JPH1133747A - 銅管とアルミニウム管との接合体及び接合方法 - Google Patents

銅管とアルミニウム管との接合体及び接合方法

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JPH1133747A
JPH1133747A JP9205256A JP20525697A JPH1133747A JP H1133747 A JPH1133747 A JP H1133747A JP 9205256 A JP9205256 A JP 9205256A JP 20525697 A JP20525697 A JP 20525697A JP H1133747 A JPH1133747 A JP H1133747A
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copper tube
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 大きな接合面積を有するとともに気密性及び
接合強度の信頼性が高く、かつ機械的変形に対しても十
分な気密性保持力を有する銅管とアルミニウム管との接
合体。 【解決手段】 接合体は、アルミニウム管2の内径より
僅かに大きい外径を有する銅管1の端部にテーパ部11を
形成し、アルミニウム管の外径と実質的に同一の内径を
有するとともに、先端付近の内面に銅管のテーパ部とほ
ぼ同じ傾斜のテーパ部7bが設けられているクランプ5
により、アルミニウム管の先端部を把持・固定し、銅管
のテーパ部を、銅/アルミニウムの共晶温度以上でアル
ミニウムの融点未満の温度に加熱し、銅管のテーパ部を
アルミニウム管の先端部内に圧入し、両管の界面に銅/
アルミニウムの共晶相を形成させることにより、形成さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、良好な気密性及び
接合強度を有する銅管とアルミニウム管との接合体及び
接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】冷蔵庫
や空調機器等に使用されている熱交換器においては、圧
縮機やキャピラリー管等用の銅管と蒸発器や凝縮機等用
のアルミニウム管とが使用されており、これらの管は種
々の方法により接合されている。従来から知られている
接合方法としては、圧接法(フリクションウェルディン
グ法)、融接法(フラッシュバットウェルディング法、
超音波亜鉛ソルダリング法)、拡散接合法等が挙げられ
る。
【0003】このような用途では銅管とアルミニウム管
との接合部に高い気密性及び接合強度だけでなく、機械
的変形に対する気密性の保持力が高いことも要求される
が、従来の接合方法では上記要求を十分に満たすことが
できない。例えば融接法の場合、接合部に脆弱相の形成
が避けられないので、機械的変形に対する気密性の保持
力が十分でない。また圧接法では接合時の加圧力に耐え
るだけの管厚が必要であり、また突き合わせ接合部が脆
弱であるという問題がある。さらに圧接法では瞬間的な
加熱溶融及び加圧力の適正な管理が困難であるので、接
合品質の安定化及びコスト削減に限界がある。
【0004】このような接合方法の中で拡散接合法は強
固な接合部が形成できるので有望であり、種々の方法が
提案されている。例えば特公昭62-55477号は、アルミニ
ウム部材の端面に断面V字状の環状溝を形成するととも
に、アルミニウム管の先端部を前記環状溝と相補的な断
面形状とし、アルミニウム管の環状溝に銅部材の先端部
を当接した状態で、接触面をアルミニウム/銅の共晶温
度以上でアルミニウムの融点以下の温度に高周波加熱
し、共晶反応により接触面に生じた融液相を両部材の相
互押圧により外部に排出し、その後直ちに急冷すること
を特徴とするアルミニウム管と銅管との接合方法を開示
している。しかしながら、この接合方法では、アルミニ
ウム管の端面に形成した環状溝内に銅管の先端部を当接
した状態で接合するので、接合部分の面積が不十分であ
り、得られる接合体に十分な気密性及び機械的接合強度
を確保するのが難しいという問題がある。
【0005】また特開平8-19876 号は、アルミニウム管
を固定するステンレス製チャック部と、それと一体のス
テンレス製拡管拘束部を有する可動クランプ装置を使用
し、クランプ装置に固定したアルミニウム管の端部に加
熱した銅管のテーパ状端部を圧入することにより、両管
を接合する方法を開示している。可動クランプ装置の拡
管拘束部は移動しながら外嵌合管の拡がりを防止するの
みならず、重ね接合部における外嵌合管を圧下して接触
面での密接度合いを強め、均等な共晶合金層の形成を促
し、過剰な共晶合金を排除している。しかしながら拡管
拘束部の内面は等径でテーパ部がなく、また接合部上を
移動するようになっているので、銅管とアルミニウム管
との間に非常に薄い共晶相を均一に形成することはでき
ない。
【0006】特開平9-85467 号は、銅管とアルミニウム
管との接合方法において、(a) 前記銅管の端部に長手方
向の少なくとも一部が凸曲面状のテーパ部を形成し、そ
の際凸曲面部の長手方向接線が前記銅管の長手方向接線
となす角度を銅管先端部方向に単調増加とし、(b) 前記
銅管のテーパ部を銅/アルミニウムの共晶温度以上でア
ルミニウムの融点未満の温度に加熱し、(c) 前記銅管の
テーパ部に、前記銅管の外径より小さい内径を有するア
ルミニウム管を外嵌めして、前記銅管の凸曲面部に前記
アルミニウム管の内面を加圧下で摺接させ、もって銅と
アルミニウムとの界面に相互拡散による共晶相を過渡的
に形成させ、(d) 脆い共晶相の成長を少なくするため
に、得られた接合部を急冷することを特徴とする接合方
法を開示している。銅管の端部に長手方向の少なくとも
一部が凸曲面状のテーパ部を有するので、銅管とアルミ
ニウム管との接合面は大きく、また両者の界面に形成さ
れた共晶相は薄くかつ均一であるという利点を有する。
【0007】ところが冷蔵庫や空調機器等では、接合体
の気密性及び接合強度をいっそう向上させるとともに機
械的変形に対しても十分な気密性保持力を有するように
するという厳しい要件が要求されるが、かかる要求に完
全に答えるためには接合界面での共晶相を10μm以下と
非常に薄くすることが必要であることが分かった。しか
しながらアルミニウム管の接合部は拘束されていないの
で、接合界面での共晶相を10μm以下と均一に薄くする
ことはできない。
【0008】従って本発明の目的は、大きな接合面積を
有するとともに気密性及び接合強度の信頼性が高く、か
つ機械的変形に対しても十分な気密性保持力を有する銅
管とアルミニウム管との接合体を提供することである。
【0009】本発明のもう1つの目的は、かかる特徴を
有する接合体を得るために、銅管とアルミニウム管とを
安価にかつ効率良く接合する方法を提供することであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者等は、内嵌用銅管の端部にテーパ部を
設け、かつアルミニウム管の先端部を拘束するようにク
ランプで固定し、加熱した銅管のテーパ部をクランプで
拘束したアルミニウム管に圧入することにより、銅管と
アルミニウム管との界面に銅/アルミニウムの共晶相を
形成する場合に、クランプ内面の先端付近に銅管のテー
パ部とほぼ同じ傾斜のテーパ部を設けておくことによ
り、形成される共晶相を非常に薄くすることができるこ
とを発見し、本発明に想到した。
【0011】すなわち、本発明の銅管とアルミニウム管
との接合体は、銅管の端部に形成されたテーパ部が前記
銅管の外径より小さい内径を有するアルミニウム管に圧
入されてなるもので、前記銅管の外面と前記アルミニウ
ム管の内面との界面に前記テーパ部の半分以上の長さに
わたって銅とアルミニウムとの共晶相が形成されてお
り、かつ前記共晶相のうち厚さ10μm以下の領域の長さ
が1mm以上であることを特徴とする。
【0012】また本発明の銅管とアルミニウム管との接
合方法は、(a) 前記アルミニウム管の内径より僅かに大
きい外径を有する前記銅管の端部にテーパ部を形成し、
(b)前記アルミニウム管の外径と実質的に同一の内径を
有するとともに、先端付近の内面に前記銅管のテーパ部
とほぼ同じ傾斜のテーパ部が設けられているクランプに
より、前記アルミニウム管の先端部を把持・固定し、
(c) 前記銅管のテーパ部を、銅/アルミニウムの共晶温
度以上でアルミニウムの融点未満の温度に加熱し、(d)
前記銅管のテーパ部を前記クランプで固定した前記アル
ミニウム管の先端部内に圧入し、もって前記銅管の外面
と前記アルミニウム管の内面との界面に銅/アルミニウ
ムの共晶相を形成させることにより、両者を密封状態に
接合することを特徴とする。
【0013】本発明の接合方法によれば、銅管の外面と
アルミニウム管の内面との界面に形成される共晶相は広
い面積を有するだけでなく、厚さ10μm以下の領域の長
さが1mm以上もあり、接合部の気密性及び接合強度が十
分であるのみならず、機械的変形に対しても十分な気密
性保持力を有する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明を図面を参照しながら以下
詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるもので
はない。
【0015】[1] 銅管及びアルミニウム管 (1) 銅管 銅管1は端部にテーパ部11が形成されている。テーパ部
11の長さは銅管1の外径の1〜3倍であるのが好まし
い。テーパ部11が銅管1の外径より短いと共晶相の形成
により得られる接合面積が不十分である。またテーパ部
11の長さが銅管1の外径の3倍を超えると、テーパ部11
の傾斜が緩やか過ぎて、アルミニウム管2への圧入が困
難になる。例えば銅管1の外径が7〜9mm(特に8mm)
の場合、テーパ部11は10〜20mm(特に約15mm)であるの
が好ましい。
【0016】図1に示す本発明の第一の実施例では、銅
管1のテーパ部11の傾斜は直線的である。銅管1の長手
方向に対するテーパ部11の傾斜角αは1〜8°であるの
が好ましい。傾斜角αがこの範囲内にあると、両管の圧
接力が適度であり、銅管1の外面とアルミニウム管2の
内面とがぴったりと密着するために、均一な薄い共晶相
が形成される。より好ましい傾斜角αは約2〜6°であ
り、特に3〜5°である。
【0017】図2に示す本発明の第二の実施例では、銅
管1のテーパ部11に凸曲面部11aを設ける。また先端部
に曲面状の縮径部11bを設けてもよい。凸曲面部11aの
曲率半径Rは、アルミニウム管2の先端部に銅管1のテ
ーパ部11を圧入する際に、アルミニウム管2の先端部が
拡径しながら銅管1のテーパ部11の外面に大きな圧力で
摺接するように、設定するのが好ましい。このために
は、例えば銅管1の外径が6〜10mm(特に8mm)の場
合、曲率半径Rは240 〜640 mmであるのが好ましい。凸
曲面部11aは全域にわたって同一の曲率半径を有する必
要はないが、その曲率半径Rが全域にわたって同一の場
合に大きな圧接力が生じ、凸曲面部11a全体に薄い共晶
相が得られる。
【0018】図3は図2の銅管1のテーパ部11の傾斜を
示す概略図である。明瞭化のために図3ではテーパ部11
の傾斜角は誇張されている。まず銅管1の長手方向接線
に対する凸曲面部11aの平均傾斜角α' は1〜8°であ
る。平均傾斜角α' がこの範囲内にあると、両管の圧接
力が適度であり、銅管1の外面とアルミニウム管2の内
面とがぴったりと密着するために、均一な薄い共晶相が
形成される。より好ましい平均傾斜角α' は約1〜3°
である。凸曲面部11aの膨らみ(テーパ部11の表面とテ
ーパ部11の両端を結ぶ直線との最大距離)dは0.05〜0.
15mmであるのが好ましい。例えば銅管1の外径が6〜10
mm(特に8mm)の場合、膨らみdは0.1mm程度であるの
が好ましい。
【0019】テーパ部11の先端部に設けられた縮径部11
bは、銅管1がアルミニウム管2にスムーズに挿入でき
るようにするとともに、アルミニウム管2の内面が最初
に強く圧接される部分であり、縮径部11bでアルミニウ
ム管2は拡径される。縮径部11bは0.5 〜2mmの長さ及
び20〜45°の平均傾斜角β(銅管1の長手方向接線に対
する)を有するのが好ましい。例えば銅管1の外径が6
〜10mm(特に8mm)の場合、縮径部11bは1mm程度の長
さ及び30°の平均傾斜角βを有するのが好ましい。
【0020】凸曲面部11a及び縮径部11bのために、銅
管1の先端部における外径D2 は銅管1の本体の外径D
1 の0.1 倍以上縮径している。縮径比[(D1 −D2
/D1 ]が0.1 以上であると、アルミニウム管2への銅
管1の圧入が極めて容易になる。また縮径比が0.3 を超
えると銅管1の先端部の内径が小さすぎて、管内の流体
抵抗が大きくなる。従って、好ましい縮径比は0.1 〜0.
3 である。例えば銅管1の外径が6〜10mm(特に8mm)
の場合、縮径の程度は1mm以上が好ましく、特に1.3 mm
以上が好ましい。
【0021】図4は本発明の第三の実施例による銅管の
テーパ部を示す縦断面図である。この実施例では、テー
パ部12は1つの凸曲面部12aと、凸曲面部12aより先端
側のほぼ平坦なテーパ部分12bと、凸曲面部12aより本
体側のほぼ平坦なテーパ部分12cとからなる。ほぼ平坦
なテーパ部分12a及び12cの接線は凸曲面部12aの接線
と整合している。すなわち傾斜角が不連続に変化する部
分がない。好ましい実施例では、凸曲面部12aは銅管1
の外径の0.3 〜1倍の長さ及び10〜60mmの曲率半径を有
するのが好ましい。またほぼ平坦なテーパ部分12bは銅
管1の外径の0.3 〜1倍の長さを有するのが好ましい。
さらにほぼ平坦なテーパ部分12cは銅管1の外径の0.3
〜1倍の長さ及び0.5 〜1.5 °の平均傾斜角δを有する
のが好ましい。長さに関しては、例えば銅管1の外径が
6〜10mm(特に8mm)の場合、凸曲面部12aは3〜8m
m、好ましくは4〜6mm(特に5mm)であり、テーパ部
分12bは3〜8mm、好ましくは4〜6mm(特に5mm)で
あり、テーパ部分12cは3〜8mm、好ましくは4〜6mm
(特に5mm)である。
【0022】なお第二実施例と同様に、第三実施例の銅
管1のテーパ部12の先端部に縮径部を設けてもよい。ま
たテーパ部分12cを平坦(直線状)とする代わりに、曲
率半径の小さな凸曲面状としてもよい。この場合、テー
パ部分12cの曲率半径は第二実施例の曲率半径(240 〜
640 mm)と同じでよい。
【0023】(2) アルミニウム管 アルミニウム管2は、銅管1との気密な接合を達成する
ために、銅管1の外径より僅かに小さな内径を有するの
が好ましい。理論的にはアルミニウム管2の内径は銅管
1の外径と同じで良いが、製造誤差を考慮してアルミニ
ウム管2の内径を僅かに小さくする。しかし、アルミニ
ウム管2の内径が小さすぎると圧入が困難になるので、
銅管の外径/アルミニウム管の内径の上限は1.5 とする
のが好ましい。
【0024】[2] 接合装置 図1は本発明の好ましい一実施例による銅管1とアルミ
ニウム管2との接合装置を示す。
【0025】接合装置は、銅管1のテーパ部11の周囲に
設けられた高周波加熱コイル4と、アルミニウム管2の
先端部を保持するクランプ5と、高周波加熱コイル4の
近傍に設けられた窒素ガス吹き付け管6と、銅管1の後
端部を把持・固定する2つ割りのクランプ(図示せず)
とを有する。
【0026】(1) アルミニウム管用クランプ 図1に示すように、クランプ5は2つ割りのクランプ片
5a、5bからなり、各クランプ片5a、5bの内面7
は、先端同径部7aと、銅管1の圧入によるアルミニウ
ム管2の拡径を拘束するための中間のテーパ部7bと、
アルミニウム管2を把持・固定するための後端同径部7
cとからなる。先端同径部7aの内径は銅管1の外径よ
り僅かに大きければ良いが、実用上は銅管1の外径にア
ルミニウム管2の肉厚の2倍を加えた径とほぼ等しいの
が好ましい。テーパ部7bの傾斜は銅管1のテーパ部11
の傾斜と実質的に同じであるのが好ましい。また後端同
径部7cの内径はアルミニウム管2の外径と実質的に同
じであるのが好ましい。
【0027】後端同径部7cの長さは、アルミニウム管
2を確実に把持・固定できる長さであれば特に限定され
ない。テーパ部7bの長さは銅管1の外径の0.2 倍〜1.
5 倍であるのが好ましく、0.5 〜1倍であるのがより好
ましい。なお先端同径部7aの長さは特に限定されな
い。
【0028】クランプ5は良好な機械的強度、高耐熱性
及び低熱伝達率等を要するために、ステンレススティー
ル、高速度鋼、セラミックス等により形成するか、これ
らの素材を複合して形成するのが好ましい。
【0029】(2) 高周波加熱コイル 高周波加熱コイル4は通常の2又は3ターンのコイルで
よいが、2つ割りのコイルにより形成しても良い。高周
波加熱コイル4の出力は約20kWもあれば十分であり、
またその周波数は約100 kHz近傍で良い。
【0030】(3) 窒素ガス吹き付け管 高周波加熱コイル4の近傍に配置された窒素ガス吹き付
け管6は、図1及び図5に示すように、先端がL字型に
屈曲していおり、先端部6aの底面には複数の通気孔6
bが一列に設けられている。管6の上端は窒素ガス供給
源(図示せず)に連結しており、管6に供給された窒素
ガスは複数の通気孔6bより下方に向けて噴出され、銅
管1の加熱されたテーパ部11を包囲する。これよにり銅
管1が加熱中に酸化するのを有効に防止することができ
る。
【0031】(4) 銅管用クランプ 銅管1用クランプ(図示せず)も2つ割りのクランプ片
からなり、銅管1内に窒素ガスを流通し得るように構成
されている。これにより加熱中に銅管1の内面が酸化さ
れるのを防止することができる。また圧入直後に接合部
を急冷するために窒素ガス又は圧縮空気を利用すること
もできる。
【0032】[3] 接合方法 図1に示すように、銅管1をクランプ(図示せず)によ
り把持・固定するとともに、アルミニウム管2の先端部
を一対のクランプ片5a、5bの間に配置し、図6に示
すようクランプ片5a、5bを閉じる。このときアルミ
ニウム管2の先端部がクランプ片5a、5bの先端より
僅かに内側に位置するように、アルミニウム管2を位置
決めるのが好ましい。
【0033】次に銅管1のテーパ部11の先端部をクラン
プ片5a、5bの先端同径部7a内に入れる。このとき
銅管1のテーパ部11の先端部の外径はアルミニウム管の
内径より小さいので、銅管1のテーパ部11の先端部はア
ルミニウム管2内に僅かに進入する。
【0034】この状態で高周波加熱コイル4を閉じて通
電し、銅管1のテーパ部11を銅/アルミニウムの共晶温
度以上でかつアルミニウムの融点未満の温度に加熱す
る。加熱の間窒素ガス吹き付け管6より窒素ガスを吹き
付けて、銅管1のテーパ部11の周囲を窒素ガスで覆うと
ともに、銅管1内に窒素ガスを通すこともできる。なお
窒素ガスの代わりにアルゴンガス等の他の不活性ガスを
使用しても良い。
【0035】銅管1のテーパ部11の温度が共晶温度未満
であると、銅管1のアルミニウム管2内への圧入によっ
ても界面に共晶相が形成されない。またアルミニウムの
融点以上であるとアルミニウム管が変形して接合が不可
能になる。具体的には、テーパ部11の加熱温度は600 〜
800 ℃が好ましい。なお高周波加熱コイル4への通電時
間は3〜10秒間でよい。
【0036】銅管1のテーパ部11が前記温度に達した後
は、銅管1のテーパ部11が共晶温度以上に維持される限
り、高周波加熱コイル4への通電を停止しても、或いは
通電量を減少させてもよい。
【0037】銅管1のテーパ部11が上記温度範囲内にあ
る間に、銅管1をクランプ5方向に押圧し、銅管1のテ
ーパ部11をアルミニウム管2内に圧入する。銅管1の圧
入速度は10mm/秒以上とするのが好ましい。圧入速度が
10mm/秒未満であると、銅管の外面とアルミニウム管の
内面との界面に薄くて均一な共晶相が形成されにくい。
好ましい圧入速度は10〜200 mm/秒である。
【0038】加熱した銅管1のテーパ部11をアルミニウ
ム管2内に圧入すると、図7に示すように、銅管1のテ
ーパ部11はアルミニウム管2の内面に圧接される。両管
の接触面における温度は銅/アルミニウム共晶温度(54
8 ℃)より高いので、接触面において銅/アルミニウム
共晶相が形成する。テーパ部11が進入するにつれてアル
ミニウム管2は拡径し、両管の界面では圧接された銅と
アルミニウムとが次々と共晶相を形成していく。このと
きアルミニウム管2はクランプ5により拘束されている
ので、アルミニウム管2が拡開しすぎることはなく、銅
管1のテーパ部11との圧接力は非常に強固となる。この
状態では銅管1の外面とアルミニウム管2の内面との間
には極めて僅かしか空間がないので、界面に生成した銅
/アルミニウム共晶合金のうち過剰のものは銅管1の先
端及びアルミニウム管2の先端に排出される。その結
果、銅管1とアルミニウム管2との間の非常に狭い界面
には微量の共晶相しか存在せず、共晶相は非常に薄いも
のとなる。
【0039】圧入により共晶相が形成された後、接合部
を急冷するのが好ましい。急冷のためには、連結した銅
管1とアルミニウム管2の内部に窒素ガス又は圧縮空気
を流せばよい。急冷速度は100 ℃/秒以上とするのが好
ましい。急冷速度が100 ℃/秒未満であると、得られた
共晶相が冷却の過程で結晶が粗大化し、脆化してしま
う。好ましい急冷速度は200 ℃/秒以上である。
【0040】[4] 接合体 上記接合方法により得られる本発明の接合体は、テーパ
部11の約1/2以上にわたって共晶相が形成されてい
る。共晶相の形成領域がテーパ部11の約1/2未満であ
ると、接合部の気密性及び接合強度が十分でない。さら
に本発明の接合体は、形成された共晶相のうち厚さが10
μm以下の領域の長手方向長さが1mm以上であることを
特徴とする。共晶相の厚さが10μm以下であると、機械
的変形力(剪断力等)に対する抵抗力が大きく、気密性
の保持力が十分である。10μm以下の厚さの共晶相の長
さは2mm以上が好ましい。
【0041】
【実施例】本発明を以下の実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0042】参考例1 厚さ1mm及び幅10mmの銅板及び厚さ1mm及び幅10mm
のアルミニウム板の表面をそれぞれワイヤーブラシで磨
いた後で、両板を重ね合わせた。次いで図8に示す工具
を使用し、42%の圧縮率で冷間圧接し、それを300 ℃か
ら500 ℃まで50℃毎の各温度に加熱し、共晶相を成長さ
せた。接合した両板を両側から引っ張り、接合部が剪断
剥離する時の負荷(N)を測定した。また各接合板の接
合界面における共晶相の厚さ(μm)を測定した。剪断
剥離負荷(N)と共晶相の厚さ(μm)との関係を図9
に示す。
【0043】図9から明らかなように、共晶相の厚さ
(μm)が約10μmを超えると、剪断剥離負荷が急激に
減少する。これから、銅管/アルミニウム管の接合部に
おける共晶相の厚さは10μm以下にする必要があること
が分かる。
【0044】実施例1 1.接合体の製造 外径8.0 mm、肉厚0.6 mm及び長さ90mmの脱酸銅製の管1
と、外径8.0 mm、肉厚0.6 mm及び長さ150 mmのアルミニ
ウム(純度99.3%)製管2とを用意した。銅管1の先端
から13mmの長さの部分にテーパ加工を施して、直線的に
径が減少し、先端外径が6.2mm のテーパ部11を形成し
た。
【0045】図6に示すように、銅管1を長さ約40mmの
ステンレス製の2つ割りのクランプ片(図示せず)でし
っかり保持するとともに、アルミニウム管2も長さ約60
mmの2つ割りのクランプ片5a、5bで保持した。クラ
ンプ片5a、5bの内面の同径部7aの長さは5mmであ
り、テーパ部7bの長さは6mmであった。この状態で2
つ割りの高周波加熱コイル4を閉じて銅管1のテーパ部
11の周囲に位置するようにし、窒素ガス吹き付け管6よ
り窒素ガスをテーパ部11の周囲に流しながら、高周波電
源より約20kw及び90kHzの電流を高周波加熱コイル
4に10秒間流した。テーパ部11の温度が約750 ℃に達し
たら、高周波加熱コイル4への通電量を減少させ、接合
部の温度を約560 ℃に維持しながら銅管1のテーパ部11
を50mm/秒の速度でアルミニウム管2内に圧入した。
【0046】銅管1のテーパ部11をアルミニウム管2内
に圧入すると、両管の界面に銅/アルミニウムの共晶相
が形成され、余分の共晶相は銅管1及びアルミニウム管
2の先端からそれぞれ排出された。銅管1の圧入完了後
直ちに銅管1内に圧縮空気を流して、接合部を急冷し
た。
【0047】2.接合体の評価 得られた銅管/アルミニウム管の接合体を長手方向に切
断し、接合界面における共晶相の厚さを光学顕微鏡観測
により測定した。この測定を10本の接合体に対して行
い、アルミニウム管2の先端からの長さに対する共晶相
の厚さ分布を求めた。結果を図10に示す。図10において
ハッチングは測定データのバラツキの範囲を表す。図10
から明らかなように、共晶相の厚さが10μm以下の領域
は2.8mm であった。
【0048】次に各20本ずつの銅管/アルミニウム管の
接合体を万力(バイス) で挟んで、40%の圧縮率まで段
階的に圧縮した。圧縮した接合体の一端を密封し、他端
から接合体内を10 kgf/cm 2 の圧縮空気により加圧し、
水中に浸漬して空気の漏れの有無をテストした。このテ
ストを各圧縮率毎に20本の接合体に対して行った。測定
結果を表1に示す。
【0049】比較例1 アルミニウム管2の後部のみを通常のクランプ片で固定
し先端部(接合部)は開放状態とした以外は、実施例1
と同じ条件で銅管/アルミニウム管の接合体を作製し
た。実施例1と同様にして共晶相の厚さを測定し、アル
ミニウム管2の先端からの長さに対する共晶相の厚さ分
布を求めた。結果を図10に示す。図10から明らかなよう
に、共晶相の厚さは全接合領域で15μm以上であった。
次に各接合体に対して実施例1と同様にして気密性テス
トを行った。測定結果を表1に示す。
【0050】 表1 漏れ発生率(%)n=20圧縮率(%) 実施例1 比較例1 0 0 0 11〜20 0 50 21〜30 5 70 31〜40 20 90
【0051】表1の結果から明らかなように、両者とも
ゼロ圧縮の場合には良好な耐漏れ性を有する。ところが
20%まで圧縮すると、実施例1の接合体では漏れ発生率
が0%であるのに対して、比較例1の接合体では50%に
も達した。20%超の圧縮率は実用上要求される耐用レベ
ル以上であるので、本発明の銅管/アルミニウム管の接
合体は十分に実用に耐える耐圧縮性を有することがわか
る。
【0052】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によりアルミ
ニウム管の先端部をクランプで固定した状態で銅管のテ
ーパ部を圧入することにより、銅管/アルミニウム管の
界面に薄い共晶相を形成し、もって優れた耐漏れ性を有
する接合体が得られる。本発明の銅管/アルミニウム管
の接合体は、極めて薄い共晶相のために機械的変形があ
っても気密性が良好に保持される。また本発明の接合方
法はアルミニウム管の先端部に銅管のテーパ部を圧入す
る方式であるので、高い気密性を有する銅管/アルミニ
ウム管の接合体を安価に効率良く得ることができ、製品
歩留りも良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例により銅管/アルミニウム
管の接合体を製造する装置を示す要部概略断面図であ
る。
【図2】 本発明の別の実施例による銅管のテーパ部を
示す断面図である。
【図3】 図2の銅管のテーパ部の表面傾斜を示す概略
図である。
【図4】 本発明のさらに別の実施例による銅管のテー
パ部を示す断面図である。
【図5】 窒素ガス吹き付け管を示す概略図である。
【図6】 図1の装置において銅管を圧入する直前の状
態を示す概略断面図である。
【図7】 図1の装置において銅管を圧入した後の状態
を示す概略断面図である。
【図8】 参考例1において使用した圧着用工具及びそ
れにより圧着した両板を示す概略図である。
【図9】 剪断剥離負荷と共晶相の厚さとの関係を示す
グラフである。
【図10】 アルミニウム管の先端からの長さに対する共
晶相の厚さの分布を示すグラフである。
【符号の説明】
1・・・・・銅管 11、12・・・テーパ部 11a、12a・凸曲面部 11b・・・・縮径部 2・・・・・アルミニウム管 4・・・・・高周波加熱コイル 5・・・・・アルミニウム管用クランプ 5a、5b・クランプ片 6・・・・・窒素ガス吹き付け管 7a・・・・先端同径部 7b・・・・テーパ部 7c・・・・後端同径部
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F28F 1/00 F28F 1/00 E // B23K 103:18

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅管の端部に形成されたテーパ部が前記
    銅管の外径より小さい内径を有するアルミニウム管に圧
    入されてなる接合体において、前記銅管の外面と前記ア
    ルミニウム管の内面との界面に前記テーパ部の半分以上
    の長さにわたって銅とアルミニウムとの共晶相が形成さ
    れており、かつ前記共晶相のうち厚さ10μm以下の領域
    の長さが1mm以上であることを特徴とする接合体。
  2. 【請求項2】 請求項1又は2に記載の銅管とアルミニ
    ウム管との接合体において、前記銅管のテーパ部の長さ
    は前記銅管の外径の1〜3倍であり、かつ前記テーパ部
    の平均傾斜角は1〜8°であることを特徴とする接合
    体。
  3. 【請求項3】 銅管とアルミニウム管との接合方法にお
    いて、(a) 前記アルミニウム管の内径より僅かに大きい
    外径を有する前記銅管の端部にテーパ部を形成し、(b)
    前記アルミニウム管の外径と実質的に同一の内径を有す
    るとともに、先端付近の内面に前記銅管のテーパ部とほ
    ぼ同じ傾斜のテーパ部が設けられているクランプによ
    り、前記アルミニウム管の先端部を把持・固定し、(c)
    前記銅管のテーパ部を、銅/アルミニウムの共晶温度以
    上でアルミニウムの融点未満の温度に加熱し、(d) 前記
    銅管のテーパ部を前記クランプで固定した前記アルミニ
    ウム管の先端部内に圧入し、もって前記銅管の外面と前
    記アルミニウム管の内面との界面に銅/アルミニウムの
    共晶相を形成させることにより、両者を密封状態に接合
    することを特徴とする接合方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の銅管とアルミニウム管
    との接合方法において、前記銅管の圧入後、直ちに接合
    部を急冷することを特徴とする接合方法。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4に記載の銅管とアルミニ
    ウム管との接合方法において、前記クランプ内面のテー
    パ部は前記銅管のテーパ部とほぼ同一の傾斜を有するこ
    とを特徴とする接合方法。
  6. 【請求項6】 請求項3〜5のいずれかに記載の銅管と
    アルミニウム管との接合方法において、前記アルミニウ
    ム管の圧入速度が10mm/秒以上であることを特徴とする
    接合方法。
  7. 【請求項7】 請求項3〜6のいずれかに記載の銅管と
    アルミニウム管との接合方法において、前記銅管のテー
    パ部の長さは前記銅管の外径の1〜3倍であり、かつ前
    記テーパ部の平均傾斜角は1〜8°であることを特徴と
    する接合方法。
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