JPH11350189A - 電気・電子部品用材料とその製造方法、その材料を用いた電気・電子部品 - Google Patents
電気・電子部品用材料とその製造方法、その材料を用いた電気・電子部品Info
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Abstract
接合部における接合強度の劣化が少なく、また表面酸化
・変色も起こしづらい電気・電子部品用材料、とりわけ
リード材料やコンタクト材料として有用な材料とその製
造方法、その材料を用いた電気・電子部品を提供する。 【解決手段】 この材料は、少なくとも表面がCuまた
はCu合金から成る基体1の表面に、NiもしくはNi
合金層から成る中間層2を介して、Ag3Sn(ε相)
化合物を有する厚み0.5〜20μmのSn層またはS
n合金層から成る表面層3が形成されている。
Description
料とその製造方法、その材料を用いた電気・電子部品に
関し、更に詳しくは、各種半導体装置用のリード材料
や、端子,コネクタ,スイッチなどのコンタクト材料と
して用いて好適な材料とそれを製造する方法、およびそ
の材料を用いた電気・電子部品に関する。
品の材料としては、従来から、CuまたはCu合金が広
く用いられている。すなわち、その用途は個別半導体や
ICパッケージのリード線やリードピン、またはリード
フレームなどのリード材料を代表例とし、更にはソケッ
ト類やコネクタ,スイッチの端子や接点ばねなどのコン
タクト材料にも及んでいる。これらの用途は、Cuまた
はCu合金が、導電性,熱伝導性が優れているととも
に、機械的な強度や加工性の点でも優れ、また経済的に
も有利であるという性質を利用したものである。
に関しては、各種合金設計のCu合金が開発されてい
る。そして、それらは、端子や接点ばねなどのコンタク
ト材料の分野でも応用されるようになっている。
コバール合金や42アロイに代表されるFe−Ni系合
金,Fe−C系合金などのFe系材料も使用されてい
る。このFe系材料は、前記したCu合金に比べると、
熱伝導性や導電性は劣るものの、機械的な強度が高く、
また熱膨張率がSiチップやパッケージの封止樹脂のそ
れに近似しているので、その表面に厚み数十μm程度の
Cuめっきを施して導電性とはんだ濡れ性を高めた状態
にしてダイオードやコンデンサなどのリード線として用
いられている。
度の点で問題を有していたが、最近では強度特性も向上
したCu合金が開発されている。例えば、NiとSiを
少量含有せしめて、それらをNi2Siなどの形態で析
出させた析出強化型のCu合金が知られている。そし
て、このCu合金は、スタンピング性や応力緩和特性が
優れているので、リード材料,端子やコネクタのコンタ
クト材料として使用されはじめている。
面には、めっきに代表される表面処理を施すことにより
材料機能の信頼性を高めて実使用するということが行わ
れている。
に部品を実装するときに用いるリード材料の場合、その
表面にSnめっきまたはSn合金めっきを施してはんだ
付け性を高めるという処置が採られている。具体的に
は、ICパッケージを組み立てたのちリードフレームの
アウターリード部に例えばSn−Pb合金を用いて外装
はんだめっきを施したり、個別半導体やコンデンサのリ
ード線にも予めSnめっきやSn−Pb合金めっきを施
し、更に加熱してリフロー処理を行うこともある。
る材料の場合、その表面にSnまたはSn合金のめっき
を施すと、得られた材料は前記した特性の外に耐食性,
耐摩耗性も優れ、しかも経済的に有利であるということ
から、リード材料の外に各種端子やコネクタなどの材料
としても多用されている。そして、表面光沢が必要とさ
れる用途分野では、SnまたはSn合金の光沢めっきを
施したものや、更にはリフロー処理を施したものが使用
され、とくにリフロー処理を施したものは、耐ウイスカ
ー性や耐熱性も優れているので、厳しい温度環境で使用
される部品の材料として賞用されはじめている。
ってきている自動車関連分野の場合、組み込まれる端子
やコネクタなどのコンタクト材料は、エンジンルーム内
をはじめとして、温度100〜170℃程度の高温環境
に曝されることになる。従来、このような分野では、黄
銅やリン青銅の基体の表面にSnめっきやはんだなどの
Sn合金めっきを施した材料が主として使用されてきて
いるが、厳しい使用環境に対しては必ずしも満足すべき
性能ではないということで、強度特性の向上と応力緩和
特性の改善を目的として前記したNiとSiを含有する
Cu合金にSnめっきを施したのちリフロー処理を行っ
た材料が使用されはじめている。
nめっきを施した材料の場合には次のような問題があ
る。
ウイスカーが発生しやすく、部品実装したときに短絡事
故を引き起こすことの可能性があるということである。
また、Snの融点は232℃であるため、例えばその材
料部品を回路基板にはんだ付けして実装する場合、基板
材料(樹脂)はそれ以上の耐熱性を備えることが必要に
なると同時に、そのときにSnそれ自体が酸化されては
んだ付け性の劣化が起こりやすくなるということであ
る。
リードフレームのアウターリード部の外装はんだ皮膜の
場合とは異なって、通常、表面層であるSnまたはSn
合金層の厚みが1〜1.5μmと薄いために、前記した
ような高温環境下では基体表面のCu成分が前記表面層
まで早期の段階で熱拡散し、その結果、表面層の表層部
の変色や酸化が起こり、相手材との接触抵抗が高くなる
という問題が起こってくる。
接対象の例えばアルミ線との溶接部の肉盛りを行うた
め、めっき層の厚みを厚肉化しているが、そのようなリ
ード線に前記リフロー処理を行うと、処理後に凝固して
形成されたSnめっき層の偏肉が大きくなるという問題
がある。
フロー処理を施すことによって略防止することができ、
まためっき層の材料としてSn合金を用いればかなり抑
制することが可能である。このようなSn合金の代表例
ははんだ(Sn−Pb合金)であり、従来から広く用い
られている。
は人体に悪影響を与えるおそれがあるとのことから、今
後は、その優れた性質を備えているにもかかわらず使用
が敬遠されようとしている。そして、Pbを含有しない
Sn合金、具体的には、Sn−Ag系,Sn−Bi系,
Sn−In系,Sn−Zn系のものへの移行が検討され
ている。
層を形成した材料には次のような問題がある。
比べて比較的高温であったり、低温であったりする点で
あり、あるいは、例えばICパッケージの組み立て時に
おける加熱工程の熱で、基体表面の構成材料であるCu
などがこのSn合金めっき層の表層部に熱拡散してき
て、当該Sn合金めっき層のはんだ付け性が劣化すると
いう問題である。
の場合、アルミ線と溶接する際に、溶接部の温度は瞬間
的には2000℃近辺の温度になるため、当該溶接部の
近傍では、Sn合金めっき層内のZn,Bi,Inなど
の元素が瞬時にして気化し、その結果、溶接部にはブロ
ーホールが発生し、その溶接強度が低下するという問題
も発生する。しかも、溶接部では、基体表面からCuな
どが熱拡散してリード材の表面にCu−Sn系化合物層
などが形成されることにより、表面の変色とはんだ付け
性の劣化も起こり得る。
した前記した合金のうち、Sn−Ag系,Sn−In系
のものは上記の問題に加えて高価であるという問題があ
る。
劣り、基体表面へのBiの熱拡散を起こしやすく、また
曲げ加工性にも劣るのでめっき層にクラッドが発生しや
すく、更には、はんだ付け後に形成された接合部ではそ
の接合強度が経時的に低下するという問題がある。また
Sn−Zn系のものは、表面酸化を起こしやすく、大気
中におけるはんだ濡れ性が悪いということに加えて、Z
nは熱拡散を起こしやすいので、Sn−Bi系のものと
同じように、やはりはんだ付け後の接合部の接合強度は
経時的に低下する。このように、PbフリーのSn合金
にも多くの課題がある。
電子機器の小型化,軽量化,多機能化の進展に伴い、そ
れらに組み込まれる回路基板への半導体素子の実装密度
も高まっている。この高密度実装化は不可避的に実装基
板からの放熱量を増大させ、また電気・電子機器の放熱
量を増加させることになる。
ト材料などに対しては、従来にもましてその耐熱性を高
めることが必要とされるようになっている。しかしなが
ら、最近では、前記したように、CuまたはCu合金の
基体にSnまたはSn合金のめっきを施した材料は、上
記した要求に充分対処し得ていないという指摘がなされ
ている。
における部品リードとはんだとの接合部の高温エージン
グ、または部品リードと実装基板の電極との間でヒート
サイクル状態において接合信頼性が低下するという問題
である。換言すれば、最近の高密度実装基板が組み込ま
れている電子機器では、放熱量と前記機器の温度上昇が
大きいので、前記したSnまたはSn合金めっきを施し
たリード材料では、充分な接合信頼性が得られないとい
うケースが多発している。
で使用したときに、基体表面のCu成分と表面層のSn
成分との相互熱拡散による合金化やCu成分が表面層の
表層部に拡散して酸化することに基づく接触抵抗の上昇
が起こり、もって相手材との接続信頼性が低下するとい
う問題が指摘されている。
し、その表面にSnまたはSn合金めっきが施されてい
る従来の材料における上記した問題を解決し、Pbの悪
影響が排除されていることは勿論のこと、表面層はSn
より低融点であり、はんだ付け性に優れ、またウイスカ
ーの発生もなく、はんだ付け後に形成された接合部の接
合強度が高いと同時に、その接合強度の高温下における
経時的な低下も起こりづらいのでリード材料として好適
であり、また高温環境下で使用したときでも接触抵抗の
上昇が抑制され、相手材との間で接続信頼性の低下を招
くこともないのでコンタクト材料としても好適な電気・
電子部品用材料とその製造方法、およびその材料を用い
た電気・電子部品の提供を目的とする。
ために、本発明においては、少なくとも表面がCuまた
はCu合金から成る基体の前記表面に、NiまたはNi
合金層から成る中間層を介して、いずれもAg3Sn
(ε相)化合物を含有する厚み0.5〜20μmのSn
層またはSn合金相から成る表面層が形成されているこ
とを特徴とする電気・電子部品用材料が提供される。と
くに、前記表面層における前記Ag3Sn(ε相)化合
物の含有量が、Ag換算量にして0.5〜5重量%であ
り、前記表面層には、更にCuが0.1〜3重量%含有
されており、また、前記表面層が加熱処理またはリフロ
ー処理された層である電気・電子部品用材料が提供され
る。
たことを特徴とする電気・電子部品が提供される。
たはNi合金めっき浴を用いて、少なくとも表面がCu
またはCu合金から成る基体に電気めっきを行い、つい
で、いずれもAgイオンを0.2〜10000ppm含有す
るSnめっき浴またはSn合金めっき浴を用いて電気め
っきを行うことを特徴とする電気・電子部品用材料の製
造方法が提供され、好ましくは、前記Snめっき浴また
は前記Sn合金めっき浴には、Cuイオンが0.2〜5
0ppm含有されており、また、前記2回目の電気めっき
を行ったのちの材料に、加熱処理またはリフロー処理を
施す電気・電子部品用材料の製造方法が提供される。
Aを示す断面図である。この材料Aは、基体1の表面
に、後述する中間層2を介して、後述するSn層または
Sn合金層が表面層3として形成された層構造になって
いる。
少なくともその表面がCuまたはCu合金で形成されて
いるものであれば何であってもよい。例えば、Cuまた
はCu合金材そのものや、炭素鋼,Fe−Ni系合金、
Fe−Ni−Co系合金,ステンレス鋼などのFe系材
料を芯材とし、その表面をCuまたはCu合金で被覆し
たものなどをあげることができる。後者の基体の場合、
目的とする部品の用途に求められる機械的な強度や導電
性との関係を勘案して芯材とその表面に形成するCuま
たはCu合金、とりわけCu合金の種類が適宜に選定さ
れる。
目的や後述する表面層形成方法に対応して、線状,板
状、条など適宜に選定される。
2が形成され、更にその上に表面層3が形成された材料
である。
物を含有するSn層またはSn合金層で構成されてい
る。
n層またはSn合金層内で非常に安定な状態にあり、少
なくとも室温付近の温度レベルでは表面層内を拡散移動
することはない。そしてこのAg3Sn(ε相)化合物
は、Sn層またはSn合金層のクリープ特性を含む耐熱
性を向上せしめ、また同時に、表面層3の主成分である
Snと基体表面の主成分であるCuや表面層の他の元素
との相互拡散速度を低下せしめて両者の合金化を抑制す
る機能を発揮するものと考えられる。
使用した場合、例えばプリント基板にはんだを用いて接
合したときに、Ag3Sn(ε相)化合物を含有しない
Sn層またはSn合金層で表面層が形成されているリー
ド材料の場合に比べてはんだ接合部における接合強度は
高くなり、また接合部における接合強度の経時低下は小
さくなって接合信頼性は向上する。
使用した場合、表面層3の耐熱性が向上しており、ま
た、基体表面から表面層の表層部に向かうCuの熱拡散
も抑制された状態になっているので、表面層3の表面酸
化も起こりづらくなって接触抵抗の上昇は抑制され、相
手材との接続信頼性の低下という問題も発生しにくくな
る。
相)化合物の上記した働きは、その含有量が、Ag換算
量にして0.5重量%以上から有効に発揮される。そし
て、含有量が増量すればするほど表面層3の耐熱性は向
上していくが、Sn−Ag系合金における共晶組成であ
るSn−3.5%AgのAg量に相当する含有量を超え
ると、表面層3を構成するSn層やSn合金層の液相線
は急激に上昇してしまう。そのため、Ag3Sn(ε
相)化合物の含有量は、表面層3がSnの融点(232
℃)を超えない程度の耐熱性を付与する含有量であるこ
とが好ましく、具体的には、Ag3Sn(ε相)化合物
の含有量の上限は、Ag換算量にして5重量%程度に設
定される。このときには、材料の曲げ加工性も良好であ
り、それほどコスト高にもならず、材料としては工業的
にバランスがとれているからである。
n合金層には、更に、Cuを0.1〜3重量%含有せし
めることが好ましい。
部品材料をプリント基板にはんだを用いて実装したとき
に、Cuを含有しないSn層またはSn合金層で表面層
が形成されている部品材料の場合に比べて、はんだ接合
部における接合強度は高くなり、その接合信頼性の向上
がもたらされる。
ていることにより、この材料をコンタクト材料として用
いた場合には、このCuが相手材との接触抵抗を低くす
ることに寄与し、更にははんだ付けを行ったときに、は
んだ食われの減少とはんだ接合部の耐熱性の向上に寄与
して、接合信頼性の向上が実現する。また、この材料を
ICパッケージのリード材料として用いた場合には、は
んだ接合部の耐熱性は同様に向上して、高温環境下でも
実使用することが可能になる。
されることにより、表面層3のクリープ特性を含む耐熱
特性や耐ウイスカー性が向上し、またその表面層3の主
成分であるSnと基体1の表面成分であるCuや表面層
の他の元素との相互拡散速度が低下して両者の合金化が
抑制されるため、はんだ接合部における接合強度の経時
的な低下は小さくなり、その結果、接合信頼性が向上し
た現象であると考えられる。
より少なくなると、上に列記した効果は発現しなくな
り、また3重量%より多くなると、表面層3の構成材料
の液相線が過度に高くなり、例えば、均一リフロー性の
低下をはじめ、表面層3ではCu酸化の進展に基づくは
んだ濡れ性の低下や耐食性の低下が起こりやすくなるの
でCu含有量は0.1〜3重量%に設定することが好ま
しい なお、上記した表面層3におけるAg3Sn(ε相)化
合物のAgとしての含有量やCuの含有量は、電子線マ
イクロアナライザのZAF補正法によって定量分析する
ことができ、Ag3SnやCu3Sn,Cu6Sn5の化合
物の存在はX線回折法によって知ることができる。
合、母相であるSn合金としては、前記したSn−Bi
系,Sn−In系,Sn−Zn系などを用いることがで
きる。その場合、Sn−Zn系は低価格ではあるが、Z
nの拡散速度は大きく、はんだ接合部における接合強度
の経時低下が大きくなるので高い接合信頼性が得にくい
ということや、また耐食性も劣るという点で難があり、
Sn−In系は高価であり、用途は限定されてしまうと
いう問題がある。このようなことから、Sn合金層の母
相であるSn合金としては、Sn−Bi系であることが
好ましい。
る。このSn−Bi系の場合、Bi含有量が57重量%
の共晶点139℃まではBi含有量の増加に応じて液相
線温度は低下していく。しかしながら、このことは、同
時に耐熱性の低下も意味している。また、この合金で表
面層を形成した場合には、Bi含有量が5重量%程度を
超えはじめると曲げ加工性の悪化や割れなどが入りやす
くなり、更にBi含有量が多くなっていくと、はんだで
接合したときに、そのはんだ接合部の耐熱性は低下し、
接合部における接合強度の経時低下も起こって接合信頼
性が低くなる。
る場合には、その合金組成はSn−1〜5%Bi合金で
あることが好ましい。
必要とされる耐熱性、更には製造コストとの関係でも決
められる。例えば、ICパッケージのアウターリード部
の外装はんだ処理において、はんだによるフローまたは
リフロー処理による部品実装状態の確実性を実現し、ま
たはんだ接合部の接合信頼性を確保するためには、その
厚みは少なくとも5μmになっていることが必要であ
る。また、コンタクト材料の場合、そのリフロー処理品
においては、表面層の厚みが0.5μmより薄くなる
と、リフロー処理時に基体表面のCuや中間層2のNi
またはNi合金と表面層のSnとの相互拡散による合金
化が進んで、はんだ濡れ性の確保や接触抵抗を低水準に
確保することが困難になり、厚い場合には、均一リフロ
ー処理の実現や製造コストの点から表面層の厚みは1.
5〜2.0μm程度、また光沢めっき品においては製造
コストの点から表面層の厚みは2.0μm程度が好適で
ある。更に、アウターリードの外装はんだのような場合
には、表面層の厚みをあまり厚くしても、性能は飽和に
達し、徒に製造コストの上昇を招くので、その厚みの上
限は20μmに設定される。このようなことから、本発
明の材料における表面層の厚みは、0.5〜20μmに
設定される。
中間層2は、Ni層またはNi合金層で形成されてい
る。
層2は、基体1の表面が黄銅や丹銅のようなCu−Zn
系合金である場合に、この基体1の表面と表面層3との
密着性を確保をし、また、この中間層3が存在しない場
合には、基体1の表面が粗面であったり、表面に酸化物
層が介在して基体の表面にSn層またはSn合金層から
成る表面層を形成したのちにリフロー処理を施したとき
に観察される現象、すなわち、表面層が白く曇って鏡面
光沢が得られない現象、いわゆる“Snのはじき”現象
を防止する働きをする。
面層3に拡散してSnと合金化することによって発現す
る現象、すなわち、表面の酸化・変色や、はんだ付性の
低下や、相手材との接触抵抗の上昇などの不都合の発生
を防止または抑制するためのバリアとしても機能する。
Ni合金としては上記したバリア効果を発揮するものが
好ましく、例えば、Ni−Co系,Ni−P系,Ni−
B系などをあげることができるが、材料の生産性と製造
コストの問題や基体1と表面層との密着性確保の点から
いうと電気めっきが可能な合金であることが好ましい。
この点から考えると、Ni−P系は電気めっき時に合金
化するための電流密度は小さく、Ni−B系もそれほど
高くなく、またNi−Co系は電気めっきは可能である
が高価であるという点で難がある。しかしながら、無電
解めっきで表面層を形成することが有利であるような材
料の場合には、上記したNi−P系,Ni−B系を用い
ることが好適である。したがって、中間層2は、Ni単
体を電気めっきして形成することが工業的には好適であ
る。
場合、Niもまた表面層へ熱拡散してSnと合金化し、
Ni3Sn4をはじめとする化合物の層を形成する。しか
しながら、200℃以下の温度におけるその拡散速度は
Cuの場合に比べて小さく、しかも、仮に表面層3の表
層部にまで拡散したとしても酸化して表面変色を引き起
こすことはない。
Ni合金から成る中間層2とSnまたはSn合金から成
る表面層3の界面にNi−Sn化合物の層が介在してい
る場合が多く、その介在物層の厚みは加熱処理やリフロ
ー処理などの熱履歴によって決まり、更には、基体表面
からのCuの拡散によりCu−Sn化合物の層が含まれ
ていることもある。
の厚みが薄すぎると、前記したバリア効果が発揮されな
くなり、また厚すぎると、材料の曲げ加工性が低下して
割れの発生も多くなるだけではなく製造コストの上昇も
招くので、その厚みは0.1〜1μmに設定することが
好ましい。
ある。
Aの場合と異なり、表面層がSn層やSn合金層単独で
構成されているのではなく、厚み方向に、次に説明する
ような各種の層が積層している層構造になっている材料
である。その層構造において、前記各種の層の界面は、
判然としている場合もあり、また界面が各層の成分の相
互拡散によって判然としていない場合もある。
うなものをあげることができる。
n(ε相)化合物を含有しないSnまたはSn合金から
成り、上層部3’aはAg3Sn(ε相)化合物を含有
するSnまたはSn合金から成る層; ii)表面層3’の下層部3’bはAg3Sn(ε相)化
合物を含有するSnまたはSn合金から成り、上層部
3’aは、Ag3Sn(ε相)化合物を含有しないSn
またはSn合金から成る層; などである。
造i),ii)のいずれになっていても、表面層3’の全
体におけるAg3Sn(ε相)化合物の含有量は,Ag
換算量にして0.5〜5重量%であることが好ましい。
ると、材料としての曲げ加工性は向上し、基体1との剥
離は起こりづらくなり、また製造コストを低減できると
いう点で有利である。
ロー処理を施したり、またアルミ線に溶接したときに、
そのときの熱で上記した層構造が融合してAgや、例え
ばBiのような他の元素などが希釈された状態になるの
で、はんだ接合時にはその接合部の強度低下は抑制さ
れ、例えば断線防止という点で好適である。
上記した効果が有効に発揮されるので好適である。その
場合、表面層3’の全体の厚みのうち、0.5〜5μm
程度の表層部にAg3Sn(ε相)化合物が含有されて
いることを好適とする。
容易に高品質に製造することができる。
ず、Niめっき浴またはNi合金めっき浴を用いて電気
めっきを行い基体1に所望厚みのNiめっき層またはN
i合金めっき層2を形成する。
浴としては、従来から公知の例えば硫酸ニッケルや塩化
ニッケル主体のもの、スルファミン酸ニッケル主体のも
のなどをあげることができる。
pm含有するSnめっき浴、またはAgイオンを0.2〜
10000ppm含有するAg合金めっき浴を用いて電気
めっきを行い、上記したNiめっき層またはNi合金め
っき層の上に既に述べた表面層3を形成すればよい。
りも貴であるので、めっき浴におけるAgイオンの含有
量が少ないにもかかわらず、基体表面に電析しためっき
層においては、Agが数%程度のAg3Sn共析Snめ
っき層にすることができる。このめっき層におけるAg
3Sn(ε相)化合物の生成量を前記した0.5〜5重量
%(Ag換算量)の範囲内におさめるためには、電流密
度や浴温などのめっき条件と浴種にもよるが、一般に、
用いるめっき浴におけるAg濃度を0.2〜10000p
pmにすることが必要になる。
有せしめると、このCuが基体表面に電折しためっき層
(Ag−Sn合金層)に共折し、Ag−Sn合金だけの
場合よりも耐熱性が一段と優れためっき層になる。この
めっき層におけるCu含有量を、前記したように、0.
1〜3重量%の範囲に制御するためには、用いるめっき
浴におけるCuイオンの濃度を0.2〜50ppmに制御す
ることが必要になる。
造する場合には、既にNiめっき層またはNi合金めっ
き層が形成されている基体を、Agイオンを含有しない
Snめっき浴またはSn合金めっき浴に浸漬して電気め
っきを行って、基体の表面に、Ag3Sn(ε相)化合
物を含有しないSnめっき層またはSn合金めっき層を
形成する。ついで、Agイオンを含有するSnめっき浴
またはSn合金めっき浴を用いて電気めっきを行い、A
g3Sn(ε相)化合物を含有するSnめっき層または
Sn合金めっき層を形成し、ここに、目的とする表面層
3’が得られる。
に、得られた材料に加熱処理やリフロー処理を施すと、
各めっき層間では合金の各成分が相互拡散して、より密
着性の高い表面層3’に転化する。
層構造の場合とは逆に、Agイオンを含有するSnめっ
き浴またはSn合金めっき浴で下層部3’bを形成し、
ついでその上に、Agイオンを含有しないSnめっき浴
またはSn合金めっき浴で上層部3’aを形成すればよ
い。そして、全体に加熱処理やリフロー処理を施して各
めっき層間で合金成分の相互拡散を行わせることによ
り、目的とする表面層3’を形成すればよい。
してリフロー処理を施すと、例えば表面層がSn層やS
n合金層で形成される場合に発生することもあるウイス
カーの存在を解消することができるだけではなく、表面
層3と基体1の表面間におけるSnとCuの拡散速度が
低下して、結局、はんだ接合部における接合信頼性を高
め、また相手材との接触抵抗の上昇を抑制することがで
きるので好適である。
常、例えばN2雰囲気のような非酸化性雰囲気やCOま
たはH2を含有する雰囲気のような還元性雰囲気の中で
行われる。材料の形状が線状または条であり、それに連
続的な処理を施す場合には、熱風吹き付け方式の加熱炉
を用いることが好適である。
材に、アルカリカソード脱脂,10%硫酸による酸洗を
順次施したのち、中間層用のめっき浴、表面層用のめっ
き浴を収容するめっき槽に順次走行せしめて、表1〜3
で示しためっき層が表面層3として形成されている材料
A,材料Bをそれぞれ製造した。
酸ニッケルめっき浴,Agめっき浴としてはダインシル
バーAG−PL3O(商品名、大和化成(株)製)を用
い、また、Sn合金めっき浴としてはIG0214(商
品名、ディップソール(株)製のSn−Ag合金めっき
浴),ソフトアロイLM(商品名、上村工業(株)製の
Sn−Bi合金めっき浴)をそれぞれ用いた。
ド溶解法を適用してそのときの溶解電位と溶解電気量か
ら算出し、その組成は電子線マイクロアナライザのZA
F補正法で定量分析した。以上の結果を表1〜3に示し
た。
50℃の大気中で2500時間保持したのち顕微鏡観察
してウイスカーの有無を調べ、更には、各材料に90°
の折り曲げ試験を行ってそのときの曲げ加工性を評価し
た。
ブを100g荷重で押し付けた状態で10mAを通電して
低温下における接触抵抗を測定した。ついで、各材料を
大気中において温度150℃で100時間保持する熱処
理を施したのちの接触抵抗を同様にして測定した。
板材に、アルカリカソード脱脂,10%硫酸による酸洗
を順次施したのち、表5,6に示しためっき浴を収容す
るめっき槽を順次走行せしめて表5,表6で示しためっ
き層が表面層3として形成されている材料を製造した。
20と同様にして測定した。
試片に、直径3mmの銅被覆鋼線をはんだで接合した。は
んだとしては、Sn−37%Pbの共晶はんだと、Sn
−3.5%Agの共晶はんだの2種類をそれぞれ用い
た。また、はんだ接合部の大きさは直径6mmと一定にし
た。
鋼線とのプル強度(T0)を測定した。そして、はんだ
接合材料を大気中において温度150℃で500時間の
エージングを行って劣化促進処理を施し、そのときの各
試料と銅被覆鋼線とのプル強度(T1)を測定し、(T0
−T1)×100/T0を算出してはんだ接合部における
接合強度の劣化率(%)とした。
た。
めっき槽に順次走行せしめて表7,表8で示した表面層
を形成した。
囲に外径3mmのCuパッドが形成されているプリント回
路基板の前記スルーホールに各リード線を挿入し、フラ
ックスを塗布したのち、温度250℃のディップ式はん
だ槽にプリント回路基板を3秒間浸漬してから引き上
げ、そのまま自然放冷した。
と同じ2種類のものを用いた。
との接合強度の劣化率を実施例21〜31と同様に算出
した。その結果を表7,表8に示した。
明の材料はいずれも耐熱性が優れていて、熱処理後にあ
っても接触抵抗の上昇が抑制されている。
物が含有されている含CuSnめっき層で構成されてい
る実施例2と表面層にはAg3Sn(ε相)化合物が含
有されていない比較例5を対比して明らかなように、両
者は同じようにNiの中間層を備えているにもかかわら
ず、前者は熱処理後における接触抵抗は低下している
が、後者の場合は接触抵抗は上昇している。これは、表
面層にAg3Sn(ε相)化合物を含有させたことの効
果を立証するものである。
かなように、表面層の厚みは同じであっても、実施例3
の場合のように表面層にCuを含有せしめると、接合強
度の劣化率が小さくなっている。
して明らかなように、中間層が介装されていない材料
は、いずれも表面状態が悪く、接触抵抗の測定ができな
い状態になっている。そして、比較例2のように中間層
が介装されていても、それがCuである場合には熱処理
後の接触抵抗が大幅に上昇している。
かもそれをNiで構成することの有用性が明らかであ
る。
なように、基体表面にSn層とSn−Ag層から成る2
層構造のめっき層を表面層として形成した材料(実施例
25,26、27,35)も、接合強度の劣化率は小さ
くなっている。また、基体表面に、Sn層とAg層との
2層構造のめっき層を形成し、または更に加熱処理を施
すと(実施例26,27,28,31)、SnとAgが
相互拡散して1層の表面層となり、この場合も接合強度
の劣化率は小さくなっている。また、めっき時にCuを
含有せしめ、それにリフロー処理を施しても1層構造の
表面層が形成され、その場合の接合強度の劣化率も小さ
くなっている(実施例36)。
材料は、Sn層またはSn合金層にPbを含まないので
環境に悪影響を及ぼすことはなく、また、はんだ付けし
たときの接合部における接合強度の劣化は小さく、耐熱
性に優れた材料になっている。したがって、この材料
は、各種の電気・電子部品用の材料とりわけ半導体装置
に用いるリード材料や、端子,コネクタ,スイッチなど
のコンタクト材料として、それを用いた部品もまたその
工業的価値は大である。
る。
Claims (8)
- 【請求項1】 少なくとも表面がCuまたはCu合金か
ら成る基体の前記表面に、NiまたはNi合金層から成
る中間層を介して、いずれもAg3Sn(ε相)化合物
を含有する厚み0.5〜20μmのSn層またはSn合
金層から成る表面層が形成されていることを特徴とする
電気・電子部品用材料。 - 【請求項2】 前記表面層における前記Ag3Sn(ε
相)化合物の含有量が、Ag換算量にして0.5〜5重
量%である請求項1の電気・電子部品用材料。 - 【請求項3】 前記表面層には、更にCuが0.1〜3
重量%含有されている請求項1または2の電気・電子部
品用材料。 - 【請求項4】 前記表面層が加熱処理またはリフロー処
理された層である請求項1〜3のいずれかの電気・電子
部品用材料。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかの材料を用いた
ことを特徴とする電気・電子部品。 - 【請求項6】 Niめっき浴またはNi合金めっき浴を
用いて、少なくとも表面がCuまたはCu合金から成る
基体に電気めっきを行い、ついで、いずれもAgイオン
を0.2〜10000ppm含有するSnめっき浴またはS
n合金めっき浴を用いて電気めっきを行うことを特徴と
する電気・電子部品用材料の製造方法。 - 【請求項7】 前記Snめっき浴または前記Sn合金め
っき浴には、Cuイオンが0.2〜50ppm含有されてい
る請求項6の電気・電子部品用材料の製造方法。 - 【請求項8】 前記2回目の電気めっきを行ったのちの
材料に、加熱処理またはリフロー処理を施す請求項6の
電気・電子部品用材料の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15505998A JPH11350189A (ja) | 1998-06-03 | 1998-06-03 | 電気・電子部品用材料とその製造方法、その材料を用いた電気・電子部品 |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP15505998A JPH11350189A (ja) | 1998-06-03 | 1998-06-03 | 電気・電子部品用材料とその製造方法、その材料を用いた電気・電子部品 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11350189A true JPH11350189A (ja) | 1999-12-21 |
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ID=15597779
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| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15505998A Pending JPH11350189A (ja) | 1998-06-03 | 1998-06-03 | 電気・電子部品用材料とその製造方法、その材料を用いた電気・電子部品 |
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