JPH11350247A - 高強度ポリエチレン繊維 - Google Patents
高強度ポリエチレン繊維Info
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- JPH11350247A JPH11350247A JP15621898A JP15621898A JPH11350247A JP H11350247 A JPH11350247 A JP H11350247A JP 15621898 A JP15621898 A JP 15621898A JP 15621898 A JP15621898 A JP 15621898A JP H11350247 A JPH11350247 A JP H11350247A
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Abstract
い各種用途に好適な高強度ポリエチレン繊維を提供する
ことを可能とした。 【解決手段】 繊維状態での極限粘度[ηF ]が5以上
のエチレン成分を主体とするポリエチレン繊維であり、
その強度が25g/d以上、弾性率が800g/d以上
であり、かつその繊維の動的粘弾性の温度分散測定にお
けるγ分散の損失弾性率のピーク温度が−110℃以下
であり、さらにα分散の損失弾性率のピーク温度が10
0℃以上である高強度ポリエチレン繊維。
Description
糸、土木・建築等のネット・シート材、化学フィルター
やセパレータ用の布帛・不織布、防弾チョッキを始めと
する防護衣料やスポーツ衣料、あるいはヘルメットや耐
衝撃性コンポジット,スポーツ用コンポジット用の補強
材料など、広く産業資材やテキスタイル用途に使用可能
な高強度ポリエチレン繊維であり、温度変化の大きい環
境下で使用される条件下でその性能の温度に対する変
化、特に強度や弾性率などの力学特性において温度変化
の少ない高強度ポリエチレン繊維に関する。
強度・高弾性率繊維を得ようとする試みは、近年活発で
あり、非常に高い強度・弾性率を有する繊維が報告され
ている。例えば、特開昭56−15408号公報には、
超高分子量ポリエチレンを溶剤に溶解し得られたゲル状
の繊維を高倍率に延伸する、いわゆる「ゲル紡糸法」の
技術が開示されている。
エチレン繊維は有機繊維としては非常に高い強度・弾性
率を有し、さらには耐衝撃性が非常に優れる事が知られ
ており、各種用途においてその応用が広がりつつある。
この様な高強度繊維を得る目的において、前出の特開昭
56−15408号公報によれば、極めて高い強度と弾
性率を有する素材を提供する事が可能であると開示され
ている。しかしながら一方で、高強度ポリエチレン繊維
は温度による性能の変化が非常に大きいことで知られて
いる。例えば、−150℃付近から温度を変化させてそ
の引っ張り強度を測定すると、低温から温度上昇と共に
徐々にその低下が観察され、特に室温以上、なかでも結
晶分散と呼ばれる緩和機構が観察される80℃付近から
その性能の低下が著しい。このような温度による性能の
変化は本素材の温度変化の大きい環境下での使用を困難
なものにしていた。
の温度変化に因る力学特性の変化を制御するこころみと
して、特開平7−166414号公報に開示されている
ごとく、特定の分子量を持つ超高分子量ポリエチレン原
料とその得られる繊維の分子量とを適正な範囲にするこ
とで、−100℃以下でのいわゆる極低温領域での振動
吸収性を向上させる試みが示唆されているが、基本的に
当該技術においては極低温での力学分散を大きくする。
つまり、むしろ弾性率の変化を大きくする試みであり、
本発明の目指す、力学特性の低下を少なくする試みとは
相反するものであった。
平1−162816号公報には上記のゲル紡糸法におい
て過酸化物や紫外線照射などの手段により、高強度ポリ
エチレン繊維のクリープを低減する試みが開示されてい
る。基本的に本手法によれば前述のγ分散の力学分散が
低くなることが記され本発明の述べる好ましい方向では
あるが、両発明は高強度ポリエチレン繊維のクリープを
改良するのが目的であり、力学特性の温度変化による変
化を低減するものでは無かった。特に、通常γ分散にお
ける緩和強度が小さくなると、その緩和が起こる温度も
高温にシフトするのが通例であり、従来の手法では本発
明が目指すより温度の変化に対して力学特性の変化が少
ないこと、すなわちγ分散温度はより低温へかつα分散
は高温であることが好ましいことからは逆の方向であっ
た。
本発明は、常温で極めて優れた力学特性を有してかつ、
温度変化による強度や弾性率などの力学特性において変
化の少ない高強度ポリエチレン繊維を提供することを目
的とする。
での極限粘度[ηF ]が5以上のエチレン成分を主体と
するポリエチレン繊維であり、その強度が25g/d以
上、弾性率が800g/d以上であり、かつその繊維の
動的粘弾性の温度分散測定におけるγ分散の損失弾性率
のピーク温度が−110℃以下であり、さらにα分散の
損失弾性率のピーク温度が100℃以上であることを特
徴とする高強度ポリエチレン繊維である。
は、その繰り返し単位が実質的にエチレンであることを
特徴とし、少量の他のモノマー例えばα−オレフィン,
アクリル酸及びその誘導体,メタクリル酸及びその誘導
体,ビニルシラン及びその誘導体などとの共重合体であ
っても良いし、これら共重合物どうし、あるいはエチレ
ン単独ポリマーとの共重合体、さらには他のα−オレフ
ィン等のホモポリマーとのブレンド体であってもよい。
特にプロピレン,ブテンー1などのαオレフィンと共重
合体を用いることで短鎖分岐をある程度含有させること
は本繊維を製造する上で紡糸・延伸において安定性を与
えることとなり、より好ましい。しかしながらエチレン
以外の含有量が増えすぎると延伸の阻害要因となる。従
って、高強度・高弾性率繊維を得るという観点からはモ
ノマー単位で5mol%以下であることが好ましい。も
ちろんエチレン単独のホモポリマーであっても良い。
弾性特性の温度分散におけるγ分散の損失弾性率のピー
ク温度が−110℃以下、好ましくは−115℃以下で
あり、さらにα分散の損失弾性率のピーク温度が100
℃以上、好ましくは105℃以上であることを特徴とす
る。かかる特徴を有する高強度ポリエチレン繊維は常温
での力学特性が極めて高くかつ、広い温度範囲において
その力学特性の変化が小さい。
とは、2種の力学分散すなわち、αおよびγ分散の温度
で確実に定義することができる。すなわち、力学分散の
起こる温度域では通常、弾性率の著しい低下が観察され
る。高強度ポリエチレン繊維の場合、通常−100℃付
近にγ分散がまた、85℃付近にα分散が観察される。
この両者の温度を挟んで繊維を使用した場合、通常温度
がこの両付近を通過するたびに極めて大きな弾性率およ
び強度の変化をもたらし、各種製品設計上好ましくな
い。従って、通常はγ分散温度以上およびα分散温度以
下で、ある程度余裕を配慮して温度領域を設定し、その
使用温度領域が決定される。したがって、γ分散温度は
より低温へ、α分散温度はより高温であることは、上記
の使用温度領域を広げる意味で非常に有意義である。
わらずγ分散のピーク温度が逆に非常に低温にあること
は従来常識からは、極めて驚くべきことである。すなわ
ち、γ分散にはもともと非晶と結晶との寄与があること
が知られている。従来高強度ポリエチレン繊維において
は、延伸倍率を高くしたり、結晶化を促進させたりする
と、α分散を比較的容易に高温へ移行させることは可能
である。このことは糸の微細構造がより結晶構造リッチ
になることを示唆している。この場合、γ分散を支配す
る構造も非晶から結晶に移ることになり、γ分散の温度
も高温にシフトすることが通常であった。つまり、本発
明で提供する繊維は微細構造的にも従来の常識とは反す
るものであると言える。さらに本繊維のα分散のピーク
温度は上記の延伸等の手段で得られる従来の高強度ポリ
エチレン繊維のそれが高々95℃程度であったのと比べ
て少なくとも100℃以上、好ましくは105℃以上と
非常に高温である。また、γ分散においても上記のよう
な高いα分散温度を持つ繊維でなくても通常90℃以上
を有する結晶性の高い繊維では、−110℃より低温で
あることは困難であった。一部、例えばα分散温度が8
5℃程度の繊維の場合、γ分散温度が−110℃以下を
示す場合があるが、これは繊維の構造がより非晶的にな
ったためであり、本発明の目指す高結晶性(α分散温度
が高い)でありながらγ分散温度もなおかつ低いという
新規な繊維とは明確に区別することができる。
がら新規でかつ慎重な手法を必要とするが、もちろん以
下に示す例に限定されるものでは無い。すなわち本繊維
を得る手法としては、前述の「ゲル紡糸法」が実際的手
法とて有効であるが、超高分子量ポリエチレンを成形し
て従来知られている高強度ポリエチレン繊維を得る手法
であれば特に基本となる製糸技術は問わない。本発明に
おいてまず重要なのは原料となるポリマーである。
分子量ポリエチレンを用いることが推奨される。この
際、主となるポリマーは極限粘度が5以上、好ましくは
10以上でありかつ、40未満であり、かつポリマーを
常温固体でかつ融点が100℃未満の固形パラフィンに
均一に溶解して10%溶液とした時の0.001sec
−1および0.01sec−1のせん断速度で測定され
たせん断粘度の比(すなわち前者を後者で割った値を以
下本発明においては粘度指数と称する)が5以下、好ま
しくは3.5以下のポリマー(A)を90重量部以上9
9.9重量部未満、極限粘度が20以上、好ましくは2
5以上、さらにこのましくは30以上を有するより高分
子量のポリエチレン(B)を0.1重量部以上10重量
部未満含有してなる混合物を100重量部に対して、該
ポリマー混合物を実質可溶な溶剤を100重量部以上添
加して加熱して機械的混合を加えて溶解し、紡糸したの
ち延伸する手法により、最も効率的に上記目的に促した
繊維を得ることができる。
維は、前述のごとく温度による性能の変化が少ないこと
が特徴であり、この特徴は2種の力学分散すなわち、α
およびγ分散の温度で確実に定義することができる。通
常γ分散は分子末端や側鎖などの局所的な分子鎖構造の
欠陥に由来すると考えられてきた。通常、その分子鎖構
造としてほとんど側鎖を有しない超高分子量ポリエチレ
ンの場合、この寄与は主に分子鎖末端により影響される
と考えられる。分子鎖末端が結晶構造の中あるいは周辺
においてどのような分布を有するのかは学術的にも良く
判明していない。当該発明者の検討によると、2種の超
高分子量ポリエチレンを用いることが上記目的の達成の
ために推奨される。即ち、まずその極限粘度が5以上、
好ましくは10以上でありかつ、40未満であり、その
ポリマーを想定される溶解条件に準じて固形パラフィン
に溶解して10%溶液とした時の粘度指数が5以下、好
ましくは3.5以下のポリマー(A)を少なくとも90
重量部以上99.9重量部未満含有し、これと極限粘度
が20以上、好ましくは25以上、さらに好ましくは3
0以上を有する、より高分子量のポリエチレン(B)を
0.1重量部以上、10重量部未満含有してなる混合物
を100重量部に対して、該ポリマー混合物を実質可溶
な溶剤を100重量部以上添加して加熱して機械的混合
を加えて溶解し、紡糸したのち延伸する事により、上記
γ分散温度を低温に維持したままで、α分散温度を高く
できることを見出し本発明に到達した。
5以下、好ましくは3.5以下であることは、せん断変
形下での粘度のせん断速度の依存性が極めて小さいこと
を示唆する。このことは逆に言えば、緩和時間の非常に
均一な分子が溶液流れ中に存在するする(緩和時間分布
が狭い)ことを示唆し結局、糸に成形される際に分子鎖
がより均一に配列し分子末端構造が結晶中あるいはその
近傍に均一に整列するのが原因ではないかと考えられ
る。通常のポリエチレンにおいては結晶化度が大きくな
るほど、あるいは延伸倍率が大きくなるほどγ分散温度
は高くなることが一般的に知られている。これは分子鎖
末端等が結晶内部に取り込まれ、その運動が抑制される
ことを示唆すると考えれば、本繊維のγ分散温度が比較
的低温に維持されることは上記の機構を考えるに示唆的
である。すなわち、何らかの分子の特異な整列機構によ
りポリエチレンの局所欠陥、主に分子鎖末端は結晶化や
延伸とともに結晶内部に取り込まれること無く、むしろ
その周辺に偏在するのではないかと考えられる。このこ
とは、結晶分散を表わすα分散の温度が非常に高温にな
ることもそれを指示するものであり、結晶内部に分子末
端のような欠陥部が非常に少なく、結晶構造がより完全
なものに近づいたことを示唆する。
3.5以下の超高分子量のポリマーを準備することは複
数の手段により達成することができる。先ず第一は分子
量分布の非常に少ないポリマーを用いることであり、例
えば分子量分布Mw/Mnが5以下のポリマーのなかか
ら最適なポリマーを選択することができる。さらに好ま
しくはMw/Mnは3以下であり、この場合は、例えば
メタロセン触媒を用いて一段と分子量分布の狭いポリマ
ーを用いても良い。さらに言えば分子量分布のMw/M
nが5を超えるような、いわゆる通常のチグラー・ナッ
タ系触媒を用いたポリマーであっても、該ポリマーの溶
解時において、そのポリマーのもともとの極限粘度[η
A]、および繊維状態になった後の極限粘度[ηF]が次の
式を満足するときほぼ本発明の要請する流動指数を満足
することができる。
りほぼ限度まで分子量分布を狭く調整した超高分子量の
ポリエチレンをさらに溶解・押出しの工程で分子量を故
意に低下させることにより、実質分子量分布を非常に狭
くすることができる。この際、溶解工程で酸化防止剤を
用いないことは当然ながら、過酸化化合物などの分解促
進剤を添加したり、活性酸素を溶液に溶解するなどの処
方は効率的である。このように、工程において分子を故
意に劣化させると高分子量側がより切断される確率が高
く、統計的に分子量分布が狭くなることが期待できる。
一方、本発明での要請はその流動指数にあり、流動改質
剤や極少量のポリマーを添加して所望の流動指数を得て
もよく、イオン性の凝集剤やステアリン酸金属塩などの
流動改質剤は、それらの一例である。
に対して少量部の極限粘度が20以上、好ましくは25
以上、さらにこのましくは30以上を有する、より高分
子量のポリエチレンを添加する処方を推奨する。この主
旨は上記主ポリマーAだけでは温度に対する変化が少な
い繊維を得ることができても、高強度繊維を得ることが
困難であり、特に紡糸や延伸の過程において著しく分子
の延伸性が悪くなる。鋭意検討の結果、極限粘度が20
以上、好ましくは25以上、さらに好ましくは30以上
を有する、より高分子量のポリエチレンを0.1重量部
以上、10重量部未満のごく少量添加すると、著しく紡
糸や延伸での変形が良好になるばかりか、よりα分散の
温度も高くなり、力学特性、特に弾性率が大きく向上す
ることが判明し本発明に到達した。
分子量成分Bが紡糸や延伸の過程において必要最低限の
応力伝播の役割を果たし、紡糸や延伸での分子の変形を
スムーズにしたからではないかと推定しているが定かで
はない。Bの成分は極少量で良く10重量部を超えると
逆に延伸等が極めて実施しにくくなるばかりか、溶解等
での不均一の原因となる。一方、0.1重量部未満で
は、その成形性を向上させたり、熱的に安定化させる効
果が十分でなくなる。
態での極限粘度[ηF ]が5以上、好ましくは10以
上、40未満であり、その強度が25g/d以上、好ま
しくは30g/d 以上、更に好ましくは35g/d 以上、ま
た弾性率が800g/d以上、好ましくは1000g/d
以上、更に好ましくは1200g/d 以上であり、上述の
力学分散特性との相乗効果により、実用面で従来にない
極めて優れた特性を有するポリエチレン繊維を提供する
ことを可能とした。
および測定条件を説明する。 (動的粘弾弾性測定)本発明における動的粘度測定は、
オリエンテック社製「レオバイブロンDDV−01FP
型」を用いて行った。繊維は全体として100デニール
±10デニールとなるように分繊あるいは合糸し、各単
繊維ができる限り均一に配列するように配慮して、測定
長(鋏金具間距離)が20mmとなるように繊維の両末
端をアルミ箔で包みセルロース系接着剤で接着する。そ
の際の糊代ろ長さは、鋏金具との固定を考慮して5mm
程度とする。各試験片は、20mmの初期幅に設定され
た鋏金具(チャック)に糸が弛んだり捩じれたりしない
ように慎重に設置され、予め60℃の温度、110Hzの
周波数にて数秒、予備変形を与えてから本実験を実施し
た。本実験では−150℃から150℃の温度範囲で約
1℃/分の昇温速度において110Hzの周波数での温
度分散を低温側より求めた。測定においては静的な荷重
を5gfに設定し、繊維が弛まない様に試料長を自動調
整させた。動的な変形の振幅は15μmに設定した。
性率は、オリエンティック社製「テンシロン」を用い、
試料長200mm、伸長速度100%/分の条件で歪ー
応力曲線を雰囲気温度20℃、相対湿度65%条件下で
測定し、曲線の破断点での応力を強度(g/d)、曲線
の原点付近の最大勾配を与える接線より弾性率(g/
d)を計算して求めた。なお、各値は10回の測定値の
平均値を使用した。
ローデ型毛細粘度管により、種々の希薄溶液の比粘度を
測定し、その粘度の濃度にたいするプロットの最小2乗
近似で得られる直線の原点への外挿点より極限粘度を決
定した。測定に際し、原料ポリマーのがパウダー状の場
合はその形状のまま、パウダーが塊状であったり糸状サ
ンプルの場合は約5mm長の長さにサンプルを分割また
は切断し、ポリマーに対して1wt%の酸化防止剤(商
標名「ヨシノックスBHT」吉富製薬製)を添加し、1
35℃で4時間撹はん溶解して測定溶液を調整した。
本特許におけるせん弾粘度測定方法について以下に詳し
くその方法を記述する。まず超高分子量固形ポリマーを
10重量部、および数平均分子量約500程度(融点が
常温より高くその数平均分子量が1000を超えなけれ
ば良い)の固形パラフィン(本特許では粉末状固形パラ
フィン:商標名「LUVAX1266」:日本製蝋
(株)製を使用した)を90重量部および、ポリマーに
対して実際に紡糸される条件の必要により1wt%の酸
化防止剤(商標名「ヨシノックスBHT」吉富製薬製)
を添加したものを、実際の紡糸における溶解条件にでき
るだけ準じて例えば2軸型混練り機等の装置を用いて、
高温で混合・溶解し、押し出したものをペレット状にカ
ットした。このようにして得られたペレットを2mmの
スペーサーを有する2対の平面金型内に充填し、予め1
60℃に設定した加熱型プレス機にて1時間放置後、さ
らに200kgf/cm2 の圧力を加えた状態で1時間
放置した後、氷水にて急冷しテスト片を作成した。この
テスト片をコーンプレート型の粘弾弾性測定装置(レオ
メトリックス社ARES)に充填可能なサイズに切断
し、160℃で動的モードにてせん断速度0.001s
ec−1および0.01sec−1での複素動的粘度を
それぞれ求め、前者を後者で割った価をその粘度指数と
して採用した。測定はそのプレスした試験辺より10個
所がランダムに選ばれ測定した結果の平均値である。
Mw/Mn=5.5の超高分子量ポリマーの主成分ポリ
マー(C)を98重量部と極限粘度が30でかつその分
子量分布が約Mw/Mn=12.0のポリマー(D)を
2重量部加えたパウダー状の混合物が全量の15重量%
となるようにデカヒドロナフタレン85重量%を常温で
添加した。このポリマーを2軸型の混合押し出し機にて
200℃の温度条件および100rpmで溶解・押し出
しを実施した。尚この際、酸化防止剤は使用しなかっ
た。この操作を行う予備的な実験において前述のポリマ
ー(C)単体を10重量%および90重量%の固形パラ
フィンを2軸型混練り機で200℃で混合し同様のスク
リュー条件(温度および酸化防止剤を添加しないことを
準拠)にて押した後、冷却して造粒したペレットを前述
の評価法により粘度指数を計算したところ、その価は
3.2であった。
0.8mm直径を有するオリフィスが48ホール設置さ
れた口金を用いて各ホールの吐出量が1.6g/min とな
るように押し出して後、直ちに約90℃の不活性ガスに
て溶剤を一部除去しつつ、90m/min の速度で引き取り
を実施した。引き取られた糸は直ちに120℃のオーブ
ンにて5倍延伸されて後、一旦巻き取り、さらに149
℃に調整されたオーブンにて4.5倍に延伸されて高強
度繊維を得た。得られた繊維の動的粘弾性特性を含む諸
物性を表1に示す。
マーとして極限粘度が22のポリマー(E)を用いた他
は、同様の操作で延伸糸を得また、流動指数を評価し
た。実施例1に比べ、延伸が非常にスムーズであり、高
強度繊維が得ることができた。ポリマーEの粘度指数も
2.9と更に良好な値が得られた。
マー(C)と超高分子量成分ポリマー(D)の比率を9
9.5重量部および0.5重量部に変更した他はほぼ同
等の操作で延伸糸を得た。ポリマーの流動指数は3.1
であり、実験誤差の範囲で実施例1と同等であった。表
1に示すように、若干、延伸性不良による強度の低下が
見られ、又γ分散温度も若干高めの値が得られたが相対
的には満足のいく結果が得られた。
してジルコニウムメタロセンからなるエチレン重合体
で、その極限粘度が18.5、およびMw/Mn=2.
7のポリマー(F)を用いる他は実施例1と同様の操作
で延伸糸を得る実験を実施した。ポリマー(F)の流動
指数は1.9と極めて優れた特性を示し、かつ延伸糸の
物性は表1に示すごとく極めて優れたものが得られた。
その理由は良く分からないが実施例1に比べた場合、弾
性率が特に高い値を示した。動的粘弾性特性においても
極めて優れた結果となった。
を溶解する際にブレンドポリマーの総量に対して1wt
%のBHTを添加した他は同様の操作で延伸糸を得る実
験を実施した。本添加剤を処方した溶解方法に準拠して
実施した流動指数は2.1と若干増加したが優れたもの
であった。得られた繊維の特性は実施例4に比較して低
下したものの、実施例4で見られた強度に対する弾性率
が高くなる傾向が見られた。又、動的粘弾弾性特性も優
れた結果が得られた。
(C)を用いた以外、高分子量物は添加しなかった。ポ
リマーCポリマーそのものの流動指数は当然実施例1と
同等良好であり、強度・弾性率等は優れた値が得られた
ものの、相対的にγ分散温度が高く、又α分散温度が低
く、本特許が目指す広範囲の温度での物性変化の少ない
繊維を得ることができなかった。
マー(F)を用いた以外、高分子量物は添加しなかっ
た。ポリマーFそのものの流動指数は当然実施例4と同
等で極めて良好ではあるが、延伸や紡糸の過程で著しい
糸切れが発生し、満足のできる十分な長さ(仮に100
0m以上連続で巻き取れたことで判断する。)の延伸糸
が得られなかった。極く短時間巻き取ることが可能であ
った繊維の物性を表1に示す。強度・弾性率等はそこそ
この値が得られたものの、比較例1と同様にγ分散温度
が高く、又α分散温度が低く、本特許が目指す広範囲の
温度での物性変化の少ない繊維を得ることができなかっ
た。
を溶解する際にブレンドポリマーの総量に対して1wt
%のBHTを添加した他は同様の操作で延伸糸を得る実
験を実施した。本添加剤を処方した溶解方法に準拠して
実施した流動指数は5.2と高い値が得られた。この流
動指数が示す通り、紡糸・延伸では非常に高い頻度で糸
切れが発生し、十分な長さの連続的な繊維を得ることが
できないばかりか短時間での採取も不可能であった。2
段延伸倍率を2.5倍に低減して、短時間で得られた繊
維の物性を表1に示す。強度・弾性率および動的粘弾性
特性共に、低いレベルの延伸糸しか得ることができなか
った。
て少ない各種用途に好適な高強度ポリエチレン繊維を提
供することを可能とした。
Claims (1)
- 【請求項1】 繊維状態での極限粘度[ηF ]が5以上
のエチレン成分を主体とするポリエチレン繊維であり、
その強度が25g/d以上、弾性率が800g/d以上
であり、かつその繊維の動的粘弾性の温度分散測定にお
けるγ分散の損失弾性率のピーク温度が−110℃以下
であり、さらにα分散の損失弾性率のピーク温度が10
0℃以上であることを特徴とする高強度ポリエチレン繊
維。
Priority Applications (10)
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|---|---|---|---|
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| DE69912160T DE69912160T2 (de) | 1998-06-04 | 1999-05-26 | Hochfeste polyethylenfasern und verfahren zu deren herstellung |
| PCT/JP1999/002766 WO1999063137A1 (en) | 1998-06-04 | 1999-05-26 | High-strength polyethylene fiber and process for producing the same |
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