JPH11320912A - インクジェット式記録装置および同装置における記録ヘッドのインク排出制御方法 - Google Patents

インクジェット式記録装置および同装置における記録ヘッドのインク排出制御方法

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JPH11320912A
JPH11320912A JP10138910A JP13891098A JPH11320912A JP H11320912 A JPH11320912 A JP H11320912A JP 10138910 A JP10138910 A JP 10138910A JP 13891098 A JP13891098 A JP 13891098A JP H11320912 A JPH11320912 A JP H11320912A
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Atsushi Kobayashi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置への電源投入時等に実行されるクリーニ
グ動作の発生頻度を低減させること。 【解決手段】 クリーニング操作を実施した後の印刷累
積時間が、印刷累積時間検出手段57によって計時さ
れ、この計時データに基づいて排出モード選定手段55
によって記録ヘッド内のインク排出モードが選定され
る。フラッシング制御手段56、クリーニング制御手段
52は、印刷の改ページ後、次の印刷データがバッファ
に残っていない場合、または電源スイッチがオフされた
場合において、排出モード選定手段55の指令によりフ
ラッシング動作またはクリーニング動作を実行する。し
たがって、例えば電源を投入した場合においては、記録
ヘッドからのインクの排出処理が完了し、正常な印字可
能状態となされているので、直ちに印刷動作に移行する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録用紙の幅方向
に移動する記録ヘッドを備え、印刷データに基づいてイ
ンク滴を記録用紙に向かって吐出することで記録用紙上
に画像を印刷するインクジェット式記録装置に関し、よ
り詳細には記録ヘッドのノズル開口の目詰まりを防止さ
せるためのインク排出処理の制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】パーソナルコンピュータの発達によりグ
ラフィック処理が比較的簡単に実行できるようになった
ため、ディスプレイに表示される例えばカラー画像のハ
ードコピーを高品質で出力できる記録装置が求められて
いる。このような要求に応えるためにインクジェット式
記録ヘッドを搭載した記録装置(以下、プリンタともい
う)が提供されている。このインクジェット式記録装置
は、印刷時の騒音が比較的小さく、しかも小さなドット
を高い密度で形成できるため、昨今においてはカラー印
刷を含めた多くの印刷に使用されている。
【0003】このようなインクジェット式記録装置は、
インクカートリッジからのインクの供給を受けるインク
ジェット式記録ヘッドと、記録用紙を記録ヘッドに対し
て相対的に移動させる紙送り手段を備え、印刷信号に基
づいて記録ヘッドを移動させながら記録用紙にインク滴
を吐出させてドットを形成することで記録が行われる。
そして共通のヘッドホルダーに例えばブラック、イエロ
ー、シアン、マゼンタのインクの吐出が可能な記録ヘッ
ドを設け、ブラックインクによるテキスト印刷ばかりで
なく、各インクの吐出割合を変えることにより、フルカ
ラー印刷を可能としている。
【0004】前記インクジェット式記録ヘッドは、圧力
発生室で加圧したインクをノズルからインク滴として記
録用紙に吐出させて印刷を行う関係上、ノズル開口から
の溶媒の蒸発に起因するインク粘度の上昇や、インクの
固化、塵埃の付着、さらには気泡の混入などによりノズ
ル開口に目詰まりを発生し、印刷不良を起こすという問
題を抱えている。
【0005】このために、インクジェット式記録装置に
は、非印刷時に記録ヘッドのノズル開口を封止するため
のキャッピング手段と、必要に応じてノズルプレートを
清掃するクリーニング装置を備えている。このキャッピ
ング手段は、前記したノズル開口のインクの乾燥を防止
する蓋として機能するだけでなく、ノズル開口に目詰ま
りが生じた場合には、キャップ部材によりノズルプレー
トを封止し、吸引ポンプからの負圧により、ノズル開口
からインクを吸引してノズル開口の目詰まりを解消する
機能をも備えている。
【0006】記録ヘッドの目詰まり解消のために行うイ
ンクの強制的な吸引排出処理は、通常クリーニング操作
と呼ばれ、装置の長時間の休止後に印刷を再開する場合
や、またユーザが記録ヘッドの目詰まりを解消するため
にクリーニングスイッチを押下した場合に実行され、イ
ンク滴を負圧により排出させた後にゴムなどの弾性板か
らなるクリーニング部材によりワイピング操作を伴う処
理である。
【0007】また、記録ヘッドに印刷とは関係のない駆
動信号を印加してインク滴を吐出させる機能も備えてお
り、これは通常フラッシング操作と呼ばれ、クリーニン
グ操作時にワイピング等で記録ヘッドのノズル開口近傍
の不揃いのメニスカスを回復させたり、また印刷中にイ
ンク滴の吐出が少ないノズル開口において、インクの増
粘による目詰まりを防止する目的で一定周期ごとに実行
させる操作である。
【0008】ところで、前記したようなインクジェット
式記録装置においては、印刷終了時にキャップ内に保湿
のためのフラッシングを行い、装置の放置時には前記し
たとおりキャピング手段によって記録ヘッドのノズル開
口を封止するようにされている。
【0009】しかしながら、たとえキャピング手段によ
ってノズル開口を封止しても、インクの溶媒の揮散によ
り記録ヘッドのノズル開口部分のインクが増粘し、ノズ
ル開口に目詰まりを起こして印刷不良を発生するという
問題が生ずる。
【0010】これは印刷時間が長ければ長い程、短い放
置時間でヘッド内インクの増粘に起因する吐出不能状態
が発生する。そこで従来のこの種の記録装置において
は、次回の電源投入時または印刷開始前に、前回のクリ
ーニング操作がなされた後の経過時間と印刷累積時間と
によりクリーニング操作(タイマークリーニング)また
はフラッシング操作を実施することで、このような問題
の発生を回避していた。
【0011】図13は、その処理方法の一例を示したも
のであり、横軸方向に前回クリーニングを実施したとき
からの経過時間を示し、縦軸方向にクリーニング後の印
刷累積時間の関係を示している。図に示す例で理解でき
るように、前回クリーニングを実施したときからの経過
時間が少なく、またクリーニング後の印刷累積時間が少
ない状態においては、フラッシング操作の処理によっ
て、ある程度満足できるノズル開口の目詰まり防止処理
が達成できる。
【0012】しかしながら、前回クリーニングを実施し
たときからの経過時間が増大すると共に、クリーニング
後の印刷累積時間が増大する程、再びクリーニング操作
による記録ヘッドの吸引動作の実施を余儀なくされる。
【0013】このクリーニング操作においては、一般に
キャッピング手段によって記録ヘッドを封止し、比較的
大量のインクを吸引する本吸引の工程、キャッピング手
段に連通するバルブを解放して吸引したインクを排イン
クタンクに排出する工程、記録ヘッドのノズル開口から
侵入した気泡を泡立てないように再び少量のインクを吸
引する工程、またバルブを解放して吸引したインクを排
インクタンクに排出する工程、さらに記録ヘッドにおけ
る不揃いのメニスカスを回復させる仕上げの少量吸引工
程と、さらにインクの排出工程、続いてノズルより侵入
したきわめて小さな気泡の自然消滅を待つウエイト時間
をおく工程を経た上で、一連のクリーニングシーケンス
が終了される。
【0014】したがって、これらの一連のクリーニング
シーケンスを実行するために、少なくとも1分以上の所
用時間を要していた。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】一般に、この種のプリ
ンタの使われ方としては、通常においては動作電源をオ
フにしておき、印刷を行おうとした場合にプリンタに電
源を投入(オン)するということが多い。従来の装置に
おいては図13に示すような条件が経過した後において
は、電源の投入時にタイマークリーニングを実行するよ
うになされており、このために電源投入後における前記
した待機時間が経過するまでは印刷が開始できず、した
がってユーザを待たせることとなり、ユーザに精神的な
煩わしさを与えるという問題を有している。
【0016】また、プリンタの動作電源を継続してオン
状態としておく場合においても、図13に示すような条
件が経過した後においては、印刷開始時点でタイマーク
リーニングを実行する仕組みとなっており、同様にユー
ザに精神的な煩わしさを与えるという問題点を抱えてい
た。
【0017】このような観点において、前記タイマーク
リーニングの動作が不要になるように、またはタイマー
クリーニングが必要になるまでの時間をできるだけ長く
して、クリーニング動作に入る頻度を下げることがプリ
ンタの使い勝手においては望ましいことである。
【0018】そこで本件出願の発明者は、クリーニング
動作後に直ちにキャピング手段によってノズル開口を封
止した状態で装置を放置した場合には、かなりの長時間
の放置後においてもクリーニング操作なしで、印字障害
を発生することなく印字が再開できることを実験の結果
において確認しており、これが本発明に至る基本的な構
想となっている。
【0019】そして、印刷が終了して動作電源を切る前
にクリーニングを実施する、または放置する前にクリー
ニングを実施すれば、ユーザにとって待ち時間なく印刷
が開始できる点に着目したものである。
【0020】一方、印刷動作の終了のたびにクリーニン
グ動作を実行させた場合には、インクの消費(むだ)が
増大し、ユーザに対してランニングコストの負担を強い
ることとなる。また、同じく印刷動作終了のたびにクリ
ーニング動作を実行させるシーケンスを採った場合に
は、印刷終了の後に間もなく次の印刷を実施しようとし
た場合、同じくクリーニング動作による待機を強いるこ
ととなり不都合である。
【0021】したがって、このような不都合を回避する
ためにプリンタの電源を切ろうとしたとき、または印刷
が終わってデータバッファにデータが残っていないと
き、或いは所定の印刷時間が累積したとき、さらには一
定以上の時間にわたり印刷が行われなかったとき、など
の条件の組み合わせに基づいてクリーニング動作または
フラッシング動作を選択的に実行させる手段を見出した
ものである。
【0022】したがって、本発明が解決しようとする技
術的課題は、印刷を実施しようとした場合に、直ちに印
刷を開始することができると共に、印字不良の発生を効
果的に抑制することができる信頼性の高い記録装置を提
供することにある。
【0023】また、本発明は前記記録装置を特定な条件
に応じて動作させて、インクの適切な排出動作を実現さ
せるインク排出制御方法を提供することを目的とするも
のである。
【0024】
【課題を解決するための手段】前記した目的を達成する
ために成された本発明にかかるインクジェット式記録装
置の好ましい実施の形態は、ノズル開口からインク滴を
吐出するインクジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッ
ドのノズル開口を封止しノズル開口よりインク滴を吸引
するキャッピング手段を搭載したインクジェット式記録
装置であって、前記キャッピング手段によって記録ヘッ
ドのノズル開口よりインク滴を吸引するクリーニング操
作を実施した後の印刷累積時間を計時する計時手段と、
前記計時手段による計時データに基づいて前記記録ヘッ
ド内のインク排出モードを選定する排出モード選定手段
と、印刷の改ページ後、次の印刷データがバッファに残
っていない場合において、前記排出モード選定手段によ
り選定されたインク排出動作を実行するインク排出制御
手段とが具備される。
【0025】また本発明にかかるインクジェット式記録
装置の他の好ましい実施の形態は、ノズル開口からイン
ク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドと、前記記
録ヘッドのノズル開口を封止しノズル開口よりインク滴
を吸引するキャッピング手段を搭載したインクジェット
式記録装置であって、前記キャッピング手段によって記
録ヘッドのノズル開口よりインク滴を吸引するクリーニ
ング操作を実施した後の印刷累積時間を計時する計時手
段と、前記計時手段による計時データに基づいて前記記
録ヘッド内のインク排出モードを選定する排出モード選
定手段と、前記記録装置の電源スイッチがオフされた場
合において、前記排出モード選定手段により選定された
インク排出動作を実行するインク排出制御手段とが具備
される。
【0026】また本発明にかかるインクジェット式記録
装置の他の好ましい実施の形態は、ノズル開口からイン
ク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドと、前記記
録ヘッドのノズル開口を封止しノズル開口よりインク滴
を吸引するキャッピング手段を搭載したインクジェット
式記録装置であって、前記キャッピング手段によって記
録ヘッドのノズル開口よりインク滴を吸引するクリーニ
ング操作を実施した後の印刷累積時間を計時する計時手
段と、前記計時手段による計時データに基づいて前記記
録ヘッド内のインク排出モードを選定する排出モード選
定手段と、前記記録装置の電源スイッチがオフされてい
る場合において、電源スイッチのオフ状態が所定時間以
上継続した時に前記排出モード選定手段により選定され
たインク排出動作を実行するインク排出制御手段とが具
備される。
【0027】この場合、前記排出モード選定手段によっ
て、前記キャッピング手段に対してインクを吐出させる
フラッシングモードと、キャッピング手段によって記録
ヘッドのノズル開口を封止してインク滴を吸引するイン
ク吸引モードとを選定するように構成されていることが
望ましい。
【0028】さらに前記排出モード選定手段には、比較
的少量のインクを吐出させる通常フラッシングモード
と、比較的大量のインクを吐出させる大量フラッシング
モードとが選定できるように構成されていることが望ま
しい。
【0029】また同様に前記排出モード選定手段には、
比較的少量のインクを吸引する少量吸引モードと、比較
的大量のインクを吸引する大量吸引モードと、前記少量
吸引モードによるインク吸引量と大量吸引モードによる
インク吸引量との中間のインク吸引量を実行する通常吸
引モードとが選定できるように構成されていることが望
ましい。
【0030】また、本発明にかかるインクジェット式記
録装置における記録ヘッドのインク排出制御方法は、ノ
ズル開口からインク滴を吐出するインクジェット式記録
ヘッドと、前記記録ヘッドのノズル開口を封止しノズル
開口よりインク滴を吸引するキャッピング手段を搭載し
たインクジェット式記録装置における記録ヘッドのイン
ク排出制御方法であって、前記キャッピング手段によっ
て記録ヘッドのノズル開口よりインク滴を吸引するクリ
ーニング操作を実施した後の印刷累積時間を計時し、計
時データに基づいて前記記録ヘッド内のインク排出モー
ドを選定する排出モード選定ステップと、印刷の改ペー
ジ後に次の印刷データがバッファに残っているか否かを
判定する継続印刷判定ステップと、前記継続印刷判定ス
テップにおいて、継続印刷がなしと判定した場合に、前
記排出モード選定ステップにより選定されたインク排出
動作を行うインク排出ステップとを実行するようになさ
れる。
【0031】さらに本発明にかかるインクジェット式記
録装置における記録ヘッドのインク排出制御方法は、ノ
ズル開口からインク滴を吐出するインクジェット式記録
ヘッドと、前記記録ヘッドのノズル開口を封止しノズル
開口よりインク滴を吸引するキャッピング手段を搭載し
たインクジェット式記録装置における記録ヘッドのイン
ク排出制御方法であって、前記キャッピング手段によっ
て記録ヘッドのノズル開口よりインク滴を吸引するクリ
ーニング操作を実施した後の印刷累積時間を計時し、計
時データに基づいて前記記録ヘッド内のインク排出モー
ドを選定する排出モード選定ステップと、前記記録装置
の電源スイッチがオフされたか否かを判定するスイッチ
オフ判定ステップと、前記スイッチオフ判定ステップに
おいて、記録装置の電源スイッチがオフされたと判定し
た場合に、前記排出モード選定ステップにより選定され
たインク排出動作を行うインク排出ステップとを実行す
るようになされる場合もある。
【0032】さらにまた、本発明にかかるインクジェッ
ト式記録装置における記録ヘッドのインク排出制御方法
は、ノズル開口からインク滴を吐出するインクジェット
式記録ヘッドと、前記記録ヘッドのノズル開口を封止し
ノズル開口よりインク滴を吸引するキャッピング手段を
搭載したインクジェット式記録装置における記録ヘッド
のインク排出制御方法であって、前記キャッピング手段
によって記録ヘッドのノズル開口よりインク滴を吸引す
るクリーニング操作を実施した後の印刷累積時間を計時
し、計時データに基づいて前記記録ヘッド内のインク排
出モードを選定する排出モード選定ステップと、前記記
録装置の電源スイッチがオフされている場合において、
電源スイッチのオフ状態が所定時間以上継続したか否か
を判定する電源オフ状態判定ステップと、前記電源オフ
状態判定ステップにおいて、電源スイッチのオフ状態が
所定時間以上継続したと判断した場合に、前記排出モー
ド選定ステップにより選定されたインク排出動作を行う
インク排出ステップとを実行するようになされる場合も
ある。
【0033】このいずれのインク排出制御方法を実行し
た場合においても、前記インク排出ステップの後に、直
ちにキャッピング手段によって記録ヘッドのノズル開口
を封止するキャッピングステップに移行することが望ま
しい。
【0034】そして、好ましくはいずれのインク排出制
御方法においても、前記排出モード選定ステップにおい
ては、前回のクリーニング操作を実施した後の経過時間
に対応した処理テーブルを参照または演算して、キャッ
ピング手段に対してインクを吐出させるフラッシングモ
ード、またはキャッピング手段によって記録ヘッドのノ
ズル開口を封止してインク滴を吸引するインク吸引モー
ドのいずれかのインク排出動作を選定するようになされ
る。
【0035】またさらに好ましくは、前記排出モード選
定ステップにおいては、処理テーブルを参照または演算
して、比較的少量のインクを吐出させる通常フラッシン
グモードと、比較的大量のインクを吐出させる大量フラ
ッシングモードとを、前回のクリーニング操作を実施し
た後の経過時間に対応して選定するようになされ、また
同様に処理テーブルを参照または演算して、比較的少量
のインクを吸引する少量吸引モードと、比較的大量のイ
ンクを吸引する大量吸引モードと、前記少量吸引モード
によるインク吸引量と大量吸引モードによるインク吸引
量との中間のインク吸引量を実行する通常吸引モードと
を、前回のクリーニング操作を実施した後の経過時間に
対応して選定するようになされる。
【0036】以上のように構成されたインクジェット式
記録装置および同装置における記録ヘッドのインク排出
制御方法によると、計時手段によってクリーニング操作
を実施した後の印刷累積時間を計時し、この計時データ
に基づいて排出モード選定手段によって記録ヘッド内の
インク排出モードが選定される。そして、インク排出制
御手段は印刷の改ページ後、次の印刷データがバッファ
に残っていない場合において、前記排出モード選定手段
によって選定されたインク排出モードを実行するように
制御する。
【0037】また同様に、電源スイッチがオフされた場
合において、印刷累積時間の計時データに基づいて前記
排出モード選定手段によって選定されたインク排出モー
ドを実行するようにも制御される。
【0038】さらに同様に、記録装置の電源スイッチが
オフされている場合において、電源スイッチのオフ状態
の継続時間が所定以上となった時に、印刷累積時間の計
時データに基づいて前記排出モード選定手段によって選
定されたインク排出モードを実行するようにも制御され
る。
【0039】このような制御を実施することにより、ユ
ーザが印刷を開始しようとした場合、または電源を投入
した場合においては、すでに記録ヘッドからのインクの
排出処理が完了し、正常な印字可能状態となされている
ので、直ちに印刷動作に移行することができる。したが
って、タイマークリーニングを実行することにより印刷
の待ち時間をユーザに強いるという不都合を解消するこ
とが可能となる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかるインク排出
制御方法を採用したインクジェット式記録装置につい
て、図に示す実施の形態に基づいて説明する。図1は本
発明が適用されたインクジェット式記録装置の全体を斜
視図によって示したものであり、図中符号1はキャリッ
ジであり、キャリッジモータ3の駆動により往復動する
タイミングベルト2を介し、ガイド部材4に案内されて
プラテン5の軸方向に往復移動されるように構成されて
いる。
【0041】キャリッジ1の記録用紙6に対向する側に
は、ブラック用記録ヘッド7、およびカラー用記録ヘッ
ド8が搭載され、またその上方にはそれぞれの記録ヘッ
ドにインクを供給するブラック用インクカートリッジ
9、およびカラー用インクカートリッジ10が着脱可能
に装填されている。
【0042】図中符号11は、非印字領域外に配置され
たキャッピング手段としてのキャッピング装置であっ
て、ブラックヘッド用のキャップユニット37とカラー
ヘッド用のキャップユニット38が配置されている。そ
してキャッピング装置11の下方には、キャッピング装
置11に対して負圧を与えるための吸引ポンプ12が配
置されている。
【0043】前記キャップユニット37,38は記録装
置の休止期間中のノズル開口の乾燥を防止するキャップ
手段として機能する他、フラッシング動作時のインク受
けとして機能し、また前記吸引ポンプ12からの負圧を
記録ヘッド7、8に作用させて、インクを吸引する手段
としての機能も兼ね備えている。
【0044】図2は前記したカラー用記録ヘッド8にお
けるアクチュエータユニットの例を示したものであっ
て、ノズルプレート14に3つの圧電振動子13が配置
され、図2には現されていないが、その下側面に形成さ
れた後述するノズル開口列からそれぞれ異なる色のイン
クを吐出できるように、各圧電振動子13とノズルプレ
ート14の間には、各ノズル開口列毎に独立したインク
供給流路20a〜20fが設けられている。
【0045】この構成により、各圧電振動子13にそれ
ぞれ印刷制御信号が加えられることでインク供給流路2
0a〜20fに供給されるイエロー、シアン、マゼンタ
の各インクがノズル開口列からそれぞれ吐出され、記録
用紙6に対してカラー印刷が行われる。なお、図示しな
いがブラック用記録ヘッド7においても、前記したカラ
ー用記録ヘッド8とほぼ同様の構成にされている。
【0046】図3(イ)および(ロ)はキャッピング装
置11の全体構成を示したものであり、(イ)はキャッ
ピング装置11を一方向から視た斜視図であり、また
(ロ)は(イ)の裏面方向から視た斜視図である。図中
符号22はスライダであり、自在に回動するアーム23
とバネ31によって基台21に連結されており、キャリ
ッジ1が非印字領域側に移動してフラッグ片25に接し
たときに、キャリッジ1の動きに追従して移動するよう
に構成されている。また、スライダ22にはバルブユニ
ット28が固定され、基台21にはバルブユニット28
を開閉するためのバルブ29が圧縮バネ30を介して固
定されている。
【0047】フラッグ片25は下端に凸片26を有して
いて、基台21に形成された傾斜ガイド面24と当接し
てこれの表面を摺動するように構成されている。また、
印刷領域側の側部にもガイド面32が設けられており、
スライダ22に水平方向に突出された突起33がこれの
表面を摺動するように構成されている。これら2つのガ
イド面24,32の働きにより、スライダ22はほぼ水
平姿勢を保ったまま、上下動が可能な構成となってい
る。
【0048】つまり、キャリッジ1が非印字領域側に移
動したとき、スライダ22がキャリッジ1の動きと連動
して斜め上方に移動することで、後述するキャップ部材
と記録ヘッドのノズルプレート面が密着するキャッピン
グ動作がなされるように構成されている。
【0049】スライダ22のキャップユニット搭載部3
6は、バネ34と突起35によってスライダ22に連結
されており、突起35を中心として若干の回動が可能で
ある。また、キャップユニット37,38は、それぞれ
圧縮バネ39を介してスライダ22に固定されている。
従って、キャッピング動作時において、キャップとノズ
ルプレートの密着性は常に良好に保たれる。
【0050】前記キャップユニット37,38のそれぞ
れには、その下底部にそれぞれインク吸引口18が形成
され、耐インク性に優れた図示せぬチューブを介して図
1に示す吸引ポンプ12に接続されている。またキャッ
プユニット37,38のそれぞれには、その下底部に後
述する大気開放口19が配置されており、これら大気開
放口19に一端が接続されたチューブ27の他端がバル
ブユニット28にそれぞれ接続されている。
【0051】以上の構成により、キャリッジ1が非印字
領域側に移動したとき、前記したようにキャリッジ1が
フラッグ片25に当接し、これによりスライダ22が斜
め上方に移動してキャップユニット37,38が記録ヘ
ッドのノズルプレート面を閉塞するキャッピング状態と
される。そして、スライダ22が非印字領域側(ホーム
ポジション)に位置することによって、前記バルブユニ
ット28がバルブ29と接触し、大気開放口19が閉ざ
される。この状態で吸引ポンプ12からキャップ内部に
負圧を供給することにより、記録ヘッドのノズル開口か
らのインクの吸引が可能となる。
【0052】図4は前記カラーヘッド用キャップユニッ
ト38を上面から見た状態で示し、また図5はカラー用
記録ヘッド8をキャップユニット38によってキャッピ
ングした状態を断面図で示したものである。なお、図5
に示すキャップユニット38は、図4におけるA−A線
に沿った断面図で示されている。
【0053】カラー用記録ヘッド8は、クリーニング操
作時およびフラッシング操作時において、キャッピング
装置の上部に位置し、そのノズルプレート14がキャッ
ピング装置によってキャッピングされる。ノズルプレー
ト14には、ノズル開口15が配列されており、各ノズ
ル開口15に対応して配置された圧電素子13の作用に
よってイエロー、マゼンタ、シアンの各インクが吐出さ
れるように構成されている。
【0054】またキャップユニット38は、上面が開放
された方形状のキャップケース40と、キャップケース
40内に収納され、耐インク性を有する可撓性物質、特
にゴムなどの弾性部材により形成されたカップ状のキャ
ップ部材16とにより構成されている。そしてキャップ
部材16はその上測縁がキャップケース40よりも若干
突出した状態に形成されている。またキャップ部材16
の内底部には耐インク性およびインク吸収性に優れた多
孔質材料からなるインク吸収材17が、ほぼ底面を覆う
ように挿入されている。
【0055】前記キャップケース40の下底部には、キ
ャップ部材16の内部を大気に開放する大気開放口19
がキャップ部材16を貫通して設けられている。そして
大気開放口19は、前記したとおりチューブ27を介し
てバルブユニット28に接続されている。
【0056】また、キャップケース40の下底部には、
大気開放口19に隣接するようにキャップ部材を貫通し
てインク吸引口18が形成されていて、このインク吸引
口18には図示せぬチューブを介して前記したとおり吸
引ポンプ12に接続されている。
【0057】次に図6は、前記した構成の記録装置に搭
載された制御回路の例を示したものである。なお図6に
おいては、すでに説明した記録ヘッド7,8、インクカ
ートリッジ9,10、およびバルブユニット28(ただ
し図6においては2つのバルブユニットを28A,28
Bとして示している)については同一符号で示してお
り、したがってその説明は省略する。
【0058】図6において、符号50は印刷制御手段で
あり、記録装置のホストコンピュータからの印刷データ
に基づいてビットマップデータを生成し、このデータに
基づいてヘッド駆動手段51により駆動信号を発生させ
て、記録ヘッド7,8からインクを吐出させるものであ
る。ヘッド駆動手段51は、印刷データに基づく駆動信
号の他に、フラッシング制御手段52からのフラッシン
グ指令信号を受けてフラッシング操作のための駆動信号
を記録ヘッド7,8に出力するようにも構成されてい
る。
【0059】符号53はクリーニング制御手段であり、
クリーニング(以下CLともいう)指令検知手段54、
または排出モード選定手段55からの制御信号により、
ポンプ駆動手段56を制御して、各吸引ポンプ12A,
12Bを制御するものである。
【0060】前記印刷制御手段50からは、印刷累積時
間検出手段57に対して印刷を実施した場合の制御出力
が供給されるようになされ、またクリーニング制御手段
53からも印刷累積時間検出手段57に対してリセット
信号が供給されるように構成されている。これにより、
印刷累積時間検出手段57は、クリーニング制御手段5
3からのリセット信号により、累積時間をゼロリセット
し、印刷制御手段50からの制御出力によって印刷累積
時間をカウントアップするよう作用する。すなわち印刷
累積時間検出手段57は、クリーニング操作を実施した
後の印刷累積時間を計時する計時手段として機能する。
【0061】前記印刷累積時間検出手段57によるカウ
ントアップ出力(計時出力)は、前記排出モード選定手
段55に供給されるように構成されている。排出モード
選定手段55は、印刷累積時間検出手段57からのカウ
ントアップ出力に基づいてROM58内に構築された後
述するインク排出処理テーブルを参照し、インク排出モ
ードを選定する機能を有している。
【0062】この排出モード選定手段55より、インク
排出制御手段の1つを構成する前記フラッシング制御手
段52、またはインク排出制御手段の他の1つを構成す
るクリーニング制御手段53に対して制御信号が送出で
きるように構成され、排出モード選定手段55によって
選定されたインク排出モードに基づいてフラッシング制
御、またはクリーニング制御を実行させるように成され
ている。
【0063】一方、前記印刷制御手段50からは、印刷
データ検出手段59に対して印刷データが供給されるよ
うに構成されている。すなわち印刷データ検出手段59
は、印刷の改ページ後に次の印刷データがバッファに残
っているか否かを検出するものであり、この印刷データ
検出手段59による制御出力は、前記排出モード選定手
段55に供給されるように構成されている。
【0064】また、記録装置のホストコンピュータから
は、電源状態検出手段60に対して電源スイッチの状態
を供給するように構成されている。すなわち電源状態検
出手段60は電源スイッチがオフされたか否かを検出
し、これに基づく制御信号を前記排出モード選定手段5
5に供給されるように構成されている。
【0065】そして、電源状態検出手段60にはタイマ
ー61が接続されており、このタイマー61は装置の電
源スイッチがオフされた後に経過時間をカウントアップ
するようになされている。これにより後述する所定の時
間(T3)の経過後、すなわち電源スイッチがオフされ
た状態における放置状態が所定時間以上継続した場合
に、電源状態検出手段60より制御信号を排出モード選
定手段55に供給するようにも構成されている。
【0066】なお、図6における符号62はケースの制
御パネル等に設けられたクリーニング指令スイッチを示
し、ユーザが記録ヘッドの目詰まりを解消するために、
これをプッシュオンすることにより、前記CL指令検知
手段54を動作させてクリーニング操作が実行されるよ
うに構成されている。
【0067】次に、以上のように構成された記録装置の
インク排出制御動作について、図7、図10、および図
11に示した各制御フローに基づいて、その作用を説明
する。まず、図7は1つの単位の印刷終了時点において
実行されるインク排出の制御シーケンスを示したもので
ある。
【0068】1つの単位の印刷終了に伴う排紙がなされ
ると、ステップS11において、印刷データ検出手段5
9は印刷制御手段50からステータスデータを取り込ん
で次のページの印刷データがあるか否かを判定する。こ
のステップS11において、次の印刷ページ(データ)
があると判定された場合(Yesの場合)には、印刷が
継続される。また次の印刷ページがないと判定された場
合(Noの場合)にはステップS12に移り、所定の時
間(T1)の経過を待つ。
【0069】この時間T1は例えば数秒程度に設定され
ている。このT1として設定される数秒以内において
は、ステップS1からステップS2の間を循環して次の
ページがあるか否かの判定を継続し、この間に次のペー
ジがあると判定された場合には前記したように、印刷動
作が継続される。
【0070】前記した所定の待ち時間T1を設けた理由
は、一般的には複数ページ印刷の場合には、改ページの
後に次のページのデータがプリンタのバッファ内に存在
するため、待ち時間なく(すなわち0秒で直ちに)、次
のページがあるか否かについて判定することができる。
しかしながら、ホストコンピュータの動作が遅い場合も
あり、このような場合を想定して数秒の待ち時間T1が
設定されている。
【0071】前記ステップS12において、所定の時間
(T1)が経過したと判定した場合には、ステップS1
3に移行し、前回のクリーニングからの印刷累積時間が
T2より多いか否かの判定がなされる。そして、前記T
2に応じてステップS14またはステップS15に示す
インク排出処理が決定される。
【0072】前記印刷累積時間T2は、図6に示す印刷
累積時間検出手段57において計時されており、この計
時データは排出モード選定手段55に供給される。そし
て、排出モード選定手段55は、ROM58に構築され
た図8に示すようなテーブルに基づいてインク排出処理
のモードを選定するようになされる。
【0073】図8に示すように前回のクリーニングから
の印刷累積時間T2が10分以下の場合においては、イ
ンク吐出量が0.01gの通常フラッシングのモード
(第1フラッシングモード)が選定される。また、前回
のクリーニングからの印刷累積時間T2が10分から3
0分の間にある場合には、インク吐出量が0.05gの
大量フラッシングモード(第2フラッシングモード)が
選定され、またT2が30分から1時間の間にある場合
には、キャッピング装置によって記録ヘッドからインク
を0.1g程度吸引する少量吸引モード(第1吸引モー
ド)が選定され、さらにT2が1時間から3時間の間に
ある場合には、キャッピング装置によって記録ヘッドか
らインクを0.15g程度吸引する通常吸引モード(第
2吸引モード)が選定され、さらにまたT2が3時間を
越える場合には、キャッピング装置によって記録ヘッド
からインクを0.2g程度吸引する大量吸引モード(第
3吸引モード)が選定されるようになされる。
【0074】なお、図7に示すフローチャートにおいて
は、前記第1フラッシングモードはステップS15で実
行され、第2フラッシングモードおよび第1乃至第3吸
引モードはステップS14で実行されるように示してい
るが、これは説明の便宜上であって、ここでは格別の意
味はない。要するにステップS14またはステップS1
5において、前記した各インク排出モードが格別に実行
されることを意味するものである。
【0075】前記第1または第2フラッシングモードが
選定された場合には、図6に示す排出モード選定手段5
5より、フラッシング制御手段52に対してフラッシン
グ制御指令が出力される。フラッシング制御手段52は
これを受けて、ヘッド駆動手段51に第1または第2フ
ラッシングモードに応じたいわゆる空吐出のための信号
を送り、その吐出量(0.01gまたは0.05g)を
制御するようになされる。
【0076】一方、前記第1乃至第3吸引モードが選定
された場合には、図6に示す排出モード選定手段55よ
り、クリーニング制御手段53に対してクリーニング制
御指令が出力される。クリーニング制御手段53はこれ
を受けて、ポンプ駆動手段56に第1乃至第3吸引モー
ドのいずれかに応じた制御信号を送り、キャッピング装
置によるノズル開口からの吸引量(0.1g,0.15
g,0.2gのいずれか)を制御するようになされる。
【0077】このようにステップS14またはステップ
S15において、フラッシング処理またはインク吸引処
理がなされると、ステップS16において記録ヘッドは
キャッピング装置によりキャッピングされる。斯くし
て、記録装置の休止期間中のノズル開口の乾燥を前記キ
ャッピング装置によって防止させると共に、次の印刷デ
ータ待ちの状態とされる。
【0078】図7に示した制御シーケンスにおいては、
次の印刷データがないことを検出して、その合間にフラ
ッシング処理またはインク吸引処理を実行し、次の印刷
の待機状態としているものであり、したがってユーザが
印刷を行おうとした場合には、直ちに印刷を開始させる
ことが可能となる。
【0079】なお、図7に示した制御シーケンスにおけ
るステップS13においては、図8に示した処理テーブ
ルを参照してインク排出処理のモードを選定するように
しているが、例えば図9に示したような対応処理を行わ
せることもできる。
【0080】すなわち図9における横軸は、前回のクリ
ーニング処理からの印刷累積時間(T2)を示してお
り、また縦軸は排出するインク量を示している。そし
て、破線はフラッシングによるインク排出モードを示
し、実線は吸引によるインク排出モードを示している。
【0081】この図9に示した関係から理解できるよう
に、インク排出モードの選定およびインク排出量は、前
回のクリーニング処理からの印刷累積時間(T2)をパ
ラメータとした論理演算により求めることが可能であ
り、しかもインク排出量は前記パラメータにほぼ比例し
た関係で設定できるため、インクの排出量を低減できる
効率的な処理を実行させることが可能となる。
【0082】次に図10は、装置の電源スイッチがオフ
された場合に実行されるインク排出の制御シーケンスを
示したものである。
【0083】装置の電源スイッチがオフされた場合に
は、図6における電源状態検出手段60によって検出す
ることができ、検出手段60より指令信号が排出モード
選定手段にもたらされる。
【0084】この電源状態検出手段60において、電源
スイッチがオフされたことを検出すると、図10におけ
るステップS21のルーチンに入る。このステップS2
1は図7に示したステップS13と同一であり、またス
テップS22乃至ステップS24についても、図7に示
したステップS14乃至ステップS16と同一である。
したがってその説明は省略する。
【0085】要するに装置の電源スイッチがオフされた
場合には、図7で説明した場合と同様なフラッシング処
理またはインク吸引処理を実行し、記録ヘッドの印字機
能を回復させた状態で装置の主電源が遮断される。した
がって、図10に示した処理を実行することで、ユーザ
が次に電源を投入(オン)した場合には、直ちに印刷動
作を開始することが可能となる。
【0086】続いて図11は、装置の電源スイッチがオ
フされ、そのオフ状態の時間が所定時間に達した場合、
すなわち放置時間が所定以上経過した場合には、自動的
にフラッシング処理またはインク吸引処理を実行して、
記録ヘッドの印字機能を回復させておくものである。
【0087】装置の電源スイッチがオフされた場合に
は、図6における電源状態検出手段60によってこれを
検出することができる。そして電源状態検出手段60に
接続されたタイマー61は、電源スイッチがオフされた
後に経過時間をカウントアップする。図11におけるス
テップS31においては、所定の時間(T3)の経過
後、すなわち電源スイッチがオフされた状態における放
置状態が所定時間(T3)以上経過した場合において、
ステップS31に移り、装置の主電源を投入するように
なされる。
【0088】そして、ステップS33乃至ステップS3
6のフローに移るが、これは図7で説明したステップS
13乃至ステップS16のフローと同一であり、したが
ってその説明は省略する。
【0089】装置の電源スイッチがオフされ、これが長
い時間放置された場合には、たとえキャッピング装置に
よって記録ヘッドのノズルプレートをキャッピングして
いても、インクの増粘により記録ヘッドは印字障害が発
生し得る。
【0090】したがって、前記のとおり、所定の時間
(T3)が経過した場合には、図7で説明した場合と同
様なフラッシング処理またはインク吸引処理を実行し、
記録ヘッドの印字機能を回復させた状態で装置の主電源
を遮断するようにされる。このように、図11に示した
処理を実行することで、ユーザが次に電源を投入(オ
ン)した場合には、直ちに印刷動作を開始することが可
能となる。
【0091】なお、図6に示したタイマー61は、フラ
ッシング処理またはインク吸引処理により印字機能の回
復処理を実行した時にリセットされ、さらに所定の時間
(T3)が経過した場合には、再度前記した処理を実行
するようになされる。
【0092】図12は、図7または図10に示した本発
明にかかる処理シーケンスを具備させた場合の装置にお
いて、電源投入時または印字開始時に行われるインク排
出条件を示したものであり、前記図13に示した従来の
装置のものと比較したものである。
【0093】図7または図10に示した本発明にかかる
処理シーケンスを実施した場合においては、図12に示
すように、前回のクリーニングからの経過時間が50時
間以下の場合には、フラッシングの動作のみで、印刷を
開始させることが可能となる。
【0094】また、前回のクリーニングからの経過時間
が50時間以上経過した場合においてのみ、インク吸引
の動作を行う必要が生ずる。したがって図13に示した
従来の装置において必要とされる処理と比較すると、本
発明を適用したことにより、電源投入時または印字開始
時に行われるクリーニング処理の発生頻度を遥かに低減
させることができる。
【0095】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
かかるインクジェット式記録装置および同装置における
記録ヘッドのインク排出制御方法によると、キャッピン
グ手段によって記録ヘッドのノズル開口よりインク滴を
吸引するクリーニング操作を実施した後の印刷累積時間
を計時する計時手段と、計時手段による計時データに基
づいて前記記録ヘッド内のインク排出モードを選定する
排出モード選定手段とが基本的に具備され、印刷の改ペ
ージ後、次の印刷データがバッファに残っていない場
合、または装置の電源スイッチがオフされた場合におい
て、排出モード選定手段により選定されたインク排出動
作を実行するようになされる。
【0096】また、同様に装置の電源スイッチがオフさ
れている場合において、電源スイッチのオフ状態が所定
時間以上継続した時に、前記排出モード選定手段により
選定されたインク排出動作を実行するようになされる。
【0097】したがって、このような制御を実施するこ
とにより、ユーザが印刷を開始しようとした場合、また
は電源を投入した場合においては、すでに記録ヘッドか
らのインクの排出処理が完了し、正常な印字可能状態と
なされているので、直ちに印刷動作に移行することがで
きる。
【0098】或いは、ユーザが印刷を開始しようとした
場合、または電源を投入した場合においてクリーニング
を実行しなければならない頻度を遥かに低減させること
ができる。
【0099】したがって、印刷を開始しようとした場
合、または電源を投入した場合においてクリーニングを
実行することにより印刷の待ち時間をユーザに強いると
いう不都合、或いはその不都合の発生頻度を遥かに低減
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェット式記録装置の
斜視図である。
【図2】図1に示す記録装置に搭載された記録ヘッドに
おけるアクチュエータユニットの一例を示す斜視図であ
る。
【図3】図1に示す記録装置に搭載されたキャッピング
装置の一例を示す斜視図である。
【図4】本発明の記録装置に搭載されるキャップユニッ
トの上面図である。
【図5】図4に示すキャップユニットをA−A線で切断
し、且つ記録ヘッドにキャッピングした状態を示す断面
図である。
【図6】本発明の記録装置に装備される制御回路の例を
示したブロック図である。
【図7】本発明の記録装置において成されるインク排出
処理の第1の制御シーケンス例を示すフローチャートで
ある。
【図8】図6に示されたROM内に構築された処理テー
ブルの例を示した模式図である。
【図9】図8に示す処理テーブルに代えた演算処理の機
能を示す模式図である。
【図10】本発明の記録装置において成されるインク排
出処理の第2の制御シーケンス例を示すフローチャート
である。
【図11】本発明の記録装置において成されるインク排
出処理の第3の制御シーケンス例を示すフローチャート
である。
【図12】本発明を適用した時の電源投入時または印字
開始時に行われるインク排出条件を示した模式図であ
る。
【図13】従来の装置において実施されている電源投入
時または印字開始時に行われるインク排出条件を示した
模式図である。
【符号の説明】
1 キャリッジ 2 タイミングベルト 3 キャリッジモータ 6 記録用紙 7 ブラック用記録ヘッド 8 カラー用記録ヘッド 9 ブラック用インクカートリッジ 10 カラー用インクカートリッジ 11 キャッピング装置 12 吸引ポンプ 13 圧電振動子 14 ノズルプレート 15 ノズル開口 16 キャップ部材 37 ブラックヘッド用キャップユニット 38 カラーヘッド用キャップユニット 50 印刷制御手段 51 ヘッド駆動手段 52 フラッシング制御手段 53 クリーニング制御手段 55 排出モード選定手段 56 ポンプ駆動手段 57 印刷累積時間検出手段 58 ROM 59 印刷データ検出手段 60 電源状態検出手段 61 タイマ

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズル開口からインク滴を吐出するイン
    クジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドのノズル開
    口を封止しノズル開口よりインク滴を吸引するキャッピ
    ング手段を搭載したインクジェット式記録装置であっ
    て、 前記キャッピング手段によって記録ヘッドのノズル開口
    よりインク滴を吸引するクリーニング操作を実施した後
    の印刷累積時間を計時する計時手段と、 前記計時手段による計時データに基づいて前記記録ヘッ
    ド内のインク排出モードを選定する排出モード選定手段
    と、 印刷の改ページ後、次の印刷データがバッファに残って
    いない場合において、前記排出モード選定手段により選
    定されたインク排出動作を実行するインク排出制御手段
    とを具備したことを特徴とするインクジェット式記録装
    置。
  2. 【請求項2】 ノズル開口からインク滴を吐出するイン
    クジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドのノズル開
    口を封止しノズル開口よりインク滴を吸引するキャッピ
    ング手段を搭載したインクジェット式記録装置であっ
    て、 前記キャッピング手段によって記録ヘッドのノズル開口
    よりインク滴を吸引するクリーニング操作を実施した後
    の印刷累積時間を計時する計時手段と、 前記計時手段による計時データに基づいて前記記録ヘッ
    ド内のインク排出モードを選定する排出モード選定手段
    と、 前記記録装置の電源スイッチがオフされた場合におい
    て、前記排出モード選定手段により選定されたインク排
    出動作を実行するインク排出制御手段とを具備したこと
    を特徴とするインクジェット式記録装置。
  3. 【請求項3】 ノズル開口からインク滴を吐出するイン
    クジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドのノズル開
    口を封止しノズル開口よりインク滴を吸引するキャッピ
    ング手段を搭載したインクジェット式記録装置であっ
    て、 前記キャッピング手段によって記録ヘッドのノズル開口
    よりインク滴を吸引するクリーニング操作を実施した後
    の印刷累積時間を計時する計時手段と、 前記計時手段による計時データに基づいて前記記録ヘッ
    ド内のインク排出モードを選定する排出モード選定手段
    と、 前記記録装置の電源スイッチがオフされている場合にお
    いて、電源スイッチのオフ状態が所定時間以上継続した
    時に前記排出モード選定手段により選定されたインク排
    出動作を実行するインク排出制御手段とを具備したこと
    を特徴とするインクジェット式記録装置。
  4. 【請求項4】 前記排出モード選定手段によって、前記
    キャッピング手段に対してインクを吐出させるフラッシ
    ングモードと、キャッピング手段によって記録ヘッドの
    ノズル開口を封止してインク滴を吸引するインク吸引モ
    ードとを選定するように構成されていることを特徴とす
    る請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のインクジェ
    ット式記録装置。
  5. 【請求項5】 前記排出モード選定手段は、さらに比較
    的少量のインクを吐出させる通常フラッシングモード
    と、比較的大量のインクを吐出させる大量フラッシング
    モードとが選定できるように構成されていることを特徴
    とする請求項4に記載のインクジェット式記録装置。
  6. 【請求項6】 前記排出モード選定手段は、さらに比較
    的少量のインクを吸引する少量吸引モードと、比較的大
    量のインクを吸引する大量吸引モードと、前記少量吸引
    モードによるインク吸引量と大量吸引モードによるイン
    ク吸引量との中間のインク吸引量を実行する通常吸引モ
    ードとが選定できるように構成されていることを特徴と
    する請求項4に記載のインクジェット式記録装置。
  7. 【請求項7】 ノズル開口からインク滴を吐出するイン
    クジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドのノズル開
    口を封止しノズル開口よりインク滴を吸引するキャッピ
    ング手段を搭載したインクジェット式記録装置における
    記録ヘッドのインク排出制御方法であって、 前記キャッピング手段によって記録ヘッドのノズル開口
    よりインク滴を吸引するクリーニング操作を実施した後
    の印刷累積時間を計時し、計時データに基づいて前記記
    録ヘッド内のインク排出モードを選定する排出モード選
    定ステップと、 印刷の改ページ後に次の印刷データがバッファに残って
    いるか否かを判定する継続印刷判定ステップと、 前記継続印刷判定ステップにおいて、継続印刷がなしと
    判定した場合に、前記排出モード選定ステップにより選
    定されたインク排出動作を行うインク排出ステップとを
    実行するようにしたことを特徴とするインクジェット式
    記録装置における記録ヘッドからのインク排出制御方
    法。
  8. 【請求項8】 ノズル開口からインク滴を吐出するイン
    クジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドのノズル開
    口を封止しノズル開口よりインク滴を吸引するキャッピ
    ング手段を搭載したインクジェット式記録装置における
    記録ヘッドのインク排出制御方法であって、 前記キャッピング手段によって記録ヘッドのノズル開口
    よりインク滴を吸引するクリーニング操作を実施した後
    の印刷累積時間を計時し、計時データに基づいて前記記
    録ヘッド内のインク排出モードを選定する排出モード選
    定ステップと、 前記記録装置の電源スイッチがオフされたか否かを判定
    するスイッチオフ判定ステップと、 前記スイッチオフ判定ステップにおいて、記録装置の電
    源スイッチがオフされたと判定した場合に、前記排出モ
    ード選定ステップにより選定されたインク排出動作を行
    うインク排出ステップとを実行するようにしたことを特
    徴とするインクジェット式記録装置における記録ヘッド
    のインク排出制御方法。
  9. 【請求項9】 ノズル開口からインク滴を吐出するイン
    クジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドのノズル開
    口を封止しノズル開口よりインク滴を吸引するキャッピ
    ング手段を搭載したインクジェット式記録装置における
    記録ヘッドのインク排出制御方法であって、 前記キャッピング手段によって記録ヘッドのノズル開口
    よりインク滴を吸引するクリーニング操作を実施した後
    の印刷累積時間を計時し、計時データに基づいて前記記
    録ヘッド内のインク排出モードを選定する排出モード選
    定ステップと、 前記記録装置の電源スイッチがオフされている場合にお
    いて、電源スイッチのオフ状態が所定時間以上継続した
    か否かを判定する電源オフ状態判定ステップと、 前記電源オフ状態判定ステップにおいて、電源スイッチ
    のオフ状態が所定時間以上継続したと判断した場合に、
    前記排出モード選定ステップにより選定されたインク排
    出動作を行うインク排出ステップとを実行するようにし
    たことを特徴とするインクジェット式記録装置における
    記録ヘッドのインク排出制御方法。
  10. 【請求項10】 前記インク排出ステップの後に、直ち
    に前記キャッピング手段によって記録ヘッドのノズル開
    口を封止するキャッピングステップに移行することを特
    徴とする請求項7乃至請求項9のいずれかに記載のイン
    クジェット式記録装置における記録ヘッドのインク排出
    制御方法。
  11. 【請求項11】 前記排出モード選定ステップにおいて
    は、前回のクリーニング操作を実施した後の経過時間に
    対応した処理テーブルを参照または演算して、キャッピ
    ング手段に対してインクを吐出させるフラッシングモー
    ド、またはキャッピング手段によって記録ヘッドのノズ
    ル開口を封止してインク滴を吸引するインク吸引モード
    のいずれかのインク排出動作を選定することを特徴とす
    る請求項7乃至請求項10のいずれかに記載のインクジ
    ェット式記録装置における記録ヘッドのインク排出制御
    方法。
  12. 【請求項12】 前記排出モード選定ステップにおいて
    は、処理テーブルを参照または演算して、比較的少量の
    インクを吐出させる通常フラッシングモードと、比較的
    大量のインクを吐出させる大量フラッシングモードと
    を、前回のクリーニング操作を実施した後の経過時間に
    対応して選定することを特徴とする請求項11に記載の
    インクジェット式記録装置における記録ヘッドのインク
    排出制御方法。
  13. 【請求項13】 前記排出モード選定ステップにおいて
    は、処理テーブルを参照または演算して、比較的少量の
    インクを吸引する少量吸引モードと、比較的大量のイン
    クを吸引する大量吸引モードと、前記少量吸引モードに
    よるインク吸引量と大量吸引モードによるインク吸引量
    との中間のインク吸引量を実行する通常吸引モードと
    を、前回のクリーニング操作を実施した後の経過時間に
    対応して選定することを特徴とする請求項11に記載の
    インクジェット式記録装置における記録ヘッドのインク
    排出制御方法。
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