JPH11334571A - 負圧式倍力装置 - Google Patents

負圧式倍力装置

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Publication number
JPH11334571A
JPH11334571A JP10149259A JP14925998A JPH11334571A JP H11334571 A JPH11334571 A JP H11334571A JP 10149259 A JP10149259 A JP 10149259A JP 14925998 A JP14925998 A JP 14925998A JP H11334571 A JPH11334571 A JP H11334571A
Authority
JP
Japan
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negative pressure
front chamber
valve
power piston
chamber
Prior art date
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Pending
Application number
JP10149259A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Kawakado
智 川角
Yoji Inoue
陽治 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡素な構成でもって組付け作業能率の向上と
コストの低減とを図ると共に増し効き効果を備えた負圧
式倍力装置を提供すること。 【解決手段】 ハウジング3と、可動壁4と、パワーピ
ストン7と、入力部材9と、弁機構40と、出力ロッド
11とを備えた負圧式倍力装置1において、第1チェッ
クバルブ20と第2チェックバルブ21とを備え、第1
チェックバルブ20の開弁圧に比して第2チェックバル
ブ21の開弁圧を低く設定し、且つ、第1チェックバル
ブ20の流路径に比して第2チェックバルブ21の流路
径を小さく設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は負圧式倍力装置に関
し、特に、自動車に適用される負圧式倍力装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の負圧式倍力装置は、特開平4−1
38961号公報に開示されるように、少なくとも1つ
の圧力空間を内部に形成するハウジングと、前記ハウジ
ング内に前記ハウジングに対して前進及び後退できるよ
うに設置されていて前記圧力空間を負圧源に連通される
前室と前記前室或いは大気に連通される後室とに分割す
る可動壁と、前記可動壁に結合されているパワーピスト
ンと、前記パワーピストンの内部に前記パワーピストン
に対して前進及び後退可能に配設される入力部材と、前
記パワーピストン内に配設され、前記入力部材の移動に
応じて前記後室を前記前室或いは大気に連通する弁機構
と、前記可動壁の移動に伴った前記パワーピストンの前
進力を装置外に出力する出力部材と、前記出力部材と前
記入力部材との間で前記パワーピストンに対して前進及
び後退可能に配設されるプランジャ部材と、その外周部
が前記パワーピストンに気密的に固定されるとともにそ
の内周部が前記プランジャ部材に気密的に固定され、そ
の前面に前記前室内の負圧が作用する隔壁と、前記隔壁
の後方に形成される圧力室と、前記圧力室を高圧源或い
は前記負圧源とに連通する切り換え弁と、を備えたもの
である。
【0003】この従来の負圧式倍力装置は、入力部材に
入力が印加されることにより入力部材がパワーピストン
に対して移動され、入力部材の移動に伴って弁機構が前
室と後室との連通を遮断し且つ後室を大気に連通する。
後室に大気が流入されることにより前室と後室との間に
差圧が生じて可動壁及びパワーピストンに前進力が発生
し、このパワーピストンの前進力を出力部材により出力
として装置外に出力する。
【0004】圧力室は通常切り換え弁により負圧源に連
通されているが、入力部材に印加される入力が一定の入
力となるように保持されると、切り換え弁により圧力室
が高圧源に連通され、前室と圧力室との間に差圧が生じ
て隔壁とプランジャ部材とに前進力が発生し、このプラ
ンジャ部材の前進力を出力部材により出力として装置外
に出力する。
【0005】即ち、入力部材への入力が保持されてパワ
ーピストンの前進に伴う出力も保持されると、プランジ
ャ部材が前進することによって出力が更に増大されるこ
とになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の負圧式倍力装置は、プランジャ部材、隔壁、圧
力室、及び切り換え弁等を備えることから構成が複雑と
なり、負圧式倍力装置の組付け作業能率向上の妨げ、
又、コストの増大を招くものである。
【0007】本発明は、簡素な構成でもって組付け作業
能率の向上とコストの低減とを図った負圧式倍力装置を
提供することを、その技術的課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
るために、少なくとも1つの圧力空間を内部に形成する
ハウジングと、前記ハウジング内に前記ハウジングに対
して前進及び後退できるように設置されていて前記圧力
空間を負圧源に連通される前室と前記前室或いは大気に
連通される後室とに分割する可動壁と、前記可動壁に結
合されているパワーピストンと、前記パワーピストンの
内部に前記パワーピストンに対して前進及び後退可能に
配設される入力部材と、前記入力部材の移動に応じて前
記後室を前記前室或いは大気に連通する弁機構と、前記
可動壁の移動に伴った前記パワーピストンの前進力を装
置外に出力する出力部材と、前記可動壁の移動に伴って
減少する前記前室内の負圧力を増大させる負圧力増大手
段と、前記負圧力増大手段による前記前室内の負圧力の
増大速度を制御する制御手段とを備えた負圧式倍力装置
を構成した。
【0009】好ましくは、前記負圧力増大手段は、少な
くとも前記入力部材へ印加される入力が一定となるよう
に保持された以後において、前記前室内の負圧力を増大
可能である負圧式倍力装置が望ましい。
【0010】好ましくは、前記制御手段は前記負圧力増
大手段と前記前室とを連通する連通路を備えるとともに
前記連通路の流路面積を増減することにより前記前室内
の負圧力の増大速度を制御する負圧式倍力装置が望まし
い。
【0011】好ましくは、前記負圧力増大手段は前記負
圧源であり、前記連通路は、前記前室と前記負圧源とを
連通すると共に第1の流路径を有する第1連通路と、前
記前室と前記負圧源とを連通すると共に前記第1連通路
に並列に配設され前記第1の流路径よりも小さな第2の
流路径を有する第2連通路とを少なくとも備え、前記制
御手段は、前記第1連通路に配設されるとともに前記前
室と前記負圧源との差圧が第1の所定圧以上となる際に
前記第1連通路を介した前記前室から前記負圧源への連
通を許容する第1弁装置と、前記第2連通路に配設され
るとともに前記前室と前記負圧源との差圧が前記第1の
所定圧よりも小さな第2の所定圧以上となる際に前記第
2連通路を介した前記前室から前記負圧源への連通を許
容する第2弁装置とを備える負圧式倍力装置の負圧式倍
力装置が望ましい。
【0012】好ましくは、前記負圧力増大手段は前記負
圧源であり、前記連通路は、前記前室と前記負圧源とを
連通すると共に第1の流路径を有する第1連通路と、前
記前室と前記負圧源とを連通すると共に前記第1連通路
に同軸的に配設され前記第1の流路径よりも小さな第2
の流路径を有する第2連通路とを少なくとも備え、前記
制御手段は、前記第1連通路に配設されるとともに前記
前室と前記負圧源との差圧が第1の所定圧以上となる際
に前記第1連通路を介した前記前室から前記負圧源への
連通を許容する第1弁装置と、前記第2連通路に配設さ
れるとともに前記前室と前記負圧源との差圧が前記第1
の所定圧よりも小さな第2の所定圧以上となる際に前記
第2連通路を介した前記前室から前記負圧源への連通を
許容する第2弁装置とを備える負圧式倍力装置が望まし
い。
【0013】好ましくは、前記第2弁装置は、少なくと
も前記入力部材に印加される入力が一定となるように保
持される以降において、前記前室と前記負圧源とを連通
している負圧式倍力装置が望ましい。
【0014】又、少なくとも1つの圧力空間を内部に形
成するハウジングと、前記ハウジング内に前記ハウジン
グに対して前進及び後退できるように設置されていて前
記圧力空間を負圧源に連通される前室と前記前室或いは
大気に連通される後室とに分割する可動壁と、前記可動
壁に結合されているパワーピストンと、前記パワーピス
トンの内部に前記パワーピストンに対して前進及び後退
可能に配設される入力部材と、前記入力部材の移動に応
じて前記後室を前記前室或いは大気に連通する弁機構
と、前記可動壁の移動に伴った前記パワーピストンの前
進力を装置外に出力する出力部材と、前記負圧源の負圧
力を制御することにより、前記可動壁の移動に伴って減
少する前記前室内の負圧力を増大させると共に前記前室
内の負圧力の増大速度を制御する制御手段とを備えた負
圧式倍力装置を構成した。
【0015】好ましくは、前記入力部材は操作部材の操
作に応じて作動され、前記制御手段は前記操作部材が所
定の操作速度で操作された際に作動される負圧式倍力装
置が望ましい。
【0016】好ましくは、前記弁機構は、前記パワーピ
ストン内に配設され、前記入力部材と一体的に前進及び
後退可能な大気弁座と、前記パワーピストン内に配設さ
れる負圧弁座と、前記大気弁座に当接及び離脱可能で前
記大気弁座に当接することによって前記後室と大気との
連通を遮断するとともに前記大気弁座から離間すること
によって前記後室を大気に連通する大気シール部と、前
記負圧弁座に当接及び離脱可能で前記負圧弁座に当接す
ることによって前記前室と前記後室との連通を遮断する
と共に前記負圧弁座から離間することによって前記後室
を前記前室に連通する弾性部材から成る負圧シール部と
を備えたコントロールバルブとを有している負圧式倍力
装置が望ましい。
【0017】請求項1の負圧式倍力装置は、前室内の負
圧が負圧力増大手段により増大され、制御手段により前
室内の負圧力の増大速度が制御される。
【0018】請求項2の負圧式倍力装置は、請求項1の
作用に加えて、負圧力増大手段は、少なくとも入力部材
へ印加される入力が一定となるように保持された以後に
おいて、前室内の負圧力を増大させることができる。
【0019】請求項3の負圧式倍力装置は、請求項1又
は請求項2の作用に加えて、制御手段は負圧力増大手段
と前室とを連通する連通路を備え、連通路の流路面積を
増減することにより前室内の負圧力の増大速度を制御す
る。
【0020】請求項4の負圧式倍力装置は、請求項3の
作用に加えて、第1弁装置によって前室と負圧源との差
圧が第1の所定圧以上となる際に前室から負圧源への連
通が許容され、第2弁装置によって前室と負圧源との差
圧が第2の所定圧以上となる際に前記前室から前記負圧
源への連通を許容される。
【0021】請求項5の負圧式倍力装置は、請求項3の
作用に加えて、第1弁装置によって前室と負圧源との差
圧が第1の所定圧以上となる際に前室から負圧源への連
通が許容され、第2弁装置によって前室と負圧源との差
圧が第2の所定圧以上となる際に前記前室から前記負圧
源への連通を許容される。
【0022】請求項6の負圧式倍力装置は、請求項4又
は請求項5の作用に加えて、第2弁装置は、少なくとも
入力部材に印加される入力が一定となるように保持され
る以降において、前室と負圧源とを連通している。
【0023】請求項7の負圧式倍力装置は、制御手段が
負圧源の負圧力を制御することにより、可動壁の移動に
伴って減少する前室内の負圧力を増大させると共に前室
内の負圧力の増大速度を制御する。
【0024】請求項8の負圧式倍力装置は、操作部材が
所定の操作速度で操作された際に制御手段が作動され
る。
【0025】請求項9の負圧式倍力装置は、請求項1〜
8の何れか一に記載の作用に加えて、弁機構において
は、大気弁座に大気シール部が当接することにより後室
と大気との連通が遮断され、負圧弁座に負圧シール部が
当接することにより前室と後室との連通が遮断される。
【0026】
【実施の形態】以下、本発明を実施の形態により具体的
に説明する。
【0027】(実施の形態1)図1は本発明の一実施の
形態の負圧式倍力装置1の断面図であり、図2は図1の
バルブ機構40部分の拡大図であり、図3は図1の第1
チェックバルブ及び第2チェックバルブの拡大図であ
る。図1に示すように、負圧式倍力装置1の前方(図1
中左方)にはリザーバタンクを備えたマスタシリンダ5
0が配設されており、マスタシリンダ50には液圧管路
を介してABS(アンチロックブレーキシステム)、T
RC(トラクションコントロール)及び制動操舵制御の
アクチュエータ部51が接続され、アクチュエータ部に
は液圧管路を介して各車輪に配設されたホイールシリン
ダ52が夫々接続されている。負圧式倍力装置1、マス
タシリンダ50、アクチュエータ部51、及びホイール
シリンダ52は車両のブレーキ装置を構成している。
【0028】負圧式倍力装置1のハウジング3内には、
その外周部を気密的に固定され、前後方向(図1中左右
方向)に移動可能な可動壁4を備えている。可動壁4に
より、ハウジング3内の圧力室は前室5と後室6とに互
いに気密的に分離されている。前室5はインレット3a
を介して負圧源である車両のエンジンのインテークマニ
ホールド60と連通し、常に負圧を発生している。
【0029】ハウジング3には、その後方より樹脂材料
製のパワーピストン7が挿入され、パワーピストン7に
は可動壁4がその内周端において気密的に固定されてい
る。パワーピストン7の内部には、車両のブレーキ操作
部材であるブレーキペダル2に図1においてその後端に
て連結された入力ロッド8が挿入されている。入力ロッ
ド8は後述する入力部材9に一体的に移動可能なように
連結されている。
【0030】図2は図1の弁機構の拡大図である。図
1、図2に示すように、入力部材9はパワーピストン7
の中心穴に前後方向(図2中左右方向)に移動可能に配
設されており、入力ロッド8からの入力をリアクション
ディスク10に伝達する役割を果たしている。リアクシ
ョンディスク10と当接した出力ロッド11は、リアク
ションディスク10を介して入力を受けて移動すること
によってマスタシリンダ50のピストン(図示省略)を
作動させる。
【0031】入力ロッド8には戻しスプリング12を受
ける第1リテーナ13が固定されている。パワーピスト
ン7にはコントロールバルブ14の後端部14bを支持
する第2リテーナ15が第1リテーナ13、戻しスプリ
ング12を介して入力ロッド8から弾撥力を受けながら
固定されている。
【0032】コントロールバルブ14は図2中で後端部
14bの内周において第2リテーナ15に係合してお
り、外周においてはパワーピストン7との間でシール機
能を発生している。コントロールバルブ14の前端部で
あるシール部14aを支持するリテーナと第1リテーナ
13との間にはバルブスプリング14cが介装されてい
る。
【0033】上記構成を採ることによって、コントロー
ルバルブ14のシール部14aの大気シール部14aa
は入力ロッド8が非作動状態において、入力部材9の後
端に形成された環状の大気弁座9aと係合している。
又、入力ロッド8が作動状態においては、シール部14
aの負圧シール部14abがパワーピストン7に設けた
環状の負圧弁座7aと係合可能となっている。
【0034】即ち、大気シール部14aaと大気弁座9
aとは大気弁Vを構成し、負圧シール部14abとバ
キューム弁座7aとは負圧弁Vを構成しており、コン
トロールバルブ14、入力部材9の大気弁座9a、パワ
ーピストン7の負圧弁座7aとは弁機構40を構成して
いる。大気シール部14aa及び負圧シール部14ab
は弾性部材から形成されている。
【0035】パワーピストン7に設置されたキー溝7b
にはキー15が挿入され、非作動状態でダンパ部材を介
してハウジング3に当接している。更に、パワーピスト
ン7には、前室5と負圧弁Vとを連通するためのバキ
ュームパス7cと、後室6と大気弁Vとを連通するた
めのエアパス7dとが形成されている。
【0036】バキュームパス7cは、前室5に開口する
前室側開口部がパワーピストン7の前方端部に形成され
ており、エアパス7dの後室6に開口する後室側開口部
がパワーピストン7の側面部に形成されている。コント
ロールバルブ14の後方部14bの内周側の空間部は、
パワーピストン7の後方側開口を介して大気に連通され
ている。
【0037】出力ロッド11は、後方側でリアクション
ディスク10を収容するとともにパワーピストン7の前
端側にパワーピストン7に前後方向に移動可能に嵌合さ
れる有底筒状部を有している。
【0038】図3は図1の制御手段90の拡大図であ
る。図1〜図3に示すように、インテークマニホールド
60と前室5との間には制御手段90が配設されてい
る。制御手段は90は、連通路91と、第1チェックバ
ルブ20と、第2チェックバルブ21とを備えている。
連通路91は、第1連通路20aと、第2連通路21a
と、第1二股通路31と、第2二股通路32とを有して
いる。
【0039】第1連通路20aと第2連通路21aとは
並列に配設されており、第2連通路21aの流路径は第
1連通路20aの流路径に比して小さく設定されてい
る。第1連通路20aの後方開口と第2連通路21aの
後方開口は第1二股通路31を介して前室5に連通され
ており、第1連通路20aの前方開口と第2連通路21
aの前方開口とは第2二股通路32を介してインテーク
マニホールド60に連通されている。
【0040】第1連通路20aには第1チェックバルブ
20が配設されている。第1チェックバルブ20は、第
1連通路20aに連通する第1弁座20bと、第1弁座
20bに着座することにより第1連通路20aによる前
室5とインテークマニホールド60との連通を遮断する
第1弁体20cと、第1弁体20cを第1弁座20bに
向けて付勢する第1スプリング20dとを有している。
【0041】第2連通路21aには第2チェックバルブ
21が配設されている。第2チェックバルブ21は、第
2連通路21aに連通する第2弁座21bと、第2弁座
21bに着座することにより第2連通路21aによる前
室5とインテークマニホールド60との連通を遮断する
第2弁体21cと、第2弁体21cを第2弁座21bに
向けて付勢する第2スプリング21dとを有している。
【0042】第2チェックバルブ21の第2スプリング
21dの付勢力は第1チェックバルブ20の第1スプリ
ング20dよりも小さくされている。
【0043】即ち、第1チェックバルブ20の開弁圧は
第2チェックバルブ21の開弁圧よりも大きくされてい
る。本実施の形態においては、第1チェックバルブ20
の開弁圧は100mmHgに設定されており、第2チェ
ックバルブ21の開弁圧は10mmHgに設定されてい
る。
【0044】以下に、負圧式倍力装置1の作動について
説明する。図4は、縦軸は出力を表し、横軸は入力を表
した負圧式倍力装置1の特性線図であり、図5は、図4
の入出力特性の時間的変化を示したグラフである。図1
〜図5に示すように、車両のエンジンが始動されるとイ
ンテークマニホールド60に負圧が生じ、第1、2チェ
ックバルブ20、21が開弁されることによって前室5
とインテークマニホールド60とが連通され、前室5が
インテークマニホールド60における圧力と略同じ圧
力、即ち負圧となる。
【0045】本実施の形態におけるインテークマニホー
ルド60において生じる負圧は500mmHgであり、
従って、前室5の負圧が500mmHg以上となること
はない。インテークマニホールド60と前室5とが略同
じ圧力となると、第1、第2チェックバルブ20、21
はそれぞれ閉弁し、前室5とインテークマニホールド6
0との連通を遮断する。
【0046】運転者が車両のブレーキ操作部材であるブ
レーキペダル2を操作していない初期状態においては、
コントロールバルブ14のシール部14aの大気シール
部14aaは入力部材9の大気弁座9aと係合状態、
又、シール部14aの負圧シール部14abはパワーピ
ストン7の負圧弁座7aとは非係合状態にあるため、後
室6は、エアパス7d、負圧シール部14abと負圧弁
座7aとの隙間、及びバキュームパス7cを介して前室
5と連通している。
【0047】即ち、弁機構40は、前室5と後室6とが
連通されるとともに後室6と大気との連通が遮断される
出力減少作用状態を採っている。大気シール部14aa
は、スプリング12の付勢力を受ける入力部材9のエア
弁座9aにより後方に弾性変形された状態でエア弁座9
aに係合している。
【0048】運転者によってブレーキペダル2が入力値
Fi1で且つブレーキペダル2の踏み込み速度が例え
ば、10mm/secで操作されると、これと連結した
入力ロッド8が入力を受けて前方に移動する。従って、
入力ロッド8に接続された入力部材9も入力ロッド8と
一体となって前方に移動する。
【0049】入力部材9の移動によって、コントロール
バルブ14ひいてはシール部14aもバルブスプリング
14cの付勢力によって入力部材9と共に前方に移動
し、やがてシール部14aの負圧シール部14abがパ
ワーピストン7の負圧弁座7aに当接して、エアパス7
dとバキュームパス7cとの連通が遮断される。即ち、
後室6と前室5との連通が遮断され、後室6と車両の負
圧源との連通も断たれることになる。
【0050】弁機構40においては、前室5と後室6と
の連通を遮断するとともに後室6と大気との連通を遮断
する出力保持作用状態を採っているものである。負圧シ
ール部14abは、バルブスプリング14cの付勢力に
より負圧弁座9aに当接され、負圧弁座9aとの当接に
より後方に弾性変形された状態で負圧弁座9aと係合す
る。
【0051】更に入力部材9が前方に移動するとシール
部14aの大気シール部14aaと入力部材9の大気弁
座9aとの係合が解消され、大気シール部9aとの当接
により弾性変形されていた大気シール部14aaは元の
状態に復元し、後室6が、エアパス7d、大気シール部
14aaと大気弁座9aとの隙間、及びコントロールバ
ルブ14の内周側空間部を介して大気と連通される。
【0052】即ち、弁機構40においては、前室5と後
室6との連通が遮断されるとともに後室6が大気に連通
される出力増加作用状態を採ることになる。
【0053】従って、後室6への大気の流入によって前
室5と後室6との間に気圧差が発生するため、可動壁4
とパワーピストン7とに前進力が生じ、可動壁4、パワ
ーピストン7及び出力ロッド11がハウジング3に対し
て前進する。
【0054】ここで、初期状態において前室5内の負圧
は略500mmHgであり、前室5内は真空状態(負圧
760mmHg)ではないことから、初期状態において
前室5内には略260mmHg分の大気が残存している
ものである。可動壁4とパワーピストン7とがハウジン
グ3に対して前進すると前室5の容積が減少され、前室
5の容積の減少に伴って前室5内の大気の圧力が上昇
し、逆に前室5内の負圧は減少することになる。
【0055】可動壁4及びパワーピストン7が所定量前
進することにより前室5内の負圧が例えば325mmH
gへと減少すると、前室5とインテークマニホールド6
0との間の差圧が増大されることになる。従って、第1
チェックバルブ20の第1弁体20cが第1スプリング
20dの付勢力に抗して前方に付勢されることにより第
1チェックバルブ20が開弁され、同様に、第2チェッ
クバルブ21の第2弁体21cが第2スプリング21d
の付勢力に抗して前方に付勢されることにより第2チェ
ックバルブ21が開弁される。即ち、前室5とインテー
クマニホールド60とが連通されることになる。
【0056】前室5とインテークマニホールド60とが
連通されることにより前室5内の大気がインテークマニ
ホールド60へと流出して前室5内の負圧が上昇し、前
室5とインテークマニホールド60との間の差圧が減少
されていくことになる。
【0057】パワーピストン7の入力部材9に対する前
進に伴ってリアクションディスク10がパワーピストン
7と出力ロッド11とにより圧縮変形されてパワーピス
トン7の中心穴内に張り出し、リアクションディスク1
0がパワーピストン7の前進力及び入力部材9の前進力
を出力ロッド11に伝達すると共に出力ロッド11から
の出力に対応した反力を、入力部材9に、入力部材9を
パワーピストン7に対して後退させるように付与するよ
うになる。
【0058】従って、パワーピストン7が入力部材9に
対して前進すること及びリアクションディスク10が入
力部材9に反力を付与して入力部材9を後方に移動させ
ることにより、コントロールバルブ14の大気シール部
14aaがエア弁座9aに接近し、やがてコントロール
バルブ14の大気シール部14aaにエア弁座9aが当
接して後室6への大気の流入が停止される(弁機構40
が出力保持作用状態に切り換わる)。
【0059】大気シール部14aaは、リアクションデ
ィスク10からの反力とスプリング12の付勢力を受け
る入力部材9の大気弁座9aにより後方に弾性変形され
た状態で大気弁座9aに係合する。
【0060】弁機構40が出力保持作用状態となる際
に、前室5内の負圧は325mmHgから400mmH
gまで増圧する。従って、第1チェックバルブ20の開
弁圧が100mmHgに設定されていることから、第1
弁体20cが第1スプリング20dに付勢されて第1弁
座20bに当接され、第1チェックバルブ20が閉弁さ
れる。即ち、前室5とインテークマニホールド60との
第1連通路20aを介した連通が遮断され、前室5とイ
ンテークマニホールド60との連通は第2連通路21a
のみを介して行われることになる。
【0061】この弁機構40が出力保持作用状態を採
り、第1チェックバルブ20が閉状態となる際に負圧式
倍力装置1が出力する出力は図4に示すFo1となる。
ブレーキぺダル2が入力Fi1で踏み込まれて負圧式倍
力装置1が出力Fo1を出力するのに要した時間は図5
に示すt1となる。
【0062】負圧式倍力装置1が出力Fo1を出力して
弁機構40が出力保持作用状態を採っている状態では、
ブレーキペダル2に印加されている入力は図4中の入力
値Fi1で保持されている。しかしながら、この弁機構
40の出力保持作用状態において依然として第2チェッ
クバルブ21は開弁状態であることから、前室5からイ
ンテークマニホールド60への連通は継続されており、
前室5内の負圧は400mmHgから更に増圧されてい
る。
【0063】従って、前室5内の負圧が増圧されること
から前室5と後室6との差圧が増大され、可動壁4及び
パワーピストン7に更なる前進力が生じることになる。
即ち、可動壁4、パワーピストン7、リアクションディ
スク10及び出力ロッド11がハウジング3及び入力部
材9に対して更に前進することになる。
【0064】パワーピストン7及びリアクションディス
ク10が入力部材9に対して前進することにより入力部
材9の前面とリアクションディスク10の後面との間に
クリアランスが生じる。このクリアランスはリアクショ
ンディスク10がパワーピストン7の前進により出力ロ
ッド11とパワーピストン7とにより更に弾性変形され
てパワーピストン7の中心穴に張出すことによって埋め
られる。
【0065】リアクションディスク10が更に張り出す
ことによってリアクションディスク10と入力部材9と
は当接することになるが、パワーピストン7の更なる前
進に伴って生じるリアクションディスク10の増加分の
反力は、入力部材9とリアクションディスク10との間
に生じたクリアランスを埋めるためのリアクションディ
スク10の更なる弾性変形に費やされることから、入力
部材9との当接に際して入力部材9に付与される反力は
出力Fo1を出力する際にリアクションディスク10が
付与した反力と略等しくなる。
【0066】従って、入力部材9の入力とリアクション
ディスク10の反力とがバランスすることから、入力部
材9がリアクションディスク10から反力を受けること
によりパワーピストン7に対して後退されることはな
い。
【0067】入力部材9の大気弁座9aとコントロール
バルブ14の大気シール部14aaとが当接しているこ
とから、パワーピストン7の入力部材9に対する前進に
際して、コントロールバルブ14のシール部14aの入
力部材9に対する前進が規制されている。従って、パワ
ーピストン7の入力部材9に対する前進により、パワー
ピストン7の負圧弁座9aがコントロールバルブ14の
負圧シール部14abから離間する方向に移動する。
【0068】パワーピストン7は、負圧弁座7aと負圧
シール部14abとの当接状態を維持しつつ、弾性変形
されていた負圧シール部14abが元の状態に復元する
位置に負圧弁座7aが移動するまで前進することにな
る。
【0069】第2チェックバルブ21は、第2チェック
バルブ21の開弁圧が10mmHgに設定されているこ
とから、前室5とインテークマニホールド60との差圧
が10mmHgとなると、第2弁体21cが第2スプリ
ング21dに付勢されて第2弁座21bに当接され、第
2チェックバルブ21が閉弁される。即ち、前室5とイ
ンテークマニホールド60との第2連通路21aを介し
た連通が遮断される。
【0070】この弁機構40が出力保持作用状態を採
り、第1、第2チェックバルブ20、21が閉状態とな
る際に負圧式倍力装置1が出力する出力は図4中のFo
2となる。ブレーキぺダル2が入力Fi1で踏み込まれ
て負圧式倍力装置1が出力Fo2を出力するのに要した
時間は図5中のt2となる。
【0071】即ち、負圧式倍力装置1は、入力Fi1で
ブレーキペダル2が踏み込まれることにより時間t1で
出力Fo1を出力し、出力Fo1を出力した状態で入力
Fi1が維持されると、時間(t2−t1)後に出力F
o2を出力することになる。
【0072】第2連通路21aの径は第1連通路20a
の径に比して小さくされていることから、第2連通路2
1aのみを介した前室5とインテークマニホールド60
との連通においては、前室5とインテークマニホールド
60との差圧の減少は緩慢になされる。従って、時間t
1後における負圧式倍力装置1の出力は徐々に増大され
ることになる。
【0073】換言すれば、前室5とインテークマニホー
ルド60との圧力差が減少するに連れて第1チェックバ
ルブ20と第2チェックバルブ21とが順次閉弁される
ことにより、連通路91を介した前室5とインテークマ
ニホールド60との連通において、連通路91の流路面
積が減少されることになる。連通路91の流路面積の減
少に伴って、図5の実線部の傾きにより示される前室5
内の負圧力の増大速度において、時間t1までの増大速
度に比して時間(t2−t1)迄の増大速度が減少され
ることになる。
【0074】出力ロッド11に可動壁4及びパワーピス
トン7の推進力が出力され、出力ロッド11が前方に移
動されるとマスタシリンダ50のピストンに出力ロッド
11から出力が付与されて前進移動される。マスタシリ
ンダ50のピストンが前進されることによってマスタシ
リンダ50の圧力室内のブレーキ液が昇圧される。
【0075】圧力室内のブレーキ液の昇圧によりアウト
レットポートからブレーキ液がアクチュエータ部51を
介して各ホイールシリンダ52に流出し車両の各ホイー
ルに制動力が付与される。
【0076】即ち、運転者がブレーキペダル2を操作し
て負圧式倍力装置1に所定の出力を発生させてその入力
を保持すると、入力を保持してから所定時間後に負圧式
倍力装置1からの出力が入力を保持した際に出力された
出力に比して所定量増大されることから、運転者にブレ
ーキが良く効くという印象を与えることができ、それに
より運転者の安心感のある良好なブレーキフィーリング
を与えることができる。
【0077】例えば負圧式倍力装置1が入力Fi1で出
力Fo2を出力して弁機構40が出力保持作用状態を採
る状態において、ブレーキ作用を解除するために運転者
がブレーキペダル2への入力を減少して踏み込み操作を
解除すると、入力部材9がリアクションディスク10か
ら付与される反力とスプリング12の付勢力とにより後
退される。
【0078】従って、入力部材9の後退に伴ってコント
ロールバルブ14の可動部14cがパワーピストン7に
対して後退され、負圧シール部14abが負圧弁座7a
から離間され(弁機構40が出力減少作用状態に切り換
わる)、後室6内の大気が前室5、第1二股通路31、
第1、第2連通路20a、21a、第2二股通路32を
介してインテークマニホールド60へと排出される。
【0079】後室6の圧力低下に応じて可動壁4、パワ
ーピストン7、リアクションディスク10及び出力ロッ
ド11がハウジング3に対して後退され、図1、図2に
示す初期位置に復帰する。即ち、ブレーキ作動が終了さ
れる。
【0080】尚、リアクションディスク10は、パワー
ピストン7と出力ロッド11との間で伝達する力が減少
することにより、自己の弾性により図1、図2に示す状
態に復元する。
【0081】以上説明したように、本実施の形態の負圧
式倍力装置1によれば、通常の負圧式倍力装置に第1チ
ェックバルブ20及び第2チェックバルブ21を備えた
簡素な構成により、ブレーキの増し効き作用を有する負
圧式倍力装置とできる。
【0082】従って、簡素な構成でもって組付け作業能
率向上とコストの低減とを図った負圧式倍力装置1を提
供すること可能としている。
【0083】更に、第2連通路21aの径を適宜設定す
ることにより、容易に時間t2を設定することができ
る。
【0084】更に、負圧シール部14abが弾性部材か
ら成ることにより、増し効きの際のパワーピストン7の
前進量を増大すること、ひいては出力の増大を可能とし
ている。
【0085】更に、前室5内の負圧力を増大させる負圧
力増大手段として、通常時において前室5に負圧を供給
する負圧源としてのエンジンを用いていることから、部
品点数の減少と、それに伴う組付け作業能率の向上とコ
ストの低減とを可能としている。
【0086】本実施の形態においては、第1チェックバ
ルブ20の開弁圧が100mmHgとされ、第2チェッ
クバルブ21の開弁圧が10mmHgとして設定されて
いるが、特にこの構成に限定されるものではなく、少な
くとも第1チェックバルブ20の開弁圧に比して第2チ
ェックバルブ21の開弁圧が小さくされていれば良い。
【0087】又、本実施の形態においては、弁機構40
が出力保持作用状態を採る際に第1チェックバルブ20
が閉弁される構成とされているが、特にこの構成に限定
されるものではなく、弁機構40が出力保持作用状態を
採る際に少なくとも第2チェックバルブ21が開弁可能
とされる構成とされていれば良い。いずれにせよ、ブレ
ーキペダル2の通常作動におけるブレーキペダル2の操
作において入力が保持される際に少なくとも第2チェッ
クバルブ21が開弁されていれば、通常ブレーキ作動に
おいて効き増し感を得ることが可能となる。
【0088】又、本実施の形態においては、負圧式倍力
装置1はシングル型の構成を採っているが、特にこの構
成に限定されるものではなく、例えば、タンデム型の構
成をとる本発明の負圧式倍力装置においても同様の作用
効果が得られる。
【0089】又、本実施の形態においては、前室5はイ
ンテークマニホールド60に連通されているが、特にこ
の構成に限定されるものではなく、前室5には負圧を供
給可能なものが連通されれば良い。
【0090】又、本実施の形態においては、第1弁装置
として機械式の第1チェックバルブ20と、第2弁装置
として機械式の第2チェックバルブ21とが配設されて
いるが、特にこの構成に限定するものではなく、例え
ば、第1、第2弁装置として電気的に作動される電磁弁
装置を用い、これらの電磁弁装置を負圧源と前室との差
圧を検出する圧力センサの検出結果に応じて開閉制御す
る本発明の負圧式倍力装置においても同様の作用効果が
得られる。
【0091】又、本実施の形態においては、連通路90
は、第1連通路20aと、第2連通路21aと、第1二
股通路31と、第2二股通路32とを有しているが、特
にこの構成に限定されるものではなく、例えば、第1連
通路20aと第2連通路21aとのみから成る連通路9
1を備えた本発明の負圧式倍力装置においても同様の作
用効果が得られる。
【0092】(実施の形態2)図6は本実施の形態の負
圧式倍力装置の制御手段90の拡大断面図である。実施
の形態1と同様の部材には同符号が付してある。実施の
形態1と制御手段900の構造以外は同様であるので詳
細な説明は省略する。
【0093】図6に示すように、負圧源としての車両の
エンジンのインテークマニホールド60と負圧式倍力装
置の前室5との間には制御手段90が配設されている。
制御手段90は、連通路91と、第1チェックバルブ2
0と、第2チェックバルブ21とを備えている。連通路
91は、第1連通路20aと、第2連通路21aと、第
1通路33と、第2通路34とを有している。
【0094】第1連通路20aには第1チェックバルブ
20が配設されている。第1チェックバルブ20は、第
1連通路20aに連通する第1弁座20bと、第1弁座
20bに着座することにより第1連通路20aによる前
室5とインテークマニホールド60との連通を遮断する
第1弁体20cと、第1弁体20cを第1弁座20bに
向けて付勢する第1スプリング20dとを有している。
【0095】第1弁体20cには前後方向(図6中左右
方向)に延在されると共に段付孔状を呈する第2連通路
21aが形成されている。第1連通路20aと第2連通
路21aとは同軸的に配設されており、第2連通路21
aの流路径は第1連通路20aの流路径に比して小さく
設定されている。
【0096】第1連通路20aの後方開口と第2連通路
21aの後方開口は第1通路33を介して前室5に連通
されており、第1連通路20aの前方開口と第2連通路
21aの前方開口とは第2通路34を介してインテーク
マニホールド60に連通されている。
【0097】第2通路第21aには第2チェックバルブ
21が配設されている。第2チェックバルブ21は、第
2連通路21aの段差部に配設されるとともに第2連通
路21aに連通する第2弁座21bと、第2連通路21
a内に配設され、第2弁座21bに当接することにより
第2連通路21aとインテークマニホールド60との連
通を遮断する第2弁体21cと、第2連通路21a内に
配設され、第2弁体21cを第2弁座21bに向けて付
勢する第2スプリング21dとを備えている。
【0098】第2チェックバルブ21の第2スプリング
21dの付勢力は第1チェックバルブ20の第1スプリ
ング20dよりも小さくされている。即ち、第1チェッ
クバルブ20の開弁圧は第2チェックバルブ21の開弁
圧よりも大きくされている。本実施の形態においては、
第1チェックバルブ20の開弁圧は100mmHgに設
定されており、第2チェックバルブ21の開弁圧は10
mmHgに設定されている。
【0099】本実施の形態の負圧式倍力装置の作動は実
施の形態1と略同様であり、又、本実施の形態の第1、
第2チェックバルブ20、21の作動も実施の形態1の
第1、第2チェックバルブ20、21と同様であるので
説明は省略する。
【0100】以上説明したように、本実施の形態の負圧
式倍力装置によれば、第2チェックバルブ21が第1チ
ェックバルブ20内に形成されていることから、負圧式
倍力装置とインテークマニホールド60間において配設
スペースを少なくすることができる。即ち、スペースの
有効利用を可能としている。
【0101】その他の作用効果は実施の形態1と同様で
あるので説明は省略する。
【0102】(実施の形態3)図7は本実施の形態の負
圧式倍力装置1の断面図である。実施の形態1と同様の
部材には同符号が付している。電子制御装置80、圧力
センサ81、電磁弁装置82、及びブレーキペダル速度
センサ83以外の構成は実施の形態1と略同様であるの
で詳細な説明は省略する。図7に示すように、負圧式倍
力装置1の前室5はインレット3aを介して負圧源であ
る車両のエンジン70のインテークマニホールドと連通
し、常に負圧を発生している。
【0103】前室5内には、前室5内の負圧を検出する
圧力センサ81が配設されている。圧力センサ81は電
子制御装置80に電気的に接続されている。
【0104】前室5とエンジン70との間には、前室5
とエンジン70との連通を遮断可能な常閉型の電磁弁装
置82が配設されている。電磁弁装置82は電子制御装
置80に電気的に接続されており、電子制御装置80に
より駆動制御される。
【0105】ブレーキペダル2には、ブレーキペダル2
の踏み込み速度を検出するブレーキペダル速度センサ8
3が配設されている。ブレーキペダル速度センサ83は
電気的に電子制御装置80に接続されている。
【0106】エンジン70は周知のものであるのでその
詳述は避けるが、エンジン70のスロットルバルブはア
クセルの操作に伴って作動される以外にも電気的に作動
可能とされ、電子制御装置80に電気的に接続されてお
り、圧力センサ81の検出結果に基づいて電子制御装置
80により駆動制御される。電子制御装置80によりス
ロットルバルブが作動され、その開弁度が増大されると
エンジン70のインテークマニホールド内の負圧は減圧
され、その開弁度が減少されるとインテークマニホール
ド内の負圧は増圧される。
【0107】図8は電子制御装置80の概略図である。
電子制御装置80は、図8に示すように、バスを介して
相互に接続されたCPU80a、ROM80b、RAM
80c、タイマ80d、入力ポート80e及び出力ポー
ト80fから成るマイクロコンピュータ80gを備えて
いる。
【0108】圧力センサ81の出力信号は増幅回路80
hを介し、ブレーキペダル速度センサ83の出力信号は
増幅回路80kを介してそれぞれ入力ポート80eから
CPU80aに入力されるように構成されている。又、
出力ポート80fからは駆動回路80iを介してエンジ
ン70のスロットルバルブ駆動機構(図示省略)に制御
信号が出力され、駆動回路80jを介して電磁弁82に
制御信号が出力されるように構成されている。
【0109】マイクロコンピュータ80gにおいては、
ROM80bは図9に対応したフローチャートプログラ
ムを記憶し、CPU80aは図示しないイグニッション
スイッチが閉成されている間当該プログラムを実行し、
RAM80cは当該プログラムの実行に必要な変数デー
タを一時的に記憶する。
【0110】次いで、負圧式倍力装置1の作動について
説明する。弁機構40の構成、負圧式倍力装置1の入出
力特性線図、及び入出力特性の時間的変化を示したグラ
フは実施の形態1と同様であるので、図2、図4、及び
図5を参照することにする。
【0111】図2、図4、図5、及び図7に示すよう
に、不図示の車両のイグニッションスイッチが閉成され
ると電子制御装置80において図9のフローチャートに
対応したプログラムの実行が開始され、図9のステップ
101にてマイクロコンピュータ80gが初期化されて
各種の演算値がクリアされる。更にイグニッションスイ
ッチの閉成によりエンジンが始動される。
【0112】次いでステップ102において電子制御装
置80により電磁弁82が閉状態から開状態と切り換え
られ、エンジン70のインテークマニホールドと前室5
とが連通される。エンジン70の始動によりインテーク
マニホールドを空気が流動することによって負圧が生
じ、前室5がインテークマニホールドにおける圧力と略
同じ圧力、即ち負圧となる。
【0113】本実施の形態においてエンジン70の作動
によりインテークマニホールドにおいて生じる負圧は5
00mmHgであり、従って、前室5の負圧が500m
mHg以上となることはない。ステップ103におい
て、圧力センサ81により前室5内の負圧が検出され、
もし前室5内の負圧が500mmHgでなければステッ
プ102において電磁弁82の開状態が維持される。
【0114】もしステップ103において、圧力センサ
81により前室5内の負圧が500mmHgに達してい
ることが検出されれば、ステップ104に進み、圧力セ
ンサ81の検出結果に基づいて電子制御装置80により
電磁弁装置82が閉弁され、前室5とインテークマニホ
ールド60との連通が遮断される。
【0115】運転者が車両のブレーキ操作部材であるブ
レーキペダル2を操作していない初期状態においては、
コントロールバルブ14のシール部14aの大気シール
部14aaは入力部材9の大気弁座9aと係合状態、
又、シール部14aの負圧シール部14abはパワーピ
ストン7の負圧弁座7aとは非係合状態にあるため、後
室6は、エアパス7d、負圧シール部14abと負圧弁
座7aとの隙間、及びバキュームパス7cを介して前室
5と連通している。
【0116】即ち、弁機構40は、前室5と後室6とが
連通されるとともに後室6と大気との連通が遮断される
出力現象作用状態を採っている。大気シール部14aa
は、スプリング12の付勢力を受ける入力部材9のエア
弁座9aにより後方に弾性変形された状態でエア弁座9
aに係合している。
【0117】運転者によってブレーキペダル2が入力値
Fi1で操作されると、これと連結した入力ロッド8が
入力を受けて前方に移動する。従って、入力ロッド8に
接続された入力部材9も入力ロッド8と一体となって前
方に移動する。
【0118】入力部材9の移動によって、コントロール
バルブ14ひいてはシール部14aもバルブスプリング
14cの付勢力によって入力部材9と共に前方に移動
し、やがてシール部14aの負圧シール部14abがパ
ワーピストン7の負圧弁座7aに当接して、エアパス7
dとバキュームパス7cとの連通が遮断される。即ち、
後室6と前室5との連通が遮断されることになる。
【0119】弁機構40においては、前室5と後室6と
の連通を遮断するとともに後室6と大気との連通を遮断
する出力保持作用状態を採っているものである。負圧シ
ール部14abは、バルブスプリング14cの付勢力に
より負圧弁座9aに当接され、負圧弁座9aとの当接に
より後方に弾性変形された状態で負圧弁座9aと係合す
る。
【0120】更に入力部材9が前方に移動するとシール
部14aの大気シール部14aaと入力部材9の大気弁
座9aとの係合が解消され、大気シール部9aとの当接
により弾性変形されていた大気シール部14aaは元の
状態に復元し、後室6が、エアパス7d、大気シール部
14aaと大気弁座9aとの隙間、及びコントロールバ
ルブ14の内周側空間部を介して大気と連通される。
【0121】即ち、弁機構40においては、前室5と後
室6との連通が遮断されるとともに後室6が大気に連通
される出力増加作用状態を採ることになる。
【0122】従って、後室6への大気の流入によって前
室5と後室6との間に気圧差が発生するため、可動壁4
とパワーピストン7とに前進力が生じ、可動壁4、パワ
ーピストン7及び出力ロッド11がハウジング3に対し
て前進する。
【0123】ここで、初期状態において前室5内の負圧
は500mmHgであり、前室5内は真空状態(負圧7
60mmHg)ではないことから、初期状態において前
室5内には略260mmHg分の大気が残存しているも
のである。可動壁4とパワーピストン7とがハウジング
3に対して前進すると前室5の容積が減少され、前室5
の容積の減少に伴って前室5内の大気の圧力が上昇し、
逆に前室5内の負圧は減少することになる。
【0124】ステップ105において圧力センサ81に
より前室5内の負圧が検出され、もし前室5内の負圧が
350mmHg以下に減少していることが検出される
と、ステップ106に進み、電子制御装置80により圧
力センサ81の検出結果に基づいて電磁弁装置82が開
状態とされ、前室5とエンジン70のインテークマニホ
ールドとが連通される。
【0125】次いでステップ107において、ブレーキ
ペダル踏み込み速度センサ83により検出されたこのブ
レーキペダル2の踏み込み動作に伴う踏み込み速度Sが
電子制御装置80により閾値である、例えば、400m
m/secよりも大きいか判定される。もしこの閾値よ
りも小さいのであれば、この入力Fi1でのブレーキペ
ダル2の踏み込み動作は通常ブレーキ作動と判断され、
ステップ108に進む。
【0126】前室5とエンジン70のインテークマニホ
ールドとが連通されることにより前室5内の大気がイン
テークマニホールドへと流出して前室5内の負圧が上昇
し、前室5とインテークマニホールドとの間の差圧が減
少されていくことになる。
【0127】パワーピストン7の入力部材9に対する前
進に伴ってリアクションディスク10がパワーピストン
7と出力ロッド11とにより圧縮変形されてパワーピス
トン7の中心穴内に張り出し、リアクションディスク1
0がパワーピストン7の前進力及び入力部材9の前進力
を出力ロッド11に伝達すると共に出力ロッド11から
の出力に対応した反力を、入力部材9に、入力部材9を
パワーピストン7に対して後退させるように付与するよ
うになる。
【0128】従って、パワーピストン7が入力部材9に
対して前進すること及びリアクションディスク10が入
力部材9に反力を付与して入力部材9を後方に移動させ
ることにより、コントロールバルブ14の大気シール部
14aaがエア弁座9aに接近し、やがてコントロール
バルブ14の大気シール部14aaにエア弁座9aが当
接して後室6への大気の流入が停止される(弁機構40
が出力保持作用状態に切り換わる)。
【0129】大気シール部14aaは、リアクションデ
ィスク10からの反力とスプリング12の付勢力を受け
る入力部材9の大気弁座9aにより後方に弾性変形され
た状態で大気弁座9aに係合する。
【0130】ステップ108において圧力センサ81に
より前室5内の負圧が検出され、弁機構40が出力保持
作用状態となる際に前室5内の負圧は325mmHgか
ら400mmHgまで増圧したことが圧力センサ81に
よって検出されると、ステップ109において電子制御
装置80によりエンジン70のスロットルバルブが作動
されてスロットルバルブの開弁度が増大され、インテー
クマニホールド内の、即ち、エンジン70内の負圧が4
00mmHgまで減少される。
【0131】この弁機構40が出力保持作用状態を採る
際に負圧式倍力装置1が出力する出力は図4に示すFo
1となる。ブレーキぺダル2が入力Fi1で踏み込まれ
て負圧式倍力装置1が出力Fo1を出力するのに要した
時間は図5に示すt1となる。
【0132】ステップ110において、インテークマニ
ホールド内の、即ち、エンジン70内の負圧を400m
mHgから500mmHgへと所定時間で徐々に増圧す
るように、電子制御装置80によりエンジン70のスロ
ットルバルブが作動されてスロットルバルブの開弁度が
徐々に減少される。
【0133】負圧式倍力装置1が出力Fo1を出力して
弁機構40が出力保持作用状態を採っている状態では、
ブレーキペダル2に印加されている入力は図4中の入力
値Fi1で保持されている。しかしながら、この弁機構
40の出力保持作用状態において依然として電磁弁82
が開状態であり前室5とエンジン70のインテークマニ
ホールドとが連通状態であることから、前室5内の負圧
は400mmHgから更に増圧されていっている。
【0134】従って、前室5内の負圧が増圧されること
から前室5と後室6との差圧が増大され、可動壁4及び
パワーピストン7に更なる前進力が生じることになる。
即ち、可動壁4、パワーピストン7、リアクションディ
スク10及び出力ロッド11がハウジング3及び入力部
材9に対して更に前進することになる。
【0135】パワーピストン7及びリアクションディス
ク10が入力部材9に対して前進することにより入力部
材9の前面とリアクションディスク10の後面との間に
クリアランスが生じる。このクリアランスはリアクショ
ンディスク10がパワーピストン7の前進により出力ロ
ッド11とパワーピストン7とにより更に弾性変形され
てパワーピストン7の中心穴に張出すことによって埋め
られる。
【0136】リアクションディスク10が更に張り出す
ことによってリアクションディスク10と入力部材9と
は当接することになるが、パワーピストン7の更なる前
進に伴って生じるリアクションディスク10の増加分の
反力は、入力部材9とリアクションディスク10との間
に生じたクリアランスを埋めるためのリアクションディ
スク10の更なる弾性変形に費やされることから、入力
部材9との当接に際して入力部材9に付与される反力は
出力Fo1を出力する際にリアクションディスク10が
付与した反力と略等しくなる。
【0137】従って、入力部材9の入力とリアクション
ディスク10の反力とがバランスすることから、入力部
材9がリアクションディスク10から反力を受けること
によりパワーピストン7に対して後退されることはな
い。
【0138】入力部材9の大気弁座9aとコントロール
バルブ14の大気シール部14aaとが当接しているこ
とから、パワーピストン7の入力部材9に対する前進に
際して、コントロールバルブ14のシール部14aの入
力部材9に対する前進が規制されている。従って、パワ
ーピストン7の入力部材9に対する前進により、パワー
ピストン7の負圧弁座9aがコントロールバルブ14の
負圧シール部14abから離間する方向に移動する。
【0139】パワーピストン7は、負圧弁座7aと負圧
シール部14abとの当接状態を維持しつつ、弾性変形
されていた負圧シール部14abが元の状態に復元する
位置に負圧弁座7aが移動するまで前進することにな
る。
【0140】ステップ111において、圧力センサ81
により前室5内の負圧が500mmHgとなったことが
検出されると、電子制御装置80により電磁弁82が閉
弁される。即ち、前室5とエンジン70のインテークマ
ニホールドとの連通が遮断される。
【0141】この弁機構40が出力保持作用状態を採
り、電磁弁82が閉状態となる際に負圧式倍力装置1が
出力する出力は図4中のFo2となる。ブレーキぺダル
2が入力Fi1で踏み込まれて負圧式倍力装置1が出力
Fo2を出力するのに要した時間は図5中のt2とな
る。
【0142】即ち、負圧式倍力装置1は、入力Fi1で
ブレーキペダル2が踏み込まれることにより時間t1で
出力Fo1を出力し、出力Fo1を出力した状態で入力
Fi1が維持されると、所定時間(t2−t1)後に出
力Fo2を出力することになる。
【0143】負圧式倍力装置1が出力Fo1を出力して
弁機構40が出力保持作用状態を採る以後において前室
5内の負圧が400mmHgから500mmHgへと徐
々に増圧されていることから、前室5とインテークマニ
ホールド60との差圧の減少は緩慢になされる。従っ
て、時間t1後における負圧式倍力装置1の出力は徐々
に増大されることになる。
【0144】換言すれば、負圧式倍力装置1が出力Fo
1を出力して弁機構40が出力保持作用状態を採る以後
において、エンジン70内の負圧が所定時間(t2−t
1)で徐々に増大されることにより、図5の実線部の傾
きにより示される前室5内の負圧力の増大速度におい
て、時間t1までの増大速度に比して時間(t2−t
1)迄の増大速度が減少されることになる。
【0145】出力ロッド11に可動壁4及びパワーピス
トン7の推進力が出力され、出力ロッド11が前方に移
動されるとマスタシリンダ50のピストンに出力ロッド
11から出力が付与されて前進移動される。マスタシリ
ンダ50のピストンが前進されることによってマスタシ
リンダ50の圧力室内のブレーキ液が昇圧される。
【0146】圧力室内のブレーキ液の昇圧によりアウト
レットポートからブレーキ液がアクチュエータ部51を
介して各ホイールシリンダ52に流出し車両の各ホイー
ルに制動力が付与される。
【0147】即ち、運転者がブレーキペダル2を操作し
て負圧式倍力装置1に所定の出力を発生させてその入力
を保持すると、入力を保持してから所定時間後に負圧式
倍力装置1からの出力が入力を保持した際に出力された
出力に比して所定量増大されることから、運転者にブレ
ーキが良く効くという印象を与えることができ、それに
より運転者の安心感のある良好なブレーキフィーリング
を与えることができる。
【0148】例えば負圧式倍力装置1が入力Fi1で出
力Fo2を出力して弁機構40が出力保持作用状態を採
る状態において、ブレーキ作用を解除するために運転者
がブレーキペダル2への入力を減少して踏み込み操作を
解除すると、入力部材9がリアクションディスク10か
ら付与される反力とスプリング12の付勢力とにより後
退される。
【0149】従って、入力部材9の後退に伴ってコント
ロールバルブ14の可動部14cがパワーピストン7に
対して後退され、負圧シール部14abが負圧弁座7a
から離間され(弁機構40が出力減少作用状態に切り換
わる)、後室6内の大気が前室5及び第1、第2チェッ
クバルブ20、21を介してエンジン70のインテーク
マニホールドへと排出される。
【0150】後室6の圧力低下に応じて可動壁4、パワ
ーピストン7、リアクションディスク10及び出力ロッ
ド11がハウジング3に対して後退され、図1、図2に
示す初期位置に復帰する。即ち、ブレーキ作動が終了さ
れる。
【0151】尚、リアクションディスク10は、パワー
ピストン7と出力ロッド11との間で伝達する力が減少
することにより、自己の弾性により図1、図2に示す状
態に復元する。
【0152】ステップ107において、ブレーキペダル
踏み込み速度センサ83により検出された入力Fi1で
のブレーキペダル2の踏み込み動作に伴う踏み込み速度
Sが電子制御装置80により閾値よりも大きいと判断さ
れた場合、この入力Fi1でのブレーキペダル2の踏み
込み動作は急ブレーキ操作と判断され、ステップ112
に進む。
【0153】ステップ112において、インテークマニ
ホールド内の、即ち、エンジン70内の負圧を500m
mHgで維持するように、電子制御装置80によりエン
ジン70のスロットルバルブの作動が制御される。
【0154】前室5とエンジン70のインテークマニホ
ールドとが連通されることにより前室5内の大気がイン
テークマニホールドへと流出して前室5内の負圧が上昇
し、前室5とインテークマニホールドとの間の差圧が減
少されていくことになる。
【0155】パワーピストン7の入力部材9に対する前
進に伴ってリアクションディスク10がパワーピストン
7と出力ロッド11とにより圧縮変形されてパワーピス
トン7の中心穴内に張り出し、リアクションディスク1
0がパワーピストン7の前進力及び入力部材9の前進力
を出力ロッド11に伝達すると共に出力ロッド11から
の出力に対応した反力を、入力部材9に、入力部材9を
パワーピストン7に対して後退させるように付与するよ
うになる。
【0156】従って、パワーピストン7が入力部材9に
対して前進すること及びリアクションディスク10が入
力部材9に反力を付与して入力部材9を後方に移動させ
ることにより、コントロールバルブ14の大気シール部
14aaがエア弁座9aに接近し、やがてコントロール
バルブ14の大気シール部14aaにエア弁座9aが当
接して後室6への大気の流入が停止される(弁機構40
が出力保持作用状態に切り換わる)。
【0157】大気シール部14aaは、リアクションデ
ィスク10からの反力とスプリング12の付勢力を受け
る入力部材9の大気弁座9aにより後方に弾性変形され
た状態で大気弁座9aに係合する。
【0158】前述したように、弁機構40が出力保持作
用状態を採るときには前室5内の負圧は400mmHg
となっており、負圧式倍力装置1は出力Fo1を出力
し、ブレーキペダル2に印加されている入力は入力値F
i1で保持されている。しかしながら、この弁機構40
の出力保持作用状態において依然として電磁弁82が開
状態であり前室5とエンジン70のインテークマニホー
ルドとが連通状態であることから、前室5内の負圧は4
00mmHgから更に増圧されていっている。
【0159】従って、前室5内の負圧が増圧されること
から前室5と後室6との差圧が増大され、可動壁4及び
パワーピストン7に更なる前進力が生じることになる。
即ち、可動壁4、パワーピストン7、リアクションディ
スク10及び出力ロッド11がハウジング3及び入力部
材9に対して更に前進することになる。
【0160】パワーピストン7及びリアクションディス
ク10が入力部材9に対して前進することにより入力部
材9の前面とリアクションディスク10の後面との間に
クリアランスが生じる。このクリアランスはリアクショ
ンディスク10がパワーピストン7の前進により出力ロ
ッド11とパワーピストン7とにより更に弾性変形され
てパワーピストン7の中心穴に張出すことによって埋め
られる。
【0161】リアクションディスク10が更に張り出す
ことによってリアクションディスク10と入力部材9と
は当接することになるが、パワーピストン7の更なる前
進に伴って生じるリアクションディスク10の増加分の
反力は、入力部材9とリアクションディスク10との間
に生じたクリアランスを埋めるためのリアクションディ
スク10の更なる弾性変形に費やされることから、入力
部材9との当接に際して入力部材9に付与される反力は
出力Fo1を出力する際にリアクションディスク10が
付与した反力と略等しくなる。
【0162】従って、入力部材9の入力とリアクション
ディスク10の反力とがバランスすることから、入力部
材9がリアクションディスク10から反力を受けること
によりパワーピストン7に対して後退されることはな
い。
【0163】入力部材9の大気弁座9aとコントロール
バルブ14の大気シール部14aaとが当接しているこ
とから、パワーピストン7の入力部材9に対する前進に
際して、コントロールバルブ14のシール部14aの入
力部材9に対する前進が規制されている。従って、パワ
ーピストン7の入力部材9に対する前進により、パワー
ピストン7の負圧弁座9aがコントロールバルブ14の
負圧シール部14abから離間する方向に移動する。
【0164】パワーピストン7は、負圧弁座7aと負圧
シール部14abとの当接状態を維持しつつ、弾性変形
されていた負圧シール部14abが元の状態に復元する
位置に負圧弁座7aが移動するまで前進することにな
る。
【0165】ステップ111において、圧力センサ81
により前室5内の負圧が500mmHgとなったことが
検出されると、電子制御装置80により電磁弁82が閉
弁される。即ち、前室5とエンジン70のインテークマ
ニホールドとの連通が遮断される。
【0166】この弁機構40が出力保持作用状態を採
り、電磁弁82が閉状態となる際に負圧式倍力装置1が
出力する出力は図4中のFo2となる。ブレーキぺダル
2が入力Fi1で踏み込まれて負圧式倍力装置1が出力
Fo2を出力するのに要した時間は図5中のt3とな
る。
【0167】即ち、負圧式倍力装置1は、入力Fi1で
ブレーキペダル2が踏み込まれることにより時間t1で
出力Fo1を出力し、出力Fo1を出力した状態で入力
Fi1が維持されると、所定時間(t3−t1)後に出
力Fo2を出力することになる。
【0168】ここで、前述した通常のブレーキ操作時に
おいては、負圧式倍力装置1が出力Fo1を出力して弁
機構40が出力保持作用状態を採る以後においてエンジ
ン70の負圧が所定時間(t2−t1)で徐々に増圧さ
れることにより前室5内の負圧が400mmHgから5
00mmHgへと徐々に増圧されているのに対して、急
ブレーキ操作時においては、エンジン70の負圧は常に
500mmHgで維持されることから、所定時間(t3
−t1)における前室5内の負圧の400mmHgから
500mmHgへの増大速度は、所定時間(t2−t
1)における増大速度に比して速くなっている。従っ
て、急ブレーキ操作時の時間t1後における負圧式倍力
装置1の出力は、通常ブレーキ作動時の時間t1後にお
ける負圧式倍力装置1の出力の増加に比べて、速やかに
増加することになる。即ち、急ブレーキ作動に相応し
い、速やかな出力増加を可能としている。
【0169】その他の作用効果は実施の形態1と同様で
あるので説明は省略する。
【0170】以上説明したように、本実施の形態の負圧
式倍力装置1によれば、通常の負圧式倍力装置に、電子
制御装置80、圧力センサ81、電磁弁82及びエンジ
ン70のスロットルバルブ駆動機構を備えた簡素な構成
により、ブレーキの増し効き作用を有する負圧式倍力装
置とできる。
【0171】更に、前室5内の負圧を400mmHgか
ら500mmHgへと増圧する所定時間を適宜設定する
ことにより、容易に時間t2を設定することができる。
【0172】更に、ブレーキペダル踏み込み速度センサ
83を設置し、センサ83の検出結果に基づいてエンジ
ン70のスロットルバルブ駆動機構を制御する構成とし
た事から、急ブレーキ操作時において負圧式倍力装置1
の出力の増大を通常ブレーキ時に比べて速やかに行うこ
とができる。
【0173】本実施の形態においては、負圧源として車
両用のエンジン70を用いているが、特にこの構成に限
定されるものではなく、前室5に負圧を供給可能なもの
であれば良い。
【0174】又、本実施の形態においては、負圧力増大
手段として、エンジン70により供給される負圧を制御
するためにスロットルバルブの開弁度を電気的に制御し
ているが、特にこの構成に限定するものではなく、エン
ジン70により供給される負圧を制御可能な構成であれ
ば良い。
【0175】又、本実施の形態においては、前室5内の
負圧が350mmHg以下となった際に電磁弁82を開
弁して400mmHgまで増圧し、前室5内が400m
mHgまで増圧した際にエンジン70内の負圧を400
mmHgに設定した後、エンジン70内の負圧を500
mmHgまで増圧しているが、特にこの構成に限定され
るものではなく、少なくとも負圧式倍力装置1が出力F
o1を出力して弁機構40が出力保持作用状態を採る際
に前室5内の負圧が500mmHgまで増圧されておら
ず、弁機構40の出力保持作用状態以後に前室5内の負
圧を徐々に上昇可能な設定であれば良い。
【0176】以上、本発明を上記実施の形態に則して説
明したが、本発明は上記態様にのみ限定されるものでは
なく、本発明の原理に準ずる各種態様を含むものであ
る。
【0177】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、負圧力増大手段と制御手段とを備えることで簡
素な構成の負圧式倍力装置とすることができる。
【0178】従って、簡素な構成でもって組付け作業能
率の向上とコストの低減とを図った負圧式倍力装置を提
供することを可能としている。
【0179】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
の効果に加えて、負圧力増大手段のよりよい作動形態を
示している。
【0180】請求項3の発明によれば、請求項1又は請
求項2の発明の効果に加えて、制御手段のよりよい作動
形態を示している。
【0181】請求項4の発明によれば、請求項1の効果
に加えて、負圧力増大手段と制御手段とのより良い形態
を示すとともに、簡素な構成を有する負圧式倍力装置を
提供することを可能としている。
【0182】請求項5の発明によれば、請求項3の効果
に加えて、負圧力増大手段と制御手段とのより良い形態
を示すとともに、簡素な構成を有する負圧式倍力装置を
提供することを可能としている。更に、組付けスペース
の有効利用を図った負圧式倍力装置を提供することを可
能としている。
【0183】請求項6の発明によれば、請求項4又は請
求項5の発明の効果に加えて、第2弁装置のより良い作
動形態を示しており、出力の増し効きを可能としてい
る。
【0184】請求項7の発明によれば、制御手段を備え
ることで簡素な構成の負圧式倍力装置とすることができ
る。
【0185】従って、簡素な構成でもって組付け作業能
率の向上とコストの低減とを図った負圧式倍力装置を提
供することを可能としている。
【0186】請求項8の発明によれば、請求項1又は請
求項7の発明の効果に加えて、例えば、通常ブレーキ操
作と急ブレーキ操作時とにおいて、それぞれ適切な制御
手段ひいては負圧式倍力装置のより良い作動を行うこと
を可能としている。
【0187】請求項9の発明によれば、請求項1〜8の
何れか一に記載の発明の効果に加えて、弁機構のよりよ
い形態を示しており、出力の増加を可能としている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の負圧式倍力装置1の断面図。
【図2】図1のバルブ機構40の拡大図。
【図3】図1の第1、第2チェックバルブ20、21の
拡大図。
【図4】実施の形態の負圧式倍力装置1の入出力特性線
図。
【図5】図4の入出力特性の時間的変化を示したグラ
フ。
【図6】実施の形態2の負圧式倍力装置の第1及び第2
チェックバルブ20、21の書く大断面図。
【図7】実施の形態3の負圧式倍力装置1の断面図。
【図8】図7の電子制御装置80のの構成を示すブロッ
ク図。
【図9】実施の形態3における負圧制御の処理を示すフ
ローチャート。
【符号の説明】 1 負圧式倍力装置 3 ハウジング 4 可動壁 5 前室 6 後室 7 パワーピストン 7a 負圧弁座 9 入力部材 9a 大気弁座 11 出力ロッド 14 コントロールバルブ 14aa 大気シール部 14ab 負圧シ
ール部 20 第1チェックバルブ 20a 第1連通路 20b 第1弁座 20c 第1弁体 20d 第1スプ
リング 21 第2チェックバルブ 21a 第2連通路 21b 第2弁座 21c 第2弁体 21d 第2スプ
リング 60 インテークマニホールド 70 エンジン 80 電子制御装置 81 圧力センサ 82 電磁弁 83 ブレーキペダル踏み込み速度センサ 90 制御手段 91 連通路

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つの圧力空間を内部に形成
    するハウジングと、 前記ハウジング内に前記ハウジングに対して前進及び後
    退できるように設置されていて前記圧力空間を負圧源に
    連通される前室と前記前室或いは大気に連通される後室
    とに分割する可動壁と、 前記可動壁に結合されているパワーピストンと、 前記パワーピストンの内部に前記パワーピストンに対し
    て前進及び後退可能に配設される入力部材と、 前記入力部材の移動に応じて前記後室を前記前室或いは
    大気に連通する弁機構と、 前記可動壁の移動に伴った前記パワーピストンの前進力
    を装置外に出力する出力部材と、 前記可動壁の移動に伴って減少する前記前室内の負圧力
    を増大させる負圧力増大手段と、 前記負圧力増大手段による前記前室内の負圧力の増大速
    度を制御する制御手段と、 を備えた負圧式倍力装置。
  2. 【請求項2】 前記負圧力増大手段は、少なくとも前記
    入力部材へ印加される入力が一定となるように保持され
    た以後において、前記前室内の負圧力を増大可能である
    請求項1の負圧式倍力装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は前記負圧力増大手段と前
    記前室とを連通する連通路を備えるとともに前記連通路
    の流路面積を増減することにより前記前室内の負圧力の
    増大速度を制御する請求項1又は請求項2の負圧式倍力
    装置。
  4. 【請求項4】前記負圧力増大手段は前記負圧源であり、
    前記連通路は、前記前室と前記負圧源とを連通すると共
    に第1の流路径を有する第1連通路と、前記前室と前記
    負圧源とを連通すると共に前記第1連通路に並列に配設
    され前記第1の流路径よりも小さな第2の流路径を有す
    る第2連通路とを少なくとも備え、前記制御手段は、前
    記第1連通路に配設されるとともに前記前室と前記負圧
    源との差圧が第1の所定圧以上となる際に前記第1連通
    路を介した前記前室から前記負圧源への連通を許容する
    第1弁装置と、前記第2連通路に配設されるとともに前
    記前室と前記負圧源との差圧が前記第1の所定圧よりも
    小さな第2の所定圧以上となる際に前記第2連通路を介
    した前記前室から前記負圧源への連通を許容する第2弁
    装置とを備える請求項3の負圧式倍力装置。
  5. 【請求項5】前記負圧力増大手段は前記負圧源であり、
    前記連通路は、前記前室と前記負圧源とを連通すると共
    に第1の流路径を有する第1連通路と、前記前室と前記
    負圧源とを連通すると共に前記第1連通路に同軸的に配
    設され前記第1の流路径よりも小さな第2の流路径を有
    する第2連通路とを少なくとも備え、前記制御手段は、
    前記第1連通路に配設されるとともに前記前室と前記負
    圧源との差圧が第1の所定圧以上となる際に前記第1連
    通路を介した前記前室から前記負圧源への連通を許容す
    る第1弁装置と、前記第2連通路に配設されるとともに
    前記前室と前記負圧源との差圧が前記第1の所定圧より
    も小さな第2の所定圧以上となる際に前記第2連通路を
    介した前記前室から前記負圧源への連通を許容する第2
    弁装置とを備える請求項3の負圧式倍力装置。
  6. 【請求項6】 前記第2弁装置は、少なくとも前記入力
    部材に印加される入力が一定となるように保持される以
    降において、前記前室と前記負圧源とを連通している請
    求項4又は請求項5の負圧式倍力装置。
  7. 【請求項7】 少なくとも1つの圧力空間を内部に形成
    するハウジングと、 前記ハウジング内に前記ハウジングに対して前進及び後
    退できるように設置されていて前記圧力空間を負圧源に
    連通される前室と前記前室或いは大気に連通される後室
    とに分割する可動壁と、 前記可動壁に結合されているパワーピストンと、 前記パワーピストンの内部に前記パワーピストンに対し
    て前進及び後退可能に配設される入力部材と、 前記入力部材の移動に応じて前記後室を前記前室或いは
    大気に連通する弁機構と、 前記可動壁の移動に伴った前記パワーピストンの前進力
    を装置外に出力する出力部材と、 前記負圧源の負圧力を制御することにより、前記可動壁
    の移動に伴って減少する前記前室内の負圧力を増大させ
    ると共に前記前室内の負圧力の増大速度を制御する制御
    手段と、 を備えた負圧式倍力装置。
  8. 【請求項8】 前記入力部材は操作部材の操作に応じて
    作動され、前記制御手段は前記操作部材が所定の操作速
    度で操作された際に作動される請求項1又は請求項7の
    負圧式倍力装置。
  9. 【請求項9】 前記弁機構は、 前記パワーピストン内に配設され、前記入力部材と一体
    的に前進及び後退可能な大気弁座と、 前記パワーピストン内に配設される負圧弁座と、 前記大気弁座に当接及び離脱可能で前記大気弁座に当接
    することによって前記後室と大気との連通を遮断すると
    ともに前記大気弁座から離間することによって前記後室
    を大気に連通する大気シール部と、前記負圧弁座に当接
    及び離脱可能で前記負圧弁座に当接することによって前
    記前室と前記後室との連通を遮断すると共に前記負圧弁
    座から離間することによって前記後室を前記前室に連通
    する弾性部材から成る負圧シール部とを備えたコントロ
    ールバルブとを有している請求項1〜8の何れか一に記
    載の負圧式倍力装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018149558A1 (de) * 2017-02-15 2018-08-23 Continental Teves Ag & Co. Ohg Verfahren zum betreiben einer bremsanlage und bremsanlage

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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