JPH11297929A - 加圧接触型半導体装置、及びこれを用いた変換器 - Google Patents

加圧接触型半導体装置、及びこれを用いた変換器

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JPH11297929A
JPH11297929A JP10434498A JP10434498A JPH11297929A JP H11297929 A JPH11297929 A JP H11297929A JP 10434498 A JP10434498 A JP 10434498A JP 10434498 A JP10434498 A JP 10434498A JP H11297929 A JPH11297929 A JP H11297929A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】加圧接触型半導体装置における、特に半導体素
子とパッケージ電極間の均一な接触状態を確保し、かつ
熱抵抗,電気抵抗を低減する方法を提供する。 【解決手段】平型パッケージの中において、第一主面に
少なくとも第一の主電極、第二主面に第二の主電極を有
する少なくとも一つ以上の半導体素子を組み込んだ加圧
接触型の半導体素子と共通電極板の電極間、または半導
体素子の各主面上に配置した中間電極板と共通電極板と
の間に多孔質の金属板を配置する。 【効果】接触面の高さのばらつきを十分に吸収できるの
で、接触界面での熱抵抗及び電気抵抗を低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加圧接触型半導体
装置に係り、特に半導体素子とパッケージ電極間の均一
な接触状態を確保し、かつ熱抵抗,電気抵抗を低減でき
る加圧接触型半導体装置、及びこれを用いた変換器に関
する。
【0002】
【従来の技術】半導体エレクトロニクスの技術を駆使し
て主回路電流を制御するパワーエレクトロニクスの技術
は、幅広い分野で応用され、さらにその適用拡大がなさ
れつつある。パワー用半導体素子としては、サイリス
タ,光サイリスタ,ゲートターンオフサイリスタ(GT
O)や、MOS制御デバイスである絶縁ゲート型バイポ
ーラトランジスタ(以下IGBTと略す)やMOS型電
界効果トランジスタ(以下MOSFETと略す)などが
ある。これらのデバイスでは、主に半導体チップの第一
主面上に主電極(カソード,エミッタ)、第二主面側に
はもう一方の主電極(アノード,コレクタ)が形成され
る。
【0003】GTO,光サイリスタ等の大電力用の半導
体装置においては、素子を1枚のウエハ毎にパッケージ
ングしている。上記素子の両主電極は、MoまたはWか
らなる熱緩衝用電極板(中間電極板)を介してパッケー
ジの一対の外部主電極により加圧接触される構造となっ
ている。スイッチング動作の均一性や大電流の遮断特性
の向上等のためには、上記素子電極,熱緩衝板,外部主
電極間の接触状態をできるだけ均一化し、かつ接触熱抵
抗,電気抵抗を下げることが重要である。このため、こ
れまではパッケージ部品の加工精度(平面度,平坦度)
を上げて反りやうねりを低減する対策がとられてきた。
【0004】一方、IGBT等ではこれまで主にモジュ
ール型構造と呼ばれる、ワイヤによる電極接続方式のパ
ッケージ形態により複数個のチップを実装していた。こ
のようなモジュール型パッケージの場合、素子内部で発
生した熱はパッケージの片面(ワイヤ接続しない面)、
すなわちベース基板上に直接マウントした電極側のみか
ら逃がすことになるため、一般に熱抵抗が大きく、一つ
のパッケージに実装できるチップ数(発熱量,電流容
量、または実装密度)に制限があった。
【0005】最近、このような問題に対処し、さらに大
容量化の要求に応えるため、多数のIGBTチップを圧
接型のパッケージ内に組み込み、その主面に形成された
エミッタ電極,コレクタ電極をそれぞれパッケージ側に
設けた一対の外部電極板に面接触させて引き出すように
した多チップ並列型加圧接触構造の半導体装置が注目さ
れている。この圧接型パッケージ構造によれば、上記の
モジュール型パッケージに比べて、1)半導体チップを
両面から冷却ができるので冷却効率を上げることができ
る、2)接続導体のインダクタンス、及び抵抗が小さく
なる、3)主電極の接続がワイヤボンドでなくなるため
に接続信頼性が向上する、等の改善がはかれる。ところ
がこの多チップ並列型の圧接型半導体装置では、部材寸
法ばらつきに起因するチップ位置毎の高さのばらつきや
電極板のそりやうねりによる場所毎のばらつきが避けら
れず、これによりチップ毎に加圧力が異なり均一な接触
が得られない、すなわち熱抵抗,電気抵抗がチップ位置
毎の大きく異なり、全体としての素子特性が安定しない
という大きな問題があった。最も単純には、寸法の厳密
に揃った部材を用いることで対処できるが、部品のコス
ト、および選別のコスト等のアップが避けられない。こ
の問題に対して、特開平8−88240号公報においては、A
gなどの延性のある軟金属シートを厚さ補正板として介
在させる方法を開示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記GTO等のパッケ
ージにおいては、今後ますます大容量化のために素子サ
イズ(ウエハサイズ)が大型化し、この大口径化に伴っ
てパッケージ部品(電極部品)の反り、うねり等も大き
くなる傾向にある。前述のようなパッケージ部品の加工
精度(平面度,平坦度)を上げて反りやうねりを低減す
るという対策には加工上の限界があり、また加工コスト
面での問題も大きい。従って素子サイズ(ウエハサイ
ズ)全面にわたって、ウエハ及びパッケージ部品(電
極)間の均一な接触を確保し、熱抵抗,電気抵抗を低減
することがますます困難になってきている。
【0007】一方、多チップ並列型の加圧接触型半導体
装置におけるチップ間の均一接触の問題に対処する方法
として開示されている前述の軟金属シートをはさむ方法
は、本発明者らの検討によると、少なくとも半導体チッ
プを破壊しない実用の圧力範囲ではその変形量がごくわ
ずか(弾性変形による変形のみ)であり、チップ位置毎
の高さ(及びチップを挟む中間電極部材等を含めた高
さ)のばらつきが大きい場合にはその変形量が不十分
で、均一な接触を確保できないことが明らかとなった。
この原因は図13に模式図で示したように軟質金属シー
ト面に厚さ方向に圧力を加えて横方向へ塑性変形させよ
うとした場合にも、軟質金属シート43を挟む電極部材
44,45との界面で発生する摩擦力(摩擦抵抗)46
のため、軟金属材料といえども横方向への変形抵抗が非
常に大きくなってしまうことによると考えられる。変形
させるために加圧力を上げても、摩擦力も圧力に比例し
て大きくなるので塑性変形は容易には起こらない。特に
シート形状のような抵抗を受ける面積に比べて厚さが非
常に小さい場合には、この表面に発生する摩擦力の影響
が支配的となるため、一般に知られている材料の降伏応
力を超える圧力を加えても実際には実質的な塑性変形
(流動)が起こらず、軟金属シートの厚さは加圧の前後
でほとんど変わらない。この摩擦抵抗を下げるために、
電極部材表面の粗さを小さくする方法が考えられるが、
ラップ仕上げ等で得られる現実的な加工粗さの範囲(R
max1〜0.5μm、Ra0.05〜0.03μm)では大
きな変形は起こらない。
【0008】本発明は、上記のようなウエハの大口径化
によるパッケージの大型化や、大容量化に対応する素子
の多チップ並列化に伴って、ますます困難になる大面積
領域での均一な加圧接触状態を確保する方法、すなわち
接触面の高さのばらつき(反り,うねり,部材寸法ばら
つき等による)を吸収し、かつ接触界面での熱抵抗,電
気抵抗を低減できる方法を提供するものである。また第
2の目的は上記により得られる半導体装置を用いること
により、特に大容量のシステムに好適な変換器を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題は、少なくとも
第一主面に第一の主電極,第二主面に第二の主電極を有
する半導体素子を一対の電極板の間に組み込んだ加圧接
触型半導体装置において、該半導体素子と電極板との間
に多孔質の金属板を配置することにより解決できる。よ
り好ましくは、上記多孔質金属板の表面に該多孔質金属
と同じかより軟質、または耐酸化性の良い緻密な金属層
を形成するか、該多孔質金属板に対向する電極面に軟質
金属膜を形成する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の代表的な形態を図
面に基づいて説明する。
【0011】図1に本発明の基本的な適用形態を示す。
半導体素子1の第一主面には少なくとも第一の主電極、
第二主面には第二の主電極が形成されている。この両主
電極面上にMoやW等からなる中間電極板2,3が配置
され、さらにこの中間電極板の外側部分に一対のCuな
どからなる共通電極板(主電極板)4,5が配置され
る。中間電極板3と主電極板5の間には多孔質の金属板
6が挟まれており、全体が一括に加圧されて各部材間が
接触されている。図1では(a),(b),(c)位置で部
品1,2,3の厚さの合計が順に厚くなるケースを示し
ている。これらの高さの差に対応して、加圧接触させる
前には一定の厚さを持っていた多孔質金属板6の厚さ
が、加圧接触後には(a),(b),(c)の順に薄くなっ
ている。すなわち、多孔質金属の高さを含めた全体とし
ての高さ(部品1,2,3,6の厚さの合計)が
(a),(b),(c)位置で同じになるように多孔質金属
板の厚さが変化している。これにより、上記部材1,
2,3に各々厚さばらつきがあったり、主電極板4,5
にそりやうねりがある場合でも複数のチップ位置
(a),(b),(c)間で良好な加圧接触状態を確保し
て半導体素子を実装でき、従って熱抵抗,電気抵抗のば
らつきの少ない半導体装置が実現できる。図1では主電
極板5と中間電極板3の対向して圧接される面に多孔質
金属板6を挟んだ例を示したが、この位置はもちろん他
の接触面、すなわち主電極板4と中間電極板2の間や素
子1と中間電極板2,3の間でも良く、また複数の界面
に対して同時に適用しても構わない。また電極間ごとに
異なる材質の多孔質金属板を配置してもよい。
【0012】本発明で言うところの多孔質金属とは、一
般に金属板,金属箔,金属シートと言えば実質的に緻密
なものを指すのに対して、空孔を多く含んだ金属材料を
指しており、三次元のランダムな網目状の金属連続部分
が形成された微細構造を有する。発泡金属,スポンジ金
属,ポーラスメタル,フォームメタルなどと種々呼ばれ
ているものもこれに属する。本発明の目的には、銅,ア
ルミニウム,銀,金等の軟質で電気抵抗,熱抵抗の小さ
な金属やニッケル,SUSなどの廉価で耐酸化性の優れ
た材質のものが特に好ましく、適用対象に最も適した特
性を有する材料を選択できる。
【0013】図2には、代表例として、多孔質金属板と
して多孔質Cu板(発泡金属銅板)を用いて測定した厚
さ方向の加圧力に対する変形量(板厚の変化量)と電気
抵抗の関係を示す。比較例として通常の緻密なCu薄板
を用いた場合の例もあわせて示す。この発泡金属銅板
は、発泡ウレタンの空隙表面に乾式の接着法により銅粉
の被膜を形成した後、熱処理してウレタン部分を消失さ
せ、さらに銅粉を還元雰囲気中で焼結して作製した三次
元網目状の銅の骨格を有する多孔質の金属銅板である。
同様なものに湿式めっき法により発泡樹脂表面にCuの
被膜を形成する方法もある。この多孔質Cu板では圧力
の増加にともなって、板厚は減少し、ある特定領域
(0.5〜2kg/mm2付近)で大きく変形し、その後密度
が増加するにつれて変形量は少なくなる。電気抵抗は圧
力を増加すると減少し、多孔質板の変形が大きい領域で
大きく変化する。これに対して、Cu薄板の場合には前
述したように(図13)、降伏応力を越える圧力を加え
ても塑性変形による大きな変形は起こらず、弾性変形分
の小さな変形が起こるだけである。電気抵抗は、測定電
極との接触抵抗が加圧力を大きくするにつれて減少する
ため、少しずつ減少する。熱抵抗についても上記の電気
抵抗と同じ挙動を示した。
【0014】このような多孔質金属の場合には、前述の
緻密な金属箔(薄板)の場合(図13)と異なり、自身
の内部に空隙を有し、ミクロにはこの部分に変形する力
を受けた材料が容易に移動できるため、比較的小さな圧
力で大きな変形が得られる。また、自分の内部に材料の
変形を吸収する空隙を有していること、および接触面で
の横方向への摩擦力による変形抵抗から、変形は実質的
に板厚方向(加圧される方向)のみに起こる。これによ
り変形後の多孔質金属は初期に比べて空隙率が減少し緻
密になっており、空隙の形状も厚さ方向につぶれた形状
になってくる。上記の様に、本材料は加圧変形により横
方向に比べて板厚方向に特に金属のチャネル部分が増加
するという特徴を有するため、板厚方向への大きな変形
能を確保しながら効果的に電気抵抗,熱抵抗を低減する
ことが可能となっている。また、通常の緻密な材料で大
きく変形(板厚を減少)させた場合には、体積変化した
分の材料が横方向に塑性流動し側面が大きくふくらんで
くるといった現象がみられるが、この多孔質金属では自
分自身の内部に材料の変形を吸収する空隙を十分に有し
ていることにより、大きく変形(板厚を減少)させた場
合でも側面がふくらむことがほとんどないので、隣接す
る材料との接触等の問題が起こらず、高密度実装には好
適である。
【0015】これらの材料は弾塑性変形能を有するた
め、変形後に除荷すると弾性変形分の戻りが見られる
が、ほぼ実装部品間の高さのばらつきに対応した塑成変
形分は保持される。再度加圧する場合には、この弾性変
形分を利用して同じ圧力で十分な接触が確保できる。さ
らに通常の緻密な材料に比べて気孔が存在することによ
りみかけの弾性係数が低くなっているので、この弾性変
形量が大きく、確実な接触を保持する上でも好適であ
る。この変形が起こる圧力、および弾塑性変形挙動は、
三次元に形成された金属の連続部分の太さや、密度(空
隙率)、または材質によりコントロールすることが可能
で、使用状況に応じた最適な圧力で変形が起こるように
選択することができる。
【0016】変形量を大きく確保したい場合には、変形
前の多孔質金属板の空隙率は大きい方が好ましく、50
%より大きいのが好ましく、特に60〜80%が好まし
い。ただし、用途に応じて作業性等の面から変形量を過
大に大きくしたくない場合等には、あらかじめ所定の圧
力までプレス成形を行って空孔率を低減(緻密化)し、
用途に応じた最適な変形量,熱抵抗,電気抵抗を有する
多孔質板に調整することが好ましい。
【0017】図2の例でも示したように、実際に使用す
る条件では多孔質金属板を挟む電極との界面の接触抵抗
(電気,熱)も重要な要素となる。接触抵抗をより小さ
くするためには、この多孔質金属板を挟む電極との界面
の接触抵抗を小さくすることも重要である。このための
多孔質金属板の最表面のミクロな形状としては、図3
(a)に示したような接触表面に垂直な柱状金属7が多
数突き出ている構造より、接触表面に平行に近い末端、
または傾斜角度のできるだけ大きな末端8を多数有する
構造(図3(b))がより好ましい。
【0018】多孔質金属板とそれを挟む電極材料との接
触抵抗を低減するための多孔質金属板の別の形態として
は、多孔質金属板の表面を内部より緻密にし、電極材料
とのミクロな接触面積を増加することが有効である。例
を図4,図5に示す。図4は、多孔質金属板6の表面に
多孔質金属材料より軟質、または耐酸化性の良い金属層
9を印刷,めっき等の方法により形成したものである。
例えば、Niの多孔質板にAgやAuの軟質膜を形成し
たものや、CuやAlの多孔質板にAgやAuの表面酸
化防止膜を形成したものが用いられる。図5(a)は多
孔質金属板6の表面に緻密な金属箔10を配置して一体
に成形したものである。この金属箔には、多孔質金属材
料と同じ材料が用いられるほかに、より軟質、または耐
酸化性の良い金属箔を用いたものがより有効である。例
えば、CuやAlの多孔質板表面にCu,Al,Ag,
Au等の箔を形成したものが用いられる。図5(b)
は、(a)の材料をさらにプレスで打抜いた板の断面を
示す。プレス時に端面が押しつぶされるため、側面まで
表面の箔で覆われた形となっており、多孔質板の側面も
緻密な膜で保護したい場合の簡便な方法である。さらに
別の方法として、多孔質板を短時間高温にさらすことに
より、表面部分のみ密度を上げる方法を用いることもで
きる。
【0019】図6は、IGBT11を用いたスイッチン
グデバイスと逆並列に接続したフライホイールダイオー
ド(FWD)12を組み込んだ逆導通型スイッチングデ
バイスに適用した例を示したものである。図には、右端
の圧接型半導体装置の最外部から中央に向かった途中ま
での一部断面を示している。IGBTチップ11には上
面側の第一主面のほぼ全面にエミッタ電極,下面側の第
二主面にはコレクタ電極が形成されており、さらに第一
主面には制御用電極(ゲート電極)が形成されている。
また、FWD12には、シリコン基板の上面側にアノー
ド電極,下面側にカソード電極が形成されている。これ
らの各半導体チップは、放熱と電気的接続を兼ねたMo
からなる一体型の中間電極板14の上に配置され、さら
にチップごとに個別の中間電極板13によりチップ上の
各主電極と接する形で配置される。これらがさらに第1
の共通主電極板(Cu)4と第2の共通主電極板(C
u)5に挟まれている。さらにこの中間電極板13と共
通主電極板4との間には、多孔質の銅板17が挟まれて
いる。中間電極の表面にはAuめっき膜15が3〜5μ
m形成され、共通電極板の表面にはNiめっき膜16が
1〜3μm形成されている。上記半導体チップ、及び中
間電極はテフロン製の枠24により互いに固定されてい
る。また、IGBTチップ11のゲート電極18からは
ワイヤボンド19により配線が引き出され、さらに中間
電極板14上に形成されたゲート電極配線板20に接続
される。上記一対の共通主電極板4,5の間は、セラミ
ック製等の絶縁性の外筒21により外部絶縁され、さら
に共通主電極板と絶縁外筒の間を金属板22によりパッ
ケージ内部をシール封止したハーメチック構造となって
いる。ゲート電極配線は外筒21を貫通するシールされ
た配線23によりパッケージ外に引き出されている。
【0020】上記の多孔質の銅板は、Cuの粉末のスラ
リーをドクターブレード法によりシート化し、これを焼
成して有機バインダ成分を焼失させた後、さらに高温で
Cu粉末を気孔が残るよう還元,仮焼結したものであ
る。初期の気孔率は60%、平均穴径は30μm、厚さ
150μmであった。本実施例で実装された中間電極板
の厚さばらつきは最大50μmあったが、中間電極板1
4とチップ11,12間に感圧紙を挟んで圧力分布を測
定した結果、圧力差は小さく、ほぼ均一に加圧されてい
ることがわかった。
【0021】図7は、MOS制御型スイッチングデバイ
ス11とフライホイールダイオード12を組み込んだ逆
導通型スイッチングデバイスに適用した例を示したもの
である。これらの各半導体チップの下側の主電極(コレ
クタ,カソード)はAuとし、あらかじめAgめっき膜
15が2〜3μm形成された中間電極板14と加熱加圧
接着されている。一方、各半導体チップの上側の主電極
(エミッタ,アノード)はAlとし、あらかじめAuめっ
き膜15が2〜3μm形成された中間電極板13と接合
されている。本実施例では、表面にAgめっき膜16が
2〜4μm形成された第1の共通主電極板(Cu)4と
第2の共通主電極板(Cu)5の間に上記の中間電極と
半導体チップが一体化したものを並列に配置する。この
際、中間電極板14と共通主電極板5との間に、一体の
多孔質Ni板17を挟んで、両共通主電極板4,5によ
り全体を加圧した。
【0022】上記で用いた多孔質のNi板は、発泡樹脂
に導電処理を施した後、電気Niめっきを施し、その後
熱処理により樹脂成分を焼失させて得られたものであ
る。これをさらに加圧成形して気孔径約0.2mm 、セル
数は60ケ/インチ,金属チャネル部太さ40〜80μ
m,厚さ0.6mm 、気孔率約80%の板材とした。本実
施例ではNi多孔質板を挟む両面の電極板14,5の表
面が共にAgめっき処理されていることによりNi多孔
質板と上記電極との接触抵抗も大幅に低減されている。
本実施例で実装されたチップ位置毎の厚さばらつきは最
大100μmあったが、中間電極板13と共通主電極板
4間に感圧紙を挟んで圧力分布を測定した結果、圧力差
は小さく、ほぼ均一に加圧されていることがわかった。
【0023】高さの補正と電気抵抗,熱抵抗の低減を最
適に実現するために、電極間に多孔質金属板だけでな
く、軟質の金属箔と同時に配置してもよい。例えば、上
側の主電極板と中間電極板の間にはAu箔を挿入し、下
側の主電極板と中間電極板の間にはNiの多孔質板を挿
入して、接触面積が異なる場合にも同じ荷重でほぼ同等
の変形量を確保する方法も有効である。
【0024】図8はゲート制御電極をチップから取り出
すためのピン25がチップの中央に形成された実装形態
の例を示している。図6と同様にIGBT11を用いた
スイッチングデバイスと逆並列に接続したフライホイー
ルダイオード(FWD)12を組み込んだ逆導通型スイ
ッチングデバイスに適用した例を示した。これらの各半
導体チップの下側の主電極(コレクタ,カソード)はA
u電極とし、あらかじめAgめっき膜が2〜3μm形成
された中間電極板14と加熱加圧接着されている。一
方、中間電極板13の表面にはAuめっき膜15が2〜
3μm形成され、各半導体チップと加圧接触されてい
る。これらがさらに表面にAgめっき膜が2〜4μm形
成されている第1の共通主電極板(Cu)4と第2の共
通主電極板(Cu)5に挟まれている。高さばらつきを
吸収するための多孔質銅板17が、中央に穴のあいた形
状に加工されて、中間電極板13と共通電極板4の間
の、上記ピン25、およびピンの絶縁用部材26の周り
に配置される。この方法では個別の多孔質金属板17は
中央のピンの絶縁用部材26によりその位置ずれを防止
できるので、組立作業性等がよい。ゲート配線27は、
第1の共通主電極板(Cu)4に設けられた溝28に収
納されてパッケージの外周部に引き出され、さらに配線
29,23によりパッケージ外部に取り出されている。
接触抵抗をより一層低減するために、本実施例では多孔
質銅板として図5に示したような多孔質板の表面に緻密
な銅箔を一体化した複合多孔質銅板を利用した。これに
より多孔質金属と中間電極板、および共通電極板との間
の接触抵抗を大幅に低減することができた。加圧力の小
さい領域において、特にこの効果が顕著で、接触抵抗を
1/5から1/10に低減できた。本実施例で実装した
チップ位置毎の厚さばらつきを最大200μmとした
が、中間電極板14と共通主電極板5間に感圧紙を挟ん
で圧力分布を測定した結果、圧力差は小さく、ほぼ均一
に加圧されていることがわかった。
【0025】上記の様に種類の異なる半導体チップを一
つのパッケージ内に並列実装する場合で、種類毎にその
厚さが大きく異なる場合には、チップ種に応じて中間電
極板の平均厚さを変えたものを準備しチップ厚さの大き
な違いを調整し、さらに本発明の多孔質金属板による変
形を主に中間電極板および半導体チップの厚さのばらつ
きの吸収に用いる方法も有効である。
【0026】図9は、表面にAgの緻密な薄膜層33を
一体に形成した多孔質銅板30をウエハサイズの半導体
素子31のカソード電極側と中間電極板32の間に配置
した例を示している。半導体素子31のアノード電極側
と共通電極板5の間にはそれぞれAgめっきを施したM
oの金属箔34、および中間電極板35を配置した。気
孔径約0.1mm ,セル数は40ケ/mm2 ,金属チャネル
部太さ30〜50μm,厚さ0.8mm ,気孔率約75%
の板材とした。多孔質銅板30により高さばらつきを吸
収し、かつ多孔質金属表面の気孔に基づくコンタクト面
積の低下を補って、接触抵抗を下げることができる。
【0027】図10は半導体チップ1のコレクタ側電極
と共通電極板との間に中間電極がない場合の例を示して
いる。半導体素子の加圧による破壊を防止するため、コ
レクタ側の中間電極板をなくして共通電極板5と半導体
素子1の間に多孔質電極板を挟む場合には、エミッタ側
の被加圧部分、すなわち表面に軟質金属膜38を施した
中間電極板2の形状と同じかこれより小さい領域内に多
孔質金属板36を配置することが重要である。本実施例
では接触抵抗のより一層の低減、及びチップ保護のため
にチップ主電極と多孔質金属板との間に軟質金属の箔3
7を挿入してある。
【0028】従来、一般に共通電極板、及び中間電極板
の表面は接触抵抗を低減するためにその表面粗さ(Rma
x)を1μm以下に仕上げることが必要だったが、上記
多孔質金属板,軟質金属箔等を挟む共通電極板、及び中
間電極板の表面は最大表面粗さ(Rmax)1μmを越える
粗い凹凸状態でも、材料が表面凹凸にあわせて変形し、
接触面積がミクロに増大して接触抵抗を低減できるの
で、加工コストの低減が図れる。
【0029】上記多孔質金属板の材料としては、主とし
てCu,Al,Ag,AuまたはNi等の金属、または
それらの合金を使用するのが好ましい。半導体装置の使
用形態に応じて、熱抵抗,電気抵抗の低減、または変形
能の向上のどちらを優先するかによって最適な材質,表
面処理を選択するのが好ましい。
【0030】上記中間電極の材料としては、熱膨張係数
がSiと外部主電極材料の中間で、熱伝導性,電気伝導
性の良好な材料が用いられる。具体的にはタングステン
(W)やモリブデン(Mo)等の単体金属、またはそれら
を主たる構成材料とするCu−W,Ag−W,Cu−M
o,Ag−Mo,Cu−FeNi等の複合材料または合
金、さらには金属とセラミックスやカーボンとの複合材
料、たとえばCu/SiC,Cu/C,Al/SiC,
Al/AlN等が好ましい。一方、主電極には電気伝導
性で熱伝導性の良い銅やアルミニウム、またはそれらを
含む前述のような合金または複合材料を使用するのが好
ましい。
【0031】本発明の実装方式は、もちろんダイオード
を含まないIGBT等のスイッチング半導体のみからな
る圧接型半導体装置にも用いることができる他、例えば
ダイオードチップのみを多数個上記の方法で圧接型パッ
ケージに実装することももちろん有効である。また、上
記実施例では、主としてIGBTを用いて説明したが、
本発明は少なくとも第一主面に第一の主電極と第二主面
に第二の主電極を有する半導体素子全般を対象としてお
り、IGBT以外の絶縁ゲート形トランジスタ(MOS
トランジスタ)や、IGCT(Insulated Gate Controll
ed Thyristor)などを含む絶縁ゲート形サイリスタ(M
OS制御サイリスタ)や、GTO,サイリスタ、及びダ
イオードなどに対しても同様に実施できる。また、Si
素子以外のSiC,GaNなどの化合物半導体素子に対
しても同様に有効である。
【0032】本発明の圧接型半導体装置では、大型化
(大容量化)しても安定した電極間の接触状態が得られ
るため、電気抵抗,熱抵抗の小さな半導体装置が得られ
る。従って、この圧接型半導体装置を用いることによ
り、変換器容積、及びコストを大幅に削減した大容量変
換器が実現できるようになる。図11に本発明によるIG
BTの圧接型半導体装置を主変換素子として電力用変換器
に応用した場合の1ブリッジ分の構成回路図を示す。主
変換素子となるIGBT素子40とダイオード素子41
が逆並列に配置され、これらがn個直列に接続された構
成となっている。これらIGBTとダイオードは、本発
明による多数の半導体チップを並列実装した圧接型半導
体装置を示している。上記図6〜図8の実施例の逆導通
型IGBT圧接型半導体装置の場合には図中のIGBT
チップとダイオードチップがまとめて一つのパッケージ
に収められた形となる。これにスナバ回路42、及び限
流回路が設けてある。図12は、図11の3相ブリッジ
を4多重した自励式変換器の構成を示したものである。
本発明の圧接型半導体装置は、複数個をその主電極板外
側と面接触する形で水冷電極を挟んで直列接続するスタ
ック構造と呼ぶ形に実装され、スタック全体を一括で加
圧する。本発明によれば、従来より低い加圧力でも均一
な接触が得られるので、上記スタック構造等を簡略化で
きるという効果もある。
【0033】本発明の圧接型半導体装置は、上記の例に
限らず電力系統に用いられる自励式大容量変換器やミル
用変換器として用いられる大容量変換器に特に好適で、
可変速揚水発電,ビル内変電所設備,電鉄用変電設備,
ナトリウム硫黄(NaS)電池システム,車両等の変換
器にも用いることができる。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、ウエハの大口径化によ
るパッケージの大型化や、大容量化に対応する素子の多
チップ並列化に伴って、ますます困難になる大面積域で
の均一圧接を比較的低圧力で簡単に実現することができ
る、すなわち接触面の高さのばらつきを十分に吸収し、
かつ接触界面での熱抵抗,電気抵抗を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成を示す断面図。
【図2】加圧力と多孔質金属板の厚さ変化量、および電
気抵抗の関係を示す図。
【図3】多孔質金属材料の表面微構造を示す拡大図。
【図4】表面に緻密な金属層を形成した多孔質金属材料
の断面構造を示す図。
【図5】表面に緻密な金属層を形成した多孔質金属材料
の断面構造を示す図。
【図6】IGBTに適用した本発明の実施例を示す図。
【図7】IGBTに適用した本発明の実施例を示す図。
【図8】IGBTに適用した本発明の実施例を示す図。
【図9】ウエハサイズ半導体素子に適用した本発明の実
施例を示す図。
【図10】本発明の実施例を示す図。
【図11】本発明の半導体装置を用いた1ブリッジ分の
構成回路図。
【図12】図11の3相ブリッジを4多重した自励式変
換器の構成図。
【図13】従来方式で加圧した場合の軟質金属の変形挙
動を説明する図。
【符号の説明】
1…半導体素子、2,3…中間電極板、4,5…共通電
極板、6,17,30,36…多孔質金属板、7…柱状
金属突起、8…柱状金属末端、9…金属層、10…緻密
金属箔、11…IGBT、12…フライホイールダイオ
ード、13,14…中間電極板、15,16…金属めっ
き膜、18…ゲート電極、19…ワイヤボンド、20…
ゲート電極配線板、21…絶縁性外筒、22…金属板、
23…気密貫通配線、24…枠、25…ピン、26…絶
縁用部材、27…ゲート配線、28…溝、29…配線、
31…ウエハサイズ半導体素子、32,35…中間電極
板、33…緻密な薄膜層、34…金属箔、37…軟質金
属箔、38…軟質金属膜、40…IGBT素子、41…
ダイオード素子、42…スナバ回路、43…軟質金属シ
ート、44,45…電極部材、46…摩擦力(摩擦抵
抗)。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】両面に露出する一対の電極板の間を絶縁性
    の外筒により外部絶縁した平型パッケージの中に、第一
    主面に少なくとも第一の主電極、第二主面に第二の主電
    極を有する少なくとも一つ以上の半導体素子を組み込ん
    だ半導体装置であって、該半導体素子と電極板との間に
    多孔質の金属板を配置したことを特徴とする加圧接触型
    半導体装置。
  2. 【請求項2】両面に露出する一対の電極板の間を絶縁性
    の外筒により外部絶縁した平型パッケージの中に、第一
    主面に少なくとも第一の主電極、第二主面に第二の主電
    極を有する少なくとも一つ以上の半導体素子を組み込ん
    だ半導体装置であって、各半導体素子の主電極とこれに
    対向する電極板との間に導電、及び放熱を兼ねた中間電
    極板を介装し、さらに少なくとも一方の該中間電極板と
    これに対向する電極板間に多孔質金属板を配置したこと
    を特徴とする加圧接触型半導体装置。
  3. 【請求項3】前記多孔質金属板が主としてCu,Al,
    Ag,AuまたはNiからなることを特徴とする請求項
    1及び2記載の加圧接触型半導体装置。
  4. 【請求項4】前記多孔質金属板の少なくとも一方の表面
    に、多孔質金属材料と同じかより軟質、または耐酸化性
    の良い緻密な金属層が形成されていることを特徴とする
    請求項1乃至3記載の加圧接触型半導体装置。
  5. 【請求項5】前記各半導体素子の主電極,中間電極板、
    及び電極板のうち互いに対向する少なくとも一つの接触
    面間に、さらに軟質金属箔を介装することを特徴とする
    請求項1乃至4記載の加圧接触型半導体装置。
  6. 【請求項6】前記中間電極、または電極板の少なくとも
    一方の面に、軟質金属膜を形成することを特徴とする請
    求項1乃至5記載の加圧接触型半導体装置。
  7. 【請求項7】前記電極板、及び中間電極板の少なくとも
    一面が最大表面粗さ(Rmax)1μmを越える粗い凹凸加
    工がなされていることを特徴とする請求項1乃至6記載
    の加圧接触型半導体装置。
  8. 【請求項8】前記半導体素子が第一主面に第一主電極と
    制御電極、第二主面に第二主電極を有する絶縁ゲート形
    素子であり、さらに同一の圧接型パッケージ内には第一
    主面に第一主電極、第二主面に第二主電極を有するフラ
    イホイールダイオードを、上記絶縁ゲート形素子と逆並
    列に各々複数個ずつ並置して組み込んだことを特徴とす
    る請求項1乃至7記載の加圧接触型半導体装置。
  9. 【請求項9】前記半導体素子が、少なくとも一つのPN
    接合を有する1枚の半導体素子基板であることを特徴と
    する請求項1乃至7記載の加圧接触型半導体装置。
  10. 【請求項10】両面に露出する一対の電極板の間を絶縁
    性の外筒により外部絶縁した平型パッケージの中に、第
    一主面に少なくとも第一の主電極、第二主面に第二の主
    電極を有する少なくとも一つ以上の半導体素子を組み込
    み、さらに該半導体素子と電極板の間に多孔質金属板を
    配置した加圧接触型半導体装置を主変換素子として用い
    たことを特徴とする電力変換器。
  11. 【請求項11】両面に露出する一対の電極板の間を絶縁
    性の外筒により外部絶縁した平型パッケージの中に、第
    一主面に少なくとも第一の主電極、第二主面に第二の主
    電極を有する少なくとも一つ以上の半導体素子を組み込
    み、かつ各半導体素子の主電極とこれに対向する電極板
    との間に導電、及び放熱を兼ねた中間電極板を介装し、
    さらに該中間電極板とこれに対向する電極板間の少なく
    とも一方に多孔質金属板を配置した加圧接触型半導体装
    置を主変換素子として用いたことを特徴とする電力変換
    器。
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