JPH11348494A - 曲面転写方法 - Google Patents

曲面転写方法

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JPH11348494A
JPH11348494A JP15700998A JP15700998A JPH11348494A JP H11348494 A JPH11348494 A JP H11348494A JP 15700998 A JP15700998 A JP 15700998A JP 15700998 A JP15700998 A JP 15700998A JP H11348494 A JPH11348494 A JP H11348494A
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sheet
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solid particles
substrate
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JP15700998A
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Hirohisa Yoshikawa
浩久 吉川
Haruo Miyashita
治雄 宮下
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 衝突圧を利用した曲面転写方法において、転
写シートの凹凸追従性が不十分でも、最終的には転写層
を表面凹凸に追従させ転写させる。 【解決手段】 被転写基材Bの凹凸表面側に、支持体シ
ート1と転写層2からなる転写シートSの転写層側を対
向させ、固体粒子Pを転写シートの支持体シート側に衝
突させ、その衝突圧で転写シートを被転写基材に圧接
後、支持体シートを剥離する曲面転写方法にて、転写層
転写後に、更に、被転写基材に対向させた離型性シート
3に固体粒子を衝突さて転写後転写層を凹凸表面に圧接
し、凹凸表面上で浮いた部分の転写層が凹凸表面に接着
後、離型性シートを除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅の外装及び内
装材、家具、家電製品等に用いる凹凸装飾面を有する化
粧材等の転写物を製造する為の曲面転写法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、基材面に直刷り法、ラミネート
法、転写法等により絵柄等の装飾を施した化粧板等が種
々の用途で使用されている。この場合、装飾面が平面な
らば、絵柄装飾は容易にできるが、凹凸表面に対しては
格別の工夫を行っている。例えば、表面凹凸がエンボス
形状等の三次元的凹凸(すなわち、半球面の様に2方向
に曲率を有する形状)の場合に適用できる曲面転写方法
が、特開平5−139097号公報に提案されている。
すなわち、同号公報は、ローラ転写法の一種であり、転
写シートの支持体シートとして熱可塑性樹脂フィルムを
用い、該支持体シート上に剥離層、絵柄層、及び接着剤
層を順次設けた構成の転写シートを、凹凸表面を有する
被転写基材上に設置し、支持体の裏面からゴム硬度60
°以下のゴム製の熱ローラで押圧して、絵柄を転写して
化粧板とする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
様なローラ転写法による従来方法では、基本的に回転す
る熱ローラのゴムによる弾性変形を利用して、転写シー
トを表面凹凸に追従させる為に、浅いエンボス形状等は
良いとしても、大きな表面凹凸には適用できず、転写シ
ートの凹凸追従性が悪い。また、転写速度も上げられず
生産性も悪い。その上、被転写基材の凹凸の隅角部によ
って軟質のゴムローラが損耗し易い。また、全体として
平板状の基材に限定されるといった問題があった。
【0004】この様なこともあって、本出願人は、既に
特開平9−315095号公報に開示された如く、転写
圧として固体粒子衝突圧を利用した曲面転写方法を提案
した。すなわち、凹凸表面を有する被転写基材の凹凸表
面側に、支持体シートと転写層とからなる転写シートの
転写層側を対向させ、該転写シートの支持体シート側に
固体粒子を衝突させ、その衝突圧を利用して、被転写基
材の凹凸表面への転写シートの圧接を行い、転写層が被
転写基材に接着後、転写シートの支持体シートを剥離除
去することで、転写層を被転写基材に転写する転写方法
である。
【0005】ところが、上記固体粒子衝突圧を利用する
曲面転写方法は、従来の曲面転写方法では不可能であっ
た深い表面凹凸形状等にも適用できる極めて優れた転写
法であるが故に、被転写面の表面凹凸形状と、使用する
転写シート、及び衝突圧等の転写条件次第では、転写シ
ートが表面凹凸に完全に追従しない事がある。例えば、
使用する転写シート自体の凹凸追従性が不十分な場合で
ある。ちなみに、転写シートの支持体シートは、先ずは
転写層の印刷時のテンションに耐えられ、見当合わせが
可能な程度の低い伸びに止まる事を前提とした、高強度
及び低伸率のシートを使用する必要が有る為に、支持体
シートの凹凸追従性つまり成形性と、印刷時の高強度及
び低伸率とが両立できないと、曲面転写の際に転写層の
追従が不十分な所が生じることになる。特に、凹凸形状
の高低差が大きい被転写基材の場合は生じ易い。しかし
ながら、この成形性と高強度・低伸率とは、元来矛盾す
る性能であり、両立は難しかった。
【0006】そこで、本発明の課題は、大きな三次元的
凹凸表面にも転写できる、固体粒子衝突圧を利用した曲
面転写方法において、転写シートの凹凸追従性が不十分
でも、最終的に表面凹凸に追従した転写が出来る様にす
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
すべく、本発明の曲面転写方法では、支持体シートと転
写層とからなる転写シートを被転写基材へ押圧して圧接
する手段としては、転写シートの支持体シート側に、固
体粒子を衝突させ、その衝突圧を利用する。すなわち、
凹凸表面を有する被転写基材の凹凸表面側に、支持体シ
ートと転写層とからなる転写シートの転写層側を対向さ
せ、該転写シートの支持体シート側に固体粒子を衝突さ
せ、その衝突圧を利用して、被転写基材の凹凸表面への
転写シートの圧接を行い、転写層が被転写基材に接着
後、転写シートの支持体シートを剥離除去することで、
転写層を被転写基材に転写する。そして、更にこの後
に、もう一度、凹凸表面に転写された後の転写層に対し
て、固体粒子の衝突圧を与える。すなわち、転写層の転
写後に、更に、該転写層に対して離型性を有する離型性
シートを被転写基材の凹凸表面に重ね、該離型性シート
に固体粒子を衝突させて、該離型性シートを介して被転
写基材上の転写層に衝突圧を与えて凹凸表面に圧接した
後、離型性シートを除去することで、凹凸表面上で被転
写基材から浮いた部分の転写層を凹凸表面に接着させる
様にした。
【0008】その結果、転写シートによる転写時は、転
写シート自体の凹凸追従性が不十分で、凹凸表面上での
転写層に浮いた部分が有っても、その後に更に離型性シ
ートを介して転写後の転写層に衝突圧を加えるので、浮
いた転写層を衝突圧によって凹凸表面に追従させて圧接
し接着させる事ができる。その為、転写シートに比較的
高強度、低伸率の支持体シートを使用出来、印刷時の見
当ズレや破断を防げる。離型性シートには、もちろん転
写層が積層されていないので、転写シートの支持体シー
トの様に転写層印刷時の高強度や低伸率を考慮する必要
はなく、離型性シートには離型性と凹凸追従性のみが十
分なシートを使用でき、しかも転写層は一般に支持体シ
ートよりも薄い為、離型性シートを介した衝突圧によっ
て、転写層を十分に凹凸形状に追従させる事が出来るか
らである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の曲面転写方法につ
いて、実施の形態を説明する。
【0010】〔概要〕図1は、本発明の曲面転写方法を
概念的に説明する概念図である。先ず最初は、図1
(A)の如く、被転写基材Bの凹凸表面側に、支持体シ
ート1と転写層2とからなる転写シートSの転写層側を
対向させ、この状態で支持体シート側に多数の固体粒子
Pを衝突させて、その衝突圧を転写圧として利用して、
転写層を被転写基材に転写する。なお、図中固体粒子に
付した矢印は、固体粒子の速度ベクトルを概念的に表
す。そして、転写シートによる転写後は図1(B)に一
例を示す様な転写不良状態が発生する事がある。すなわ
ち、被転写基材Bの表面凹凸が深い部分(図面左側の方
の凹凸)では、転写層2の一部が完全に凹凸表面に接着
(接触)せず、転写層2と被転写基材Bとの間に空隙G
が発生する。すなわち、この部分では転写層に被転写基
材からの浮きが発生する。
【0011】そこで、本発明の曲面転写方法では、さら
にこの次に、図1(C)の如く、転写後の転写層2に対
して離型性を有する離型性シート3を、被転写基材Bの
凹凸表面(既に転写層が凹凸表面全体としては一応転写
されている)に対向させた状態で、離型性シートの背面
側(図面上方側)に多数の固体粒子Pを衝突させる。こ
の結果、離型性シートは固体粒子衝突圧によって表面凹
凸に追従させられるので、浮いた転写層を凹凸表面の凹
部内に押し込む事が出来る。この後は、浮いた部分の転
写層も被転写基材に接着した後、図1(D)の如く、離
型性シート3を除去すれば、浮いた部分の転写層2も凹
凸表面に接着し完全に転写した状態となった化粧材等の
転写物Dが得られる。以上の結果、深い表面凹凸に対し
て、転写シート自体の凹凸追従性が不十分な場合でも、
その後に離型性シートで再度衝突圧を加えることで、転
写層の浮き発生無しに、転写できる曲面転写方法とな
る。なお、もちろんだが、離型性シートは先に使用した
転写シートに於ける支持体シートよりも固体粒子衝突時
の条件に於いて凹凸追従性が支持体シート以上、好まし
くは支持体シートよりも良いシートを使用する。
【0012】以下、さらに本発明を詳述する。
【0013】〔被転写基材〕先ず、本発明における被転
写基材は、被転写面が凹凸表面であり、特にその凹凸が
深い凹凸の被転写基材が好適である。また、固体粒子衝
突圧を転写シートや離型性シートの凹凸表面への押圧に
利用するので、凹凸表面が深い上に更に三次元的凹凸の
被転写基材も好適である。なお、凹凸表面を構成する各
面は、平面のみから、曲面のみから、或いは平面と曲面
の組み合わせと任意である。従って、本発明の被転写基
材上の曲面とは、断面が下駄の歯形の様に複数の平面の
みから構成される曲面を持たない凹凸面も意味する。ま
た、本発明でいう曲率とは、立方体の辺或いは頂点の周
辺の様に角張っている曲率無限大(曲率半径=0)の場
合も包含する。
【0014】また、大柄な凹凸に重畳して微細な凹凸を
有する凹凸表面の被転写基材、或いは凹凸表面の凹部底
部や凹部内側面に転写すべき面を有する被転写基材も可
能である。前記大柄な凹凸と微細な凹凸とは、例えば図
9の要部拡大斜視図に示す如く、被転写基材の凹凸が大
柄な凹凸401、402とその凸部402上にある微細
な凹凸403とからなるもので、大柄の凹凸形状は段差
が1〜10mm、凹部の幅が1〜10mm、凸部の幅が
5mm以上のもので構成されるものであり、微細な凹凸
形状は、段差及び幅ともに大柄な凹凸形状よりも小さ
く、具体的には段差が0.1〜5mm程度、凹部の幅及
び凸部の幅が0.1mm以上で、大柄な凹凸形状の凸部
の幅の1/2未満程度である。大柄な凹凸と微細な凹凸
との組み合わせの凹凸から成り、且つ三次元的な表面凹
凸を持つ化粧材の凹凸模様の具体例としては、例えば、
大柄な凹凸として目地、溝等を有するタイル、煉瓦、石
等の二次元配列模様を有し、その上に微細な凹凸として
スタッコ調、リシン調等の吹き付け塗装面の凹凸模様、
花崗岩の劈開面やトラバーチン大理石板等の石材表面の
凹凸等を有する石目調凹凸模様、或いは大柄な凹凸模様
として目地、溝、簓、サネ(実)等を有する羽目板模
様、浮造木目板模様を有し、その上に微細凹凸として導
管溝、浮出した年輪、ヘアライン等を有する木目調の凹
凸模様が挙げられる。
【0015】被転写基材の材質には特に限定は無い。例
えば、無機系、金属系、木質系、プラスチック系等の基
材を使用できる。具体的には、ケイ酸カルシウム、押し
出しセメント、スラグセメント、ALC(軽量気泡コン
クリート)、GRC(硝子繊維強化コンクリート)、パ
ルプセメント等の非陶磁器窯業系材料、木材単板や木材
合板、パーティクルボード、集成材、木質中密度繊維板
(MDF)等の木質材料、また、鉄、アルミニウム、銅
等の金属材料、土器、陶器、磁器、セッ器、硝子、琺瑯
等のセラミックス等の無機質材料、ポリプロピレン、A
BS樹脂、フェノール樹脂等の樹脂材料等である。ま
た、被転写基材の形状は、平板や屈曲した板、柱状物、
成形品等の立体物等と任意である。例えば、被転写基材
は全体として(包絡面形状が)平板状の板材の他、断面
が円弧状に凸又は凹に1方向に湾曲した二次元的凹凸を
有する基材等でも良い。なお、被転写基材表面を所望の
凹凸とするには、プレス加工、エンボス加工、押し出し
加工、切削加工、成形加工等によれば良い。
【0016】また、これらの被転写基材表面には、予
め、接着剤との接着を補助する為の易接着プライマー、
或いは表面の微凹凸や多孔質を目止めし封じるシーラー
剤を塗工しておいても良い。易接着プライマー、或いは
シーラー剤としては、イソシアネート、2液硬化ウレタ
ン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂
等の樹脂を塗工し形成する。
【0017】〔転写シート〕転写シートSは支持体シー
ト1と転写移行する転写層2とからなる。転写層は通常
は少なくとも装飾層から構成される。また、接着剤を、
転写層の一部となる接着剤層として、転写シートに施し
ておいても良い。また、本発明では、転写シートには、
転写シートを被転写基材の凹凸表面に完全に追従させ得
る凹凸追従性は必ずしも必要ではない。但し、後で離型
性シートを使用して、転写層を完全に凹凸表面に密着さ
せる工程があるとは言っても、転写シート自体の凹凸追
従性が良いにこした事はない。また、転写シートの凹凸
追従性に関連するが、転写シートには、被転写基材表面
と転写シートとの間に抱き込まれて残留する空気を抜き
易くする為に、必要に応じて転写シート全面に転写シー
ト全層を貫通する小孔を多数穿設しても良い。小孔の直
径は0.1〜0.5mm程度、小孔の数密度(面密度)
は1〜100個/cm2 程度である。
【0018】(支持体シート)本発明では支持体シート
には、少なくとも転写時には延びるシートを用いる。転
写シート全体の凹凸追従性(成形性)は、大部分支持体
シートの凹凸追従性で決定される。但し、必ずしも十分
な凹凸追従性は必要ないが、凹凸追従性は良い方が好ま
しい。支持体シートは、従来公知の熱可塑性樹脂フィル
ムの他に、常温でも延びるゴム膜も使用できる。熱可塑
性樹脂フィルムの場合、装飾層等の転写層形成時には延
伸性が殆どなく印刷時等のテンションで延びず、転写時
には加熱により充分な延伸性を発現し、且つ冷却後は変
形した形状を保持し続け、弾性による形状の復元を生じ
ない転写シートとして、従来公知の通常の転写シート同
様に容易に、本発明で用い得る転写シートに適用出来
る。しかも、本発明では、印刷等による転写層形成時の
テンションに対する寸法安定性を維持する強度と、転写
後の凹凸追従性とが完全に両立しないシートでも使用で
きる。
【0019】支持体シートの具体例としては、延伸性の
点で、上述の如く従来多用されている2軸延伸ポリエチ
レンテレフタレートフィルムでも、表面凹凸形状次第
で、加熱条件、衝突圧条件等の設定によって、転写シー
ト使用時に必要な凹凸追従性が得られる事もある。た
だ、より低温・低圧でより優れた凹凸追従性が発現し易
い好ましい支持体シートとしては、例えば、エチレン・
テレフタレート・イソフタレート共重合体ポリエステ
ル、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエス
テル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチル
ペンテン、エチレン−プロピレン−ブテン3元共重合
体、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフ
ィン樹脂、塩化ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、アクリル
樹脂、ポリアミド樹脂、或いは天然ゴム、合成ゴム、ウ
レタン系熱可塑性エラストマー等を単体又は混合物で、
単層又は異種の複層とした樹脂フィルム(シート)を用
いることがてきる。これら樹脂フィルムは低延伸又は無
延伸の物が好ましい。例えば、具体的にはポリプロピレ
ン系熱可塑性エラストマーフィルムは、延伸特性に優れ
且つ廃棄燃焼時に塩酸ガスを発生せず環境対策的にも好
ましい支持体シートの一つである。支持体シートの厚さ
は、通常20〜200μmである。
【0020】なお、支持体シートには必要に応じ、転写
層側に転写層との剥離性を向上させる為、支持体シート
の構成要素として離型層を設けても良い。この離型層は
支持体シートを剥離時に、支持体シートの一部として転
写層から剥離除去される。離型層としては、例えば、シ
リコーン樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタ
ン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ワックス等の単体又はこ
れらを含む混合物が用いられる。なお、ワックス単体の
場合には、離型層は一部又は全部が、転写層側に残る事
もある。また、剥離性の調整の為に、支持体シートの転
写層側の面にコロナ放電処理、オゾン処理等を行っても
良い。
【0021】(転写層)転写層は少なくとも装飾層から
構成し、更に適宜、剥離層、接着剤層等も転写層の構成
要素とすることもある。接着剤層を有する構成では、転
写の際に転写シート又は被転写基材の片方又は両方に接
着剤を施すことを省略できる。装飾層はグラビア印刷、
シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等の従来公知の
方法、材料で絵柄等を印刷した絵柄層、アルミニウム、
クロム、金、銀等の金属を公知の蒸着法等を用いて部分
的或いは全面に形成した金属薄膜層等であり、用途に合
わせたものを用いる。絵柄としては、被転写基材の表面
凹凸に合わせて、木目模様、石目模様、布目模様、タイ
ル調模様、煉瓦調模様、皮絞模様、文字、幾何学模様、
全面ベタ等を用いる。なお、絵柄層用インキは、バイン
ダー等からなるビヒクル、顔料や染料等の着色剤、これ
に適宜加える各種添加剤からなる。バインダーには、ア
クリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエ
ステル樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン樹脂、フ
ッ素樹脂等の単体又はこれらを含む混合物を用いる。着
色剤の顔料としては、チタン白、カーボンブラック、弁
柄、黄鉛、群青等の無機顔料、アニリンブラック、キナ
クリドン、イソインドリノン、フタロシアニンブルー等
の有機顔料を用いる。
【0022】また、剥離層を、支持体シート乃至は離型
層と装飾層との間の剥離性を調整する為、また、転写後
の装飾層の表面保護の為等に、これら層間に設けるの
は、従来公知の転写シートと同様である。剥離層には、
例えば、上記絵柄層用インキのバインダーに用いる樹脂
等が用いられる。なお、この剥離層は転写時に装飾層と
共に被転写基材側に転写され、装飾層の表面を被覆す
る。
【0023】〔接着剤〕接着剤は、転写シートの転写層
を構成する接着剤層としてや、被転写基材上の接着剤層
として、事前又は転写の直前に、オンライン塗工やオフ
ライン塗工で施す。被転写基材に施す場合には、転写シ
ート転写層の接着剤層を省略できる。用いる接着剤は用
途や物性等に応じて適宜選択すれば良い。例えば、感熱
型接着剤、湿気硬化型感熱溶融型接着剤、ホットメルト
接着剤、湿気硬化型ホットメルト接着剤、2液硬化型接
着剤、電離放射線硬化型接着剤、水性接着剤、或いは粘
着剤による感圧型接着剤等が挙げられる。感熱型接着剤
としては、熱可塑性樹脂を用いた熱融着型と、熱硬化性
樹脂を用いた熱硬化型とがある。また、接着剤は溶剤希
釈又は無溶剤、或いは常温で液体又は固体のいずれでも
良く、適宜使い分ける。また、粘着性を呈する感圧型の
粘着剤以外の接着剤では、接着剤層の単層のみで転写層
とすることができる。接着剤層中に顔料等の着色剤を添
加すれば、全面ベタのインク層からなる装飾層ともいえ
る。
【0024】例えば感熱溶融型接着剤には、ポリ酢酸ビ
ニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル
樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ウレタン樹
脂、ダイマー酸とエチレンジアミンとの縮重合により得
られるポリアミド樹脂等が用いられる。また、熱硬化型
接着剤には、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタ
レート樹脂、熱硬化型ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が
用いられる。
【0025】接着剤は、グラビアロールコート、ロール
コート、スプレーコート、フローコート等の従来公知の
溶液塗工手段により転写シートとなるシートや被転写基
材に施す。被転写基材にはホットメルト接着剤をアプリ
ケータ等による熔融塗工(溶融塗工)手段も適用でき
る。接着剤の塗布量は、接着剤の組成、被転写基材の種
類及び表面状態で異なるが、通常10〜200g/m2
(固形分)程度である。
【0026】〔離型性シート〕離型性シートとしては、
転写された転写層とは密着せずに離型性が有り、且つ固
体粒子衝突時に適宜加える熱によって、目的とする表面
凹凸に十分に追従し得る凹凸追従性が有り、使用後は除
去できるシートであれば、特に制限は無い。本シートを
離型性とする事で、既に被転写基材に転写された転写層
上に重ね衝突圧を加えた後、本シートを剥離する時に、
転写層が被転写基材側に確実に残留し、剥がれない様に
できる。なお、もちろんであるが、離型性シートは固体
粒子の衝突時の衝撃で破れたりせずに耐えられる耐久性
の有るものを使用する。この様な離型性、凹凸追従性、
耐久性の点で、離型性シートとしては、前記支持体シー
トで列記したゴムを含む各種材料からなるシートを使用
できる。従って、離型性シートとしては、使用した転写
シートで用いられた支持体シートと同じ材料のシートを
使用しても良い。また、離型性シートは転写層を印刷等
で形成する必要が無いので、転写層形成時のテンション
に耐え得る寸法安定性等を維持する為の高強度、低伸率
は必要が無い。従って、支持体シートと同じ材料であっ
ても、厚みは支持体シートより薄い方が、凹凸追従性の
点でより好ましい。
【0027】また、離型性シートには、表面への印刷適
性(インキに対する濡れ性)は不要であり、転写層との
適度な接着力を考慮する必要が無い。従って、離型性は
高くしても構わない。また、軟化温度が低く、衝突圧印
加時の温度で、弾性率、弾性限度、降伏点は低く、ま
た、剪断伸度は高い方が良い。これらの点からは、離型
性シートの樹脂としては、ポリエチレン、ポリメチルペ
ンテン、エチレン−プロピレン−ブテン3元共重合体、
オレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン
樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ
4フッ化エチレン−エチレン共重合体等のフッ素樹脂等
が好適である。離型性シートは、これら樹脂等を単体又
は混合物で、単層又は異種の積層体としたシートを使用
できる。離型性シートの厚さは、通常20〜200μm
である。
【0028】なお、離型性シートには必要に応じ、転写
層に接触させる側に転写層との離型性を向上させる為、
離型性シートの構成要素として離型層を設けても良い。
この離型層は離型性シートの除去時に、離型性シートの
一部として転写層から離れて除去される。離型層として
は、例えば、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、ポリアミ
ド樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ワックス
等の単体又はこれらを含む混合物が用いられる。なお、
ワックス単体の場合には、離型層は一部又は全部が、転
写層側に残る事もある。
【0029】〔固体粒子〕固体粒子としては、ガラスビ
ーズ、セラミックビーズ、炭酸カルシウムビーズ、アル
ミナビーズ、ジルコニアビーズ、アランダムビーズ、コ
ランダムビーズ等の無機粉体である非金属無機粒子、
鉄、又は炭素鋼、ステンレス鋼等の鉄合金、アルミニウ
ム、又はジュラルミン等のアルミニウム合金、チタン、
亜鉛等の金属ビーズ等の金属粒子、或いは、フッ素樹脂
ビーズ、ナイロンビーズ、シリコーン樹脂ビーズ、ウレ
タン樹脂ビーズ、尿素樹脂ビーズ、フェノール樹脂ビー
ズ、架橋ゴムビーズ等の樹脂ビーズ等の有機粒子等、或
いは金属等の無機粒子と樹脂とからなる無機物・樹脂複
合粒子等を使用することができる。形状は球形状が好ま
しいが、回転楕円体形状、多面体形状、鱗片状、無定
形、その他の形状のものでも用い得る。固体粒子の粒径
としては、通常10〜1000μm程度である。
【0030】なお、固体粒子は加熱手段や冷却手段を兼
用することもできる。加熱された加熱固体粒子を用いれ
ば、接着剤の加熱活性化やその架橋硬化の促進、或いは
転写シートや離型性シートの加熱による延伸性の向上
を、転写シートや離型性シートの押圧と共に行うことも
できる。この場合、衝突圧印加前に他の加熱方法で、あ
る程度まで転写シート、被転写基材、離型性シートを加
熱しておいても良い。また、加熱固体粒子は既に加熱さ
れた転写シート、被転写基材、離型性シート等の温度維
持にも使用できる。一方、固体粒子は、接着後の冷却促
進目的で、接着時の接着剤の温度よりも低温の固体粒子
を、冷却固体粒子として用いる事もできる。また、固体
粒子はその一部又は全部を加熱固体粒子、冷却固体粒子
として用いたり、加熱固体粒子を衝突させた後、冷却固
体粒子を衝突させる等と、併用しても良い。また、他の
加熱方法で転写シートや被転写基材、接着剤、離型性シ
ート等の加熱を要するものを充分に加熱しておき、これ
に冷却固体粒子を用いて、転写シートや離型性シートの
成形と接着及び冷却を殆ど同時に行う事もできる。固体
粒子を加熱又は冷却するには、固体粒子の貯蔵をホッパ
等の形態のタンクに貯蔵する場合は、タンク内やタンク
外壁の設けた、電熱ヒータ、加熱蒸気、冷媒等による加
熱手段、冷却手段で行えば良い。また、固体粒子輸送管
の外壁にこれら手段を設けて、輸送管通過中に加熱又は
冷却しても良い。
【0031】〔固体粒子による衝突圧印加〕固体粒子を
転写シートや離型性シートに衝突させて衝突圧を印加
し、転写シートや離型性シートを被転写基材に押圧する
には、固体粒子を噴出する噴出器から、多数の固体粒子
を連続して転写シートや離型性シートに向かって噴出さ
せて、転写シートや離型性シートに衝突圧を印加する。
多数の固体粒子は固体粒子群として転写シートや離型性
シートに衝突する。噴出器には、代表的には羽根車や吹
出ノズルを用いる。羽根車はその回転により固体粒子を
加速し、吹出ノズルは固体粒子加速流体として高速の流
体流で固体粒子を搬送し加速する。羽根車や吹出ノズル
には、サンドブラスト或いはショットブラスト、ショッ
トピーニング等とブラスト分野にて使用されているもの
を流用できる。例えば羽根車には遠心式ブラスト装置、
吹出ノズルには加圧式や吸引式ブラスト装置、ウェット
ブラスト装置等である。遠心式ブラスト装置は羽根車の
回転力で固体粒子を加速し噴出する。加圧式ブラスト装
置は、圧縮空気に混合しておいた固体粒子を、空気と共
に噴出する。吸引式ブラスト装置は、圧縮空気の高速流
で生ずる負圧部に固体粒子を吸い込み、空気と共に噴出
する。ウェットブラスト装置は、固体粒子を液体と混合
して噴出する。また、噴出器には、吹出ノズルや羽根車
以外にも、重力による自由落下を利用して固体粒子を加
速する方法、磁性体粒子を磁場によって加速する方法等
を採用することも可能である。なお、羽根車、重力、磁
場を用いた噴出器の場合は、真空中で固体粒子を転写シ
ートや離型性シートに向かって噴出させる事も可能であ
る。
【0032】〔噴出器:羽根車〕図2〜図4に、噴出器
の粒子加速器として用い得る羽根車の一例の概念図を示
す。これらは、ブラスト分野にて使用されている遠心式
ブラスト装置に該当する。図面では、羽根車812は、
複数の羽根813がその両側を2枚の側面板814で固
定され、且つ回転中心部は羽根813が無い中空部81
5となっている。更に、この中空部815内に方向制御
器816を内在する。方向制御器816は、外周の一部
が円周方向に開口した開口部817を有し中空筒状で羽
根車812の回転軸芯と同一回転軸芯で、羽根車とは独
立して回動自在となっている。羽根車使用時は、方向制
御器の開口部を適宜の方向に向くように固定して、固体
粒子の噴出方向を調整する。更に、この方向制御器の内
部に、内部中空で羽根車812の回転軸芯と同一回転軸
芯のもう一つの羽根車が散布器818として内在する
(図4参照)。散布器818は外側の羽根車812と共
に回転する。そして、前記側面板814の回転中心には
回転軸819が固定され、回転軸819は、軸受820
で回転自在に軸支され電動機等の回転動力源(図示略)
によって駆動回転され、羽根車812が回転する。また
回転軸819は、羽根813を間に有する2枚の側面板
814間には貫通しておらず、軸無しの空間を形成して
いる。そして、散布器818の内部に固体粒子Pがホッ
パ等から輸送管を通って供給される。通常、固体粒子
は、羽根車の上方(直上又は斜上方)から供給する。散
布器内に供給された固体粒子は散布器の羽根車で外側に
飛び散る。飛び散った固体粒子は、方向制御器816の
開口部817によって許された方向にのみ放出され、外
側の羽根車812の羽根813と羽根813との間に供
給される。そして、羽根813に衝突し、羽根車812
の回転力で加速され、羽根車から噴出する。
【0033】なお、固体粒子の噴出方向は、図2〜図4
では略鉛直下方であるが、斜下方(図示略)等としても
良い。図5(A)及び図5(B)に方向制御器816の
開口部817の向きの設定より固体粒子の噴出方向を調
整する噴出方向制御の概念図を示す(図5(A)、
(B)では方向制御器はそれぞれ図示の位置で固定され
ている)。なお、方向制御器816は、その開口部の円
周方向、幅方向の大きさを調整することで、固体粒子の
噴出量を調整することもできる。なお、図3に於いて
は、回転軸819は側面板814の外側のみで中空部8
15にまで貫通していない構成となっているが、この
他、中空部の直径より細い回転軸を該中空部にまで貫通
させたり、外周に固体粒子通り抜け用の開口部を設けた
中空筒状の回転軸の内部自身を中空部とする構成などで
も良い(図示略)。羽根813の形は、図2〜図5の様
な長方形の平板(直方体)が代表的であるが、この他、
湾曲曲面板、スクリュープロペラ等のプロペラ形等を用
いる事も可能であり、用途、目的に応じて選択する。
又、羽根の数は複数枚、通常最大10枚程度までの範囲
から選択する。羽根車の形状、枚数、回転速度、及び固
体粒子の質量や供給速度と供給方向、方向制御器の開口
部サイズ及び向きの組み合わせにより、加速された固体
粒子の噴出(吹出)方向、噴出速度、投射密度、噴出拡
散角等を調整する。
【0034】また、図6は、羽根車の別の一例を示す概
念図である。同図の羽根車812aは、複数の平板状の
羽根813aがその両側を2枚の側面板814aで固定
された構造である。通常、固体粒子Pは、羽根車の上方
(直上又は斜上方)から供給する。また、側面板814
aは回転軸819aに対して幅方向の噴出方向の規制も
する。羽根車の形状、枚数、回転速度、及び固体粒子の
質量や供給速度と供給方向の組み合わせにより、加速さ
れた固体粒子の噴出(吹出)方向、噴出速度、投射密
度、噴出拡散角等を調整する。固体粒子の噴出方向は鉛
直下方(図示略)、水平方向(図6)、或いは斜下方
(図示略)等が可能である。
【0035】また、上記した羽根車812、812a等
の羽根車には、更に必要に応じ、固体粒子の噴出取出部
分のみ開口させ、それ以外の羽根車周囲を被覆する噴出
ガイド(不図示)を備える事で、固体粒子の噴出方向を
揃えたりする固体粒子噴出方向制御を行うこともでき
る。噴出ガイドの開口部の形状は、例えば、中空の円柱
状、多角柱状、円錐状、多角錐状、魚尾状等である。噴
出ガイドは、単一開口部を有するものでも良い。
【0036】羽根車812、812a等の羽根車の寸法
は、通常直径5〜60cm程度、羽根の幅は5〜20c
m程度、羽根の長さは、ほぼ羽根車の直径程度、羽根車
の回転数は500〜5000〔rpm〕程度である。固
体粒子の噴出速度は10〜50〔m/s〕程度、投射密
度(基材単位面積当たりに衝突させる固体粒子の総重
量)は10〜150〔kg/m2 〕程度である。
【0037】また、羽根車の羽根の材質は、セラミッ
ク、或いはスチール、高クロム鋳鋼、チタン、チタン合
金等の金属等から適宜選択すれば良い。固体粒子は羽根
に接触して加速されるので、羽根には、耐摩耗性のよい
高クロム鋳鋼、セラミックを用いると良い。
【0038】〔噴出器:吹出ノズル〕次に、図7は吹出
ノズルを用いた噴出器の一例を示す概念図である。同図
の噴出器840は固体粒子加速流体として空気等の気体
を用い、固体粒子噴出時に該気体と固体粒子を混合して
噴出する形態の噴出器の一例である。噴出器840は、
固体粒子Pと流体Fを混合する誘導室841と、誘導室
内に流体を噴出する内部ノズル842と、ノズル開口部
843から固体粒子及び流体を噴出する吹出ノズル部8
44からなる。圧縮機等からの加圧状態の流体Fを、内
部ノズル842から噴出し誘導室841を経てノズル8
44のノズル開口部843から噴出する際に、噴出器内
の誘導室841にて、高速で流れる流体流の作用で負圧
を作り、この負圧により固体粒子を流体流に導き混合
し、流体流で固体粒子を加速、搬送して、ノズル844
のノズル開口部843から流体流と共に噴出するもので
ある。なお、固体粒子加速流体に液体を用いる吹出ノズ
ル等もある。流体圧は吹付圧力で通常0.1〜10kg
/cm2 程度である。流体流の流速は、液流では通常1
〜20m/秒程度、気流では通常5〜80m/秒程度で
ある。
【0039】〔衝突圧印加形態〕噴出器は、1個のみの
使用でも衝突圧印加領域の面積次第では可能だが、要求
する面積が大きい場合には複数用いて、転写シートや離
型性シートに衝突する固体粒子の衝突領域が所望の形状
となる様にすると良い。被転写基材を搬送しながら衝突
圧を与える場合は、例えば、転写シート(或いは離型性
シート)と被転写基材の送り方向に直交して幅方向に一
直線状に複数列を配置して、幅方向に直線状で幅広の帯
状形状の衝突領域とする。或いは、図8(A)の噴出器
32の配置は千鳥格子状の配置であり、図8(B)は一
列配置だが、幅方向中央部は送り方向の上流側で衝突す
る様にした配置である。図8(B)の配置では、転写シ
ートや離型性シートの被転写基材への衝突圧による圧接
は幅方向中央部から始まり、順次、幅方向両端部に向か
って圧接されて行く。この様にすると、幅方向中央部に
空気を抱き込んだまま、転写シートや離型性シートが被
転写基材に密着することを防止できる。図8の様に噴出
器を幅方向に複数個配列する場合には、個々の噴出器の
加圧領域が互いに一部重複し、全幅にわたってもれなく
加圧できる様に配列することが好ましい。図8(B)に
そのような配列の一例を示す。該図に於いて、点線部分
が(有効)加圧領域を示す。また、衝突圧印加時間を長
くするには、噴出器は、転写シート(或いは離型性シー
ト)と被転写基材とを送る送り方向に向かって2列以上
配置する多段配置が好ましい。
【0040】また、衝突圧は、必ずしも衝突領域内で全
て均一にする必要はない。例えば、転写シートの搬送方
向に直交する幅方向の中央部が最大の衝突圧で、幅方向
両端部に行くに従って衝突圧が低下する山型圧力分布に
設定する。この設定は、図8(B)の噴出器の配置と同
様に、中央部から両側部に向かって順次段階的に圧接を
進行させ、内部に空気を抱き込むのを防ぐ。もちろん、
衝突圧は転写が完全に行える圧以上で、且つ転写シート
の歪み、被転写基材の変形、破損、離型性シートの破損
等の生じない圧以下の適正圧力範囲内とする。衝突圧の
調整は、噴出器から転写シートや離型性シートに衝突す
る固体粒子の速度、単位時間当たりの衝突する固体粒子
数、投射量、及び1粒子の質量を制御することで調整す
る。これらのうち、固体粒子の速度を調整するには、例
えば羽根車を用いる噴出器の場合は、羽根車の回転数、
羽根車の直径等で調整する。また、吹出ノズルを用いる
噴出器の場合は、バルブの開閉量、バルブに連結する固
体粒子を搬送する管の内径の大小、圧力調整器(レギュ
レータ)等を用いて噴出器直前の流体圧(流体単体、又
は流体と固体粒子との混合物)の調整により、噴出する
固体粒子及び流体流の速度を制御することで調整する。
【0041】〔噴出器の被転写基材に対する配置方法〕
羽根車を用いた噴出器の場合は、固体粒子の噴出方向
は、原理的に羽根車回転軸に平行方向にはあまり広がら
ず、該回転軸に直交方向に広がる傾向がある。一方、吹
出ノズルの場合は、噴出する固体粒子の広がりは、羽根
車による噴出器の場合よりも広がりが少なく、且つ広が
っても通常はどの方向にも均一で等方的である。このよ
うな噴出器の特性を考慮して、噴出器の配置は決めれば
良い。しかし、一つの噴出器で所望の衝突領域の大きさ
に出来ない時は、噴出器を複数用いれば良い。この様
に、複数の噴出器を被転写基材の被転写面に対して配置
する場合は、固体粒子がなるべく垂直に衝突する様に、
各噴出器は被転写基材に平行にし、且つ各噴出器の噴出
方向が被転写基材の法線方向になる様な配置が基本であ
る。垂直衝突時に、衝突圧は最大に有効利用できるから
である。例えば、被転写基材を搬送しながら衝突圧を与
える場合で、被転写基材の被転写面の包絡面(の搬送方
向に直角の断面形状)が円型になる円筒状の凸曲面の場
合であれば、各噴出器が主として受け持つ個別の衝突面
(凸曲面の接平面)に対して、略垂直に固体粒子が衝突
する様に、噴出器の向きを近接する被転写基材面の包絡
面法線方向にして配置すると良い。ただ、噴出器の向き
は、転写シートの支持体シート側面、或いは離型性シー
ト面、に対して必ずしも垂直にする必要はない。また、
噴出器は多めに設けておき、製造する被転写基材によっ
ては、一部の噴出器は停止させても良い。
【0042】〔固体粒子の衝突方向〕固体粒子は、被転
写基材の被転写面の包絡面に対して、垂直に衝突させる
垂直衝突が基本的である。つまり、噴出器の固体粒子噴
出方向を前記包絡面に対して垂直とする。しかし、固体
粒子を被転写基材の被転写面の包絡面に対して角度をも
って斜めから衝突させても良い。つまり、噴出器の固体
粒子噴出方向を前記包絡面に対して斜めとする。或い
は、複数の噴出器を用いて垂直衝突と斜め衝突とを併用
しても良い。また、斜め衝突は異なる方向からの複数の
斜め衝突を組み合わせても良い。斜め衝突は、被転写面
の凸部から凹部に至る斜面(特に垂直衝突では衝突圧を
与えにくい垂直面)に対しても、固体粒子の運動エネル
ギーの衝突圧への利用効率を向上させる為である。包絡
面に水平な面に対する衝突圧の利用効率は多少犠牲なる
が、凹凸の被転写面全体でみれば、衝突圧が過少となる
部分を解消して、平均的に十分な衝突圧を加える事が可
能となる。この様な斜め衝突は、被転写面に於ける垂直
面の有無等の凹凸形状次第で採用する(図10参照)。
【0043】〔固体粒子衝突圧の実際的な利用法〕ま
た、実際に固体粒子を用いて転写する際は、固体粒子は
周囲の雰囲気中に飛散させずに且つ循環再利用するのが
好ましい。つまり、この為には、固体粒子衝突圧による
転写圧等を押圧する衝突空間を周囲空間と隔離するチャ
ンバ(隔離室)内で、固体粒子を転写シートに衝突させ
て転写圧を加えたり、離型性シートに圧を加える(図1
0参照)等すると良い。支持体シートや離型性シートの
剥離は、チャンバ外でも良い。また、噴出させた固体粒
子は回収する。
【0044】〔転写シート、被転写基材、接着剤等の加
熱〕転写圧に固体粒子衝突圧を用いる場合でも、転写ロ
ーラに弾性体ローラを用いる従来公知の転写方法と同様
に、接着剤活性化、或いは転写シートの凹凸追従性向上
等に、転写圧押圧中やその前に、転写シート、被転写基
材等を適宜加熱することができる。また、離型性シート
を押圧する場合も転写シートの場合と同様に適宜加熱す
ることができる。
【0045】例えば、衝突圧印加前では、転写シートや
離型性シートは、ヒータ加熱、誘電加熱、熱風加熱(図
10参照)、ローラ加熱(連続帯状の場合:図10参
照)、赤外線輻射加熱等の任意の従来公知の加熱手段で
加熱すれば良く、被転写基材(及びその上の接着剤層)
も転写シート同様に従来公知の任意の加熱手段で加熱す
れば良い。例えば誘導加熱や誘電加熱は基材内部から加
熱できるが、一方、ヒータ加熱、赤外線加熱、熱風加熱
(図10参照)は、凹凸表面側からの加熱が効率的であ
る。また、被転写基材は裏面側からも加熱してもよい。
裏面側からの加熱は、熱容量の大きい基材を速やかに加
熱したり、或いは、衝突圧印加中の加熱として、転写シ
ートや接着剤、或いは離型性シートが衝突圧の印加完了
まで冷えることを防止して所定の温度に保つ場合に有効
である。裏面側からの加熱方法は、基材搬送装置に加熱
手段を持たせたり、或いは被転写基材を基材置き台に載
置して搬送する場合は、その基材置き台の加熱による。
基材搬送装置の加熱手段としては、基材搬送に駆動回転
ローラ列を用いる場合は加熱ローラやローラ間にヒータ
等の熱源を配置する。加熱ローラは、例えばローラ内を
中空にして熱水等の加熱媒体を流通させたり、誘導加熱
を利用する。また、被転写基材をゴムベルトに載置して
搬送する場合は、ゴムとしてシリコーンゴム等の耐熱性
ゴムを用い、これを、誘電加熱、赤外線加熱する等の方
法が有る。また、基材置き台の加熱は、それを搬送する
基材搬送装置によって加熱したり、基材置き台を載置す
る台(搬送せず静置で衝突圧印加する)を加熱台として
加熱したり、基材置き台に電熱ヒータ等の加熱手段を設
けても良い。また、衝突圧印加中の加熱は、固体粒子に
加熱固体粒子を用いたり、噴出器の間隙に分散してヒー
タ等の熱源を設けることができる。もちろん、衝突圧の
押圧前及び押圧中の加熱、或いは押圧中のみの加熱でも
良く適宜使い分ける。但し、衝突空間となるチャンバ内
での熱風加熱は、内部に気体を流入しチャンバ内圧力バ
ランスに影響するので、該チャンバ外で行う方が好まし
い。それは、空気を該チャンバ内に入れることになり、
固体粒子漏出防止の為のチャンバ内の負圧の維持を邪魔
し、また、固体粒子の流れを攪乱したり、チャンバから
噴出器を通過してホッパに気体を逆流させたり、固体粒
子を気体と共に真空ポンプで吸引して回収する場合はそ
の負荷増にもなるからである。
【0046】チャンバ使用時の転写シートや被転写基
材、離型性シート等の加熱は、チャンバの外部又は内
部、或いは外部及び内部で行えば良い。外部及び内部の
加熱(図10参照)では、充分な予熱が必要な場合で
も、チャンバ内搬送路長は短くして(つまりチャンバ内
容積は小さくして)必要な加熱をすることができる。チ
ャンバの内容積を小さくした方が、固体粒子の飛散、回
収等を考慮した取扱上は有利だからである。チャンバの
内部で加熱する利点は、衝突圧印加の直前まで、或いは
衝突圧印加中までも、加熱できることであり、特に熱容
量が大きい被転写基材をその被転写面近傍のみ効果的に
予熱しようとする場合等である。
【0047】〔接着剤の強制冷却〕また、接着剤が熱融
着型の場合は、転写シートが被転写基材に密着後に接着
剤を強制冷却すれば、凹部内部にまで追従、成形された
転写シートの固着化を促進して、転写シートに復元力が
ある場合に圧解放後、転写シートが元の形状に戻ること
を防止し、転写シート(の支持体シート)の剥離除去を
より早くできるので、転写抜け防止や生産速度向上が図
れる。この為には、衝突圧印加中に、衝突圧を開放しな
いまま冷却固体粒子を用いたり、或いは衝突圧印加後
に、風冷等の他の冷却手段(図10参照)を用いて接着
剤層を冷却すると良い。被転写基材の熱容量が大の場合
は、冷却固体粒子、低温流体の吹き付け、基材搬送用の
ローラやベルトコンベア或いは基材置き台等の冷却によ
り、被転写基材を裏面から冷却できる。或いは、チャン
バ内でこれら冷却の後にチャンバ外で、或いはチャンバ
内では冷却せずにチャンバ外のみで、表や裏からの冷風
吹き付け等で冷却しても良い。なお、これは転写シート
の冷却にも言える。また、同様の事が離型性シートの押
圧時に接着剤が加熱される場合にも言える。すなわち、
離型性シート押圧時には、浮いた転写層は被転写基材に
接触するだけで無く、接着して固定されなければなら
い。この為には、離型性シート押圧時に接着剤が活性化
しており、また離型性シート剥離時は、接着が完了して
いる必要がある為である。
【0048】なお、硬化型の接着剤の場合、その硬化完
了は、離型性シートによる押圧後に行う。硬化はその硬
化様式に応じて、加熱装置、或いは電離放射線硬化性樹
脂の場合は水銀灯(紫外線光源)等の電離放射線照射装
置で、曲面転写装置でインラインで硬化させても良い
し、或いはオフラインで行っても良い。
【0049】〔支持体シート、離型性シートの剥離〕な
お、支持体シートを剥離するタイミングは、衝突圧の解
除以降、支持体シートが剥離時応力で切断や塑性変形を
し無い程度に冷却し、接着剤層が冷却や硬化反応で固化
し転写シートが被転写基材に固着した時点以降に行えば
良い。また、離型性シートの剥離タイミングも同様に転
写層が被転写基材に固着した時点以降に行えば良い。
【0050】〔その他〕以上、本発明の曲面転写方法を
説明して来たが、本発明は上記説明に限定されるもので
はない。例えば、転写シートの被転写基材への圧接は、
連続帯状の転写シート及び枚葉の被転写基材を用い、両
者を一体的に搬送移動させつつ、固定の噴出器で固体粒
子衝突圧を連続印加する形態等の他に、転写シートの被
転写基材への圧接は、その時だけ転写シート及び被転写
基材を停止させて、基材一個ごとに間欠的に行っても構
わない(これらに対して例えば噴出器を移動させる)。
また、被転写基材及び転写シートともに枚葉の形態で供
給する形態でも構わない。またこれらは、離型性シート
の場合も同様である。また、噴出器の固体粒子噴出方向
と転写シート及び被転写基材との位置関係は、両者とも
に水平面内に載置し、その上方から鉛直方向に真下に固
体粒子を噴き出す位置関係に限定されない。転写シート
支持体側面と噴出方向が垂直関係を維持したとしても、
転写シートの載置又は搬送方向は、水平面内以外にも、
斜面内、鉛直面内(図6(B))等があり、また転写シ
ートが水平面内でも、支持体側が下側、すなわち、下か
ら上に固体粒子を噴出させ衝突させても良い。またこれ
らは、離型性シートの場合も同様である。また、チャン
バ内は窒素等の不活性ガスを充満させて、接着剤等に電
離放射線硬化性樹脂を用いる場合に、空気中の酸素、水
蒸気等が該樹脂の硬化を阻害するのを防止しても良い。
【0051】〔転写物の用途〕本発明で得られる化粧材
等の転写物の用途は、特に限定は無い。被転写面の表面
凹凸が特に深い凹凸形状の物品である様な各種用途に用
いられ得る。例えば、化粧材として、サイディング等の
外壁、塀、屋根、門扉、破風板等の外装、壁面、天井、
床等の建築物の内装、窓枠、扉、手摺、敷居、鴨居等の
建具類の表面化粧、箪笥等の家具やテレビ受像機等の弱
電・OA機器のキャビネットの表面化粧、自動車、電
車、航空機、船舶等の乗物内装等の各種分野で用いられ
得る。化粧材は化粧板等として利用される。なお、化粧
材も含めて転写物の形状は、平板、曲面板、棒状体、立
体物等と任意である。
【0052】〔後加工〕なお、転写後の化粧材等の転写
物の表面に、耐久性の向上や、意匠感等を付与する為
に、更に透明保護層を塗装する等しても良い。この様な
透明保護層としては、ポリ4フッ化エチレン、ポリフッ
化ビニリデン等のフッ素樹脂、ポリメタクリル酸メチル
等のアクリル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂の1
種又は2種以上等をバインダーとし、これに必要に応じ
て、ベンゾトリアゾール、超微粒子酸化セリウム等の紫
外線吸収剤、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤等の光
安定剤、シリカ、球状α−アルミナ等の粒子からなる減
摩剤、着色顔料、体質顔料、滑剤等を添加した塗料を用
いる。また、外装用途では、無機系塗料を用いることも
できる。塗工はスプレー塗装、フローコート、軟質ゴム
ロールやスポンジロールを使用したロールコート等で行
う。透明保護層の膜厚は1〜100μm程度である。
【0053】
【実施例】以下、本発明を実施例によって、更に具体的
に説明する。
【0054】〔実施例1〕支持体シートとして、アイソ
タクチックポリプロピレンからなるハードセグメントを
90重量%、アタクチックポリプロピレンからなるソフ
トセグメントを10重量%、エルカ酸アミド1000p
pmを主成分とするポリプロピレン系熱可塑性エラスト
マーの厚み100μmのシートを、Tダイを用いた溶融
押出法で用意した。次いで上記支持体シートの片面に、
熱可塑性ウレタン樹脂をバインダー主成分とし着色顔料
を含む着色インキを用いて目地を有する煉瓦調模様の絵
柄層と着色ベタ層とからなる装飾層を転写層としてグラ
ビア印刷で形成して、転写シートを用意した。なお、着
色顔料には、弁柄、イソインドリノン、カーボンブラッ
ク、チタン白等を用いた。
【0055】そして、被転写基材Bとして、図9の様な
煉瓦積模様の三次元的表面凹凸を有する、平板状の厚さ
15mmのケイ酸カルシウム板を用意した。この被転写
基材Bは、大柄な凹凸として深さ3mm、開口幅7mm
の目地の溝状凹部401と、煉瓦積み模様の平坦凸部4
02とを有し、微細な凹凸として平坦凸部上に(但し、
「平坦」とは、その包絡面が平坦と言うこと)深さが
0.1〜2mmの範囲に分布する砂目調の微細凹凸40
3を有してなり、これら大柄な凹凸と微細な凹凸とが重
畳した三次元的表面凹凸を有する板材である。そして、
この板に、ウレタン樹脂系の接着剤をスプレー塗装し
た。
【0056】そして、前記転写シートを上記被転写基材
に対して、固体粒子衝突圧を用いる曲面転写方法によっ
て先ずは転写した。使用した転写装置は、図10に示す
様な装置で、噴出器に図2〜図5の様な羽根車を用いた
曲面転写装置を使用し、上記被転写基材Bを、その凹凸
表面を上にしてコンベアベルトからなる基材搬送装置1
1上に載置して搬送した。そして、巻出ロール12から
巻き出した転写シートSを加熱ローラ21で予熱後、ゴ
ムローラからなる仮固定ローラ13で被転写基材に押圧
して仮固定して、チャンバ内に被転写基材と一体として
供給した。最初のチャンバ33a内で、熱風吹付ノズル
22から熱風Ahで、転写シートの予熱、接着剤の活性
化、被転写基材の加熱を行った。この場合、転写シー
ト、及び被転写基材の表面温度は100℃となるように
加熱した。
【0057】次いで、固体粒子Pとして、平均粒径0.
3mmの球形状の亜鉛球を、固体粒子貯蔵・加熱手段で
あるホッパー31の内部で加熱した。ホッパー内部に
は、粒子加熱装置23の複数の導管が進入しており、こ
の導管に設けた多数の開口から、80℃の加熱空気の熱
風Ahを吹き出させ、固体粒子を80℃に加熱した。そ
して、加熱された固体粒子Pは、ホッパ下部から噴出器
に向かって供出され、互いに逆回転する噴出器32a及
び32bから噴出速度40m/sで噴出させて、転写シ
ートの支持体シート側に前後左右方向から衝突させ、転
写シートを被転写基材に圧接した。
【0058】その結果、転写シートは目地の凹部に延ば
され、深い凹部ではその内部全面では無いが、浅い微細
凹凸内では全面で熱融着し、チャンバ33bの次のチャ
ンバ33cに於いて、除去ローラ35のブラシで転写シ
ート上に残留した固体粒子を転写シート両端部に向かっ
て掻き集めて、下のチャンバ33dに落とした。次い
で、冷風吹付ノズル24で15℃の冷風Acを吹き付け
て、接着剤を25℃まで冷却して冷却固化させると共
に、転写シート上にまだ残留している固体粒子を吹き飛
ばして、転写シート両端部からチャンバ33dに落とし
た。次いで、被転写基材及び転写シートがチャンバ33
cから外部に出た後、剥離ローラ14で転写シートの支
持体シートを剥がし取り、転写層が一応転写された転写
物Dを得た。
【0059】この転写物は、転写層が凹凸表面形状にほ
ぼ追従しているが不完全である。すなわち、凹部が浅い
微細凹凸部分では凹部底部まで完全に転写層は追従した
が、凹部が深い目地溝部分では底部まで完全に転写層が
追従せず、転写層が浮いた状態であった。
【0060】そこで、支持体シート剥離後直ぐに、離型
性シートとして、アイソタクチックポリプロピレンから
なるハードセグメントを80重量%、アタクチックポリ
プロピレンからなるソフトセグメントを20重量%、エ
ルカ酸アミド1000ppmを主成分とするポリプロピ
レン系熱可塑性エラストマーをTダイから溶融押出しし
て成膜した厚み100μmのシートを、枚葉の形態で、
上記転写物D上に被せて、離型性シート及び転写物を一
体として、図10の曲面転写装置に通して、再度固体粒
子衝突圧を与えた。なお、この時は、転写シートは邪魔
になるので、加熱ローラ21以降の部分は取り除いて行
った。転写シートの時と同様に、熱風吹付ノズル22か
らの熱風Ahで、離型性シートの予熱、接着剤の活性
化、被転写基材の加熱を行い、離型性シート、及び被転
写基材の表面温度を100℃にした。その後の、固体粒
子衝突圧条件、冷却条件は転写シートの時と同様にし
た。そして、冷却後、離型性シートを除去した。その結
果、離型性シートが衝突圧で延ばされて目地溝凹部内ま
で完全に追従した為、その部分で浮いていた転写層に衝
突圧を与えて凹部内部にまで追従させる事が出来た。そ
して、該転写層も被転写基材に熱融着して、完全に転写
できた。そして、転写物Dとして化粧板を得た。
【0061】なお、この化粧板には更に、その転写層の
表面に、0.5重量%のベンゾトリアゾール系紫外線吸
収剤を含むイソシアネート硬化型のポリフッ化ビニリデ
ン系の樹脂塗料を、乾燥時厚さ10μmに塗布して透明
保護層を形成して、透明保護層付きの化粧板とした。化
粧板は、被転写基材の凹凸形状と転写層の石目模様とに
より優れた意匠感が得られた。
【0062】〔比較例1〕実施例1に於いて、離型性シ
ートによる追加的な衝突圧印加を行わずに、転写シート
による転写のみとした。この結果は、既に上記実施例1
中で記載の如く、得られた転写物は、微細凹凸部分の転
写は問題なかったが、凹部が深い目地溝の部分で転写層
が完全に追従せず、転写層が一部浮いた状態の転写不良
の物となった。
【0063】〔実施例2〕実施例1に於いて、離型性シ
ートによる加圧条件を、固体粒子の噴出速度を40m/
sから35m/sに、また離型性シートは厚さを100
μmから80μmに変更し、固体粒子の噴出速度は40
m/sから35m/sに変更した他は、実施例1と同様
にし、化粧板を得た。また、同様に透明保護層を形成し
た。その結果、実施例1同様に、離型性シートが衝突圧
で延ばされて目地溝凹部内まで完全に追従した為、その
部分で浮いていた転写層に衝突圧を与えて凹部内部にま
で追従させる事が出来た。そして、該転写層も被転写基
材に熱融着して、完全に転写できた。
【0064】〔実施例3〕実施例1に於いて、離型性シ
ートによる加圧条件を、固体粒子の噴出速度を40m/
sに変更し、また離型性シート及び被転写基材の予熱温
度を100℃から120℃に変更した他は、実施例1と
同様にし、化粧板を得た。また、同様に透明保護層を形
成した。その結果、実施例1同様に、離型性シートが衝
突圧で延ばされて目地溝凹部内まで完全に追従した為、
その部分で浮いていた転写層に衝突圧を与えて凹部内部
にまで追従させる事が出来た。そして、該転写層も被転
写基材に熱融着して、完全に転写できた。
【0065】
【表1】
【0066】
【発明の効果】本発明の曲面転写方法によれば、転写
シートの転写時は、転写シート自体の凹凸追従性が不十
分で、凹凸表面上の転写層に浮いた部分が発生しても、
その後で離型性シートを介して転写後の転写層に衝突圧
を加えて押圧するので、被転写基材から浮いた転写層を
凹凸表面に確実に追従させ圧接し接着させる事ができ
る。従って、結果として、転写シートの支持体シート
に、高強度、低伸率のシートを用い、十分な見当精度・
印刷適性を確保しつつ、なお且つ、深い表面凹凸でも、
転写層の浮き発生無しに、確実に転写できる。
【0067】しかも、転写シートや離型性シートの押
圧には、固体粒子衝突圧を利用するので、被転写面の表
面凹凸形状は、目地溝の有るタイル貼りや煉瓦積凹凸等
の三次元的凹凸も可能である上に、深い凹凸形状も可能
である。また、凹凸表面の全体の(包絡面)形状は、平
板状の板材以外にも、瓦の様に全体として波うち形状の
もの、或いは凸又は凹に湾曲した形状にも適用できる。
また、大柄な凹凸表面の凸部上、凹部内(底部や凸部と
底部の連結部分である側面)にも転写できる。しかも、
大柄な凹凸の凸部上に、更に微細な凹凸模様(例えば、
ヘアライン、梨地等)が有る場合でも、その微細凹凸の
凹部内にまで、転写できる。また、従来のゴムローラ押
圧方式の様に、被転写基材の凹凸部によるローラ等部品
の損耗も無い。 以上の結果、化粧材等の転写物に於いては、従来に無
く極めて意匠性に優れたものが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の曲面転写方法を概念的に説明する概念
図。
【図2】羽根車を用いた噴出器の一例を説明する概念図
(正面図)。
【図3】図2の羽根車部分の斜視図。
【図4】図2の羽根車内部を説明する概念図。
【図5】羽根車にて噴出方向を調整する説明図。
【図6】羽根車を用いた噴出器の別の一例を説明する概
念図であり、(A)は正面図、(B)は側面図。
【図7】吹出ノズルによる噴出器の一例を説明する概念
図。
【図8】噴出器の各種配置形態を示す平面図。(A)は
千鳥格子状に並べた配置、(B)は中央部は上流側にし
て、両端になるにつれて下流側にずらした配置。
【図9】被転写基材の三次元的凹凸表面の一例を示す要
部拡大斜視図。
【図10】本発明の曲面転写方法を実施し得る曲面転写
装置の一例を示す概念図。
【符号の説明】
1 支持体シート 2 転写層 3 離型性シート 11 基材搬送装置 12 巻出ロール 13 仮固定ローラ 14 剥離ローラ 15 巻取ロール 21 加熱ローラ 22 熱風吹付ノズル(加熱装置) 23 粒子加熱装置 24 冷風吹付ノズル(冷却装置) 31 ホッパ 32、32a、32b 噴出器 33a〜33d チャンバ 35 除去ローラ(回転ブラシ) 36 第2除去ローラ(回転ブラシ) 401 溝状凹部 402 平坦凸部 403 微細凹凸 812、812a 羽根車 813、813a 羽根 814、814a 側面板 815 中空部 816 方向制御器 817 開口部 818 散布器 819、819a 回転軸 820 軸受 840 吹出ノズルを用いた噴出器 841 誘導室 842 内部ノズル 843 ノズル開口部 844 ノズル Ac 冷風 Ah 熱風 B 被転写基材 G 間隔 D 転写物(化粧板等) P 固体粒子 S 転写シート

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凹凸表面を有する被転写基材の凹凸表面
    側に、支持体シートと転写層とからなる転写シートの転
    写層側を対向させ、該転写シートの支持体シート側に固
    体粒子を衝突させ、その衝突圧を利用して、被転写基材
    の凹凸表面への転写シートの圧接を行い、転写層が被転
    写基材に接着後、転写シートの支持体シートを剥離除去
    することで、転写層を被転写基材に転写する曲面転写方
    法において、 転写層の転写後に、更に、該転写層に対して離型性を有
    する離型性シートを被転写基材の凹凸表面に重ね、該離
    型性シートに固体粒子を衝突させて、該離型性シートを
    介して被転写基材上の転写層に衝突圧を与えて凹凸表面
    に圧接した後、離型性シートを除去することで、凹凸表
    面上で被転写基材から浮いた部分の転写層を凹凸表面に
    接着させる、曲面転写方法。
JP15700998A 1998-06-05 1998-06-05 曲面転写方法 Withdrawn JPH11348494A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110001088A (zh) * 2019-04-28 2019-07-12 燕山大学 一种碳纤维板件制备装置及方法
WO2020075805A1 (ja) * 2018-10-12 2020-04-16 豊田合成株式会社 加飾品製造方法及び加飾品

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