JPH11322799A - 抗体の固定化方法 - Google Patents

抗体の固定化方法

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JPH11322799A
JPH11322799A JP12994498A JP12994498A JPH11322799A JP H11322799 A JPH11322799 A JP H11322799A JP 12994498 A JP12994498 A JP 12994498A JP 12994498 A JP12994498 A JP 12994498A JP H11322799 A JPH11322799 A JP H11322799A
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biotin
fab
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Satoru Onaka
悟 大仲
Yoshitami Mitoma
惠民 三苫
Norihiko Ishiguro
敬彦 石黒
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Abstract

(57)【要約】 【課題】抗体の抗原捕捉能力を維持したまま固定化する
方法を提供する。 【解決手段】抗体の抗原認識部位以外の部位、例えばヒ
ンジ部のSH基をリンカー、ビオチン及びアビジンを介
して担体に固定化させ、イムノアッセイ用抗体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗体の固定化方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】抗原捕捉免疫化学的検査(エンザイムイ
ムノアッセイ、ラジオイムノアッセイ)における抗体の
プラスチック、ガラス、架橋デキストラン等、不溶性担
体への固定化方法には、担体との疎水性相互作用によ
り、直接担体に固定化させる方法、リンカー等を介して
間接的に固定化する方法がある(エンザイムイムノアッ
セイ、石川栄治監訳、東京化学同人版、第1版、198
9年、特開平2―107966号公報、特開昭55―1
0590号公報)。いずれの方法を用いる場合も、固定
化された抗体は抗原を捕捉する能力を維持していなけれ
ばならないが、従来の抗体固定化方法では、抗体のどの
部分で固定化されているかを規定していないので、固定
化された抗体が抗原捕捉能力を維持しているか否かにつ
いて考慮されていなかった。
【0003】例えば、担体に抗体の抗原認識部位が直接
吸着・結合した場合、この抗体は抗原を捕捉することが
できない。また抗体と担体とを架橋して間接的に固定化
する場合に、サクシイミド基などを用いて抗体のアミノ
基やリジン残基にリンカーを導入すると、アミノ基やリ
ジン残基は抗体の各部に存在するため抗体のどの部分に
リンカーが導入されたか規定できず、したがって抗体の
どの部分が固定化されたかを規定することができず、抗
原認識部位にリンカーが導入された場合は、抗原捕捉能
力が失われてしまう可能性があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、固定
化された抗体が抗原捕捉能力を維持できるような、抗体
を固定化する方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題に
鑑みて、鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達した。即
ち本発明は、抗体の抗原認識部位以外の部位を、特異的
にかつ化学的に担体に結合させることを特徴とする、抗
体の固定化方法である。以下、本発明をさらに詳細に説
明する。
【0006】本発明では、抗体の抗原認識部位以外の部
位を特異的かつ化学的に担体に結合させる。抗体の抗原
認識部位以外の部位としては特に限定はなく、例えばF
c部分やヒンジ部など、抗体の抗原認識部位以外であれ
ばどこでもよい。抗体の抗原認識部位以外の部位を特異
的かつ化学的に担体に結合させる方法としては特に限定
はないが、例えば抗体のヒンジ部のSH基を介して担体
に結合させる、抗体の糖鎖を介して抗体を担体に結合さ
せる、または抗体に導入された官能基を介して抗体を担
体に結合させるなどの方法があげられる。
【0007】例えば抗体のヒンジ部のSH基を利用し、
それを介して抗体を担体に固定化する場合を説明する。
例えばインタクトのマウス抗体IgG1のヒンジ部にお
いて2本のH鎖がS−S結合しており、それを還元した
ときに生じるSH基を本発明では固定化に利用する。従
ってこの時の抗体は、還元されてFab´またはFab
cなどにフラグメント化されたものである。通常の抗体
の還元では、ヒンジ部のS−S結合のみ還元されてSH
基が生じ、他の部位のS−S結合は還元されない。従っ
てヒンジ部のS−S結合から生じたSH基のみが固定化
反応に用いられることとなり、この特定の部位を介して
抗体の固定化が行われる。
【0008】抗体の還元に用いられる還元剤には特に限
定はなく、通常用いられるものを使用することができ
る。例えば、メルカプトエタノール、メルカプトエチル
アミン、ジチオスレイトールなどがあげられる。抗体の
還元は、インタクトの抗体からでもF(ab´)2フラ
グメントからでも行うことができる。
【0009】抗体の糖鎖を介して抗体を担体に結合させ
る場合は、例えばレクチン等を固定化させた担体に、抗
体のFc部分に存在する糖鎖を結合させることにより、
抗体を固定化することができる。これはレクチンが糖結
合性蛋白質だからである。
【0010】抗体に導入させた官能基を介して抗体を担
体に結合させる場合は、例えば抗体遺伝子又は抗体の抗
原認識部分を含む遺伝子に6個のヒスチジンをコードす
る遺伝子を導入し、大腸菌、酵母、株化細胞などで発現
させる。一方、担体表面にNTA(N−(5−amin
o−1−carboxypentyl)iminodi
acetic acid)などを用いてニッケルを固定
化し、この状態でヒスチジンを末端に発現させた抗体を
加えると、ヒスチジン部分がニッケルに配位するため、
特異的かつ一定方向に、担体表面に抗体が固定化される
ことになる(E. Hochuli, Journal
of Chromatography, 1988,
444,293(1988))。
【0011】本発明において、抗体が固定化される担体
には特に限定はなく、通常使用されるもので良い。例え
ばプラスチック、ガラス、架橋デキストラン、ニトロセ
ルロース膜、アガロース、セルロース、ポリアクリルア
ミドなどがあげられる。
【0012】本発明では、抗体を担体に直接結合させて
もよい。しかしながら、抗体と担体との間にはリンカー
を介在させることが好ましい。リンカーの一方の端は、
抗体と結合するための結合基を持つか、または結合基を
導入できるものである。結合基としては、特に限定はな
いが、抗体のヒンジ部のSH基を介する場合は、マレイ
ミド基、ピリジルジスルフィド基、ナフチルジスルフィ
ド基、活性ハロゲン、チオフタルイミドなどがあげられ
る。リンカーの例としては、直鎖または分岐のアルキル
基やピペラジニル基、4級アンモニウムなどの親水性基
を含むもの、またオリゴエチレングリコールなどがあ
る。
【0013】リンカーの他方の端は担体に結合させれば
よい。この場合、リンカーと担体とを直接結合させても
よいが、さらに他の物質を介して結合させてもよい。例
えば担体とリンカーとの間にリガンド及びそれに対する
レセプターを介在させ、それを介して抗体を担体に結合
させてもよい。例えばリンカーの端にリガンド(または
レセプター)を結合させ、担体表面にはリガンドに対す
るレセプター(またはリガント)を結合させ、その両者
を結合させることにより抗体の固定化を行うことができ
る。
【0014】リガンド及びレセプターとしては特に限定
はないが、例えばアビジン−ビオチン、インシュリンと
インシュリンレセプター、甲状腺刺激ホルモン(TS
H)とTSHレセプターなどのホルモンとそのレセプタ
ー、ズブチリシンとズブチリシンインヒビター等のプロ
テアーゼとそのインヒビター、アンヒドロキモトリプシ
ンとC末端アミノ酸としてトリプトファン、チロシン、
フェニルアラニンを持つペプチド、アンヒドロトリプシ
ンとC末端アミノ酸としてアルギニン、リジンを持つペ
プチドなどのプロテアーゼとその基質、相補的な配列を
持つ2種類のDNAなどがあげられる。
【0015】またリガンド及びレセプターばかりでな
く、高分子物質を担体とリンカーとの間に介在させて抗
体の固定化を行ってもよい。例えば、高分子物質をあら
かじめ担体に結合させておき、そこにリンカーを結合さ
せることもできる。高分子物質としては、例えばタンパ
ク質があげられ、具体的にはウシ血清アルブミン、カゼ
インなどが使用できる。そのほかにも、糖鎖、ナイロン
などの合成高分子などがあげられる。
【0016】本発明の抗体の固定化法は、特にイムノア
ッセイ用抗体の固定化に好ましく用いられる。それは、
短時間化が要求される診断分野の測定に用いられるため
には、反応性がよい固定化抗体が必要だからである。
【0017】
【実施例】以下、本発明をさらに詳細に説明するために
実施例を示すが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。
【0018】実施例1 <抗体のF(ab´)2フラグメント化>抗TSH(甲
状腺刺激ホルモン)モノクローナル抗体TSF972.
3を0.1Mクエン酸ナトリウム緩衝液に溶解し、pH
を3.7に合わせた後、ペプシン(SIGMA社製)を
40U(ユニット)/mgタンパク質になるように加え
た。約10μg分をゲルろ過クロマトグラフィー(東ソ
ー社製、G3000SWXL)にかけて、分子量の変化
(150,000から100,000)をモニターしな
がら、37℃でインキュベーションした。約90%の抗
体がF(ab´)2フラグメント化したことを確認した
後、3M Trisを加えて中和した。このサンプルに
60%になるように飽和硫酸ナトリウムを加え、F(a
b´)2フラグメントを沈殿させた後、12000rp
m、20分遠心して沈殿を分離した。この沈殿を0.1
Mリン酸緩衝液(pH6.0)に溶解した後、さらに同
緩衝液で15時間透析した。
【0019】<F(ab´)2フラグメントのFab´
化>600μLの0.1Mリン酸緩衝液、pH6.0に
溶解した抗TSHモノクローナル抗体TSF972.3
F(ab´)210mgに0.1Mジチオスレイトール
150μLを加え、37℃、90分インキュベーション
した。サンプルをゲルろ過クロマトグラフィー(東ソー
社製、G3000SWXL、溶離液は5mMEDTA含有
0.1Mリン酸緩衝液、pH6.0、)にかけ、Fab
´画分を回収した(1.51mg/mL、5mL)。
【0020】<ビオチン−SH−Fab´の作製>抗T
SHモノクローナル抗体TSF972.3Fab´
(1.51mg/mL)を3mL(4.53mg)に、
ビオチン−リンカー−マレイミド基を有するBioti
n―PEAC5―maleimide(同仁化学社製)
530μgを20μLのジメチルスルフォキシドに溶解
して加え、25℃、16時間インキュベーションした。
その後ゲルろ過クロマトグラフィー(東ソー社製、G3
000SWXL、溶離液は150mM硫酸ナトリウム含有
50mMリン酸緩衝液、pH6.6)にかけ、Biot
in―PEAC5―maleimideが結合したFa
b´(ビオチン−SH−Fab´とする)画分を回収
し、未反応のBiotin―PEAC5―maleim
ideを除いた。
【0021】<アビジンービオチン固定化Fab´と直
接固定F(ab´)2−1との比較>96ウェルプレー
ト(MAXISORP black 、NUNC社製)
にアビジン(和光純薬社製)を2μg/ウェル/100
μL0.1Mリン酸緩衝液(pH7.4)の濃度で分注
し、37℃、1時間インキュベーションした。0.05
%Tween含有0.1M Tris―HCl緩衝液
(pH8.0)でウェルを3回洗浄後、0.5%BSA
含有Tris―HCl緩衝液(pH8.0)を分注して
37℃、1時間インキュベーションし、ブロッキングし
た。洗浄後、前述のビオチン−SH−Fab´を0.5
%BSA含有Tris―HCl緩衝液(pH8.0)に
溶解し200ng/ウェル/100μL分注し、37
℃、1時間インキュベーションした。結果として、10
7ng/ウェルの抗体が固定化された。これをアビジン
ービオチン固定化Fab´とする。
【0022】一方、抗TSHモノクローナル抗体TSF
972.3F(ab´)2を0.1Mリン酸緩衝液(p
H7.4)に溶解し、MAXISORP blackに
200ng/ウェル/100μLの濃度で分注し、37
℃、1時間インキュベーションした。ウェルを洗浄後、
0.5%BSA含有Tris―HCl緩衝液(pH8.
0)を分注して37℃、1時間インキュベーションし、
ブロッキングした。結果として、137ng/ウェルの
抗体が固定化された。これを直接固定F(ab´)2
1とする。
【0023】以上のようにして得られた、Fab´のS
H基をリンカー及びアビジンービオチンを介して固定化
された抗体(アビジン−ビオチン固定化Fab´)と、
物理吸着で直接ウェルに固定化された抗体(直接固定F
(ab´)2−1)とを用いてエンザイムイムノアッセ
イを行った。
【0024】モノクローナル抗体TSE031.1(モ
ノクローナル抗体TSF972.3とはTSHの異なる
部分を認識する)とアルカリフォスファターゼとのコン
ジュゲートを2μg/mLに希釈液(15%ウシ血清
(日本生物材料社製)、1mMMgCl2(和光純薬社
製)、及び0.1mM ZnCl2(和光純薬社製)含
有50mM Tris―HCl緩衝液(和光純薬社
製)、pH8.0)で希釈し、50μLずつ抗体を固定
化したウェルに分注した。次にヒトTSH(スクリップ
ス社製)を希釈液で10μU(ユニット)/mLに希釈
し、50μLずつウェルに分注した後、37℃でインキ
ュベーションした。ヒトTSHを添加してから10分、
30分、60分、90分、又は120分後にウェルを洗
浄後、LumiPhos530(和光純薬社製)100
μL加え、室温で20分放置してから、LUMINOU
S CT―9000D(ダイアヤトロン社製)にかけ、
化学発光を測定した。
【0025】結果を図1に示す。図中、白丸はアビジン
−ビオチン固定化Fab´を用いた場合、白四角は直接
固定F(ab´)2−1を用いた場合をそれぞれ示す。
図から明らかなように、アビジンービオチン固定化Fa
b´の方が直接固定F(ab´)2−1よりも固定化さ
れた抗体量は少ないにもかかわらず反応性は高かった。
これは、直接固定F(ab´)2−1は抗体の抗原認識
部位が担体に固定化されている場合があるからである。
一方、アビジン−ビオチン固定化Fab´は抗体の抗原
認識部位以外の部位で特異的に担体に結合していると考
えられる。
【0026】実施例2 <BSA−マレイミド−固定化Fab´の作製>MAX
ISORP blackに0.5%BSA含有Tris
―HCl緩衝液(pH8.0)を300μL/ウェル加
え、37℃、1時間インキュベーションした。0.5%
BSA含有Tris―HCl緩衝液(pH8.0)を捨
てた後、0.1Mリン酸緩衝液に溶解した1mg/mL
のsulfo−SMCC(ピアス社製;リンカー及びマ
レイミド基を有する)100μLをウェルに分注し、3
0℃、1時間インキュベーションした後、洗浄した。次
いで実施例1で作製した抗TSHモノクローナル抗体T
SF972.3Fab´を希釈列を作ってウェルに加え
た。結果として、1ウェルあたり、7.1、4.9、
2.8、1.6、又は1.0ngのFab´が固定化さ
れた。これをBSA−マレイミド固定化Fab´とす
る。
【0027】対照として、実施例1で作製した抗TSH
モノクローナル抗体TSF972.3F(ab´)2
0.1Mリン酸緩衝液、pH7.4に溶解し、希釈列を
作って直接ウェルに添加した。0.5%BSA含有Tr
is―HCl緩衝液(pH8.0)でブロッキング後、
結果として76.3、35.0、16.8、8.4、又
は4.8ngのF(ab´)2が固定化された。これを
直接固定F(ab´)2−2とする。
【0028】<BSA−マレイミド−固定化Fab´と
直接固定F(ab´)2−2との比較>前項で作製した
固定化抗体希釈列のウェルに、モノクローナル抗体TS
E031.1とアルカリフォスファターゼとのコンジュ
ゲートを2μg/mLとなるよう前述の希釈液で希釈
し、50μLずつ分注した。次にヒトTSH(スクリッ
プス社製)を希釈液で10μU/mLに希釈し、50μ
Lずつウェルに分注した後、37℃で40分間インキュ
ベーションした。ウェルを洗浄後、LumiPhos5
30 100μL加え、室温で20分放置してから、L
UMINOUS CT―9000Dにかけ、化学発光を
測定した。
【0029】結果を図2に示す。図中、黒四角はBSA
−マレイミド−固定化Fab´を用いた場合、黒三角は
直接固定F(ab´)2−2を用いた場合である。図か
ら明らかなように、同じ発光量を示すときの抗体量は、
直接固定F(ab´)2−2よりもBSA−マレイミド
−固定化Fab´の方が少なかった。例えば、50,0
00カウントを示すときの抗体量は、BSA−マレイミ
ド−固定化Fab´では2.8ngだが、直接固定F
(ab´)2−2では76ngであった。これは直接固
定F(ab´)2−2は抗体の抗原認識部位が担体に固
定化されている場合があるからである。一方、BSA−
マレイミド−固定化Fab´は抗体の抗原認識部位以外
の部位で特異的に担体に結合していると考えられる。
【0030】実施例3 <N−ハイドロキシサクシイミド(NHS)を用いてビ
オチン標識したF(ab´)2の作製>アミノ基及びリ
ジン残基に結合するNHSを用いてビオチン標識を行っ
た。即ち、実施例1で作製した抗TSHモノクローナル
抗体TSF972.3F(ab´)23.1mg/ml
の160μl(500μg)に、77mg/mlのBi
otin−(AC5)2−sulfo−OSu(同仁化
学社製、ビオチン−リンカー−サクシイミド基を有す
る)1μlを加え、4℃で16時間インキュベーション
した後、ゲル濾過クロマトグラフィー(東ソー社製、G
3000SWXL、溶離液は50mMリン酸緩衝液、15
0mM硫酸ナトリウム、pH6.6)にかけ、Biot
in−(AC5)2−sulfo−OSuが結合したF
(ab´)2(ビオチン−NHS−F(ab´)2とす
る)画分を回収し、未反応のBiotin−(AC5)
2−sulfo−OSuを除いた。
【0031】<ビオチン−SH−Fab´とビオチン−
NHS−F(ab´)2と直接固定F(ab´)2との比
較>前述のビオチン−NHS−F(ab´)2と実施例
1で作製したビオチン−SH−Fab´は、ストレプト
アビジンダイナビーズ(直径2.8μm、ダイナル社)
に、それぞれアビジン−ビオチン結合を介して固定化さ
れた。また実施例1で作製したF(ab´)2はトシル
活性化ダイナビーズ(直径2.8μm、ダイナル社)に
常法により物理吸着により直接固定化した。結果として
50μgのダイナビーズにそれぞれ160〜170ng
の抗体が固定化された。
【0032】これら3種の固定化抗体を用いてエンザイ
ムイムノアッセイを行った。即ち、0.5%BSAを含
むTris−HCl緩衝液(pH8.0)であらかじめ
ブロッキングしたウエルに、各抗体固定化ビーズ50μ
gをいれた。前述のモノクローナル抗体TSE031.
1とアルカリホスファターゼとのコンジュゲートを2μ
g/mlに前述の希釈液で希釈し、50μlずつウエル
に分注した。次にヒトTSH(スクリップス社製)を希
釈液で10μU/mlに希釈し、50μlずつウエルに
分注した後、37℃でインキュベーションした。ヒトT
SHを添加してから10分,30分,60分,120分
後にビーズを洗浄後、LumiPhos530(和光純
薬社製)100μlを加え、37℃で20分放置してか
ら、LUMINOUS CT−9000D(ダイアヤト
ロン社製)にかけ、化学発光を測定した。
【0033】結果を図3に示す。図中、ダイヤはビオチ
ン−NHS−F(ab´)2を固定化した場合、四角は
ビオチン−SH−Fab´を固定化した場合、三角はF
(ab´)2を直接固定化した場合である。図より明ら
かなように、F(ab´)2を直接固定化した場合、及
びビオチン−NHS−F(ab´)2を固定化した場合
よりも、ビオチン−SH−Fab´を固定化した方が反
応性がよかった。これはF(ab´)2を直接固定化し
た場合、及びビオチン−NHS−F(ab´)2を固定
化した場合は、抗体の抗原認識部位が担体に固定化され
ている場合があるからである。一方、ビオチン−SH−
Fab´を固定化した場合は、抗体の抗原認識部位以外
の部位で特異的に担体に結合していると考えられる。
【0034】
【発明の効果】本発明で提供される固定化方法によれ
ば、抗体の抗原認識部位以外の部位を特異的かつ化学的
に担体に結合させるため、抗体の抗原認識部位を担体や
リンカーと結合させることがなく、抗体の抗原捕捉能力
を維持したまま抗体を固定化することが可能である。特
にリンカーを介して固定化させた場合は、担体表面から
より離れた場所に抗体を固定できるので、担体による立
体障害などの影響を受ける事なく抗体の抗原捕捉能力を
発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で測定した化学発光の値を示す図であ
る。
【図2】実施例2で測定した化学発光の値を示す図であ
る。
【図3】実施例3で測定した化学発光の値を示す図であ
る。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】抗体の抗原認識部位以外の部位を、特異的
    にかつ化学的に担体に結合させることを特徴とする、抗
    体の固定化方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の方法において、抗体のヒ
    ンジ部のSH基を介して抗体を担体に結合させることを
    特徴とする方法。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の方法において、抗体の糖
    鎖を介して抗体を担体に結合させることを特徴とする方
    法。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の方法において、抗体に導
    入された官能基を介して抗体を担体に結合させることを
    特徴とする方法。
  5. 【請求項5】請求項1〜4いずれかに記載の方法におい
    て、抗体と担体との間にリンカーを介在させることを特
    徴とする方法。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の方法において、リンカー
    と担体との間にリガンド及びレセプターを介在させるこ
    とを特徴とする方法。
  7. 【請求項7】請求項5に記載の方法において、リンカー
    と担体との間に高分子物質を介在させることを特徴とす
    る方法。
  8. 【請求項8】請求項1〜7いずれかに記載の方法におい
    て、抗体がイムノアッセイ用抗体であることを特徴とす
    る方法。
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