JPH11299251A - 並列型インバータ装置 - Google Patents

並列型インバータ装置

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JPH11299251A
JPH11299251A JP10106407A JP10640798A JPH11299251A JP H11299251 A JPH11299251 A JP H11299251A JP 10106407 A JP10106407 A JP 10106407A JP 10640798 A JP10640798 A JP 10640798A JP H11299251 A JPH11299251 A JP H11299251A
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真一 高瀬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】複数系統のインバータ回路が設けられていて
も、各出力電流の同期が損なわれず、重なり角の補正が
適切に行える並列型インバータ装置の提供。 【解決手段】複数の電流型インバータ回路を並列運転す
るにあたり、複数設けられた電流型インバータ回路の各
出力電流のうち最も大きなものを比較選択回路67で選択
し、選択された出力電流を重なり角補正回路64に入力
し、この出力電流に基づいて重なり角βを補正する。こ
れにより、電流型インバータ回路毎に出力電流が相違し
ていても、同一の重なり角βで転流が制御され、各出力
電流が同期するうえ、最も大きい出力電流で重なり角β
を補正するので、転流期間が不足することはなく、出力
電流の遅れが発生せず、重なり角βの補正が適切に行え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、並列接続可能とさ
れた複数系統の電流型インバータ回路を備え、これらの
電流型インバータ回路が並列運転可能となっている並列
型インバータ装置に関する。
【0002】
【背景技術】従来より、インダクタンス成分を有する誘
導電動機や誘導加熱装置等の誘導負荷の出力を容量制御
するにあたり、負荷に供給する交流電力の周波数が調節
可能となったインバータ装置が利用されている。インバ
ータ装置は、商用電源から供給される交流電力を、一
旦、順変換回路で直流電力に変換し、この直流電力をさ
らに逆変換回路で交流電力に変換することにより、所望
の周波数の交流電力が得られるようにしたものが一般的
である。このようなインバータ装置の最大出力は、主
に、逆変換回路に採用される電力制御用のスイッチング
素子の容量によって決定される。このため、スイッチン
グ素子の容量よりも、さらに大きな出力が必要な場合に
は、特開平9−19149号等に示されるように、複数
系統のインバータ回路を並列接続した並列型のインバー
タ装置が利用されている。
【0003】図3には、このような並列型インバータ装
置の一例が示されている。図において、インバータ装置
90は、メインインバータ回路91およびスレーブインバー
タ回路92の二系統を並列接続したものとなっている。イ
ンバータ回路91,92の各々は、出力インピーダンスが大
きい電流型のものであり、変圧器1,2を介して、三相
交流電力を供給する商用電源に接続されている。また、
インバータ回路91,92の各々は、マッチングトランス13
を介して、負荷である誘導加熱装置(図示略)に接続さ
れている。インバータ回路91,92の各々には、三相交流
電力を直流電力に変換する順変換回路14と、この順変換
回路14からの直流電力を、高周波と見なせる高い周波数
の交流電力に変換する逆変換回路15とが設けられてい
る。インバータ回路91,92の各順変換回路14は、能動素
子であるサイリスタ16が整流素子として設けられたもの
であり、ゲートへの制御電圧を加えるタイミングを変え
る、換言すれば、その制御角を0〜πの範囲で変えるこ
とにより、その出力電圧が調節可能となっている。
【0004】インバータ回路91,92の各逆変換回路15
は、図4に示されるように、複数のスイッチング素子15
A, 15Bでブリッジを組んだものである。各逆変換回路15
には、スイッチング素子15A, 15BとしてIGBT(Insu
latedGate Bipolar Transistor)17が二個ずつ設けられ
るとともに、これらのIGBT17を保護するためのダイ
オード18とが設けられている。これらのスイッチング素
子15A, 15Bを交互に導通させることにより、順変換回路
14からの直流電力を交流電力に変換するようになってい
る。換言すれば、一組のスイッチング素子15A の導通に
より、負荷側に電流i1が供給され、他の組のスイッチン
グ素子15B の導通により、負荷側には、電流i1とは逆相
の電流i2が供給され、これらの電流i1および電流i2が交
互に供給されるようになっている。このようなインバー
タ装置90では、各逆変換回路15から出力される交流電力
は、その周波数が負荷である誘導加熱装置の共振周波数
となるように、かつ、位相が同期するように制御され
る。また、インバータ回路91,92が電流型であることか
ら、逆変換回路15の出力電流波形は、方形波状となって
いる。
【0005】ここで、各逆変換回路15には、各逆変換回
路15の二次側(負荷側)からみた漏れインダクタンスの
和である転流インダクタンスが存在している。この転流
インダクタンスにより、スイッチング素子15A, 15Bの導
通を切り換えても、出力電流は、電流i1および電流i2の
一方から他方へ瞬時に切り替わることはなく、一つの相
から他の相に出力電流を切り替える転流を行うには、あ
る程度の時間(転流期間)が必要となる。電流型インバ
ータ装置では、転流期間が不適切であるために、電流の
位相が遅れると、大きなサージ電圧が発生する等の不具
合が生じる。このような不具合は、負荷インピーダンス
の変動により、必要となる転流期間が変動し、この転流
期間の変動によって電流の位相が遅れることでも生じ
る。このため、電流型インバータ回路では、負荷変動に
遅れずに出力電流を追従させるために、転流期間にスイ
ッチング素子15A, 15Bを同時に導通させ、このスイッチ
ング素子15A, 15Bが同時に導通する期間である転流期間
を表す重なり角βを負荷に応じて補正し、積極的に転流
を制御している。なお、重なり角βは、次の数1で表さ
れる。ただし、ω、L、IdおよびVeは、それぞれ角周波
数、転流インダクタンス、負荷電流(出力電流)および
負荷電圧(出力電圧)である。
【0006】
【数1】
【0007】インバータ回路を一系統のみ備えた一般的
なインバータ装置では、重なり角を負荷に応じて補正す
るにあたり、出力電圧が一定となるように制御されてい
ることから、出力電流の大きさに基づいて出力電流の補
正を行えば、負荷のインピーダンス変動に遅れずに出力
電流を追従させることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、並列型
インバータ装置90では、二系統のインバータ回路91,92
の逆変換回路15に設けられる各回路素子の直流抵抗分に
ばらつきがあり、双方の逆変換回路15の電圧降下V1,V2
(図3参照)が一致せず、インバータ回路91,92の出力
電流の大きさが相違してしまう。このため、重なり角β
を負荷に応じて補正するにあたり、インバータ回路91,
92の各々について、その出力電流の大きさに基づいて重
なり角βを補正してしまうと、インバータ回路91,92の
出力電流の大きさが各々相違することから、転流期間が
互いに異なるように制御されるので、出力電流が同期し
なくなるという問題がある。出力電流を同期させるため
に、インバータ回路91,92の一方の出力電流を検出し、
この検出した出力電流の大きさに基づいて重なり角βを
補正することが考えられる。しかしながら、インバータ
回路91,92の他方の出力電流は、重なり角βの補正には
関与せずに無視されるので、検出されない方の出力電流
が検出される出力電流よりも大きいことがある。このよ
うに、検出されない方の出力電流が検出される出力電流
よりも大きいと、インバータ回路91,92のいずれかの転
流期間が不足し、出力電流が負荷のインピーダンス変動
に追従できずに遅れ、前述の不具合が発生するおそれが
ある。
【0009】本発明の目的は、複数系統のインバータ回
路が設けられていても、各出力電流の同期損なわずに、
重なり角βの補正が適切に行えるようになる並列型イン
バータ装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、交流電源から
供給される交流電力を直流電力に変換する順変換回路
と、複数のスイッチング素子が設けられ、これらのスイ
ッチング素子を交互に導通させることにより、前記順変
換回路からの直流電力を交流電力に変換する逆変換回路
とを備えた電流型インバータ回路が複数系統設けられ、
負荷への交流電力の供給にあたり、前記電流型インバー
タ回路の並列駆動が可能となった並列型インバータ装置
であって、前記逆変換回路には、前記交互に導通される
複数のスイッチング素子が同時に導通する期間である転
流期間を表す重なり角を前記負荷に応じて補正する重な
り角補正手段が設けられ、この重なり角補正手段は、前
記複数系統設けられた電流型インバータ回路の出力電流
のうち最も大きなものに基づいて前記重なり角を補正す
るものであることを特徴とする。
【0011】このような本発明では、複数系統設けられ
た電流型インバータ回路の出力電流のうち最も大きなも
のに基づいて、重なり角を補正するようにしたので、各
電流型インバータ回路の出力電流が相違していても、同
一の重なり角で転流が制御されるので、出力電流の同期
が損なわれることがない。そのうえ、複数系統の電流型
インバータ回路のうち最も大きい出力電流で重なり角を
補正するので、転流期間が不足することはなく、出力電
流が負荷のインピーダンス変動に対して進むことはあっ
ても、遅れることはなく、大きなサージ電圧が発生する
等の不具合が発生しない。
【0012】以上において、前記電流型インバータ回路
は、マスターおよびスレーブの二系統が設けられ、これ
らのうち、マスターとなる電流型インバータ回路の前記
重なり角補正手段には、前記電流型インバータ回路の各
出力電流を比較するとともに、これらの電流のうち大き
な方を選択する比較選択回路と、この比較選択回路が選
択した電流に基づいて前記重なり角を補正する重なり角
補正回路とが設けられ、スレーブとなる電流型インバー
タ回路の前記重なり角補正手段には、前記マスター側の
比較選択回路が選択した電流に基づいて前記重なり角を
補正する重なり角補正回路が設けられていることが望ま
しい。このように、マスターとなる電流型インバータ回
路に設けられた比較選択回路で、最大となる出力電流を
選択し、スレーブとなる電流型インバータ回路へ最大出
力電流値に応じた信号を出力するようにすれば、スレー
ブ側の電流型インバータ回路には、比較選択回路が不要
となり、並列型インバータ装置の構成を簡略化すること
が可能となる。
【0013】また、前記逆変換回路には、前記複数のス
イッチング素子を交互に導通させるにあたり、これらの
スイッチング素子の導通周期が、前記負荷の共振周波数
となるように制御する位相制御手段が設けられているこ
とが好ましい。このようにすれば、負荷には、その共振
周波数となる交流電力が供給されるようになるので、当
該負荷の高効率運転が図れるうえ、並列型インバータ装
置は、負荷のインピーダンスが変動しても、当該変動に
応じて重なり角βが適切に補正されるようになるので、
負荷のインピーダンスが変動しても、当該負荷の高効率
運転を安定状態で維持することが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図
面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、既に説
明した素子や回路と同じものには、同一符号を付し、そ
の説明を省略若しくは簡略にする。図1には、本実施形
態に係るインバータ装置10が示されている。このインバ
ータ装置10は、三相交流電源から供給される交流電力
を、誘導加熱装置の駆動に必要な高周波電力に変換する
電流型インバータ装置である。インバータ装置10には、
並列接続された二系統の電流型インバータ回路11,12が
設けられている。インバータ回路11は、メインインバー
タ回路とされ、△−Y結線方式の変圧器1を介して、三
相交流電力に接続されている。インバータ回路12は、ス
レーブインバータ回路となされ、△−△結線方式の変圧
器2を介して、三相交流電力に接続されている。これら
のインバータ回路11,12の各々は、その出力電圧を降圧
するマッチングトランス13を介して負荷に接続されてい
る。
【0015】インバータ回路11,12の各々には、三相交
流電力を直流電力に変換する順変換回路14と、この順変
換回路14からの直流電力を交流電力に変換する逆変換回
路15とが設けられている。順変換回路14には、制御電極
であるゲートを備えた能動的な整流素子であるサイリス
タ16と、このサイリスタ16が整流した脈動する直流電力
を平滑する平滑素子であるリアクトル19とが設けられて
いる。ここで、リアクトル19としては、そのインダクタ
ンスが比較的大きなものが採用されている。このような
リアクトル19を順変換回路14に設けることにより、イン
バータ装置10は、出力インピーダンスの大きい電流型イ
ンバータ装置となっている。ここで、インバータ回路1
1,12の各サイリスタ16は、動作時には、その出力電圧
が所定電圧となるように、かつ、双方の制御角が同一と
なるように制御されるものとなっている。
【0016】逆変換回路15は、前述したように、その両
端の電気的接続を開閉するスイッチング素子であるIG
BT17と、これらのIGBT17を保護するためのダイオ
ード18とでフルブリッジを組んだものであり、このブリ
ッジの四つの辺の各々には、二つのIGBT17と、一つ
のダイオード18とが設けられている(図4参照)。この
うち、ダイオード18は、一方のIGBT17のコレクタに
接続され、これにより、逆変換回路15は、スイッチング
素子部分の耐電圧が向上されている。また、二つのIG
BT17は、一方のエミッタが他方のコレクタに接続され
ている。そして、IGBT17の各ゲートには、後述する
制御回路が送出する制御電圧信号が同時に入力されるよ
うになっている。なお、インバータ回路11,12の各々に
は、上述した順変換回路14および逆変換回路15の他に、
電源側から順次接続されたブレーカ22、メインスイッチ
23およびヒューズ24が設けられている。また、インバー
タ回路11,12の各々に接続されたマッチングトランス13
の後段には、インバータ回路11,12と、負荷との接続を
切り替える切り替え回路25が設けられている。この切り
替え回路25により、インバータ装置10は、インバータ回
路11,12の一方の単独駆動と、インバータ回路11,12の
同時並列駆動との両方が選択的に可能となっている。
【0017】ここで、インバータ回路11には、その順変
換回路14が出力する直流電圧および直流電流を検出する
ために、直流電圧検出端子26および直流電流検出端子27
が設けられるとともに、当該インバータ回路11,12が出
力する交流電圧および交流電流を検出するために、交流
電圧検出端子28および交流電流検出端子29が設けられて
いる。直流電圧検出端子26は、順変換回路14の出力段に
直接接続され、直流電流検出端子27は、順変換回路14に
設けられた電流検出器30に接続されている。ここで、電
流検出器30は、順変換回路14に設けられたリアクトル19
の電圧降下から順変換回路14の直流電流出力を検出する
ものである。また、交流電圧検出端子28は、逆変換回路
15の出力段に変圧器31を介して接続され、交流電流検出
端子29は、逆変換回路15の出力段に変流器32を介して接
続されている。
【0018】一方、インバータ回路12には、インバータ
回路11と同様に、その順変換回路14が出力する直流電圧
および直流電流を検出するために、直流電圧検出端子33
および直流電流検出端子34が設けられるとともに、当該
インバータ回路11,12が出力する交流電圧および交流電
流を検出するために、交流電圧検出端子35および交流電
流検出端子36が設けられている。直流電圧検出端子33
は、順変換回路14の出力段に直接接続され、直流電流検
出端子34は、順変換回路14に設けられた電流検出器30に
接続され、交流電圧検出端子35は、逆変換回路15の出力
段に変圧器31を介して接続され、交流電流検出端子36
は、逆変換回路15の出力段に変流器32を介して接続され
ている。
【0019】図2には、インバータ回路11,12の各々を
制御するための制御回路41, 42が示されている。制御回
路41は、マスターインバータ回路11を制御するものであ
り、制御回路42は、スレーブインバータ回路12を制御す
るものである。制御回路41には、インバータ回路11の順
変換回路14を制御する順変換制御回路43と、同インバー
タ回路11の逆変換回路15を制御する逆変換制御回路44
と、インバータ回路11から送出される各種の信号を受け
るために、直流電圧入力端子45、直流電流入力端子46、
交流電圧入力端子47および交流電流入力端子48と、手動
操作等により送出される並列運転信号を受ける並列運転
信号入力端子49とが設けられている。ここで、直流電圧
入力端子45、直流電流入力端子46、交流電圧入力端子47
および交流電流入力端子48の各々は、インバータ回路11
の直流電圧検出端子26、直流電流検出端子27、交流電圧
検出端子28および交流電流検出端子29とそれぞれ電気的
に接続されている。
【0020】順変換制御回路43は、順変換回路14の出力
電圧が所定の電圧値となるように制御する機能と、逆変
換回路15を保護するために、順変換回路14から過大な電
流が出力されるのを防ぐ機能とを有するものである。順
変換回路14の出力電圧を制御するために、順変換制御回
路43には、出力電圧を設定するための可変抵抗器51と、
この可変抵抗器51で設定された設定電圧値および順変換
回路14から出力される出力電圧値の差を増幅するアンプ
52と、設定電圧値および出力電圧値の差に基づいて順変
換回路14のサイリスタ16の制御遅れ角を調整するフェイ
ズコントローラ53と、このフェイズコントローラ53の出
力信号を増幅してサイリスタ16を駆動する駆動アンプ54
とが設けられている。以上の他に、順変換制御回路43に
は、押しボタンスイッチ55による起動指令信号を受ける
ことにより、インバータ回路11の起動/停止を行う起動
/停止回路56と、順変換回路14の出力電流が入力される
とともに、その電流値が所定の範囲から逸脱すると遮断
信号を出力するトリップ回路57と、このトリップ回路57
の出力信号でサイリスタ16を遮断状態にするための遮断
駆動アンプ58とが設けられている。
【0021】ここで、インバータ回路11の起動時の過渡
状態においては、順変換回路14から出力される出力電流
が所定の範囲よりも小さい期間、あるいは、ラッシュ電
流となって一時的に所定の範囲を超える期間等がある。
これらの期間において、サイリスタ16を遮断状態にする
と、インバータ回路11は、いつまでも定常状態に達しな
いので、起動/停止回路56は、起動時の過渡状態から定
常状態に達するのに必要な時間だけ、トリップ回路57へ
休止信号を送出し、トリップ回路57の動作を一時的に休
止させるように設定されている。また、起動/停止回路
56には、押しボタンスイッチ55による起動指令信号だけ
でなく、並列運転信号入力端子49で受けられた並列運転
信号も入力されるようになっている。起動/停止回路56
は、起動指令信号および並列運転信号の少なくとも一方
が入力されると、順変換制御回路43のフェイズコントロ
ーラ53および逆変換制御回路44に対して、作動許可信号
を送出するようになっている。
【0022】逆変換制御回路44は、逆変換回路15の出力
電圧および出力電流が同位相となるように、逆変換回路
15のIGBT17への制御電圧信号を送出する周期を調節
するものである。この逆変換制御回路44の制御動作によ
り、逆変換回路15の出力周波数が負荷の共振周波数と一
致するようになっている。逆変換制御回路44には、逆変
換回路15の出力電圧および出力電流の位相差を検出する
とともに、この位相差に応じた電圧信号を出力する位相
差検出回路61と、位相差検出回路61から出力される電圧
信号に応じた周波数の信号を発振する電圧制御発振器62
と、電圧制御発振器62から出力される信号の周波数に応
じて、二つの出力ポートから交互に駆動信号を送出する
フリップフロップ63と、このフリップフロップ63の二つ
の出力ポートから出力される駆動信号に、必要となる転
流期間に応じた重なり角βを設定するとともに、この重
なり角βを逆変換回路15の出力電流に応じて補正する重
なり角補正回路64と、この重なり角補正回路64の出力信
号を増幅してIGBT17を駆動する駆動アンプ65,66
と、インバータ回路11,12の両方の出力電流が入力さ
れ、これらの出力電圧を比較するとともに、これらの電
流のうち大きな方を選択する比較選択回路67とが設けら
れている。なお、駆動アンプ65の出力は、逆変換回路15
に設けられたスイッチング素子15A を形成するIGBT
17に送出される一方、駆動アンプ66の出力は、逆変換回
路15に設けられたスイッチング素子15B を形成するIG
BT17に送出されるようになっている(図4参照)。
【0023】ここで、位相差検出回路61、電圧制御発振
器62およびフリップフロップ63は、逆変換回路15のスイ
ッチング素子15A, 15Bを交互に導通させる駆動信号を発
生するとともに、スイッチング素子15A, 15Bの交互駆動
にあたり、これらのスイッチング素子15A, 15Bの導通周
期が、負荷の共振周波数となるように制御する位相制御
手段となっている。重なり角補正回路64には、インバー
タ回路11,12の出力電流うち、比較選択回路67が選択し
た大きな出力電流が入力されるようになっている。これ
により、重なり角補正回路64および比較選択回路67は、
逆変換回路15の転流期間を表す重なり角βを、インバー
タ回路11,12の出力電流のうち最も大きなものに基づい
て補正する重なり角補正手段となっている。
【0024】制御回路42には、制御回路41と同様に、イ
ンバータ回路12の順変換回路14を制御する順変換制御回
路43と、同インバータ回路11の逆変換回路15を制御する
逆変換制御回路70と、インバータ回路12から送出される
各種の信号を受けるために、直流電圧入力端子71、直流
電流入力端子72、交流電圧入力端子73および交流電流入
力端子74と、手動操作等により送出される並列運転信号
を受ける並列運転信号入力端子75とが設けられている。
ここで、直流電圧入力端子71、直流電流入力端子72、交
流電圧入力端子73および交流電流入力端子74の各々は、
インバータ回路12の直流電圧検出端子33、直流電流検出
端子34、交流電圧検出端子35および交流電流検出端子36
とそれぞれ電気的に接続されている。順変換制御回路43
は、制御回路41に設けられたものと同一構成であるの
で、その説明を省略する。逆変換制御回路70は、制御回
路41に設けられた逆変換制御回路44から比較選択回路67
を省略した以外は、逆変換制御回路44と同一構成となっ
ている。ここで、逆変換制御回路70の重なり角補正回路
64は、マスターインバータ回路11側の比較選択回路67が
選択した電流を受け、この電流に基づいて、スレーブイ
ンバータ回路12に設けられた逆変換回路15の重なり角β
を補正するようになっている。
【0025】前述のような本実施形態によれば、次のよ
うな効果がある。すなわち、二つの電流型インバータ回
路11,12が並列駆動可能となった並列インバータ装置10
の制御回路41、42に、逆変換回路15の重なり角βを負荷
に応じて補正する重なり角補正手段として、電流型イン
バータ回路11,12の出力電流のうち最も大きなものに基
づいて重なり角βを補正する逆変換制御回路44,70を設
けたので、各電流型インバータ回路11,12の出力電流の
大きさが相違していても、同一の重なり角βで転流が制
御され、出力電流の同期が損なわれない。そのうえ、複
数系統の電流型インバータ回路11,12の出力電流のうち
最大となる出力電流で重なり角βを補正するので、電流
型インバータ回路11,12の両方で転流期間が不足するこ
とはなく、出力電流が負荷のインピーダンス変動に対し
て進むことはあっても、遅れることはなく、大きなサー
ジ電圧が発生する等の不具合の発生を未然に防止でき
る。
【0026】また、並列型インバータ装置10の一方のマ
スターインバータ回路11の逆変換回路15を制御する逆変
換制御回路44に、マスターおよびスレーブのインバータ
回路11,12の各出力電流を比較するとともに、これらの
電流のうち大きな方を選択する比較選択回路67と、この
比較選択回路67が選択した電流に基づいて重なり角βを
補正する重なり角補正回路64とを設け、スレーブインバ
ータ回路12の逆変換回路15を制御する逆変換制御回路70
に、マスター側の逆変換制御回路44に設けた比較選択回
路67が選択した電流に基づいて重なり角βを補正する重
なり角補正回路64を設けたので、スレーブインバータ回
路12には、比較選択回路67が不要となり、並列型インバ
ータ装置10の構成を簡略化することができ、信頼性を向
上させることができる。
【0027】さらに、逆変換制御回路43に位相差検出回
路61、電圧制御発振器62およびフリップフロップ63を設
け、逆変換回路15に設けた複数のスイッチング素子15A,
15Bを交互に導通させるにあたり、これらのスイッチン
グ素子15A, 15Bの導通周期が、負荷の共振周波数となる
ように制御するようにしたので、負荷には、その共振周
波数となる交流電力が供給されるようになり、負荷の高
効率運転を実現できるうえ、並列型インバータ装置10
は、負荷のインピーダンスが変動しても、当該変動に応
じて重なり角βが適切に補正されるようになるので、負
荷のインピーダンスが変動しても、当該負荷の高効率運
転を安定状態で維持することができる。
【0028】また、インバータ回路11,12の逆変換回路
15に二つのIGBT17を設けることにより、IGBT17
の耐電圧を向上させ、逆変換回路15の出力電圧を高める
ことを可能とするとともに、出力段に降圧用のマッチン
グトランス13を設け、以上により、逆変換回路15の出力
電圧を高めて、マッチングトランス13の出力電流を増大
させるようにしたので、IGBT17の限界となる電流値
よりも著しく大きな電流を出力することができる。
【0029】以上、本発明について好適な実施形態を挙
げて説明したが、本発明は、この実施形態に限られるも
のでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々
の改良並びに設計の変更が可能である。すなわち、順変
換回路としては、サイリスタで整流を行うものに限ら
ず、チョッパーで整流を行うチョッパー式の順変換回路
でもよい。また、逆変換回路のスイッチイング素子とし
ては、IGBTに限らず、一般的なバイポーラ式パワー
トランジスタや、MOSFETでもよいが、高周波の電
流出力を得る場合には、高速スイッチング動作が可能
で、電流容量の大きいIGBTを採用することが望まし
い。さらに、並列インバータ装置に設けられるインバー
タ回路の数は、二系統に限らず、三系統以上でもよい。
【0030】
【発明の効果】前述のように、本発明によれば、複数系
統のインバータ回路が設けられていても、各出力電流を
同期させながら、重なり角βを適切に補正できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る並列型インバータ
装置を示す単結線図である。
【図2】前記実施形態の制御回路を示すブロック図であ
る。
【図3】従来例を示す単結線図である。
【図4】従来例の逆変換回路を示す回路図である。
【符号の説明】
10 並列型インバータ装置 11 電流型インバータ回路であるマスターインバータ回
路 12 電流型インバータ回路であるスレーブインバータ回
路 14 順変換回路 15 逆変換回路 15A, 15B スイッチング素子 17 スイッチング素子としてのIGBT 61 位相制御手段を構成する位相差検出回路 62 位相制御手段を構成する電圧制御発振器 63 位相制御手段を構成するフリップフロップ 64 重なり角補正手段を構成する重なり角補正回路 67 重なり角補正手段を構成する比較選択回路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】交流電源から供給される交流電力を直流電
    力に変換する順変換回路と、複数のスイッチング素子が
    設けられ、これらのスイッチング素子を交互に導通させ
    ることにより、前記順変換回路からの直流電力を交流電
    力に変換する逆変換回路とを備えた電流型インバータ回
    路が複数系統設けられ、負荷への交流電力の供給にあた
    り、前記電流型インバータ回路の並列駆動が可能となっ
    た並列型インバータ装置であって、 前記逆変換回路には、前記交互に導通される複数のスイ
    ッチング素子が同時に導通する期間である転流期間を表
    す重なり角を前記負荷に応じて補正する重なり角補正手
    段が設けられ、この重なり角補正手段は、前記複数系統
    設けられた電流型インバータ回路の出力電流のうち最も
    大きなものに基づいて前記重なり角を補正するものであ
    ることを特徴とする並列型インバータ装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の並列型インバータ装置に
    おいて、前記電流型インバータ回路は、マスターおよび
    スレーブの二系統が設けられ、これらのうち、マスター
    となる電流型インバータ回路の前記重なり角補正手段に
    は、前記電流型インバータ回路の各出力電流を比較する
    とともに、これらの電流のうち大きな方を選択する比較
    選択回路と、この比較選択回路が選択した電流に基づい
    て前記重なり角を補正する重なり角補正回路とが設けら
    れ、スレーブとなる電流型インバータ回路の前記重なり
    角補正手段には、前記マスター側の比較選択回路が選択
    した電流に基づいて前記重なり角を補正する重なり角補
    正回路が設けられていることを特徴とする並列型インバ
    ータ装置。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の並列型イ
    ンバータ装置において、前記逆変換回路には、前記複数
    のスイッチング素子を交互に導通させるにあたり、これ
    らのスイッチング素子の導通周期が、前記負荷の共振周
    波数となるように制御する位相制御手段が設けられてい
    ることを特徴とする並列型インバータ装置。
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