JPH11324782A - 内燃機関の空燃比制御装置における学習方法 - Google Patents
内燃機関の空燃比制御装置における学習方法Info
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- JPH11324782A JPH11324782A JP10132197A JP13219798A JPH11324782A JP H11324782 A JPH11324782 A JP H11324782A JP 10132197 A JP10132197 A JP 10132197A JP 13219798 A JP13219798 A JP 13219798A JP H11324782 A JPH11324782 A JP H11324782A
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- fuel ratio
- air
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 簡単により正確な初期設定を行うことができ
る内燃機関の空燃比制御装置における学習方法を提供す
ること。 【解決手段】 本発明に係る内燃機関の空燃比制御装置
における学習方法は、燃料噴射装置から噴射された燃料
の動的挙動を少なくとも燃料付着率としてモデル化し、
該モデルを用いて排気空燃比を制御する内燃機関の空燃
比制御装置において、前記運転状態に関するパラメータ
を複数領域に割り付けて、一つの領域を画定する運転状
態点間で運転条件を過渡的に変化させ、その時に生じる
排気空燃比の目標空燃比に対するずれに基づいて、変化
させた二つの運転状態点の燃料付着率の教師データを獲
得し、前記教師データに基づいてモデルの学習を行うと
共に、同一の運転状態点に対して異なる領域に関する複
数の異なる教師データを獲得した場合には、それら複数
の教師データの中間値を、その対応する運転状態点の教
師データとして獲得する。
る内燃機関の空燃比制御装置における学習方法を提供す
ること。 【解決手段】 本発明に係る内燃機関の空燃比制御装置
における学習方法は、燃料噴射装置から噴射された燃料
の動的挙動を少なくとも燃料付着率としてモデル化し、
該モデルを用いて排気空燃比を制御する内燃機関の空燃
比制御装置において、前記運転状態に関するパラメータ
を複数領域に割り付けて、一つの領域を画定する運転状
態点間で運転条件を過渡的に変化させ、その時に生じる
排気空燃比の目標空燃比に対するずれに基づいて、変化
させた二つの運転状態点の燃料付着率の教師データを獲
得し、前記教師データに基づいてモデルの学習を行うと
共に、同一の運転状態点に対して異なる領域に関する複
数の異なる教師データを獲得した場合には、それら複数
の教師データの中間値を、その対応する運転状態点の教
師データとして獲得する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも燃料噴
射装置から噴射された燃料の動的挙動を燃料付着率とし
てモデル化し、該モデルを用いて空燃比の制御を行う内
燃機関の空燃比制御装置における前記モデルの学習方法
に関する。
射装置から噴射された燃料の動的挙動を燃料付着率とし
てモデル化し、該モデルを用いて空燃比の制御を行う内
燃機関の空燃比制御装置における前記モデルの学習方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、排ガス規制の強化や、市場からの
燃費向上及び応答性の向上の要望等に対応するために内
燃機関に対する高精度な燃料供給が求められており、こ
れを達成するために、燃料噴射装置を用いて内燃機関に
燃料を供給することが主流になってきている。しかし、
燃料噴射装置は従来の気化器に比べて吸気管及び吸気弁
に付着する燃料の量が多く、過渡時の空燃比制御性が悪
化してしまうという問題があった。このような問題を解
決するために、出願人は、特願平7−271188号
で、燃料噴射装置から噴射された燃料が吸気管及び吸気
弁に付着する割合を燃料付着率とし、吸気管及び吸気弁
に付着した燃料が蒸発する速度を蒸発時定数として各々
学習機能付きフィードフォワード制御ロジックを用いて
モデル化し、この燃料系モデルを用いて燃焼室に入る燃
料量を推定し、この推定燃料量に基づいて噴射すべき燃
料量を算出する方法を既に提案している。
燃費向上及び応答性の向上の要望等に対応するために内
燃機関に対する高精度な燃料供給が求められており、こ
れを達成するために、燃料噴射装置を用いて内燃機関に
燃料を供給することが主流になってきている。しかし、
燃料噴射装置は従来の気化器に比べて吸気管及び吸気弁
に付着する燃料の量が多く、過渡時の空燃比制御性が悪
化してしまうという問題があった。このような問題を解
決するために、出願人は、特願平7−271188号
で、燃料噴射装置から噴射された燃料が吸気管及び吸気
弁に付着する割合を燃料付着率とし、吸気管及び吸気弁
に付着した燃料が蒸発する速度を蒸発時定数として各々
学習機能付きフィードフォワード制御ロジックを用いて
モデル化し、この燃料系モデルを用いて燃焼室に入る燃
料量を推定し、この推定燃料量に基づいて噴射すべき燃
料量を算出する方法を既に提案している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した制御方法によ
れば、燃料系モデルを用いて燃料付着率と蒸発時定数と
を推定でき、過渡時に燃焼室内に入る燃料量を予め推定
できるので、燃料噴射量を適当な量に制御することがで
きるが、前記燃料系モデルを用いる場合には、予め様々
な運転状態に対する燃料付着率及び蒸発時定数の最適値
を設定する初期学習を行わせる必要があった。燃料の動
的挙動はエンジンの運転状態が過渡状態にある時に空燃
比に影響を及ぼすものなので、前記した動的挙動のパラ
メータの設定も運転状態を過渡的に変化させながら行わ
なければならないが、動的挙動のパラメータの一つであ
る燃料付着率は、運転状態を過渡的に変化させた時にそ
の変化の前後の運転状態に影響を及ぼすものなので、そ
の設定が難しく、手間がかかるという問題があった。本
発明は、上記した燃料系モデルを用いた空燃比制御方法
における初期学習に関する問題点に鑑みて、簡単により
正確な初期設定を行うことができる内燃機関の空燃比制
御装置における学習方法を提供することを目的としてい
る。
れば、燃料系モデルを用いて燃料付着率と蒸発時定数と
を推定でき、過渡時に燃焼室内に入る燃料量を予め推定
できるので、燃料噴射量を適当な量に制御することがで
きるが、前記燃料系モデルを用いる場合には、予め様々
な運転状態に対する燃料付着率及び蒸発時定数の最適値
を設定する初期学習を行わせる必要があった。燃料の動
的挙動はエンジンの運転状態が過渡状態にある時に空燃
比に影響を及ぼすものなので、前記した動的挙動のパラ
メータの設定も運転状態を過渡的に変化させながら行わ
なければならないが、動的挙動のパラメータの一つであ
る燃料付着率は、運転状態を過渡的に変化させた時にそ
の変化の前後の運転状態に影響を及ぼすものなので、そ
の設定が難しく、手間がかかるという問題があった。本
発明は、上記した燃料系モデルを用いた空燃比制御方法
における初期学習に関する問題点に鑑みて、簡単により
正確な初期設定を行うことができる内燃機関の空燃比制
御装置における学習方法を提供することを目的としてい
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明に係る内燃機関の空燃比制御装置におけ
る学習方法は、燃料噴射装置から噴射された燃料の動的
挙動を少なくとも燃料付着率としてモデル化し、該モデ
ルを用いて排気空燃比を制御する内燃機関の空燃比制御
装置において、前記運転状態に関するパラメータを複数
領域に割り付けて、一つの領域を画定する運転状態点間
で運転条件を過渡的に変化させ、その時に生じる排気空
燃比の目標空燃比に対するずれに基づいて、変化させた
二つの運転状態点の燃料付着率の教師データを獲得し、
前記教師データに基づいてモデルの学習を行うと共に、
同一の運転状態点に対して異なる領域に関する複数の異
なる教師データを獲得した場合には、それら複数の教師
データの中間値を、その対応する運転状態点の教師デー
タとして獲得することを特徴とするものである。
ために、本発明に係る内燃機関の空燃比制御装置におけ
る学習方法は、燃料噴射装置から噴射された燃料の動的
挙動を少なくとも燃料付着率としてモデル化し、該モデ
ルを用いて排気空燃比を制御する内燃機関の空燃比制御
装置において、前記運転状態に関するパラメータを複数
領域に割り付けて、一つの領域を画定する運転状態点間
で運転条件を過渡的に変化させ、その時に生じる排気空
燃比の目標空燃比に対するずれに基づいて、変化させた
二つの運転状態点の燃料付着率の教師データを獲得し、
前記教師データに基づいてモデルの学習を行うと共に、
同一の運転状態点に対して異なる領域に関する複数の異
なる教師データを獲得した場合には、それら複数の教師
データの中間値を、その対応する運転状態点の教師デー
タとして獲得することを特徴とするものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に示した幾つかの
実施例を参照して、本発明に係る内燃機関の空燃比制御
装置における学習方法の実施の形態について説明する。
図1は、エンジン1と本発明に係る予測学習方法を採用
したエンジン制御を実行可能な制御装置10との関係を
示す概略図である。エンジン1は、吸気管2に設けられ
たエアクリーナ3及び燃料噴射装置4を介してシリンダ
5の燃焼室内に混合気を導入し、燃焼後の排気ガスを排
気管6を介して大気中に排気する4サイクルエンジンで
あり、本図では吸気バルブや排気バルブ等の他の構成部
材については省略されている。尚、図1中、符号7はク
ランクケースを、また、符号8はスロットルバルブを各
々示している。制御装置10は、燃料噴射装置4からの
燃料噴射量を操作して排気ガス中の空燃比の値を制御す
るものである。この制御装置10は、図1に示すよう
に、クランクケース7に設けられたクランク角検知手段
13から得られるクランク角に関する情報rと、スロッ
トルバルブ8に設けられたスロットル開度検知手段12
から得られるスロットル開度に関する情報αと、吸気管
2に設けられた吸気管壁温検知手段14から得られる吸
気管壁温に関する情報Teとを入力し、これらの入力情
報に基づいて、吸気管2に設けられた燃料噴射装置4の
操作量Mf(即ち、燃料噴射量)を決定して出力すると
共に、排気管6に設けられた空燃比センサ15から得ら
れる実際の空燃比に関する検知信号Eを、必要に応じて
入力して、この情報に基づく内部モデルの出力の補正及
び内部モデルの学習を行い常時最適な制御が行えるよう
に構成されている。
実施例を参照して、本発明に係る内燃機関の空燃比制御
装置における学習方法の実施の形態について説明する。
図1は、エンジン1と本発明に係る予測学習方法を採用
したエンジン制御を実行可能な制御装置10との関係を
示す概略図である。エンジン1は、吸気管2に設けられ
たエアクリーナ3及び燃料噴射装置4を介してシリンダ
5の燃焼室内に混合気を導入し、燃焼後の排気ガスを排
気管6を介して大気中に排気する4サイクルエンジンで
あり、本図では吸気バルブや排気バルブ等の他の構成部
材については省略されている。尚、図1中、符号7はク
ランクケースを、また、符号8はスロットルバルブを各
々示している。制御装置10は、燃料噴射装置4からの
燃料噴射量を操作して排気ガス中の空燃比の値を制御す
るものである。この制御装置10は、図1に示すよう
に、クランクケース7に設けられたクランク角検知手段
13から得られるクランク角に関する情報rと、スロッ
トルバルブ8に設けられたスロットル開度検知手段12
から得られるスロットル開度に関する情報αと、吸気管
2に設けられた吸気管壁温検知手段14から得られる吸
気管壁温に関する情報Teとを入力し、これらの入力情
報に基づいて、吸気管2に設けられた燃料噴射装置4の
操作量Mf(即ち、燃料噴射量)を決定して出力すると
共に、排気管6に設けられた空燃比センサ15から得ら
れる実際の空燃比に関する検知信号Eを、必要に応じて
入力して、この情報に基づく内部モデルの出力の補正及
び内部モデルの学習を行い常時最適な制御が行えるよう
に構成されている。
【0006】図2は、制御装置10の構成を示す概略ブ
ロック図である。制御装置10は、目標空燃比Epに沿
ってフィードフォワード制御ロジックを用いて基本燃料
噴射量Mfnを決定するモデルベース制御部20、前記
クランク角情報rからエンジン回転数Nを算出するエン
ジン回転数演算部30、エンジン回転数Nとスロットル
開度とに基づいて予め用意したマップ又は演算式に基づ
いて前記目標空燃比Epを算出する目標空燃比算出部4
0、前記モデルベース制御部20で得られる基本燃料噴
射量Mfnをパルス信号としての燃料噴射量Mfに変換
する変換部50、及び前記モデルベース制御部20のず
れ量を検出し、そのずれを補正するための教師データの
獲得を行うモデル補正部60を備えている。
ロック図である。制御装置10は、目標空燃比Epに沿
ってフィードフォワード制御ロジックを用いて基本燃料
噴射量Mfnを決定するモデルベース制御部20、前記
クランク角情報rからエンジン回転数Nを算出するエン
ジン回転数演算部30、エンジン回転数Nとスロットル
開度とに基づいて予め用意したマップ又は演算式に基づ
いて前記目標空燃比Epを算出する目標空燃比算出部4
0、前記モデルベース制御部20で得られる基本燃料噴
射量Mfnをパルス信号としての燃料噴射量Mfに変換
する変換部50、及び前記モデルベース制御部20のず
れ量を検出し、そのずれを補正するための教師データの
獲得を行うモデル補正部60を備えている。
【0007】(モデルベース制御部について)以下、図
3〜図10を参照してモデルベース制御部20の構成に
ついて説明する。図3は、図2におけるモデルベース制
御部20の構成を示す概略ブロック図である。モデルベ
ース制御部20は、吸気管2内の空気の挙動をモデル化
した空気系順モデル21、燃料噴射装置4から噴射され
る燃料の挙動をモデル化した燃料系順モデル22、及び
各順モデル21及び22から出力される推定空気量Av
及び推定燃料量Fvに基づいて推定空燃比Evを算出す
る推定空燃比演算部23を備えている。また、モデルベ
ース制御部20は、推定空燃比演算部23から出力され
る推定空燃比Evを基本操作量演算部24にフィードバ
ックするフィードバックループを備えている。前記基本
操作量演算部24は、推定空燃比演算部23から出力さ
れる推定空燃比Evと、目標空燃比算出部30から出力
される目標空燃比Epとを入力してエンジン1の燃料噴
射装置4に対する基本操作量Mfn(基本燃料噴射量)
を算出する。この基本操作量Mfnは、モデルベース制
御部20から出力されると共に燃料系順モデル22にも
入力され、燃料系順モデル22は前記基本操作量Mfn
に基づいて推定燃料量Fvを求める。上記したように、
モデルベース制御部20では、空気系順モデル21、燃
料系順モデル22、及び推定空燃比演算部23によりエ
ンジン1の順モデルを構成し、かつ、前記燃料系順モデ
ル22、推定空燃比演算部23、及び基本操作量演算部
24を含むフィードバックループを用いて前記エンジン
1の順モデルから出力される推定空燃比Evをフィード
バックして基本操作量Mfnを出力するエンジンの逆モ
デルを構成している。
3〜図10を参照してモデルベース制御部20の構成に
ついて説明する。図3は、図2におけるモデルベース制
御部20の構成を示す概略ブロック図である。モデルベ
ース制御部20は、吸気管2内の空気の挙動をモデル化
した空気系順モデル21、燃料噴射装置4から噴射され
る燃料の挙動をモデル化した燃料系順モデル22、及び
各順モデル21及び22から出力される推定空気量Av
及び推定燃料量Fvに基づいて推定空燃比Evを算出す
る推定空燃比演算部23を備えている。また、モデルベ
ース制御部20は、推定空燃比演算部23から出力され
る推定空燃比Evを基本操作量演算部24にフィードバ
ックするフィードバックループを備えている。前記基本
操作量演算部24は、推定空燃比演算部23から出力さ
れる推定空燃比Evと、目標空燃比算出部30から出力
される目標空燃比Epとを入力してエンジン1の燃料噴
射装置4に対する基本操作量Mfn(基本燃料噴射量)
を算出する。この基本操作量Mfnは、モデルベース制
御部20から出力されると共に燃料系順モデル22にも
入力され、燃料系順モデル22は前記基本操作量Mfn
に基づいて推定燃料量Fvを求める。上記したように、
モデルベース制御部20では、空気系順モデル21、燃
料系順モデル22、及び推定空燃比演算部23によりエ
ンジン1の順モデルを構成し、かつ、前記燃料系順モデ
ル22、推定空燃比演算部23、及び基本操作量演算部
24を含むフィードバックループを用いて前記エンジン
1の順モデルから出力される推定空燃比Evをフィード
バックして基本操作量Mfnを出力するエンジンの逆モ
デルを構成している。
【0008】(空気系順モデルについて)前記空気系順
モデル21は、スロットル開度α及びエンジン回転数N
を入力し、これらに基づいて吸入空気量を推定算出す
る。具体的には、スロットル開度及び吸気負圧を用いた
流体力学的な数式で空気量をモデル化し、さらに空気量
から算出される圧力と体積効率とに基づいて流体力学的
な数式で吸気負圧をモデル化すると共に、エンジン回転
数N及びスロットル開度αを入力とするファジィニュー
ラル回路網を用いて体積効率をモデル化し、前記吸気負
圧の初期値を設定することで、スロットル開度α及びエ
ンジン回転数Nから推定空気量Avが算出できるように
構成され得る。尚、前記体積効率のモデルを構成するフ
ァジィニューラル回路網は、エンジンが定常状態にある
時に、排気空燃比をフィードバックし、この排気空燃比
と目標空燃比とのずれを補正するよう学習可能に構成さ
れ得る。また、前記体積効率のモデル化は、ファジィニ
ューラル回路網に限定されるものではなく、ニューラル
回路網、CMAC又は単なるマップ等、学習可能なフィ
ードフォワード制御ロジックであれば任意のものが使用
され得る。
モデル21は、スロットル開度α及びエンジン回転数N
を入力し、これらに基づいて吸入空気量を推定算出す
る。具体的には、スロットル開度及び吸気負圧を用いた
流体力学的な数式で空気量をモデル化し、さらに空気量
から算出される圧力と体積効率とに基づいて流体力学的
な数式で吸気負圧をモデル化すると共に、エンジン回転
数N及びスロットル開度αを入力とするファジィニュー
ラル回路網を用いて体積効率をモデル化し、前記吸気負
圧の初期値を設定することで、スロットル開度α及びエ
ンジン回転数Nから推定空気量Avが算出できるように
構成され得る。尚、前記体積効率のモデルを構成するフ
ァジィニューラル回路網は、エンジンが定常状態にある
時に、排気空燃比をフィードバックし、この排気空燃比
と目標空燃比とのずれを補正するよう学習可能に構成さ
れ得る。また、前記体積効率のモデル化は、ファジィニ
ューラル回路網に限定されるものではなく、ニューラル
回路網、CMAC又は単なるマップ等、学習可能なフィ
ードフォワード制御ロジックであれば任意のものが使用
され得る。
【0009】(燃料系順モデルについて)図4は前記燃
料系順モデル22の構成を示す概略ブロック図であり、
図5は燃料系順モデルのイメージ図を示している。この
燃料系順モデル22は、図5に示すように燃料噴射装置
4から噴射された燃料の挙動を、噴射された燃料が直接
シリンダ内に入らないで吸気管壁や吸気弁等に付着する
割合x(以下、燃料付着率xと称する)と、吸気管壁や
吸気弁等に付着した燃料が蒸発する速度τ(以下、蒸発
時定数τ)とに分けてモデル化し、前記基本操作量演算
部24から入力される基本操作量Mfn(基本燃料噴射
量)と前記燃料付着率とに基づいて燃料噴射装置4から
噴射され直接シリンダ内に入る燃料量(1−x)Mfを
推定算出すると共に、基本操作量Mfn及び燃料付着率
xから得られる付着燃料Mwと蒸発時定数τとに基づい
て付着燃料Mwが蒸発してシリンダ内に入る量a・Mw
を推定算出し、これら推定算出した燃料量(1−x)M
fとa・Mwとからシリンダ内に入る総燃料量を推定す
るもので、燃料付着率推定部22a、蒸発時定数推定部
22b、非付着燃料演算部22c、付着燃料演算部22
d、及び蒸発燃料量演算部22eを備える。前記燃料付
着率推定部22aは、図6に示すように、エンジンの運
転状態(エンジン回転数N及びスロットル開度α)に対
する燃料付着率xをモデル化したマップから成り、スロ
ットル開度検知手段12及びエンジン回転数演算部30
から、その時々のエンジン回転数N及びスロットル開度
を入力し、これらに基づいて燃料付着率xを決定する。
また、前記蒸発時定数推定部22bは、エンジンの運転
状態(エンジン回転数N若しくはスロットル開度α及び
吸気管壁温Te若しくはエンジン水温)に対する蒸発時
定数τをモデル化したマップから成り、スロットル開度
検知手段12若しくはエンジン回転数演算部30及び吸
気管壁温検知手段14から、その時々のエンジン回転数
N若しくはスロットル開度及び吸気管壁温Teを入力
し、これらに基づいて燃料付着率xを決定する。非付着
燃料演算部22cは、前記燃料付着率推定部22aから
得られる燃料付着率xに基づいて、基本操作量演算部2
4から入力される基本操作量Mfn(即ち、基本燃料噴
射量)における燃料噴射装置4から直接シリンダ5の燃
焼室内に入る燃料量(1−x)Mfを算出する。付着燃
料演算部22dは、前記燃料付着率推定部22aから得
られる燃料付着率xに基づいて、基本操作量演算部24
から入力される基本操作量Mfn(基本燃料噴射量)に
おいて吸気管壁面及び吸気弁に付着する燃料量x・Mf
(Mw)を算出する。前記蒸発燃料量演算部22eは、
前記蒸発時定数推定部22bで推定された蒸発時定数τ
を用いて付着燃料演算部22bで得られる付着燃料から
蒸発する燃料を積算して蒸発燃料量a・Mwを算出す
る。燃料系順モデル22は、前記した非付着燃料演算部
22cで算出された燃料量と蒸発燃料量演算部22eで
算出された蒸発燃料量とを加算して、推定燃料量Fvを
算出する。尚、上記した燃料付着率推定部22a及び蒸
発時定数推定部22bを構成する各マップには、内燃機
関の様々な運転状態に対応できるように、予め、様々な
運転状態に対して最適な燃料付着率x又は蒸発時定数τ
を基礎データとして獲得する初期学習が施され、初期学
習後の基礎データで構成されたマップを用いて実際に内
燃機関は駆動される。しかし、予め初期学習によりマッ
プ(モデル)の最適化を行っておいても、内燃機関駆動
後に、内燃機関の経時変化や内燃機関を使用する環境の
変化等により基礎データと実際の内燃機関における動的
挙動とのずれが生じる。このずれは、後述する方法で獲
得された教師データに基づいて、モデルと実際の内燃機
関における燃料の動的挙動とのずれを補正するオンライ
ン学習により補正される。これらの初期学習のための教
師データ及びオンライン学習のための教師データの獲得
は後で詳述するモデル補正部60により行われる。
料系順モデル22の構成を示す概略ブロック図であり、
図5は燃料系順モデルのイメージ図を示している。この
燃料系順モデル22は、図5に示すように燃料噴射装置
4から噴射された燃料の挙動を、噴射された燃料が直接
シリンダ内に入らないで吸気管壁や吸気弁等に付着する
割合x(以下、燃料付着率xと称する)と、吸気管壁や
吸気弁等に付着した燃料が蒸発する速度τ(以下、蒸発
時定数τ)とに分けてモデル化し、前記基本操作量演算
部24から入力される基本操作量Mfn(基本燃料噴射
量)と前記燃料付着率とに基づいて燃料噴射装置4から
噴射され直接シリンダ内に入る燃料量(1−x)Mfを
推定算出すると共に、基本操作量Mfn及び燃料付着率
xから得られる付着燃料Mwと蒸発時定数τとに基づい
て付着燃料Mwが蒸発してシリンダ内に入る量a・Mw
を推定算出し、これら推定算出した燃料量(1−x)M
fとa・Mwとからシリンダ内に入る総燃料量を推定す
るもので、燃料付着率推定部22a、蒸発時定数推定部
22b、非付着燃料演算部22c、付着燃料演算部22
d、及び蒸発燃料量演算部22eを備える。前記燃料付
着率推定部22aは、図6に示すように、エンジンの運
転状態(エンジン回転数N及びスロットル開度α)に対
する燃料付着率xをモデル化したマップから成り、スロ
ットル開度検知手段12及びエンジン回転数演算部30
から、その時々のエンジン回転数N及びスロットル開度
を入力し、これらに基づいて燃料付着率xを決定する。
また、前記蒸発時定数推定部22bは、エンジンの運転
状態(エンジン回転数N若しくはスロットル開度α及び
吸気管壁温Te若しくはエンジン水温)に対する蒸発時
定数τをモデル化したマップから成り、スロットル開度
検知手段12若しくはエンジン回転数演算部30及び吸
気管壁温検知手段14から、その時々のエンジン回転数
N若しくはスロットル開度及び吸気管壁温Teを入力
し、これらに基づいて燃料付着率xを決定する。非付着
燃料演算部22cは、前記燃料付着率推定部22aから
得られる燃料付着率xに基づいて、基本操作量演算部2
4から入力される基本操作量Mfn(即ち、基本燃料噴
射量)における燃料噴射装置4から直接シリンダ5の燃
焼室内に入る燃料量(1−x)Mfを算出する。付着燃
料演算部22dは、前記燃料付着率推定部22aから得
られる燃料付着率xに基づいて、基本操作量演算部24
から入力される基本操作量Mfn(基本燃料噴射量)に
おいて吸気管壁面及び吸気弁に付着する燃料量x・Mf
(Mw)を算出する。前記蒸発燃料量演算部22eは、
前記蒸発時定数推定部22bで推定された蒸発時定数τ
を用いて付着燃料演算部22bで得られる付着燃料から
蒸発する燃料を積算して蒸発燃料量a・Mwを算出す
る。燃料系順モデル22は、前記した非付着燃料演算部
22cで算出された燃料量と蒸発燃料量演算部22eで
算出された蒸発燃料量とを加算して、推定燃料量Fvを
算出する。尚、上記した燃料付着率推定部22a及び蒸
発時定数推定部22bを構成する各マップには、内燃機
関の様々な運転状態に対応できるように、予め、様々な
運転状態に対して最適な燃料付着率x又は蒸発時定数τ
を基礎データとして獲得する初期学習が施され、初期学
習後の基礎データで構成されたマップを用いて実際に内
燃機関は駆動される。しかし、予め初期学習によりマッ
プ(モデル)の最適化を行っておいても、内燃機関駆動
後に、内燃機関の経時変化や内燃機関を使用する環境の
変化等により基礎データと実際の内燃機関における動的
挙動とのずれが生じる。このずれは、後述する方法で獲
得された教師データに基づいて、モデルと実際の内燃機
関における燃料の動的挙動とのずれを補正するオンライ
ン学習により補正される。これらの初期学習のための教
師データ及びオンライン学習のための教師データの獲得
は後で詳述するモデル補正部60により行われる。
【0010】推定空燃比演算部23は、前記空気系順モ
デル21及び燃料系順モデル22から得られる推定空気
量Av及び推定燃料量Fvに基づいて推定空燃比Evを
算出する。そして、基本操作量演算部24は、前記推定
空燃比Evと目標空燃比Epとに基づいて基本操作量
(即ち、基本燃料噴射量Mfn)を算出し、変換部50
に出力する。
デル21及び燃料系順モデル22から得られる推定空気
量Av及び推定燃料量Fvに基づいて推定空燃比Evを
算出する。そして、基本操作量演算部24は、前記推定
空燃比Evと目標空燃比Epとに基づいて基本操作量
(即ち、基本燃料噴射量Mfn)を算出し、変換部50
に出力する。
【0011】(モデル補正部について)次に、上記した
ように構成された制御装置における燃料系順モデル22
の初期学習及びオンライン学習について説明していく。
前記燃料系順モデル22における燃料付着率推定部22
a及び蒸発時定数推定部22bの各モデルの初期学習又
はオンライン学習用の教師データはモデル補正部60で
獲得され、各推定部22a及び22bは、この教師デー
タに基づいて、その時の運転状態に対応する燃料付着率
x又は蒸発時定数τの初期学習又はオンライン学習を行
う。
ように構成された制御装置における燃料系順モデル22
の初期学習及びオンライン学習について説明していく。
前記燃料系順モデル22における燃料付着率推定部22
a及び蒸発時定数推定部22bの各モデルの初期学習又
はオンライン学習用の教師データはモデル補正部60で
獲得され、各推定部22a及び22bは、この教師デー
タに基づいて、その時の運転状態に対応する燃料付着率
x又は蒸発時定数τの初期学習又はオンライン学習を行
う。
【0012】(初期学習について)始めに燃料付着率推
定部22aを例に挙げて初期学習について説明する。図
7は、燃料付着率推定部22aを構成するマップの初期
状態を示している。燃料付着率推定部22a(又は蒸発
時定数推定部22b)を構成するマップは、エンジンの
運転状態を表す各パラメータ(即ち、図7ではエンジン
回転数及びスロットル開度)の全域(図7では、エンジ
ン回転数N:0rpm〜6000rpm;スロットル開
度α:0度〜90度)を適当な運転状態で複数に分割し
(図7ではエンジン回転数Nは600rpm単位で10
個に分割され、スロットル開度は10度単位で9個に分
割されている。)、分割された各運転領域(以下、分割
運転領域と称する。)を画定する各運転状態毎に最適な
出力パラメータ、即ち、燃料付着率xを設定するよう構
成されたデータの集合である。本明細書では、分割運転
領域を画定する各運転状態を運転状態点と称することと
し、従って、例えば、図7における分割運転領域Zは、
エンジン回転数3600rpmでスロットル開度が50
度という運転状態点z1と、エンジン回転数3600r
pmでスロットル開度が60度という運転状態点z2
と、エンジン回転数4200rpmでスロットル開度が
50度という運転状態点z3と、エンジン回転数420
0rpmでスロットル開度が60度という運転状態点z
4とで画定されていることになる。前記したマップにお
ける燃料付着率xは、初期状態では、全ての運転状態点
で適当な一定の値(図7では20%)に設定されてい
る。初期学習では、この状態から、運転状態の一方のパ
ラメータ(エンジン回転数)を固定し、他方のパラメー
タ(スロットル開度)を二つの隣接する運転状態点間で
過渡的に変化させ、その時に生じる排気空燃比の波形を
空燃比センサ15で検出し、検出された排気空燃比の波
形に基づいて、過渡的に変化させた二つの運転状態点に
おける出力パラメータの教師データを獲得し、この教師
データに基づいて出力パラメータの学習を行う。尚、図
示していないが、蒸発時定数推定部22bも、燃料付着
率推定部22aと同様に、エンジンの運転状態に対する
蒸発時定数のマップを備えており、運転状態全域が燃料
付着率22aと対応するように複数に分割されている。
定部22aを例に挙げて初期学習について説明する。図
7は、燃料付着率推定部22aを構成するマップの初期
状態を示している。燃料付着率推定部22a(又は蒸発
時定数推定部22b)を構成するマップは、エンジンの
運転状態を表す各パラメータ(即ち、図7ではエンジン
回転数及びスロットル開度)の全域(図7では、エンジ
ン回転数N:0rpm〜6000rpm;スロットル開
度α:0度〜90度)を適当な運転状態で複数に分割し
(図7ではエンジン回転数Nは600rpm単位で10
個に分割され、スロットル開度は10度単位で9個に分
割されている。)、分割された各運転領域(以下、分割
運転領域と称する。)を画定する各運転状態毎に最適な
出力パラメータ、即ち、燃料付着率xを設定するよう構
成されたデータの集合である。本明細書では、分割運転
領域を画定する各運転状態を運転状態点と称することと
し、従って、例えば、図7における分割運転領域Zは、
エンジン回転数3600rpmでスロットル開度が50
度という運転状態点z1と、エンジン回転数3600r
pmでスロットル開度が60度という運転状態点z2
と、エンジン回転数4200rpmでスロットル開度が
50度という運転状態点z3と、エンジン回転数420
0rpmでスロットル開度が60度という運転状態点z
4とで画定されていることになる。前記したマップにお
ける燃料付着率xは、初期状態では、全ての運転状態点
で適当な一定の値(図7では20%)に設定されてい
る。初期学習では、この状態から、運転状態の一方のパ
ラメータ(エンジン回転数)を固定し、他方のパラメー
タ(スロットル開度)を二つの隣接する運転状態点間で
過渡的に変化させ、その時に生じる排気空燃比の波形を
空燃比センサ15で検出し、検出された排気空燃比の波
形に基づいて、過渡的に変化させた二つの運転状態点に
おける出力パラメータの教師データを獲得し、この教師
データに基づいて出力パラメータの学習を行う。尚、図
示していないが、蒸発時定数推定部22bも、燃料付着
率推定部22aと同様に、エンジンの運転状態に対する
蒸発時定数のマップを備えており、運転状態全域が燃料
付着率22aと対応するように複数に分割されている。
【0013】以下に、具体的な例を挙げて教師データの
獲得及び学習からなる初期学習について説明していく。
始めに分割運転領域aを画定する二つの運転状態点a1
及びa2における教師データの獲得を例に挙げて説明す
ると、エンジン回転数演算部30で算出されるエンジン
回転数1000rpmになるように初期学習用のクラン
ク角度信号を制御装置10に入力し、制御装置10にお
けるエンジン回転数Nを運転状態点a1及びa2を含む
1000rpmに固定する。そして、運転状態点a1に
関する初期学習用のスロットル開度信号(即ち、0度信
号)を入力し、前記スロットル開度信号を過渡的に運転
状態点a2(即ち、10度信号)まで変化させる。図7
に示す初期状態では、マップの出力パラメータ値は適当
な初期値(本実施例では20%)で一定に設定されてい
るので、燃料系順モデル22における燃料付着率推定部
22aは初期値を出力し、最終的に、この初期値に基づ
いてモデルベース制御部20で燃料噴射装置4の基本操
作量Mfnが算出され、燃料が実際に噴射されてエンジ
ンが運転されている。この状態で前述のように一方の運
転状態パラメータ(スロットル開度)が過渡的に変化さ
せられると、その運転状態点a1及びa2に出力パラメ
ータの初期値(20%)が適合していれば、目標空燃比
に対する排気空燃比のずれは許容値以上にならないが、
適合していないと図8に符号S1で示すように排気空燃
比が目標空燃比に対して許容値以上にずれる空燃比スパ
イクが生じる。モデル補正部60は、空燃比スパイクが
生じたときに、この空燃比スパイクを燃料付着率xとの
関連が強い特性と、蒸発時定数τとの関連が強い特性と
に分割し、各特性から燃料付着率推定部22a及び蒸発
時定数推定部22bにおけるモデル(即ち、マップ)の
教師データを獲得するように構成されている。ここで、
モデル化した燃料の動的挙動、即ち、燃料付着率x及び
蒸発時定数τの特性の違いについて説明すると、燃料付
着率xは燃料噴射装置4から噴射された燃料が直接シリ
ンダ内に入らずに吸気管壁面や吸気弁に付着する割合を
示すものなので、その変化は推定燃料量の変化として応
答性よく現れるが、蒸発時定数τは付着した燃料が除々
に蒸発してシリンダ内に入る速度を示すものなので、そ
の変化が推定燃料量に現れるは、燃料付着率xに比べて
時間がかかり、また、その量も小さい。モデル補正部6
0は、上記した燃料付着率x及び蒸発時定数τの特性の
違いを利用して、図9に示すようにエンジンの運転状態
が過渡的に変化して排気空燃比スパイクが発生した時
に、その排気空燃比スパイクを、ピーク値P(即ち、モ
デルのずれ量を応答性よく表す値)と目標空燃比に対す
るずれ面積S(即ち、モデルのずれ量を時間をかけて表
す値)とに分け、ピーク値Pを燃料付着率推定部22a
を構成するモデルの補正学習用教師データを獲得するパ
ラメータとし、ずれ面積Sを蒸発時定数推定部22bを
構成するモデルの補正学習用教師データを獲得するパラ
メータとして各教師データの獲得を行う。具体的には、
図10のフローチャートに示すように、モデル補正部6
0は空燃比センサ15から得られる排気空燃比Eの波形
を読み込み(ステップ1)、目標空燃比Epと排気空燃
比Eとの差をずれ量△Eとしてセットする(ステップ
2)。そして、前記ずれ量△Eが予め設定した許容値L
を越えるか否か(ステップ3)、及び空燃比スパイク発
生中か否か(ステップ4)を監視し、前記すれ量△Eが
許容値Lより大きくなるまでステップ1及び2の処理を
繰り返す。ずれ量△Eが許容値Lを越えると、空燃比ス
パイクが発生していると判断してスパイクフラグをセッ
トし(ステップ5)、ずれ量△Eをピーク値Pとして設
定する(ステップ7)。ステップ6でピーク値Pを設定
した後、その時のずれ量△Eをずれ面積Sとして設定し
(ステップ8)、再びステップ1の処理に戻る。上記し
たステップ7のピーク値Pの設定処理は、ずれ量△Eが
前回設定したピーク値Pより小さくなるまで繰り返し行
われ(ステップ6,7)、これにより最終的に真のピー
ク値Pが得られる。また、前記ステップ7のずれ面積S
の設定処理は、ずれ量△Eが予め設定した安定判別値よ
り小さくなるまで繰り返し行われ(ステップ9,8)、
この時に前回のずれ面積Sにその時のずれ量△Eを加算
した値を新たにずれ面積Sと設定することで最終的に真
のずれ面積Sが得られる。尚、前記安定判別値は、許容
値より小さく設定される。そして、ずれ量△Eが安定判
別値より小さくなると、空燃比スパイクが無くなったと
判断して(ステップ9)、スパイクフラグをクリアし
(ステップ10)、設定したピーク値P及びずれ面積S
から教師データの獲得を行う(ステップ11)。図11
は教師データの獲得処理を示すフローチャートであり、
このフローチャートに示すように、モデル補正部60
は、スパイクフラグをクリアした後、スロットル開度
α、エンジン回転数N及び吸気管壁温Teを読み込み
(ステップa)、これらの情報とピーク値P及びずれ面
積Sとから燃料付着率推定部22aのずれを補正する教
師データxtと蒸発時定数推定部22bのずれを補正す
る教師データτtを予め決められた演算式を用いて算出
する(ステップb)。具体的には、エンジンの過渡状態
がスロットル開度が増加して発生した場合には、次式
(1)及び(2)を用いて各教師データxt及びτtを
算出し、 xt = x + Gx ×(P−E) ・・・・(1) τt = τ + Gτ × S ・・・・(2) 前記過渡状態がスロットル開度が減少して発生した場合
には、次式(3)及び(4)を用いて各教師データxt
及びτtを算出する。 xt = x − Gx ×(P−E) ・・・・(3) τt = τ − Gτ × S ・・・・(4) 上記した式(1)〜(4)において、Gx,Gτはそれ
ぞれ教師データを獲得する際のゲインであり、Gx>
0,Gτ>0に設定される。上述の式により、具体的に
は、例えば、スロットル開度が増加している時にピーク
値が目標値より大きい場合には、燃料付着率推定部22
aで燃料付着率を実際の燃料付着率より小さい値に推定
していることになるので、獲得された教師データxt
は、学習前の燃料付着率推定部22aの出力値xより大
きい値になり、逆にピーク値が目標値より小さい場合に
は、推定した燃料付着率が実際の燃料付着率より大きい
ということになるので、獲得された教師データxTは、
学習前の燃料付着率推定部22aの出力値xより小さい
値になる。また、スロットル開度が減少している時にピ
ーク値が目標値より小さい場合には、燃料付着率推定部
22aで燃料付着率を実際の燃料付着率より小さい値に
推定していることになるので、獲得された教師データx
tは、学習前の燃料付着率推定部22aの出力値xより
大きい値になり、逆にピーク値が目標値より大きい場合
には、推定した燃料付着率が実際の燃料付着率より大き
いということになるので、獲得された教師データxT
は、学習前の燃料付着率推定部22aの出力値xより小
さい値になる。さらに、スロットル開度が増加している
時にスパイクが目標値より大きい方に発生した場合に
は、蒸発時定数推定部22bで蒸発時定数を実際の蒸発
時定数より小さい値に推定していることになるので、獲
得された教師データτtは、学習前の蒸発時定数推定部
22bの出力値τより大きい値になり、逆にスパイクが
目標値より小さい方に発生した場合には、推定した蒸発
時定数が実際の蒸発時定数より大きいということになる
ので、獲得された教師データτTは、学習前の蒸発時定
数推定部22bの出力値τより小さい値になる。さら
に、スロットル開度が減少している時にスパイクが目標
値より小さい方に発生した場合には、蒸発時定数推定部
22bで蒸発時定数を実際の蒸発時定数より小さい値に
推定していることになるので、獲得された教師データτ
tは、学習前の蒸発時定数推定部22bの出力値τより
大きい値になり、逆にスパイクが目標値より大きい方に
発生した場合には、推定した蒸発時定数が実際の蒸発時
定数より大きいということになるので、獲得された教師
データτTは、学習前の蒸発時定数推定部22bの出力
値τより小さい値になる。以上のようにしてモデル補正
部60は、運転状態点a1から運転状態点a2にスロッ
トル開度が変化した時の教師データxt及びτtを獲得
する。図7及び図8に戻って説明すると、前述のように
してモデル補正部60で得られた教師データxtは、運
転状態点a1(エンジン回転数1000rpm及びスロ
ットル開度0度)から運転状態点a2(エンジン回転数
1000rpm及びスロットル開度10度)に過渡的に
変化した時、即ち、スロットルが過渡的に開けられた時
の運転状態a1及び運転状態a2に対する教師データx
t(a1;a2)及びτt(a1;a2)として獲得さ
れ記憶される。図8の実施例では、運転状態点間の相互
の変化、即ち、運転状態点a1から運転状態点a2への
変化(スロットル開度が開く変化)と、運転状態点a2
から運転状態点a1への変化(スロットル開度が閉じる
変化)との両方の教師データxt(a1;a2)及びx
t(a2;a1)、τt(a1;a2)及びτt(a
2;a1)を獲得する。ここで、過渡的に変化した二つ
の運転状態点a1及びa2に対する燃料付着率x及び蒸
発時定数τの影響について簡単に説明する。例えば、燃
料付着率推定部22aの燃料付着率xが運転状態点a2
については実際の燃料付着率と同じ値を獲得している
が、運転状態点a1については実際の燃料付着率より小
さい値になっている場合、運転状態点a1での燃料付着
率xが実際の燃料付着率より小さい値になっているた
め、蒸発燃料量a・Mwも実際の蒸発燃料量よりも小さ
い値となる。この状態で、スロットルを運転状態点a1
から運転状態点a2に過渡的に変化させると、運転状態
点a2での燃料付着率xが合っていても、蒸発燃料量の
変化が一次遅れで遅いため、小さい値に推定された蒸発
燃料量a・Mwの不足分を直接シリンダ内に入る燃料量
で補うようにモデルベース制御部は燃料噴射量(基本操
作量)を増やしてしまい、実際に必要な燃料量よりも多
くシリンダ内に燃料が流入し、空燃比波形は運転状態点
2でリッチスパイクとなる。このように、運転状態点a
1での燃料付着率xの推定量のずれは、スロットルを運
転状態点a1から運転状態点a2に過渡的に変化させる
と、運転状態点a2での空燃比波形に影響を及ぼす。一
方、蒸発時定数については、例えば、スロットルを運転
状態点a1から運転状態点a2に過渡的に変化させる時
に、運転状態点a1での推定蒸発時定数τが実際の蒸発
時定数からずれていても付着分と蒸発分が等しくなって
いれば、空燃比波形には影響は与えないが、運転状態点
a2での推定蒸発時定数τがずれていると、過渡的に変
化させた時に推定蒸発燃料量の応答が変わり、それに合
わせて燃料噴射量を決定するので、空燃比波形に影響を
与えることになる。従って、燃料付着率推定部22aに
ついては、二つの運転状態点間の相互の変化で得られた
教師データxt(a1;a2)及びxt(a2;a1)
を加算した値を各運転状態点a1及びa2の教師データ
とし、蒸発時定数推定部22bについては、運転状態点
a1から運転状態点a2に変化させた時に得られた教師
データτt(a1;a2)を運転状態点a1の教師デー
タとし、反対に変化させた時に得られた教師データτt
(a2;a1)を運転状態点a2の教師データとしてそ
れぞれ獲得する。本実施例では、モデルをマップで構成
しているので、教師データに基づく各出力パラメータの
学習では、前記した各教師データの値がそのまま、対応
する運転状態点の新しい出力パラメータとして記憶され
る。上記した処理は、運転状態点a1及びa2間で運転
状態を相互に変化させた時に、目標空燃比に対する排気
空燃比のずれが許容値以下になるまで、繰り返し行わ
れ、その都度、教師データを獲得して出力パラメータを
更新していく。初期学習を行う場合、一方の運転状態パ
ラメータを固定して、他方の運転状態パラメータを運転
状態点間で過渡的に変化させるため、一方の運転状態パ
ラメータを固定したまま、他方の運転状態パラメータを
連続する運転状態間で次々に変化させていき、各運転状
態点における出力パラメータの設定を行っていった方が
好ましい。従って、運転状態点a1及びa2の出力パラ
メータの設定が終了した後は、図7における分割運転領
域bを画定する運転状態点a2及びa3間でスロットル
開度を過渡的に変化させて出力パラメータの設定を行
う。この時、運転状態点a2における出力パラメータ値
は既に設定されているが、運転状態点a3についても、
仮に運転状態点a2における出力パラメータ値に設定し
て処理を行うと空燃比の早期安定化が図れる。上記した
状態で、運転状態点a1及びa2の出力パラメータ値を
設定した処理と同じ処理を行い、モデル補正部60で最
終的な教師データxt(a2;a3)及びxt(a3;
a2)、τt(a2;a3)及びτt(a3;a2)を
獲得する。蒸発時定数推定部22bについては、獲得し
た教師データをそのまま各運転状態点a2及びa3の教
師データとして更新するが、燃料付着率xについては、
変化させる前後の運転状態点a2及びa3の両方に影響
を及ぼすため、一つの運転状態点a2に対して二つの教
師データxt(a1;a2)+xt(a2;a1)と、
xt(a2;a3)+xt(a3;a2)が獲得される
ことになる。モデル補正部60は、上記したように一つ
の運転状態点(例えば、a2)に対して異なる分割運転
領域(例えば、A及びB)に関する二つの教師データを
獲得すると、二つの教師データの平均値をその運転状態
点の教師データとして出力する。従って、この場合に
は、目標空燃比に対する排気空燃比のずれ量が許容値以
下になるまで運転状態点a2からa3の間でスロットル
開度を過渡的に変化させ、それにより得られた教師デー
タxt(a2;a3)+xt(a3:a2)は、運転状
態点a3に対してはそのまま出力されるが、運転状態点
a2に対しては、前回の運転状態点a2に対する教師デ
ータxt(a1;a2)+xt(a2;a1)と今回得
られた教師データxt(a2;a3)+xt(a3;a
2)との平均値が教師データXTとして出力される。以
上説明した処理を全ての運転状態点に対して行い、それ
により、各運転状態点に対する最適な出力パラメータ値
(燃料付着率x)が得られると、初期学習の処理は終了
し、図5に示すようなマップが得られる。
獲得及び学習からなる初期学習について説明していく。
始めに分割運転領域aを画定する二つの運転状態点a1
及びa2における教師データの獲得を例に挙げて説明す
ると、エンジン回転数演算部30で算出されるエンジン
回転数1000rpmになるように初期学習用のクラン
ク角度信号を制御装置10に入力し、制御装置10にお
けるエンジン回転数Nを運転状態点a1及びa2を含む
1000rpmに固定する。そして、運転状態点a1に
関する初期学習用のスロットル開度信号(即ち、0度信
号)を入力し、前記スロットル開度信号を過渡的に運転
状態点a2(即ち、10度信号)まで変化させる。図7
に示す初期状態では、マップの出力パラメータ値は適当
な初期値(本実施例では20%)で一定に設定されてい
るので、燃料系順モデル22における燃料付着率推定部
22aは初期値を出力し、最終的に、この初期値に基づ
いてモデルベース制御部20で燃料噴射装置4の基本操
作量Mfnが算出され、燃料が実際に噴射されてエンジ
ンが運転されている。この状態で前述のように一方の運
転状態パラメータ(スロットル開度)が過渡的に変化さ
せられると、その運転状態点a1及びa2に出力パラメ
ータの初期値(20%)が適合していれば、目標空燃比
に対する排気空燃比のずれは許容値以上にならないが、
適合していないと図8に符号S1で示すように排気空燃
比が目標空燃比に対して許容値以上にずれる空燃比スパ
イクが生じる。モデル補正部60は、空燃比スパイクが
生じたときに、この空燃比スパイクを燃料付着率xとの
関連が強い特性と、蒸発時定数τとの関連が強い特性と
に分割し、各特性から燃料付着率推定部22a及び蒸発
時定数推定部22bにおけるモデル(即ち、マップ)の
教師データを獲得するように構成されている。ここで、
モデル化した燃料の動的挙動、即ち、燃料付着率x及び
蒸発時定数τの特性の違いについて説明すると、燃料付
着率xは燃料噴射装置4から噴射された燃料が直接シリ
ンダ内に入らずに吸気管壁面や吸気弁に付着する割合を
示すものなので、その変化は推定燃料量の変化として応
答性よく現れるが、蒸発時定数τは付着した燃料が除々
に蒸発してシリンダ内に入る速度を示すものなので、そ
の変化が推定燃料量に現れるは、燃料付着率xに比べて
時間がかかり、また、その量も小さい。モデル補正部6
0は、上記した燃料付着率x及び蒸発時定数τの特性の
違いを利用して、図9に示すようにエンジンの運転状態
が過渡的に変化して排気空燃比スパイクが発生した時
に、その排気空燃比スパイクを、ピーク値P(即ち、モ
デルのずれ量を応答性よく表す値)と目標空燃比に対す
るずれ面積S(即ち、モデルのずれ量を時間をかけて表
す値)とに分け、ピーク値Pを燃料付着率推定部22a
を構成するモデルの補正学習用教師データを獲得するパ
ラメータとし、ずれ面積Sを蒸発時定数推定部22bを
構成するモデルの補正学習用教師データを獲得するパラ
メータとして各教師データの獲得を行う。具体的には、
図10のフローチャートに示すように、モデル補正部6
0は空燃比センサ15から得られる排気空燃比Eの波形
を読み込み(ステップ1)、目標空燃比Epと排気空燃
比Eとの差をずれ量△Eとしてセットする(ステップ
2)。そして、前記ずれ量△Eが予め設定した許容値L
を越えるか否か(ステップ3)、及び空燃比スパイク発
生中か否か(ステップ4)を監視し、前記すれ量△Eが
許容値Lより大きくなるまでステップ1及び2の処理を
繰り返す。ずれ量△Eが許容値Lを越えると、空燃比ス
パイクが発生していると判断してスパイクフラグをセッ
トし(ステップ5)、ずれ量△Eをピーク値Pとして設
定する(ステップ7)。ステップ6でピーク値Pを設定
した後、その時のずれ量△Eをずれ面積Sとして設定し
(ステップ8)、再びステップ1の処理に戻る。上記し
たステップ7のピーク値Pの設定処理は、ずれ量△Eが
前回設定したピーク値Pより小さくなるまで繰り返し行
われ(ステップ6,7)、これにより最終的に真のピー
ク値Pが得られる。また、前記ステップ7のずれ面積S
の設定処理は、ずれ量△Eが予め設定した安定判別値よ
り小さくなるまで繰り返し行われ(ステップ9,8)、
この時に前回のずれ面積Sにその時のずれ量△Eを加算
した値を新たにずれ面積Sと設定することで最終的に真
のずれ面積Sが得られる。尚、前記安定判別値は、許容
値より小さく設定される。そして、ずれ量△Eが安定判
別値より小さくなると、空燃比スパイクが無くなったと
判断して(ステップ9)、スパイクフラグをクリアし
(ステップ10)、設定したピーク値P及びずれ面積S
から教師データの獲得を行う(ステップ11)。図11
は教師データの獲得処理を示すフローチャートであり、
このフローチャートに示すように、モデル補正部60
は、スパイクフラグをクリアした後、スロットル開度
α、エンジン回転数N及び吸気管壁温Teを読み込み
(ステップa)、これらの情報とピーク値P及びずれ面
積Sとから燃料付着率推定部22aのずれを補正する教
師データxtと蒸発時定数推定部22bのずれを補正す
る教師データτtを予め決められた演算式を用いて算出
する(ステップb)。具体的には、エンジンの過渡状態
がスロットル開度が増加して発生した場合には、次式
(1)及び(2)を用いて各教師データxt及びτtを
算出し、 xt = x + Gx ×(P−E) ・・・・(1) τt = τ + Gτ × S ・・・・(2) 前記過渡状態がスロットル開度が減少して発生した場合
には、次式(3)及び(4)を用いて各教師データxt
及びτtを算出する。 xt = x − Gx ×(P−E) ・・・・(3) τt = τ − Gτ × S ・・・・(4) 上記した式(1)〜(4)において、Gx,Gτはそれ
ぞれ教師データを獲得する際のゲインであり、Gx>
0,Gτ>0に設定される。上述の式により、具体的に
は、例えば、スロットル開度が増加している時にピーク
値が目標値より大きい場合には、燃料付着率推定部22
aで燃料付着率を実際の燃料付着率より小さい値に推定
していることになるので、獲得された教師データxt
は、学習前の燃料付着率推定部22aの出力値xより大
きい値になり、逆にピーク値が目標値より小さい場合に
は、推定した燃料付着率が実際の燃料付着率より大きい
ということになるので、獲得された教師データxTは、
学習前の燃料付着率推定部22aの出力値xより小さい
値になる。また、スロットル開度が減少している時にピ
ーク値が目標値より小さい場合には、燃料付着率推定部
22aで燃料付着率を実際の燃料付着率より小さい値に
推定していることになるので、獲得された教師データx
tは、学習前の燃料付着率推定部22aの出力値xより
大きい値になり、逆にピーク値が目標値より大きい場合
には、推定した燃料付着率が実際の燃料付着率より大き
いということになるので、獲得された教師データxT
は、学習前の燃料付着率推定部22aの出力値xより小
さい値になる。さらに、スロットル開度が増加している
時にスパイクが目標値より大きい方に発生した場合に
は、蒸発時定数推定部22bで蒸発時定数を実際の蒸発
時定数より小さい値に推定していることになるので、獲
得された教師データτtは、学習前の蒸発時定数推定部
22bの出力値τより大きい値になり、逆にスパイクが
目標値より小さい方に発生した場合には、推定した蒸発
時定数が実際の蒸発時定数より大きいということになる
ので、獲得された教師データτTは、学習前の蒸発時定
数推定部22bの出力値τより小さい値になる。さら
に、スロットル開度が減少している時にスパイクが目標
値より小さい方に発生した場合には、蒸発時定数推定部
22bで蒸発時定数を実際の蒸発時定数より小さい値に
推定していることになるので、獲得された教師データτ
tは、学習前の蒸発時定数推定部22bの出力値τより
大きい値になり、逆にスパイクが目標値より大きい方に
発生した場合には、推定した蒸発時定数が実際の蒸発時
定数より大きいということになるので、獲得された教師
データτTは、学習前の蒸発時定数推定部22bの出力
値τより小さい値になる。以上のようにしてモデル補正
部60は、運転状態点a1から運転状態点a2にスロッ
トル開度が変化した時の教師データxt及びτtを獲得
する。図7及び図8に戻って説明すると、前述のように
してモデル補正部60で得られた教師データxtは、運
転状態点a1(エンジン回転数1000rpm及びスロ
ットル開度0度)から運転状態点a2(エンジン回転数
1000rpm及びスロットル開度10度)に過渡的に
変化した時、即ち、スロットルが過渡的に開けられた時
の運転状態a1及び運転状態a2に対する教師データx
t(a1;a2)及びτt(a1;a2)として獲得さ
れ記憶される。図8の実施例では、運転状態点間の相互
の変化、即ち、運転状態点a1から運転状態点a2への
変化(スロットル開度が開く変化)と、運転状態点a2
から運転状態点a1への変化(スロットル開度が閉じる
変化)との両方の教師データxt(a1;a2)及びx
t(a2;a1)、τt(a1;a2)及びτt(a
2;a1)を獲得する。ここで、過渡的に変化した二つ
の運転状態点a1及びa2に対する燃料付着率x及び蒸
発時定数τの影響について簡単に説明する。例えば、燃
料付着率推定部22aの燃料付着率xが運転状態点a2
については実際の燃料付着率と同じ値を獲得している
が、運転状態点a1については実際の燃料付着率より小
さい値になっている場合、運転状態点a1での燃料付着
率xが実際の燃料付着率より小さい値になっているた
め、蒸発燃料量a・Mwも実際の蒸発燃料量よりも小さ
い値となる。この状態で、スロットルを運転状態点a1
から運転状態点a2に過渡的に変化させると、運転状態
点a2での燃料付着率xが合っていても、蒸発燃料量の
変化が一次遅れで遅いため、小さい値に推定された蒸発
燃料量a・Mwの不足分を直接シリンダ内に入る燃料量
で補うようにモデルベース制御部は燃料噴射量(基本操
作量)を増やしてしまい、実際に必要な燃料量よりも多
くシリンダ内に燃料が流入し、空燃比波形は運転状態点
2でリッチスパイクとなる。このように、運転状態点a
1での燃料付着率xの推定量のずれは、スロットルを運
転状態点a1から運転状態点a2に過渡的に変化させる
と、運転状態点a2での空燃比波形に影響を及ぼす。一
方、蒸発時定数については、例えば、スロットルを運転
状態点a1から運転状態点a2に過渡的に変化させる時
に、運転状態点a1での推定蒸発時定数τが実際の蒸発
時定数からずれていても付着分と蒸発分が等しくなって
いれば、空燃比波形には影響は与えないが、運転状態点
a2での推定蒸発時定数τがずれていると、過渡的に変
化させた時に推定蒸発燃料量の応答が変わり、それに合
わせて燃料噴射量を決定するので、空燃比波形に影響を
与えることになる。従って、燃料付着率推定部22aに
ついては、二つの運転状態点間の相互の変化で得られた
教師データxt(a1;a2)及びxt(a2;a1)
を加算した値を各運転状態点a1及びa2の教師データ
とし、蒸発時定数推定部22bについては、運転状態点
a1から運転状態点a2に変化させた時に得られた教師
データτt(a1;a2)を運転状態点a1の教師デー
タとし、反対に変化させた時に得られた教師データτt
(a2;a1)を運転状態点a2の教師データとしてそ
れぞれ獲得する。本実施例では、モデルをマップで構成
しているので、教師データに基づく各出力パラメータの
学習では、前記した各教師データの値がそのまま、対応
する運転状態点の新しい出力パラメータとして記憶され
る。上記した処理は、運転状態点a1及びa2間で運転
状態を相互に変化させた時に、目標空燃比に対する排気
空燃比のずれが許容値以下になるまで、繰り返し行わ
れ、その都度、教師データを獲得して出力パラメータを
更新していく。初期学習を行う場合、一方の運転状態パ
ラメータを固定して、他方の運転状態パラメータを運転
状態点間で過渡的に変化させるため、一方の運転状態パ
ラメータを固定したまま、他方の運転状態パラメータを
連続する運転状態間で次々に変化させていき、各運転状
態点における出力パラメータの設定を行っていった方が
好ましい。従って、運転状態点a1及びa2の出力パラ
メータの設定が終了した後は、図7における分割運転領
域bを画定する運転状態点a2及びa3間でスロットル
開度を過渡的に変化させて出力パラメータの設定を行
う。この時、運転状態点a2における出力パラメータ値
は既に設定されているが、運転状態点a3についても、
仮に運転状態点a2における出力パラメータ値に設定し
て処理を行うと空燃比の早期安定化が図れる。上記した
状態で、運転状態点a1及びa2の出力パラメータ値を
設定した処理と同じ処理を行い、モデル補正部60で最
終的な教師データxt(a2;a3)及びxt(a3;
a2)、τt(a2;a3)及びτt(a3;a2)を
獲得する。蒸発時定数推定部22bについては、獲得し
た教師データをそのまま各運転状態点a2及びa3の教
師データとして更新するが、燃料付着率xについては、
変化させる前後の運転状態点a2及びa3の両方に影響
を及ぼすため、一つの運転状態点a2に対して二つの教
師データxt(a1;a2)+xt(a2;a1)と、
xt(a2;a3)+xt(a3;a2)が獲得される
ことになる。モデル補正部60は、上記したように一つ
の運転状態点(例えば、a2)に対して異なる分割運転
領域(例えば、A及びB)に関する二つの教師データを
獲得すると、二つの教師データの平均値をその運転状態
点の教師データとして出力する。従って、この場合に
は、目標空燃比に対する排気空燃比のずれ量が許容値以
下になるまで運転状態点a2からa3の間でスロットル
開度を過渡的に変化させ、それにより得られた教師デー
タxt(a2;a3)+xt(a3:a2)は、運転状
態点a3に対してはそのまま出力されるが、運転状態点
a2に対しては、前回の運転状態点a2に対する教師デ
ータxt(a1;a2)+xt(a2;a1)と今回得
られた教師データxt(a2;a3)+xt(a3;a
2)との平均値が教師データXTとして出力される。以
上説明した処理を全ての運転状態点に対して行い、それ
により、各運転状態点に対する最適な出力パラメータ値
(燃料付着率x)が得られると、初期学習の処理は終了
し、図5に示すようなマップが得られる。
【0014】(オンライン学習について)全ての初期学
習が終了すると、制御装置10は、エンジンに実装され
て使用される。しかし、上記したように予め初期学習で
全ての出力パラメータを最適値に設定しても、内燃機関
駆動後に、内燃機関の経時変化や内燃機関を使用する環
境の変化等により基礎データと実際の内燃機関における
動的挙動とのずれが生じる。従って、モデル補正部60
は、エンジンに実装されて制御装置10が作動している
間も、各検知手段12,13,14からの情報と空燃比
センサ15に基づいて実際の運転状態パラメータ(エン
ジン回転数及びスロットル開度)と、排気空燃比とを監
視し、運転状態が過渡的に変化して空燃比スパイクが生
じた時に、過渡的に変化する前後の各運転状態に一番近
い運転状態点に対する教師データを前述の初期学習と同
じ方法で獲得して各運転状態点に対してオンラインでの
補正学習を行わせる。
習が終了すると、制御装置10は、エンジンに実装され
て使用される。しかし、上記したように予め初期学習で
全ての出力パラメータを最適値に設定しても、内燃機関
駆動後に、内燃機関の経時変化や内燃機関を使用する環
境の変化等により基礎データと実際の内燃機関における
動的挙動とのずれが生じる。従って、モデル補正部60
は、エンジンに実装されて制御装置10が作動している
間も、各検知手段12,13,14からの情報と空燃比
センサ15に基づいて実際の運転状態パラメータ(エン
ジン回転数及びスロットル開度)と、排気空燃比とを監
視し、運転状態が過渡的に変化して空燃比スパイクが生
じた時に、過渡的に変化する前後の各運転状態に一番近
い運転状態点に対する教師データを前述の初期学習と同
じ方法で獲得して各運転状態点に対してオンラインでの
補正学習を行わせる。
【0015】上記したように、モデルを構成する運転状
態パラメータの全領域を複数の分割運転領域に分け、各
分割運転領域を画定する二つの運転状態点間で過渡的に
運転状態を変化させ、その時に生じる目標空燃比に対す
る排気空燃比のずれ量から、過渡的に変化させた二つの
運転状態点におけるモデルの出力パラメータを補正する
教師データを獲得すると共に、一つの運転状態点に対し
て二つの教師データを獲得した場合には、それらの平均
値を教師データとして獲得することでモデルの初期学習
を行うことにより、複雑な演算なしに、運転状態パラメ
ータの全領域で出力パラメータが滑らかに変化するモデ
ルを得ることができるという効果を奏する。また、各運
転状態点における教師データの獲得を、目標空燃比に対
する排気空燃比のずれ量が許容値以上になってから、安
定判別値以下になるまでの、前記ずれ量の特性をピーク
値及び積分値に分け、これらを用いて燃料付着率推定部
22a及び蒸発時定数推定部22bにおけるモデルのず
れを補正するための教師データを獲得するように構成す
ることにより、使用中に前記モデルを、適用するエンジ
ンの個体差、使用環境の変化、経時変化等に追従してそ
れらの適合させることができ、煩雑な作業なしに常に最
適なモデルで空燃比制御を行うことができるようにな
る。
態パラメータの全領域を複数の分割運転領域に分け、各
分割運転領域を画定する二つの運転状態点間で過渡的に
運転状態を変化させ、その時に生じる目標空燃比に対す
る排気空燃比のずれ量から、過渡的に変化させた二つの
運転状態点におけるモデルの出力パラメータを補正する
教師データを獲得すると共に、一つの運転状態点に対し
て二つの教師データを獲得した場合には、それらの平均
値を教師データとして獲得することでモデルの初期学習
を行うことにより、複雑な演算なしに、運転状態パラメ
ータの全領域で出力パラメータが滑らかに変化するモデ
ルを得ることができるという効果を奏する。また、各運
転状態点における教師データの獲得を、目標空燃比に対
する排気空燃比のずれ量が許容値以上になってから、安
定判別値以下になるまでの、前記ずれ量の特性をピーク
値及び積分値に分け、これらを用いて燃料付着率推定部
22a及び蒸発時定数推定部22bにおけるモデルのず
れを補正するための教師データを獲得するように構成す
ることにより、使用中に前記モデルを、適用するエンジ
ンの個体差、使用環境の変化、経時変化等に追従してそ
れらの適合させることができ、煩雑な作業なしに常に最
適なモデルで空燃比制御を行うことができるようにな
る。
【0016】尚、上記したずれ量の特性の分割は、本実
施例に限定されることなく、変化が推定燃料量の変化と
して応答性よく現れるという燃料付着率の特性と、変化
が推定燃料量に現れるに時間がかかるという蒸発時定数
の特性とが反映される特性に分割できれば任意の分割方
法でよく、例えば、図12(a)〜(c)に示すよう
に、ずれ量を早期に現れる特性(即ち、前半部の積分
値)と遅く現れる特性(即ち、後半部の積分値)とに分
割して前半部の積分値に基づいて燃料付着率の教師デー
タを、後半部の積分値に基づいて蒸発時定数の教師デー
タを獲得するようにしてもよい。図12(a)は、ずれ
量の特性の分割の別の例を示す図であり、この例では、
ずれ量を、ピーク値Pを境に前半部と後半部とに分割し
ており、各々の積分値S1及びS2に基づいて各教師デ
ータの獲得を行う。図12(b)は、ずれ量の特性の分
割のさらに別の例を示す図であり、この例では、ずれ
(スパイク)発生時間を予め決められた比率(例えば、
1対3)で前半部と後半部とに分割しており、各々の積
分値S1及びS2に基づいて各教師データの獲得を行
う。図12(c)は、ずれ量の特性の分割のさらに別の
例を示す図であり、この例では、ずれ(スパイク)発生
時から所定の時間(例えば、100ms)を境にずれ量
を前半部と後半部とに分割しており、各々の積分値S1
及びS2に基づいて各教師データの獲得を行う。
施例に限定されることなく、変化が推定燃料量の変化と
して応答性よく現れるという燃料付着率の特性と、変化
が推定燃料量に現れるに時間がかかるという蒸発時定数
の特性とが反映される特性に分割できれば任意の分割方
法でよく、例えば、図12(a)〜(c)に示すよう
に、ずれ量を早期に現れる特性(即ち、前半部の積分
値)と遅く現れる特性(即ち、後半部の積分値)とに分
割して前半部の積分値に基づいて燃料付着率の教師デー
タを、後半部の積分値に基づいて蒸発時定数の教師デー
タを獲得するようにしてもよい。図12(a)は、ずれ
量の特性の分割の別の例を示す図であり、この例では、
ずれ量を、ピーク値Pを境に前半部と後半部とに分割し
ており、各々の積分値S1及びS2に基づいて各教師デ
ータの獲得を行う。図12(b)は、ずれ量の特性の分
割のさらに別の例を示す図であり、この例では、ずれ
(スパイク)発生時間を予め決められた比率(例えば、
1対3)で前半部と後半部とに分割しており、各々の積
分値S1及びS2に基づいて各教師データの獲得を行
う。図12(c)は、ずれ量の特性の分割のさらに別の
例を示す図であり、この例では、ずれ(スパイク)発生
時から所定の時間(例えば、100ms)を境にずれ量
を前半部と後半部とに分割しており、各々の積分値S1
及びS2に基づいて各教師データの獲得を行う。
【0017】尚、以上説明した実施例では、各教師デー
タxt及びτtをスロットル開度の増加及び減少に対応
した二種類の演算式で求めているが、これは本実施例に
限定されることなく、例えば、スロットル開度の微分値
dαを算出し、この微分値dαを用いて、各教師データ
毎の二種類の式を次式(5)及び(6)のように統一し
てもよい。 xt = x + Kx × dα ×(P−E) ・・・・(5) τt = τ + Kτ × dα × S ・・・・(6)
タxt及びτtをスロットル開度の増加及び減少に対応
した二種類の演算式で求めているが、これは本実施例に
限定されることなく、例えば、スロットル開度の微分値
dαを算出し、この微分値dαを用いて、各教師データ
毎の二種類の式を次式(5)及び(6)のように統一し
てもよい。 xt = x + Kx × dα ×(P−E) ・・・・(5) τt = τ + Kτ × dα × S ・・・・(6)
【0018】また、以上説明した実施例では、ピーク値
が一つしかない空燃比スパイクを例に挙げて教師データ
の獲得処理について説明しているが、これは本実施例に
限定されることなく、ピーク値が複数ある空燃比スパイ
クが発生した場合には、適当な空燃比スパイク(例え
ば、一番始めのピーク値又は最大ピーク値)が選択され
得る。
が一つしかない空燃比スパイクを例に挙げて教師データ
の獲得処理について説明しているが、これは本実施例に
限定されることなく、ピーク値が複数ある空燃比スパイ
クが発生した場合には、適当な空燃比スパイク(例え
ば、一番始めのピーク値又は最大ピーク値)が選択され
得る。
【0019】また、上記した実施例では、各運転状態点
における出力パラメータに対する修正値をそのまま教師
データとして獲得するよう説明しているが、これは本実
施例に限定されることなく、例えば、図13に示すよう
に出力パラメータに対する修正幅を教師データとして獲
得し、各出力パラメータを更新していってもよい。さら
に、上記した実施例では、一つの運転状態点に対して、
異なる分割運転領域に関する二つの教師データを獲得し
た場合には、それらの平均値を教師データとして獲得す
るよう説明しているが、これは本実施例に限定されるこ
となく、獲得した二つの教師データの中間値であれば任
意の値から教師データは獲得され得る。さらにまた、本
実施例では、エンジンの運転状態を等間隔に分割してい
るが、これは本実施例に限定されることなく任意に分割
され得る。また、本実施例では、マップを用いて燃料の
動的挙動のモデル化を行っているが、モデル化方法は本
実施例に限定されることなく、学習可能なフィードフォ
ワード制御ロジックを用いた方法であれば、任意のモデ
ル化方法でよく、例えば、ファジィニューラル回路網や
ニューラル回路網等が用いられ得る。尚、ファジィニュ
ーラル回路網を用いる場合には、各運転状態点に対する
最適なファジィニューラル回路網の出力値を教師データ
として獲得し、それらの教師データに基づいて、ファジ
ィニューラル回路網に用いられる各層間の適当な結合係
数の初期学習又はオンライン学習が行われ得る。
における出力パラメータに対する修正値をそのまま教師
データとして獲得するよう説明しているが、これは本実
施例に限定されることなく、例えば、図13に示すよう
に出力パラメータに対する修正幅を教師データとして獲
得し、各出力パラメータを更新していってもよい。さら
に、上記した実施例では、一つの運転状態点に対して、
異なる分割運転領域に関する二つの教師データを獲得し
た場合には、それらの平均値を教師データとして獲得す
るよう説明しているが、これは本実施例に限定されるこ
となく、獲得した二つの教師データの中間値であれば任
意の値から教師データは獲得され得る。さらにまた、本
実施例では、エンジンの運転状態を等間隔に分割してい
るが、これは本実施例に限定されることなく任意に分割
され得る。また、本実施例では、マップを用いて燃料の
動的挙動のモデル化を行っているが、モデル化方法は本
実施例に限定されることなく、学習可能なフィードフォ
ワード制御ロジックを用いた方法であれば、任意のモデ
ル化方法でよく、例えば、ファジィニューラル回路網や
ニューラル回路網等が用いられ得る。尚、ファジィニュ
ーラル回路網を用いる場合には、各運転状態点に対する
最適なファジィニューラル回路網の出力値を教師データ
として獲得し、それらの教師データに基づいて、ファジ
ィニューラル回路網に用いられる各層間の適当な結合係
数の初期学習又はオンライン学習が行われ得る。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る内燃
機関の空燃比制御装置における初期学習方法は、少なく
とも学習機能付きフィードフォワード制御ロジックを用
いて、エンジンの運転状態に関するパラメータに対する
燃料噴射装置から噴射された燃料の動的挙動を燃料付着
率としてモデル化した燃料系順モデルを有する内燃機関
の順モデルを用いてエンジンの排気空燃比を目標とする
空燃比に合わせて制御する内燃機関の空燃比制御装置に
おいて、前記運転状態に関するパラメータの全域を複数
の分割運転状態領域に分割し、一つの分割運転状態領域
を画定する運転状態点間で運転状態に関するパラメータ
を過渡的に変化させ、その時に生じる排気空燃比の目標
空燃比に対するずれに基づいて、変化させた二つの運転
状態点に対する燃料付着率の教師データを獲得し、前記
教師データに基づいてモデルの前記各運転状態点に対す
る燃料付着率及び蒸発時定数の学習を行うと共に、一つ
の運転状態点に対して異なる分割領域間に関する二つの
異なる教師データを獲得した場合には、二つの教師デー
タの中間値を、その対応する運転状態点の教師データと
して獲得するので、運転状態を過渡的に変化させた時に
その変化の前後の運転状態点に影響を及ぼす燃料付着率
の最適値を複雑な演算なしに求めることができるように
なり、かつ、運転状態全域にわたって滑らかに変化する
燃料付着率を初期学習終了後に得ることができる。従っ
て、複雑なパラメータの初期設定をより正確に、かつ迅
速に行うことができるようになるという効果を奏する。
機関の空燃比制御装置における初期学習方法は、少なく
とも学習機能付きフィードフォワード制御ロジックを用
いて、エンジンの運転状態に関するパラメータに対する
燃料噴射装置から噴射された燃料の動的挙動を燃料付着
率としてモデル化した燃料系順モデルを有する内燃機関
の順モデルを用いてエンジンの排気空燃比を目標とする
空燃比に合わせて制御する内燃機関の空燃比制御装置に
おいて、前記運転状態に関するパラメータの全域を複数
の分割運転状態領域に分割し、一つの分割運転状態領域
を画定する運転状態点間で運転状態に関するパラメータ
を過渡的に変化させ、その時に生じる排気空燃比の目標
空燃比に対するずれに基づいて、変化させた二つの運転
状態点に対する燃料付着率の教師データを獲得し、前記
教師データに基づいてモデルの前記各運転状態点に対す
る燃料付着率及び蒸発時定数の学習を行うと共に、一つ
の運転状態点に対して異なる分割領域間に関する二つの
異なる教師データを獲得した場合には、二つの教師デー
タの中間値を、その対応する運転状態点の教師データと
して獲得するので、運転状態を過渡的に変化させた時に
その変化の前後の運転状態点に影響を及ぼす燃料付着率
の最適値を複雑な演算なしに求めることができるように
なり、かつ、運転状態全域にわたって滑らかに変化する
燃料付着率を初期学習終了後に得ることができる。従っ
て、複雑なパラメータの初期設定をより正確に、かつ迅
速に行うことができるようになるという効果を奏する。
【図1】 エンジン1と本発明に係る予測学習方法を用
いてエンジン1の空燃比制御を行う制御装置10との関
係を示す概略図である。
いてエンジン1の空燃比制御を行う制御装置10との関
係を示す概略図である。
【図2】 制御装置10の構成を示す概略ブロック図で
ある。
ある。
【図3】 図2におけるモデルベース制御部20の構成
を示す概略ブロック図である。
を示す概略ブロック図である。
【図4】 燃料系順モデル22の構成を示す概略ブロッ
ク図である。
ク図である。
【図5】 燃料系のモデルイメージ図である。
【図6】 燃料付着率推定部を構成するマップを示して
いる。
いる。
【図7】 燃料付着率推定部を構成するマップの初期学
習前の初期状態を示している。
習前の初期状態を示している。
【図8】 初期学習実行中のスロットル開度、空燃比波
形及び燃料付着率(教師データ)の関係を示すグラフで
ある。
形及び燃料付着率(教師データ)の関係を示すグラフで
ある。
【図9】 過渡時の排気空燃比の変化の詳細の一例を示
す図である。
す図である。
【図10】 モデル補正部の処理の流れを示すフローチ
ャートである。
ャートである。
【図11】 モデル補正部における教師データの獲得処
理の流れを示すフローチャートである。
理の流れを示すフローチャートである。
【図12】 (a)〜(c)は過渡時の排気空燃比ずれ
量の成分分割の別の例を各々示している。
量の成分分割の別の例を各々示している。
【図13】 初期学習の別の実施例を示す図8に対応す
る図である。
る図である。
1 エンジン 2 吸気管 3 エアクリーナ 4 燃料噴射装置 5 シリンダ 6 排気管 7 クランクケース 8 スロットルバルブ 10 制御装置 12 スロットル開度検知手段 13 クランク角検知手段 14 吸気管壁温検知手段 15 空燃比センサ 20 モデルベース制御部 21 空気系順モデル 22 燃料系順モデル 22a 燃料付着率推定部 22b 蒸発時定数推定部 22c 非付着燃料演算部 22d 付着燃料演算 22e 蒸発燃料量演算部 23 推定空燃比演算部 24 基本操作量演算部 30 エンジン回転数演算部 40 目標空燃比算出部 50 変換部 60 モデル補正部 N エンジン回転数 α スロットル開度 Te 吸気管壁温 E 制御量 Ep 目標制御量 Ev 推定制御量 Mf 操作量 Av 推定空気量 Fv 推定燃料量 x 燃料付着率 τ 推定蒸発時定数 xt 教師データ(燃料付着率推定部) τt 教師データ(蒸発時定数推定部)
Claims (2)
- 【請求項1】 燃料噴射装置から噴射された燃料の動的
挙動を少なくとも燃料付着率としてモデル化し、該モデ
ルを用いて排気空燃比を制御する内燃機関の空燃比制御
装置において、 前記運転状態に関するパラメータを複数領域に割り付け
て、 一つの領域を画定する運転状態点間で運転条件を過渡的
に変化させ、 その時に生じる排気空燃比の目標空燃比に対するずれに
基づいて、変化させた二つの運転状態点の燃料付着率の
教師データを獲得し、 前記教師データに基づいてモデルの学習を行うと共に、 同一の運転状態点に対して異なる領域に関する複数の異
なる教師データを獲得した場合には、それら複数の教師
データの中間値を、その対応する運転状態点の教師デー
タとして獲得することを特徴とする内燃機関の空燃比制
御装置における学習方法。 - 【請求項2】 前記中間値が、複数の教師データの平均
値であることを特徴とする請求項1に記載の学習方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10132197A JPH11324782A (ja) | 1998-05-14 | 1998-05-14 | 内燃機関の空燃比制御装置における学習方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10132197A JPH11324782A (ja) | 1998-05-14 | 1998-05-14 | 内燃機関の空燃比制御装置における学習方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11324782A true JPH11324782A (ja) | 1999-11-26 |
Family
ID=15075675
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10132197A Pending JPH11324782A (ja) | 1998-05-14 | 1998-05-14 | 内燃機関の空燃比制御装置における学習方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11324782A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7124015B2 (en) | 2002-07-05 | 2006-10-17 | Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha | Control apparatus for plant |
| JP2010209835A (ja) * | 2009-03-11 | 2010-09-24 | Denso Corp | 内燃機関の排気浄化装置 |
| JP2014096145A (ja) * | 2012-10-22 | 2014-05-22 | Boeing Co | リアルタイム制御システム管理 |
| JP2022072037A (ja) * | 2020-10-29 | 2022-05-17 | 株式会社ジャパンエンジンコーポレーション | 主機制御システム |
| JP2022530504A (ja) * | 2019-04-26 | 2022-06-29 | パーキンズ エンジンズ カンパニー リミテッド | エンジン制御システム |
-
1998
- 1998-05-14 JP JP10132197A patent/JPH11324782A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7124015B2 (en) | 2002-07-05 | 2006-10-17 | Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha | Control apparatus for plant |
| JP2010209835A (ja) * | 2009-03-11 | 2010-09-24 | Denso Corp | 内燃機関の排気浄化装置 |
| JP2014096145A (ja) * | 2012-10-22 | 2014-05-22 | Boeing Co | リアルタイム制御システム管理 |
| JP2022530504A (ja) * | 2019-04-26 | 2022-06-29 | パーキンズ エンジンズ カンパニー リミテッド | エンジン制御システム |
| JP2022072037A (ja) * | 2020-10-29 | 2022-05-17 | 株式会社ジャパンエンジンコーポレーション | 主機制御システム |
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