JPH11335578A - カーボンブラック製造装置及びこれを用いたカーボンブラックの製造方法 - Google Patents

カーボンブラック製造装置及びこれを用いたカーボンブラックの製造方法

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JPH11335578A
JPH11335578A JP14252298A JP14252298A JPH11335578A JP H11335578 A JPH11335578 A JP H11335578A JP 14252298 A JP14252298 A JP 14252298A JP 14252298 A JP14252298 A JP 14252298A JP H11335578 A JPH11335578 A JP H11335578A
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carbon black
reaction zone
chalk
diameter
combustion gas
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JP14252298A
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Nobutake Mise
信猛 見勢
Hiroaki Takehara
弘明 武原
Masanobu Ishida
雅信 石田
Susumu Nakajima
進 中嶋
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】樹脂着色剤、印刷インキ、塗料において黒色顔
料として使用したときに、従来二律背反の関係にあり困
難とされていた黒色度と分散性を満足するカーボンブラ
ックを提供する。 【解決手段】高温燃焼ガス流を形成させる第1反応帯域
と、得られた高温燃焼ガス流に原料炭化水素を混合して
カーボンブラックを生成させる、チョーク部を有する第
2反応帯域と、第2反応帯域の下流にあり反応を停止さ
せる第3反応帯域とを有するカーボンブラック製造装置
において、チョーク部の長さが500mm以上で、チョ
ーク部入口角度が45°〜100°であることを特徴と
するカーボンブラック製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は充填材料、補強材
料、導電材料及び着色顔料などの種々の用途に用いられ
るカーボンブラックの製造に関し、その物性を制御する
ための効果的な製造装置及び方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】カーボンブラックは顔料、充填剤、及び補
強用顔料、耐候性改善剤として広く使用されており、そ
の製法は、一般に円筒状のカーボンブラック製造炉の第
1反応帯域に、炉軸方向又は接線方向に酸素含有ガスと
燃料を導入して、これらの燃焼によって得られた高温燃
焼ガス流を、引き続いて炉軸方向に設置された第2反応
帯域に移動させながら、該ガス流中に原料炭化水素を導
入してカーボンブラックを生成させ、第3反応帯域で反
応ガスを急冷して反応を停止させるファーネス式製造法
が広く知られている。
【0003】樹脂着色剤、印刷インキ、塗料において着
色剤として使用されるカーボンブラックは黒度、分散
性、光沢、着色力に優れたものが求められ、また主に自
動車用タイヤの補強剤として使用されるカーボンブラッ
クは耐摩耗性に優れたものが求められる。黒度、着色力
はカーボンブラックの一次粒子径への依存性が大きく、
一次粒子径が小さくなるほど高黒度となることが知られ
ている。例えば黒度と一次粒子径との関係は特開昭50
−68992号公報に開示されている。また、このよう
な小粒径のカーボンブラックはタイヤの補強剤として使
用された場合には、高度の耐摩耗性を示すことが知られ
ている。
【0004】小粒子径のカーボンブラックを得るために
は、まず第2反応帯域(カーボンブラック生成領域とも
いう。)中に設けられたチョーク部中の高速ガス流中に
原料炭化水素を噴霧し、ガスの運動及び熱エネルギーを
液状供給原料を霧化させることに利用する事が効果的で
ある事はよく知られている。また、一次粒子径の分布も
ゴム特性、特に大きな耐摩耗性を要求されるタイヤトレ
ッドゴム組成物には大きな影響を与え、その一次粒子径
分布も狭い方がより好ましいとされている。一般的に平
均粒子径の小さなものほどその分布は狭いが、一次粒子
径分布を狭くすることも開示されている。
【0005】例えば、特開平3−33167号公報に
は、チョークの長さをカーボンブラック生成反応の実質
的完結を可能にするのに充分な長さを有する事でチョー
ク部の出口拡大部に発生する渦流、いわゆる「バックミ
キシング」の影響をカーボンブラック生成反応中に与え
ない方法で、比較的狭い粒子径分布のカーボンブラック
を得る方法が開示されている。
【0006】一次粒子径とともにカーボンブラックの特
性に影響を及ぼす要素として凝集体がある。凝集体の大
きさは、ゴムに配合した場合の引張応力や押し出し特
性、インキや塗料のビヒクル並びに樹脂に配合した場合
の分散性や黒色度、粘度などに多大な影響を与える。カ
ーボンブラックは最終的には一次粒子が何個も連なった
凝集体の集合体で構成されており、この凝集体の大きさ
や形を制御する事はカーボンブラックの特性そのものを
制御する事につながり、一次粒子径の制御以上に重要な
場合がある。
【0007】凝集体の効果については、凝集体を単なる
粒子とみなしてその大きさや分布の定量化が行われてい
る。凝集体を粒子として扱うことにより、種々の粒子径
測定技術が応用できるようになり、こうして測定される
凝集体の大きさは凝集体径として表現されている。凝集
体はカーボンブラックの特性に大きな影響を与え、これ
まで一次粒子径に起因すると考えられていたカーボンブ
ラックの特性の多くが、むしろ凝集体径によってより良
く説明できる場合のあることが明らかになってきた。例
えば、着色力などの光学的性質や配合ゴム組成物の動的
粘弾性特性や補強性に対しては、凝集体径が大きな役割
を果たしていると考えられる。樹脂着色用途でみた場合
は、凝集体径は小さいほど高黒度になる事が知られてい
る。
【0008】一般に凝集体径を小さくする方法として
は、アルカリ金属塩またはその溶液を原料油に添加した
り、燃焼或いは反応域に導入する事が行われている。し
かしながら、インキや塗料のビヒクル並びに樹脂に配合
した場合、小粒子径化及び小凝集体径化は分散性や流動
性の劣化をひきおこす。そこで、カーボンブラックの特
性と樹脂物性との関係に関しては、一般に二律背反の関
係にある黒色度と分散性をいかに満足させるかが重要な
点となっている。また、そのようなカーボンブラックを
効率的に生産することが課題となっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高黒度と良
分散性の両方を満足するカーボンブラックを効率的に製
造する方法を提供する。本発明は、一次粒子径が小さ
く、しかも凝集体径が小さく、さらに凝集体分布の幅が
小さく大凝集体径の少ないカーボンブラックを効率的に
得るための製造装置及び製造方法を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、カーボン
ブラックのマトリックス中での分散挙動、黒度に影響す
る因子を解析し、従来より高黒度で良分散性を有するカ
ーボンブラックを得るために種々検討した結果、微細凝
集体が分散に悪影響を与えること、大凝集体が黒度に悪
影響を与えること、従って微細凝集体や大凝集体のない
均一な凝集体を有するカーボンブラックが、高黒度で良
分散性である事を見いだした。すなわち、小粒子径、小
凝集体径で凝集体径の分布がシャープでかつ大凝集体径
の存在しないカーボンブラックが、高黒度で分散性が良
い、つまり上述の二律背反関係にあると考えられてきた
黒度と分散性との問題を解決するものであることを発見
したのである。そして、このような優れた特性を有する
カーボンブラックを得るための効率的な条件につき更に
鋭意検討を重ねた結果、特定のチョーク部を有するカー
ボンブラック製造装置を用いることにより上記目的が達
成できることを見いだし、本発明に至った。すなわち、
本発明は、高温燃焼ガス流を形成される第1反応帯域
と、得られた高温燃焼ガス流に原料炭化水素を混合して
カーボンブラックを生成させる、チョーク部を有する第
2反応帯域と、第2反応帯域の下流にあり反応を停止さ
せる第3反応帯域とを有するカーボンブラック製造装置
において、チョーク部の長さが800mm以上で、チョ
ーク部入口角度が45°〜100°であることを特徴と
するカーボンブラック製造装置、かかる製造装置を用い
たカーボンブラックの製造方法等に存する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、第1反応帯域、第2反応帯域及び第3反応帯
域を有するカーボンブラック製造装置において、原料炭
化水素を導入することによりカーボンブラックを得る、
いわゆるファーネス法に関するものである。
【0012】本発明の構成を、図を用いて説明する。図
1は、本発明のカーボンブラック製造装置の一例を示す
要部縦断面概略図である。炉は長さ方向に、高温燃焼ガ
ス流を形成させる第1反応帯域1と、得られた高温燃焼
ガス流に原料炭化水素を混合してカーボンブラックを生
成させる、チョーク部を有する第2反応帯域2(チョー
ク部4を有する。)と、第2反応帯域に引き続いた下流
にあり、反応を停止させる第3反応帯域3に区分され
る。各反応帯域のプロセス自体は、基本的に従来技術と
同様の方法を採ることができる。
【0013】第1反応帯域では一般に燃焼ノズル5から
燃料炭化水素と酸素含有ガスを導入し、高温ガス流を発
生させる。酸素含有ガスとしては空気、酸素またはそれ
らの混合物が用いられ、燃料炭化水素としては水素、一
酸化炭素、天然ガス、石油ガス並びに重油等の石油系液
体燃料、クレオソート油等の石炭系液体燃料が使用され
る。
【0014】第2反応帯域では第1反応帯域で得られた
高温ガス流に並流又は横方向に設けた原料炭化水素導入
ノズル6から原料炭化水素をチョーク部へ噴霧導入し、
原料炭化水素を熱分解させてカーボンブラックに転化さ
せる。原料炭化水素としては一般にベンゼン、トルエ
ン、キシレン、ナフタレン、アントラセン等の芳香族炭
化水素、クレオソート油、カルボン酸油等の石炭系炭化
水素、エチレンヘビーエンドオイル、FCCオイル等の
石油系重質油、アセチレン系不飽和炭化水素、エチレン
系炭化水素、ペンタンやヘキサン等の脂肪族飽和炭化水
素などが好適に使用される。
【0015】第3反応帯域は高温反応ガスを1000〜
800℃以下に冷却するため、反応停止流体導入用ノズ
ル7から水等を噴霧する。冷却されたカーボンブラック
は、捕集バッグフィルター等でガスと分離し回収する等
公知の一般的プロセスをとる。本発明においては、上述
の第2反応帯域におけるチョーク部として特定のものを
使用することを特徴とする。すなわち、長さが500m
m以上であり、且つチョーク部入口角度が45°〜10
0°、好ましくは80°〜90°、より好ましくは90
°であるチョーク部である。なお、チョーク部入口角度
とは、チョーク入口収斂部の壁面と炉軸とがなす角度の
うち、流路の上流側の角度のことをいい、図2中の12
に相当する部分の角度である。この値が45°から90
°までは、この値が大きいほどチョーク部に向かって炉
軸線上の距離に対する断面積が減少する割合が急激にな
り、90°の場合は急絞りの状態となる。尚、図2中、
9はチョーク部入口部、10はチョーク部、11は燃焼
ガス流れ方向、12はチョーク部入口角度を示す。
【0016】チョーク部の入口角度を上記の特定の範囲
にすることにより、特に小粒子径で小凝集体径のカーボ
ンブラックを容易に得ることができることを本発明者ら
は見出した。この理由としては、チョーク部入口の角度
を急激とする事で、チョーク内の燃焼ガスの持つ乱流混
合の大きさが大きくなり、原料炭化水素の液滴の微粒化
が促進されるだけでなく、カーボンブラック生成反応が
起こる雰囲気が一様となり、燃焼ガスの持つ熱エネルギ
ーを効率良くカーボンブラック生成反応に利用する事が
できるため、反応の速度が上がり、また反応場が均一と
なり、短時間でカーボンブラックが生成して炭化するこ
とが可能になるためであると考えられる。
【0017】このチョーク部の入口角度をさまざまに変
える実験を行う事は時間と労力を要するため、本発明者
らはコンピューターを用いて、カーボンブラックの生成
プロセスをシミュレーションするプログラムを開発し、
そのプログラムを用いて入口角度を変える検討を行っ
た。このプログラムは、汎用的に用いられている差分法
を用いた熱流体解析プログラムと、本発明者らが開発し
た古典的核生成理論をもとにしたカーボンブラックの一
次粒子生成のプログラムとを組み合わせる事で、炉の形
状や操業条件を変えると、生成するカーボンブラックの
一次粒子径やその分布がどのように変わるかを予測する
ことができるものであり、具体的には「エアロゾル研究
第12巻 第3号 pp.175-182(1997)」に記載のもの
である。
【0018】チョーク部の長さは500mm以上、好ま
しくは800〜3000mmである。この範囲におい
て、得られるカーボンブラックの凝集体径を特に小さく
することができることを本発明者らが見いだしたのであ
る。なお、3000mmを超えても格別の効果が得られ
るわけではないので、装置建設の経済上は3000mm
以下の長さとするのが望ましい。
【0019】さらに、この凝集体径にはチョーク長さだ
けでなく、チョーク部の入口角度が影響しており、チョ
ーク入口角度を特定範囲とした場合に、凝集体分布が極
めてシャープであってカーボンブラックの物性値として
非常に優れたものを得ることができることが判明した。
すなわち、本発明においてはチョーク部入口角度は45
°以上100°以下。好ましくは80°以上90°以
下、より好ましくは90°とする。
【0020】チョーク長さを長く保ち、比較的狭い粒子
寸法分布のカーボンブラックを得る方法は特開平3−3
3167号公報中に記載されている。しかし、その効果
においてカーボンブラックの特性に影響を与える極めて
重要な因子である凝集体径分布への影響に関しては全く
記述が無く、またチョーク部入口角度についても何も記
載がない。本発明は、チョーク部の長さと同時にチョー
ク部入口角度を特定範囲とすることにより、凝集体径が
小さくかつ分布のシャープで大凝集体径のものが少ない
カーボンブラックを得ることができるものであり、上記
公報の記載からは予期し得ないものである。
【0021】このように本発明により凝集体径が均一で
且つ大凝集体径の無いカーボンブラックを得ることがで
きるのは、原料炭化水素供給後にカーボンブラックの一
次粒子及び凝集体が生成するまでに反応帯域の条件が均
一であり続けることが可能となり、原料炭化水素供給後
にカーボンブラックの一次粒子及び凝集体が生成する反
応が完了するまでに流路断面形状の大幅な変化等による
高攪乱を与えられないことによるものと考えられる。
【0022】また、カーボンブラックの凝集体は原料炭
化水素が熱分解後、縮合し、液滴へ凝集後、核となる前
駆体が形成し一次粒子が生成、その後粒子の相互の衝突
を経て、融着炭化し生成すると考えられる。従って、チ
ョーク部を長くし、凝集体生成域は絞り部等の流路変化
等による高攪乱場が無いことが望ましいと考えられる
が、凝集体の分布を制御しようとする場合は粒子径分布
を制御する場合と比較して、更に長い時間制御が必要で
あることが本発明者らの検討により判明した。このた
め、本発明においては、チョークの長さを800mm以
上とすることにより上記の課題解決を達成することがで
きるものと考えられる。特に、種々の実験の結果によ
り、チョークの長さを特定値以上に保つことにより、大
凝集体径の生成を防ぐことに顕著な効果があることが判
明したのである。
【0023】チョーク内のガス流速は速いほど良い。原
料炭化水素は導入後、燃焼ガスの運動及び熱エネルギー
により微粒化されるが、その時の燃焼ガスの速度は速い
程良く、250m/s以上が好ましく、300〜500
m/sが好適である。また、原料炭化水素を炉内に均一
に分散させるために、原料炭化水素は2個以上のノズル
から炉内に導入する事が好ましい。チョーク内のガスを
高速に保つことは、燃焼ガスの持つ運動エネルギー及び
熱エネルギーを原料炭化水素の微細化に利用でき、結果
的に小粒子径のカーボンブラックが得られると同時に、
チョーク内の乱流混合によりカーボンブラック生成反応
が起こる雰囲気が一様となり粒子径分布の幅の小さなカ
ーボンブラックが得られると考えられる。
【0024】原料炭化水素の供給位置もまた重要な要素
であり、発明者らの検討によれば、小粒子径で凝集体径
の均一なカーボンブラックをつくるためには、炭化水素
供給位置はチョーク部分でしかもチョーク入り口から燃
焼ガスの断面平均流速基準で1ms以内、より好ましく
は0.6ms以内の位置にあることが好適であることを
見いだした。
【0025】なお、本発明においてはチョーク部の長さ
及び入口角度を規定するが、ここでチョーク部開始部位
であるチョーク部の入口は、流路の最も狭い部分を含
み、流路の縮小する軸方向に対する角度が5゜を超える
値から5゜以下に変化する部位をいう。一方、チョーク
部の終端であるチョーク部の出口は、流路の縮小する軸
方向に対する角度が5゜を超える値となる部位をいう。
【0026】また、燃焼帯域すなわち第1反応帯域にお
いては、燃焼ガス中の酸素濃度をできるだけ抑制するこ
とが望ましい。燃焼ガス中の酸素の存在により反応帯域
すなわち第2反応帯域での原料炭化水素の一部燃焼が起
こり、そのため反応帯域の不均一が生じることがあるこ
とが本発明者らの検討により見いだされた。燃焼ガス中
の酸素濃度は3vol%以下が好ましく、より好ましく
は0.05〜1vol%である。
【0027】燃焼帯域の温度は原料炭化水素が均一に気
化、熱分解するために充分高温雰囲気であることが望ま
しく、1600〜1800℃以上が好ましく、より好ま
しくは1700〜2400℃である。
【0028】以上説明したような条件、特にチョーク部
における燃焼ガスの流速を250m/s以上、チョーク
部入口角度が45°〜100°、炭化水素導入位置にお
ける温度1800〜2400℃という条件は、従来の技
術では実現することは困難であった。すなわち、従来は
一般的に炉は耐火物で構成されており、前述のような条
件では、特にチョーク入口部がすぐに磨耗してしまい、
1年以上の長期間運転は不可能である。発明者らは、こ
のチョーク部に水冷ジャケット構造の金属製チョークを
用いる事でこの問題を解決した。水冷ジャケット構造の
金属製チョークを用いて、チョーク部入口の90°のエ
ッジの部分にこの金属部分を用いる構造とした結果、チ
ョーク入口の磨耗は全く確認されなかった。これまで
に、チョーク部を金属材料を用いて構築することは多く
の記載がある。例えば、特開昭47−563号公報で
は、第1反応帯域及び第2反応帯域を高い熱伝導性の材
料、例えば金属で構成し、適当な液体冷却剤を冷却ジャ
ケット内部に循環させる構造が開示されている。しか
し、チョーク部入口の角度についてはなんら記載は無
く、本発明とは異なるものである。
【0029】以上説明した本発明のカーボンブラックの
製造装置を用い、あるいは本発明のカーボンブラックの
製造方法によりカーボンブラックを製造することによ
り、優れた特性を有するカーボンブラックを効率的に得
ることができる。従来より凝集体の評価指標として、c
DBPやカーボンブラックの水分散系における遠心沈降
法、電子顕微鏡解析が知られているが、最近では凝集体
の大きさ、分布の評価に遠心沈降法が用いられている。
本発明の実施例においては、凝集体径がシャープである
ことの指標として遠心沈降法による凝集体ストークス相
当径分布における最大頻度ストークス相当径Dmodと
最大頻度ストークス相当径の半値幅D1/2の比を、ま
た大凝集体径がないことの指標としてD75を用いて評
価した。
【0030】本発明のカーボンブラック製造装置及び本
発明のカーボンブラックの製造方法により、平均粒子径
25nm以下で、遠心沈降法による凝集体ストークス相
当径分布における最大頻度ストークス相当径Dmodと
最大頻度ストークス相当径の半値幅の比すなわちD1/2
/Dmod の比が0.6以下、体積75%径とDmod の比
75/Dmod が1.3以下である、小粒子径、小凝集体
径で凝集体径分布がシャープで大凝集体径のものが少な
いカーボンブラックを効率的に得ることができる。さら
に、PVC黒度を高めるためにより好ましいものである
平均粒子径20nm以下のカーボンブラックも容易に得
ることができる。
【0031】
【実施例】以下に本発明の実施例により更に具体的に説
明する。 (実施例1〜5)図1に示す、空気導入ダクトと燃焼バ
ーナーを備える内径500mm、長さ1400mmの第
1反応帯域、該第1反応帯域に連接され、周辺から複数
の原料ノズルを貫設した内径60mm、長さ800mm
のチョーク部を有する第2反応帯域、クエンチ装置を備
えた内径100mm長さ6000mmの第3反応帯域、
及び絞り機構として内弁径80mmのコントロールバル
ブを順次結合した構造のカーボンブラック製造装置を設
置した。
【0032】上記の製造装置を用いて、表−1に示す各
条件に従ってカーボンブラックを製造した。燃料及び、
原料炭化水素としてクレオソート油を使用した。表−1
中、「燃焼ガス温度」、「燃焼ガス酸素濃度」及び「炉
内圧力」は原料炭化水素を導入する部位におけるもので
ある。「カリウム濃度」は原料炭化水素中に添加された
KOHの濃度を、カリウムの濃度として規定したもので
ある。得られたカーボンブラックの各種特性を表−2に
示す。得られたカーボンブラックの分析的性質を決定す
るため、次の試験方法を用いた。
【0033】(比表面積)比表面積(N2 SA)はAS
TM D3037−88に従って決定した。 (cDBP)破砕DBP吸収数(cDBP)はASTM
D−3493−88に従って決定した。
【0034】(Dmod 、D1/2 )最大頻度ストークス相
当径(Dmod )及びストークス相当径半値幅(D1/2
は次のようにして決定した。スピン液として20%エタ
ノール溶液を用い、遠心沈降式の流度分布測定装置(J
Lオートメーション社製 DCF3型)により、ストー
クス相当径を測定し、ストークス相当径対与えられた試
料中の相対的発生頻度のヒストグラム(図3)を作る。
ヒストグラムのピーク(A)から線(B)を、Y軸に平
行にX軸まで引き、ヒストグラムのX軸の点(C)で終
わらせる。点(C)でのストークス直径が最大頻度スト
ークス相当径Dmod である。また、得られた線(B)の
中点(F)を決定し、その中点(F)を通りX軸に平行
に線(G)を引く。線(G)はヒストグラムの分布曲線
と2点D及びEで交わる。カーボンブラック粒子の2点
D及びEの二つのストークス直径の差の絶対値がストー
クス相当径半値幅D1/2値である。
【0035】(D75)体積75%径(D75)は次のよう
にして決定した。上記最大頻度ストークス径を決定する
方法において、ストークス相当径対試料の相対的発生頻
度のヒストグラム図3からそれぞれのストークス直径と
頻度から体積を求め、ストークス直径対その直径までの
得られた試料の体積総和を表すグラフを作る。(図4)
よって図4中、点(A)は、全試料の体積の総和を表
す。ここで、この体積総和の75%の値の点(B)を決
定し、点(B)よりX軸に平行に曲線と交わるまで線を
引く。点(C)からY軸に平衡に線を引き、X軸と交わ
った点(D)の値が体積75%径(D75)である。
【0036】(PVC黒度)PVC黒度は、本発明のカ
ーボンブラックをPVC樹脂に添加、2本ロールにより
分散、シート化し、三菱化学(株)カーボンブラック
「#40」、「#45」の黒度を各々1点、10点と基
準値を定め、資料の黒度を視感判定により評価した。
【0037】(分散指数)分散指数は次の方法により評
価した。LDPE樹脂中の分散状態を観察し、未分散凝
集塊の数をカウントし、この数が多い、すなわち、分散
指数が大きいほど、分散性が悪いと評価した。
【0038】250ccバンバリーミキサーにてLDP
E樹脂に試料カーボンブラックを40重量%配合し11
5℃、4分混練りする。 配合条件 LDPE樹脂 101.89g ステアリン酸カルシウム 1.39g イルガノックス1010 0.87g 試料カーボンブラック 69.43g
【0039】次に120℃で、2本ロールミルにてカー
ボンブラック濃度が1重量%に成るように希釈する。 希釈コンパウンド作成条件 LDPE樹脂 58.3g ステアリン酸カルシウム 0.2g カーボンブラック40%配合樹脂 1.5g
【0040】スリット幅0.3mmでシート化し、この
シートをチップに切断、240℃のホットプレート上で
65±3μmのフィルムに成形する。倍率20倍の光学
顕微鏡にて3.6mm×4.7mmの視野中の0.2m
m以上の直径の未分散凝集塊の直径分布を測定し、その
総面積を計算する。この面積を0.35mm径の未分散
凝集塊の面積を基準に、総面積を基準面積で割り、基準
粒子の個数とし計算する。これを16視野以上観察し、
平均値を分散指数とする。
【0041】(粒子径)電子顕微鏡法による。電気顕微
鏡法とは、以下に示す方法である。カーボンブラックを
クロロホルムに投入し200KHzの超音波を20分間
照射して分散させた後、分散試料を支持膜に固定する。
これを透過型電子顕微鏡で写真撮影し、写真上の直径と
写真の拡大倍率により粒子径を計算する。この操作を1
500回にわたって実施し、それらの値の算術平均によ
り求める。
【0042】(比較例1〜4)実施例で用いたカーボン
ブラック製造炉の、チョーク部の長さを500mmに変
更した製造炉を用い、表1に示す条件で比較例1〜2の
カーボンブラックを製造し、その物性を表2に示した。
また比較例3、比較例4は各々三菱化学(株)の市販カ
ーボンブラック#990並びに#960の物性を示し
た。得られた本発明のカーボンブラックを比較例と比べ
ると、表2に示すように、実施例は比較例に比べ、D
1/2 /Dmod が小さく凝集体径の分布がシャープであ
る。また、D75も小さく、大凝集体径のものが少ない。
また、高黒色度を呈し、分散指数も低く、分散性が良好
である。
【0043】(実施例6 比較例5)先に述べた、カー
ボンブラックのコンピュータによるシミュレーションの
実施の条件と結果を表1及び表2の実施例6及び比較例
5に示す。表2の比較例5は実施例6と比べて粒子径が
大きくなっている、これはチョーク入口角度が本発明で
規定した範囲を外れているためであると考えられる。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】以上の通り、本発明によるカーボンブラ
ックは、樹脂着色剤、印刷インキ、塗料において黒色顔
料として使用したときに、従来二率背反の関係にあり困
難とされていた黒色度と分散性を満足する。従って、樹
脂着色剤、印刷インキ、塗料において黒色顔料として大
変有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカーボンブラック製造装置の一例を示
す要部縦断面概略図
【図2】本発明のカーボンブラック製造装置におけるチ
ョーク入口角度を示す図
【図3】最大頻度ストークス相当径(Dmod )及びスト
ークス相当径半値幅(D1/2 )の求め方を示す図
【図4】体積75%径の求め方を示す図
【符号の説明】 1 第1反応帯域 2 第2反応帯域 3 第3反応帯域 4 チョーク部 5 燃料及び酸化ガス導入用ノズル 6 原料油導入ノズル 7 反応停止流体導入ノズル 8 コントロールバルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中嶋 進 横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学 株式会社横浜総合研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高温燃焼ガス流を形成させる第1反応帯
    域と、得られた高温燃焼ガス流に原料炭化水素を混合し
    てカーボンブラックを生成させる、チョーク部を有する
    第2反応帯域と、第2反応帯域の下流にあり反応を停止
    させる第3反応帯域とを有するカーボンブラック製造装
    置において、チョーク部の長さが500mm以上で、チ
    ョーク部入口角度が45°〜100°であることを特徴
    とするカーボンブラック製造装置。
  2. 【請求項2】 高温燃焼ガス流を形成させる第1反応帯
    域と、得られた高温燃焼ガス流に原料炭化水素を混合し
    てカーボンブラックを生成させる、チョーク部を有する
    第2反応帯域と、第2反応帯域の下流にあり反応を停止
    させる第3反応帯域とを有するカーボンブラック製造装
    置を用いてカーボンブラックを製造する方法において、
    チョーク部の長さが800mm以上で、チョーク部入口
    角度が45°〜100°であることを特徴とするカーボ
    ンブラック製造方法。
  3. 【請求項3】 原料炭化水素導入位置の温度を1800
    〜2400℃とすることを特徴とする請求項2記載のカ
    ーボンブラックの製造方法。
  4. 【請求項4】 チョーク部内における原料炭化水素導入
    位置がチョーク入口から1ms以内の位置にあることを
    特徴とする請求項2または3記載のカーボンブラックの
    製造方法。
  5. 【請求項5】 チョーク部内における原料炭化水素導入
    位置での燃焼ガス中の酸素濃度が3vol%以下である
    ことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のカー
    ボンブラックの製造方法。
JP14252298A 1998-05-25 1998-05-25 カーボンブラック製造装置及びこれを用いたカーボンブラックの製造方法 Pending JPH11335578A (ja)

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