JPH11348176A - 着色層付き透明樹脂板と金属との接合構造 - Google Patents

着色層付き透明樹脂板と金属との接合構造

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JPH11348176A
JPH11348176A JP10160995A JP16099598A JPH11348176A JP H11348176 A JPH11348176 A JP H11348176A JP 10160995 A JP10160995 A JP 10160995A JP 16099598 A JP16099598 A JP 16099598A JP H11348176 A JPH11348176 A JP H11348176A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 予めハードコート処理された透明樹脂板を、
その一部に形成された着色層の部分において、特定の樹
脂系接着剤により金属と高い接合力を発現させ得る着色
層付き透明樹脂板と金属との接合構造を提供する。 【解決手段】 表面にシリコ−ン系ハ−ドコ−ト層が形
成され、該ハードコート層の表面の一部にシリコーン変
性アクリル樹脂系着色層が形成されてなる着色層を有す
る透明樹脂板と、金属とが、前記着色層が形成された部
分において弾性接着剤を介して接着されてなる着色層付
き透明樹脂板と金属との接合構造とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両用窓材の一
部に着色層を有する透明樹脂板、さらに詳しくは自動
車、建設機械等のウインドガラス、サンルーフ、ラトカ
バーや、車両用窓等に代用される、ハードコート処理さ
れかつ周縁部に着色層を有する透明樹脂板と、金属枠体
との接合構造に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、透明性の高いアクリル系樹脂や
ポリカ−ボネ−ト樹脂等からなる透明樹脂板は、耐衝撃
性、軽量性、易加工性等の点から、広範な分野でガラス
の代替材料として用いられており、しかもこれら透明樹
脂板は、多くの場合、本来の表面硬さの不足を補う目的
で、シリコーン系樹脂等によるハードコート処理が施さ
れており、耐擦傷性の向上がなされているとともに、耐
候性、耐汚染性等にも優れたものとされている。
【0003】一方、上記のようにハードコート処理をさ
れた透明樹脂板を、ガラスの代替材料として、例えば自
動車のウインドに用いる場合には、ガラス材料と同様
に、材料の周縁部をウインドの金属枠体に直接接合する
手段がしばしば採用され、当該接合部を外部から隠す目
的で、殆どの場合前記周縁部を黒色塗料等によって塗装
が施されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
にハードコート処理をされた透明樹脂板の表面は、親水
性に乏しく化学的に安定であるから、金属製の窓枠に接
着剤で直接接合することは容易ではなかった。
【0005】そこで、この点を改良するために、例えば
特公平7−106613号公報には、接着剤としてウレ
タン系接着剤を用い、前記透明樹脂体を前記窓枠に接合
する手段が提案されている。この場合、前記透明樹脂体
のハードコート面とウレタン系接着剤との間にはシラン
系ないしはポリイソシアネート系プライマー層が介在さ
れる。
【0006】しかし、上記の接合手段によれば、ハード
コート処理をされた透明樹脂板と金属製の枠体とはある
程度までの接着強度(4.0〜4.5MPa)は確保で
きるのであるが、実用上はまだ十分な接着強度に達して
いるとまではいえない。とくに、近年においては、より
広範囲の用途に適用され、使用形態も大型化するととも
に、厳しい使用環境(急激な温度変化、高荷重、激しい
振動、繰返し負荷等に置かれた環境)で使用されるケー
スが増えてきている。因みに、JASO規格M338−
89には、凝集破壊は1.5MPa以上であることが規
定されているが、実用上からは、この基準をより大きく
上回る接着強度が要求されるのが実情である。
【0007】また、上記提案のものでは、一方におい
て、ハードコート処理に先立ち、適用する自動車等の窓
枠に合わせて透明樹脂板を平板のまま、窓枠の周縁相当
部分に、スクリーン印刷を適用して黒色インクを印刷で
きるという工程上の利点がある反面、ハードコート処理
に際し必要となるプライマー処理液が、黒色インクによ
り汚染され易く、かかる工程を採用すれば、製品の透明
部分や、透明部分と黒色インクとの境界部分に汚れが除
去されずに残り、外観品質の低下を招くおれがあるとい
う欠点がある。なお、この提案における黒色インクの印
刷手段は、既に特公平7−25910号公報に開示され
ているものであり、透明樹脂成形体の上にビニル・アク
リル樹脂系、ビニル・メタクリル樹脂系、変性ポリエス
テル樹脂系のうちから選ばれた少なくとも1種の着色層
を設け、この着色層とハードコート層との間にポリメチ
ルメタクリレート系プライマー層を介在させるものであ
る。
【0008】これに対し、予めハードコート処理が施さ
れた透明樹脂板に、爾後に黒色塗料を塗装するという手
段が、特開平9−47721号公報等により開示されて
いる。この塗装手段は、着色層としてシリコーン変性ア
クリル樹脂を用いこれを直接ハードコート層に塗装する
手段である。この塗装手段によれば、既にハードコート
処理を施された透明樹脂板の上に、着色層を直接設ける
のであるから、透明樹脂板とハードコート層との間に介
在されるプライマー層を形成する処理液は、黒色塗料に
直接接触することがないから汚染されることがなく、そ
の結果、汚れによる製品の外観品質の低下を招くなどと
いうおそれは全くない。
【0009】この発明は、上述のような技術背景の下に
なされたものであって、予めハードコート処理された透
明樹脂板に、特定の樹脂系着色層を設ける公知の技術を
利用しつつ、前記着色層が形成されてた部分において、
透明樹脂板と金属とを、弾性接着剤により高い接着強度
を発現させ、同時に隠蔽機能を付与させ得る、着色層付
き透明樹脂板と金属との接合構造を提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、予め表面にシリコ−ン系ハ−ドコ−ト層が形成され
た透明樹脂板の一部に、シリコーン変性アクリル樹脂を
主原料とする着色塗料を用いて所定の着色層を形成し、
その着色層形成部分において、前記透明樹脂板と金属と
を弾性接着剤を介して接合すれば、接着強度が高く、か
つ汚れのない外観品質の高い透明樹脂板と金属との接合
構造が得られることを見出だし、完成した。
【0011】すなわち、この発明は、表面にシリコ−ン
系ハ−ドコ−ト層が形成され、該ハードコート層の表面
の一部にシリコーン変性アクリル樹脂系着色層が形成さ
れてなる着色層を有する透明樹脂板と、金属とが、前記
着色層が形成された部分において弾性接着剤を介して接
着されてなることを特徴とする着色層付き透明樹脂板と
金属との接合構造を要旨とする。
【0012】すなわち、この発明の構成上の要点は、第
1に予め表面にシリコ−ン系ハ−ドコ−ト層が形成され
た透明樹脂板を用いること、第2にハ−ドコ−ト層を有
する前記透明樹脂板の表面の一部に形成される着色層が
シリコーン変性アクリル樹脂からなる着色塗料からなる
ものであること、第3に前記着色層が形成された部分に
おいて弾性接着剤を介して前記透明樹脂板と金属とが接
合されること、に集約される着色層付き透明樹脂板と金
属との接合構造である。
【0013】この発明において用いられる透明樹脂板
は、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリ
レート樹脂、ポリスルホン樹脂より選ばれた単一の樹脂
によって板状に成形されたものである。
【0014】また、前記透明樹脂板の表面に形成される
シリコーン系ハードコート層は、RSi(OH)3 (R
は炭素数1乃至3のアルキル基、ビニル基、3・3−ト
リフルオロプロピル基、γ−アミノプロピル基、γ−メ
タクリロキシプロピル基、及びγ−グリシドキシプロピ
ル基からなる群より選ばれる基)の部分縮合物とコロイ
ダルシリカとを含むコート層より構成される。
【0015】さらに、ハ−ドコ−ト層が形成された前記
透明樹脂板の、該ハードコート層の表面の一部に形成さ
れるシリコーン変性アクリル樹脂系着色層の厚さは、1
0μm乃至100μmの範囲を好適範囲とする。
【0016】さらにまた、前記透明樹脂板と前記ハ−ド
コ−ト層との間にプライマー層を介在させる場合は、プ
ライマー層は、例えばアクリル系溶剤型プライマー処理
液からなるものが適している。
【0017】つぎに、この発明の好適な実施態様につい
て述べると、請求項2に記載したように、前記弾性接着
剤がウレタン系弾性接着剤であり、かつ前記着色層との
間にウレタン系プライマーまたはシラン系プライマーを
介して接着されてなる着色層付き透明樹脂板と金属との
接合構造である。
【0018】前記弾性接着剤は、一般に車両用窓材の金
属枠体と透明樹脂板を接合させる際に使用される接着剤
であり、ウレタン系接着剤のほかポリサルファイド系接
着剤等も適用可能である。
【0019】また、上述のように、着色層が形成された
部分において弾性接着剤を介して透明樹脂板と金属とを
接合する際には、接着強度をさらに高めるためにプライ
マーを塗布することが望ましい。プライマーとしては、
ウレタン系プライマーやシラン系プライマーが好適であ
る。
【0020】上述のように、この発明においては、従来
の接合構造のように、透明樹脂板をハードコート処理を
する前に黒色塗料を塗装し、ついでハードコート処理液
を該塗装面を含めて塗布することによりハードコート層
の内側に着色層を封じ込むようにハードコート処理を施
すものとは異なり、予めハードコート処理が施された透
明樹脂板のシリコーン系ハードコート層の上面に、該ハ
ードコート層との接着性及び弾性接着剤との接着性の高
い、シリコーン変性アクリル樹脂からなる黒色塗料を塗
装するものであるから、シリコーン系ハードコート層の
上面に黒色塗料を強固に形成させ得るとともに、前記黒
色塗料と弾性接着剤及び弾性接着剤と金属が、それぞれ
強固に接合された構造となる。また、この構成によれば
ハードコート処理液を汚染することも全くない。
【0021】
【発明の実施の形態】まず、この発明の着色層付き透明
樹脂板と金属との接合構造における基本的な実施形態
を、図面に従って説明する。図1において、(1)は透
明樹脂板であり、その両面にシリコーン系ハードコート
層(2)(2)が形成されているとともに、片面側のハ
ードコート層(2)の表面の一部にシリコーン変性アク
リル樹脂系着色層(3)が形成されている。(4)は金
属であり、前記透明樹脂板(1)の片側上面に形成され
たシリコーン変性アクリル樹脂系着色層(3)に対面し
た位置で、ウレタン系プライマー層(5)とウレタン系
接着剤(5A)を介して前記透明樹脂板(1)と接合さ
れた構造とされている。
【0022】図1に示す基本的な実施形態を、具体例に
基づいて説明すると、例えば自動車のフロントウインド
やリヤウインドに適用される場合では、図2に示すよう
に、所定形状にトリミングされた、両面にハードコート
層(2)(2)を有する透明樹脂板(1)の周縁部に沿
って、一定幅の黒色のシリコーン変性アクリル樹脂系着
色層(3)が塗装される。(4)は前記ウインドを一体
的に接合する金属製の枠体で、例えばメラミンアルキッ
ド系、メラミンアクリル系、ポリエステルメラミン系等
の樹脂塗料が塗装されたものであり、該枠体(4)と透
明樹脂板(1)の周縁部に形成された着色層(3)との
間に、ウレタン系プライマー(5)とウレタン系接着剤
(5A)を介在させ、かつ該接着剤(5A)が前記着色
層(3)からはみ出ることなく隠された状態で介在され
ることにより接合された構造とするのである。
【0023】なお、自動車用ウインド等の実際の接合構
造においては、上述の基本的な実施形態に加え、さらに
前記弾性接着剤の側面を覆う態様で、ダムラバーやモー
ルが配置された構造(図示省略)とされるのが一般的で
ある。
【0024】ここで、透明樹脂板(1)の樹脂材料とし
ては、前述のようにアクリル系樹脂、ポリカーボネート
樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂より選ば
れた単一の樹脂によって板状に成形されたものであり、
その厚さは用途によって任意に決定されるが、一般に2
mm乃至8mm程度のものである。
【0025】また、この発明において、前記透明樹脂板
(1)と、その両面に形成するハードコート層(2)
(2)との間には、通常プライマー層を介在させるが、
それにはとくに制約はなく、樹脂材料(1)とシリコー
ン系ハードコート層(2)に適合するものであればどの
ような種類のものであってもよい。例えば、透明樹脂板
(1)がポリカーボネート樹脂からなる場合は、アクリ
ル系溶剤型プライマーが好適である。なお、該プライマ
ー中には必要に応じて架橋剤、紫外線吸収剤等の添加剤
を適宜配合してもよい。
【0026】さらに、前記ハードコート層(2)(2)
の厚さは、1μm乃至5μm程度とされたものがよく、
薄過ぎては耐擦傷性の効果が得られず、また厚過ぎても
さらなる効果は得られず不経済である。
【0027】つぎに、シリコーン変性アクリル樹脂系着
色層(3)としては、該樹脂系塗料の好適な市販品とし
て、例えばトウペ社製の商品名「シリコンワイド#50
0上塗り」を用いることができる。
【0028】前記シリコーン変性アクリル樹脂系着色層
(3)に配合される着色剤としては、カーボンブラッ
ク、その他の無機顔料、及び有機顔料で、シリコーン変
性アクリル樹脂との分散性、湿潤性のあるものを用いる
ことができ、その配合量はシリコーン変性アクリル樹脂
100重量部に対して5重量部乃至200重量部程度と
する。
【0029】また、シリコーン変性アクリル樹脂系着色
層(3)の厚さは10μm乃至100μm程度、特に好
ましくは15μm乃至30μmの範囲であり、薄過ぎて
は隠蔽力に乏しく、厚過ぎても不経済である。
【0030】この発明のシリコーン系ハードコート層
(2)(2)を有する透明樹脂板(1)を製造するに
は、透明樹脂板(1)の両面に、要すればプライマー処
理液を塗布し乾燥してプライマー層を形成した上に、シ
リコーン系ハードコート液を塗布し、熱風乾燥等によっ
て硬化させることにより前記ハードコート層(2)
(2)を形成する。
【0031】ついで、透明樹脂板(1)の片面のシリコ
ーン系ハードコート層(2)の表面にシリコーン変性ア
クリル樹脂系着色層(3)を形成するが、その手段は、
透明樹脂板(1)を予め所定の形状にトリミングする
か、またはトリミングすることなく、前記シリコーン系
ハードコート層(2)の表面の塗装不要部分をマスキン
グした後、前記着色塗料を、主にスプレー塗装、刷毛塗
り、ローラー塗装、フローコータ塗装等により塗装し常
温放置または加熱処理して硬化させる手段を採用するこ
とができるが、さらに必要に応じスクリーン印刷も適用
可能である。
【0032】
【実施例】つぎに、この発明の実施例を比較例とともに
説明する。なお、以下の実施例1〜8及び比較例1〜4
において対象とした着色層付き透明樹脂板と金属との接
合構造は、その構造形態が概ね図2に示した自動車のリ
ヤウインドないしはサンルーフ等の着色層付き透明樹脂
板と金属との接合構造体を想定して作成した試験試料に
より、接着強度を測定して接合力を評価し、また目視検
査により汚染の有無を観察して外観品質を評価した。な
お、各測定試料として用いる使用材料については以下に
説明する。
【0033】<透明樹脂板> S1:両面にシリコーン系ハードコート層を形成した厚
さ5mmのポリカーボネート樹脂板の片面に黒色のシリ
コーン変性アクリル樹脂系着色層(トウペ製、「シリコ
ンワイド#500上塗り」、厚さ20μm)を一部に形
成した樹脂板。 S2:両面にシリコーン系ハードコート層を形成した厚
さ5mmのポリメチルメタクリル樹脂板の片面に黒色の
シリコーン変性アクリル樹脂系着色層(トウペ製、「シ
リコンワイド#500上塗り」、厚さ20μm)を一部
に形成した樹脂板。 S3:両面にシリコーン系ハードコート層を形成した厚
さ5mmのポリカーボネート樹脂板状体。但し、この透
明樹脂板は、従来構造の樹脂板状成形体とハードコート
層との間に、着色層が形成されたものを想定したもので
あるが、接着強度測定用材料には着色層を形成しないも
のを、また目視検査用材料には実際に着色層(東洋イン
キ製造社製、塩ビ酢ビ・アクリル樹脂系「SS8−コン
ク911墨」、厚さ10μm)を形成したものを用い
た。
【0034】<金属> M1:厚さ35μmのメラミンアルキッド系塗装膜が表
面に形成された厚さ1mmの鋼板(SS41)。 M2:厚さ20μmのアクリルメラミン系塗装膜が表面
に形成された厚さ1mmの鋼板(SS41)。
【0035】<接着剤> D1:ウレタン系接着剤[サンライズMSI社製「SR
シールU90」] D2:ウレタン系接着剤[横浜ゴム社製「ウレタンシー
ラントWS−55−CX」] D3:ウレタン系接着剤[サンスター技研社製「ベター
シール551」]
【0036】<プライマー> P1:[サンライズMSI社製「プライマー65」] −ウレタン系プライマー P2:[サンライズMSI社製「プライマー35」] −シラン系プライマー P3:[横浜ゴム社製「プライマーRS−2」] −ポリイソシアネート系プライマー P4:[横浜ゴム社製「プライマーGC−20」] −シラン系プライマー P5:[横浜ゴム社製「プライマーGS−8」] −ポリイソシアネート系プライマー P6:[サンスター技研社製「プライマー435−9
5」] −ポリイソシアネート系プライマー P7:[サンスター技研社製「プライマー435−4
0」] −シラン系プライマー
【0037】[接着強度試験]試験試料の作成について
述べると、図3に示すように、透明樹脂板(1)と金属
板(4)とを、大きさ120mm×25mmの長方形の
切片とし、両切片の短辺側端部より内方15mmから2
5mmまでの10mm幅部分に、短辺に平行な厚さ5m
mの接着剤(5A)の層を介在させ両切片を接合するこ
とにより作成した。この場合、実施例における透明樹脂
板(1)側の接着剤(5A)面と、シリコーン変性アク
リル樹脂系着色層(3)との間にはウレタン系プライマ
ーまたはシラン系プライマー(5)が介在される。
【0038】上記各試験試料の使用材料は、実施例別及
び比較例別にして表1に示した。なお、プライマーは、
透明樹脂板(1)側に塗布する場合はS面、金属板
(4)側に塗布する場合はM面、両者に塗布する場合は
S、M両面と記載し、またプライマーを混合して用いる
場合は例えばP4+P5のように記載した。
【0039】
【表1】
【0040】また、試験方法及び試験条件は、下記のと
おりとした。
【0041】<試験方法>前記試験試料の接着強度の測
定を、剪断強度の測定により求めるものとし、島津製作
所社製の定クロスヘッド速度短軸引張試験機(オートグ
ラフAG−5000C)を使用し、引張速度200mm
/minの測定条件で試験し、試料数5個の測定値の平
均の値を採用した。 <試験条件>試験試料は下記の4水準の状態調節を行
い、各状態別に測定した。 条件1=常態強度:試料作成後、室温で168時間放置
後測定。 条件2=耐熱強度:試料作成後、室温で168時間、つ
いで90℃の条件下で336時間放置し、さらに常温下
で1時間放置後測定。 条件3=耐水強度:試料作成後、室温で168時間、つ
いで40℃の水中に336時間浸漬した後、常温下で1
時間放置後測定。 条件4=促進耐候強度:試料作成後、室温で168時間
放置し、ついでサンシャインウエザーメータにより20
00時間の耐候劣化促進テストを負荷したのち、常温下
で1時間放置後測定。
【0042】各試験片の剪断強度の測定値は、表2に示
すとおりであり、各測定値による評価基準を、5.5M
Pa以上は良好とし、5.5MPa未満は不良として評
価すると、実施例8を除く全ての実施例は良好であり、
比較例は全て不良であった。なお、実施例8について
は、プライマーを用いないものであったが、同じくプラ
イマーを用いない比較例4に比べて、各段に強度の高い
ものであった。
【0043】
【表2】
【0044】[目視検査]主として、実施例1の試験試
料と同様の材料構成としたこの発明の実施例による試料
と、透明樹脂板の上に設けた塩ビ酢ビ・アクリル樹脂系
着色層と、さらに該着色層の上のハードコート層との間
にポリメチルメタクリレート系プライマー層を介在させ
て得た透明樹脂板を用いる以外は比較例の試験材料と全
く同様の材料構成による比較例の試料とを、図2に示す
自動車用ウインドに形成し、透明樹脂板の着色層と非着
色層の境界付近において着色層の塗料に起因する汚染が
内在するか否かを目視検査した。
【0045】その結果、この発明の実施例1に準じたも
のは、ハードコート層に全く汚染が内在せず、外観品質
が良好なものであったが、比較例1に準じたものは、着
色層と非着色層の境界付近のハードコート層に僅かに汚
染が認められ、外観品質が劣るものであった。
【0046】
【発明の効果】以上のように、この発明の着色層付き透
明樹脂板と金属との接合構造は、表面にシリコ−ン系ハ
−ドコ−ト層が形成され、該ハードコート層の表面の一
部にシリコーン変性アクリル樹脂系着色層が形成されて
なる着色層を有する透明樹脂板と、金属とが、前記着色
層が形成された部分において弾性接着剤を介して接着さ
れてなる接合構造としたから、着色層付き透明樹脂板と
金属との接合力、とりわけ着色層付き透明樹脂板と弾性
接着剤との界面の剪断強度が向上するという効果があ
る。
【0047】また、この発明においては、請求項2に記
載したように、前記弾性接着剤がウレタン系弾性接着剤
であり、かつ前記着色層との間にウレタン系プライマー
を介して接着されてなる接合構造としたから、着色層付
き透明樹脂板と弾性接着剤との界面の剪断強度の向上を
さらに高めることができるという利点がある。
【0048】さらに、この発明によれば、透明樹脂板の
透明部分において、特に着色層と非着色層の境界付近の
ハードコート層において汚染を内在しない、外観品質に
優れた着色層付き透明樹脂板と金属との接合構造が得ら
れるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の着色層付き透明樹脂板と金属との
基本的な接合構造の実施形態を示す部分断面図である。
【図2】 この発明の実施形態の具体例を示す部分断面
斜視図である。
【図3】 実施例における剪断試験測定用の試験試料を
示す斜視図である。
【符号の説明】
1…透明樹脂板 2…ハードコート層 3…シリコーン変性アクリル樹脂系着色層 4…金属 5…ウレタン系プライマー 5A…ウレタン系接着剤

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面にシリコ−ン系ハ−ドコ−ト層が形
    成され、該ハードコート層の表面の一部にシリコーン変
    性アクリル樹脂系着色層が形成されてなる着色層を有す
    る透明樹脂板と、金属とが、前記着色層が形成された部
    分において弾性接着剤を介して接着されてなることを特
    徴とする着色層付き透明樹脂板と金属との接合構造。
  2. 【請求項2】 前記弾性接着剤がウレタン系弾性接着剤
    であり、かつ前記着色層との間にウレタン系プライマー
    またはシラン系プライマーを介して接着されてなる請求
    項1に記載の着色層付き透明樹脂板と金属との接合構
    造。
JP16099598A 1998-06-09 1998-06-09 着色層付き透明樹脂板と金属との接合構造 Expired - Fee Related JP4056627B2 (ja)

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