JPH11309816A - 液体包装用積層紙および液体包装用容器 - Google Patents

液体包装用積層紙および液体包装用容器

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JPH11309816A
JPH11309816A JP12103598A JP12103598A JPH11309816A JP H11309816 A JPH11309816 A JP H11309816A JP 12103598 A JP12103598 A JP 12103598A JP 12103598 A JP12103598 A JP 12103598A JP H11309816 A JPH11309816 A JP H11309816A
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liquid packaging
resin
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JP12103598A
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English (en)
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Toshiya Kuroda
俊也 黒田
Taiichi Sakatani
泰一 阪谷
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸素、水蒸気等のガスバリア性に優れ、か
つ、廃棄時に処理が容易な液体包装用積層紙および液体
包装用容器を提供する。 【解決手段】 紙状物層1と、無機層状化合物を有する
樹脂組成物層3と、熱可塑性樹脂層4とを有する液体包
装用積層紙および液体包装用容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジュースや酒等の
水を含む内容物(被包装物)の保存に好適な、酸素等の
ガスバリア性に優れた液体包装用積層紙およびそれを用
いた液体包装用容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ジュースや酒等の水を含む内
容物の保存には、紙、ガラス、金属等が古くから用いら
れていたが、近年、プラスチックがこの分野に多く用い
られるようになってきた。
【0003】これは、プラスチックの特性が包装材料と
しての機能、例えば(1) 素材の多様性により設計自由度
が大きい、(2) 成形加工性がよい、(3) 耐腐食性が優れ
ている、(4) 比重が小さい、(5) 熱伝導率が小さい等
の、包装材料としての好適な機能を満たしているからで
ある。
【0004】さらに、酸化防止等のガスバリア性等の機
能を改良するために、プラスチックを含む複数の素材層
を貼り合わせることによって、各素材層の長所を生か
し、欠点を補い合った、より理想的なフィルム積層体が
提案されている。
【0005】このようなフィルム積層体としては、例え
ば、ポリエチレン層−アルミニウム箔−紙層からなるフ
ィルム積層体が挙げられる。上記フィルム積層体は、液
体包装用容器として、例えば牛乳やジュース用のカート
ン容器に用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
フィルム積層体では、ガスバリア性をアルミニウム箔に
より改善しているが、上記アルミニウム箔は、ガスバリ
ア性を付与するためには、7μm〜20μm程度の膜厚
が必要となっており、よって、廃棄時や、リサイクル
時、上記アルミニウム箔を有するフィルム積層体の処理
に手間取るという問題を生じている。すなわち、上記フ
ィルム積層体では、アルミニウム箔の膜厚によって、焼
却時に高温となったり、残渣(インゴット)が多くなっ
たりと、処理に手間取るという問題を生じている。
【0007】本発明は、ガスバリア性に優れると共に、
廃棄時やリサイクル時の処理が容易な液体包装用積層紙
およびそれを用いた液体包装用容器を提供することを目
的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため鋭意検討した結果、無機層状化合物を含む
樹脂組成物層をガスバリア層として配することにより、
ガスバリア性と共に廃棄を容易化できることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明の液体包装用積層紙は、
以上の課題を解決するために、紙状物層と、無機層状化
合物を有する樹脂組成物層と、熱可塑性樹脂層とを備え
ていることを特徴としている。
【0010】上記構成によれば、紙状物層を有すること
により、液体包装用としての成形性や強度を備えること
ができると共に、樹脂組成物層においては、無機層状化
合物が、その層状という形状により互いに対面すると共
に、樹脂組成物層の表面方向に対し略平行となるように
配向することから、上記無機層状化合物の迷路効果によ
って、樹脂組成物層に対しガスバリア性を付与すること
が可能となる。
【0011】その上、上記構成では、樹脂組成物層にお
ける無機層状化合物の厚さを、例えば1nm程度にでき
ることから、上記無機層状化合物を含む樹脂組成物層の
厚さを、樹脂組成物層のガスバリア性を保持しながら、
従来より薄く設定でき、廃棄時の上記樹脂組成物層の処
理を容易化できる。
【0012】本発明の液体包装用容器は、水を含む被包
装物を包装するための容器本体が、請求項1ないし12
の何れか一つに記載の液体包装用積層紙により形成され
ていることを特徴としている。
【0013】本発明によれば、ガスバリア性を備えてい
て被包装物の保存性に優れ、かつ、廃棄時の処理が容易
な液体包装用積層紙およびそれを用いた液体包装用容器
が得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図1
ないし図9に基づいて説明すれば、以下の通りである。
本発明の液体包装用積層紙は、図1に示すように、紙状
物層1と、無機層状化合物を有する樹脂組成物層3と、
熱可塑性樹脂層4とを有するものである。上記液体包装
用積層紙では、上記各層1、3、4の層構成、つまり積
層順序について特に制限はなく、また、上記各層1、
3、4の層間に他の層が積層されていてもよい。なお、
上記熱可塑性樹脂層4がシーラント層として用いられる
場合、上記熱可塑性樹脂層4は最表層に設定されてい
る。
【0015】上記液体包装用積層紙は、無機層状化合物
を備えた樹脂組成物層3を有することによって、後述す
る酸素透過度の測定方法にしたがった、酸素透過度(m
L/atm ・m2 ・day )が、1以下、より好ましくは、
0.1以下、さらに好ましくは0.05以下という優れ
たガスバリア性を有するものとなっている。
【0016】上記液体包装用積層紙では、さらに強度、
例えば引っ張り強度を付与するために、さらに、図2に
示すように、延伸フィルム層2を、例えば、樹脂組成物
層3と熱可塑性樹脂層4との間に積層することが好まし
い。
【0017】本発明の紙状物層1の素材としては、本発
明における液体包装用容器における容器本体を形成でき
る強度を有していれば、特に限定されないが、クラフト
紙、上質紙、模造紙、グラシン紙、パーチメント紙、合
成紙および各種ボール紙などが挙げられる。
【0018】本発明の熱可塑性樹脂層4としては、ジュ
ース等の液体内容物や、ペースト状の食品などを保持で
き、かつ、水の浸透や漏洩を防止できるはっ水性や、芳
香物を溶かすアルコール等の溶媒に対する耐溶媒性を有
するものであればよい。さらに、上記熱可塑性樹脂層4
は、ヒートシール性を有するものが好ましい。
【0019】上記熱可塑性樹脂層4としては、例えば、
ポリエチレン(低密度、高密度)、エチレン−プロピレ
ン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘ
キセン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、ポリプ
ロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
メチルメタクリレート共重合体、アイオノマー樹脂など
のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン−6、ナイ
ロン−6,6、メタキシレンジアミン−アジピン酸縮重
合体、ポリメチルメタクリルイミドなどのアミド系樹
脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、
ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、
スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポ
リアクリロニトリルなどのスチレン−アクリロニトリル
系樹脂、トリ酢酸セルロース、ジ酢酸セルロースなどの
疎水化セルロース系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリフッ化ビニリデン、テフロンなどのハロ
ゲン含有樹脂、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニ
ルアルコール共重合体、セルロース誘導体等の高水素結
合性樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリサルホン樹脂、
ポリエーテルサルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケト
ン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリメチレンオ
キシド樹脂、液晶樹脂などのエンジニアリングプラスチ
ック系樹脂等が挙げられる。
【0020】熱可塑性樹脂層4では、特に内容物の封か
ん性を要求される場合には、衝撃強度の高いシーラント
が好ましい。これらを満たす樹脂としては、メタロセン
系触媒や、後周期遷移金属錯体触媒を用いて合成され
た、ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体
などのポリオレフィン系樹脂が好ましい。このようなシ
ーラントは、密度0.920g/cm3 以下のものが望
ましい。
【0021】上記各熱可塑性樹脂層4の中で、廃棄時
や、リサイクル時の環境保護性を考慮すれば、炭素と水
素とからのみなる樹脂や、炭素と水素と酸素とのみから
なる樹脂、例えばポリオレフィン系樹脂が好ましい。本
発明の液体包装用積層紙のヒートシール層としての熱可
塑性樹脂層4としては、パルプリサイクルのためには、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル系樹脂などの
エマルジョンシーラントが好ましい。
【0022】本発明の液体包装用積層紙では、さらに、
シリカ、アルミナ、アルミニウム等の金属または金属酸
化物からなるバリア層を、フィルム積層体の各層間の何
れかの間、例えば樹脂組成物層3と紙状物層1との間
に、膜厚1〜1000nm、好ましくは10nm〜20
0nmにて積層して設けてもよい。このようなバリア層
により、ガスバリア性をより確実化できると共に、遮光
性も付与できる。上記バリア層の形成方法については、
特に限定されないが、蒸着法およびゾル−ゲル法を挙げ
ることができ、特に蒸着法が好ましい。
【0023】ところで、従来のガスバリア性容器では、
ガスバリア性を付与するために、アルミニウム箔等の金
属層が、膜厚7μm〜20μmにて必要となっていたた
め、上記ガスバリア性容器の廃棄時において、上記金属
層の残渣が多く残り、廃棄処理に手間取っていた。
【0024】しかしながら、本発明では、上記バリア層
を膜厚1000nm以下にて設けることにより、ガスバ
リア性をより確実化できると共に、遮光性も付与でき、
かつ、上記膜厚を、従来より薄く設定できることから、
廃棄時の処理やリサイクルも容易化できる。
【0025】本発明の樹脂組成物層3は、へき開した状
態の無機層状化合物を含む樹脂組成物を分散媒に分散さ
せた塗工液を、例えば紙状物層1上に塗布(コーティン
グ)して塗膜を形成し、その塗膜から分散媒を、例えば
乾燥により除去した、上記樹脂組成物からなるものであ
る。コーティングする際、塗工液に含まれる樹脂として
は、前述した熱可塑性樹脂層4に用いた樹脂、エチレン
−酢酸ビニル共重合体エマルジョン、アクリル系樹脂エ
マルジョン、ウレタン系樹脂エマルジョン、アクリル−
ウレタン共重合体系樹脂エマルジョンを用いることがで
きるが、分散性の観点から、高水素結合性樹脂が好まし
い。
【0026】上記無機層状化合物とは、単位結晶層が互
いに積み重なって層状構造を有している無機化合物であ
り、へき開した状態において、粒径が5μm以下、アス
ペクト比がガスバリア性に関しては50以上5000以
下、より好ましくはアスペクト比が200〜3000の
範囲であるものならば特に限定されない。
【0027】アスペクト比が50未満であればガスバリ
ア性に関して十分でなく、5000より大きいものは技
術的に難しく、経済的にも高価なものとなる。また、粒
径が3μm以下であれば透明性が、より良好となり、さ
らに粒径が1μm以下であれば透明性の重視される用途
にはより好ましい。
【0028】本発明に用いられる無機層状化合物の具体
例としては、グラファイト、リン酸塩系誘導体型化合物
(リン酸ジルコニウム系化合物等)、カルコゲン化物、
粘土鉱物等を挙げることができる。ここに「カルコゲン
化合物」とはIV族(Ti,Zr,Hf)、V族(V,
Nb,Ta)およびVI族(Mo,W)のジカルコゲン
化物であって、式MX2 (Mは上記元素, Xはカルコゲ
ン(S,Se,Te)を示す。) で表されるものをい
う。
【0029】本発明で用いられる無機層状化合物の粒径
とは、分散媒中、回折/散乱法により求めた粒径をさ
す。樹脂組成物層3中での真の粒径測定はきわめて困難
であるが、回折/散乱法で用いた分散媒と同種の分散媒
で十分に膨潤、へき開させて、樹脂組成物層3に用いる
樹脂に複合させる場合、図3に示す樹脂組成物層3にお
ける樹脂32中での、へき開した無機層状化合物である
単位結晶層31の粒径は、分散媒中でのへき開した無機
層状化合物である単位結晶層の粒径に相当すると考える
ことができる。
【0030】(平均粒径を求める方法)液中の粒子の平
均粒径を求める方法は、回折/散乱法による方法、動的
光散乱法による方法、電気抵抗変化による方法、液中顕
微鏡撮影後画像処理による方法などが可能である。
【0031】動的光散乱法では樹脂と粒子が共存してい
る場合、見かけ液粘度が純分散媒と変わってしまうため
に評価し難く、電気抵抗変化による方法は液の電解質濃
度などに制限があり、液中顕微鏡撮影後画像処理による
方法は分解能の問題があり、それぞれ使いづらい。
【0032】回折/散乱法による方法は、樹脂溶液、例
えば樹脂水性液に実質上散乱が少なく(透明というこ
と)、よって、粒子由来の散乱が支配的である場合に
は、樹脂の有無に関わらず粒子の粒度分布のみの情報が
得られるため好ましい。
【0033】(回折/散乱法による平均粒径測定)回折
/散乱法による粒度分布・平均粒径測定は、膨潤してへ
き開した無機層状化合物を水性分散媒に分散させた分散
液に対し、光を通過させたときに得られる回折/散乱パ
ターンをミー散乱理論などを用いてパターンに最も矛盾
のない粒度分布を計算することによりなされる。
【0034】市販の装置としては、レーザー回折・光散
乱法による粒度測定装置(LS230、LS200、L
S100、コールター社製)、レーザー回折式粒度分布
測定装置(SALD2000、SALD2000A、S
ALD3000、島津製作所製)、レーザー回折・散乱
式粒度分布測定装置(LA910、LA700、LA5
00、堀場製作所製、および、マイクロトラックSP
A、マイクロトラックFRA、日機装製)などが挙げら
れる。
【0035】(アスペクト比測定方法)アスペクト比
(Z)とは、Z=L/aの関係から求められる比であ
る。ここに、Lは、分散液中、上記した回折/散乱法に
よる粒径測定法により求めた無機層状化合物の粒径(体
積基準のメジアン径)であり、aは、図3に示すへき開
した単位結晶層31の単位厚さである。この「単位厚さ
a」は、後述する粉末X線解析法等によって、無機層状
化合物における単位結晶層の厚みを単独にて測定した結
果に基づいて決められる値である。
【0036】より具体的には、横軸に2θ、縦軸にX線
回折ピークの強度を示した図4のグラフに模式的に示す
ように、観測される回折ピークのうち最も低角側のピー
クに対応する角度θから、Bragg の式(nλ=2Dsi
nθ、n=1,2,3・・・)に基づいて求められる間
隔を、「単位厚さa」とする(粉末X線解析法の詳細に
ついては、例えば、塩川二朗監修「機器分析の手引き
(a)」69頁(1985年)化学同人社発行を参
照)。
【0037】分散液から分散媒を取り除いてなる、樹脂
組成物層3に相当する樹脂組成物を粉末X線解析した際
には、通常、該樹脂組成物における分散している各無機
層状化合物の面間隔を、図3に示す面間隔dとして求め
ることが可能である。
【0038】より具体的には、横軸に2θ、縦軸にX線
回折ピークの強度を取った図5のグラフに模式的に示す
ように、上記した「単位厚さa」に対応する回折ピーク
位置より、低角(間隔が大きい)側に観測される回折ピ
ークのうち、最も低角側のピークに対応する間隔を「面
間隔d」(a<d)とする。
【0039】図6のグラフに模式的に示すように、上記
「面間隔d」に対応するピークがハロー(ないしバック
グラウンド)と重なって検出することが困難な場合にお
いては、2θdより低角側のベースラインを除いた部分
の面積を、「面間隔d」に対応するピークとしている。
ここに、「θd」は、「(単位厚さa)+(樹脂1本鎖
の幅)」に相当する回折角である(この面間隔dの算出
法の詳細については、例えば、岩生周一ら編、「粘土の
事典」、35頁以下および271頁以下、1985年、
(株)朝倉書店を参照)。
【0040】通常は、上記した面間隔dと「単位厚さ
a」との差、すなわちk=(d−a)の値(「長さ」に
換算した場合)は、樹脂組成物を構成する樹脂1本鎖の
幅に等しいかこれより大である〔k=(d−a)≧樹脂
1本鎖の幅〕。このような「樹脂1本鎖の幅」は、シミ
ュレーション計算等により求めることが可能である(例
えば、「高分子化学序論」、103〜110頁、198
1年、化学同人を参照)、ポリビニルアルコール(以
下、PVAと略す)の場合には4〜5オングストローム
である(水分子では2〜3オングストローム)。
【0041】樹脂組成物層3中の単位結晶層31の「真
のアスペクト比」は直接測定がきわめて困難である。上
記したアスペクト比Z=L/aは、必ずしも、樹脂組成
物層3中の単位結晶層31の「真のアスペクト比」と等
しいとは限らないが、下記の理由により、このアスペク
ト比Zをもって「真のアスペクト比」を近似することに
は妥当性がある。
【0042】樹脂組成物の粉末X線解析法により求めら
れる面間隔dと、無機層状化合物単独の粉末X線解析測
定により求められる「単位厚さa」との間にa<dなる
関係があり、且つ(d−a)の値が該組成物中の樹脂1
本鎖の幅以上である場合には、樹脂組成物中において、
各無機層状化合物の層間に樹脂が挿入されていることと
なる。したがって、樹脂組成物層3中の単位結晶層31
の厚みを上記「単位厚さa」で近似すること、すなわち
樹脂組成物層3中における単位結晶層31の「真のアス
ペクト比」を、上記した無機層状化合物の分散液中での
「アスペクト比Z」で近似することには、充分な妥当性
がある。
【0043】上述したように、樹脂組成物層3中におけ
る、単位結晶層31の真の粒径測定はきわめて困難であ
るが、樹脂組成物層3の樹脂32中での単位結晶層31
の粒径は、分散液中(樹脂/無機層状化合物/分散媒)
の無機層状化合物における単位結晶層の粒径Lに相当す
ると考えることができる。
【0044】但し、回折/散乱法で求められる分散液中
での粒径Lは、無機層状化合物の長径Lmaxを越える
可能性はかなり低いと考えられるため、真のアスペクト
比(Lmax/a)が、本発明で用いる「アスペクト比
Z」を下回る(Lmax/a<Z)可能性は、理論的に
はかなり低い。
【0045】上述した2つの点から、本発明で用いるア
スペクト比の定義Zは、充分な妥当性を有するものと考
えられる。本明細書において、「アスペクト比」または
「粒径」とは、上記で定義した「アスペクト比Z」、ま
たは「回折/散乱法で求めた粒径L」を意味する。
【0046】大きなアスペクト比を容易に与える点から
は、分散媒に膨潤・へき開する性質を有する無機層状化
合物が好ましく用いられる。
【0047】本発明に用いる無機層状化合物の分散媒へ
の「膨潤・へき開」性の程度は、以下の「膨潤・へき
開」試験により評価することができる。無機層状化合物
の膨潤性は、下記の膨潤性試験において、膨潤値約5以
上(さらには膨潤値約20以上)の程度であることが好
ましい。一方、無機層状化合物のへき開性は、下記へき
開性試験において、へき開値約5以上(さらにはへき開
値約20以上)の程度であることが好ましい。これらの
場合、分散媒としては、無機層状化合物の密度より小さ
い密度を有する液体を用いる。無機層状化合物が天然の
膨潤性粘土鉱物である場合、分散媒としては、水を用い
ることが好ましい。
【0048】<膨潤性試験>100mLメスシリンダー
に分散媒100mLを入れ、これに無機層状化合物2g
をゆっくり加える。静置後、23℃、24hr後の無機
層状化合物分散層と上澄みとの界面の目盛から無機層状
化合物分散層の体積(mL)を膨潤値として読む。この
数値が大きい程、膨潤性が高い。
【0049】<へき開性試験>無機層状化合物30gを
分散媒1500mLにゆっくり加え、分散機〔浅田鉄工
(株)製、デスパMH−L、羽根径52mm、回転数3
100rpm、容器容量3L、底面−羽根間の距離28
mm〕にて周速8.5m/secで90分間分散した後
(23℃)、分散液100mLをとりメスシリンダーに
入れ60分静置後、上澄みとの界面から、無機層状化合
物分散層の体積(mL)をへき開値として読む。
【0050】分散媒に膨潤・へき開する無機層状化合物
としては、分散媒に膨潤・へき開性を有する粘土鉱物が
特に好ましく用いられる。かかる粘土鉱物は、一般に、
シリカの四面体層の上部に、アルミニウムやマグネシウ
ム等を中心金属にした八面体層を有する2層構造を有す
るタイプと、シリカの四面体層が、アルミニウムやマグ
ネシウム等を中心金属にした八面体層を両側から狭んで
なる3層構造を有するタイプに分類される。前者の2層
構造タイプとしては、カオリナイト族、アンチゴライト
族等を挙げることができ、後者の3層構造タイプとして
は、層間カチオンの数によってスメクタイト族、バーミ
キュライト族、マイカ族等を挙げることができる。
【0051】これらの粘土鉱物としては、より具体的に
は、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイ
サイト、アンチゴライト、クリソタイル、パイロフィラ
イト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイ
ト、サポナイト、ソーコナイト、スチブンサイト、ヘク
トライト、テトラシリリックマイカ、ナトリウムテニオ
ライト、白雲母、マーガライト、タルク、バーミキュラ
イト、金雲母、ザンソフィライト、緑泥石等を挙げるこ
とができる。
【0052】また、粘土鉱物を有機物で処理したもの
(以下、有機修飾粘土鉱物と称する場合もある)も無機
層状化合物として用いることができる(なお、有機物で
処理した粘土鉱物に関しては、朝倉書店、「粘土の事
典」参照)。
【0053】上記粘土鉱物の中でも、膨潤性またはへき
開性の観点から、スメクタイト族、バーミキュライト族
およびマイカ族が好ましく、さらに好ましくはスメクタ
イト族が好ましい。スメクタイト族としては、モンモリ
ロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイ
ト、ソーコナイト、スチブンサイト、ヘクトライトを例
示できる。
【0054】無機層状化合物を膨潤またはへき開させる
分散媒は、例えば天然の膨潤性粘土鉱物の場合、水、メ
タノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノー
ル、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のア
ルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シド、アセトン等が挙げられ、水やメタノール等のアル
コール類がより好ましい。
【0055】また、有機修飾粘土鉱物の場合、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、エチル
エーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の
ケトン類、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン
等の脂肪族炭化水素類、クロロベンゼン、四塩化炭素、
クロロホルム、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、
パークロロエチレン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸エ
チル、メタアクリル酸メチル(MMA) 、フタル酸ジオ
クチル(DOP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシド、メチルセロソルブ、シリコンオイル等が挙
げられる。
【0056】本発明の樹脂組成物層3では、水素結合性
基またはイオン性基を、高い含有量にて有する前述した
高水素結合性樹脂が樹脂として望ましく用いられる。上
記高水素結合性樹脂とは、高水素結合性樹脂中の水素結
合性基またはイオン性基の含有量(両者を含む場合は、
両者の合計量)が、20〜60モル%であり、好ましく
は30〜50モル%のものである。これらの水素結合性
基およびイオン性基の含有量は、例えば、核磁気共鳴
(NMR)の手法(1H−NMR、13C−NMR等)に
よって測定することができる。
【0057】上述した水素結合性基としては水酸基、ア
ミノ基、チオール基、カルボキシル基、スルホン酸基、
燐酸基などが挙げられ、イオン性基としてはカルボキシ
レート基、スルホン酸イオン基、燐酸イオン基、アンモ
ニウム基、ホスホニウム基などが挙げられる。水素結合
性基またはイオン性基の内、さらに好ましいものとして
は、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸
基、カルボキシレート基、スルホン酸イオン基、アンモ
ニウム基などが挙げられる。
【0058】高水素結合性樹脂の具体例としては、例え
ば、PVA、ビニルアルコール分率が40モル%以上の
エチレン−ビニルアルコール共重合体、多糖類、ポリア
クリル酸およびそのエステル類、ポリアクリル酸ナトリ
ウム、ポリベンゼンスルホン酸、ポリベンゼンスルホン
酸ナトリウム、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン
およびその4級アンモニウム塩、ポリビニルチオール、
ポリグリセリンなどが挙げられる。上述した樹脂の中で
も、さらに好ましいものとしては、PVA、多糖類、エ
チレン−ビニルアルコール共重合体が挙げられる。
【0059】ここで、PVAとは、例えば、酢酸ビニル
重合体の酢酸エステル部分を加水分解ないしエステル交
換(けん化)して得られるポリマー(すなわち、ビニル
アルコールと酢酸ビニルの共重合体となったもの)や、
トリフルオロ酢酸ビニル重合体、ギ酸ビニル重合体、ピ
バリン酸ビニル重合体、t−ブチルビニルエーテル重合
体、トリメチルシリルビニルエーテル重合体等をけん化
して得られるポリマーが挙げられる(PVAの詳細につ
いては、例えば、ポバール会編、「PVAの世界」、1
992年、(株)高分子刊行会;長野ら、「ポバール」
1981年、(株)高分子刊行会を参照)。
【0060】PVAにおける「けん化」の程度は、モル
百分率で70%以上が好ましく、さらには85%以上の
ものが好ましく、98%以上のいわゆる完全けん化品が
特に好ましい。また、PVAにおける重合度は、100
以上5000以下が好ましく、200以上3000以下
がより好ましい。さらに、本発明にいうPVAは本発明
の目的が阻害されない限り少量の共重合モノマーで変性
されていてもよい。
【0061】多糖類とは、種々の単糖類の縮重合によっ
て生体系で合成される生体高分子であり、ここではそれ
らをもとに化学修飾したものも含まれる。たとえば、セ
ルロースおよびヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなど
のセルロース誘導体、アミロース、アミロペクチン、プ
ルラン、カードラン、ザンタン、キチン、キトサンなど
が挙げられる。
【0062】また、エチレン−ビニルアルコール共重合
体(以下:EVOHと記載) とは、ビニルアルコール分
率が40モル%以上80モル%以下であり、より好まし
くは、45モル%〜75モル%であるEVOHを意味す
る。また、EVOHのメルトインデックス(温度190
℃、荷重2160gの条件で測定した値;以下MIと記
す)は、特に限定されないが、0. 1〜50g/10分
である。さらに、本発明にいうEVOHは、本発明の目
的が阻害されない限り、少量の共重合モノマーで変性さ
れていてもよい。
【0063】上記ポリビニルアルコールおよびエチレン
−ビニルアルコール共重合体の変性体とは、ポリビニル
アルコールの製造過程において、ビニルエステル樹脂に
酢酸ビニル単量体と共重合可能な他の不飽和単量体、た
とえば、エチレン、プロピレン、α−ヘキセン、α−オ
クテンなどのオレフィン類や、(メタ)アクリル酸、ク
ロトン酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸
などの不飽和酸、およびそのアルキルエステルやアルカ
リ塩類、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などの
スルホン酸含有単量体およびそのアルカリ塩類、ジメチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノ
エチル(メタ)アクリレートや、トリメチル−2−(−
1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルエチ
ル)アンモニウムクロリド、トリメチル−3−(1−
(メタ)アクリルアミドプロピル)アンモニウムクロリ
ド、1−ビニル−2−エチルイミダゾールその他4級化
可能なカチオン性単量体、スチレン、アルキルビニルエ
ーテル、バーサチック酸ビニル、(メタ)アクリルアミ
ド、その他のものが挙げられる。
【0064】これら共重合成分の比率は、特に限定はさ
れるものではないが、ビニルアルコール単位に対し、5
0モル%以下、好ましくは30モル%以下の程度である
場合が好ましく、その共重合の形態は、ランダム共重
合、ブロック共重合、グラフト共重合など任意の方法に
よって得られる各種の形態が用いられる。
【0065】中でも、これら共重合体のうち、ポリビニ
ルアルコール成分に対し、ポリカルボン酸成分が共重合
されたブロック共重合体特に好適に用いられ、該ポリカ
ルボン酸成分がポリメタクリル酸である場合において特
に好ましい。さらに、該ブロック共重合体は、ポリビニ
ルアルコール鎖の片末端にポリアクリル酸鎖が延長され
たようなA−B型ブロック共重合体である場合が特に好
ましく、ポリビニルアルコールブロック成分(a)とポ
リアクリル酸ブロック成分(b)の重量比(a)/
(b)が50/50〜95/5である場合が好ましく、
60/40〜90/10である場合において特に好まし
いガスバリア性が完備され、基材層との結合特性が顕著
に完備される。また、その他の変性体のうち、特に好ま
しい形態の1つとしては、分子内にシリル基を有する化
合物の少なくとも一種で変性されたビニルエステル系重
合体けん化物からなるシリル基変性ポリビニルアルコー
ル系樹脂がある。
【0066】かかる組成を有する変性重合体を得る方法
としては、特に限定はないが、常法によって得られたポ
リビニルアルコールあるいは変性ポリ酢酸ビニルなどの
ビニルアルコール系重合体に、分子内にシリル基を有す
る化合物を反応させ、シリル基を重合体に導入する、あ
るいはポリビニルアルコールあるいはその変性体の末端
を活性化し、分子内にシリル基を有する不飽和単量体を
重合体末端に導入する、さらには該不飽和単量体をビニ
ルアルコール系重合体分子鎖にグラフト共重合せしめる
など各種の変性による方法、ビニルエステル系単量体と
分子内にシリル基を有する不飽和単量体とから共重合体
を得て、これをけん化する方法、または、シリル基を有
するメルカプタンなどの存在下でビニルエステルを重合
し、これをけん化するなど末端にシリル基を導入する、
などの各種の方法が有効に用いられる。
【0067】このような各種の方法で得られる変性ポリ
ビニルアルコール系樹脂としては、結果的にその分子内
にシリル基を有するものであればよいが、分子内に含有
されるシリル基がアルコキシル基あるいはアシロキシル
基およびこれらの加水分解物であるシラノール基または
その塩などの反応性置換基を有しているものが好まし
く、中でもシラノール基である場合が特に好ましい。
【0068】これらの変性ポリビニルアルコール系樹脂
を得るために用いられる分子内にシリル基を有する化合
物としては、トリメチルクロルシラン、ジメチルクロル
シラン、メチルトリクロルシラン、ビニルトリクロルシ
ラン、ジフェニルジクロルシラン、トリエチルフルオロ
シランなどのオルガノハロシラン、トリメチルアセトキ
シシラン、ジメチルジアセトキシシランなどのオルガノ
シリコンエステル、トリメチルメトキシシラン、ジメチ
ルジメトキシシランなどのオルガノアルコキシシラン、
トリメチルシラノール、ジエチルシランジオールなどの
オルガノシラノール、N−アミエチルトリメトキシシラ
ンなどのアミノアルキルシラン、トリメチルシリコンイ
ソジシアネートなどのオルガノシリコンイソシアネート
その他のものが挙げられる。これらシリル化剤による変
性度は用いられるシリル化剤の種類、量、反応条件によ
って任意に調節することができる。
【0069】また、ビニルエステル系単量体と分子内に
シリル基を有する不飽和単量体とからの共重合体をけん
化する方法において用いられる該不飽和単量体として
は、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、などに代表されるようなビニルアルコキシシラン
やビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリイソプロ
ポキシシランなどに代表されるようなビニルアルコキシ
シランのアルキルあるいはアリル置換体など多くのビニ
ルシラン系化合物、さらに、これらのアルコキシ基の一
部または全部をポリエチレングリコールなどのポリアル
キレングリコール置換したポリアルキレングリコール化
ビニルシランなどが挙げられる。さらには、3−(メ
タ)アクリルアミノ−プロピルトリメトキシシラン、3
−(メタ)アクリルアミド−プロピルトリエトキシシラ
ンなどに代表されるような(メタ)アクリルアミド−ア
ルキルシランなども好ましく用いることができる。
【0070】一方、シリル基を有するメルカプタンなど
の存在下でビニルエステルを重合した後けん化し、末端
にシリル基を導入する方法には、3−(トリメトキシシ
リル)−プロピルメルカプタンなどのアルコキシシリル
アルキルメルカプタンが好ましく用いられる。
【0071】本発明の変性ポリビニルアルコール系樹脂
における変性度、すなわち、シリル基の含有量、けん化
度などによってその適性範囲は各々異なるが、本発明の
目的であるガスバリア性に対しては、重要な要因とな
る。シリル基の含有量は、通常、重合体中のビニルアル
コール単位に対しシリル基を含む単量体として30モル
%以下であり、10モル%以下が好ましく、5モル%以
下である場合がより好ましく、2モル%以下が特に好ま
しく用いられる。下限は特に限定されないが、0.1モ
ル%以上である場合において効果が特に顕著に発揮され
る。
【0072】なお、上記シリル化率は、シリル化前のポ
リビニルアルコール系樹脂に含まれていた水酸基の量に
対する、シリル化後の導入されたシリル基の割合を示す
ものである。
【0073】上記シリル基が導入された変性ポリビニル
アルコール系樹脂は、アルコール、またはアルコール/
水の混合溶媒で加熱溶解させることにより、導入された
シリル基の存在によってアルコール系溶媒に溶解する。
そして、溶媒に溶解した変性ポリビニルアルコール系樹
脂は、一方で、導入されたシリル基の一部が脱アルコー
ル反応および脱水反応により反応して、架橋する。な
お、上記反応には、水の存在が必須であり、アルコール
/水の混合溶媒を用いることが好ましい。
【0074】これら各種のポリビニルアルコール系樹脂
は、もちろんそれ単独で用いられてもよいが、本発明の
目的を阻害しない限り、共重合可能な他の単量体との共
重合体としたり、混合可能な他の樹脂化合物と併用する
ことができる。このような樹脂としては、たとえばポリ
アクリル酸またはそのエステル類、ポリエステル系樹
脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ
樹脂、メラミン樹脂、その他のものを挙げることができ
る。
【0075】本発明で用いる塗工液は、上述した無機層
状化合物と樹脂を分散媒中に分散または溶解させた液で
ある。得られる液体包装用積層紙のガスバリア性の観点
から、分散媒としては、上述した無機層状化合物を膨潤
またはへき開させる液体が好ましい。
【0076】塗工液における、無機層状化合物と樹脂と
の組成比は、特に限定されないが、一般的には、無機層
状化合物と樹脂との重量比(無機層状化合物/樹脂)
が、1/100〜100/1、さらには1/20〜10
/1の範囲であることが好ましい。無機層状化合物の重
量比が高いほどガスバリア性に優れるが、耐屈曲性の点
を考慮すると、1/20〜2/1の範囲がより好まし
い。また、塗工液中の無機層状化合物と樹脂の濃度は、
両者の合計で、0.1〜70重量%、生産性の観点から
1〜15重量%であり、より好ましくは、4〜10重量
%である。
【0077】本発明の樹脂組成物層3に用いた樹脂が、
高水素結合性樹脂である場合、樹脂組成物層3の耐水性
を改良する目的で、水素結合性基用架橋剤を用いること
ができる。
【0078】上記架橋剤の好適な例としては、チタン系
カップリング剤、シラン系カップリング剤、メラミン系
カップリング剤、エポキシ系カップリング剤、イソシア
ネート系カップリング剤等のカップリング剤、水溶性エ
ポキシ化合物、銅化合物、ジルコニウム化合物、有機金
属化合物等が挙げられる。耐水性向上の点からは、有機
金属化合物、ジルコニウム化合物、水溶性エポキシ化合
物、シランカップリング剤がさらに好ましく用いられ、
さらに好ましくは、有機チタン化合物等の有機金属化合
物である。
【0079】前記のジルコニウム化合物の具体例として
は、例えば、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化
ジルコニウム、四塩化ジルコニウム、臭化ジルコニウム
等のハロゲン化ジルコニウム;硫酸ジルコニウム、塩基
性硫酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム等の鉱酸のジル
コニウム塩;ギ酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、プ
ロピオン酸ジルコニウム、カプリル酸ジルコニウム、ス
テアリン酸ジルコニウム等の有機酸のジルコニウム塩;
炭酸ジルコニウムアンモニウム、硫酸ジルコニウムナト
リウム、酢酸ジルコニウムアンモニウム、シュウ酸ジル
コニウムナトリウム、クエン酸ジルコニウムナトリウ
ム、クエン酸ジルコニウムアンモニウム等のジルコニウ
ム錯塩などがあげられる。
【0080】前記の水溶性エポキシ化合物の具体例とし
ては、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ソルビタ
ンポリグリシジルエーテル、グリシジルエーテル系エポ
キシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン系
エポキシ樹脂、あるいは脂肪族系エポキシ樹脂をあげる
ことができる。
【0081】前記のシランカップリング剤の例として
は、アミノ系シランカップリング剤、ビニル系あるいは
メタクリロキシ系シランカップリング剤、エポキシ系シ
ランカップリング剤、メチル系シランカップリング剤、
クロロ系シランカップリング剤、メルカプト系シランカ
ップリング剤系が挙げられる。
【0082】さらに、上記水素結合性基用架橋剤の好適
な例としては、高水素結合性樹脂の複数の官能基と反応
して架橋構造を形成する反応、すなわち架橋反応し得る
有機金属化合物、例えば、ポリビニルアルコールの複数
の水酸基と反応して、該有機金属化合物の金属原子と水
酸基の酸素原子とが、配位結合やイオン結合して架橋結
合を形成する、前記の有機金属化合物が好ましい。
【0083】上記の架橋反応し得る有機金属化合物は、
無機金属塩と比較して、架橋反応性が高く、架橋効率が
高い。ただし、あまり架橋反応性が高すぎると塗工液中
で架橋反応が進行し、塗工(コーティング)が不可能と
なるが、有機金属化合物の架橋反応性は、配位子を適宜
変えることで容易に制御できる。有機金属化合物は、こ
のように反応性の制御が容易であるという利点を有する
点でも無機金属塩より優れている。有機金属化合物の中
でも、特に、アセチルアセトナートのようなキレート性
の配位子を有する有機金属化合物は、適度な架橋反応性
を有し、水素結合性基用架橋剤として好ましい。
【0084】このような有機金属化合物の好適な例とし
ては、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、有
機アルミニウム化合物、有機珪素化合物が挙げられる。
【0085】有機チタン化合物の具体例としては、テト
ラノルマルブチルチタネート、テトライソプロピルチタ
ネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2-エチル
ヘキシル)チタネート、テトラメチルチタネート等のチ
タンオルソエステル類、チタンアセチルアセトナート、
チタンテトラアセチルアセトナート、ポリチタンアセチ
ルアセトナート、チタンオクチレングリコレート、チタ
ンラクテート、チタントリエタノールアミネート、チタ
ンエチルアセトアセテート等のチタンキレート類、ポリ
ヒドロキシチタンステアレート等のチタンアシレート類
などが挙げられる。
【0086】有機ジルコニウム化合物の具体例として
は、ジルコニウムノルマルプロピレート、ジルコニウム
ノルマルブチレート、ジルコニウムテトラアセチルアセ
トナート、ジルコニウムモノアセチルアセトナート、ジ
ルコニウムビスアセチルアセトナート、ジルコニウムア
セチルアセトナートビスエチルアセトアセテート等が挙
げられる。
【0087】有機アルミニウム化合物の具体例として
は、アルミニウムアセチルアセトナート、アルミニウム
有機酸キレート等が挙げられる。有機珪素化合物として
は、有機チタン化合物または有機ジルコニウム化合物と
して例示した化合物が有する配位子を有する珪素化合物
が挙げられる。
【0088】これらの中で、キレート化合物が塗工液中
での安定性の面で好ましい。また、塗工液の安定性の面
では、塗工液を酸性に設定することにより、上記安定性
が大幅に改良される。上記の酸性条件としては、pH5
以下が好ましく、pH3以下がより好ましい。上記塗工
液のpHについては特に下限はないが、通常、pH0.
5以上である。添加方法は、アルコール類で希釈し、添
加するのが好ましく用いられる。上記の樹脂と架橋剤と
の混合工程を含むことで、上記の樹脂が架橋された樹脂
組成物層3を得ることができる。
【0089】架橋剤の添加量は特に限定されないが、架
橋剤の架橋生成基のモル数(CN)と樹脂の水素結合性
基のモル数(HN)との比K(K=CN/HN)が、
0.001以上10以下の範囲内になるように用いるこ
とが好ましい。このモル数の比Kは、0.01以上1以
下の範囲内であることが更に好ましい。
【0090】上記した無機層状化合物と樹脂よりなる樹
脂組成物の配合ないし製造方法は、特に限定されない。
配合時の均一性ないし操作容易性の点からは、例えば、
樹脂を溶媒に溶解させた液と、無機層状化合物を分散媒
により予め膨潤・へき開させた分散液とを混合後、溶媒
および分散媒を除く方法(方法1)、無機層状化合物を
分散媒により膨潤・へき開させた分散液と樹脂とを混合
して、上記樹脂を分散媒中に溶解させた後、分散媒を除
く方法(方法2)、樹脂を溶媒に溶解させた液に無機層
状化合物を加え、上記溶媒を分散媒として上記無機層状
化合物を膨潤・へき開させて分散液とし、上記溶媒を除
く方法(方法3)、また樹脂と無機層状化合物を熱混練
する方法(方法4)などが使用可能である。無機層状化
合物の大きなアスペクト比が容易に得られる点からは、
前3者の方法が好ましく用いられる。また、前3者にお
いては、高圧分散装置を用いて処理するほうが無機層状
化合物の分散性の観点から好ましい。
【0091】高圧分散装置としては、例えばMicrofluid
ics Corporation 社製超高圧ホモジナイザー(商品名マ
イクロフルイダイザー)あるいはナノマイザー社製ナノ
マイザーがあり、他にもマントンゴーリン型高圧分散装
置、例えばイズミフードマシナリ製ホモゲナイザー等が
挙げられる。
【0092】上記の前3者の方法において、溶媒や分散
媒を系から除去した後、得られた液体包装用積層紙を、
110℃以上220℃以下で熱エージングすることは、
とりわけ液体包装用積層紙の耐水性(耐水環境テスト後
のガスバリア性の意味)を向上させることができて、好
ましい。また、エージング処理は、樹脂が高水素結合性
樹脂のときに、特に優れた効果を発揮するものである。
【0093】エージング時間に限定はないが、液体包装
用積層紙が少なくとも設定温度に到達する必要があり、
例えば熱風乾燥機のような熱媒接触による方法の場合、
1秒以上100分以下が好ましい。熱源についても特に
限定はなく、熱ロール接触、熱媒接触(空気、オイル
等)、赤外線加熱、マイクロ波加熱など種々の方法が適
用できる。
【0094】本発明における高圧分散処理とは、図9に
示すように、分散させるべき粒子または分散媒等を混合
した組成物混合液を複数本の細管11中に高速通過させ
て、衝突させることにより、高剪断や高圧状態などの特
殊な条件下で、分散処理することである。
【0095】このような高圧分散処理では、組成物混合
液を、管径1μm〜1000μmの細管11中を通過さ
せることが好ましく、細管11を通過時に、組成物混合
液には、最大圧力条件が100kgf/cm2 以上の圧
力が印加されることが好ましく、さらに、500kgf
/cm2 以上がより好ましく、特に好ましくは1000
kgf/cm2 以上である。また、組成物混合液が、細
管11内を通過する際、上記組成物混合液の最高到達速
度が100m/s以上に達することが好ましく、伝熱速
度は100kcal/hr以上のことが好ましい。
【0096】上記高圧分散処理に用いる高圧分散処理装
置内での高圧処理の原理を模式的に説明すると、まず、
ポンプ12により、細管11より太い管径を有するフィ
ーダー管13に組成物混合液が吸引されて取り込まれ
る。続いて、ポンプ12によって、フィーダー管13内
の組成物混合液に対し、高圧が印加される。このとき、
フィーダー管13に設けられた逆流防止弁(図示せず)
により、フィーダー管13内の組成物混合液は、細管1
1に向かって押し出される。したがって、組成物混合液
は、細管11内において、高圧および高速状態となり、
組成物混合液の各無機層状化合物粒子が互いに、および
細管11の内壁と衝突して、上記各無機層状化合物粒子
の径および厚さ、特に厚さが細分化され、かつ、より均
一に分散されて、排出管14から外部に取り出される。
【0097】例えば、細管11部分で処理サンプルであ
る組成物混合液に対し、瞬間的に最高速度に達する地点
の流速が、例えば300m/sの場合、体積1×10-3
m3の立方体中を1/(3×105 )secで通過し、
組成物混合液の温度が35℃上昇するとき、圧力損失に
より組成物混合液にエネルギーが伝達される。伝熱速度
は、組成物混合液の比重が1g/cm3 比熱1cal/
g℃のとき、3.8×104 kcal/hrとなる。
【0098】本発明の延伸フィルム層2としては、特に
限定されないが、2軸延伸ポリアミド、2軸延伸ポリエ
チレンテレフタレート、2軸延伸ポリプロピレンからな
る群から選択される少なくとも一つであることが好まし
い。
【0099】上記延伸フィルム層2としては、引っ張り
強度の高いものほど好ましく、また、破断点伸度が70
0%以下が望ましく、さらに500%以下が好ましい。
ポリアミド系2軸延伸フィルムとしては、ナイロン−
6、ナイロン−6,6、メタキシレンジアミン−アジピ
ン酸縮重合体などが例示できる。
【0100】本発明の樹脂組成物層3を他の層、例えば
紙状物層1に積層するに当たり、それらの間の各表面に
対し、コロナ処理、フレームプラズマ処理、オゾン処
理、電子線照射処理、アンカー処理を行ってもよい。ア
ンカー処理を行う場合、アンカー層の素材としては、例
えば、ポリエチレンイミン系、アルキルチタネート系、
ポリブタジエン系、ウレタン系等特に限定されないが、
耐水性の面より、イソシアネート化合物と活性水素化合
物とから調製されたウレタン系からなるアンカー層が好
ましい。
【0101】イソシアネート化合物とは、トリレンジイ
ソシアネート(TDI)、4,4'−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート
(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HD
I)、4,4'−メチレンビスシクロヘキシルイソシアネー
ト(H12MDI)、イソホロンジイソシアネート(IP
DI)等がある。
【0102】また、活性水素化合物とは、イソシアネー
ト化合物と結合する官能基を有するものであればよく、
例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘ
キサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロ
ールプロパン等の低分子量ポリオール、ポリエチレング
リコール、ポリオキシプロピレングリコール、エチレン
オキシド/プロピレンオキシド共重合体、ポリテトラメ
チレンエーテルグリコール等のポリエーテルポリオー
ル、ポリ−β−メチル−δ−バレロラクトン、ポリカプ
ロラクトン、ジオール/二塩基酸からのポリエステル等
のポリエステルポリオールなどが挙げられる。
【0103】上記活性水素化合物においては、特に、低
分子量ポリオールが好ましく、さらに、低分子量ポリオ
ール中のジオールが望ましい。ここでジオールとはエチ
レングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレン
グリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール等であり、二塩基酸として
アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、イソフタル
酸、テレフタル酸等である。その他のポリオールとし
て、ひまし油、液状ポリブタジエン、エポキシ樹脂、ポ
リカーボネートジオール、アクリルポリオール、ネオプ
レン等の活性水素化合物がある.イソシアネート化合物
と活性水素化合物の混合比は、特に限定されないが、イ
ソシアネート基と活性水素基、例えば−OH,−NH,
−COOHとの当量関係を考慮し、添加量を決定するの
が好ましい。例えば、イソシアネート基のモル数(A
N)と活性水素化合物の活性水素基のモル数(BN)と
の比R(R=AN/BN)は、接着強度の観点から0.
001以上が好ましく、粘着性とブロッキングの観点か
ら10以下が好ましい。このモル数の比Rは、0.01
以上、1以下の範囲内であることが更に好ましい。イソ
シアネート基および活性水素基の各モル数は、1H−N
MR、13C−NMRにより定量することができる。
【0104】アンカー層を樹脂組成物層3または他の
層、例えば紙状物層1へ積層する方法としては、特に限
定されないが、イソシアネート化合物と活性水素化合物
とを含むアンカーコート剤を溶媒に溶解してアンカーコ
ート剤溶液によるコーティング法が好ましい。
【0105】コーティング法としては、具体的には、ダ
イレクトグラビア法やリバースグラビア法及びマイクロ
グラビア法、2本ロールビートコート法、ボトムフィー
ド3本リバースコート法等のロールコーティング法、及
びドクターナイフ法やダイコート法、ディップコート
法、バーコーティング法やこれらを組み合わせたコーテ
ィング法などの方法が挙げられる。
【0106】また、アンカーコート剤溶液における溶剤
成分は主として有機溶媒であり、アルコール類、脂肪族
炭化水素類、脂環族炭化水素類、芳香族炭化水素類、エ
ステル類、ケトン類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素
類、これらの混合溶媒が挙げられる。
【0107】アンカーコート剤溶液を膜状に塗布した塗
工厚みは特に限定されないが、乾燥厚みが0.01μm
〜5μmとなるように設定されるのが好ましい。塗工厚
みが大きいほどヒートシール強度には優れるが、耐ゲル
ボフレックス性には劣る。よって、上記塗工厚みは、よ
り好ましくは0.03μm〜2.0μmであり、さらに
好ましくは0.05μm〜1.0μmである。
【0108】本発明の樹脂組成物層3の膜厚は、乾燥厚
みで1nm〜10μmの範囲内、より好ましくは、10
nm〜5μmの範囲内、さらに望ましくは、0.1μm
〜2μmの範囲内である。該厚さが10μmを超える
と、得られた液体包装用積層紙において屈曲性が悪化す
る。該厚さが1nm未満となると、効果的なガスバリア
性が得られなくなる。
【0109】本発明の液体包装用積層紙では、アンカー
層、特にウレタン系のアンカー層を用いた場合、樹脂組
成物層3は、上記アンカー層との密着性を向上するため
の界面活性剤を含むものが望ましい。上記界面活性剤と
しては、アンカー層と樹脂組成物層3との間の密着性や
接着性を向上できるものであれば、特に限定されない
が、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活
性剤、両性イオン性界面活性剤および非イオン性界面活
性剤が挙げられる。
【0110】アニオン性界面活性剤としては、脂肪族モ
ノカルボン酸塩、N−アシロイルグルタミン酸塩等のカ
ルボン酸型、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ナフタレ
ンスルホン酸塩−ホルムアルデヒド縮合物、スルホこは
く酸ジアルキルエステル等のスルホン酸型、硫酸アルキ
ル塩、硫酸アルキルポリオキシエチレン塩等の硫酸エス
テル型、リン酸アルキル塩等のリン酸エステル型、ホウ
酸アルキル塩等のホウ酸エステル型などの炭化水素系ア
ニオン性界面活性剤、パーフルオロデカン酸ナトリウ
ム、パーフルオロオクチルスルホン酸ナトリウム等のフ
ッ素系アニオン性界面活性剤、ポリジメチルシロキサン
基とカルボン酸金属塩とを有する重合体など陰イオン性
基を有するシリコーン系アニオン性界面活性剤が挙げら
れる。
【0111】カチオン性界面活性剤としては、例えば、
アルキルアミン塩等のアミン塩型、アルキルトリメチル
アンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、
アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩等の第四級ア
ンモニウム塩型などが挙げられる。
【0112】両性イオン性界面活性剤としては、N,N-ジ
メチル−N-アルキルアミノ酢酸ベタイン等のカルボキシ
ベタイン型、1-アルキル−1-ヒドロキシエチル−1-カル
ボキシメチルイミダゾリニウムベタイン等のグリシン型
が挙げられる。
【0113】非イオン性界面活性剤としては、グリセリ
ン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖
脂肪酸エステル等のエステル型、ポリジメチルシロキサ
ン基とアルキレンオキシド付加物との縮重合体、ポリシ
ロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体、ポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプ
ロピレンブロックポリマー等のエーテル型、ポリエチレ
ングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソル
ビタン脂肪酸エステル等のエステルエーテル型、脂肪族
アルカノールアミド等のアルカノールアミド型、パーフ
ルオロデカン酸のジグリセリンエステルやパーフルオロ
アルキルアルキレンオキサイド化合物などのフッ素型が
挙げられる。
【0114】上記界面活性剤の中では、特に、炭素数6
以上24以下のアルキル鎖を有するカルボン酸のアルカ
リ金属塩、ポリジメチルシロキサン−ポリオキシエチレ
ン共重合体などのエーテル型の非イオン性界面活性剤
(シリコーン系非イオン性界面活性剤)や、パーフルオ
ロアルキルエチレンオキサイド化合物などのフッ素型非
イオン性界面活性剤(フッ素系非イオン性界面活性剤)
が好ましい。
【0115】界面活性剤の配合量は、ガスバリア層3を
形成する際、例えば塗工液を使用する場合、効果の観点
から、該塗工液中に0.001〜5重量%が好ましく、
0.003〜0.5重量%がより好ましく、0.005
〜0.1重量%が特に好ましい。
【0116】本発明の液体包装用容器は、上記の液体包
装用積層紙を用いて、液体等の内容物を包装できるよう
に成形したものである。上記液体包装用積層紙の厚さ
は、特に制限されないが、内容物である被包装物の保護
性の観点から50μm以上が好ましく、また、コストの
観点から700μm以下が好ましい。
【0117】本発明では、その効果を損なわない範囲
で、上記以外の層を設けることもできるし、液体包装用
容器の各材質には、紫外線吸収剤、着色剤、酸化防止剤
等の添加剤を混合してもよい。
【0118】本発明の液体包装用容器は、その容器本体
の形状においては、特に制限はないが、自立式の容器本
体形状、例えばカートン形状や、図7に示すBIB(バ
ッグインボックス)形状や、ブリック形状や、図8に示
すスタンディングパウチ形状を有する容器本体6を備え
たものが好ましい。
【0119】本発明の液体包装用積層紙および液体包装
用容器の用途として、ジュース、酒、菓子、洋菓子、味
噌、漬物、こんにゃく、ちくわ、蒲鉾、その他水産加工
品、とうふ、プリン、ミートボール、ハンバーグ、ハム
・ソーセージ等の水を含む食品の食品包装用途、農薬、
肥料、化粧品、芳香品、医療用輸液等の、酸化性の液体
薬品包装、酸化性の液体化成品包装など医療、化学、電
子、機械分野等での包装用用途が挙げられる。
【0120】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。各種物
性の測定方法を以下に記す。
【0121】〔厚み測定〕0.5μm以上の厚みは、市
販のデジタル厚み計(接触式厚み計、商品名:超高精度
デシマイクロヘッド MH−15M、日本光学社製)に
より測定した。一方、0.5μm未満の厚みは、重量分
析法(一定面積のフィルムの重量測定値をその面積で除
し、更に組成物の比重で除した)または、IR法により
実際の塗工膜厚とIR吸収との検量線を作成し、検量線
より求めた。さらに本発明の樹脂組成物の塗工膜厚に関
する測定の場合などは、元素分析法〔積層体の特定無機
元素分析値(樹脂組成物層由来)と無機層状化合物単独
の特定元素分率の比から本発明の樹脂組成物層と紙状物
層との比を求める方法)によった。
【0122】〔粒径測定〕レーザー回折・散乱式粒度分
布測定装置(LA910、堀場製作所(株)製)を使用
し、媒体の樹脂マトリックス中に存在する無機層状化合
物とみられる粒子の体積基準のメジアン径を粒径Lとし
て測定した。なお、分散液原液はペーストセルにて光路
長50μmで測定し、分散液の希釈液はフローセル法に
て光路長4mmで測定した。
【0123】〔アスペクト比計算〕X線回折装置(XD
−5A、(株)島津製作所製)を用い、無機層状化合物
単独と樹脂組成物の粉末法による回折測定を行った。こ
れにより無機層状化合物の単位厚さaを求め、さらに樹
脂組成物の回折測定から、無機層状化合物の面間隔が広
がっている部分があることを確認した。上述の方法で求
めた粒径Lを用いて、アスペクト比Zを、Z=L/aの
式により算出した。
【0124】〔酸素透過度測定〕JIS K7126に
基づき、超高感度酸素透過度測定装置(OX−TRAN
ML、MOCON社製)にて23.7℃で測定した(外
層である紙状物層側湿度60%RH、内層である熱可塑
性樹脂層側湿度100%RH)。
【0125】〔実施例1〕 〔樹脂組成物層用塗工液〕分散釜〔商品名:デスパMH
−L、浅田鉄工(株)製〕に対し、イオン交換水(比電
気伝導率 0.7μS/cm以下)を1860g入れ、さらにP
VA〔PVA117H;(株)クラレ製,ケン化度;99.
6%,重合度1700〕を128g入れ、低速撹拌下(150
0rpm,周速度4.10m/min)で95℃に昇温
し、1時間撹拌し、溶解させて溶液(A)を得た。
【0126】次に、この溶液(A)を撹拌したまま60
℃に温度を下げた後、1-ブタノール125g、イソプロ
ピルアルコール375gの混合液に非イオン性界面活性
剤〔商品名:SH3746、東レ・ダウコーニング
(株)製〕を0.18g添加した液を、上記溶液(A)
に添加し、混合液(B)を得た。上記非イオン性界面活
性剤は、ポリジメチルシロキサン−ポリオキシエチレン
共重合体である。
【0127】1960gの混合液(B)を、撹拌乳化装
置〔商品名:真空乳化装置PVQ−3UN、みずほ工業
(株)製〕に仕込んだ。樹脂と無機層状化合物との重量
比が、2:1となるように、天然モンモリロナイト〔ク
ニピアF;クニミネ工業(株)製〕を粉末のまま50g
添加し、モンモリロナイトが液中にほぼ沈殿したことを
確認後、600mmHg、5000rpmで10分間高
速撹拌し、樹脂組成物混合液(C)を得た。
【0128】2000gの樹脂組成物混合液(C)を高
圧分散装置(商品名:超高圧ホモジナイザーM110−
E/H、Microfluidics Corporation 製)に通し、17
50kgf/cm2 で1回処理することで分散性良好な
均一な分散液(D)を得た。分散液(D)の固形分濃度
は7.5重量%であった。
【0129】PVAとモンモリロナイトからなる分散液
(D)をフィルム状にキャストして、X線解析を行い、
膨潤し、へき開したモンモリロナイト(無機層状化合
物)の面間隔dを測定した。
【0130】そのX線解析から得られた回折ピークから
面間隔dを求めた結果、その面間隔dが、単位厚さaよ
り大きいことから、前述した理由により、上記モンモリ
ロナイトは充分にへき開されていることが判った。この
ときのへき開した無機層状化合物のアスペクト比は45
0以上であった。
【0131】上記の分散液(D)に対し、低速撹拌下
(1500rpm,周速度4.10m/min)におい
て、上記分散液(D)のpHが3以下となるように塩酸
で調整しながら、チタンアセチルアセトナート〔TC1
00,松本製薬工業(株)製〕を徐々に5.33g添加
し、これを樹脂組成物層用塗工液とした。
【0132】〔液体包装用積層紙〕坪量340g/m2
のクラフト紙に対し、厚さ20μmの2軸延伸ポリプロ
ピレン(OPP)フィルム〔パイレンP2102:東洋
紡績(株)製〕の表面コロナ処理したものを延伸フィル
ム層として積層し、そのOPPフィルム上にアンカーコ
ート剤〔アドコートAD335/CAT10=15/1
(重量比):東洋モートン(株)製〕をグラビア塗工
(テストコーター;康井精機製:マイクログラビア塗工
法、塗工速度3m/分、乾燥温度80℃)した。当該ア
ンカーコート層の乾燥厚みは0.05μmであった。
【0133】次に、樹脂組成物層用塗工液をグラビア塗
工(テストコーター;康井精機製:マイクログラビア塗
工法、塗工速度3m/分、乾燥温度100℃)し、アン
カーコート層上に、上記樹脂組成物層用塗工液に基づく
樹脂組成物層を形成した塗工フィルムを得た。当該樹脂
組成物層の乾燥厚みは0.5μmであった。
【0134】続いて、上記塗工フィルムの樹脂組成物層
に対し、接着剤〔アドコートAD503/CAT10=
15/1(重量比):東洋モートン(株)製〕を用い
て、予め15μm厚さの2軸延伸ポリエチレンテレフタ
レートフィルム〔エスペットT4100、東洋紡績
(株)製〕、シーラント層としての50μm厚さのメタ
ロセンLLフィルム〔TUX−FCS,東セロ(株)
製〕とをドライラミネートしたものの2軸延伸ポリエチ
レンテレフタレート側の表面に対し、ドライラミネート
を行い、液体包装用積層紙を得た。
【0135】この液体包装用積層紙の特性(酸素透過
度)をそれぞれ前述の測定方法にしたがって測定した。
上記液体包装用積層紙の酸素透過度は、0.1(mL/
atm ・m2 ・day )であり、酸素透過度の小さい、優れ
たガスバリア性を有するものであった。
【0136】
【発明の効果】本発明の液体包装用積層紙は、以上のよ
うに、紙状物層と、無機層状化合物を有する樹脂組成物
層と、熱可塑性樹脂層とを備えている構成である。
【0137】それゆえ、上記構成は、無機層状化合物に
よって、ガスバリア性等の食品内容物などの被包装物の
保護性に優れると共に、無機層状化合物により、従来の
ような膜厚のアルミニウム箔を省くことができるので、
廃棄時の処理を容易化できるという効果を奏する。
【0138】本発明の液体包装用容器は、被包装物を包
装するための容器本体が、上記液体包装用積層紙により
形成されている構成である。
【0139】それゆえ、上記構成は、ガスバリア性等の
食品内容物の保護性に優れると共に、廃棄時の処理を容
易化できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体包装用積層紙の一例を示す概略断
面図である。
【図2】本発明の液体包装用積層紙の他の例を示す概略
断面図である。
【図3】上記液体包装用積層紙の樹脂組成物層を示す概
略断面図である。
【図4】上記樹脂組成物層における無機層状化合物の
「単位厚さa」を算出するための無機層状化合物のX線
回折グラフである。
【図5】上記樹脂組成物層における無機層状化合物の
「面間隔d」を算出するための無機層状化合物のX線回
折グラフである。
【図6】上記図5のグラフにおいて、「面間隔d」に対
応するピークがハロー(ないしバックグラウンド)と重
なって検出することが困難な場合における無機層状化合
物の「面間隔d」を算出するときの、X線回折グラフで
ある。
【図7】本発明の液体包装用容器の一例を示す概略斜視
図である。
【図8】本発明の液体包装用容器の他の例を示す概略斜
視図である。
【図9】上記液体包装用積層体紙の製造時に用いる、高
圧分散処理を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
1 紙状物層 3 樹脂組成物層 4 熱可塑性樹脂層

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙状物層と、無機層状化合物を有する樹脂
    組成物層と、熱可塑性樹脂層とを備えていることを特徴
    とする液体包装用積層紙。
  2. 【請求項2】さらに、延伸フィルム層を備えていること
    を特徴とする請求項1記載の液体包装用積層紙。
  3. 【請求項3】熱可塑性樹脂層が、ポリオレフィン系樹脂
    からなるものであることを特徴とする請求項1または2
    記載の液体包装用積層紙。
  4. 【請求項4】さらに、金属または金属酸化物のバリア層
    を備えていることを特徴とする請求項1ないし3の何れ
    か一つに記載の液体包装用積層紙。
  5. 【請求項5】延伸フィルムが、2軸延伸ポリアミド、2
    軸延伸ポリエチレンテレフタレート、2軸延伸ポリプロ
    ピレンからなる群から選択される少なくとも一つからな
    るものであることを特徴とする請求項2記載の液体包装
    用積層紙。
  6. 【請求項6】無機層状化合物が、分散媒に膨張・へき開
    する性質を有することを特徴とする請求項1ないし5の
    何れか一つに記載の液体包装用積層紙。
  7. 【請求項7】樹脂組成物層が、無機層状化合物を有する
    樹脂組成物の混合液を高圧分散処理して得られたもので
    あることを特徴とする請求項1ないし6の何れか一つに
    記載の液体包装用積層紙。
  8. 【請求項8】高圧分散処理が、100kgf/cm2 以
    上の圧力条件にて分散処理するものであることを特徴と
    する請求項7記載の液体包装用積層紙。
  9. 【請求項9】無機層状化合物のアスペクト比が、50〜
    5000であることを特徴とする請求項1ないし8の何
    れか一つに記載の液体包装用積層紙。
  10. 【請求項10】無機層状化合物のアスペクト比が、20
    0〜3000であることを特徴とする請求項1ないし8
    の何れか一つに記載の液体包装用積層紙。
  11. 【請求項11】樹脂組成物層が、高水素結合性樹脂を含
    み、無機層状化合物と高水素結合性樹脂との重量比が、
    (1/100)〜(100/1)の範囲であることを特
    徴とする請求項1ないし10の何れか一つに記載の液体
    包装用積層紙。
  12. 【請求項12】高水素結合性樹脂が、ポリビニルアルコ
    ールおよびその変性体、多糖類、またはエチレン−ビニ
    ルアルコール共重合体およびその変性体であることを特
    徴とする請求項11記載の液体包装用積層紙。
  13. 【請求項13】被包装物を包装するための容器本体が、
    請求項1ないし12の何れか一つに記載の液体包装用積
    層紙により形成されていることを特徴とする液体包装用
    容器。
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