JPH1134500A - 金属錯体系色素を用いた光記録媒体 - Google Patents

金属錯体系色素を用いた光記録媒体

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JPH1134500A
JPH1134500A JP9207234A JP20723497A JPH1134500A JP H1134500 A JPH1134500 A JP H1134500A JP 9207234 A JP9207234 A JP 9207234A JP 20723497 A JP20723497 A JP 20723497A JP H1134500 A JPH1134500 A JP H1134500A
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敦志 門田
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正博 新海
Shiro Yamamiya
士郎 山宮
Seishichi Sasaki
誠七 佐々木
Yoshio Abe
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TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 短波長(635〜680nm程度)で記録、再
生が可能であるか、さらには短波長と従来波長(780
nm程度)の2波長での記録、再生が可能な光記録媒体を
提供する。 【解決手段】 下記式(I)、(II)、(III)および
(IV)で示されるシアニン色素型化合物またはメロシア
ニン色素型化合物から選ばれた化合物と金属化合物とを
反応させて得られた金属錯体系色素を含有する記録層を
有する金属錯体系色素を用いた光記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属錯体系色素を記
録層に用いた光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明の発明者らはCD(コンパクトデ
ィスク)規格に対応した記録可能な光記録媒体としてC
D−R(追記型コンパクトディスク)を開発してきた。
近年、更なる高密度光記録媒体が望まれており、その一
つとしてCD−Rの記録波長を現行の780nmから68
0〜635nmへと短波長化した次世代の光記録媒体が提
唱されている。しかしこれまで780nmに対応すべく開
発が進められてきた結果、680nm〜635nm等の短波
長側で耐光性や溶解性、ならびに記録感度等の諸特性を
満たしている色素はほとんど知られていない。さらに無
視できない要求として、現行規格との互換性が挙げられ
る。すなわち、現行の記録機で記録した媒体が短波長で
最低限、読み出しができなくては過去の情報の蓄積を簡
便かつ迅速に活用できなくなる障害が生じることにな
る。よって今後開発されるべき短波長用記録層には、現
行波長の780nmにおける規格の遵守、いわゆるオレン
ジブック規格を満足しつつ、同時に680nm〜635nm
においても現行規格と同様な特性を有することが重要視
されてくる。
【0003】これを最も現実的に実現するためには、現
行規格で良好な特性を有し、かつ短波長側に大きな吸収
をもたない色素を適当量混合して両波長にて特性を満足
する方法が考えられる。この場合、混合系での記録特性
を十分に吟味する必要がある。
【0004】記録波長も重要であるが、特に重要で実現
困難な特性が記録層用色素の耐光性である。これまでに
高耐光性色素として、主に何らかの金属錯体系色素が開
示されてきた。例えば特開昭59−55795号に示さ
れるような、耐光性が低いシアニン色素に金属錯体クエ
ンチャーを組合せて耐光性を改善した例がある。しか
し、この系はスピンコート時に用いられる塗布溶媒に対
する溶解度が著しく低下することと、安定化剤そのもの
が分解劣化してしまう欠点を有する。この他にも、高耐
光性を有するものとして、例えばアゾ系金属錯体系色素
(特公平7−51682号、特公平7−51673号お
よび特開平8−156408号)、ホルマザンニッケル
錯体色素(特開昭60−254038号、同62−14
4997号)等がある。確かにこれら金属錯体色素は耐
光性に優れているが、一般に記録感度が低く、比較的溶
解性も低く、特定の溶媒にしか溶解しない欠点を有す
る。また680nm〜635nmの短波長での記録再生を考
慮すると、ホルマザンニッケル金属錯体色素はその吸収
波長が長過ぎ、もはやこの骨格では短波長への対応は不
可能と考えられる。
【0005】高耐光性色素として古くから知られるフタ
ロシアニン系色素に関しては、やはり上述の欠点を回避
することは難しく、短波長色素記録層用色素としての展
開は不可能と考えられる。以上のように680nm〜63
5nmの短波長での記録再生特性、とりわけ長波長側に吸
収をもつ色素との混合系で用いた場合にも所望の記録再
生特性を有し、色素単独で高耐光性と溶解性を有する色
素骨格が強く求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、第一
に、耐光性に優れ、680nm〜635nm程度の波長にお
いて良好な記録再生特性を有する高感度な光記録媒体を
提供することである。第二に、さらには780nm程度の
波長においても良好な記録再生が可能で、オレンジブッ
ク規格に適合する記録再生特性を有する高感度な光記録
媒体を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(3)の本発明により達成される。 (1) 下記式(I)、(II)、(III)および(IV)
で示されるシアニン色素型化合物またはメロシアニン色
素型化合物から選ばれた化合物と金属化合物とを反応さ
せて得られた金属錯体系色素を含有する記録層を有する
金属錯体系色素を用いた光記録媒体。
【0008】
【化2】
【0009】[式(I)において、Q1 およびQ2 は各
々CおよびNとともに複素環を形成するのに必要な原子
群を表し、Q1 またはQ2 で完成される複素環骨格は同
一でも異なるものであってもよい。Rは水素原子または
一価の置換基を表すが、RはQ1 またはQ2 と複素環の
一部を形成していてもよい。式(II)において、Q1
よびQ2 は各々CおよびNとともに複素環を形成するの
に必要な原子群を表し、Q1 またはQ2 で完成される複
素環骨格は同一でも異なるものであってもよい。式(II
I)において、Q1 およびQ2 は各々CおよびNととも
に複素環を形成するのに必要な原子群を表し、Q1 また
はQ2 で完成される複素環骨格は同一でも異なるもので
あってもよい。R1およびR2は各々水素原子または一価
の置換基を表すが、R1およびR2は各々Q1 またはQ2
と複素環の一部を形成していてもよい。式(IV)におい
て、Q1 は各々CおよびNとともに複素環を形成するの
に必要な原子群を表し、Q3 は活性水素を有する環状エ
ノールを形成するのに必要な原子群を表す。] (2) 前記金属錯体系色素の中心金属がCo、Mn、
Ti、V、Ni、Cu、Zn、Mo、W、Ru、Fe、
Pd、PtまたはAlである上記(1)の金属錯体系色
素を用いた光記録媒体。 (3) 前記記録層がさらに前記金属錯体系色素とは異
なる光吸収色素を含有する上記(1)または(2)の金
属錯体系色素を用いた光記録媒体。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明の光記録媒体は金属錯体系色
素を含有する記録層を有し、金属錯体系色素は式(I)
〜(IV)で示される化合物と金属化合物とを反応させて
得られたものである。
【0011】式(I)について説明すると、Q1 および
2 は、各々炭素原子(C)および窒素原子(N)とと
もに複素環を形成するのに必要な原子群を表し、Q1
たはQ2 で完成される複素環骨格は異なるものであって
もよい。Q1 、Q2 で完成される複素環は、単環であっ
ても多環であってもよい。多環の場合は縮合多環であっ
ても環集合であってもよい。
【0012】このような複素環としては、例えば、ピロ
ール系の環、ピラゾリン系の環、チアゾール系の環、ベ
ンゾチアゾール系の環、ナフトチアゾール系の環、オキ
サゾール系の環、ベンゾオキサゾール系の環、ナフトオ
キサゾール系の環、セレナゾール系の環、ベンゾセレナ
ゾール系の環、ナフトセレナゾール系の環、チアゾリン
系の環、オキサゾリン系の環、セレナゾリン系の環、2
−キノリン系の環、1−イソキノリン系の環、3−イソ
キノリン系の環、インドレニン系の環、ベンゾ[cd]
インドール系の環、ピリジン系の環、イミダゾール系の
環、ベンゾイミダゾール系の環、キノキサリン系の環、
イソインドリン系の環などが挙げられる。
【0013】なかでもピロール系の環、2−キノリン系
の環、インドレニン系の環、ベンゾ[cd]インドール
系の環、キノキサリン系の環が好ましく、特にピロール
系の環、2−キノリン系の環、キノキサリン系の環が好
ましい。
【0014】特に、Q1、Q2で完成される複素環は、ピ
ロール系の環同士の組み合わせ、2−キノリン系の環同
士の組み合わせ、あるいは一方がベンゾ[cd]インド
ール系の環で、他方が、インドレニン系、ベンゾチアゾ
ール系、ベンゾオキサゾール系、キノリン系等から選ば
れる環である組み合わせが好ましい。
【0015】このような複素環は置換基を有していても
よく、置換基としてはアルキル基、アルコキシ基、ニト
ロ基、シアノ基、ハロゲン原子、アリール基、アリール
オキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバ
モイル基、アミノ基等が挙げられる。
【0016】アルキル基としては、総炭素数1〜6、さ
らには1〜4のものが好ましく、直鎖状であっても分岐
を有していてもよく、場合によってはシクロアルキル基
であってもよく、またシクロアルキル基を有するもので
あってもよい。さらには置換基を有していてもよく、こ
のような置換基としてはハロゲン原子(フッ素原子、塩
素原子等)などが挙げられる。具体的にはメチル基、エ
チル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、トリ
フルオロメチル基等が挙げられる。
【0017】アルコキシ基としては、アルキル部分の総
炭素数が1〜6、さらには1〜4のものが好ましく、ハ
ロゲン原子(フッ素原子等)などで置換されていてもよ
い。このようなアルコキシ基の具体例としては、メトキ
シ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンタ
フルオロプロポキシ基などが挙げられる。
【0018】ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素
原子、臭素原子等が挙げられる。
【0019】アリール基としては、さらに置換基を有す
るものであってもよく、例えばフェニル基、(o−,m
−,p−)トリル基等が挙げられる。
【0020】アリールオキシ基としては、さらに置換基
を有するものであってもよく、例えばフェノキシ基等が
好ましい。
【0021】アシル基としては、アセチル基、プロピオ
ニル基、ブチリル基等が挙げられる。
【0022】アルコキシカルボニル基としては、例えば
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等が挙げ
られる。
【0023】カルバモイル基としては、さらに置換基を
有するものであってもよく、例えばカルバモイル基、メ
チルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基
等が挙げられる。
【0024】アミノ基としては、置換基を有するものが
好ましいが、無置換のものであってもよい。置換アミノ
基としては特にジアルキルアミノ基が好ましい。この場
合ジアルキルアミノ基のアルキル部分は直鎖状であって
も分岐を有するものであってもよい。また、2つのアル
キル基は非対称であってもよい。アミノ基の具体例とし
ては、アミノ基、メチルアミノ基等も挙げられる。
【0025】これらの置換基は2個以上存在していても
よく、2個以上のときは各々同一でも異なるものであっ
てもよく、さらには隣接する置換基同士が結合して縮合
環を形成してもよい。
【0026】Rは水素原子または一価の置換基を表す。
Rで表される一価の置換基としては、アルキル基、ニト
ロ基、シアノ基、ハロゲン原子、アリール基、アシル
基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、複素環
基、アリールアゾ基等が挙げられる。
【0027】アルキル基としては、総炭素数1〜6、さ
らには1〜4のものが好ましく、直鎖状であっても分岐
を有していてもよく、場合によってはシクロアルキル基
であってもよく、またシクロアルキル基を有するもので
あってもよい。さらには置換基を有していてもよく、こ
のような置換基としてはハロゲン原子(フッ素原子、塩
素原子等)などが挙げられる。具体的にはメチル基、エ
チル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、トリ
フルオロメチル基等が挙げられる。
【0028】ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素
原子、臭素原子等が挙げられる。
【0029】アリール基としては、さらに置換基を有す
るものであってもよく、例えばフェニル基、(o−,m
−,p−)トリル基等が挙げられる。
【0030】アシル基としては、アセチル基、プロピオ
ニル基、ブチリル基等が挙げられる。
【0031】アルコキシカルボニル基としては、例えば
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等が挙げ
られる。
【0032】カルバモイル基としては、さらに置換基を
有するものであってもよく、例えばカルバモイル基、メ
チルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基
等が挙げられる。
【0033】複素環基としては、2−ベンゾチアゾリル
基等が挙げられる。
【0034】アリールアゾ基としては、さらに置換基を
有するものであってもよく、例えばフェニルアゾ基等が
挙げられる。
【0035】また、RはQ1またはQ2とともに複素環の
一部を形成してもよい。
【0036】Rとしては水素原子、シアノ基、アルコキ
シカルボニル基が好ましい。
【0037】式(II)について説明すると、Q1、Q2
式(I)におけるものと同義のものである。
【0038】なかでもピロール系の環、ベンゾチアゾー
ル系の環、ナフトチアゾール系の環、ベンゾ[cd]イ
ンドール系の環が好ましい。特に、式(II)において、
1、Q2で完成される複素環は、ピロール系の環同士、
あるいは一方がベンゾ[cd]インドール系の環で、他
方がベンゾチアゾール系、イソキノリン系等から選ばれ
る環である組み合わせが好ましい。
【0039】式(III)について説明すると、Q1、Q2
は式(I)におけるものと同義のものである。
【0040】なかでもインドレニン系の環、ピリジン系
の環が好ましい。
【0041】また、R1、R2は式(I)のRと同義のも
のであり、特に水素原子が好ましい。
【0042】式(IV)について説明すると、Q1は各々
CおよびNとともに複素環を形成するのに必要な原子群
を表し、Q1で完成される複素環は単環であってもよ
く、多環の場合は縮合多環であっても環集合であっても
よい。
【0043】このような複素環としては式(I)のもの
と同様のものが挙げられる。
【0044】なかでもベンゾ[cd]インドール系の環
が好ましい。
【0045】Q3は活性水素を有する環状エノールを形
成するために必要な原子群を表し、Q3で完成される環
は単環であっても多環であってもよく、多環の場合は縮
合多環であっても環集合であってもよい。このような環
状エノールとしては、6−ヒドロキシ−2−ピリドン系
の環、バルビツール酸系の環、イミダゾピリドン系の
環、4−ヒドロキシクマリン系の環、5−ピラゾリノン
系の環、3−ヒドロキシチオナフテン系の環、インドキ
シル系の環、o−フェノール系の環、β−ナフトール系
の環、ローダニン系の環等が挙げられる。
【0046】なかでも6−ヒドロキシ−2−ピリドン系
の環、4−ヒドロキシクマリン系の環、5−ピラゾリノ
ン系の環、β−ナフトール系の環等が好ましい。
【0047】なお、式(I)〜(IV)においては活性水
素を有する形で示しているが、活性水素がとれた形で配
位する。また配位子化合物として示すときはHのみなら
ず、Na等のアルカリ金属塩やアンモニウム塩等の塩の
形をとっていてもよく、式(I)〜(IV)はこれらを代
表的に示しているにすぎない。
【0048】本発明における金属錯体を得るに際し、式
(I)で示される化合物と反応させる金属化合物として
は、金属錯体の中心金属に応じて選択すればよい。
【0049】式(I)〜(IV)で示される化合物を配位
させて得られる金属錯体系色素の中心金属は、Co、M
n、Ti、V、Ni、Cu、Zn、Mo、W、Ru、F
e、Pd、Pt、Alが好ましい。このなかでV、M
o、Wは酸化物イオン、例えばVO2+、VO3+、MoO
2 +、MoO3+、WO3+の形となっていてもよい。中心金
属としてはCo、Cu、Ni、特にCo、Niが好まし
い。
【0050】したがって、このような金属化合物として
は塩化物(例えば塩化コバルト、塩化亜鉛、塩化クロ
ム、塩化マンガン、塩化鉄、オキシ三塩化バナジウム
等)や酢酸塩(例えば酢酸ニッケル、酢酸銅等)、アセ
チルアセトン錯塩(アセチルアセトンコバルト塩(III
)等)が一般に用いられる。
【0051】式(I)、(II)、(IV)で示される化合
物は2座配位子であり、これらの式に従えば、式
(I)、(II)、(IV)で示される化合物中の−NH、
−OHの活性水素がとれたN- またはO-とNとで金属
に配位し、金属と1:1錯体、1:2錯体あるいは1:
3錯体を形成する。式(III)の場合は3座配位子であ
り、金属と1:1錯体あるいは1:2錯体を形成する。
【0052】中心金属の配位数を、式(I)〜(IV)で
示される化合物の配位子のみで満たすことができないと
き、上記の化合物のほかに他の配位子が配位してもよ
い。このような他の配位子としては塩素原子、水分子、
ヒドロキソ等が挙げられるが、これらの他の配位子は原
料や反応溶媒等に由来する。
【0053】また、金属錯体系色素が正電荷をもつ場合
の対イオンとしては、塩化物イオン(Cl- )、臭化物
イオン(Br- )、ヨウ化物イオン(I- )、テトラフ
ルオロホウ酸イオン(BF4 -)、ヘキサフルオロリン酸
イオン(PF6 -)、テトラフェニルホウ酸イオン(B
(C654 -)、過塩素酸イオン(ClO4 -)、タン
グステン酸イオン(WO4 2- )、アセチルアセトンアニ
オン(CH3COCH=C(CH3 )O-)等が挙げられ、好ましくは塩
化物イオン(Cl- )、テトラフルオロホウ酸イオン
(BF4 -)、ヘキサフルオロリン酸イオン(PF6 -)、
過塩素酸イオン(ClO4 -)、アセチルアセトンアニオ
ン(CH3COCH=C(CH3)O-) が挙げられ、特にはテトラフル
オロホウ酸イオン(BF4 -)、ヘキサフルオロリン酸イ
オン(PF6 -)、過塩素酸イオン(ClO4 -)、アセチ
ルアセトンアニオン(CH3COCH=C(CH3)O-) が好ましい。
【0054】金属錯体系色素が負電荷をもつ場合の対イ
オンとしては、ナトリウムイオン(Na+)、カリウム
イオン(K+)、テトラエチルアンモニウムイオン
((C254+)、テトラt−ブチルアンモニウムイ
オン((t−C494+)等が挙げられる。
【0055】式(I)で示される化合物と金属化合物と
から得られる金属錯体系色素を、Rが水素原子であると
きを例にして模式的に示すと、例えば下記式(V)のよ
うになる。
【0056】
【化3】
【0057】式(V)において、Q1 およびQ2 は式
(I)中のものと同義のものであり、M1 は中心金属を
表し、m1 は1〜3である。Lは他の配位子を表す。m
2 は通常0または1〜4の整数である。Yは対イオンを
表し、yは電荷の均衡を保つための数である。
【0058】以下に、本発明に用いる金属錯体系色素の
具体例を、式(I)〜(IV)で示される化合物と中心金
属と対イオンとの組合せで示す。なお、式(I)〜(I
V)の化合物は−NH、−OHの活性水素のとれた形で
示している。
【0059】
【化4】
【0060】
【化5】
【0061】
【化6】
【0062】
【化7】
【0063】
【化8】
【0064】
【化9】
【0065】
【化10】
【0066】
【化11】
【0067】本発明に配位子として用いられる式(I)
〜(IV)で示される化合物は、A.H.Cook,J.R.Majer,J.C
hem.Soc.,482(1944)、A.H.Cook,R.F.Naylor,J.Chem.So
c.,397(1943)、A.I.Kiprianov,T.M.Verbovskaya,Zh.Obs
ch.Khim.,33,479(1963)、英国特許第554,101
号、米国特許第2,469,830号等やこれらに引用
された文献等の記載を参照して合成することができる。
【0068】化合物の同定は、マススペクトル、 1H−
核磁気共鳴スペクトル、赤外吸収スペクトル等によって
行うことができる。
【0069】また、金属錯体系色素は、式(I)〜(I
V)の化合物と上述の酢酸塩等の金属化合物とをアルコ
ール(メタノール、エタノール等)やケトン(アセトン
等)あるいはテトラヒドロフラン(THF)などの適当
な溶媒中で反応させることによって得ることができる。
この場合の錯形成反応は室温(15℃〜30℃)程度の
温度で瞬時に進行するものもあるが、通常は、室温〜1
00℃程度の温度で、3分〜1.5時間程度反応させれ
ばよい。このような錯体の形成は溶液の呈色によって確
認できる。また結晶化して固形物として得ることができ
るが、このものの同定は、可視紫外吸収スペクトル、赤
外吸収スペクトル、マススペクトル等によって行うこと
ができる。
【0070】上記のようにして得られた金属錯体系色素
は対イオンを有する場合、合成原料の金属塩に由来する
対イオン(例えばCl- 、CH3 COO- 等)を有する
が、場合により塩交換を行ってClO4 -、BF4 -、PF
6 -等に変換することが好ましい。塩交換は、過塩素酸塩
(過塩素酸ナトリウム、過塩素酸アンモニウム、過塩素
酸マグネシウム等)、テトラフルオロホウ酸塩(テトラ
フルオロホウ酸ナトリウム、テトラフルオロホウ酸アン
モニウム等)、ヘキサフルオロリン酸塩(ヘキサフルオ
ロリン酸カリウム、ヘキサフルオロリン酸アンモニウム
等)を用い、これらの塩をメタノール、エタノール等の
溶媒に溶解した溶液(0.5〜4wt% )中に上記の金属
錯体系色素を、この色素と上記塩との量比(色素/塩の
モル比)が1/0.5〜1/2となるように添加し攪拌
するなどして行うことができる。そして、その後結晶化
させればよい。
【0071】このものの同定は可視紫外吸収スペクト
ル、マススペクトル、蛍光X線測定等によって行うこと
ができる。
【0072】以下に合成例を示す。
【0073】合成例1 色素No. 1の合成 (1−1)2−[(3’,3’−ジメチル−2’(1’
H)−インドリニリデン)メチル]ベンゾ[cd]イン
ドール(配位子1)の合成 ベンゾ[cd]インドール−2(1H)−オン10.1
5gと1,3,3−トリメチルインドレニン9.55g
を乾燥したクロロベンゼン90mlに取り、加熱した。8
0℃でオキシ塩化リン9.66gを滴下し、100〜1
05℃で3時間加熱攪拌した。反応終了後、冷却する
と、油状の色素が得られるが、これを取り出し、中和処
理をして、配位子1を12.50g得た。
【0074】(1−2)色素No.1の合成 上記配位子化合物1;3.10gと酢酸コバルト4水塩
1.26gをTHF30mlとエタノール10mlの混合溶
媒に加え、4時間還流した。反応液を水中に注ぎ、析出
した固体を取り出し色素No.1が3.28g 得られた。
【0075】合成例2 色素No. 2の合成 金属化合物として酢酸ニッケルを用いる以外は合成例1
と同様にして合成した。
【0076】合成例3 色素No. 3の合成 合成例1の配位子1の合成に準じて、2−[(1’,
1’−ジメチル−2’(1’H)−ベンゾ(e)インド
リニリデン)メチル]ベンゾ[cd]インドール(配位
子2)を合成し、これを用いて合成例1と同様にして合
成した。
【0077】合成例4 色素No. 4の合成 合成例3の配位子2を用いるほかは合成例2と同様にし
て合成した。
【0078】合成例5 色素No.5の合成 (5−1)2,2’−メチレンビス(3,3’,5,
5’−テトラフェニルピロール)(配位子3)の合成 2,4−ジフェニルピロール2.2gとオルトギ酸エチ
ル1.65gを酢酸20mlに溶かし、50%臭化水素酸
酢酸溶液0.8mlを加え、100℃で1時間攪拌した。
生成する沈殿をろ取して、深紅色の配位子3を2.0g
得た。
【0079】(5−2)色素No.5の合成 上記配位子3を用いるほかは合成例1と同様にして合成
した。
【0080】合成例6 色素No.6の合成 合成例5の配位子3を用いるほかは合成例2と同様にし
て合成した。
【0081】合成例7 色素No.13の合成 (7−1)2,2’,4,4’−テトラメチル−3,
3’−ジエチルアザピロメテン(配位子7)の合成 2,4−ジメチル−3−エチル−5−ニトロソピロール
3.06gと2,4−ジメチル−3−エチルピロール
2.56g を酢酸30mlに溶かし還流した。生成する沈
澱をろ取して、少量のアセトンで洗浄し、配位子7を得
た。
【0082】(7−2)色素No.13の合成 上記配位子7を用いるほかは合成例1と同様にして合成
した。
【0083】合成例8 色素No.14の合成 合成例7の配位子7を用いるほかは合成例2と同様にし
て合成した。
【0084】合成例9 色素No.22の合成 (9−1)(配位子11)の合成 2−アミノメチル−3,3−ジメチルインドレニン3.
48g とピリジン−2−アルデヒド2.14g をエタノ
ール40mlに溶かし1時間還流した。生成する沈澱をろ
取して、少量のエタノールで洗浄し、配位子11を得
た。
【0085】(9−2)色素No.22の合成 上記配位子11を用いるほかは合成例1と同様にして合
成した。
【0086】合成例10 色素No.23の合成 合成例9の配位子11を用いるほかは合成例2と同様に
して合成した。
【0087】合成例11 色素No.26の合成 (11−1)(配位子13)の合成 ナフトラクタム3.38g と下記構造のベンゾイミダゾ
ピリドン4.46g をクロロベンゼン200mlに取り8
0℃まで加熱したところでオキシ塩化リン3.37g を
加えた。約100℃で3時間攪拌して、配位子15を得
た。
【0088】(11−2)色素No.26の合成 上記配位子13を用いるほかは合成例1と同様にして合
成した。
【0089】
【化12】
【0090】合成例12 色素No.27の合成 合成例11の配位子13を用いるほかは合成例2と同様
にして合成した。
【0091】その他の例示色素も前述の文献等を参照に
して同様にして合成することができる。
【0092】本発明の金属錯体系色素の融点(mp)は
200〜350℃であり、またλmax (メタノール中)
は500〜650nmの範囲にある。
【0093】また、これらの色素は、635nmまたは6
50nmでの複素屈折率の実部nが2.00〜2.50で
あり、虚部kが0.01〜0.20である。
【0094】なお、色素のnおよびkは、所定の透明基
板上に色素膜を光記録媒体の記録層程度の厚さ、例えば
40〜100nm程度の厚さに記録層と同条件で設層し
て、測定用サンプルを作製し、次いで、この測定用サン
プルの635nmまたは650nmにおける反射率および透
過率を測定し、これらの測定値から、例えば、共立全書
「光学」石黒浩三P168〜178に準じ、算出したも
のである。反射率は測定用サンプルの基板を通しての反
射率あるいは色素膜側からの反射率であり、鏡面反射
(5°程度)にて測定したものである。
【0095】これらの金属錯体系色素は光記録媒体の記
録層に用いるとき、1種のみで用いてもよく、2種以上
を併用してもよい。また、合成過程で、配位子の配位数
が異なったり、あるいは他の配位子の種類が異なるよう
な2種以上の化合物が得られるときは分離することなく
そのまま用いてもよい。
【0096】このような金属錯体系色素は、有機溶媒に
対する溶解性が十分であり、光記録媒体の基板材料とし
て汎用されているポリカーボネート樹脂(PC)を侵す
ことがない塗布溶媒に対する溶解度が大きくなる。
【0097】このような金属錯体系色素を用いた記録層
は、特に追記型の光記録ディスク(CD−RやDVD−
R等)に用いることが好ましい。このような記録層は、
色素含有塗布液を用いて設層することが好ましい。特
に、回転する基板上に塗布液を展開塗布するスピンコー
ト法によることが好ましい。このほか、グラビア塗布、
スプレーコート、ディッピング等によってもよい。な
お、塗布溶媒については後述する。
【0098】上記のようなスピンコートの後、必要に応
じて塗膜を乾燥させる。このようにして形成される記録
層の厚さは、目的とする反射率などに応じて適宜設定さ
れるものであるが、通常、400〜3000A 程度であ
る。
【0099】なお、塗布液における色素含有量は、好ま
しくは0.05〜10wt% とするのがよい。本発明の金
属錯体系色素は溶解性が良好であるので、このような含
有量の塗布液を容易に調製することができる。具体的に
いえば、本発明の金属錯体系色素はアルコールやセロソ
ルブ系、ジアセトンアルコールなどのケトアルコール、
シクロヘキサノンなどのケトン系、エチルシクロヘキサ
ン等の脂肪酸炭水化物系、2,2,3,3−テトラフル
オロプロパノールなどのフッ素化アルコール系に0.5
〜10wt% 溶解する。特にポリカーボネート製ディスク
に塗布する際に好適な塗布溶媒である、エチルセロソル
ブやエチルシクロヘキサンに4wt% 以上溶解し、短時間
に良質なスピンコート膜を成膜することが可能である。
【0100】塗布液には適宜バインダー、分散剤、安定
剤等を含有させてもよい。
【0101】また、本発明の光記録媒体の記録層には本
発明の金属錯体系色素のほか、他の種類の光吸収色素を
含有させてもよい。このような色素としては、フタロシ
アニン系色素、シアニン系色素、金属錯体色素、スチリ
ル系色素、ポリフィリン系色素、アゾ色素、ホルマザン
金属錯体などが挙げられる。
【0102】したがって、このような場合には、塗布液
中にこのような色素を含有させて記録層を塗設すればよ
い。
【0103】特に、本発明では、680〜635nm程度
の短波長と780nm程度の従来の波長との2波長で記録
再生可能としたり、また記録と再生をこの2つの波長に
分けて行うことができる。この場合、780nm程度の従
来の波長光で記録を行い、短波長と780nm程度の従来
の波長光の2波長で再生を行うCD−RIIの記録と再生
方式に適当である。このような構成とする場合、記録層
には本発明の金属錯体系色素のほか、吸収特性などの光
学特性の異なる色素を用いることが好ましい。このよう
な組合せとしては、本発明の金属錯体系色素を短波長用
とし、他種の光吸収色素を長波長用とするものや、これ
とは逆に金属錯体系色素を長波長用とし、他種の光吸収
色素を短波長用とするものなどがあるが、通常は前者の
組合せで好ましく用いられる。このような場合、本発明
の金属錯体系色素のほかに、吸収極大(λmax )が68
0〜750nm程度の色素を含有させることが好ましく、
このような吸収極大(λmax )をもつ色素を上記色素の
なかから選択して用いればよい。なかでも、通常、フタ
ロシアニン系色素やペンタメチンシアニン系色素が用い
られる。
【0104】特に、上記のような2波長で記録、再生を
行うタイプのCD−RIIの記録層に用いる場合、金属錯
体系色素は650nmでの複素屈折率の実部nが1.8〜
2.6、虚部が0.02〜0.20であることが好まし
い。一方、これと組み合わせる色素としては、780nm
での複素屈折率の実部nが1.8〜2.6、虚部kが
0.02〜0.30、特に積層タイプの記録層に用いる
場合は0.02〜0.15であって、薄膜の吸収スペク
トルの半値幅、すなわちλmax 付近のスペクトル線の半
値幅が170nm以下、好ましくは150nm以下であるも
のが好ましい。半値幅の下限には特に制限はないが、通
常50nmである。このような半値幅のものを用いること
によって、併用する金属錯体系色素の吸収特性に影響を
与えることがなく、短波長域における反射率および変調
度が十分となる。これに対し、半値幅が170nmをこえ
ると、その吸収端が短波長レーザーの波長域にかかって
しまい、短波長域での反射率の低下を招いてしまう。な
お、半値幅は吸収極大λmaxにおける透過率Tが25%
以下となるように透明基板上に色素膜を形成したサンプ
ルを作製し、このサンプルの吸収スペクトルを測定する
ことにより求めたものである。例えば、図1の吸収スペ
クトルに従って説明すると、λmax における透過率T1
と、さらに波長を長波長側に移行させた場合波長の移行
に依存せず、ほぼ一定となる透過率T2 とを求め、T2
を基線(ベース)としてT1 までのボトムの深さの半分
の幅△λを半値幅とする。サンプルの色素膜の厚さは、
通常、500〜1500A (50〜150nm)程度であ
る。
【0105】なお、上記のnおよびkは、測定波長を各
々650nm、780nmとして前記と同様にして求めたも
のである。
【0106】このような色素としては、特に式(VI)で
表されるフタロシアニン系色素であることが好ましい。
【0107】
【化13】
【0108】式(VI)において、Mは中心原子を表す。
1 、X2 、X3 およびX4 は、各々ハロゲン原子を表
し、これらは同一でも異なるものであってもよい。p
1、p2、p3およびp4は各々0または1〜4の整数
であり、p1+p2+p3+p4は0〜15である。Y
1 、Y2 、Y3 およびY4 は各々酸素原子または硫黄原
子を表し、これらは同一でも異なるものであってもよ
い。Z1 、Z2 、Z3 およびZ4 は各々炭素原子数4以
上のアルキル基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基
または複素環基を表し、これらは同一でも異なるもので
あってもよい。q1、q2、q3およびq4は各々0ま
たは1〜4の整数であり、これらは同時に0になること
はなく、q1+q2+q3+q4は1〜8である。
【0109】式(VI)についてさらに詳細に記すと、式
(VI)においてMは中心原子を表す。Mで表わされる中
心原子としては、水素原子(2H)または金属原子が挙
げられる。このときの金属原子としては、周期表1〜1
4族(1A〜7A族、8族、1B〜4B族)に属する金
属原子等であってよく、具体的にはLi、Na、K、M
g、Ca、Ba、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、
Mo、W、Mn、Tc、Fe、Co、Ni、Ru、R
h、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Z
n、Cd、Hg、Al、In、Tl、Si、Ge、S
n、Pb等、特にLi、Na、K、Mg、Ca、Ba、
Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、
Tc、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、I
r、Pt、Cu、Ag、Au、Cd、Hg、Al、I
n、Tl、Si、Ge、Sn、Pbが挙げられる。この
なかで、Al、Si、Ge、Zn、Cu、Pd、Ni、
Fe、Co等が好ましく、特にCu、Pd、Ni、F
e、Co、VO等が経時安定性の点で好ましい。
【0110】なお、これらの金属原子は、V等のよう
に、VO等の形であってもよく、さらにはSi、Al、
Ge、Co、Fe等のように、金属原子の上下あるいは
一方に、エーテル基、エステル基、ピリジンおよびその
誘導体等の配位子がさらに配位した形であってもよい。
Siである好ましい例については後述する。
【0111】X1 〜X4 は、各々ハロゲン原子を表し、
ハロゲン原子としてはF、Cl、Br、I等がある。特
にBr、Fであることが好ましい。
【0112】p1、p2、p3およびp4は各々0また
は1〜4の整数であり、p1+p2+p3+p4は0〜
15であり、好ましくは0〜10である。
【0113】X1 〜X4 は、各々同一でも異なるもので
あってもよく、p1、p2、p3、p4が各々2以上の
整数であるとき、X1 同士、X2 同士、X3 同士、X4
同士は同一でも異なるものであってもよい。
【0114】Y1 〜Y4 は各々酸素原子または硫黄原子
を表し、特に酸素原子であることが好ましい。Y1 〜Y
4 は通常同一であるが、異なるものであってもよい。Z
1 〜Z4 は各々炭素原子数4以上のアルキル基、脂環式
炭化水素基、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、
これらは同一でも異なるものであってもよい。
【0115】q1、q2、q3およびq4は各々0また
は1〜4の整数であり、これらは同時に0になることは
なく、q1+q2+q3+q4は1〜8であり、好まし
くは2〜6である。
【0116】Y1 〜Y4 のフタロシアニン環に対する結
合位置は、フタロシアニン環の3位および/または6位
(下記の構造式参照)であることが好ましく、このよう
な結合を少なくとも1個含むことが好ましい。
【0117】
【化14】
【0118】Z1 〜Z4 で表されるアルキル基としては
炭素原子数4〜16のものが好ましく、直鎖状であって
も分岐を有するものであってもよいが、分岐を有するも
のが好ましい。また置換基を有していてもよく、置換基
としてはハロゲン原子(F、Cl、Br、I等、特に好
ましくはF、Br等)などが挙げられる。このようなア
ルキル基の具体例としては、n−C49 、i−C4
9 −、s−C49 −、t−C49 −、n−C511
−、(CH32 CHCH2 CH2 −、(CH33
CH2 −、(C252 CH−、C25 C(CH
32 −、n−C37 CH(CH3 )−、n−C6
13−、(CH32 CHCH2 CH2 CH2 −、(CH
33 C−CH2 −CH2 −、n−C37 CH(CH
3 )CH2−、n−C49 CH(CH3 )−、n−C7
15−、[(CH32 CH]2 −CH−、n−C4
9 CH(CH3 )CH2 −、(CH32 CHCH2
CH(CH3 )CH2 −、n−C817−、(CH3
3 CCH2 CH(CH3 )CH2 −、(CH32 CH
CH(i−C49 )−、n−C49 CH(C2
5 )CH2 −、n−C919−、CH3 CH2 CH(C
3 )CH2 CH(CH3 )CH2 CH2 −、(CH
32 CHCH2 CH2 CH2 CH(CH3 )CH2
−、n−C37 CH(CH3 )CH2 CH(CH3
CH2 −、n−C1021−、(CH33 CCH2 CH
2 C(CH32 CH2 −、n−C1123−、n−C12
25−、n−C1327−、n−C1429−、n−C15
31−、n−C1633−、CHF2 CF2 CH2 −、CF
3 CH2 −、CF3 CF2 CH2 CH2 −、(CF3
2 (CH3 )C−CH2 −、n−C49 −、i−C4
9−、s−C49 −、t−C49 −等が挙げられ
る。
【0119】Z1 〜Z4 で表される脂環式炭化水素基と
しては、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等が挙げ
られ、シクロヘキシル基等が好ましい。これらはさら
に、置換基を有していてもよく、このような置換基とし
ては、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリー
ロキシ基、アラルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、カ
ルボキシル基、エステル基、アシル基、アミノ基、アミ
ド基、カルバモイル基、スルホニル基、スルファモイル
基、スルホ基、スルフィノ基、アリールアゾ基、アルキ
ルチオ基、アリールチオ基等が挙げられ、なかでも炭素
原子数1〜5のアルキル基(例えばメチル基、エチル
基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル
基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−
ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、ne
o−ペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブ
チル基)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イ
ソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキ
シ基)、アリール基(例えばフェニル基、トリル基、ビ
フェニル基、ナフチル基)、ハロゲン原子(例えばF、
Cl、Br、I、好ましくはF、Br)等が好ましい。
これらの置換基の置換位置は、Y1 〜Y4 の結合位置の
隣接位のうちのいずれか一方または両方であることが好
ましく、このような置換を少なくとも1個含むことが好
ましい。
【0120】Z1 〜Z4 で表される芳香族炭化水素基と
しては、単環であっても縮合環を有するものであっても
よく、さらには置換基を有するものであってもよい。ま
た総炭素原子数は6〜20であることが好ましい。具体
的には、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、フェニ
ル基等が好ましい。これらは、さらに置換基を有してい
てもよく、このような置換基としては、脂環式炭化水素
基のところで例示したものと同様のものを挙げることが
でき、好ましいものも同様である。また好ましい置換位
置も同様であり、Y1 〜Y4 の結合位置のオルト位であ
ることが好ましく、オルト置換を少なくとも1個含むこ
とが好ましい。
【0121】Z1 〜Z4 で表される複素環基としては、
単環であっても縮合環を有するものであってもよく、ヘ
テロ原子が酸素、窒素、硫黄等、特に酸素、窒素等であ
るものが好ましい。具体的には、ピリジル基、フラノン
−イル基、ピラジル基、ピラゾリジル基、ピペリジノン
−イル基、キノキサリル基、ピラノン−イル基、チオフ
ェントリオン−イル基等が挙げられ、ピリジル基、2−
フラノン−イル基等が好ましい。これらの複素環基は、
さらに置換基を有していてもよく、置換基としては脂環
式炭化水素基、芳香族炭化水素基のところで例示したも
のを挙げることができ、好ましいものも同様である。特
に、Y1 〜Y4 の結合位置の隣接位に炭素原子が存在す
る場合、このような隣接位に置換基を有することが好ま
しい。
【0122】Z1 〜Z4 としては、特に脂環式炭化水素
基、芳香族炭化水素基が好ましく、さらにはシクロヘキ
シル基、フェニル基が好ましく、特にはY1 〜Y4 の結
合位置の少なくとも一方の隣接位に置換基(特には前記
した好ましい置換基)を有するものが好ましい。
【0123】このようなフタロシアニン系色素の具体例
を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。具体例は下記式(VIa)のX11〜X14、X15〜X
18、X19〜X22、X23〜X26およびMを用いて示してお
り、X11〜X14等においてすべてHであるときはHで、
また置換基であるときはそのもののみを示しHの表示は
省略している。なお、フタロシアニン環における3位と
6位、4位と5位とは各々同等であり、これらにおいて
いずれか一方に置換基が存在するときは代表例を示して
いるにすぎない。
【0124】
【化15】
【0125】
【化16】
【0126】
【化17】
【0127】
【化18】
【0128】
【化19】
【0129】
【化20】
【0130】
【化21】
【0131】
【化22】
【0132】
【化23】
【0133】
【化24】
【0134】
【化25】
【0135】
【化26】
【0136】
【化27】
【0137】
【化28】
【0138】
【化29】
【0139】また、中心原子がSiである下記式(VI
I)で表わされるフタロシアニン系色素も好ましい。
【0140】
【化30】
【0141】式(VII)において、A1 、A2 、A3
よびA4 は各々水素原子またはアルキル基を表し、これ
らは同一でも異なるものであってもよい。Af1およびA
f2は各々フッ化アルキル基を表し、これらは同一でも異
なるものであってもよい。Rf1、Rf2、Rf3およびRf4
はフッ化アルキル基を表し、これらは同一でも異なるも
のであってもよい。r1、r2、r3およびr4は各々
0または1〜4の整数であり、これらは同時に0になる
ことはなく、r1+r2+r3+r4=1〜16であ
る。
【0142】A1 〜A4 で表されるアルキル基としては
炭素原子数1〜3のものが好ましく、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。
1〜A4 は通常同一であることが好ましい。
【0143】Af1、Af2で表されるフッ化アルキル基と
しては、炭素原子数1〜6のものが好ましく、直鎖状で
あっても分岐を有するものであってもよい。また、パー
フルオロ基でないほうが好ましい。このようなフッ化ア
ルキル基としてはCHF2 CF2 CH2 −、(CF3
2 (CH3 )C−CH2 −、CF3 −CH2 −、CF3
−CF2 −CH2 −CH2 −等が挙げられる。Af1、A
f2は通常同一であることが好ましい。
【0144】Rf1〜Rf4で表されるフッ化アルキル基と
しては、炭素原子数1〜6のものが好ましく、直鎖状で
あっても分岐を有するものであってもよい。また、パー
フルオロ基でない方が好ましい。このようなフッ化アル
キル基としてはCHF2 CF2 CH2 −、(CF32
(CH3 )C−CH2 −、CF3 CH2 −、CF3 CF
2 CH2 CH2 −等が挙げられる。Rf1〜Rf4は通常同
一であることが好ましい。r1〜r4は0または1〜4
の整数であり、これらは同時に0になることはなく、1
〜16である。r1〜r4は、好ましくは各々1または
2であり、特に好ましくはr1=r2=r3=r4=1
である。なお、r1〜r4が2以上であるとき、各Rf1
同士、各Rf2同士、各Rf3同士、各Rf4同士は同一でも
異なるものであってもよい。
【0145】酸素原子のフタロシアニン環に対する結合
位置は、前記同様、フタロシアニン環の3位および/ま
たは6位であることが好ましく、このような結合を少な
くとも1個含むことが好ましい。
【0146】このようなフタロシアニン系色素の具体例
を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。具体例は下記式(VIIa)のA1 〜A4 、Af1、A
f2、X31〜X34、X35〜X38、X39〜X42、X43〜X46
を用いて示しており、X31〜X34等においてすべてHで
あるときはHで、また置換基であるときはそのもののみ
を示しHの表示は省略している。なお、フタロシアニン
環の3位と6位、4位と5位とは各々同等であり、これ
らにおいていずれかに置換基が存在するときは代表例を
示しているにすぎない。
【0147】
【化31】
【0148】
【化32】
【0149】上述のフタロシアニン系色素は、特開昭6
3−313760号、特開昭63−301261号、E
P675489号等に記載の方法を参照して合成するこ
とができる。
【0150】これらの色素の融点(mp)は60〜40
0℃である。
【0151】これらのフタロシアニン系色素について7
80nmにおけるnおよびkを表1、表2に示す。これら
のnおよびkは、色素膜の厚さを80nmとして求めたも
のである。また、前述のようにして色素薄膜の吸収スペ
クトルの半値幅を求めたが、これらの結果およびλmax
(薄膜)も併記する。
【0152】
【表1】
【0153】
【表2】
【0154】なお、これらのフタロシアニン系は、色素
1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。
【0155】本発明に用いられる塗布溶媒として、具体
的には、アルコール系(ケトアルコール系、エチレング
リコールモノアルキルエーテル系等のアルコキシアルコ
ール系を含む。)、脂肪族炭化水素系、ケトン系、エス
テル系、エーテル系、芳香族系、ハロゲン化アルキル系
等から適宜選択すればよい。
【0156】このなかで、アルコール系、脂肪族炭化水
素系などが好ましい。アルコール系のなかでは、アルコ
キシアルコール系、ケトアルコール系などが好ましい。
アルコキシアルコール系は、アルコキシ部分の炭素原子
数が1〜4であることが好ましく、かつアルコール部分
の炭素原子数が1〜5、さらには2〜5であることが好
ましく、総炭素原子数が3〜7であることが好ましい。
具体的には、エチレングリコールモノメチルエーテル
(メチルセロソルブ)やエチレングリコールモノエチル
エーテル(エチルセロソルブ、エトキシエタノールとも
いう)やブチルセロソルブ、2−イソプロポキシ−1−
エタノール等のエチレングリコールモノアルキルエーテ
ル(セロソルブ)系や1−メトキシ−2−プロパノー
ル、1−メトキシ−2−ブタノール、3−メトキシ−1
−ブタノール、4−メトキシ−1−ブタノール、1−エ
トキシ−2−プロパノール等が挙げられる。ケトアルコ
ール系としてはジアセトンアルコール等が挙げられる。
さらには2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール
などのフッ素化アルコールも用いることができる。
【0157】脂肪族炭化水素系としては、n−ヘキサ
ン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシ
クロヘキサン、シクロオクタン、ジメチルシクロヘキサ
ン、n−オクタン、iso−プロピルシクロヘキサン、
t−ブチルシクロヘキサンなどが好ましく、なかでもエ
チルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサンなどが好
ましい。
【0158】また、ケトン系としてはシクロヘキサノン
などが挙げられる。
【0159】本発明では、特にエチレングリコールモノ
アルキルエーテル系等のアルコキシアルコール系が好ま
しく、なかでもエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−
2−ブタノール等が好ましく、さらにはこれらの混合溶
媒も好ましく、例えばエチレングリコールモノエチルエ
ーテルと1−メトキシ−2−ブタノールの組合せのよう
なものが挙げられる。
【0160】なお、本発明の金属錯体系色素およびフタ
ロシアニン系色素は、2種以上を併用して前記の各n、
kを満足するようにしてもよい。
【0161】2波長の記録、再生を目的とする光記録媒
体の記録層における本発明の金属錯体系色素とフタロシ
アニン系色素等の他の色素との比率は、本発明の金属錯
体系色素/他の色素のモル比が90/10〜10/90
であることが好ましい。
【0162】したがって、このような混合タイプの記録
層は、このような色素を所定の比率で含有する塗布液を
用いて塗設すればよい。
【0163】また、2波長の記録、再生を目的とする場
合、本発明の金属錯体系色素の層と他の色素の層とを積
層した記録層としてもよい。積層順については適宜選択
すればよく、通常、1層当たりの厚さは400〜250
0A (40〜250nm)程度とすればよい。このような
積層タイプの記録層は、各色素を含有する塗布液をそれ
ぞれ用いて塗設すればよい。
【0164】このような積層タイプの記録層で2層構成
とする場合、基板側に金属錯体系色素を含有する短波長
対応の記録層下層(第1の記録層)を設け、その上に上
記のフタロシアニン系色素等の他の色素を含有する78
0nm対応の記録層上層(第2の記録層)を設けることが
好ましい。この場合、記録層下層を記録層上層に比べ薄
くすることが好ましく、記録層下層と上層との厚さの比
は下層/上層が1/10〜1/1となるようにすること
が好ましい。
【0165】このような2波長対応の、あるいは短波長
対応の記録層を基板上に有する光記録ディスクとして、
図2、図3には、その構成例が示されている。図2、図
3は、部分断面図である。
【0166】図2について説明すると、図2に示される
光記録ディスク1は、記録層上に反射層を密着して有す
るCD規格に対応した再生が可能な密着型光記録ディス
クである。図示のように、光記録ディスク1は、基板2
表面に本発明のアゾ金属錯体系色素を含有する記録層3
を有し、記録層3に密着して、反射層(反射膜)4、保
護膜(保護層)5を有する。
【0167】記録層3は、金属錯体系色素と他の色素を
用いた前記の混合タイプあるいは積層タイプとした2波
長対応型、金属錯体系色素を主成分とした短波長対応型
のものである。
【0168】基板2は、ディスク状のものであり、基板
2の裏面側からの記録および再生を可能とするために、
記録光および再生光(波長500〜900nm程度、とり
わけ波長500〜700nm程度、さらには波長630〜
690nm程度、なかでも波長635〜680nm程度のレ
ーザー光および波長680〜900nm程度のレーザー
光、なかでも波長680〜780nm程度のレーザー光や
波長770〜900nm程度、とりわけ770〜830nm
程度の半導体レーザー光、特に635〜650nmおよび
780nm)に対し、実質的に透明(好ましくは透過率8
8%以上)な樹脂あるいはガラスを用いて形成するのが
よい。また、大きさは、直径64〜200mm程度、厚さ
1.2mm程度のものとする。
【0169】基板2の記録層3形成面には、図2に示す
ように、トラッキング用のグルーブ23が形成される。
グルーブ23は、スパイラル状の連続型グルーブである
ことが好ましく、深さは0.1〜0.25μm 、幅は混
合タイプ、短波長対応型では0.35〜0.60μm 、
積層タイプでは0.35〜0.80μm 、グルーブピッ
チは1.5〜1.7μm であることが好ましい。グルー
ブをこのような構成とすることにより、グルーブの反射
レベルを下げることなく、良好なトラッキング信号を得
ることができる。特にグルーブ幅を0.35〜0.80
μm 、あるいは0.35〜0.60μm に規制すること
は重要であり、グルーブ幅を0.35μm 未満とする
と、十分な大きさのトラッキング信号が得られにくく、
記録時のトラッキングのわずかなオフセットによって、
ジッターが大きくなりやすい。またグルーブ幅が大きく
なると波形ひずみが生じやすくなる。
【0170】基板2は、材質的には、樹脂を用いること
が好ましく、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ア
モルファスポリオレフィン、TPX、ポリスチレン系樹
脂等の各種熱可塑性樹脂が好適である。そして、このよ
うな樹脂を用いて射出成形等の公知の方法に従って製造
することができる。グルーブ23は、基板2の成形時に
形成することが好ましい。なお、基板2製造後に2P法
等によりグルーブ23を有する樹脂層を形成してもよ
い。また、場合によってはガラス基板を用いてもよい。
【0171】図2に示されるように、基板2に設層され
る記録層3は、前記の色素含有塗布液を用い、前記のよ
うに、好ましくはスピンコート法により形成されたもの
である。スピンコートは通常の条件に従い、内周から外
周にかけて、回転数を500〜5000rpm の間で調整
するなどして行えばよい。
【0172】このようにして形成される記録層3の厚さ
は、混合タイプ、短波長対応型では、乾燥膜厚で、50
0〜3000A (50〜300nm)とすることが好まし
い。この範囲外では反射率が低下して、CD規格に対応
した再生を行うことが難しくなる。この際、グルーブ2
3内の記録トラック内の記録層3の膜厚を1000A
(100nm)以上、特に1300〜3000A (130
〜300nm)とすると、変調度がきわめて大きくなる。
【0173】また、積層タイプでは、前記したとおり、
乾燥膜厚で、各々400〜2500A (40〜250n
m)とすることが好ましい。これにより良好な再生を行
うことができる。またグルーブ23内の記録トラック内
の記録層3の膜厚は500A (50nm)以上、特に50
0〜800A (50〜80nm)とすることが好ましい。
さらに、前記のとおり、2層構成とし、下層に本発明の
アゾ金属錯体系色素を含有させるときには、上下層の膜
厚を前記のようにすることによって、CD−RIIとした
とき、780nmでの記録・再生を良好に行うことができ
る。
【0174】このようにして形成される記録層3は、2
波長対応型の色素混合タイプの記録層であるときは、6
35〜650nmにおいてn=1.8〜2.3、k=0.
02〜0.20、780nmにおいてn=1.8〜2.
5、k=0.03〜0.15であることが好ましい。ま
た、2波長対応型の積層タイプの記録層であるとき、6
35〜650nmにおいて、n=1.8〜2.3、k=
0.02〜0.20、780nmにおいてn=1.8〜
2.6、k=0.02〜0.15であることが好まし
い。このようにn、kを規制することによって、2波長
で良好な記録、再生が行える。特に780nm程度の従来
波長ではオレンジブック規格に対応した記録、再生が行
える。また、635〜650nm程度の短波長対応型のも
のであるとき、その記録光および再生光波長における消
衰係数(複素屈折率の虚部)kは、0〜0.20である
ことが好ましい。kが0.20を超えると、十分な反射
率が得られない。また、記録層3の屈折率(複素屈折率
の実部)nは、1.8以上であることが好ましい。nが
1.8未満では信号の変調度が小さすぎる。nの上限に
は特に制限はないが、色素化合物の合成上の都合等から
通常2.6程度である。
【0175】なお、記録層のnおよびkは、所定の透明
基板上に記録層を例えば40〜100nm程度の厚さに実
際の条件にて設層して、測定用サンプルを作製し、次い
で、この測定用サンプルの基板を通しての反射率あるい
は記録層側からの反射率を測定することによって求め
る。この場合、反射率は、記録再生光波長を用いて鏡面
反射(5°程度)にて測定する。また、サンプルの透過
率を測定する。そして、これらの測定値から、例えば、
共立全書「光学」石黒浩三P168〜178に準じ、
n、kを算出すればよい。
【0176】なお、このような記録層のnおよびkは、
用いる色素に応じ、各色素の前記したnおよびkに対応
した値になる。
【0177】図2に示されるように、記録層3上には、
直接密着して反射層4が設層される。反射層4として
は、Au、Cu、Al、Ag、AgCu等の高反射率金
属ないし合金を用いるのがよい。反射層4の厚さは50
0A 以上であることが好ましく、蒸着、スパッタ等によ
り設層すればよい。また、厚さの上限に特に制限はない
が、コスト、生産作業時間等を考慮すると、1200A
程度以下であることが好ましい。これにより、反射層4
単独での反射率は、90%以上、媒体の未記録部の基板
を通しての反射率は十分であり、2波長対応型のものの
780nm程度の従来の波長では60%以上、特に70%
以上が得られる。
【0178】図2に示されるように、反射層4上には、
保護膜5が設層される。保護膜5は、例えば紫外線硬化
樹脂等の各種樹脂材質から、通常は、0.5〜100μ
m 程度の厚さに設層すればよい。保護膜5は、層状であ
ってもシート状であってもよい。保護膜5は、スピンコ
ート、グラビア塗布、スプレーコート、ディッピング等
の通常の方法により形成すればよい。
【0179】このような構成の光記録ディスク1に記録
ないし追記を行うには、例えば650nmあるいは780
nmの記録光を、基板2を通してパルス状に照射し、照射
部の光反射率を変化させる。なお、記録光を照射する
と、記録層3が光を吸収して発熱し、同時に基板2も加
熱される。この結果、基板2と記録層3との界面近傍に
おいて、色素等の記録層材質の融解や分解が生じ、記録
層3と基板2との界面に圧力が加わり、グルーブの底面
や側壁を変形させることがある。
【0180】また、図3について説明すると、図3に示
される光記録ディスク6は、記録層上に反射層を密着し
て設け、その上にさらに保護膜を設け、形成したディス
ク2枚の保護層を内側に接着剤で貼り付けた構造を有す
る、市販のDVDプレーヤーで再生が可能な密着型光記
録ディスクである。図示のように、光記録ディスク6
は、基板7表面に本発明の金属錯体系色素を含有する記
録層8を有し、記録層8に密着して、反射層(反射膜)
9、保護膜(保護層)10を有し、2枚のディスクの保
護膜10を内側に接着層11を有する。
【0181】基板7は、ディスク状のものであり、基板
7の裏面側からの記録および再生を可能とするために、
記録光および再生光(波長500〜900nm程度、とり
わけ波長500〜680nm程度、なかでも波長635〜
680nm程度のレーザー光、特に635〜650nm)に
対し、実質的に透明(好ましくは透過率88%以上)な
樹脂あるいはガラスを用いて形成するのがよい。また、
大きさは、直径64〜200mm程度、厚さ0.6mm程度
のものとする。
【0182】基板7の記録層8形成面には、図3に示す
ように、トラッキング用のグルーブ78が形成される。
グルーブ78は、スパイラル状の連続型グルーブである
ことが好ましく、深さは0.04〜0.15μm 、幅は
0.20〜0.45μm 、グルーブピッチは0.74〜
0.80μm であることが好ましい。グルーブをこのよ
うな構成とすることにより、グルーブ部の反射レベルを
下げることなく、良好なトラッキング信号を得ることが
できる。特にグルーブ幅を0.20〜0.45μm に規
制することが重要であり、グルーブ幅を0.20μm 未
満とすると、十分な大きさのトラッキング信号が得られ
にくく、記録時のトラッキングのわずかなオフセットに
よって、ジッターが大きくなりやすい。また0.45μ
m を超えると、再生信号の波形歪みが生じやすく、クロ
ストロークの増大の原因となる。
【0183】基板7は、材質的には、樹脂を用いること
が好ましく、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ア
モルファスポリオレフィン、TPX、ポリスチレン系樹
脂等の各種熱可塑性樹脂が好適である。そして、このよ
うな樹脂を用いて射出成形等の公知の方法に従って製造
することができる。グルーブ78は、基板7の成形時に
形成することが好ましい。なお、基板7製造後に2P法
等によりグルーブ23を有する樹脂層を形成してもよ
い。また、場合によってはガラス基板を用いてもよい。
【0184】図3に示されるように、基板7に設層され
る記録層8は、前記の色素含有塗布液を用い、前記のよ
うに、好ましくはスピンコート法により形成されたもの
である。スピンコートは通常の条件に従い、内周から外
周にかけて、回転数を500〜5000rpm の間で調整
するなどして行えばよい。
【0185】このようにして形成される記録層8の厚さ
は、乾燥膜厚で400〜2000A(40〜200nm)
とすることが好ましい。この範囲外で反射率が低下し
て、市販のDVDプレーヤーによる再生を行うことが難
しくなる。この際、グルーブ78内の記録トラック内の
記録層8の膜厚を400A (40nm)以上、特に600
〜2000A (60〜200nm)とすると、変調度が極
めて大きくなる。
【0186】このようにして形成される記録層8は、6
35〜650nm程度の短波長対応型のものであるとき、
信号を記録する場合、その記録光および再生光波長にお
ける消衰係数(複素屈折率の虚部)kは、0.02〜
0.20であることが好ましい。kが0.02未満とな
ると記録層の吸収率が低下し、通常の記録パワーで記録
を行うことが困難である。また、kが0.20を超える
と、反射率が低くなってしまい、市販のDVDプレーヤ
ーによる再生を行うことが困難である。また、記録層3
の屈折率(複素屈折率の実部)nは、2.0〜2.6と
なる。n<2.0では反射率が低下し、また再生信号が
小さくなり、市販のDVDプレーヤーによる再生が困難
となる傾向にある。n>2.6では色素の合成が困難で
ある。
【0187】図3に示されるように、記録層8上には、
直接密着して反射層9が設層される。反射層9としては
Au、Cu、Al、Ag、AgCu等の高反射率金属な
いし合金を用いるのがよい。反射層9の厚さは400A
以上であることが好ましく、蒸着、スパッタ等により設
層すればよい。また、厚さの上限に特に制限はないが、
コスト、生産作業時間等を考慮すると、厚さは1200
A 程度以下であることが好ましい。これにより、反射層
9単独での反射率は90%以上、媒体の未記録部の基板
を通しての反射率は十分である。
【0188】図3に示されるように、反射層9上には、
保護膜10が設層される。保護膜10は、例えば紫外線
硬化樹脂等の各種樹脂材質から、通常は、0.5〜10
0μm 程度の厚さに設層すればよい。保護膜10は、層
状であってもシート状であってもよい。保護膜10は、
スピンコート、グラビア塗布、スプレーコート、ディッ
ピング等の通常の方法により形成すればよい。
【0189】図3に示されるように、2枚のディスクの
保護膜10を内側にして、保護膜10の間に接着層11
を設層する。接着層11は、例えば熱可塑性樹脂、紫外
線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、嫌気性硬化型樹脂等の各
種接着樹脂材質から、通常は、0.5〜100μm 程度
の厚さに設層すればよい。接着剤11は、層状であって
もシート状であってもよい。接着層11は、スピンコー
ト、グラビア塗布、スプレーコート、等の通常の方法に
より形成すればよい。接着層11を設層後、2枚のディ
スクの接着層11同士を貼り合わせればよい。
【0190】このような構成の光記録ディスク6に記録
ないし追記を行うには、例えば635nmの記録光を、基
板7を通してパルス状に照射し、照射部の光反射率を変
化させる。なお、記録光を照射すると、記録層8が光を
吸収して発熱し、同時に基板7も加熱される。この結
果、基板7と記録層8との界面近傍において、色素等の
記録層材質の融解や分解が生じ、記録層8と基板7との
界面に圧力が加わり、グルーブの底面や側壁を変形させ
ることがある。
【0191】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。 実施例1 例示した金属錯体系色素のうち、No.1の2wt% の2
−エトキシエタノール溶液を用い、ポリカーボネート基
板(直径120mm、厚さ1.2mm)上に色素膜をスピン
コート法により形成し、この薄膜サンプルの透過スペク
トルおよび反射スペクトルを測定した。色素膜の厚さ
(乾燥膜厚)は500A (50nm)とした。この結果を
図4に示す。
【0192】図4より、この化合物は700〜500nm
の広い波長領域において高い反射率を示すことがわか
る。これより、この波長領域において市販のCDプレー
ヤーあるいは市販のDVDプレーヤーに対応可能な色素
であることがわかる。
【0193】実施例2 実施例1の薄膜サンプルを用いて耐光性を調べた。耐光
性は初期透過率T0 を測定し、さらに8万ルックスのキ
セノンランプ(島津社製キセノンフェードメーター)を
照射し、照射後の透過率Tを測定し、(100−T)×
100/(100−T0 )にて色素残存率(%)を算出
して調べた。100時間照射後の色素残存率を調べたと
ころ96%程度であった。
【0194】これより、色素No. 1は耐光性が十分であ
ることがわかった。
【0195】実施例3 実施例1と同じ色素No. 1を記録層用の色素として光記
録ディスクを作製した。まず、プリグルーブ(深さ0.
10μm 、幅0.42μm 、グルーブピッチ0.80μ
m )を有する直径120mm、厚さ0.6mmのポリカーボ
ネート樹脂基板上に、スピンコート法により色素を含有
する記録層を900A (90nm)の厚さに形成した。こ
の場合の塗布液として、2wt% の2−エトキシエタノー
ル溶液を用いた。次に、この記録層にAu反射膜を85
0A の厚さにスパッタ法により形成し、さらに紫外線硬
化型のアクリル樹脂の透明な保護層(膜厚5μm )を形
成した。同様にして形成したディスク2枚の保護層を内
側に接着剤で貼り付けてディスクを形成した。これをデ
ィスクサンプルNo. 1とする。
【0196】また、色素No.1のかわりに色素No.13、
No.22、No.26をそれぞれ用いるほかは同様にしてデ
ィスクサンプルNo.2、3、4を作製した。
【0197】さらに、ディスクサンプルNo. 1におい
て、特公平7−51682号公報開示の下記構造のアゾ
コバルト錯体色素を用い、この2.0wt% の2−エトキ
シエタノール溶液を調製し、これを用いて記録層を形成
するほかは同様にしてディスクサンプルNo. 5を作製し
た。
【0198】
【化33】
【0199】このようにして作製した光記録ディスクの
ディスクサンプルNo. 1〜No. 5に対し、レーザー(発
振波長635nm)を使用して、線速1.2m/秒で信号を
8/16変調信号を記録し、最適記録パワー(P0 )、
ジッター(Jitter)を測定した。最適記録パワー
は記録評価に用いている評価機(パルステック社製)で
アシンメトリが0%になる範囲を意味する。この結果を
表3に示す。ジッターに関しては、実施例2と同様の条
件により光照射した場合のジッターの劣化も評価した。
【0200】
【表3】
【0201】表3から明らかなように、特公平7−51
682号公報に開示のアゾコバルト錯体系色素に対し
て、本発明の金属錯体系色素は、最適記録パワーが低
い、すなわち記録感度が高いことがわかる。また再生信
号のジッター特性に優れていることがわかる。
【0202】実施例4 実施例1と同じ色素No. 1を記録層用の色素として光記
録ディスクを作製した。まず、プリグルーブ(深さ0.
16μm 、幅0.48μm 、グルーブピッチ1.6μm
)を有する直径120mm、厚さ1.2mmのポリカーボ
ネート樹脂基板上に、スピンコート法により色素を含有
する記録層を2000A (200nm)の厚さに形成し
た。この場合の塗布液として、2wt% の2−エトキシエ
タノール溶液を用いた。次に、この記録層にAu反射膜
を850A の厚さにスパッタ法により形成し、さらに紫
外線硬化型のアクリル樹脂の透明な保護層(膜厚5μm
)を形成した。これをディスクサンプルNo. 11とす
る。
【0203】また、色素No.1のかわりに色素No.13、
No.22、No.26をそれぞれ用いるほかは同様にしてデ
ィスクサンプルNo.12、13、14を作製した。
【0204】さらに、ディスクサンプルNo. 11におい
て、特公平7−51682号公報開示のアゾコバルト錯
体色素(実施例3のディスクサンプルNo. 5に用いた比
較色素)を用い、この2.0wt% の2−エトキシエタノ
ール溶液を調製し、これを用いて記録層を形成するほか
は同様にしてディスクサンプルNo. 15を作製した。
【0205】このようにして作製した光記録ディスクの
ディスクサンプルNo. 11〜15に対し、レーザー(発
振波長650nm)を使用して、線速1.2m/秒で信号を
記録し、最適記録パワー(P0 )、ジッター(Jitt
er)を測定した。最適記録パワーは記録評価に用いて
いる評価機(パルステック社製)でアシンメトリが−2
%になる範囲を意味する。この結果を表4に示す。ジッ
ターに関しては、実施例2と同様の条件により光照射し
た場合のジッターの劣化も評価した。
【0206】
【表4】
【0207】表4から明らかなように、特公平7−51
682号公報に開示のアゾコバルト錯体系色素に対し
て、本発明の金属錯体系色素は、最適記録パワーが低
い、すなわち記録感度が高いことがわかる。また再生信
号のジッター特性に優れていることがわかる。
【0208】実施例5 実施例3のディスクサンプルNo. 1において、記録層用
の色素として色素No.1とフタロシアニン系色素A−5
2(記録層程度の厚さの薄膜状態でλmax 710nm)と
を用い、これらの混合色素の2wt% 2−エトキシエタノ
ール溶液(色素No. 1/フタロシアニン系色素のモル比
=30/70)を調製し、これにより記録層を設層する
ほかは同様にして光記録ディスクを作製した。これをデ
ィスクサンプルNo. 21とする。
【0209】また、色素No. 1/フタロシアニン系色素
のモル比=50/50とするほかはディスクサンプルN
o. 21と同様にしてディスクサンプルNo. 22を作製
した。
【0210】また、ディスクサンプルNo.21、22の
各々において、色素No.1のかわりに色素No.13、No.
22、No.26を用いるほかは同様にしてディスクサン
プルNo.23〜28を作製した(表5)。
【0211】また、このディスクサンプルNo. 22にお
いて、色素No. 1のかわりに特公平7−51682号公
報開示のアゾコバルト錯体系色素(実施例3のディスク
サンプルNo. 5に用いた比較色素)を用いるほかは同様
にしてディスクサンプル No.29を作製した。
【0212】これらのディスクサンプルに対し、実施例
3と同様に、780nmのレーザー光を用いてオレンジブ
ック規格に従った記録を行い、次にこのディスクを65
0nmのレーザー光を用いて再生したときの変調度(I11
Mod)とジッター(Jitter)を測定した。この
結果を表5に示す。
【0213】
【表5】
【0214】表5から明らかなように、本発明の金属錯
体系色素は色素単独で光記録層に用いた場合のみなら
ず、オレンジブック規格の780nmとの両立を目的とし
て長波長側に吸収を有する色素、例えばフタロシアニン
系色素との混合系で用い、650nm付近の短波長側にお
いて再生を行った場合においても変調度やジッターが悪
化することなく、優れた特性を発現した。一方、特公平
7−51682号公報に開示されるようなタイプのアゾ
コバルト錯体系色素は再生信号のジッターが大きくな
り、また変調度も本発明の色素と比較して小さいことが
わかった。また、本発明の色素は、このようなタイプの
アゾコバルト錯体系色素よりも少ない混合量で所望の特
性が得られていることがわかった。
【0215】さらに、上記のように780nmで記録した
各ディスクサンプルに対し、780nmのレーザー光を用
いて再生したときの変調度とジッターを測定すると、本
発明の色素を用いた例えばディスクサンプルNo. 21で
は変調度が68%、ジッターが19ns、ディスクサンプ
ルNo. 22では変調度が70%、ジッターが20nsであ
り、他の本発明のディスクサンプルもこれらと同様であ
った。これに対し、比較色素を用いたサンプルNo. 29
では変調度が62%、ジッターが42nsであり、本発明
の色素を用いる方が特性に優れることがわかった。
【0216】また、650nmのレーザー光を用い、各デ
ィスクサンプルに対し、記録(線速1.2m/秒)を行
い、650nmのレーザー光で再生を行ったところ、本発
明のディスクサンプルでは良好な再生を行うことがで
き、変調度、ジッターの点も良好であった。これに対
し、比較のディスクサンプルNo. 29では本発明のもの
に比べ特性が劣った。
【0217】さらに650nmのレーザー光を用いて記録
した各ディスクサンプルに対し、780nmのレーザー光
で再生を行ったところ、本発明のディスクサンプルでは
良好な再生を行うことができ、変調度、ジッターの点も
良好であった。これに対し、比較のディスクサンプルN
o. 29では本発明のものに比べ特性が劣った。
【0218】このように本発明のディスクサンプルは2
波長対応型の光記録ディスクとして良好に使用できるこ
とがわかる。
【0219】以上のように、色素No. 1、No.13、No.
22、No.26に代表される本発明の金属錯体系色素
は、上記比較色素に代表される公知の光記録層用アゾコ
バルト錯体系色素と比較して、その記録感度とジッター
特性において優れている。また、他の光吸収色素と混合
して用いた場合においても、再生信号のジッターが悪化
しない等の予想外の特性を有していることがわかった。
【0220】なお、実施例3のディスクNo. 1〜3、実
施例4のディスクNo. 11〜13、実施例5のディスク
サンプルNo. 21〜28において、色素No. 1、No.1
3、No.22、No.26のかわりに、例示した色素No. 2
〜12、14〜21、23〜25、27〜35を各々用
い、あるいは色素No. 1、13、22、26も含めこれ
らの色素の2種以上を併用して、そのほかは同様にして
種々のディスクサンプルを作製して実施例3〜5と同様
にして特性を調べたところ、その構成に応じ、ディスク
サンプルNo. 1〜3、No. 11〜13、No. 21〜28
と同様の特性を示した。また、色素No. 1以外の上記の
本発明の色素について、実施例2と同様に耐光性を調べ
たところ、色素No. 1と同様な良好な耐光性を示すこと
がわかった。なお、これらの本発明の色素のなかで50
nm厚の色素膜としたときのλmax、650nmにおける
n、kは、色素No.1でλmax=587nm、n=2.1
0、k=0.03であり、色素No.2でλmax=577n
m、n=2.20、k=0.04であった。
【0221】実施例6 実施例5と同じポリカーボネート樹脂基板上に、同様に
して色素No. 7の2wt% 2−エトキシエタノール溶液を
用いて50nm厚の記録層下層を形成し、さらに色素A−
3の1.5wt% エチルシクロヘキサン溶液を用いて10
0nm厚の記録層上層を形成した。その後は実施例5と同
様の操作でディスクサンプルを作製した。
【0222】このようにして作製したディスクサンプル
No. 31に対し、実施例5と同様にして特性を調べたと
ころ、実施例5の本発明のサンプルと同様の良好な結果
を示した。このなかで780nmで記録を行い650nmで
再生したときの変調度(I11Mod)とジッター(Jitte
r)は以下のようであった。
【0223】I11Mod=67% Jitter=23ns
【0224】
【発明の効果】本発明によれば、溶解性と耐光性に優れ
た本発明の金属錯体系色素を光吸収色素として用い、記
録感度が高くジッターが小さい等の特性に優れた光記録
媒体が得られる。また、長波長側に吸収を有する色素と
混合して2波長対応型の光記録層用色素として用いた場
合においては、公知のアゾコバルト錯体系色素とは異な
り、混合によりジッターが大きく悪化する欠点がない等
の予想外の特性を発現し、2波長対応型という特徴的な
光記録媒体を優れた特性にて実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明においてフタロシアニン系色素の薄膜の
吸収スペクトルの半値幅の求め方を説明するグラフであ
る。
【図2】本発明の光記録ディスクの一例を示す部分断面
図である。
【図3】本発明の光ディスクの他の一例を示す部分断面
図である。
【図4】本発明に用いる金属錯体系色素の透過スペクト
ルおよび反射スペクトルを示すグラフである。
【符号の説明】
1,6 光記録ディスク 2,7 基板 23,78 グルーブ 3,8 記録層 4,9 反射層 5,10 保護膜 11 接着層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07D 207/335 C07D 207/335 207/34 207/34 209/90 209/90 277/68 277/68 401/12 209 401/12 209 403/04 209 403/04 209 405/04 209 405/04 209 417/04 209 417/04 209 417/06 209 417/06 209 471/04 108 471/04 108A (72)発明者 山宮 士郎 東京都中央区日本橋馬喰町一丁目7番6号 大日精化工業株式会社内 (72)発明者 佐々木 誠七 東京都中央区日本橋馬喰町一丁目7番6号 大日精化工業株式会社内 (72)発明者 阿部 好夫 東京都中央区日本橋馬喰町一丁目7番6号 大日精化工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I)、(II)、(III)および
    (IV)で示されるシアニン色素型化合物またはメロシア
    ニン色素型化合物から選ばれた化合物と金属化合物とを
    反応させて得られた金属錯体系色素を含有する記録層を
    有する金属錯体系色素を用いた光記録媒体。 【化1】 [式(I)において、Q1 およびQ2 は各々CおよびN
    とともに複素環を形成するのに必要な原子群を表し、Q
    1 またはQ2 で完成される複素環骨格は同一でも異なる
    ものであってもよい。Rは水素原子または一価の置換基
    を表すが、RはQ1 またはQ2 と複素環の一部を形成し
    ていてもよい。式(II)において、Q1 およびQ2 は各
    々CおよびNとともに複素環を形成するのに必要な原子
    群を表し、Q1 またはQ2 で完成される複素環骨格は同
    一でも異なるものであってもよい。式(III)におい
    て、Q1 およびQ2 は各々CおよびNとともに複素環を
    形成するのに必要な原子群を表し、Q1 またはQ2 で完
    成される複素環骨格は同一でも異なるものであってもよ
    い。R1およびR2は各々水素原子または一価の置換基を
    表すが、R1およびR2は各々Q1 またはQ2 と複素環の
    一部を形成していてもよい。式(IV)において、Q1
    各々CおよびNとともに複素環を形成するのに必要な原
    子群を表し、Q3 は活性水素を有する環状エノールを形
    成するのに必要な原子群を表す。]
  2. 【請求項2】 前記金属錯体系色素の中心金属がCo、
    Mn、Ti、V、Ni、Cu、Zn、Mo、W、Ru、
    Fe、Pd、PtまたはAlである請求項1の金属錯体
    系色素を用いた光記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記記録層がさらに前記金属錯体系色素
    とは異なる光吸収色素を含有する請求項1または2の金
    属錯体系色素を用いた光記録媒体。
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