JPH11326081A - トルクセンサ素子及びその製造方法 - Google Patents
トルクセンサ素子及びその製造方法Info
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- JPH11326081A JPH11326081A JP10134032A JP13403298A JPH11326081A JP H11326081 A JPH11326081 A JP H11326081A JP 10134032 A JP10134032 A JP 10134032A JP 13403298 A JP13403298 A JP 13403298A JP H11326081 A JPH11326081 A JP H11326081A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 磁性体皮膜中に空隙欠陥等が無く、磁歪発現
特性等の磁気特性に優れたトルクセンサ素子及びその製
造方法を提供する。 【解決手段】 非磁性体からなる基体11に、磁性体か
らなる皮膜13が形成され、皮膜13の磁歪により回転
体のトルクを検出するトルクセンサ素子において、皮膜
13は、可燃性気体および/または可燃性液体を燃料と
し、この燃料を酸素を用いて燃焼させて0.3〜0.9
MPaの燃焼圧力を有する火炎とし、この火炎中に溶射
材料粉末を供給する高速ガス炎溶射法により形成してな
ることを特徴とする。
特性等の磁気特性に優れたトルクセンサ素子及びその製
造方法を提供する。 【解決手段】 非磁性体からなる基体11に、磁性体か
らなる皮膜13が形成され、皮膜13の磁歪により回転
体のトルクを検出するトルクセンサ素子において、皮膜
13は、可燃性気体および/または可燃性液体を燃料と
し、この燃料を酸素を用いて燃焼させて0.3〜0.9
MPaの燃焼圧力を有する火炎とし、この火炎中に溶射
材料粉末を供給する高速ガス炎溶射法により形成してな
ることを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、皮膜の磁歪により
回転体のトルクを検出するトルクセンサ素子及びその製
造方法に関するものである。
回転体のトルクを検出するトルクセンサ素子及びその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、回転体のトルクを検出するトルク
センサとしては、例えば、特開昭60−206421号
公報において提案されている磁歪式トルクセンサがあ
る。この磁歪式トルクセンサは、トルク伝達軸の表面に
磁歪膜を形成し、その外周に検出コイルを配したもの
で、トルク伝達軸に回転トルクが印加されると、軸外周
表面の磁歪膜に軸の長手方向に対し45゜方向の主応力
が発生し、これにより磁歪膜の透磁率が変化し、外周に
配したコイルのインダクタンスが変化し、このインダク
タンスの変化を電気信号として出力することにより、回
転体のトルクを検出する構成である。この磁歪式トルク
センサの感度及び精度は、この磁歪膜の性能に左右され
る。
センサとしては、例えば、特開昭60−206421号
公報において提案されている磁歪式トルクセンサがあ
る。この磁歪式トルクセンサは、トルク伝達軸の表面に
磁歪膜を形成し、その外周に検出コイルを配したもの
で、トルク伝達軸に回転トルクが印加されると、軸外周
表面の磁歪膜に軸の長手方向に対し45゜方向の主応力
が発生し、これにより磁歪膜の透磁率が変化し、外周に
配したコイルのインダクタンスが変化し、このインダク
タンスの変化を電気信号として出力することにより、回
転体のトルクを検出する構成である。この磁歪式トルク
センサの感度及び精度は、この磁歪膜の性能に左右され
る。
【0003】この磁歪膜を形成する方法は、例えば、特
開昭59−166827号公報において提案されてい
る。この方法は、磁歪膜であるアモルファス膜を軸に接
着剤で貼り付ける方法で、この場合、接着剤のクリープ
変形によりセンサ特性の経時変化が増大するという問題
がある。そこで、トルク伝達軸に直接成膜することが可
能で、しかも所望の肉厚が生産性良く得られる方法とし
ては、例えば、特開平4−346043号公報において
提案されている溶射法による磁歪膜形成方法がある。こ
の方法では、大気プラズマ溶射法もしくは減圧プラズマ
溶射法を用いて成膜した後、非酸化雰囲気で熱処理し拡
散接合することで、良好な磁歪膜を形成することができ
るとされている。
開昭59−166827号公報において提案されてい
る。この方法は、磁歪膜であるアモルファス膜を軸に接
着剤で貼り付ける方法で、この場合、接着剤のクリープ
変形によりセンサ特性の経時変化が増大するという問題
がある。そこで、トルク伝達軸に直接成膜することが可
能で、しかも所望の肉厚が生産性良く得られる方法とし
ては、例えば、特開平4−346043号公報において
提案されている溶射法による磁歪膜形成方法がある。こ
の方法では、大気プラズマ溶射法もしくは減圧プラズマ
溶射法を用いて成膜した後、非酸化雰囲気で熱処理し拡
散接合することで、良好な磁歪膜を形成することができ
るとされている。
【0004】また、特開平6−174568号公報にお
いて、応力・歪検出装置用超磁歪皮膜形成方法が提案さ
れている。この方法は、大気中で不活性ガス雰囲気に保
持しつつ、超磁歪材料である酸化し易い希土類ー鉄合金
粉をプラズマ溶射することを特徴としており、良好な磁
歪膜を形成することができるとされている。
いて、応力・歪検出装置用超磁歪皮膜形成方法が提案さ
れている。この方法は、大気中で不活性ガス雰囲気に保
持しつつ、超磁歪材料である酸化し易い希土類ー鉄合金
粉をプラズマ溶射することを特徴としており、良好な磁
歪膜を形成することができるとされている。
【0005】図7は従来のトルクセンサ素子の溶射皮膜
の一例を示す模式図であり、非磁性ステンレス棒鋼等か
らなる基体1の表面に、大気プラズマ溶射法によりNi
−Fe合金等の軟磁性体からなる金属粒子2、2、…を
積層した溶射皮膜3が形成されている。この金属粒子2
の表面には金属酸化物4が形成され、基体1と金属粒子
2との間及び金属粒子2、2間には気孔5が形成されて
いる。このように、大気プラズマ溶射法により得られた
溶射皮膜3は気孔率が高くなっている。
の一例を示す模式図であり、非磁性ステンレス棒鋼等か
らなる基体1の表面に、大気プラズマ溶射法によりNi
−Fe合金等の軟磁性体からなる金属粒子2、2、…を
積層した溶射皮膜3が形成されている。この金属粒子2
の表面には金属酸化物4が形成され、基体1と金属粒子
2との間及び金属粒子2、2間には気孔5が形成されて
いる。このように、大気プラズマ溶射法により得られた
溶射皮膜3は気孔率が高くなっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、非磁
性を有する基体の表面に磁性を有する皮膜を溶射法で形
成することにより、高性能の磁歪センサ素子を得る方法
については、既に様々な提案がなされている。特に、大
気プラズマ溶射法や減圧プラズマ溶射法を用いた提案は
少なくない。しかしながら、磁歪検出に要求される強磁
性体粒子積層物からなる溶射皮膜の特性については、こ
れまでのところ満足すべきものは得られていない。
性を有する基体の表面に磁性を有する皮膜を溶射法で形
成することにより、高性能の磁歪センサ素子を得る方法
については、既に様々な提案がなされている。特に、大
気プラズマ溶射法や減圧プラズマ溶射法を用いた提案は
少なくない。しかしながら、磁歪検出に要求される強磁
性体粒子積層物からなる溶射皮膜の特性については、こ
れまでのところ満足すべきものは得られていない。
【0007】例えば、大気プラズマ溶射法においては、
溶射粒子の加速性能が必ずしも高くないために、得られ
た溶射皮膜には、気孔、粒子間未接合部等の空隙欠陥が
多数存在することとなり、素子基体の機械的歪みに対応
する磁気歪み、すなわち磁歪発現特牲が十分なものが得
られないという問題点があった。また、通常の大気プラ
ズマ溶射法に用いられるプラズマガンは、プラズマジェ
ットが周囲の大気を不可避的に巻き込むため、溶射粒子
が金属の場合、この金属粒子が溶射飛行中に酸化し、こ
の金属酸化物が形成されつつある金属皮膜内に取り込ま
れることとなり、その結果、前記金属皮膜中の酸素量が
高くなり、この金属皮膜の磁気特性を阻害するという問
題点があった。
溶射粒子の加速性能が必ずしも高くないために、得られ
た溶射皮膜には、気孔、粒子間未接合部等の空隙欠陥が
多数存在することとなり、素子基体の機械的歪みに対応
する磁気歪み、すなわち磁歪発現特牲が十分なものが得
られないという問題点があった。また、通常の大気プラ
ズマ溶射法に用いられるプラズマガンは、プラズマジェ
ットが周囲の大気を不可避的に巻き込むため、溶射粒子
が金属の場合、この金属粒子が溶射飛行中に酸化し、こ
の金属酸化物が形成されつつある金属皮膜内に取り込ま
れることとなり、その結果、前記金属皮膜中の酸素量が
高くなり、この金属皮膜の磁気特性を阻害するという問
題点があった。
【0008】一方、減圧プラズマ溶射法においては、溶
射皮膜を構成する粒子間の酸化皮膜を低減することがで
きることが解っており、大気プラズマ溶射法における問
題点がかなり改善されることが明らかになっている。し
かしながら、この方法には、装置にかかる初期費用が大
きく、また、運転する場合においても溶射加工費用対効
果に問題が残されているために、工業的には、高価な設
備費及び運転経費等の費用対効果比が大きいという問題
点があった。
射皮膜を構成する粒子間の酸化皮膜を低減することがで
きることが解っており、大気プラズマ溶射法における問
題点がかなり改善されることが明らかになっている。し
かしながら、この方法には、装置にかかる初期費用が大
きく、また、運転する場合においても溶射加工費用対効
果に問題が残されているために、工業的には、高価な設
備費及び運転経費等の費用対効果比が大きいという問題
点があった。
【0009】また、溶射原料粉末として希土類ー鉄合金
粉を用いる方法も提案されているが、この方法には、希
土類元素そのものが高価であることから製造コストが高
コストになってしまうという問題点、及び、希土類が活
性を有するために粉塵爆発が起こる危険性が増大すると
いう問題点があり、これらの問題点を克服するまでには
至っていない。
粉を用いる方法も提案されているが、この方法には、希
土類元素そのものが高価であることから製造コストが高
コストになってしまうという問題点、及び、希土類が活
性を有するために粉塵爆発が起こる危険性が増大すると
いう問題点があり、これらの問題点を克服するまでには
至っていない。
【0010】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
のであって、磁性体皮膜中に空隙欠陥等が無く、磁歪発
現特性等の磁気特性に優れたトルクセンサ素子及びその
製造方法を提供することを目的とする。
のであって、磁性体皮膜中に空隙欠陥等が無く、磁歪発
現特性等の磁気特性に優れたトルクセンサ素子及びその
製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は次の様なトルクセンサ素子及びその製造方
法を提供する。すなわち、請求項1記載のトルクセンサ
素子は、非磁性体からなる基体に、磁性体からなる皮膜
が形成され、該皮膜の磁歪により回転体のトルクを検出
するトルクセンサ素子において、前記皮膜は、可燃性気
体および/または可燃性液体を燃料とし、この燃料を酸
素を用いて燃焼させて0.3〜0.9MPaの燃焼圧力
を有する火炎とし、この火炎中に溶射材料粉末を供給す
る高速ガス炎溶射法により形成してなることを特徴とし
ている。
に、本発明は次の様なトルクセンサ素子及びその製造方
法を提供する。すなわち、請求項1記載のトルクセンサ
素子は、非磁性体からなる基体に、磁性体からなる皮膜
が形成され、該皮膜の磁歪により回転体のトルクを検出
するトルクセンサ素子において、前記皮膜は、可燃性気
体および/または可燃性液体を燃料とし、この燃料を酸
素を用いて燃焼させて0.3〜0.9MPaの燃焼圧力
を有する火炎とし、この火炎中に溶射材料粉末を供給す
る高速ガス炎溶射法により形成してなることを特徴とし
ている。
【0012】請求項2記載のトルクセンサ素子は、請求
項1記載のトルクセンサ素子において、前記溶射材料粉
末は、造粒法により作製されていることを特徴としてい
る。
項1記載のトルクセンサ素子において、前記溶射材料粉
末は、造粒法により作製されていることを特徴としてい
る。
【0013】請求項3記載のトルクセンサ素子は、請求
項1または2記載のトルクセンサ素子において、前記溶
射材料粉末は、磁性体金属粒子からなることを特徴とし
ている。
項1または2記載のトルクセンサ素子において、前記溶
射材料粉末は、磁性体金属粒子からなることを特徴とし
ている。
【0014】請求項4記載のトルクセンサ素子は、請求
項3記載のトルクセンサ素子において、前記磁性体金属
粒子は、Ni−Fe合金を主成分としたことを特徴とし
ている。
項3記載のトルクセンサ素子において、前記磁性体金属
粒子は、Ni−Fe合金を主成分としたことを特徴とし
ている。
【0015】請求項5記載のトルクセンサ素子の製造方
法は、非磁性体からなる基体に、磁性体からなる皮膜
を、可燃性気体および/または可燃性液体を燃料とし、
この燃料を酸素を用いて燃焼させて0.3〜0.9MP
aの燃焼圧力を有する火炎とし、この火炎中に溶射材料
粉末を供給する高速ガス炎溶射法により形成することを
特徴としている。
法は、非磁性体からなる基体に、磁性体からなる皮膜
を、可燃性気体および/または可燃性液体を燃料とし、
この燃料を酸素を用いて燃焼させて0.3〜0.9MP
aの燃焼圧力を有する火炎とし、この火炎中に溶射材料
粉末を供給する高速ガス炎溶射法により形成することを
特徴としている。
【0016】請求項6記載のトルクセンサ素子の製造方
法は、請求項5記載のトルクセンサ素子の製造方法にお
いて、前記溶射材料粉末を、造粒法により作製すること
を特徴としている。
法は、請求項5記載のトルクセンサ素子の製造方法にお
いて、前記溶射材料粉末を、造粒法により作製すること
を特徴としている。
【0017】本発明は、非磁性体からなる基体の表面
に、強磁性を有する磁性体皮膜を高速ガス炎溶射法によ
り形成することにより、高性能の磁歪特性を有するトル
クセンサ素子を得るものである。一般に、磁歪により回
転体のトルクを検出するトルクセンサ素子としての機能
を十分満たすために取り上げるべき要因は種々あるが、
代表的なものは、トルクの大きさに適合したうえで、検
出が十分可能な大きさの磁歪が発現すること、及び保磁
カの大きさが十分小さいことである。
に、強磁性を有する磁性体皮膜を高速ガス炎溶射法によ
り形成することにより、高性能の磁歪特性を有するトル
クセンサ素子を得るものである。一般に、磁歪により回
転体のトルクを検出するトルクセンサ素子としての機能
を十分満たすために取り上げるべき要因は種々あるが、
代表的なものは、トルクの大きさに適合したうえで、検
出が十分可能な大きさの磁歪が発現すること、及び保磁
カの大きさが十分小さいことである。
【0018】本発明の様に、非磁性体からなる基体に磁
性体からなる皮膜を形成したトルクセンサ素子の場合、
磁歪は、基体のわずかな変形に対応する皮膜の磁化特性
の変化であるので、磁性体そのものの機械的歪みは、磁
性体を変形させようとするときの応力に対して極めて敏
感でなければならない。これを満たす最たる条件は、磁
性体からなる溶射皮膜の緻密性である。
性体からなる皮膜を形成したトルクセンサ素子の場合、
磁歪は、基体のわずかな変形に対応する皮膜の磁化特性
の変化であるので、磁性体そのものの機械的歪みは、磁
性体を変形させようとするときの応力に対して極めて敏
感でなければならない。これを満たす最たる条件は、磁
性体からなる溶射皮膜の緻密性である。
【0019】この溶射皮膜内に気孔に代表される微小間
隙が存在すると、この微小間隙が外部応力に対する緩衝
を有するために、歪誤差の要因となる。気孔あるいは未
接合界面等の溶射皮膜の緻密な構造を阻害する要因を除
去すればする程、皮膜の磁歪特性は向上する。そこで、
本発明は、緻密な溶射皮膜を得る目的で、可燃性気体お
よび/または可燃性液体を燃料とし、この燃料を酸素を
用いて燃焼させて0.3〜0.9MPaの燃焼圧力を有
する火炎とし、この火炎中に溶射材料粉末を供給する高
速ガス炎溶射法を採用した。
隙が存在すると、この微小間隙が外部応力に対する緩衝
を有するために、歪誤差の要因となる。気孔あるいは未
接合界面等の溶射皮膜の緻密な構造を阻害する要因を除
去すればする程、皮膜の磁歪特性は向上する。そこで、
本発明は、緻密な溶射皮膜を得る目的で、可燃性気体お
よび/または可燃性液体を燃料とし、この燃料を酸素を
用いて燃焼させて0.3〜0.9MPaの燃焼圧力を有
する火炎とし、この火炎中に溶射材料粉末を供給する高
速ガス炎溶射法を採用した。
【0020】この方法では、火炎中に投入された溶射材
料粉末は、加熱、軟化、溶融、加速、飛行、衝突、扁
平、凝固、積層の各プロセスを経て皮膜となる。溶射材
料粉末は、ガスアトマイズ法により作製した一次粒子を
造粒法により溶射に適した粒径に調整したパーマロイ金
属粉を用いることが好ましい。得られた溶射皮膜は、よ
く知られているように粒子の積層構造であるから、この
溶射皮膜は、積層される各層が均質体であることが好ま
しい。この高速ガス炎溶射法で形成した皮摸は、大気プ
ラズマ溶射法の場合と比べて気孔率が低く、したがっ
て、機械的歪に対して大きな磁歪を示す。
料粉末は、加熱、軟化、溶融、加速、飛行、衝突、扁
平、凝固、積層の各プロセスを経て皮膜となる。溶射材
料粉末は、ガスアトマイズ法により作製した一次粒子を
造粒法により溶射に適した粒径に調整したパーマロイ金
属粉を用いることが好ましい。得られた溶射皮膜は、よ
く知られているように粒子の積層構造であるから、この
溶射皮膜は、積層される各層が均質体であることが好ま
しい。この高速ガス炎溶射法で形成した皮摸は、大気プ
ラズマ溶射法の場合と比べて気孔率が低く、したがっ
て、機械的歪に対して大きな磁歪を示す。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明のトルクセンサ素子及びそ
の製造方法の一実施形態について、図面に基づき説明す
る。図1は本発明の一実施形態のトルクセンサ素子の溶
射皮膜を示す模式図であり、非磁性ステンレス棒鋼等の
非磁性体からなる棒状の基体11の表面には、高速ガス
炎溶射法(HVOF法)を用いてNi−Fe合金等の軟
磁性体からなる金属粒子12、12、…を積層した溶射
皮膜13が形成されている。
の製造方法の一実施形態について、図面に基づき説明す
る。図1は本発明の一実施形態のトルクセンサ素子の溶
射皮膜を示す模式図であり、非磁性ステンレス棒鋼等の
非磁性体からなる棒状の基体11の表面には、高速ガス
炎溶射法(HVOF法)を用いてNi−Fe合金等の軟
磁性体からなる金属粒子12、12、…を積層した溶射
皮膜13が形成されている。
【0022】この溶射皮膜13は、金属粒子12、1
2、…を緻密に積層した構造であるから、気孔や粒子間
未結合部等の空隙欠陥が極めて少なく、積層される各層
が極めて均質性に優れた均質体である。この溶射皮膜1
3の形成に用いられる溶射材料粉末としては、例えば、
ガスアトマイズ法により作製した一次粒子を造粒法によ
り溶射に適した粒径に調整したパーマロイ金属粉が用い
られる。
2、…を緻密に積層した構造であるから、気孔や粒子間
未結合部等の空隙欠陥が極めて少なく、積層される各層
が極めて均質性に優れた均質体である。この溶射皮膜1
3の形成に用いられる溶射材料粉末としては、例えば、
ガスアトマイズ法により作製した一次粒子を造粒法によ
り溶射に適した粒径に調整したパーマロイ金属粉が用い
られる。
【0023】Ni−Fe合金膜のような軟磁性膜により
構成される溶射皮膜13の保磁カの大きさは、主として
膜内部の残留歪み量と、非磁性介在物の量の2点に依存
している。前者は溶射後の歪みを取るために施される焼
鈍により低減することが可能であるが、後者は後工程で
低減することが困難であるから、溶射時の酸化抑制が重
要になる。保磁カの増大は、センサ出カのヒステリシス
を増大させ、センサの精度を低下させる要因となるの
で、好ましくない。
構成される溶射皮膜13の保磁カの大きさは、主として
膜内部の残留歪み量と、非磁性介在物の量の2点に依存
している。前者は溶射後の歪みを取るために施される焼
鈍により低減することが可能であるが、後者は後工程で
低減することが困難であるから、溶射時の酸化抑制が重
要になる。保磁カの増大は、センサ出カのヒステリシス
を増大させ、センサの精度を低下させる要因となるの
で、好ましくない。
【0024】このトルクセンサ素子は、基体11に、溶
射皮膜13を、ケロシン等の可燃性気体および/または
可燃性液体を燃料とし、この燃料を酸素を用いて燃焼さ
せて0.3〜0.9MPaの燃焼圧力を有する火炎と
し、この火炎中に溶射材料粉末を供給する高速ガス炎溶
射法により形成する。ここで、Ni−Fe合金等のよう
な金属粒子12を積層させて溶射皮膜13を形成させる
ときに、金属粒子12の表面に自らを酸化させた酸化物
皮膜が存在していると、酸化物皮膜が存在しない場合と
比べて溶射皮膜の磁気特性が阻害される。
射皮膜13を、ケロシン等の可燃性気体および/または
可燃性液体を燃料とし、この燃料を酸素を用いて燃焼さ
せて0.3〜0.9MPaの燃焼圧力を有する火炎と
し、この火炎中に溶射材料粉末を供給する高速ガス炎溶
射法により形成する。ここで、Ni−Fe合金等のよう
な金属粒子12を積層させて溶射皮膜13を形成させる
ときに、金属粒子12の表面に自らを酸化させた酸化物
皮膜が存在していると、酸化物皮膜が存在しない場合と
比べて溶射皮膜の磁気特性が阻害される。
【0025】図2は高速ガス炎溶射(HV0F)におけ
る溶射材料粉末の供給位置と火炎内での溶射材料粉末の
拡がりを示す模式図であり、溶射材料粉末21は、溶射
ガン22の背面側から火炎23の軸24に沿って供給さ
れ、基体11の表面に積層されて溶射皮膜13となる。
この方法では、火炎23は形状が細く、シャープで、周
囲の大気の巻き込みが少ない。
る溶射材料粉末の供給位置と火炎内での溶射材料粉末の
拡がりを示す模式図であり、溶射材料粉末21は、溶射
ガン22の背面側から火炎23の軸24に沿って供給さ
れ、基体11の表面に積層されて溶射皮膜13となる。
この方法では、火炎23は形状が細く、シャープで、周
囲の大気の巻き込みが少ない。
【0026】また、溶射材料粉末21は溶射ガン22の
背面側から火炎23の軸24に沿って供給されるので、
溶射材料粉末21の火炎23ラジアル方向への拡散移動
はほとんどなく、したがって、溶射材料粉末21の拡が
りd1は細くシャープな火炎23にほぼ重なる。
背面側から火炎23の軸24に沿って供給されるので、
溶射材料粉末21の火炎23ラジアル方向への拡散移動
はほとんどなく、したがって、溶射材料粉末21の拡が
りd1は細くシャープな火炎23にほぼ重なる。
【0027】図3は減圧プラズマ溶射における溶射材料
粉末の供給位置と火炎内での溶射材料粉末の拡がりを示
す模式図であり、溶射材料粉末21は、溶射ガン31よ
り放出される火炎32の軸33に対して略直角方向から
供給され、基体11の表面に積層されて溶射皮膜34と
なる。この方法では、火炎32は形状が太く、ブロード
で、大気を周囲より巻き込む虞がある。また、溶射材料
粉末21は溶射ガン31より放出される火炎32の軸3
3に対して略直角方向から供給されるので、溶射材料粉
末21の火炎23ラジアル方向への拡散移動が大きく、
したがって、溶射材料粉末21の拡がりd2は太くブロ
ードな火炎32にほぼ重なる。
粉末の供給位置と火炎内での溶射材料粉末の拡がりを示
す模式図であり、溶射材料粉末21は、溶射ガン31よ
り放出される火炎32の軸33に対して略直角方向から
供給され、基体11の表面に積層されて溶射皮膜34と
なる。この方法では、火炎32は形状が太く、ブロード
で、大気を周囲より巻き込む虞がある。また、溶射材料
粉末21は溶射ガン31より放出される火炎32の軸3
3に対して略直角方向から供給されるので、溶射材料粉
末21の火炎23ラジアル方向への拡散移動が大きく、
したがって、溶射材料粉末21の拡がりd2は太くブロ
ードな火炎32にほぼ重なる。
【0028】以上説明した様に、高速ガス炎溶射による
場合、シャープな溶射火炎23と火炎23の軸24方向
への溶射材料粉末21の供給により、大気中溶射であっ
ても、空気中の酸素と溶射材料粉末21を構成する金属
粉末との接触の機会は、プラズマ溶射による場合に比べ
てはるかに少なくなる。
場合、シャープな溶射火炎23と火炎23の軸24方向
への溶射材料粉末21の供給により、大気中溶射であっ
ても、空気中の酸素と溶射材料粉末21を構成する金属
粉末との接触の機会は、プラズマ溶射による場合に比べ
てはるかに少なくなる。
【0029】表1は、各種溶射法によるNi−Fe合金
からなる溶射皮膜中の酸素含有量を測定した結果を示す
ものである。 これらの測定結果によれば、高速ガス炎溶射法により形
成した溶射皮膜は、大気プラズマ溶射法の場合に比べ
て、酸素含有量が明らかに少ないことが解る。
からなる溶射皮膜中の酸素含有量を測定した結果を示す
ものである。 これらの測定結果によれば、高速ガス炎溶射法により形
成した溶射皮膜は、大気プラズマ溶射法の場合に比べ
て、酸素含有量が明らかに少ないことが解る。
【0030】よく知られているように、高速ガス炎溶射
法の火炎温度はプラズマ溶射法の火炎温度に比べてはる
かに低いので、Ni−Fe合金等の金属からなる溶射材
料粉末21の温度は融点より低いものとなり、溶射材料
粉末21の一部は軟化するものの全体は溶融することな
く基体11に衝突し積層する。したがって、基体11表
面には圧縮残留応力が存在することとなり、溶射皮膜1
3の密着強度が向上する。圧縮残留応力は、後処理であ
る拡散熱処理で幾分かは消滅するが、実供用状態でねじ
り疲労を受けることがわかっている。
法の火炎温度はプラズマ溶射法の火炎温度に比べてはる
かに低いので、Ni−Fe合金等の金属からなる溶射材
料粉末21の温度は融点より低いものとなり、溶射材料
粉末21の一部は軟化するものの全体は溶融することな
く基体11に衝突し積層する。したがって、基体11表
面には圧縮残留応力が存在することとなり、溶射皮膜1
3の密着強度が向上する。圧縮残留応力は、後処理であ
る拡散熱処理で幾分かは消滅するが、実供用状態でねじ
り疲労を受けることがわかっている。
【0031】図4は、高速ガス炎溶射法により得られた
溶射皮膜(A)と大気プラズマ溶射法により得られた溶
射皮膜(B)の疲労強度を示す図である。ここでは、高
速ガス炎溶射法及び大気プラズマ溶射法それぞれの方法
により、ステンレススチール(SUS304)からなる
基体11の表面にNi−Fe合金からなる溶射皮膜13
を被覆し、回転曲げ疲労試験を実施し、ねじり応力振幅
と回転数(対数により表示)との関係を求めグラフ化し
た。
溶射皮膜(A)と大気プラズマ溶射法により得られた溶
射皮膜(B)の疲労強度を示す図である。ここでは、高
速ガス炎溶射法及び大気プラズマ溶射法それぞれの方法
により、ステンレススチール(SUS304)からなる
基体11の表面にNi−Fe合金からなる溶射皮膜13
を被覆し、回転曲げ疲労試験を実施し、ねじり応力振幅
と回転数(対数により表示)との関係を求めグラフ化し
た。
【0032】この図によれば、溶射皮膜(A)では、回
転数が増加した場合のねじり応力振幅の変化が小さいの
に対し、溶射皮膜(B)では、回転数が増加した場合の
ねじり応力振幅の変化が大きく、高速ガス炎溶射法によ
り得られた溶射皮膜(A)の疲労強度の方がやや優れて
いることが解る。このことは、溶射皮膜中に残存する圧
縮残留応力が、繰り返し応力の環境下における破壊亀裂
の発生の抑制に寄与していることを示唆している。
転数が増加した場合のねじり応力振幅の変化が小さいの
に対し、溶射皮膜(B)では、回転数が増加した場合の
ねじり応力振幅の変化が大きく、高速ガス炎溶射法によ
り得られた溶射皮膜(A)の疲労強度の方がやや優れて
いることが解る。このことは、溶射皮膜中に残存する圧
縮残留応力が、繰り返し応力の環境下における破壊亀裂
の発生の抑制に寄与していることを示唆している。
【0033】表2は、溶射材料粉末の製法と得られた溶
射皮膜の特性評価を示す表である。ここでは、4つの製
法によりNi−Fe合金からなる溶射材料粉末を作製
し、得られた溶射材料粉末を用いて高速ガス炎溶射法及
び大気プラズマ溶射法により溶射皮膜を形成し、溶射皮
膜内の金属粒子の扁平及び分散度と、磁歪の大きさを4
段階に分類し、◎(良好)、○(可)、△(やや不
可)、×(不可)で表示した。なお、表中では高速ガス
炎溶射法を「HVOF法」、大気プラズマ溶射法を「A
PS法」と略記した。
射皮膜の特性評価を示す表である。ここでは、4つの製
法によりNi−Fe合金からなる溶射材料粉末を作製
し、得られた溶射材料粉末を用いて高速ガス炎溶射法及
び大気プラズマ溶射法により溶射皮膜を形成し、溶射皮
膜内の金属粒子の扁平及び分散度と、磁歪の大きさを4
段階に分類し、◎(良好)、○(可)、△(やや不
可)、×(不可)で表示した。なお、表中では高速ガス
炎溶射法を「HVOF法」、大気プラズマ溶射法を「A
PS法」と略記した。
【0034】
【0035】この表によれば、溶射材料粉末の製法及び
溶射プロセスにより、溶射皮膜の微細構造が大きく変化
していることが解る。溶射皮膜を構成する個々の金属粒
子の形態を観察してみると、より細かい金属粒子がしか
も扁平度が大きく積層しているのは、造粒法により作製
した溶射材料粉末を用いて高速ガス炎溶射法(HVOF
法)により溶射皮膜を形成したものであった。
溶射プロセスにより、溶射皮膜の微細構造が大きく変化
していることが解る。溶射皮膜を構成する個々の金属粒
子の形態を観察してみると、より細かい金属粒子がしか
も扁平度が大きく積層しているのは、造粒法により作製
した溶射材料粉末を用いて高速ガス炎溶射法(HVOF
法)により溶射皮膜を形成したものであった。
【0036】また、水アトマイズ及びガスアトマイズに
より作製したアトマイズ粉(溶射材料粉末)を用いた溶
射皮膜の磁歪特性は、造粒法及び造粒焼結法により作製
した溶射材料粉末を用いた溶射皮膜に比べて劣っている
ことが明かであった。なお、造粒法はスプレードライ法
によるものが、粒径が揃っている点で好ましい。
より作製したアトマイズ粉(溶射材料粉末)を用いた溶
射皮膜の磁歪特性は、造粒法及び造粒焼結法により作製
した溶射材料粉末を用いた溶射皮膜に比べて劣っている
ことが明かであった。なお、造粒法はスプレードライ法
によるものが、粒径が揃っている点で好ましい。
【0037】ここで、本実施形態の2つの実施例につい
て説明する。 「実施例1」トルク伝達軸となる基体11としては、外
形15mm、長さ200mmの非磁性ステンレス棒鋼を
用い、図5に示すように、前処理として、この基体11
の表面の磁歪膜形成部41a、41bにブラスト処理を
行った。この磁歪膜形成部41a、41bは、基体11
にトルク42が伝達されて回転する際に、検出回路の励
磁コイル43a、43b及び検出コイル44a、44b
に対応する位置に形成された帯状の部分である。
て説明する。 「実施例1」トルク伝達軸となる基体11としては、外
形15mm、長さ200mmの非磁性ステンレス棒鋼を
用い、図5に示すように、前処理として、この基体11
の表面の磁歪膜形成部41a、41bにブラスト処理を
行った。この磁歪膜形成部41a、41bは、基体11
にトルク42が伝達されて回転する際に、検出回路の励
磁コイル43a、43b及び検出コイル44a、44b
に対応する位置に形成された帯状の部分である。
【0038】次いで、この磁歪膜形成部41a、41b
に、70Ni−30Fe合金組成のガスアトマイズ粉末
を原料として、大気中にて高速ガス炎溶射により溶射磁
歪膜45a、45bを形成した。ここでは、燃料として
ケロシンを用い、燃焼圧力を0.2〜1.0MPaと変
化させ、狙い膜厚を300μmとした。
に、70Ni−30Fe合金組成のガスアトマイズ粉末
を原料として、大気中にて高速ガス炎溶射により溶射磁
歪膜45a、45bを形成した。ここでは、燃料として
ケロシンを用い、燃焼圧力を0.2〜1.0MPaと変
化させ、狙い膜厚を300μmとした。
【0039】次いで、この溶射磁歪膜45a、45bに
機械加工を施して不要な部分を除去し、幅3mm、長さ
28mm、基体11の軸11aに対し45゜の傾きを有
するストライプ状の溶射皮膜13a、13bを形成し
た。次いで、溶射中及び機械加工中に溶射皮膜13a、
13b内部に発生した応力を低減する目的で、真空中に
て、1000℃−1時間の熱処理を行いトルク伝達軸4
6とした。
機械加工を施して不要な部分を除去し、幅3mm、長さ
28mm、基体11の軸11aに対し45゜の傾きを有
するストライプ状の溶射皮膜13a、13bを形成し
た。次いで、溶射中及び機械加工中に溶射皮膜13a、
13b内部に発生した応力を低減する目的で、真空中に
て、1000℃−1時間の熱処理を行いトルク伝達軸4
6とした。
【0040】次いで、このトルク伝達軸46の磁気特性
を、図6に示すセンサ検出回路により測定した。このセ
ンサ検出回路は、交流電源51と、トルク伝達軸46の
溶射皮膜13a、13bの位置に対応して設けられた励
磁コイル43a、43b及び検出コイル44a、44b
と、差動増幅器52と、ローパスフィルター53とによ
り構成されている。ここでは、励磁コイル43a、43
bは250ターン、励磁電流は50mA、励磁周波数は
10kHzとし、検出コイル44a、44bは40ター
ンとした。
を、図6に示すセンサ検出回路により測定した。このセ
ンサ検出回路は、交流電源51と、トルク伝達軸46の
溶射皮膜13a、13bの位置に対応して設けられた励
磁コイル43a、43b及び検出コイル44a、44b
と、差動増幅器52と、ローパスフィルター53とによ
り構成されている。ここでは、励磁コイル43a、43
bは250ターン、励磁電流は50mA、励磁周波数は
10kHzとし、検出コイル44a、44bは40ター
ンとした。
【0041】表3は、高速ガス炎溶射の燃焼圧力を変化
させた場合のトルクセンサ特性の変化を示す表である。
表中、成膜コストは3段階に分類し、○(良好)、△
(可)、×(不可)で表示した。 (以下、余白) この表によれば、燃焼圧力が0.2MPaでは感度及び
ヒステリシスが低下し、燃焼圧力が1.0MPaでは成
膜コストが悪化しており、燃焼圧力が0.3〜0.9M
Paの範囲において、感度、ヒステリシス及び成膜コス
トの各点で優れた結果が得られたことがわかる。
させた場合のトルクセンサ特性の変化を示す表である。
表中、成膜コストは3段階に分類し、○(良好)、△
(可)、×(不可)で表示した。 (以下、余白) この表によれば、燃焼圧力が0.2MPaでは感度及び
ヒステリシスが低下し、燃焼圧力が1.0MPaでは成
膜コストが悪化しており、燃焼圧力が0.3〜0.9M
Paの範囲において、感度、ヒステリシス及び成膜コス
トの各点で優れた結果が得られたことがわかる。
【0042】「実施例2」実施例1の場合と同一の組成
である平均粒径が1μmの70Ni−30Fe合金ガス
アトマイズ粉末をポリビニルアルコール(PVA)水溶
液をバインダーとしてスプレードライヤーで造粒した。
そして、実施例1と同様の基体11を用い同様のブラス
ト処理を行い、その後大気中にて高速ガス炎溶射により
溶射磁歪膜45a、45bを形成した。
である平均粒径が1μmの70Ni−30Fe合金ガス
アトマイズ粉末をポリビニルアルコール(PVA)水溶
液をバインダーとしてスプレードライヤーで造粒した。
そして、実施例1と同様の基体11を用い同様のブラス
ト処理を行い、その後大気中にて高速ガス炎溶射により
溶射磁歪膜45a、45bを形成した。
【0043】ここでは、溶射材料粉末として、上記の造
粒を行ったガスアトマイズ粉末と、造粒を行わないガス
アトマイズ粉末を用い、また、燃料としてケロシンを用
い、高速ガス炎溶射の燃焼圧力を0.6MPa、狙い膜
厚を300μmとした。
粒を行ったガスアトマイズ粉末と、造粒を行わないガス
アトマイズ粉末を用い、また、燃料としてケロシンを用
い、高速ガス炎溶射の燃焼圧力を0.6MPa、狙い膜
厚を300μmとした。
【0044】次いで、実施例1と同様に、この溶射磁歪
膜45a、45bに機械加工を施し、ストライプ状の溶
射皮膜13a、13bを形成し、その後熱処理を行い、
トルク伝達軸46とした。次いで、このトルク伝達軸4
6の磁気特性を、図6に示すセンサ検出回路により測定
した。
膜45a、45bに機械加工を施し、ストライプ状の溶
射皮膜13a、13bを形成し、その後熱処理を行い、
トルク伝達軸46とした。次いで、このトルク伝達軸4
6の磁気特性を、図6に示すセンサ検出回路により測定
した。
【0045】表4は、ガスアトマイズ粉末の造粒の有無
によるトルクセンサ特性の違いを示す表である。 この表によれば、原料粉末のガスアトマイズ粉末を造粒
することにより、トルクセンサ特性が向上することがわ
かる。
によるトルクセンサ特性の違いを示す表である。 この表によれば、原料粉末のガスアトマイズ粉末を造粒
することにより、トルクセンサ特性が向上することがわ
かる。
【0046】以上説明したように、本実施形態のトルク
センサ素子によれば、非磁性体からなる棒状の基体11
の表面に、0.3〜0.9MPaの燃焼圧力の火炎中に
溶射材料粉末を供給する高速ガス炎溶射法を用いて軟磁
性体からなる金属粒子12、12、…を積層することに
より溶射皮膜13を形成したので、溶射皮膜13中の空
隙欠陥等を減少させて緻密な皮膜とすることができ、ト
ルクセンサの磁気特性を向上させることができる。ま
た、原料粉末のガスアトマイズ粉末を造粒したので、溶
射皮膜13中の空隙欠陥等を減少させて該皮膜の緻密性
を向上させることができ、トルクセンサ特性をさらに向
上させることができる。
センサ素子によれば、非磁性体からなる棒状の基体11
の表面に、0.3〜0.9MPaの燃焼圧力の火炎中に
溶射材料粉末を供給する高速ガス炎溶射法を用いて軟磁
性体からなる金属粒子12、12、…を積層することに
より溶射皮膜13を形成したので、溶射皮膜13中の空
隙欠陥等を減少させて緻密な皮膜とすることができ、ト
ルクセンサの磁気特性を向上させることができる。ま
た、原料粉末のガスアトマイズ粉末を造粒したので、溶
射皮膜13中の空隙欠陥等を減少させて該皮膜の緻密性
を向上させることができ、トルクセンサ特性をさらに向
上させることができる。
【0047】本実施形態のトルクセンサ素子は、溶射皮
膜13の磁歪により回転体のトルクを検出することで、
例えば、監視の分野では、切削工具の異常加工の検出、
故障の検出、過負荷の検出、工具摩耗などの異常の検出
等を行なうことができる。また、制御の分野では、工具
送り速度すなわち切削速度の最適制御、混練機中の流体
などの粘度制御などのプロセス制御にも適用することが
できる。また、品質検査の分野では、最適、省エネルギ
ー設計の支援、製品検査などに適用することができる。
膜13の磁歪により回転体のトルクを検出することで、
例えば、監視の分野では、切削工具の異常加工の検出、
故障の検出、過負荷の検出、工具摩耗などの異常の検出
等を行なうことができる。また、制御の分野では、工具
送り速度すなわち切削速度の最適制御、混練機中の流体
などの粘度制御などのプロセス制御にも適用することが
できる。また、品質検査の分野では、最適、省エネルギ
ー設計の支援、製品検査などに適用することができる。
【0048】また、本実施形態のトルクセンサ素子の製
造方法によれば、基体11に、溶射皮膜13を、ケロシ
ン等の可燃性気体および/または可燃性液体を燃料と
し、この燃料を酸素を用いて燃焼させて0.3〜0.9
MPaの燃焼圧力を有する火炎とし、この火炎中に溶射
材料粉末を供給する高速ガス炎溶射法により形成するこ
ととしたので、溶射皮膜13中の空隙欠陥等が減少し、
磁気特性に優れたトルクセンサを得ることができる。
造方法によれば、基体11に、溶射皮膜13を、ケロシ
ン等の可燃性気体および/または可燃性液体を燃料と
し、この燃料を酸素を用いて燃焼させて0.3〜0.9
MPaの燃焼圧力を有する火炎とし、この火炎中に溶射
材料粉末を供給する高速ガス炎溶射法により形成するこ
ととしたので、溶射皮膜13中の空隙欠陥等が減少し、
磁気特性に優れたトルクセンサを得ることができる。
【0049】なお、本実施形態では、基体11として非
磁性ステンレス棒鋼を、溶射材料粉末として70Ni−
30Fe合金ガスアトマイズ粉末をそれぞれ用いたが、
これらの材料は、非磁性ステンレス棒鋼及び70Ni−
30Fe合金ガスアトマイズ粉末に限定されることな
く、様々な組成の材料を用いてよいのはもちろんであ
る。また、基体11及び溶射材料粉末の形状について
も、上記実施例1、2に限定されることなく様々な形状
のものを用いてよい。
磁性ステンレス棒鋼を、溶射材料粉末として70Ni−
30Fe合金ガスアトマイズ粉末をそれぞれ用いたが、
これらの材料は、非磁性ステンレス棒鋼及び70Ni−
30Fe合金ガスアトマイズ粉末に限定されることな
く、様々な組成の材料を用いてよいのはもちろんであ
る。また、基体11及び溶射材料粉末の形状について
も、上記実施例1、2に限定されることなく様々な形状
のものを用いてよい。
【0050】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明のトルクセン
サ素子によれば、磁性体からなる皮膜を、可燃性気体お
よび/または可燃性液体を燃料とし、この燃料を酸素を
用いて燃焼させて0.3〜0.9MPaの燃焼圧力を有
する火炎とし、この火炎中に溶射材料粉末を供給する高
速ガス炎溶射法により形成してなることとしたので、空
隙欠陥等を無くすことで溶射皮膜の緻密性を向上させる
ことができ、磁歪発現特性等の磁気特性を向上させるこ
とができる。
サ素子によれば、磁性体からなる皮膜を、可燃性気体お
よび/または可燃性液体を燃料とし、この燃料を酸素を
用いて燃焼させて0.3〜0.9MPaの燃焼圧力を有
する火炎とし、この火炎中に溶射材料粉末を供給する高
速ガス炎溶射法により形成してなることとしたので、空
隙欠陥等を無くすことで溶射皮膜の緻密性を向上させる
ことができ、磁歪発現特性等の磁気特性を向上させるこ
とができる。
【0051】本発明のトルクセンサ素子の製造方法によ
れば、非磁性体からなる基体に、磁性体からなる皮膜
を、可燃性気体および/または可燃性液体を燃料とし、
この燃料を酸素を用いて燃焼させて0.3〜0.9MP
aの燃焼圧力を有する火炎とし、この火炎中に溶射材料
粉末を供給する高速ガス炎溶射法により形成するので、
空隙欠陥等の無い緻密性に優れた溶射皮膜を形成するこ
とができ、磁歪発現特性等の磁気特性に優れたトルクセ
ンサ素子を作製することができる。
れば、非磁性体からなる基体に、磁性体からなる皮膜
を、可燃性気体および/または可燃性液体を燃料とし、
この燃料を酸素を用いて燃焼させて0.3〜0.9MP
aの燃焼圧力を有する火炎とし、この火炎中に溶射材料
粉末を供給する高速ガス炎溶射法により形成するので、
空隙欠陥等の無い緻密性に優れた溶射皮膜を形成するこ
とができ、磁歪発現特性等の磁気特性に優れたトルクセ
ンサ素子を作製することができる。
【図1】 本発明の一実施形態のトルクセンサ素子の溶
射皮膜を示す模式図である。
射皮膜を示す模式図である。
【図2】 高速ガス炎溶射における溶射材料粉末の供給
位置と火炎内での溶射材料粉末の拡がりを示す模式図で
ある。
位置と火炎内での溶射材料粉末の拡がりを示す模式図で
ある。
【図3】 減圧プラズマ溶射における溶射材料粉末の供
給位置と火炎内での溶射材料粉末の拡がりを示す模式図
である。
給位置と火炎内での溶射材料粉末の拡がりを示す模式図
である。
【図4】 高速ガス炎溶射法により得られた溶射皮膜
(A)と大気プラズマ溶射法により得られた溶射皮膜
(B)の疲労強度を示す図である。
(A)と大気プラズマ溶射法により得られた溶射皮膜
(B)の疲労強度を示す図である。
【図5】 基体の表面に形成された溶射皮膜の一形状を
示す側面図である。
示す側面図である。
【図6】 センサ検出回路を示す回路図である。
【図7】 従来のトルクセンサ素子の溶射皮膜の一例を
示す模式図である。
示す模式図である。
1 基体 2 金属粒子 3 溶射皮膜 4 金属酸化物 5 気孔 11 基体 12 金属粒子 13 溶射皮膜 21 溶射材料粉末 22 溶射ガン 23 火炎 24 軸 31 溶射ガン 32 火炎 33 軸 34 溶射皮膜 41a、41b 磁歪膜形成部 42 トルク 43a、43b 励磁コイル 44a、44b 検出コイル 45a、45b 溶射磁歪膜 46 トルク伝達軸 51 交流電源 52 差動増幅器 53 ローパスフィルター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北地 一成 三重県伊勢市竹ヶ鼻町100番地 神鋼電機 株式会社伊勢事業所内 (72)発明者 谷 和美 兵庫県神戸市東灘区深江北町4丁目13番4 号 トーカロ株式会社内 (72)発明者 徳田 昌雄 兵庫県神戸市東灘区深江北町4丁目13番4 号 トーカロ株式会社内 (72)発明者 小林 圭史 兵庫県神戸市東灘区深江北町4丁目13番4 号 トーカロ株式会社内
Claims (6)
- 【請求項1】 非磁性体からなる基体に、磁性体からな
る皮膜が形成され、該皮膜の磁歪により回転体のトルク
を検出するトルクセンサ素子において、 前記皮膜は、可燃性気体および/または可燃性液体を燃
料とし、この燃料を酸素を用いて燃焼させて0.3〜
0.9MPaの燃焼圧力を有する火炎とし、この火炎中
に溶射材料粉末を供給する高速ガス炎溶射法により形成
してなることを特徴とするトルクセンサ素子。 - 【請求項2】 前記溶射材料粉末は、造粒法により作製
されていることを特徴とする請求項1記載のトルクセン
サ素子。 - 【請求項3】 前記溶射材料粉末は、磁性体金属粒子か
らなることを特徴とする請求項1または2記載のトルク
センサ素子。 - 【請求項4】 前記磁性体金属粒子は、Ni−Fe合金
を主成分としたことを特徴とする請求項3記載のトルク
センサ素子。 - 【請求項5】 非磁性体からなる基体に、磁性体からな
る皮膜を、 可燃性気体および/または可燃性液体を燃料とし、この
燃料を酸素を用いて燃焼させて0.3〜0.9MPaの
燃焼圧力を有する火炎とし、この火炎中に溶射材料粉末
を供給する高速ガス炎溶射法により形成することを特徴
とするトルクセンサ素子の製造方法。 - 【請求項6】 前記溶射材料粉末を、造粒法により作製
することを特徴とする請求項5記載のトルクセンサ素子
の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10134032A JPH11326081A (ja) | 1998-05-15 | 1998-05-15 | トルクセンサ素子及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10134032A JPH11326081A (ja) | 1998-05-15 | 1998-05-15 | トルクセンサ素子及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11326081A true JPH11326081A (ja) | 1999-11-26 |
Family
ID=15118787
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10134032A Pending JPH11326081A (ja) | 1998-05-15 | 1998-05-15 | トルクセンサ素子及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11326081A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2001252866A (ja) * | 2000-03-07 | 2001-09-18 | Mitsubishi Materials Corp | 研磨装置 |
| JP2012503762A (ja) * | 2008-09-25 | 2012-02-09 | アーベーベー・アーベー | 磁気弾性材料のレイヤを含む、応力を測定するためのセンサー、及びそのレイヤを製造するための方法 |
-
1998
- 1998-05-15 JP JP10134032A patent/JPH11326081A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| JP2012503762A (ja) * | 2008-09-25 | 2012-02-09 | アーベーベー・アーベー | 磁気弾性材料のレイヤを含む、応力を測定するためのセンサー、及びそのレイヤを製造するための方法 |
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