JPH11321094A - 相変化光記録媒体 - Google Patents

相変化光記録媒体

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JPH11321094A
JPH11321094A JP10130029A JP13002998A JPH11321094A JP H11321094 A JPH11321094 A JP H11321094A JP 10130029 A JP10130029 A JP 10130029A JP 13002998 A JP13002998 A JP 13002998A JP H11321094 A JPH11321094 A JP H11321094A
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JP
Japan
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recording
composition
recording layer
phase
medium
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JP10130029A
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English (en)
Inventor
Mikio Kinoshita
幹夫 木下
Masato Harigai
眞人 針谷
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CAV方式等のように媒体の部位により異な
る記録線速で記録を行うランダムアクセス性に優れたタ
イプの相変化光記録媒体に関して、その高記録密度での
繰返し記録特性を向上させる記録層の組成等を明らかに
する。 【解決手段】 記録線速が媒体半径方向の位置により異
なる相変化光記録媒体1に関し、記録層4は、Sb及び
Teを必須元素としてIb族元素、Vb族元素及びVIb
族元素を有する相変化記録材料による。また、記録層4
が少なくとも1つの準安定結晶相を含み空間群Fm3m
に属する単数又は複数の結晶相を有する結晶化状態とア
モルファス化状態との間の相転移における光学的性質の
変化を示す。さらに、記録層4の原子比率での組成を
(Ib)a(Vb)x(VIb)1-a-x で表す組成式においてVb
族元素の組成を表すxが0.72≦x+2a≦0.80
の範囲内に設定され、かつ、記録線速の変化に対応して
記録層4の組成に媒体半径方向で差異を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ビームを照射す
ることにより記録層材料に光学的な変化を生じさせるこ
とにより、情報の記録・再生を行う書換え可能な相変化
光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザビーム照射による情報の記録、再
生及び消去可能な光記録媒体の一つとして、結晶‐非結
晶相間、或いは、結晶‐結晶相間の転移を利用する、い
わゆる相変化光記録媒体がよく知られている。これは、
単一ビームによるオーバライトが可能であり、ドライブ
側の光学系もより単純で済むため、コンピュータ関連や
映像・音響に関する記録媒体として応用されている。
【0003】その記録材料の一つとして、(SbxTe
1-x)My なる組成式で表されるものが、例えば特開平1
−277338号公報に開示されている。ここで、
“M”はAg,Al,As,Au,Bi,Cu,Ga,
Ge,In,Pb,Pt,Se,Si,Sn及びZn中
から選択された少なくとも1種の元素であり、組成範囲
は0.4≦x<0.7、かつ、y≦0.2に設定されて
いる。しかし、このような構造の記録層の場合、好まし
い記録特性が得られるのは0.4≦x<0.7であり、
x≧0.7の範囲では繰返し記録における消去特性に問
題を生じていた。
【0004】また、類似の材料系で、(SbxTe1-x)a
1-aなる組成式(MはAu,Ag又はCuの内の少な
くとも1つの元素)で表される相変化記録材料が、例え
ば特開平9−71049号公報に開示されている。この
組成範囲は0<x<0.9、かつ、0<a<1であり、
その構造はSb2Te3+Sbである。このSb2Te3
Sb擬2元素の共晶組成近傍では、SbとSb2Te3
では結晶化速度に差異があり、アモルファス化部と結晶
化部との境界が、SbとSb2Te3との粒界の影響で乱
れを生じすい。このため、CD‐RW(Compact Disk
‐Rewritable)等の比較的記録密度の低い媒体への適
用は可能であるが、記録密度がCD‐RWの約4倍であ
るDVD(Digital Versatile Disk)‐RAM或い
はDVD‐ROMと同等以上の高記録密度媒体では、良
好なる記録特性を得ることが困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】即ち、Sb‐Te‐M
系では、Sb2Te3,Sb2Te3+Sbなる構造をベー
スとして、Ag,Al,As,Au,Bi,Cu,G
a,Ge,In,Pb,Pt,Se,Si,Sn及びZ
nの何れかの元素を添加元素として、非晶質状態の安定
性や高速消去性、或いは、繰返し記録特性が改善された
記録材料が使用されているのみである。このように、S
b‐Te‐M系の記録材料で、空間群Fm3mに属する
単数又は複数の準安定結晶相を有する記録媒体に関する
知見は従来全く見当らない。さらに、この準安定結晶相
が存在可能であり、繰返し記録時の熱衝撃に対して耐久
性を有する組成領域を明確にした従来技術も見当らな
い。
【0006】このため、準安定結晶相を有する記録層の
組成と繰返し記録特性との関係、或いは、組成と結晶構
造との関係、さらには、結晶構造と繰返し記録特性との
関係が明らかではなく、高記録密度、例えばDVD‐R
AMやDVD‐ROMと同等の記録密度を有し、良好な
る記録特性を有する相変化光記録媒体は無い状況にあ
る。また、繰返し記録特性が良好な組成範囲と記録線速
との関係も明確ではない状況にある。
【0007】加えて、繰返し記録の良好性が維持された
状態で、結晶化速度を制御するための組成に関する知見
も従来は全くなく、CAV(Constant Anguler Velo
city)記録や、MCAV(Modify CAV)記録などの
ように、記録線速が場所により変化する相変化光記録媒
体において、高記録密度で全面に渡って繰返し記録特性
が良好なものは無い状況にある。
【0008】そこで、本発明は、CAV方式或いはMC
AV方式により媒体の部位によって異なる記録線速で記
録・再生を行うランダムアクセス性に優れたタイプの相
変化光記録媒体に関して、幅広い記録線速領域における
記録密度、繰返し記録特性に優れた記録層の組成等を明
確にした相変化光記録媒体を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
記録線速が媒体半径方向の位置により異なる相変化光記
録媒体において、Sb及びTeを必須元素としてIb族
元素、Vb族元素及びVIb族元素を有する相変化記録材
料を記録層とし、前記記録層が少なくとも1つの準安定
結晶相を含み空間群Fm3mに属する単数又は複数の結
晶相を有する結晶化状態とアモルファス化状態との間の
相転移における光学的性質の変化を示し、前記記録層の
原子比率での組成を(Ib)a(Vb)x(VIb)1-a-x で表す
組成式においてVb族元素の組成を表すxが0.72≦
x+2a≦0.80の範囲内に設定されて、前記記録線
速の変化に対応して前記記録層の組成に媒体半径方向で
差異を有する。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載の相
変化光記録媒体において、結晶化状態の前記記録層中の
結晶相が準安定固溶体単相である。
【0011】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の相変化光記録媒体において、前記記録層が少なくと
もAgとAuとの一方の元素を有し、その元素濃度が内
周部側に対して外周部側の方が小さく設定されている。
【0012】請求項4記載の発明は、請求項3記載の相
変化光記録媒体において、前記記録層の原子比率での組
成が(Ag,Au)a(Vb)x(VIb)1-a-x なる組成式で表
され、記録線速1〜2m/sに対応する媒体半径方向の
部位に属する前記記録層の組成として0.05≦a≦
0.08の範囲内に設定されている。
【0013】請求項5記載の発明は、請求項3記載の相
変化光記録媒体において、前記記録層の原子比率での組
成が(Ag,Au)a(Vb)x(VIb)1-a-x なる組成式で表
され、記録線速2〜3m/sに対応する媒体半径方向の
部位に属する前記記録層の組成として0.03≦a≦
0.07の範囲内に設定されている。
【0014】請求項6記載の発明は、請求項3記載の相
変化光記録媒体において、前記記録層の原子比率での組
成が(Ag,Au)a(Vb)x(VIb)1-a-x なる組成式で表
され、記録線速3〜4m/sに対応する媒体半径方向の
部位に属する前記記録層の組成として0.02≦a≦
0.06の範囲内に設定されている。
【0015】請求項7記載の発明は、請求項3記載の相
変化光記録媒体において、前記記録層の原子比率での組
成が(Ag,Au)a(Vb)x(VIb)1-a-x なる組成式で表
され、記録線速4〜6m/sに対応する媒体半径方向の
部位に属する前記記録層の組成として0.01≦a≦
0.05の範囲内に設定されている。
【0016】請求項8記載の発明は、請求項3記載の相
変化光記録媒体において、前記記録層の原子比率での組
成が(Ag,Au)a(Vb)x(VIb)1-a-x なる組成式で表
され、記録線速6〜8m/sに対応する媒体半径方向の
部位に属する前記記録層の組成として0.005≦a≦
0.04の範囲内に設定されている。
【0017】まず、請求項1記載の発明の相変化光記録
媒体における記録層は、その相変化記録材料として、S
b及びTeを必須元素として、Ib族元素、Vb族元素
及びVIb族元素を有する。特に、Ib族元素としてはA
g,Cu及び/又はAu、Vb族元素としてはSb,A
s及び/又はBi、VIb族元素としてはTe,S及び/
又はSe系の記録材料であって、記録層が少なくとも準
安定結晶相を含む単数又は複数の結晶相と準安定アモル
ファス相との間の相転移において光学的性質が変化する
特性を有するものである。その組成は、Sb及びTeを
必須元素として、記録層の原子比率での組成を(Ib)
a(Vb)x(VIb)1-a-x で表す組成式においてVb族元素
の組成を表すxが0.72≦x+2a≦0.80の範囲
内に設定されている。同時に、このような記録層中の結
晶相は空間群Fm3mに属している。このような準安定
結晶相は、Sb又はTeを必須元素として、Ib‐Vb
‐VIb固溶体、Vb‐VIb固溶体、(Vb)3(VIb)結晶
相の中の少なくとも1つである。このような準安定結晶
相の具体的な材料としては、例えば、Ag‐Sb‐Te
系においては、Ag‐Sb‐Te固溶体、Sb‐Te固
溶体、Sb3Te の中の少なくとも1つである。これら
の準安定結晶相は、空間群Fm3mに属しており、格子
定数が0.615±0.02nmの結晶相、或いは、こ
の空間群Fm3mの結晶中の元素が規則化した長周期の
結晶相の何れかである。これらの準安定結晶相が存在す
る領域は、上記組成式によれば、4a<1なる条件が成
立する領域である。
【0018】ここに、記録層の結晶化部が単相の準安定
結晶相で構成されたものは、請求項2記載の発明のもの
であって、Ib‐Vb‐VIb固溶体である。これは、例
えば、Ag‐Se‐Te,Au‐Sb‐Te,Au‐A
g‐Sb‐Bi‐Te‐Se,(Au,Ag,Cu)‐
(Sb,Bi,As)‐(Te,Se,S)である。
【0019】これ以外に、上記の準安定結晶相の任意の
組合せで、準安定相のみからなる複数の結晶相からなる
混相状態でもよい。また、これらの準安定相と格子整合
関係にあるその他の安定結晶相、例えば、AgSbTe
2 等の結晶相が含まれる混相状態でもよい。
【0020】何れの場合も、格子定数0.615nm近
傍の面心立方格子を基本とする結晶構造である。良好な
マーク形状を得る上では、請求項2記載の発明のよう
に、記録層の結晶化部が、単相の準安定Ib‐Vb‐VI
b固溶体のみからなることが好ましい。初期結晶化時の
過大な熱衝撃が避けられず、やむを得ず分相の結晶相を
生成する場合でも、上述したように互いに格子整合関係
にある空間群Fm3mに属する結晶相を主として生成
し、空間群Fm3mの結晶相と互いに格子整合関係にな
いその他の析出物、例えば、Sb,Sb2Te3、或い
は、結晶化部内のアモルファス相等は可能な限り出現せ
ず、準安定相を含む空間群Fm3mに属する結晶相生成
に適した初期結晶化過程が採用される。なお、本発明に
は、膜厚方向や面内方向に組成の勾配があってもよく、
上記の相の積層膜も含まれる。
【0021】もっとも、請求項1記載の発明では、その
特徴の1つとして、記録層の相変化記録材料に関して、
所定の記録線速に応じた結晶化速度を得るため、記録層
の組成に面内分布を生じさせている。例えば、この記録
層の結晶化速度は、Ib族元素及び/又はVIb族元素が
増えるほど遅くなり、Vb族元素が増えるほど速くなる
傾向にある。
【0022】特に、Ag及び/又はAuを含む(Ag,
Au)‐(Vb)‐(VIb)記録材料系では、Ag及び/又
はAuの濃度依存性が顕著であり、記録線速の高い領域
のAg及び/又はAuの濃度を低くする。即ち、請求項
3記載の発明のように、記録層の外周部側のAg及び/
又はAu濃度を内周部側のAg及び/又はAu濃度に比
較して小さくすれば、内周部分の記録線速が遅いCAV
記録などに対応することができる。この場合、組成は、
全面にわたる良好な繰返し記録特性を維持するため、
0.72≦x+2a≦0.80が成立する範囲に設定さ
れる。
【0023】即ち、請求項1記載の発明に関連して、S
b及びTeを必須元素とするIb族元素‐Vb族元素‐
VIb族元素からなる記録材料の結晶相に出現可能な相と
しては、単体や2元、3元系の化合物や合金相・固溶体
があるが、中でも、Ib‐Vb‐VIb,Vb‐VIb,V
b、例えば、AgSbTe2 ,準安定Sb3Te ,準安
定Sb‐Te固溶体,Sb2Te3,Sbが出現しやす
い。この中で、AgSbTe2 ,準安定Sb3Te ,準
安定Sb‐Te固溶体等のように、一般式IbVbVIb
2 ,準安定Vb3VIb,準安定Vb‐VIb固溶体,準安
定Ib‐Vb‐VIb固溶体で表される結晶の構造は空間
群Fm3mに属し、格子定数も0.615nmの近傍に
あるため、これらの結晶は互いに格子整合関係にある。
まず、記録層の結晶化部が単相の準安定Ib‐Vb‐VI
b固溶体のみからなる場合、粒界が存在しないか、仮に
結晶粒界が存在したとしても、この結晶粒界は比較的良
好な格子接合となっており、結晶粒界に大きな空隙は存
在せず、熱伝導率にむらを生じない。この場合には、光
ビームの強度分布と時間的プロファイルを忠実に反映し
た滑らかなアモルファス化部‐結晶化部の境界が得ら
れ、高記録密度領域で良好なジッタ値が得られる。この
準安定結晶相の記録時の熱衝撃に対する安定性が高い組
成領域は、(Ib)a(Vb)x(VIb)1-a-x なる組成式で示
される記録層に関するxの値が0.72≦x+2a≦
0.80の範囲内にあり、かつ、4a<1を満たす場合
であって、これは、準安定Ib‐Vb‐VIb固溶体が仮
に第1の相転移を起こし、混相状態となった場合でも、
上述した互いに格子整合関係にある準安定相を含む複数
の結晶相となるため、なお比較的良好な記録特性を維持
し得る組成領域でもある。
【0024】なお、複数の結晶相間、例えば、Ib‐V
b‐VIb安定結晶相とVb‐VIb準安定結晶相では、結
晶化速度に差異があるため、主要部は準安定相が占める
ことが好ましく、上記組成式では、a≦0.09の範囲
が好ましい。特に、Ag‐Sb‐Te系の記録材料で、
4a=1として、準安定相が存在し難い組成領域では、
結晶化速度が遅く、通常の記録線速領域では良好なる特
性は得られない。
【0025】そして、従来技術のように、記録層の結晶
化部が格子整合関係にない複数の結晶相からなる場合、
結晶粒界での面の整合性がよくない場合には、粒界に空
孔や偏析が生じ、この粒界部分で熱伝導率にむらが生じ
る。さらに、結晶化速度は一般的に粒毎に異なるため、
結晶‐アモルファス部分の境界もこの結晶粒界を反映し
たものとなりやすく、アモルファス化部‐結晶化部の境
界に乱れが生じ、高記録密度領域では良好な特性が得ら
れない。また、結晶粒径を数nmオーダの微結晶にした
場合には、結晶粒界の滑らかさは得られるが、なお、高
記録密度の実現には問題がある。そして、互いに格子整
合関係にない粒界面では、界面部分の歪みや界面エネル
ギーが増加し、結晶化速度の低下や粒界からの腐食な
ど、好ましくない現象を生ずるため、結晶粒の微細化は
高記録密度には適さない。この点、本発明においては、
記録層の結晶化部が複数の結晶相からなる場合であって
も、生成する結晶相は同一の空間群Fm3mに属し、格
子定数も近接するため、粒界は単相の場合と同様に良好
なる接合となっている。このため、結晶化速度に差異は
あるものの、熱伝導の不均一性は比較的小さく、単相の
場合に準じた記録特性を有することとなる。
【0026】本発明による相変化光記録媒体の初期結晶
化では、準安定相の析出に適した初期化方法、例えば、
レーザビームによる初期化方法等が採用される。特に好
ましい構造は、(Ib)a(Vb)x(VIb)1-a-x 準安定固溶
体単相(請求項2)である。
【0027】Ib‐Vb‐VIb系記録層の結晶化速度に
は、組成依存性がある。記録層中のIb族元素やVIb族
元素の濃度が増えるほど低記録線速側に好適な記録層と
なり、Vb族元素の濃度が増えるほど高記録線速側に好
適な記録層となる。この結晶化速度と組成との間には一
定の対応関係がある。特に、Ag,Au或いはAg+A
uの濃度は結晶化速度に大きな影響を与える。即ち、A
g+Au濃度が増えるほど、結晶化速度は遅くなる。
【0028】請求項4ないし8記載の発明では、特に、
CD‐RWなどに使用されるストラテジ(レーザダイオ
ードの発光パターン)を使用した場合の記録線速と記録
層の組成との適正な組合せが開示されている。即ち、記
録層中にAg及び/又はAuを含み、記録層の原子比率
での組成が(Ag,Au)a(Vb)x(VIb)1-a-x なる組成
式で表され、xが0.72≦x+2a≦0.80の範囲
内にあることを前提とした場合、記録線速1〜2m/s
に対応する媒体半径方向の部位に属する記録層の組成と
しては0.05≦a≦0.08の範囲内に設定され(請
求項4)、記録線速2〜3m/sに対応する媒体半径方
向の部位に属する記録層の組成としては0.03≦a≦
0.07の範囲内に設定され(請求項5)、記録線速3
〜4m/sに対応する媒体半径方向の部位に属する記録
層の組成としては0.02≦a≦0.06の範囲内に設
定され(請求項6)、記録線速4〜6m/sに対応する
媒体半径方向の部位に属する記録層の組成としては0.
01≦a≦0.05の範囲内に設定され(請求項7)、
記録線速6〜8m/sに対応する媒体半径方向の部位に
属する記録層の組成としては0.005≦a≦0.04
の範囲内に設定されている(請求項8)。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態を図面を参
照して説明する。本発明の相変化光記録媒体は、その層
構成が特に限定されるものでなく、公知の任意構造のも
のに適用し得るが、一例として図1に示す構造例で説明
する。図1は相変化光記録媒体1の層構成の一例を示す
概念図である。この相変化光記録媒体1では、案内溝を
有するポリカーボネイト基板2上に、ZnS・SiO2
からなる第1保護層3、AgSbTe記録層4、ZnS
・SiO2 からなる第2保護層5、Al・Ti反射放熱
層6、UV硬化樹脂による環境保護層7が順次積層され
ている。このような相変化光記録媒体1は、例えば、そ
の記録線速が媒体半径方向の位置により異なるMCAV
方式により行われる仕様とされている。
【0030】このような相変化光記録媒体1に関し、本
実施の形態では、その記録層4の組成等を明らかにする
ものである。即ち、この記録層4はSb及びTeを必須
元素としてIb族元素、Vb族元素及びVIb族元素を有
する相変化記録材料により形成されることを基本とす
る。そして、少なくとも1つの準安定結晶相を含む単数
又は複数の結晶相を有する結晶化状態とアモルファス化
状態との間の相転移における光学的性質の変化を利用す
るものとされている。ここに、記録層4の原子比率での
組成を(Ib)a(Vb)x(VIb)1-a-x で表す組成式におい
てVb族元素の組成を表すxが0.72≦x+2a≦
0.80の範囲内に設定されており、単数又は複数の結
晶相が空間群Fm3mに属する結晶相とされている。加
えて、相変化光記録媒体1の記録線速の変化に対応して
記録層4の組成に媒体半径方向で差異をもたらされてい
る。
【0031】本実施の形態では、このような組成等を採
る根拠を具体的測定例に基づき明らかにするものであ
る。即ち、記録層4の組成と記録線速と繰返し記録回数
(記録可能回数)との関係を図1に示す層構造の相変化
光記録媒体1について具体的に測定したものであり、記
録層1〜記録層15なる15種類の記録層サンプルにつ
いてその結果を表1及び表2に示す。ここに、記録スト
ラテジ(記録時のレーザダイオードの発光パターン)
は、CD‐RWで採用されているものを使用した。ま
た、記録可能回数は、ウインドウ幅Twで規格化したジ
ッタの値σ/Twが13%を上回らない最大繰返し記録
回数で判定したものである。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】表1及び表2で、記録可能回数が1000
回以上であることが確認された記録線速は、Ag濃度a
=0.08に対しては1〜2m/s(記録層1)、Ag
濃度a=0.07に対しては1〜3m/s(記録層
2)、Ag濃度a=0.06に対しては1〜4m/s
(記録層3)、Ag濃度a=0.05に対しては1〜6
m/s(記録層4)、Ag濃度a=0.04及びa=
0.03に対しては2〜8m/s(記録層5,6,10
〜14)、Ag濃度a=0.02に対しては3〜8m/
s(記録層7)、Ag濃度a=0.01に対しては4〜
8m/s(記録層8)、Ag濃度a=0.005に対し
ては6〜8m/s(記録層9)となる。即ち、記録線速
1〜2m/s,2〜3m/s,3〜4m/s,4〜6m
/s,6〜8m/sの各々に対応するAg濃度aは、各
々、0.05≦a≦0.08,0.03≦a≦0.0
7,0.02≦a≦0.06,0.01≦a≦0.0
5,0.005≦a≦0.04の範囲である。Agの一
部又は全部をAuに置換しても同様な結果が得られる。
【0035】なお、表1及び表2の記録層の初期結晶化
は、サンプル記録層15を除き、レーザビーム照射によ
り行った。サンプル記録層1の初期結晶化はランプアニ
ールにより行った。サンプル記録層5,10〜14の測
定結果によれば、前述した(Ib)a(Vb)x(VIb)1-a-x
で表す組成式(ここでは、AgaSbxTe1-a-x )にお
いて、xが0.72≦x+2a≦0.80の範囲内では
繰返し記録回数が良好であることが分かる。繰返し記録
特性の全面にわたる均一性を確保する上では、パラメー
タx+2aの値が一定であることが好ましく、特に、こ
の値が±0.02であることが好ましいといえる。
【0036】ちなみに、本発明と同一の組成を有する記
録総鵜構成であっても、サンプル記録層15では、準安
定相が分解した場合の析出物であるSbやSb2Te3
の析出が起こり、高記録密度には不適となる。準安定相
は長時間の高温アニールにより安定相へ相分離する。
【0037】
【実施例】図1に示した層構成の相変化光記録媒体1を
用い、その記録層4の組成に半径方向の分布を持たせた
場合の繰返し記録回数と記録層4の組成及び初期化後の
結晶構造との関係を実施例1〜3とし、組成に半径方向
に濃度分布を有しない比較例1と対比して表3に示す。
【0038】
【表3】
【0039】実施例1では、Ib元素であるAg濃度に
半径位置rに依存する組成勾配を設け、これに応じて繰
返し記録回数が最適となるように、Vb族元素であるS
b及びVI族元素であるTe濃度に勾配を持たせている。
これにより、900rpmでのMCAV記録において、
全面にわたる高繰返し記録が可能となったものである。
【0040】実施例2では、1200rpmでのMCA
V記録に対応するもので、Ag及びAu濃度に勾配があ
る。さらに、Vb族元素としてBiが、VI族元素として
Seが添加されている。実施例2の場合も全面にわたる
繰返し記録特性が良好であることがわかる。
【0041】実施例3では、600rpmのMCAV記
録に対応するものであるが、Ib族元素はAuのみであ
る。
【0042】ちなみに、組成に濃度分布を持たない比較
例1の繰返し記録特性によれば、最適記録線速が確保さ
れる半径位置では繰返し記録特性は良好であるものの、
これより内周側では記録(アモルファス化)が困難とな
り、外周側では消去(結晶化)が困難となり、全面にわ
たる均一な繰返し記録特性は得られないことが分かる。
【0043】比較例2として、Ag‐Sb‐Te系の結
晶化速度に影響を与えるSb濃度に勾配を持たせた場
合、即ち、(Ag‐Sb‐Te)1-γ(Sb)γと表される
組成式で、γの値を変化させ、結晶化速度を最適化した
場合の繰返し記録特性を表4に示す。
【0044】
【表4】
【0045】組成条件0.72≦x+2a≦0.80の
範囲から逸脱するにつれ、急激に繰返し記録回数が悪化
しているのが分かる。即ち、組成条件0.72≦x+2
a≦0.80は準安定相の安定条件を示す本発明に固有
のパラメータといえる。特に、不純物の影響がない場合
の繰返し記録回数が良好な条件は、x+2a=0.75
である。また、この条件は、その他の特性、例えばオー
バライトシェルフ等の保存特性が良好な条件とも一致す
る。
【0046】一方、記録層に不純物、例えば、C,B,
N,Pb,Sn,Zn,遷移金属元素等を添加する場
合、不純物の結合状態や保護層界面部分での偏析の状態
により上記の最適条件x+2a=0.75は若干シフト
する。例えば、記録層に窒素を添加する場合はx+2a
>0.75となる。しかし、不純物が概ね5at.% 以下
の微量である場合には本発明に該当する。不純物が無添
加の場合や不純物の添加量の面内分布がない場合には、
全面にわたる良好な繰返し記録特性を維持する上で、パ
ラメータx+2aの値を一定とすることが特に好まし
く、このパラメータx+2aの値を全面にわたり±0.
02以内とすることが好ましい。
【0047】
【発明の効果】請求項1記載の発明の相変化光記録媒体
によれば、CAV方式或いはMCAV方式のように媒体
の部位によって異なる記録線速で記録・再生を行うラン
ダムアクセス性に優れたタイプの相変化光記録媒体に関
して、その高記録密度での繰返し記録特性を向上させる
ことができる。
【0048】請求項2記載の発明によれば、結晶化状態
の記録層中の結晶相が準安定固溶体単相であるので、準
安定相の析出に適したものとなる。
【0049】請求項3記載の発明によれば、Ag及び/
又はAuを含む組成で、その元素濃度を内周部側よりも
外周部側の方を小さく設定しているので、記録線速の遅
速と結晶化速度の遅速とを対応させることができ、高記
録密度での繰返し記録特性を向上させることができる。
【0050】請求項4ないし8記載の発明によれば、例
えば、CD‐RWなどに使用されるストラテジを使用し
た場合の記録線速と記録層の組成との適正な組合せを提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の相変化光記録媒体の層
構成を示す断面図である。
【符号の説明】
4 記録層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録線速が媒体半径方向の位置により異
    なる相変化光記録媒体において、 Sb及びTeを必須元素としてIb族元素、Vb族元素
    及びVIb族元素を有する相変化記録材料を記録層とし、
    前記記録層が少なくとも1つの準安定結晶相を含み空間
    群Fm3mに属する単数又は複数の結晶相を有する結晶
    化状態とアモルファス化状態との間の相転移における光
    学的性質の変化を示し、前記記録層の原子比率での組成
    を(Ib)a(Vb)x(VIb)1-a-x で表す組成式においてV
    b族元素の組成を表すxが0.72≦x+2a≦0.8
    0の範囲内に設定されて、前記記録線速の変化に対応し
    て前記記録層の組成に媒体半径方向で差異を有すること
    を特徴とする相変化光記録媒体。
  2. 【請求項2】 結晶化状態の前記記録層中の結晶相が準
    安定固溶体単相であることを特徴とする請求項1記載の
    相変化光記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記記録層が少なくともAgとAuとの
    一方の元素を有し、その元素濃度が内周部側に対して外
    周部側の方が小さく設定されていることを特徴とする請
    求項1又は2記載の相変化光記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記記録層の原子比率での組成が(A
    g,Au)a(Vb)x(VIb)1-a-xなる組成式で表され、記
    録線速1〜2m/sに対応する媒体半径方向の部位に属
    する前記記録層の組成として0.05≦a≦0.08の
    範囲内に設定されていることを特徴とする請求項3記載
    の相変化光記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記記録層の原子比率での組成が(A
    g,Au)a(Vb)x(VIb)1-a-xなる組成式で表され、記
    録線速2〜3m/sに対応する媒体半径方向の部位に属
    する前記記録層の組成として0.03≦a≦0.07の
    範囲内に設定されていることを特徴とする請求項3記載
    の相変化光記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記記録層の原子比率での組成が(A
    g,Au)a(Vb)x(VIb)1-a-xなる組成式で表され、記
    録線速3〜4m/sに対応する媒体半径方向の部位に属
    する前記記録層の組成として0.02≦a≦0.06の
    範囲内に設定されていることを特徴とする請求項3記載
    の相変化光記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記記録層の原子比率での組成が(A
    g,Au)a(Vb)x(VIb)1-a-xなる組成式で表され、記
    録線速4〜6m/sに対応する媒体半径方向の部位に属
    する前記記録層の組成として0.01≦a≦0.05の
    範囲内に設定されていることを特徴とする請求項3記載
    の相変化光記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記記録層の原子比率での組成が(A
    g,Au)a(Vb)x(VIb)1-a-xなる組成式で表され、記
    録線速6〜8m/sに対応する媒体半径方向の部位に属
    する前記記録層の組成として0.005≦a≦0.04
    の範囲内に設定されていることを特徴とする請求項3記
    載の相変化光記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7858166B2 (en) 2006-02-02 2010-12-28 Kabushiki Kaisha Toshiba Phase change recording medium
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