111の領域に、図11(b)に示し
てあるような所望の温度勾配を容易に形成することがで
きる。ここで温度Tsの等温線116も図示する。記録
再生は媒体を線速5m/secで駆動して行なった。
【0059】まず、記録再生用レーザーを8mWでDC
照射しながら磁界を±150 Oeで変調することによ
り、第2の磁性層のキュリー温度以上に加熱した後の冷
却過程で、磁界の変調に対応した上向き磁化と下向き磁
化との繰返しパターンを形成した。尚、この時、加熱用
のレーザーを合わせて照射して、記録再生用レーザーの
記録パワーを低減させることも可能である。
照射しながら磁界を±150 Oeで変調することによ
り、第2の磁性層のキュリー温度以上に加熱した後の冷
却過程で、磁界の変調に対応した上向き磁化と下向き磁
化との繰返しパターンを形成した。尚、この時、加熱用
のレーザーを合わせて照射して、記録再生用レーザーの
記録パワーを低減させることも可能である。
【0060】記録磁界の変調周波数は1〜10MHzま
で変化させ、2.5〜0.25μmの範囲のマーク長の
パターンを記録した。
で変化させ、2.5〜0.25μmの範囲のマーク長の
パターンを記録した。
【0061】再生時の記録再生用のレーザーのパワーは
1mWとし、加熱用のレーザーを20mWのパワーで同
時に照射しながら、各マーク長のパターンについてC/
Nを測定した。この時の媒体面上の温度分布は図11
(b)に示すとおりである。
1mWとし、加熱用のレーザーを20mWのパワーで同
時に照射しながら、各マーク長のパターンについてC/
Nを測定した。この時の媒体面上の温度分布は図11
(b)に示すとおりである。
【0062】この測定結果を図12のグラフ線aに示
す。また比較のため同図中の特開平3−93058号に
記載の従来の超解像再生方法による測定結果をグラフ線
bとして示し、超解像現象の起こらない通常の再生方法
による測定結果をグラフ線cとして示す。
す。また比較のため同図中の特開平3−93058号に
記載の従来の超解像再生方法による測定結果をグラフ線
bとして示し、超解像現象の起こらない通常の再生方法
による測定結果をグラフ線cとして示す。
【0063】本発明の再生方法によると、マーク長が短
くなっても再生用のスポット内の全磁区の反転が検出さ
れるので、光の回折限界以下の周期の信号が再生可能と
なるのみならず、C/Nのマーク長依存性がほとんどな
くなる。
くなっても再生用のスポット内の全磁区の反転が検出さ
れるので、光の回折限界以下の周期の信号が再生可能と
なるのみならず、C/Nのマーク長依存性がほとんどな
くなる。
【0064】尚、本実施例の媒体において、第1の磁性
層の磁壁が、温度勾配によって移動する様子は、以下に
述べるように、偏光顕微鏡による直接観察で確認され
た。
層の磁壁が、温度勾配によって移動する様子は、以下に
述べるように、偏光顕微鏡による直接観察で確認され
た。
【0065】まず、実施例1と同様の構成で、磁性層の
積層順を逆にしたサンプルを作製した。このサンプルに
実施例1と同様の記録方法により、磁区パターンを形成
した。これを膜面側、即ち第1の磁性層側から偏光顕微
鏡で観察した。
積層順を逆にしたサンプルを作製した。このサンプルに
実施例1と同様の記録方法により、磁区パターンを形成
した。これを膜面側、即ち第1の磁性層側から偏光顕微
鏡で観察した。
【0066】次に、このサンプルに加熱用の集光レーザ
ーを照射して、偏光顕微鏡の視野内で、実施例1とほぼ
同様の温度分布を形成した。
ーを照射して、偏光顕微鏡の視野内で、実施例1とほぼ
同様の温度分布を形成した。
【0067】この状態で、サンプルに500Oe程度の
磁界を印加した。この結果、温度分布に対応した円形の
領域のみが、外部磁界の方向に配向するのが観察され
た。これは、この領域において、第1の磁性層と第2の
磁性層との間の交換結合が弱くなっていることを意味し
ている。
磁界を印加した。この結果、温度分布に対応した円形の
領域のみが、外部磁界の方向に配向するのが観察され
た。これは、この領域において、第1の磁性層と第2の
磁性層との間の交換結合が弱くなっていることを意味し
ている。
【0068】次に、磁界の印加を停止して、トラック方
向にサンプルをゆっくりと移動させた。すると、トラッ
ク上に形成されている磁区の境界部が上述の円形の結合
力低下領域に入る度に、移動してきた磁区が円形領域の
中心方向に向かって拡大するのが観察された。
向にサンプルをゆっくりと移動させた。すると、トラッ
ク上に形成されている磁区の境界部が上述の円形の結合
力低下領域に入る度に、移動してきた磁区が円形領域の
中心方向に向かって拡大するのが観察された。
【0069】加熱用のレーザーの照射を停止すると、第
2の磁性層に保存されていた磁区パターンが第1の磁性
層に転写されるのが観察された。
2の磁性層に保存されていた磁区パターンが第1の磁性
層に転写されるのが観察された。
【0070】以上より、第2の磁性層との結合力が低下
した領域において、第1の磁性層の磁壁が、温度勾配に
よって高温側へ移動することが確認された。
した領域において、第1の磁性層の磁壁が、温度勾配に
よって高温側へ移動することが確認された。
【0071】<実施例2>実施例1と同様の成膜機、成
膜方法で、同様にポリカーボネイト基板上に薄膜を成膜
して光磁気記録媒体を作成した。但し本実施例において
は、以下の三点を変更した。
膜方法で、同様にポリカーボネイト基板上に薄膜を成膜
して光磁気記録媒体を作成した。但し本実施例において
は、以下の三点を変更した。
【0072】第一に、成膜前の基板表面にArイオンの
加速照射処理を加えたこと、第二に、干渉層であるSi
N層を成膜した後の膜表面にArイオンの加速照射処理
を加えたことである。これらの処理により、表面状態を
平滑化した。更に、第三に、第1の磁性層の膜厚を20
00オングストロームに変更したことである。これらの
変更点は、それぞれ独立に、第1の磁性層の磁壁移動度
の向上に寄与する。
加速照射処理を加えたこと、第二に、干渉層であるSi
N層を成膜した後の膜表面にArイオンの加速照射処理
を加えたことである。これらの処理により、表面状態を
平滑化した。更に、第三に、第1の磁性層の膜厚を20
00オングストロームに変更したことである。これらの
変更点は、それぞれ独立に、第1の磁性層の磁壁移動度
の向上に寄与する。
【0073】この媒体の記録再生特性を実施例1と同様
の方法で測定したところ、実施例1と同様の良好な結果
が得られた。更に、再生時の媒体の線速度を20m/s
ecまで高速化して再生しても、再生特性は低下しなか
った。
の方法で測定したところ、実施例1と同様の良好な結果
が得られた。更に、再生時の媒体の線速度を20m/s
ecまで高速化して再生しても、再生特性は低下しなか
った。
【0074】<実施例3>実施例1と同様の成膜機、成
膜方法で、同様にポリカーボネイト基板上に薄膜を成膜
して光磁気記録媒体を作製した。
膜方法で、同様にポリカーボネイト基板上に薄膜を成膜
して光磁気記録媒体を作製した。
【0075】但し、本実施例においては、基板として、
プレピットが形成されており、案内溝の断面形状がU型
になっているものを用いた。このため、積層した磁性層
は、案内溝の部分で形状的に分断されていない。
プレピットが形成されており、案内溝の断面形状がU型
になっているものを用いた。このため、積層した磁性層
は、案内溝の部分で形状的に分断されていない。
【0076】この媒体の、案内溝の部分に高出力のレー
ザーを照射し、案内溝の部分の磁性層を全面にアニール
した。この結果、案内溝の部分の磁性層が変質して面内
膜になり、案内溝を介して、互いに隣接するトラックの
磁性層の間の結合が分断された。この媒体の記録再生特
性を実施例1と同様の方法で測定したところ、実施例1
と同様の良好な結果が得られた。
ザーを照射し、案内溝の部分の磁性層を全面にアニール
した。この結果、案内溝の部分の磁性層が変質して面内
膜になり、案内溝を介して、互いに隣接するトラックの
磁性層の間の結合が分断された。この媒体の記録再生特
性を実施例1と同様の方法で測定したところ、実施例1
と同様の良好な結果が得られた。
【0077】また、上述のアニール処理を施さずに、上
記の媒体の記録再生特性を実施例1と同様の方法で測定
したところ、実施例1の結果に比べてノイズが上昇した
が、光の回折限界以下の周期の信号の再生は、十分可能
であった。この媒体では、閉じた磁壁で囲まれた磁区が
存在するので、この磁区を拡大させる方向に磁壁を移動
させる時に動作が不安定になりノイズが上昇した。
記の媒体の記録再生特性を実施例1と同様の方法で測定
したところ、実施例1の結果に比べてノイズが上昇した
が、光の回折限界以下の周期の信号の再生は、十分可能
であった。この媒体では、閉じた磁壁で囲まれた磁区が
存在するので、この磁区を拡大させる方向に磁壁を移動
させる時に動作が不安定になりノイズが上昇した。
【0078】なお、隣接するトラックの磁性層との間の
結合を分断する別の方法として、エッチング処理による
パターニングを行ってもよい。
結合を分断する別の方法として、エッチング処理による
パターニングを行ってもよい。
【0079】<実施例4>実施例1の媒体を用いて、実
施例1とほぼ同様の記録再生装置で記録再生特性を評価
した。但し、記録再生用のスポットと、加熱用のスポッ
トとの位置関係を図13のように変更した。即ち、加熱
用レーザーによって誘起される温度分布の、媒体の移動
方向に対して前方の斜面に、記録再生用のスポットが配
置されるようにした。
施例1とほぼ同様の記録再生装置で記録再生特性を評価
した。但し、記録再生用のスポットと、加熱用のスポッ
トとの位置関係を図13のように変更した。即ち、加熱
用レーザーによって誘起される温度分布の、媒体の移動
方向に対して前方の斜面に、記録再生用のスポットが配
置されるようにした。
【0080】媒体が移動して、図中Sで示した位置を通
過すると、第1の磁性層と第2の磁性層とが再び強く結
合して、第1の磁性層に第2の磁性層の磁化配向状態が
転写される。第2の磁性層の磁壁がSで示した位置を通
過すると、第1の磁性層のSで示した位置に磁壁が残さ
れ、この磁壁が瞬間的に後方に移動する。記録再生用の
スポットを、上述のように配置しておくと、この時の磁
壁の移動が検出される。
過すると、第1の磁性層と第2の磁性層とが再び強く結
合して、第1の磁性層に第2の磁性層の磁化配向状態が
転写される。第2の磁性層の磁壁がSで示した位置を通
過すると、第1の磁性層のSで示した位置に磁壁が残さ
れ、この磁壁が瞬間的に後方に移動する。記録再生用の
スポットを、上述のように配置しておくと、この時の磁
壁の移動が検出される。
【0081】この配置にすると、Sで示した臨界温度T
sの等温線の形状と、磁界変調方式で形成された磁区の
磁壁の形状とがほぼ整合するので、磁壁の移動がより安
定に行われるようになる。
sの等温線の形状と、磁界変調方式で形成された磁区の
磁壁の形状とがほぼ整合するので、磁壁の移動がより安
定に行われるようになる。
【0082】<比較例1>実施例1の媒体を用いて、加
熱用のレーザーが付加されていない通常の光磁気ディス
ク記録再生装置によって、記録再生特性を測定した。
熱用のレーザーが付加されていない通常の光磁気ディス
ク記録再生装置によって、記録再生特性を測定した。
【0083】加熱用のレーザーが照射されていない他
は、実施例1と同様の方法で再生特性を調べたところ、
再生パワーを3mW程度まで増大させることにより、良
好なC/Nが得られた。但し、実施例1の結果と比較す
ると、各マーク長において、5dB程度C/Nが低かっ
た。これは、再生用スポットの前部においては媒体の温
度が上昇しないので、再生用スポットの途中から磁壁の
移動が起こり、実施例1のようには、スポット全域を有
効に使用できないためである。
は、実施例1と同様の方法で再生特性を調べたところ、
再生パワーを3mW程度まで増大させることにより、良
好なC/Nが得られた。但し、実施例1の結果と比較す
ると、各マーク長において、5dB程度C/Nが低かっ
た。これは、再生用スポットの前部においては媒体の温
度が上昇しないので、再生用スポットの途中から磁壁の
移動が起こり、実施例1のようには、スポット全域を有
効に使用できないためである。
【0084】次に、図7に示した様な第1、第2の磁性
層及び非磁性層を有する光磁気記録媒体の実施例を以下
に挙げる。
層及び非磁性層を有する光磁気記録媒体の実施例を以下
に挙げる。
【0085】<実施例5>直流マグネトロンスパッタリ
ング装置に、BドープしたSi、及びGd、Tb、F
e、Co、Crの各ターゲットを取り付け、トラッキン
グ用の案内溝の形成されたポリカーボネイト基板を基板
ホルダーに固定した後、1×10-5Pa以下の高真空に
なるまでチャンバー内をクライオポンプで真空排気し
た。真空排気をしたままArガスを0.3Paとなるま
でチャンバー内に導入し、基板を回転させながら、干渉
層であるSiN層を800オングストローム成膜した。
引き続き、第1の磁性層としてGdCoCr層を300
オングストローム、非磁性層としてSiN層を100オ
ングストローム、第2の磁性層としてTbFeCo層を
1500オングストローム順次成膜した。最後に保護層
としてSiN層を800オングストローム成膜した。S
iN層成膜時にはArガスに加えてN2 ガスを導入し、
直流反応性スパッタにより成膜した。各磁性層は、G
d、Tb、Fe、Co、Crの各ターゲットに直流パワ
ーを印加して成膜した。
ング装置に、BドープしたSi、及びGd、Tb、F
e、Co、Crの各ターゲットを取り付け、トラッキン
グ用の案内溝の形成されたポリカーボネイト基板を基板
ホルダーに固定した後、1×10-5Pa以下の高真空に
なるまでチャンバー内をクライオポンプで真空排気し
た。真空排気をしたままArガスを0.3Paとなるま
でチャンバー内に導入し、基板を回転させながら、干渉
層であるSiN層を800オングストローム成膜した。
引き続き、第1の磁性層としてGdCoCr層を300
オングストローム、非磁性層としてSiN層を100オ
ングストローム、第2の磁性層としてTbFeCo層を
1500オングストローム順次成膜した。最後に保護層
としてSiN層を800オングストローム成膜した。S
iN層成膜時にはArガスに加えてN2 ガスを導入し、
直流反応性スパッタにより成膜した。各磁性層は、G
d、Tb、Fe、Co、Crの各ターゲットに直流パワ
ーを印加して成膜した。
【0086】各磁性層の組成は、全て補償組成近傍にな
るように調整し、キュリー温度は、第1の磁性層が30
0℃以上、第2の磁性層が200℃程度となるように設
定した。この媒体は、実施例1と同様に、図9に示した
様な断面形状を有する。
るように調整し、キュリー温度は、第1の磁性層が30
0℃以上、第2の磁性層が200℃程度となるように設
定した。この媒体は、実施例1と同様に、図9に示した
様な断面形状を有する。
【0087】この様にして得た光磁気記録媒体につい
て、実施例1と同様にして記録再生特性を測定した。た
だし、記録時のDC照射レーザーパワーは10mWと
し、再生時の加熱用レーザーパワーは25mWとした。
この測定結果は、実施例1と同様に、図12のグラフ線
aの良好な結果が得られた。
て、実施例1と同様にして記録再生特性を測定した。た
だし、記録時のDC照射レーザーパワーは10mWと
し、再生時の加熱用レーザーパワーは25mWとした。
この測定結果は、実施例1と同様に、図12のグラフ線
aの良好な結果が得られた。
【0088】また更に、再生時の媒体の線速度を20m
/secまで高速化して再生しても再生特性は低下しな
かった。
/secまで高速化して再生しても再生特性は低下しな
かった。
【0089】尚、第1の磁性層の磁壁が、温度勾配によ
って移動する様子は、実施例1と同様に偏光顕微鏡によ
る直接観察で確認された。
って移動する様子は、実施例1と同様に偏光顕微鏡によ
る直接観察で確認された。
【0090】<実施例6>実施例5と同様の成膜機、成
膜方法で、同様にポリカーボネイト基板上に薄膜を成膜
して光磁気記録媒体を作成した。
膜方法で、同様にポリカーボネイト基板上に薄膜を成膜
して光磁気記録媒体を作成した。
【0091】但し、本実施例においては、基板として、
プレピットが形成されており、案内溝の断面形状がU型
になっているものを用いた。このため、積層した磁性層
は、案内溝の部分で形状的に分断されていない。
プレピットが形成されており、案内溝の断面形状がU型
になっているものを用いた。このため、積層した磁性層
は、案内溝の部分で形状的に分断されていない。
【0092】これらのサンプルの、案内溝の部分に高出
力のレーザーを照射し、案内溝の部分の磁性層を全面ア
ニールした。この結果、案内溝の部分の磁性層が磁気的
に変質し、案内溝を介して互いに隣接するトラックの磁
性層の間の結合が分断された。
力のレーザーを照射し、案内溝の部分の磁性層を全面ア
ニールした。この結果、案内溝の部分の磁性層が磁気的
に変質し、案内溝を介して互いに隣接するトラックの磁
性層の間の結合が分断された。
【0093】次に、記録再生特性を実施例5と同様の方
法で測定したところ、線速5m/secにおいて、実施
例5と同様の良好な結果が得られた。
法で測定したところ、線速5m/secにおいて、実施
例5と同様の良好な結果が得られた。
【0094】以上挙げた実施例に本発明は限定されるも
のでない。他の実施可能な例として、光ヘッドは従来の
ままにして、媒体上の温度分布を別の手段でつい調整す
る方法も考えられる。例えば、磁界変調記録に用いる浮
上ヘッドのコアを熱源として流用したり、その他適当な
発熱体を媒体の再生用レーザー照射領域の近くに配置す
ることが考えられる。但し、この場合、磁壁の移動開始
位置となる温度の位置と、再生用スポットとの位置関係
が再生信号の周波数に近い周波数で変動することがない
ように注意する必要がある。
のでない。他の実施可能な例として、光ヘッドは従来の
ままにして、媒体上の温度分布を別の手段でつい調整す
る方法も考えられる。例えば、磁界変調記録に用いる浮
上ヘッドのコアを熱源として流用したり、その他適当な
発熱体を媒体の再生用レーザー照射領域の近くに配置す
ることが考えられる。但し、この場合、磁壁の移動開始
位置となる温度の位置と、再生用スポットとの位置関係
が再生信号の周波数に近い周波数で変動することがない
ように注意する必要がある。
【0095】次に、図8に示した様な第1〜第3の磁性
層を有する光磁気記録媒体の実施例を以下に挙げる。
層を有する光磁気記録媒体の実施例を以下に挙げる。
【0096】<実施例7>直流マグネトロンスパッタリ
ング装置に、BドープしたSi、及びGd、Tb、F
e、Co、Crの各ターゲットを取り付け、トラッキン
グ用の案内溝の形成されたポリカーボネイト基板を基板
ホルダーに固定した後、1×10-5Pa以下の高真空に
なるまでチャンバー内をクライオポンプで真空排気し
た。真空排気をしたままArガスを0.3Paとなるま
でチャンバー内に導入し、基板を回転させながら、干渉
層であるSiN層を800オングストローム成膜した。
引き続き、第1の磁性層としてGdCoCr層を300
オングストローム、第3の磁性層としてGdFeCr層
を300オングストロームを形成した後に、チャンバー
に酸素ガスを微量導入し1×10-2Paの状態で2分間
放置した。その後酸素ガス供給をストップし一旦高真空
まで排気した。その後、第2の磁性層としてTbFeC
o層を1000オングストローム順次成膜した。最後
に、保護層としてSiN層を800オングストローム成
膜した。SiN層成膜時にはArガスに加えてN2 ガス
を導入し、直流反応性スパッタにより成膜した。各磁性
層は、Gd、Tb、Fe、Co、Crの各ターゲットに
直流パワーを印加して成膜した。
ング装置に、BドープしたSi、及びGd、Tb、F
e、Co、Crの各ターゲットを取り付け、トラッキン
グ用の案内溝の形成されたポリカーボネイト基板を基板
ホルダーに固定した後、1×10-5Pa以下の高真空に
なるまでチャンバー内をクライオポンプで真空排気し
た。真空排気をしたままArガスを0.3Paとなるま
でチャンバー内に導入し、基板を回転させながら、干渉
層であるSiN層を800オングストローム成膜した。
引き続き、第1の磁性層としてGdCoCr層を300
オングストローム、第3の磁性層としてGdFeCr層
を300オングストロームを形成した後に、チャンバー
に酸素ガスを微量導入し1×10-2Paの状態で2分間
放置した。その後酸素ガス供給をストップし一旦高真空
まで排気した。その後、第2の磁性層としてTbFeC
o層を1000オングストローム順次成膜した。最後
に、保護層としてSiN層を800オングストローム成
膜した。SiN層成膜時にはArガスに加えてN2 ガス
を導入し、直流反応性スパッタにより成膜した。各磁性
層は、Gd、Tb、Fe、Co、Crの各ターゲットに
直流パワーを印加して成膜した。
【0097】各磁性層の組成は、全て補償組成近傍にな
るように調整し、キュリー温度は、第1の磁性層が30
0℃以上、第3の磁性層が170℃、第2の磁性層が2
00℃程度となるように設定した。この媒体は、実施例
1と同様に、図9に示した様な断面形状を有する。
るように調整し、キュリー温度は、第1の磁性層が30
0℃以上、第3の磁性層が170℃、第2の磁性層が2
00℃程度となるように設定した。この媒体は、実施例
1と同様に、図9に示した様な断面形状を有する。
【0098】この様にして得た光磁気記録媒体につい
て、実施例1と同様にして記録再生特性を測定した。た
だし、記録時のDC照射レーザーパワーは10mWと
し、再生時の加熱用レーザーパワーは25mWとした。
この測定結果は、実施例1と同様に、図12のグラフ線
aの良好な結果が得られた。
て、実施例1と同様にして記録再生特性を測定した。た
だし、記録時のDC照射レーザーパワーは10mWと
し、再生時の加熱用レーザーパワーは25mWとした。
この測定結果は、実施例1と同様に、図12のグラフ線
aの良好な結果が得られた。
【0099】また更に、再生時の媒体の線速度を20m
/secまで高速化して再生しても再生特性は低下しな
かった。
/secまで高速化して再生しても再生特性は低下しな
かった。
【0100】尚、第1の磁性層の磁壁が、温度勾配によ
って移動する様子は、実施例1と同様に偏光顕微鏡によ
る直接観察で確認された。
って移動する様子は、実施例1と同様に偏光顕微鏡によ
る直接観察で確認された。
【0101】<実施例8>実施例7と同様の成膜機、成
膜方法で、同様にポリカーボネイト基板上に薄膜を成膜
して光磁気記録媒体を作成した。
膜方法で、同様にポリカーボネイト基板上に薄膜を成膜
して光磁気記録媒体を作成した。
【0102】但し、本実施例においては、第3の磁性層
内を、第1の磁性層の側から順に、第1、第2、及び第
3の構成層で形成し、各構成層のキュリー温度を順に、
180℃、160℃、140℃とし、膜厚を順に、20
0オングストローム、400オングストローム、800
オングストロームとして、第3の磁性層中で、膜厚方向
に段階的なキュリー温度の勾配を持つようにした。材料
としては、GdFeCoCrを用いた。
内を、第1の磁性層の側から順に、第1、第2、及び第
3の構成層で形成し、各構成層のキュリー温度を順に、
180℃、160℃、140℃とし、膜厚を順に、20
0オングストローム、400オングストローム、800
オングストロームとして、第3の磁性層中で、膜厚方向
に段階的なキュリー温度の勾配を持つようにした。材料
としては、GdFeCoCrを用いた。
【0103】また、第1の磁性層は、キュリー温度30
0℃のGdFeCoCr層を200オングストローム、
第2の磁性層は、キュリー温度200℃のTbFeCo
Cr層を1000オングストロームとした。
0℃のGdFeCoCr層を200オングストローム、
第2の磁性層は、キュリー温度200℃のTbFeCo
Cr層を1000オングストロームとした。
【0104】各磁性層の組成は、補償組成近傍になるよ
うに、希土類元素と鉄族元素の組成比を調整し、Co及
びCrの添加量を調整して、キュリー温度を上記のよう
に設定した。
うに、希土類元素と鉄族元素の組成比を調整し、Co及
びCrの添加量を調整して、キュリー温度を上記のよう
に設定した。
【0105】この媒体の記録再生特性を実施例5と同様
の方法で測定したところ、実施例5と同様の良好な結果
が得られた。更に、再生時の媒体の線速度を30m/s
ecまで高速化して再生しても、再生特性は低下しなか
った。
の方法で測定したところ、実施例5と同様の良好な結果
が得られた。更に、再生時の媒体の線速度を30m/s
ecまで高速化して再生しても、再生特性は低下しなか
った。
【0106】本実施例においては、再生時に、媒体の記
録面上の記録再生用のスポットの領域に、120℃から
180℃程度のトラック方向の温度勾配を形成した。こ
の場合、120℃から140℃の領域では、第3の磁性
層の第3の構成層の磁壁に大きな力が作用し、140℃
から160℃の領域では、第3の磁性層の第2の構成層
の磁壁に大きな力が作用し、160℃から180℃の領
域では、第3の磁性層の第1の構成層の磁壁に大きな力
が作用する。このため、記録再生用のスポットの領域全
域に渡って、第1の磁性層から第3の磁性層にかけて存
在している磁壁を、比較的大きな力で移動させることが
でき、本発明の再生動作を、より安定に、また高速に行
なうことができるようになった。
録面上の記録再生用のスポットの領域に、120℃から
180℃程度のトラック方向の温度勾配を形成した。こ
の場合、120℃から140℃の領域では、第3の磁性
層の第3の構成層の磁壁に大きな力が作用し、140℃
から160℃の領域では、第3の磁性層の第2の構成層
の磁壁に大きな力が作用し、160℃から180℃の領
域では、第3の磁性層の第1の構成層の磁壁に大きな力
が作用する。このため、記録再生用のスポットの領域全
域に渡って、第1の磁性層から第3の磁性層にかけて存
在している磁壁を、比較的大きな力で移動させることが
でき、本発明の再生動作を、より安定に、また高速に行
なうことができるようになった。
【0107】<実施例9>実施例7と同様の成膜機、成
膜方法で、同様にポリカーボネイト基板上に薄膜を成膜
して光磁気記録媒体を作成した。
膜方法で、同様にポリカーボネイト基板上に薄膜を成膜
して光磁気記録媒体を作成した。
【0108】但し、本実施例においては、基板として、
プレピットが形成されており、案内溝の断面形状がU型
になっているものを用いた。このため、積層した磁性層
は、案内溝の部分で形状的に分断されていない。
プレピットが形成されており、案内溝の断面形状がU型
になっているものを用いた。このため、積層した磁性層
は、案内溝の部分で形状的に分断されていない。
【0109】磁性層その他の構成は、第3の磁性層の組
成比を次に述べるように変化させた他は、実施例5と同
様にした。第3の磁性層は、GdFeCrのGdの組成
比を調整して、室温において鉄族元素副格子磁化優勢な
組成にしたサンプル(1)と、室温において希土類元素
副格子磁化優勢で、キュリー温度以下の温度に補償温度
が存在する組成にしたサンプル(2)と、室温において
希土類元素副格子磁化優勢で、キュリー温度以下の温度
に補償温度が存在しない組成にしたサンプル(3)とを
作製した。各サンプルのキュリー温度は、Cr添加量を
調整して、全て170℃に合わせた。
成比を次に述べるように変化させた他は、実施例5と同
様にした。第3の磁性層は、GdFeCrのGdの組成
比を調整して、室温において鉄族元素副格子磁化優勢な
組成にしたサンプル(1)と、室温において希土類元素
副格子磁化優勢で、キュリー温度以下の温度に補償温度
が存在する組成にしたサンプル(2)と、室温において
希土類元素副格子磁化優勢で、キュリー温度以下の温度
に補償温度が存在しない組成にしたサンプル(3)とを
作製した。各サンプルのキュリー温度は、Cr添加量を
調整して、全て170℃に合わせた。
【0110】これらのサンプルの、案内溝の部分に高出
力のレーザーを照射し、案内溝の部分の磁性層を全面ア
ニールした。この結果、案内溝の部分の磁性層が磁気的
に変質し、案内溝を介して互いに隣接するトラックの磁
性層の間の結合が分断された。
力のレーザーを照射し、案内溝の部分の磁性層を全面ア
ニールした。この結果、案内溝の部分の磁性層が磁気的
に変質し、案内溝を介して互いに隣接するトラックの磁
性層の間の結合が分断された。
【0111】次に、記録再生特性を実施例5と同様の方
法で測定したところ、線速5m/secにおいて、各サ
ンプルとも実施例7と同様の良好な結果が得られた。
法で測定したところ、線速5m/secにおいて、各サ
ンプルとも実施例7と同様の良好な結果が得られた。
【0112】しかし、線速を30m/secまで高速化
して再生すると、サンプル(1)では、C/Nが5dB
程度低下した。これに対し、サンプル(2)では、C/
Nの低下はほとんど見られず、また、サンプル(3)で
は、2dB程度しか低下しなかった。
して再生すると、サンプル(1)では、C/Nが5dB
程度低下した。これに対し、サンプル(2)では、C/
Nの低下はほとんど見られず、また、サンプル(3)で
は、2dB程度しか低下しなかった。
【0113】これは、室温において、希土類元素副格子
磁化優勢な組成のもの、中でもキュリー温度以下に補償
温度を有する組成のものの方が、キュリー温度近傍にお
ける、磁壁エネルギーの温度依存性が大きく、温度勾配
によって、より大きな力を磁壁に作用させることができ
るためであると考えられる。
磁化優勢な組成のもの、中でもキュリー温度以下に補償
温度を有する組成のものの方が、キュリー温度近傍にお
ける、磁壁エネルギーの温度依存性が大きく、温度勾配
によって、より大きな力を磁壁に作用させることができ
るためであると考えられる。
【0114】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の光
磁気記録媒体、再生方法、および再生装置によれば、再
生信号振幅を低下させることなく光の回折限界以下の周
期の信号が高速で再生可能となり、記録密度並びに転送
速度を大幅に向上でき、再生装置の小型化も可能であ
る。
磁気記録媒体、再生方法、および再生装置によれば、再
生信号振幅を低下させることなく光の回折限界以下の周
期の信号が高速で再生可能となり、記録密度並びに転送
速度を大幅に向上でき、再生装置の小型化も可能であ
る。
【図1】図1(a)〜(c)は第1及び第2の磁性層を
有する光磁気記録媒体を使用した場合の本発明の再生方
法の概念を模式的に示した図であり、(a)は、再生状
態における媒体の断面を示し、各磁性層のスピンの配向
状態を模式的に示した断面図、(b)は、(a)に示さ
れている位置における媒体上の温度分布を示したグラフ
であり、(c)は、同様の位置における磁壁エネルギー
密度の分布及びそれに伴って磁壁に作用する力の分布を
模式的に示したグラフである。
有する光磁気記録媒体を使用した場合の本発明の再生方
法の概念を模式的に示した図であり、(a)は、再生状
態における媒体の断面を示し、各磁性層のスピンの配向
状態を模式的に示した断面図、(b)は、(a)に示さ
れている位置における媒体上の温度分布を示したグラフ
であり、(c)は、同様の位置における磁壁エネルギー
密度の分布及びそれに伴って磁壁に作用する力の分布を
模式的に示したグラフである。
【図2】スポットの下を磁壁が通過するのに要する時間
τと、最短記録マーク長相当の距離を媒体が移動するの
に要する時間t minとの関係を示すグラフである。
τと、最短記録マーク長相当の距離を媒体が移動するの
に要する時間t minとの関係を示すグラフである。
【図3】図3(a)(b)は本発明の方法と通常の従来
法とを比較する模式図である。
法とを比較する模式図である。
【図4】図4(a)〜(c)は第1及び第2の磁性層と
その間に非磁性層を有する光磁気記録媒体を使用した場
合の本発明の再生方法の概念を模式的に示した図であ
り、(a)は再生状態における媒体の各磁性層のスピン
の配向状態を模式的に示した断面図であり、(b)は
(a)に示されている位置における媒体上の温度分布を
示したグラフであり、(c)は同様の位置における磁壁
エネルギー密度の分布及びそれに伴って磁壁に作用する
力の分布を模式的に示したグラフである。
その間に非磁性層を有する光磁気記録媒体を使用した場
合の本発明の再生方法の概念を模式的に示した図であ
り、(a)は再生状態における媒体の各磁性層のスピン
の配向状態を模式的に示した断面図であり、(b)は
(a)に示されている位置における媒体上の温度分布を
示したグラフであり、(c)は同様の位置における磁壁
エネルギー密度の分布及びそれに伴って磁壁に作用する
力の分布を模式的に示したグラフである。
【図5】図5(a)〜(c)は第1〜第3の磁性層を有
する光磁気記録媒体を使用した場合の本発明の再生方法
の概念を模式的に示した図であり、(a)は再生状態に
おける媒体の各磁性層のスピンの配向状態を模式的に示
した断面図であり、(b)は(a)に示されている位置
における媒体上の温度分布を示したグラフであり、
(c)は同様の位置における磁壁エネルギー密度の分布
及びそれに伴って磁壁に作用する力の分布を模式的に示
したグラフである。
する光磁気記録媒体を使用した場合の本発明の再生方法
の概念を模式的に示した図であり、(a)は再生状態に
おける媒体の各磁性層のスピンの配向状態を模式的に示
した断面図であり、(b)は(a)に示されている位置
における媒体上の温度分布を示したグラフであり、
(c)は同様の位置における磁壁エネルギー密度の分布
及びそれに伴って磁壁に作用する力の分布を模式的に示
したグラフである。
【図6】本発明の光磁気記録媒体の層構成の一実施態様
を示す模式的断面図である。
を示す模式的断面図である。
【図7】本発明の光磁気記録媒体の層構成の一実施態様
を示す模式的断面図である。
を示す模式的断面図である。
【図8】本発明の光磁気記録媒体の層構成の一実施態様
を示す模式的断面図である。
を示す模式的断面図である。
【図9】図9(a)(b)は実施例における光磁気記録
媒体の断面形状を示す図である。
媒体の断面形状を示す図である。
【図10】実施例において用いた記録再生装置を示す模
式図である。
式図である。
【図11】実施例における再生状態を示す模式図であ
る。
る。
【図12】実施例において得られたC/Nを示すグラフ
である。
である。
【図13】実施例における再生状態を示す模式図であ
る。
る。
11、41、51、61、71、81 第1の磁性層 12、42、52、62、72、82 第2の磁性層 13 媒体の移動方向 14 原子スピンの向き 15、34、97、113、133 磁壁 16、31、111、131 再生用スポット 17、35 磁壁の移動方向 32 再生スポット及び温度プロファイルの移動方向 33 磁区 36 情報トラック 43、74 非磁性層 53、84 第3の磁性層 63、64、73、75、83、85、92、94
誘電体層 65、76、86 透明基板 91 基板 93 磁性層 95、114、134 案内溝 96、115、135 ランド 101 記録再生用レーザー光源 102 加熱再生用レーザー光源 103、107 ダイクロイックミラー 104 偏向ビームスプリッタ 106 記録媒体 112、132 加熱用スポット 116、136 温度Tsの等温線
誘電体層 65、76、86 透明基板 91 基板 93 磁性層 95、114、134 案内溝 96、115、135 ランド 101 記録再生用レーザー光源 102 加熱再生用レーザー光源 103、107 ダイクロイックミラー 104 偏向ビームスプリッタ 106 記録媒体 112、132 加熱用スポット 116、136 温度Tsの等温線
Claims (9)
- 【請求項1】 少なくとも第1、第2の磁性層を有する
光磁気記録媒体であって、該第1の磁性層は、周囲温度
近傍において該第2の磁性層に比べて相対的に磁壁抗磁
力が小さく磁壁移動度の大きな垂直磁化膜からなり、第
2の磁性層は垂直磁化膜であり、第1磁性層及び第2磁
性層は磁気的に結合していることを特徴とする光磁気記
録媒体。 - 【請求項2】 各情報トラック間における第1の磁性層
の膜面方向の交換結合力が情報トラック内における交換
結合力よりも小さい請求項1記載の光磁気記録媒体。 - 【請求項3】 該第1磁性層と該第2磁性層が室温にお
いて交換結合している請求項1または請求項2記載の光
磁気記録媒体。 - 【請求項4】 該第1磁性層と該第2磁性層との間に第
3の磁性層を設けた光磁気記録媒体で、これらの磁性層
は互いに室温において交換結合しており、該第3磁性層
は該第1磁性層より低いキュリー温度を有している請求
項2または請求項3記載の光磁気記録媒体。 - 【請求項5】 該第1磁性層と該第2磁性層が静磁結合
している請求項1または請求項2記載の光磁気記録媒
体。 - 【請求項6】 請求項1〜3及び5のうちいずれか1項
に記載の光磁気記録媒体から記録情報を再生する方法で
あって、光ビームを該媒体に対して相対的に移動させな
がら前記第1の磁性層の側から照射し、該媒体上に該光
ビームのスポットの移動方向に対して勾配を有する温度
分布を形成し、該温度分布を少なくとも第1磁性層に形
成されていた磁壁を温度が高い方向へ移動させようとす
る該磁壁に生じる力が第2磁性層から生じる結合力より
大きくなる温度よりも高い温度領域を有する温度分布と
することによって該第1の磁性層に形成されていた磁壁
を移動させ、該光ビームの反射光の偏光面の変化を検出
して記録情報を再生することを特徴とする再生方法。 - 【請求項7】 前記第2磁性層から生じる結合力が磁気
的結合力、交換結合力、静磁結合力のいずれかである請
求項6に記載の再生方法。 - 【請求項8】 請求項2または請求項4に記載の光磁気
記録媒体から記録情報を再生する方法であって、光ビー
ムを該媒体に対して相対的に移動させながら前記第1の
磁性層の側から照射し、該媒体上に該光ビームのスポッ
トの移動方向に対して勾配を有する温度分布を形成し、
該温度分布を少なくとも第1磁性層及び第3磁性層に形
成されていた磁壁を温度が高い方向へ移動させようとす
る該磁壁に生じる力が第2磁性層から生じる交換結合力
より大きくなる温度よりも高い温度領域を有する温度分
布とすることによって該第1の磁性層及び第3磁性層に
形成されていた磁壁を移動させ、該光ビームの反射光の
偏光面の変化を検出して記録情報を再生することを特徴
とする再生方法。 - 【請求項9】 請求項1〜5の何れか1項に記載の光磁
気記録媒体から記録情報を再生する再生装置であって、
光ビームのスポットの移動方向に対して勾配を有する温
度分布を形成できる加熱手段を有することを特徴とする
再生装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10277398A JPH11296925A (ja) | 1998-04-14 | 1998-04-14 | 光磁気記録媒体、再生方法及び再生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10277398A JPH11296925A (ja) | 1998-04-14 | 1998-04-14 | 光磁気記録媒体、再生方法及び再生装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11296925A true JPH11296925A (ja) | 1999-10-29 |
Family
ID=14336487
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10277398A Pending JPH11296925A (ja) | 1998-04-14 | 1998-04-14 | 光磁気記録媒体、再生方法及び再生装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11296925A (ja) |
-
1998
- 1998-04-14 JP JP10277398A patent/JPH11296925A/ja active Pending
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