JPH11326329A - 前立腺特異的抗原の定量のための免疫学的方法 - Google Patents

前立腺特異的抗原の定量のための免疫学的方法

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JPH11326329A
JPH11326329A JP11095261A JP9526199A JPH11326329A JP H11326329 A JPH11326329 A JP H11326329A JP 11095261 A JP11095261 A JP 11095261A JP 9526199 A JP9526199 A JP 9526199A JP H11326329 A JPH11326329 A JP H11326329A
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psa
free
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amine
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JP11095261A
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Wolfgang Dr Hoesel
ヘーゼル ウォルフガング
Jochen Peter
ペーター ヨハン
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Roche Diagnostics GmbH
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    • G01N33/48—Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50—Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53—Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/575—Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for cancer
    • G01N33/57555—Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for cancer of the prostate

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Abstract

(57)【要約】 【課題】前立腺特異的抗原の検出のための免疫学的方法
を改良し、単純化させて本分野の欠点の状態をある程度
大きく克服すること。 【解決手段】アミンを含有する求核試薬が添加されたサ
ンプルと、遊離前立腺特異的抗原には特異的に結合する
が、複合体前立腺特異的抗原には結合しない抗体の少な
くとも一つとのインキュベーションによる、前立腺特異
的抗原の定量のための免疫学的方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は前立腺特異的抗原
(PSAと表記する。)の免疫学的定量方法に関する。
さらに詳しくは、本発明は、サンプルと、遊離PSAに
は特異的に結合するが複合体PSAには結合しない抗体
の少なくとも一つとのインキュベーションによる、PS
Aの定量のための、遊離PSA、総PSAレベル及びP
SA−セルピン複合体の濃度の定量のための免疫学的方
法に関する。本方法は、総PSA濃度を定量する前に、
アミンを含有する求核試薬をサンプルに添加することを
特徴とする。さらに本発明は、複合体PSAを含有する
サンプルとアミンを含有する求核試薬とのインキュベー
ションによる、複合体PSAから遊離PSAを調製する
方法及び遊離PSAの生成のためのアミン含有求核試薬
の使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】前立腺特異的抗原は、分子量29kDa
の糖タンパク質である。この抗原は前立腺上皮細胞内で
作られる、精液の一成分である。PSAは、中性セリン
プロテアーゼの酵素活性を有する。
【0003】PSAの主な機能は、精子の移動性を妨げ
る(射精に不可欠な成分である)フィブロネクチン並び
にセミノゲリン(Seminogeline)I及びIIを切断すること
である。これらのタンパク質の加水分解により、PSA
は精液塊を溶解し、それにより精子の移動を可能にす
る。
【0004】PSAの酵素活性は、血清中の種々のイン
ヒビターにより不活性化される。いわゆるセルピン(セ
リンプロテアーゼインヒビター)は、共有結合を形成す
ることによりPSAを不活性化する、最も重要なインヒ
ビターに属する。免疫学的に検出され得るPSAの多く
(60〜95%)は、血清中でα1−アンチキモトリプ
シン(ACT)と結合しており、これはセルピンに属す
る。
【0005】さらに、PSAは、α1−アンチトリプシ
ン及びプロテインCインヒビターとも複合体を形成し得
るが、これらはPSA−ACTと比較すると、血清中で
は二次的な重要性を持つに過ぎない。
【0006】また、PSAは異なったタイプのプロテア
ーゼインヒビター、即ち、α2−マクログロブリン(α
2−M)とも複合体を形成する。血清中の複合体濃度に
関する情報は文献によって異なり、これは複合体の状態
のPSAが免疫学的に非常に扱い難いことによる。血清
には、複合体を形成することができない酵素不活性遊離
PSAも含まれている。α2−MとのPSA複合体は、
現在までに実施されたいかなる免疫学的な定量において
も記録されていないため、次の「総PSA」とは、遊離
PSAとセルピン複合体PSAの合計を意味する(J. Cl
in. Ligand Assay, 1995, vol.18, p.186-196)。
【0007】α1−アンチキモトリプシンは、分子量約
60kDaの糖タンパク質である。急性相における主な
インヒビターの働きの一つとして、ACTは炎症の制御
に重要な役割を演じている。ACTはまた、キモトリプ
シン、カテプシンG及び腺性カリクレインhK2とも複
合体を形成する。ヒト血清中でのACTのモル濃度は、
PSAのそれよりも10000倍高い。
【0008】異なるPSA型の存在により、前立腺ガン
及び良性の疾患の診断のためのヒト血清中のPSA濃度
の定量条件は、極めて複雑である。この事実は、非常に
多くの治療上の難しさやこのマーカー値のある一定の程
度への低減を引き起こす。このように、PSAの定量の
ために実際に使用できるアッセイのいくつかは、使用す
る抗体の特異性によって、異なる遊離及び複合体PSA
の値を与えることが知られている(Clin. Chem. 1993, v
ol.39/12, p.2483-2491; Urology 1995, vol.45, p.729
-744; Clin. Chem. 1998, vol.44, p.191-192; Clin. C
hem. 1998, vol.44, p.192-193) 。また、正確で均一な
標準化は、(Clin. Chem. 1995 vol.41,p.1273-1282)に
記載の、異なる型の出現により困難である。
【0009】このような総PSA濃度は、良性の前立腺
過形成(BPH)の出現によっても生じ得るため、前立
腺ガン(PCa)の指標としてのPSA血清値の、約1
5ng/mLまでの濃度の信頼性は、特に疑問の余地が
ある。血清中のPSA値の単なる定量によって前立腺ガ
ンをスクリーニングすることは、この濃度範囲での特異
性が欠如していることから不可能であり、PCaが存在
するかどうかを発見するためには、さらに部分的に複雑
かつ苦痛を伴う(生検)といった検査を行う必要があ
る。
【0010】複合体化PSA又は総PSAに対する遊
離、即ち、非複合性PSAの比の定量について、ここ数
年来、ある程度までその特異性が改善されてきてた(例
えば、国際公開第92/01936号パンフレットを参照)。し
かしながら、それは、不必要かつさらなる時間と費用の
集中する、より多くの試験を避けるのに必要である特異
値より明らかにまだ下回っている。特異性の改善は、B
PHの患者血清における、複合体PSAに対する遊離P
SAの割合(PSAフリー/PSAトータル)の平均
が、PCa患者血清よりも高いという事実に基づく。
【0011】現状においては、PSAフリー/PSAト
ータルの比を確立するためには、二つの異なる測定方法
を実施する必要がある。まず第一に、遊離PSAの濃度
を定量しなければならないことである。遊離PSAのた
めのこの試験をサンドウィッチ形式で行った場合、二つ
の抗体のうちの少なくとも一つは遊離PSAに対して特
異的でなければならず、そして複合体PSAに結合して
はならない。同時に、総PSA濃度を第二の別の測定法
で確立しなければならない。この場合においては、サン
ドウィッチ試験に使用される抗体は遊離及び複合体PS
Aに結合する。あるいは、PSA−ACT濃度を測定す
ることにより、総濃度を定量することもできる。国際公
開第92/01936号パンフレットにおいては、ACTへ特異
的に結合する抗体だけではなく、遊離及び複合体PSA
に結合するような抗体を、PSA−ACT濃度決定のた
めに用いる。
【0012】総PSA量は、PSA−ACT複合体の測
定値と遊離PSAの測定値とを加えることによって求め
ることができる。現状における大きな欠点は、異なる特
異性を持つ少なくとも二つの抗体のそれぞれを含む、二
つの異なるテストを行うことである。診断上の適切なパ
ラメータを定量するためのいくつかのテスト手順におい
て、異なる試薬、例えば抗体を使用することは、異なる
メーカーのテストを比べた場合、特にPSAのような複
雑な診断問題を考慮する場合、問題を生じさせる蓋然性
が高い。また、試薬の定量の失敗の蓋然性は、テストシ
ステム及び必要な試薬の数に伴って高くなる。さらに、
多くの異なる一般的にはモノクローナル抗体の供給は非
常な程度の費用と時間の集中的な投下を要する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、PSAの検出、具体的には遊離PSA、総PS
A濃度及びPSA−セルピン複合体の濃度の検出のため
の免疫学的方法を改良し、単純化させて本分野の欠点の
状態をある程度大きく克服することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨は、
(1)アミンを含有する求核試薬が添加されたサンプル
と、遊離PSAには特異的に結合するが、複合体PSA
には結合しない抗体の少なくとも一つとのインキュベー
ションによる、PSAの定量のための免疫学的方法、
(2)アミンを含有する求核試薬が総PSA濃度の定量
前に添加されたサンプルと、遊離PSAには特異的に結
合するが、複合体PSAには結合しない抗体の少なくと
も一つとのインキュベーションによる、遊離PSA、P
SAの総濃度及びPSA−セルピン複合体の濃度の定量
のための免疫学的方法、(3)アミノアルコールを用い
て遊離PSAを生成する方法、(4)複合体PSAを含
有するサンプルとアミノアルコールとのインキュベーシ
ョンによる、複合体PSAから遊離PSAを調製する方
法、(5)前記(4)記載の方法により得られ得る遊離
PSAを、PSAの定量のための標準として使用する方
法、(6)前記(4)記載の方法により得られ得る遊離
PSAを非免疫学的検査のために使用する方法、(7)
PSAの検出のための免疫学的方法においてアミン含有
求核試薬を使用する方法、(8)PSAの検出のための
免疫アッセイに使用するための、アミン含有求核試薬を
含有する試薬、に関するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明は、サンプルと、遊離PS
Aには特異的に結合するが複合体PSAには結合しない
抗体の少なくとも一つとのインキュベーションによるP
SAの定量のための改良された免疫学的方法により果た
され、総PSA濃度の定量前にサンプルにアミン含有求
核試薬を添加する。この手順は、遊離PSA、総PS
A、及びPSA−セルピン複合体の濃度の定量に好まし
く用いられる。
【0016】PSAとセルピン、特にACTとの複合体
は安定しており、厳しい温度やpH状況にも抵抗性があ
る(Urology 1995, vol.45, p.729-744) 。驚くべきこと
には、PSA−セルピン複合体は、アミン含有求核試薬
の添加によって切断され得ることが示されている。
【0017】HPLC分析から、得られたPSAは安定
であることが示されている。驚くべきことに、このこと
は、血清の存在下での場合でも同様である、即ち、新し
い複合体は形成されない。このことは、切断前の総PS
A値に対応する、切断条件下でのインキュベーションの
後の遊離PSA値により認識され得る。プロテアーゼイ
ンヒビターであるα1−アンチキモトリプシン及びα2
−マクログロブリンが大過剰存在することによって血清
中の遊離PSAは確かに再複合化することから、この結
果は驚くべきことである。これは、少なくとも、追加的
なPSAがヒト血清サンプルに添加される場合である(S
cand. J. Clin. Invest. 1995 vol.55,p.15-22; The Pr
ostate 1995, vol.27, p.166-175)。
【0018】PSA−セルピン複合体(特にPSA−A
CT複合体)の切断は事実上不可逆なので、非処理サン
プル中の遊離PSA濃度を定量する可能性はある。これ
は、遊離PSAには特異的に結合するが複合体PSAに
は結合しない抗体の少なくとも一つを用いるサンドウィ
ッチ免疫アッセイにより好適に行われる。アミン含有求
核試薬を、セルピン−複合化PSA(主にPSA−AC
T)の切断と、前もって複合体化したPSAの放出を導
く同一のサンプルに並行して添加する。続いて、遊離P
SAの濃度を同じ測定手順にて、即ち、同じ抗体を用い
て定量する。得られた値は総PSA濃度に対応する。当
該技術分野における類義語である「PSAの総濃度」、
「総PSA」、「PSAの総レベル」及び「PSAトー
タル」はすべて遊離PSAとセルピンと複合体化したP
SAとの量を意味する。
【0019】遊離PSAの濃度を総PSAの濃度で割る
ことによって、有益な比であるPSAフリー/PSAト
ータルを得る。PSAトータルの値からPSAフリーの
値を引くことによって、セルピンと複合体化したPSA
濃度も定量することができ、さらにPSAフリー/PS
Aセルピン複合体の比や、PSAフリー/PSA−AC
Tの比を定量することもできる。
【0020】ある程度の蓋然性をもって、この比はBP
H又はPCaの出現を示す。この比が高くなるほど、良
性疾患の出現の蓋然性が高くなる。
【0021】本発明による、遊離PSAと総PSA濃度
の定量のための方法の好ましい手順には、次の工程が含
まれる。 a)サンプルの一部と、遊離PSAには特異的に結合す
るが複合体PSAには結合しない抗体の少なくとも一つ
とのインキュベーション工程、 b)遊離PSAの濃度を定量する工程、 c)サンプルの一部と、アミン含有求核試薬とのインキ
ュベーション工程、 d)工程c)由来のサンプルと、工程a)による抗体と
のインキュベーション工程、 e)工程b)によるサンプル中の総PSA濃度を定量す
る工程、及び f)総PSA濃度に対する遊離PSAの比を、工程b)
とe)由来の値を用いて定量する工程。
【0022】PSAフリー/PSA−セルピン複合体の
比と、PSAフリー/PSA−ACTの比を確立しよう
とする場合、次のことを行う必要がある:工程f)とし
て、総PSA濃度から、工程b)由来の遊離PSA濃度
を差し引き、そして工程g)として、工程b)による遊
離PSAとPSA−セルピン複合体の値との比を、そし
て工程f)由来のPSAフリー/PSA−ACT値をそ
れぞれ求める。
【0023】方法を成功させるためには、本発明による
切断により得られる遊離PSAが免疫学的に反応性を有
することが不可欠である。このことは、抗体に認識され
るエピトープが、アミン含有求核試薬による切断の後で
あっても完全に保存されていることを意味する。本発明
による方法の重要な利点は、遊離及び総PSAの定量の
ためには同じ抗体、即ち同じ特異性を有する抗体が使用
できることである。したがって、本分野の方法の状態に
おいて求められている、異なる特異性を有する、時間と
費用を集中的に投下しなければならない抗体の開発を避
けることができる。使用される異なる抗体の数が多くな
るほど、サンプル成分との非特異的相互作用のリスクが
高まる。
【0024】本発明の方法においては、通常はわずか二
つの異なる抗体を使用するため、これらの相互作用を本
分野の状態と比較して顕著に低減することができる。
【0025】不均一及び均一テスト手順は、本発明の方
法のためには好ましいテストフォーマットである。通常
の不均一サンドウィッチアッセイは特に有利であること
が分かっている。ここで、分析対象物(われわれのケー
スではPSA抗原、そして現状においてはPSA−AC
T複合体)を、固相に結合した結合相手と標識された結
合相手(ここでは抗体)との間にサンドウィッチのよう
に固定する。標識は当業者に公知の手法により検出され
る。使用できる標識としては、酵素、ルミネセンス物
質、ジゴキシゲニン等のハプテン、蛍光及び放射性物質
である。プラスチック試験管、マイクロタイタープレー
ト、ラテックス粒子又は磁性ビーズは、例えば、固相と
して使用することができる。表面がストレプトアビジン
又はアビジンでコートされたものが好適に使用できる。
抗体は吸着によって直接的に、又は、好ましくは間接的
に固相に結合することができる。間接的な結合の場合、
ビオチンと結合した抗体はストレプトアビジン又はアビ
ジンでコートされた固相に結合する。
【0026】PSAは競合的手法によっても検出するこ
とができる。このケースにおいては、固相結合複合体
は、固相に直接的には結合していない結合相手が標識さ
れている、互いに特異的な二つの結合相手によって作ら
れる。分析対象物である抗原又は抗体は−テストに必要
なものに依存して−その濃度によって複合体から標識さ
れた結合相手を追い出す。液相から固相を分離した後、
これらの相の一つにおいて標識を検出する。競合テスト
手法によるPSAテストに関しては、結合相手が結合し
た固相は、例えば、遊離PSAに特異的な抗体であろ
う。次いで、もう一方の結合相手は標識された遊離PS
Aであろう。その後、標識された遊離PSAは遊離PS
Aの濃度に依存して、サンプル中の遊離PSAにより追
い出される。
【0027】分析対象物の検出だけでなく、既述のテス
トフォーマットとその手法は、実例の実施例としてのみ
記載している。この方法は当業者に公知であり、ここで
の更なる説明を要しない。
【0028】すべてのテストフォーマットにおいて、遊
離PSAには特異的に結合するが複合体PSAには結合
しない抗体の少なくとも一つを用いる必要がある。抗体
はモノクローナル又はポリクローナルの何れも可能であ
る。しかしながら、好ましい抗体としてはモノクローナ
ルである。抗体全体及びFab、F(ab)’、F(a
b)’2 等の抗体断片を用いることができる。重要なこ
とは、遊離PSAに特異的な抗体を意味する遊離PSA
特異性は非複合化PSAとのみ反応するかもしれないこ
とである。複合体PSAとの交差反応性は全く起こって
はならないか、又はテストの結果を歪めない程の無視で
きる程度のみ起こっても良い。追加の抗体が必要である
場合、インタクトのモノクローナル若しくはポリクロー
ナル抗体又はそれらの断片として使用することもでき
る。これらの追加の抗体に要求されることは、遊離PS
Aを認識しなければならないことである。しかしなが
ら、複合体PSAとの交差反応は必須ではない。
【0029】本発明によれば、当業者に公知の、生物性
の液体のすべてをサンプルとして使用することができ
る。全血、血清、血漿、精液、尿等の体液を、サンプル
として好ましく用いることができる。
【0030】本発明によれば、アミン含有求核試薬はP
SA−セルピン複合体の切断に用いられる。好ましく
は、エタノールアミン及びジエタノールアミン等のアミ
ノアルコールに属するものである。エタノールアミンは
特に好ましく使用される。複合体として存在するPSA
を含むあらゆるサンプルに対して、アミン含有求核試薬
を添加することにより、PSA−ACT複合体が分割さ
れる。0.05〜2Mの試薬濃度が好ましいことが明ら
かにされた。より好ましくは、0.1〜1Mの濃度で使
用される。サンプルの好ましいpHは9〜11の間であ
る。アミン含有求核試薬を含む、上記のように処理され
るサンプルのインキュベーション時間は重要ではない。
温度は10〜40℃の間であり、20〜30℃の間が好
ましく、25℃が特に好ましいことが明らかになった。
一般的に、インキュベーションには数時間を要する。切
断により形成される遊離PSAは安定しているので、2
4時間以上のインキュベーション時間が本発明の方法に
可能である。それゆえに、本発明の別の主題は、上記の
条件下での、複合体PSAを含むサンプルと、アミン含
有求核試薬とのインキュベーションによる遊離PSAの
調製方法である。その後、得られた遊離PSAは、例え
ば、別の診断用又は科学用の構造物又は機能調査のため
に使用され得る。
【0031】したがって、本発明のさらなる主題は、本
発明に従う方法によって生成する遊離PSAを非免疫学
的検査、例えばマススペクトロメトリー等のために使用
する方法である。
【0032】本発明のさらなる主題は、遊離PSAの生
成のためのアミン含有求核試薬、好ましくはアミノアル
コール、特に好ましくはエタノールアミンの使用であ
る。
【0033】上記方法に従って生成したPSAも、本発
明の標準として用いることができる。かかる標準は、P
SAの定量検出のための免疫アッセイにおける校正曲線
の確立のために用いることができる。
【0034】さらに本発明の主題は、PSAの定量検出
のための免疫学的方法においてアミン含有求核試薬を使
用する方法である。エタノールアミンが好ましく用いら
れる。
【0035】さらに本発明の主題は、PSAの検出のた
めの免疫アッセイに使用するための、アミン含有求核試
薬の少なくとも一つ、好ましくはエタノールアミン、並
びに緩衝液、塩及び界面活性剤等の当業者に公知の成分
を含む試薬である。
【0036】本発明は、さらに以下の実施例により説明
される。
【0037】
【実施例】実施例1:アミン含有求核試薬によるPSA
−ACTの切断 PSAフリー(凍結乾燥物)及びPSA−ACTは市販
品を用い、それぞれ、アメリカ合衆国、カリフォルニア
州サンディエゴのスクリップスラボラトリーズのカタロ
グ番号P0714、P0624である。両凍結乾燥物を
それぞれ二回蒸留水で再懸濁し、終濃度1mg/mLと
した。ドイツ国のベーリンガーマンハイムゲーエムベー
ハーのPBS緩衝液(識別番号2958686)を切断
緩衝液として用いた。40μLの切断緩衝液に2μgの
PSA−ACTが含まれているものを切断用調製品とし
た。サンプルを含有するPSA−ACTの切断のため
に、表1に記載の被験アミン含有求核試薬をサンプルに
添加し、25℃でインキュベーションを行った。インキ
ュベーション終了後、次の条件でのHPLCによりサン
プルを分離した。
【0038】カラム:逆相カラム Poros R 1/H 、
2.1×30mm 溶離緩衝液A:0.1%トリフルオロ酢酸 溶離緩衝液B:0.085%トリフルオロ酢酸含有アセ
トニトリル/水(70/30)溶液 勾配:0〜2分間は20%緩衝液B含有緩衝液A、11
分間かけて緩衝液Bの濃度を直線勾配で100%にまで
上昇、2分間は100%緩衝液B。
【0039】使用した基質の切断効率を表1に示す。表
1は、25℃における、異なるアミン含有求核試薬の切
断効率を示す。
【0040】
【表1】
【0041】エタノールアミンを用いた場合が切断効率
が最も高いことが明らかになった。図1と図2は、PS
A−ACT切断例のHPLCクロマトグラムを示す図で
ある。
【0042】実施例2:終濃度0.1Mのエタノールア
ミンによる、悪性及び良性血清中のPSA−ACTの切
断 ドイツ国のベーリンガーマンハイムゲーエムベーハーの
Enzymun-Test(登録商標)PSA(識別番号第1555
332号)に付属の説明書に記載された手順に従って、
PSAトータルの検出を行った。ドイツ国のベーリンガ
ーマンハイムゲーエムベーハーのEnzymun-Test(登録商
標)遊離PSA(識別番号第1776444号)に付属
の説明書に記載された手順に従って、PSAフリーの検
出を行った。両テストは使用した抗体の特異性がわずか
に異なっているだけであった。遊離PSAの検出に関す
る限り、抗体の少なくとも一つは遊離PSAに特異的で
なければならず、そしてそれゆえに、その抗体は、PS
Aトータルの検出においては、複合体PSAだけでなく
遊離PSAも認識される必要があるのにも関わらず、複
合体PSAには結合してはならないのである。しかしな
がら、明確な理由としては、実施手順において、すべて
の抗体がいわゆる「抗PSA抗体」だからである。
【0043】両方法におけるテストの原則は、ストレプ
トアビジン技術に基づくワンステップサンドウィッチE
LISA法を用いることである。ビオチン化抗PSA抗
体とペルオキシダーゼ(POD)で標識された抗PSA
抗体とを含有するインキュベーション溶液とともに、サ
ンプルを、ストレプトアビジンでコートしたプラスチッ
ク試験管に満たした。インキュベーション中に、ビオチ
ン化抗体は固相に結合した。サンプル中に存在するPS
Aはビオチン化抗体に結合した。PODで標識した抗体
は、ビオチン化抗体に結合したPSAに結合した。固相
に結合したサンドウィッチ複合体は、洗浄工程後の指示
反応によって検出された。このためには、ABTS(登
録商標)(2,2’−アジノ−ジ−〔3−エチル−ベン
ズチアゾリンスルホン酸(6)〕−ジアンモニウム塩)
を含む基質色素溶液及び過酸化水素を調製品に添加し
た。ペルオキシダーゼの酵素活性によって、POD標識
化抗体の量に依存して光度計で検出され得る色素を確立
した。
【0044】次の測定は、一連のヒト血清サンプルを用
いて行われた。まず、サンプルの前処理を行うことな
く、本分野の方法の状態によって得られた最初の調製品
中のPSAフリーの濃度を定量した。これと並行して、
本分野の方法の状態によって得られたPSAトータルの
濃度を定量した。このことは、検出のためには、遊離型
及び複合体型のPSAを結合する抗体を用いることを意
味する。三番目の調製品においては、本発明の方法によ
ってサンプルとエタノールアミンとを混合し(終濃度:
0.1M)、25℃で24時間インキュベーションを行
った後にPSAフリーの濃度を定量した。悪性及び良性
血清の結果を表2及び表3に示す。表2及び表3は、本
発明の方法によって切断した後のPSAフリーの値と、
本分野の方法の状態によるPSAトータルの値との比較
を示す。表2は悪性血清の値である。
【0045】
【表2】
【0046】表3は、良性血清の値である。
【0047】
【表3】
【0048】驚くべきことに、PSAトータルの濃度
は、PSA−セルピン複合体を本発明に従って切断した
後に定量された遊離PSAの濃度に対応することが明ら
かにされる。それぞれの相関係数が0.98を超えるこ
とから、(切断0時間目のPSAフリー)/(切断0時
間目のPSAトータル)の比と、(切断0時間目のPS
Aフリー)/(切断24時間目のPSAフリー)の比と
の間には良好な対応関係があることが分かる。このこと
は、本発明に従った方法の助けを借りて、遊離PSAと
のみ特異的に結合する一つの抗体を含む一組の抗体を用
いる手法は、(PSAトータル濃度からPSAフリー濃
度を差し引いて求められる)PSA−セルピン複合体だ
けでなく、PSAフリーとPSAトータルとを定量する
のには十分であることを示している。さらに、悪性前立
腺疾患と良性前立腺疾患との識別に必要な(PSAフリ
ー)/(PSAトータル)の有益な比を、高い信頼性を
もって定量することができる。
【0049】
【発明の効果】本発明の方法は、より単純化されたPS
Aの定量方法を提供する。それにより、高い信頼性を有
する悪性前立腺疾患と良性前立腺疾患との識別が可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、エタノールアミンを用いて切断を行う
前の、PBS緩衝液中のPSA−ACTのHPLCクロ
マトグラムを示す図である。ここで、PSA−ACT
は、0.1Mエタノールアミン、pH9.0中、25℃
で0時間の時点のものである。PSA−ACTの保持時
間は11.32 分である。
【図2】図2は、エタノールアミンを用いてPSAとA
CTに切断を行った後のPSA−ACTのHPLCクロ
マトグラムを示す図である。ここで、PSA−ACT
は、0.1Mエタノールアミン、pH9.0中、25℃
で60時間の時点のものである。PSA、PSA−AC
T及びACTの保持時間はそれぞれ9.53分、11.33分及
び11.48 分である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヨハン ペーター アメリカ合衆国 ノース キャロライナ 27709 リサーチ トライアングル パー ク ビルディング 101 ルーム エフ011 ナショナル インスティチュート オブ エンヴァイロンメンタル ヘルス内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アミンを含有する求核試薬が添加された
    サンプルと、遊離前立腺特異的抗原には特異的に結合す
    るが、複合体前立腺特異的抗原には結合しない抗体の少
    なくとも一つとのインキュベーションによる、前立腺特
    異的抗原(PSAと表記する。)の定量のための免疫学
    的方法。
  2. 【請求項2】 アミンを含有する求核試薬が総PSA濃
    度の定量前に添加されたサンプルと、遊離PSAには特
    異的に結合するが、複合体PSAには結合しない抗体の
    少なくとも一つとのインキュベーションによる、遊離P
    SA、PSAの総濃度及びPSA−セルピン複合体の濃
    度の定量のための免疫学的方法。
  3. 【請求項3】 アミンを含有する求核試薬としてアミノ
    アルコールを添加する請求項1又は2記載の免疫学的方
    法。
  4. 【請求項4】 アミンを含有する求核試薬としてエタノ
    ールアミンを添加する請求項3記載の免疫学的方法。
  5. 【請求項5】 アミノアルコールを用いて遊離PSAを
    生成する方法。
  6. 【請求項6】 複合体PSAを含有するサンプルとアミ
    ノアルコールとのインキュベーションによる、複合体P
    SAから遊離PSAを調製する方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の方法により得られ得る遊
    離PSAを、PSAの定量のための標準として使用する
    方法。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の方法により得られ得る遊
    離PSAを非免疫学的検査のために使用する方法。
  9. 【請求項9】 PSAの検出のための免疫学的方法にお
    いてアミン含有求核試薬を使用する方法。
  10. 【請求項10】 PSAの検出のための免疫アッセイに
    使用するための、アミン含有求核試薬を含有する試薬。
JP11095261A 1998-04-03 1999-04-01 前立腺特異的抗原の定量のための免疫学的方法 Pending JPH11326329A (ja)

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