JPH1138180A - 原子炉圧力制御装置 - Google Patents
原子炉圧力制御装置Info
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- JPH1138180A JPH1138180A JP9202595A JP20259597A JPH1138180A JP H1138180 A JPH1138180 A JP H1138180A JP 9202595 A JP9202595 A JP 9202595A JP 20259597 A JP20259597 A JP 20259597A JP H1138180 A JPH1138180 A JP H1138180A
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- pressure
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 原子炉圧力の圧力設定変更時の原子炉出力上
昇量を小さくし、かつ圧力制御の安定性を改善する原子
炉圧力制御装置を提供することにある。 【解決手段】 圧力調整器9では圧力制御の安定性を重
視してその制御定数を調整し、遅れ補償フィルタ10で
は原子炉出力上昇量を考慮して制御定数の調整を行う。
これにより、圧力設定値の変更の際に最適な過渡応答を
得る。
昇量を小さくし、かつ圧力制御の安定性を改善する原子
炉圧力制御装置を提供することにある。 【解決手段】 圧力調整器9では圧力制御の安定性を重
視してその制御定数を調整し、遅れ補償フィルタ10で
は原子炉出力上昇量を考慮して制御定数の調整を行う。
これにより、圧力設定値の変更の際に最適な過渡応答を
得る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、沸騰水型原子力発
電プラントにおける原子炉の圧力検出信号を用いて原子
炉圧力を安定に制御する原子炉圧力制御装置に関する。
電プラントにおける原子炉の圧力検出信号を用いて原子
炉圧力を安定に制御する原子炉圧力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、沸騰水型原子力発電プラントに
おいては、原子炉の出力に応じて原子炉圧力を一定に制
御している。図4に示すように、原子炉1で発生した蒸
気は主蒸気配管2に流出しさらに蒸気加減弁3を経由し
てタービン4に至る。ここで、原子炉1内の頂部のドー
ム圧力(原子炉圧力)は、原子炉圧力制御装置7により
常時監視検出されており、この圧力検出信号S1に基づ
いて蒸気加減弁3の開度指令信号S2が送出されてい
る。開度指令信号S2は、原子炉1の発生蒸気流量およ
び圧力に見合うような流路抵抗を与える弁開度の制御指
令である。
おいては、原子炉の出力に応じて原子炉圧力を一定に制
御している。図4に示すように、原子炉1で発生した蒸
気は主蒸気配管2に流出しさらに蒸気加減弁3を経由し
てタービン4に至る。ここで、原子炉1内の頂部のドー
ム圧力(原子炉圧力)は、原子炉圧力制御装置7により
常時監視検出されており、この圧力検出信号S1に基づ
いて蒸気加減弁3の開度指令信号S2が送出されてい
る。開度指令信号S2は、原子炉1の発生蒸気流量およ
び圧力に見合うような流路抵抗を与える弁開度の制御指
令である。
【0003】タービン4の負荷を変更する場合には、出
力変更分に相当する負荷要求偏差信号S3が再循環流量
制御装置8に送出され、これに基づいて再循環ポンプ6
の回転速度制御信号S4が調節される。再循環ポンプ6
の回転速度が変化すると、炉心5における冷却材流量が
変化するため、熱出力ならびに発生蒸気流量が変化す
る。原子炉1の圧力は、変更後の原子炉出力に応じた圧
力に原子炉圧力制御装置7が再び一定制御することにな
る。
力変更分に相当する負荷要求偏差信号S3が再循環流量
制御装置8に送出され、これに基づいて再循環ポンプ6
の回転速度制御信号S4が調節される。再循環ポンプ6
の回転速度が変化すると、炉心5における冷却材流量が
変化するため、熱出力ならびに発生蒸気流量が変化す
る。原子炉1の圧力は、変更後の原子炉出力に応じた圧
力に原子炉圧力制御装置7が再び一定制御することにな
る。
【0004】以上のような原子炉圧力制御装置7の内部
構成を図5に示す。原子炉圧力の検出信号S1は加算器
12aに入力され、圧力設定信号S5との減算により圧
力偏差信号S6が求められる。圧力設定信号S5は通常
の原子炉出力運転においては一定固定値のままである。
また、圧力偏差信号S6は原子炉出力100%運転時の
値が100%となるように圧力調整器9の内部で比例換
算されており、これによって原子炉出力と原子炉圧力と
が対応づけられている。
構成を図5に示す。原子炉圧力の検出信号S1は加算器
12aに入力され、圧力設定信号S5との減算により圧
力偏差信号S6が求められる。圧力設定信号S5は通常
の原子炉出力運転においては一定固定値のままである。
また、圧力偏差信号S6は原子炉出力100%運転時の
値が100%となるように圧力調整器9の内部で比例換
算されており、これによって原子炉出力と原子炉圧力と
が対応づけられている。
【0005】圧力調整器9は、圧力偏差信号S6に対し
て進み遅れ補償を行い、原子炉出力に相当する主蒸気流
量要求信号S7を出力する。主蒸気流量要求信号S7は
加算器12bでタービン負荷信号S8と比較され、その
負荷要求偏差信号S3が再循環流量制御装置8に送出さ
れる。
て進み遅れ補償を行い、原子炉出力に相当する主蒸気流
量要求信号S7を出力する。主蒸気流量要求信号S7は
加算器12bでタービン負荷信号S8と比較され、その
負荷要求偏差信号S3が再循環流量制御装置8に送出さ
れる。
【0006】通常、主蒸気流量要求信号S7はタービン
負荷信号S8に一致しているが、両信号が不一致の時は
負荷要求偏差信号S3が再循環流量制御装置8に送出さ
れ、タービン負荷と原子炉出力とが一致するまで再循環
ポンプ6の回転速度が調節されることになる。
負荷信号S8に一致しているが、両信号が不一致の時は
負荷要求偏差信号S3が再循環流量制御装置8に送出さ
れ、タービン負荷と原子炉出力とが一致するまで再循環
ポンプ6の回転速度が調節されることになる。
【0007】このような構成による圧力制御の応答特性
は、圧力調整器9の進み遅れ補償の制御定数を調節する
ことで最適化される。この調節は、圧力設定信号S5を
ステップ変更した際の、原子炉圧力や原子炉出力の過渡
応答を基にして行う。沸騰水型原子力プラントの場合、
過渡応答に大きな非線形効果を引き起こさない程度に小
さく、またノイズ等により応答が不明確にならない程度
に大きいステップ変更幅として、一般に0.07MPa
程度を用いている。圧力設定信号S5のステップ変更時
の特性曲線を図6に示す。
は、圧力調整器9の進み遅れ補償の制御定数を調節する
ことで最適化される。この調節は、圧力設定信号S5を
ステップ変更した際の、原子炉圧力や原子炉出力の過渡
応答を基にして行う。沸騰水型原子力プラントの場合、
過渡応答に大きな非線形効果を引き起こさない程度に小
さく、またノイズ等により応答が不明確にならない程度
に大きいステップ変更幅として、一般に0.07MPa
程度を用いている。圧力設定信号S5のステップ変更時
の特性曲線を図6に示す。
【0008】図6(a)は圧力設定信号の変更値A0と
原子炉圧力の変化量B0とを示す特性図であり、図6
(b)は原子炉出力C0と炉心流量D0との特性図であ
る。図6(a)において、圧力設定信号を0・07MP
a程度(変更値A0)だけステップ変更すると、原子炉
圧力B0は直ちに上昇し、やがて圧力設定変更分だけ上
昇したところで整定する。この時、図6(b)に示すよ
うに、原子炉出力C0は一時的に上昇してから初期値に
復帰する。これは、圧力設定信号を上げることで原子炉
圧力の急速な上昇変化率が生じることと、炉心流量D0
が一時的に増加挙動をなすことにより、炉心部のボイド
率が一時的に低下して正の反応度が炉心5に添加される
ためである。
原子炉圧力の変化量B0とを示す特性図であり、図6
(b)は原子炉出力C0と炉心流量D0との特性図であ
る。図6(a)において、圧力設定信号を0・07MP
a程度(変更値A0)だけステップ変更すると、原子炉
圧力B0は直ちに上昇し、やがて圧力設定変更分だけ上
昇したところで整定する。この時、図6(b)に示すよ
うに、原子炉出力C0は一時的に上昇してから初期値に
復帰する。これは、圧力設定信号を上げることで原子炉
圧力の急速な上昇変化率が生じることと、炉心流量D0
が一時的に増加挙動をなすことにより、炉心部のボイド
率が一時的に低下して正の反応度が炉心5に添加される
ためである。
【0009】炉心流量D0が一時的に増加する理由につ
いて説明する。圧力設定信号S5をステップ状に上げ変
更すると、圧力偏差信号S6が小さくなる。これは、原
子炉圧力を原子炉出力に対応づけられた値に制御すると
いう考え方のもとでは、擬似的に原子炉出力が下がった
かのような状態になる。
いて説明する。圧力設定信号S5をステップ状に上げ変
更すると、圧力偏差信号S6が小さくなる。これは、原
子炉圧力を原子炉出力に対応づけられた値に制御すると
いう考え方のもとでは、擬似的に原子炉出力が下がった
かのような状態になる。
【0010】このため、主蒸気流量要求信号S7も圧力
調整器9の進み遅れ特性に従い低下する。これによって
蒸気加減弁3の開度が絞られることになる。一方、圧力
設定信号S5を上げ変更しても原子炉1からの発生蒸気
は過渡変動分を除き一定であるから、蒸気加減弁3を絞
るとタービン4への流出蒸気が原子炉1からの発生蒸気
を下回り、このミスマッチ分が原子炉1ならびに主蒸気
配管2に蓄積して、原子炉圧力が上昇することになる。
原子炉圧力が上昇すると、検出圧力信号S1も上昇する
ため、最終的に圧力偏差信号S6および主蒸気流量要求
信号S7が初期値に戻る。
調整器9の進み遅れ特性に従い低下する。これによって
蒸気加減弁3の開度が絞られることになる。一方、圧力
設定信号S5を上げ変更しても原子炉1からの発生蒸気
は過渡変動分を除き一定であるから、蒸気加減弁3を絞
るとタービン4への流出蒸気が原子炉1からの発生蒸気
を下回り、このミスマッチ分が原子炉1ならびに主蒸気
配管2に蓄積して、原子炉圧力が上昇することになる。
原子炉圧力が上昇すると、検出圧力信号S1も上昇する
ため、最終的に圧力偏差信号S6および主蒸気流量要求
信号S7が初期値に戻る。
【0011】この過程で、タービン負荷信号S8は一定
値のままなので、主蒸気流量要求信号S7の過渡変動に
伴い、負荷要求偏差信号S3も変動することになる。圧
力設定信号S5を上げ変更した場合、主蒸気流量要求信
号S7は小さくなるため、タービン負荷信号S8との差
分を表す負荷要求偏差信号S3は正値になる。この正の
負荷要求偏差信号S8は、再循環ポンプ6の回転速度を
上昇し、炉心流量を増加させる制御を要求するものであ
る。このために、図6(b)で炉心流量D0は一時的に
増加し、原子炉出力C0の過渡変動を増幅することにな
る。
値のままなので、主蒸気流量要求信号S7の過渡変動に
伴い、負荷要求偏差信号S3も変動することになる。圧
力設定信号S5を上げ変更した場合、主蒸気流量要求信
号S7は小さくなるため、タービン負荷信号S8との差
分を表す負荷要求偏差信号S3は正値になる。この正の
負荷要求偏差信号S8は、再循環ポンプ6の回転速度を
上昇し、炉心流量を増加させる制御を要求するものであ
る。このために、図6(b)で炉心流量D0は一時的に
増加し、原子炉出力C0の過渡変動を増幅することにな
る。
【0012】圧力制御の応答特性は、以上の過渡変化に
おける圧力の速応性と安定性、原子炉出力の一時的な上
昇量に着目し、圧力調整器9の進み遅れ補償の制御定数
を調節することで最適化される。
おける圧力の速応性と安定性、原子炉出力の一時的な上
昇量に着目し、圧力調整器9の進み遅れ補償の制御定数
を調節することで最適化される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述のように沸騰水型
原子力プラントの圧力制御は、圧力設定に対するステッ
プ応答を基に制御定数の調節がなされる。また、この時
の原子炉1の過渡応答においては、再循環流量制御装置
8が動作するために炉心流量が変動するため、圧力制御
と再循環流量制御との両者の協調を配慮しなければなら
ない。
原子力プラントの圧力制御は、圧力設定に対するステッ
プ応答を基に制御定数の調節がなされる。また、この時
の原子炉1の過渡応答においては、再循環流量制御装置
8が動作するために炉心流量が変動するため、圧力制御
と再循環流量制御との両者の協調を配慮しなければなら
ない。
【0014】図6に示したように、圧力設定を上げ変更
した場合、原子炉出力の上昇は、圧力上昇変化率と炉心
流量の増加挙動により形成される。圧力上昇変化率は、
圧力設定信号S5をステップ変更した際に、圧力調整器
9がどのくらい蒸気加減弁3を動作させるかに依存す
る。また再循環流量の増加挙動は、再循環流量制御装置
8がどのくらいの応答特性を有しているかに依存する。
また原子炉出力の上昇量については、炉心5のボイド率
変化に起因するため、ボイド係数等の核特性にも依存す
る。
した場合、原子炉出力の上昇は、圧力上昇変化率と炉心
流量の増加挙動により形成される。圧力上昇変化率は、
圧力設定信号S5をステップ変更した際に、圧力調整器
9がどのくらい蒸気加減弁3を動作させるかに依存す
る。また再循環流量の増加挙動は、再循環流量制御装置
8がどのくらいの応答特性を有しているかに依存する。
また原子炉出力の上昇量については、炉心5のボイド率
変化に起因するため、ボイド係数等の核特性にも依存す
る。
【0015】圧力設定に対するステップ応答の着目点の
ひとつは、図6(b)において原子炉出力の上昇量が小
さいほど望ましいことにある。もしその上昇量が過度に
大きいと、原子炉1は自動的にスクラムするからであ
る。このため、原子炉出力の上昇要因である圧力の上昇
変化率をそれほどは速くはできない。すなわち、図5に
おいて、進み遅れ補償要素である圧力調整器9の進み補
償を強くするには限度がある。
ひとつは、図6(b)において原子炉出力の上昇量が小
さいほど望ましいことにある。もしその上昇量が過度に
大きいと、原子炉1は自動的にスクラムするからであ
る。このため、原子炉出力の上昇要因である圧力の上昇
変化率をそれほどは速くはできない。すなわち、図5に
おいて、進み遅れ補償要素である圧力調整器9の進み補
償を強くするには限度がある。
【0016】図7に進み遅れ要素の一般的なステップ応
答を示す。ステップ入力信号S1に対し、進み遅れ要素
の出力信号S2は、進み時定数T1と遅れ時定数T2と
の比である進み遅れ比(T1/T2)分だけステップを
通過させる特性を有しており、その後の動作は遅れ時定
数T2に従う。従って、進み遅れ比(T1/T2)が大
きいほど、初期応答において通過するステップ信号の幅
が大きくなり、圧力設定変更直後の蒸気加減弁3の絞り
動作が急になる。蒸気加減弁3の急速な絞り動作は圧力
上昇変化率を大きくすることにつながる。
答を示す。ステップ入力信号S1に対し、進み遅れ要素
の出力信号S2は、進み時定数T1と遅れ時定数T2と
の比である進み遅れ比(T1/T2)分だけステップを
通過させる特性を有しており、その後の動作は遅れ時定
数T2に従う。従って、進み遅れ比(T1/T2)が大
きいほど、初期応答において通過するステップ信号の幅
が大きくなり、圧力設定変更直後の蒸気加減弁3の絞り
動作が急になる。蒸気加減弁3の急速な絞り動作は圧力
上昇変化率を大きくすることにつながる。
【0017】なお、炉心燃料のボイド係数が大きくなる
ほど、同じ圧力調整器9の動作特性に対して原子炉出力
の上昇量は大きくなるため、圧力調整器9の進み遅れの
設定は、炉心運転サイクルの進行に従い核特性が変化す
ることまで考慮しなければならない。以上より原子炉出
力の上昇量に関して、圧力調整器9の応答特性は進み遅
れ比(T1/T2)が小さい方が望ましい。
ほど、同じ圧力調整器9の動作特性に対して原子炉出力
の上昇量は大きくなるため、圧力調整器9の進み遅れの
設定は、炉心運転サイクルの進行に従い核特性が変化す
ることまで考慮しなければならない。以上より原子炉出
力の上昇量に関して、圧力調整器9の応答特性は進み遅
れ比(T1/T2)が小さい方が望ましい。
【0018】他方、原子炉圧力の速応性と安定性に着目
した場合には、圧力調整器9の動作特性は速いほど良
く、すなわち進み遅れ比(T1/T2)が大きいほど良
い。原子炉1の圧力制御においては特に安定性が重要で
ある。これは、圧力変化は炉心燃料に対して正の反応度
効果を持つからである。
した場合には、圧力調整器9の動作特性は速いほど良
く、すなわち進み遅れ比(T1/T2)が大きいほど良
い。原子炉1の圧力制御においては特に安定性が重要で
ある。これは、圧力変化は炉心燃料に対して正の反応度
効果を持つからである。
【0019】すなわち、原子炉1の圧力に上昇変化率が
発生すると原子炉出力も上昇するため、万一原子炉圧力
が不安定になれば原子炉出力も同様に不安定に振動す
る。このような状態になるのは、圧力調整器9の動作が
遅い場合である。図6(a)において、原子炉圧力B0
は過渡時にオーバーシュートを伴うが、圧力調整器9の
進み遅れ比が小さい、すなわちその動作が遅いほどこの
オーバーシュートは大きくなる。
発生すると原子炉出力も上昇するため、万一原子炉圧力
が不安定になれば原子炉出力も同様に不安定に振動す
る。このような状態になるのは、圧力調整器9の動作が
遅い場合である。図6(a)において、原子炉圧力B0
は過渡時にオーバーシュートを伴うが、圧力調整器9の
進み遅れ比が小さい、すなわちその動作が遅いほどこの
オーバーシュートは大きくなる。
【0020】動作特性が遅いフィードバック制御では、
大きなオーバーシュートを目標値に収束させるとき、一
般に振動状に振る舞うことが知られており、原子炉1の
圧力制御でもこれが不安定化の原因になる。また、再循
環流量制御装置8は負荷要求偏差信号S3を入力してお
り、これ自体が圧力調整器9の出力信号に基づいている
ため、圧力制御の不安定化は再循環流量の不安定化にも
つながる。さらに、炉心流量の挙動が圧力オーバーシュ
ートにほぼ同じタイミングになれば、不安定化はますま
す助長されることになる。以上より、原子炉圧力の安定
性に関して、圧力調整器9の応答特性は進み遅れ比(T
1/T2)が大きい方が望ましい。
大きなオーバーシュートを目標値に収束させるとき、一
般に振動状に振る舞うことが知られており、原子炉1の
圧力制御でもこれが不安定化の原因になる。また、再循
環流量制御装置8は負荷要求偏差信号S3を入力してお
り、これ自体が圧力調整器9の出力信号に基づいている
ため、圧力制御の不安定化は再循環流量の不安定化にも
つながる。さらに、炉心流量の挙動が圧力オーバーシュ
ートにほぼ同じタイミングになれば、不安定化はますま
す助長されることになる。以上より、原子炉圧力の安定
性に関して、圧力調整器9の応答特性は進み遅れ比(T
1/T2)が大きい方が望ましい。
【0021】このように、圧力調整器9の進み遅れ補償
の調節については、過渡応答の特性に基づく方向性があ
り、想定し得る将来の炉心の特性まで視野に入れた最適
化がなされる必要がある。
の調節については、過渡応答の特性に基づく方向性があ
り、想定し得る将来の炉心の特性まで視野に入れた最適
化がなされる必要がある。
【0022】一方、原子炉のドーム圧力を圧力検出信号
として用いる圧力制御では、図4に示すように、圧力制
御の操作対象である蒸気加減弁3から圧力検出信号S1
の検出点との間に、主蒸気配管2と原子炉1のドーム部
を含む制御ループをなしている。このため、圧力調整器
9の進み遅れの調整以前に、主蒸気配管2ならびに原子
炉1のドーム部の動作特性分だけ遅れ要素が既にある。
この分の遅れを考慮して進み遅れ比(T1/T2)を決
定しないと、圧力制御は不安定化する恐れがある。この
場合、圧力制御の安定性に配慮して進み遅れ比(T1/
T2)を小さくしても、上述のように圧力設定変更時の
原子炉出力の一時的な上昇量が大きくスクラムに至るこ
とが起こり得る。
として用いる圧力制御では、図4に示すように、圧力制
御の操作対象である蒸気加減弁3から圧力検出信号S1
の検出点との間に、主蒸気配管2と原子炉1のドーム部
を含む制御ループをなしている。このため、圧力調整器
9の進み遅れの調整以前に、主蒸気配管2ならびに原子
炉1のドーム部の動作特性分だけ遅れ要素が既にある。
この分の遅れを考慮して進み遅れ比(T1/T2)を決
定しないと、圧力制御は不安定化する恐れがある。この
場合、圧力制御の安定性に配慮して進み遅れ比(T1/
T2)を小さくしても、上述のように圧力設定変更時の
原子炉出力の一時的な上昇量が大きくスクラムに至るこ
とが起こり得る。
【0023】このように、原子炉ドーム部の圧力に基づ
いた従来の原子炉圧力制御装置7では、圧力制御の安定
性とステップ応答時の原子炉出力上昇量について、両立
できない可能性がある。すなわち、安定な出力運転を得
るために必要なステップ応答を用いた原子炉圧力制御装
置7の調整と、安定な出力運転自体が両立できない可能
性がある。原子炉1の高稼働率を確保し、安定した出力
運転を維持するためには、原子炉のドーム圧力を圧力検
出信号S1に用いる従来の原子炉圧力制御装置7に改善
の余地がある。
いた従来の原子炉圧力制御装置7では、圧力制御の安定
性とステップ応答時の原子炉出力上昇量について、両立
できない可能性がある。すなわち、安定な出力運転を得
るために必要なステップ応答を用いた原子炉圧力制御装
置7の調整と、安定な出力運転自体が両立できない可能
性がある。原子炉1の高稼働率を確保し、安定した出力
運転を維持するためには、原子炉のドーム圧力を圧力検
出信号S1に用いる従来の原子炉圧力制御装置7に改善
の余地がある。
【0024】本発明の目的とするところは、原子炉圧力
の圧力設定変更時の原子炉出力上昇量を小さくし、なお
かつ圧力制御の安定性を改善する原子炉圧力制御装置を
提供することにある。
の圧力設定変更時の原子炉出力上昇量を小さくし、なお
かつ圧力制御の安定性を改善する原子炉圧力制御装置を
提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係わる
原子炉圧力制御装置は、原子炉圧力の圧力設定値の変更
時に原子炉出力上昇量を低減させるための遅れ補償を圧
力設定値に加える遅れ補償フィルタを設け、圧力設定値
の変更の際に最適な過渡応答を得るようにしたものであ
る。
原子炉圧力制御装置は、原子炉圧力の圧力設定値の変更
時に原子炉出力上昇量を低減させるための遅れ補償を圧
力設定値に加える遅れ補償フィルタを設け、圧力設定値
の変更の際に最適な過渡応答を得るようにしたものであ
る。
【0026】請求項1の発明に係わる原子炉圧力制御装
置では、圧力設定変更時の原子炉出力上昇量は、遅れ補
償フィルタを通した圧力設定値により抑制される。
置では、圧力設定変更時の原子炉出力上昇量は、遅れ補
償フィルタを通した圧力設定値により抑制される。
【0027】請求項2の発明に係わる原子炉圧力制御装
置は、請求項1の発明において、遅れ補償フィルタに代
えて、圧力設定値の変更時に原子炉出力上昇量を低減さ
せるための変化率制限を圧力設定値に加える変化率制限
器を設けたものである。
置は、請求項1の発明において、遅れ補償フィルタに代
えて、圧力設定値の変更時に原子炉出力上昇量を低減さ
せるための変化率制限を圧力設定値に加える変化率制限
器を設けたものである。
【0028】請求項2の発明に係わる原子炉圧力制御装
置では、請求項1の発明の作用に加え、圧力設定変更時
の原子炉出力上昇量は、変化率制限器を通した圧力設定
値により抑制される。
置では、請求項1の発明の作用に加え、圧力設定変更時
の原子炉出力上昇量は、変化率制限器を通した圧力設定
値により抑制される。
【0029】請求項3の発明に係わる原子炉圧力制御装
置は、請求項1の発明において、遅れ補償フィルタに代
えて、圧力設定値の変更時に原子炉出力上昇量を低減さ
せるための進み補償を圧力検出信号に加える進み補償フ
ィルタを設けたものである。
置は、請求項1の発明において、遅れ補償フィルタに代
えて、圧力設定値の変更時に原子炉出力上昇量を低減さ
せるための進み補償を圧力検出信号に加える進み補償フ
ィルタを設けたものである。
【0030】請求項3の発明に係わる原子炉圧力制御装
置では、請求項1の発明の作用に加え、圧力設定変更時
の原子炉出力上昇量は、進み補償フィルタを通した圧力
検出信号により抑制される。
置では、請求項1の発明の作用に加え、圧力設定変更時
の原子炉出力上昇量は、進み補償フィルタを通した圧力
検出信号により抑制される。
【0031】請求項4の発明に係わる原子炉圧力制御装
置は、請求項1の発明において、遅れ補償フィルタの制
御定数は可変設定としたものである。
置は、請求項1の発明において、遅れ補償フィルタの制
御定数は可変設定としたものである。
【0032】請求項4の発明に係わる原子炉圧力制御装
置では、請求項1の発明の作用に加え、遅れ補償フィル
タの制御定数を、炉心運転サイクルの進行に伴い変化す
る炉心燃料の核特性を考慮に入れて設定変更する。これ
により、常に最適な応答特性を得る。
置では、請求項1の発明の作用に加え、遅れ補償フィル
タの制御定数を、炉心運転サイクルの進行に伴い変化す
る炉心燃料の核特性を考慮に入れて設定変更する。これ
により、常に最適な応答特性を得る。
【0033】請求項5の発明に係わる原子炉圧力制御装
置は、請求項2の発明において、変化率制限器の変化率
は可変設定としたものである。
置は、請求項2の発明において、変化率制限器の変化率
は可変設定としたものである。
【0034】請求項5の発明に係わる原子炉圧力制御装
置では、請求項2の発明の作用に加え、変化率制限器の
変化率を、炉心運転サイクルの進行に伴い変化する炉心
燃料の核特性を考慮に入れて設定変更する。これによ
り、常に最適な応答特性を得る。
置では、請求項2の発明の作用に加え、変化率制限器の
変化率を、炉心運転サイクルの進行に伴い変化する炉心
燃料の核特性を考慮に入れて設定変更する。これによ
り、常に最適な応答特性を得る。
【0035】請求項6の発明に係わる原子炉圧力制御装
置は、請求項3の発明において、進み補償フィルタの制
御定数は可変設定としたものである。
置は、請求項3の発明において、進み補償フィルタの制
御定数は可変設定としたものである。
【0036】請求項6の発明に係わる原子炉圧力制御装
置では、請求項3の発明の作用に加え、進み補償フィル
タの制御定数を、炉心運転サイクルの進行に伴い変化す
る炉心燃料の核特性を考慮に入れて設定変更する。これ
により、常に最適な応答特性を得る。
置では、請求項3の発明の作用に加え、進み補償フィル
タの制御定数を、炉心運転サイクルの進行に伴い変化す
る炉心燃料の核特性を考慮に入れて設定変更する。これ
により、常に最適な応答特性を得る。
【0037】請求項7の発明に係わる原子炉圧力制御装
置は、請求項4乃至請求項6の発明において、可変設定
は原子炉起動からの運転期間に基づいて行うようにした
ものである。
置は、請求項4乃至請求項6の発明において、可変設定
は原子炉起動からの運転期間に基づいて行うようにした
ものである。
【0038】請求項7の発明に係わる原子炉圧力制御装
置では、請求項4乃至請求項6の発明の作用に加え、可
変設定は炉心燃料の核特性に相当する運転時間に基づい
て行う。これにより、常に最適な応答特性を得る。
置では、請求項4乃至請求項6の発明の作用に加え、可
変設定は炉心燃料の核特性に相当する運転時間に基づい
て行う。これにより、常に最適な応答特性を得る。
【0039】請求項8の発明に係わる原子炉圧力制御装
置は、請求項4乃至請求項6の発明において、可変設定
は原子炉の炉心状態に基づいて行うようにしたものであ
る。
置は、請求項4乃至請求項6の発明において、可変設定
は原子炉の炉心状態に基づいて行うようにしたものであ
る。
【0040】請求項8の発明に係わる原子炉圧力制御装
置では、請求項4乃至請求項6の発明の作用に加え、可
変設定は炉心燃料の核特性に相当する炉心状態に基づい
て行う。これにより、常に最適な応答特性を得る。
置では、請求項4乃至請求項6の発明の作用に加え、可
変設定は炉心燃料の核特性に相当する炉心状態に基づい
て行う。これにより、常に最適な応答特性を得る。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係わる原子
炉圧力制御装置の構成図である。この第1の実施の形態
は、図5に示した従来例に対し、原子炉圧力の圧力設定
値の変更時に原子炉出力上昇量を低減させるための遅れ
補償を圧力設定値に加える遅れ補償フィルタ10を追加
して設けたものである。
する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係わる原子
炉圧力制御装置の構成図である。この第1の実施の形態
は、図5に示した従来例に対し、原子炉圧力の圧力設定
値の変更時に原子炉出力上昇量を低減させるための遅れ
補償を圧力設定値に加える遅れ補償フィルタ10を追加
して設けたものである。
【0042】図1において、圧力設定器で設定された圧
力設定信号S5に遅れ補償を加えるための遅れ補償フィ
ルタ10を追加し、この遅れ補償の設定によって圧力設
定変更時の原子炉出力の上昇量を低減する。
力設定信号S5に遅れ補償を加えるための遅れ補償フィ
ルタ10を追加し、この遅れ補償の設定によって圧力設
定変更時の原子炉出力の上昇量を低減する。
【0043】圧力設定変更時における原子炉出力上昇量
を抑制し、かつ安定な過渡応答を両立するためには、制
御応答に関して調整要素の自由度を増してやれば良い。
すなわち、圧力調整器9にて出力上昇量と安定性の両者
について調整するのではなく、第1の実施の形態におい
ては、既存の圧力調整器9では圧力制御の安定性を重視
して制御定数を調整し、遅れ補償フィルタ10では原子
炉出力上昇量を考慮して制御定数の調整を行う。遅れ補
償フィルタ10は、圧力制御の安定性には全く干渉しな
いので、自由に原子炉出力上昇量についての調整が行え
る。このようにして、圧力制御の応答特性を最適化する
ことができる。
を抑制し、かつ安定な過渡応答を両立するためには、制
御応答に関して調整要素の自由度を増してやれば良い。
すなわち、圧力調整器9にて出力上昇量と安定性の両者
について調整するのではなく、第1の実施の形態におい
ては、既存の圧力調整器9では圧力制御の安定性を重視
して制御定数を調整し、遅れ補償フィルタ10では原子
炉出力上昇量を考慮して制御定数の調整を行う。遅れ補
償フィルタ10は、圧力制御の安定性には全く干渉しな
いので、自由に原子炉出力上昇量についての調整が行え
る。このようにして、圧力制御の応答特性を最適化する
ことができる。
【0044】ここで、圧力調整器9では進み時定数T1
と遅れ時定数T2との関係を(T1<T2)となるよう
に調整する。一方、遅れ補償フィルタ10では進み時定
数T3と遅れ時定数T4との関係を(T3<T4)とな
るように調整する。
と遅れ時定数T2との関係を(T1<T2)となるよう
に調整する。一方、遅れ補償フィルタ10では進み時定
数T3と遅れ時定数T4との関係を(T3<T4)とな
るように調整する。
【0045】図2は、第1の実施の形態での圧力設定値
の変更時における原子炉圧力及び原子炉出力の特性図で
ある。図2(a)は原子炉圧力の変化量B1〜B3を示
す特性図であり、図6(b)は原子炉出力C1〜C3を
示す特性図である。
の変更時における原子炉圧力及び原子炉出力の特性図で
ある。図2(a)は原子炉圧力の変化量B1〜B3を示
す特性図であり、図6(b)は原子炉出力C1〜C3を
示す特性図である。
【0046】図2(a)において、B1は圧力制御の安
定性を重視した従来例の場合の原子炉圧力の特性曲線、
B2は安定性よりも出力上昇量を重視した従来例の場合
の原子炉圧力の特性曲線、B3は安定性および出力上昇
量について最適化できる本発明の第1の実施の形態での
原子炉圧力の特性曲線である。同様に、図2(b)にお
いて、C1は圧力制御の安定性を重視した従来例の場合
の原子炉圧力の特性曲線、C2は安定性よりも出力上昇
量を重視した従来例の場合の原子炉圧力の特性曲線、C
3は安定性および出力上昇量について最適化できる本発
明の第1の実施の形態での原子炉圧力の特性曲線であ
る。
定性を重視した従来例の場合の原子炉圧力の特性曲線、
B2は安定性よりも出力上昇量を重視した従来例の場合
の原子炉圧力の特性曲線、B3は安定性および出力上昇
量について最適化できる本発明の第1の実施の形態での
原子炉圧力の特性曲線である。同様に、図2(b)にお
いて、C1は圧力制御の安定性を重視した従来例の場合
の原子炉圧力の特性曲線、C2は安定性よりも出力上昇
量を重視した従来例の場合の原子炉圧力の特性曲線、C
3は安定性および出力上昇量について最適化できる本発
明の第1の実施の形態での原子炉圧力の特性曲線であ
る。
【0047】このように、圧力設定信号S5に遅れ補償
を導入することで、安定性悪化を回避しながら圧力設定
変更時の原子炉出力上昇量を低減できる。このようにし
て圧力制御の応答特性の調整裕度を拡大することが可能
になる。
を導入することで、安定性悪化を回避しながら圧力設定
変更時の原子炉出力上昇量を低減できる。このようにし
て圧力制御の応答特性の調整裕度を拡大することが可能
になる。
【0048】ここで、遅れ補償フィルタ10に代えて、
圧力設定信号S5に変化率制限を加える変化率制限器を
設けるようにしても良い。この場合も同様に、既存の圧
力調整器9の進み遅れ補償で圧力制御の安定性を重視し
た調整を行い、圧力設定信号S5における変化率制限の
設定によって原子炉出力の上昇量についての調整を行う
ようにする。これにより、圧力制御の応答特性の調整裕
度を拡大することが可能になる。
圧力設定信号S5に変化率制限を加える変化率制限器を
設けるようにしても良い。この場合も同様に、既存の圧
力調整器9の進み遅れ補償で圧力制御の安定性を重視し
た調整を行い、圧力設定信号S5における変化率制限の
設定によって原子炉出力の上昇量についての調整を行う
ようにする。これにより、圧力制御の応答特性の調整裕
度を拡大することが可能になる。
【0049】次に、本発明の第2の実施の形態を説明す
る。図3は本発明の第2の実施の形態に係わる原子炉圧
力制御装置の構成図である。この第2の実施の形態は、
図1に示した第1の実施の形態に対し、遅れ補償フィル
タ10に代えて、圧力設定値の変更時に原子炉出力上昇
量を低減させるための進み補償を圧力検出信号S1に加
える進み補償フィルタ11を設けたものである。
る。図3は本発明の第2の実施の形態に係わる原子炉圧
力制御装置の構成図である。この第2の実施の形態は、
図1に示した第1の実施の形態に対し、遅れ補償フィル
タ10に代えて、圧力設定値の変更時に原子炉出力上昇
量を低減させるための進み補償を圧力検出信号S1に加
える進み補償フィルタ11を設けたものである。
【0050】圧力設定変更時の原子炉出力の上昇量は、
圧力調整器9の進み遅れ比が小さいほど抑制できるが、
そうすると安定性が悪化する。第2の実施の形態では、
これを圧力検出信号S1に対して進み補償を行うことで
安定性を改善する。すなわち、原子炉出力の上昇量は圧
力調整器9の進み遅れ比が支配するのに対し、安定性は
圧力調整器9の進み遅れ比と進み補償フイルタ11の進
み遅れ比の積に支配される。このため第2の実施の形態
においては、両進み遅れ比の積をほぼ一定になるように
しながら圧力調整器9の進み遅れ比で原子炉出力の上昇
量を改善する。このようにして、圧力制御の応答特性を
最適化することができる。
圧力調整器9の進み遅れ比が小さいほど抑制できるが、
そうすると安定性が悪化する。第2の実施の形態では、
これを圧力検出信号S1に対して進み補償を行うことで
安定性を改善する。すなわち、原子炉出力の上昇量は圧
力調整器9の進み遅れ比が支配するのに対し、安定性は
圧力調整器9の進み遅れ比と進み補償フイルタ11の進
み遅れ比の積に支配される。このため第2の実施の形態
においては、両進み遅れ比の積をほぼ一定になるように
しながら圧力調整器9の進み遅れ比で原子炉出力の上昇
量を改善する。このようにして、圧力制御の応答特性を
最適化することができる。
【0051】ここで、圧力調整器9では進み時定数T1
と遅れ時定数T2との関係を(T1<T2)となるよう
に調整し、遅れ補償フィルタ10では進み時定数T5と
遅れ時定数T6との関係を(T5>T6)となるように
調整する。
と遅れ時定数T2との関係を(T1<T2)となるよう
に調整し、遅れ補償フィルタ10では進み時定数T5と
遅れ時定数T6との関係を(T5>T6)となるように
調整する。
【0052】次に、第1の実施の形態での遅れ補償フィ
ルタ10又は変化率制限器の導入により圧力設定変更時
の原子炉出力の上昇量を低減できるが、その上昇量自体
は、炉心燃料の核特性にも依存する。このため、炉心運
転サイクルの進行に伴い変化する核特性に対して、遅れ
補償フイルタ10の設定が可変であれば、拡大した調整
裕度に加えて常に最適な応答特性を得ることができるよ
うになる。そこで、遅れ補償フィルタ10の制御定数又
は変化率制限器の変化率を可変とする。
ルタ10又は変化率制限器の導入により圧力設定変更時
の原子炉出力の上昇量を低減できるが、その上昇量自体
は、炉心燃料の核特性にも依存する。このため、炉心運
転サイクルの進行に伴い変化する核特性に対して、遅れ
補償フイルタ10の設定が可変であれば、拡大した調整
裕度に加えて常に最適な応答特性を得ることができるよ
うになる。そこで、遅れ補償フィルタ10の制御定数又
は変化率制限器の変化率を可変とする。
【0053】同様に、第2の実施の形態での進み補償フ
ィルタ11の導入により安定性を保持しながら圧力設定
変更時の原子炉出力の上昇量を低減できるが、その上昇
量自体は、炉心燃料の核特性にも依存する。このため、
炉心運転サイクルの進行に伴い変化する核特性に対し、
圧力調整器のみならず圧力検出部の進み遅れ比の設定が
可変であれば、拡大した調整裕度に加えて常に最適な応
答特性を得ることができるようになる。そこで、進み補
償フィルタ11の制御定数の変化率を可変とする。
ィルタ11の導入により安定性を保持しながら圧力設定
変更時の原子炉出力の上昇量を低減できるが、その上昇
量自体は、炉心燃料の核特性にも依存する。このため、
炉心運転サイクルの進行に伴い変化する核特性に対し、
圧力調整器のみならず圧力検出部の進み遅れ比の設定が
可変であれば、拡大した調整裕度に加えて常に最適な応
答特性を得ることができるようになる。そこで、進み補
償フィルタ11の制御定数の変化率を可変とする。
【0054】また、第1の実施の形態における遅れ補償
フィルタ10や変化率制限器、及び第2の実施の形態に
おける進みフィルタ11の設定を可変とすることで、拡
大した調整裕度に加えて常に最適な応答特性を得ること
ができるようになるが、ここで可変設定の考え方は、制
御応答の経年変化に対して最適応答を維持することにあ
る。この制御応答に変化をもたらす主要因は炉心燃料の
核特性である。
フィルタ10や変化率制限器、及び第2の実施の形態に
おける進みフィルタ11の設定を可変とすることで、拡
大した調整裕度に加えて常に最適な応答特性を得ること
ができるようになるが、ここで可変設定の考え方は、制
御応答の経年変化に対して最適応答を維持することにあ
る。この制御応答に変化をもたらす主要因は炉心燃料の
核特性である。
【0055】この炉心燃料の核特性は、事前の運転計画
の段階で充分予測が可能であるので、運転サイクル期間
中の制御応答の補償特性を運転期間の関数として定めて
おくことが可能である。これにより常に最適な圧力制御
応答を得ることができる。
の段階で充分予測が可能であるので、運転サイクル期間
中の制御応答の補償特性を運転期間の関数として定めて
おくことが可能である。これにより常に最適な圧力制御
応答を得ることができる。
【0056】一方、第1の実施の形態における遅れ補償
フィルタ10や変化率制限器、及び第2の実施の形態に
おける進みフィルタ11の可変設定を、炉心燃料の運転
状態に基づくものにすることで、炉心の運転が当初計画
より軌道修正がなさるような場合においても、最適制御
特性を維持するための弾力的な対応が可能になる。
フィルタ10や変化率制限器、及び第2の実施の形態に
おける進みフィルタ11の可変設定を、炉心燃料の運転
状態に基づくものにすることで、炉心の運転が当初計画
より軌道修正がなさるような場合においても、最適制御
特性を維持するための弾力的な対応が可能になる。
【0057】例えば、炉心燃料のボイド係数は、燃料の
燃焼度や制御榛密度、出力分布などに強く依存する。こ
れらのパラメータは炉心運転監視装置などによって得ら
れ、ここから最適な制御定数を事前に定めた関数などに
よって求め可変設定として用いることも可能である。こ
れにより常に最適な圧力制御応答を得ることができる。
燃焼度や制御榛密度、出力分布などに強く依存する。こ
れらのパラメータは炉心運転監視装置などによって得ら
れ、ここから最適な制御定数を事前に定めた関数などに
よって求め可変設定として用いることも可能である。こ
れにより常に最適な圧力制御応答を得ることができる。
【0058】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、原
子炉の圧力検出信号を用いる原子炉圧力制御装置におい
て、制御特性の安定性と圧力設定変更時の原子炉出力上
昇量に関し、制御装置の調整裕度を拡大し、常に最適応
答を得ることができる。このため、原子炉の稼働率が向
上すると共に、電力を安定に供給できる。
子炉の圧力検出信号を用いる原子炉圧力制御装置におい
て、制御特性の安定性と圧力設定変更時の原子炉出力上
昇量に関し、制御装置の調整裕度を拡大し、常に最適応
答を得ることができる。このため、原子炉の稼働率が向
上すると共に、電力を安定に供給できる。
【図1】本発明の第1の実施の形態における原子炉圧力
制御装置の構成図。
制御装置の構成図。
【図2】本発明の第1の実施の形態での圧力設定値の変
更時における原子炉圧力及び原子炉出力の特性図。
更時における原子炉圧力及び原子炉出力の特性図。
【図3】本発明の第2の実施の形態における原子炉圧力
制御装置の構成図。
制御装置の構成図。
【図4】沸騰水型原子力発電プラントの概略を示す構成
図。
図。
【図5】従来の原子炉圧力制御装置の制御ブロック図。
【図6】従来例での圧力設定値の変更時における原子炉
圧力、原子炉出力及び炉心流量の特性図。
圧力、原子炉出力及び炉心流量の特性図。
【図7】進み遅れ回路の一般的な特性の説明図。
1 原子炉 2 主蒸気管 3 蒸気加減弁 4 高圧タービン 5 炉心 6 再循環ポンプ 7 原子炉圧力制御装置 8 再循環流量制御装置 9 圧力調整器 10 遅れ補償フィルタ 11 進み補償フィルタ 12 加算器
Claims (8)
- 【請求項1】 原子炉の圧力検出信号とその圧力設定値
との圧力偏差信号に基づいて蒸気加減弁開度を調節し、
前記原子炉圧力が前記圧力設定値に維持されるように制
御する原子炉圧力制御装置において、前記圧力設定値の
変更時に原子炉出力上昇量を低減させるための遅れ補償
を前記圧力設定値に加える遅れ補償フィルタを設け、前
記圧力設定値の変更の際に最適な過渡応答を得るように
したことを特徴とした原子炉圧力制御装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載の原子炉圧力制御装置に
おいて、前記遅れ補償フィルタに代えて、前記圧力設定
値の変更時に原子炉出力上昇量を低減させるための変化
率制限を前記圧力設定値に加える変化率制限器を設けた
ことを特徴とする原子炉圧力制御装置。 - 【請求項3】 請求項1に記載の原子炉圧力制御装置に
おいて、前記遅れ補償フィルタに代えて、前記圧力設定
値の変更時に原子炉出力上昇量を低減させるための進み
補償を前記圧力検出信号に加える進み補償フィルタを設
けたことを特徴とする原子炉圧力制御装置。 - 【請求項4】 請求項1に記載の原子炉圧力制御装置に
おいて、前記遅れ補償フィルタの制御定数は可変設定で
あることを特徴とした原子炉圧力制御装置。 - 【請求項5】 請求項2に記載の原子炉圧力制御装置に
おいて、前記変化率制限器の変化率は可変設定であるこ
とを特徴とした原子炉圧力制御装置。 - 【請求項6】 請求項3に記載の原子炉圧力制御装置に
おいて、前記進み補償フィルタの制御定数は可変設定で
あることを特徴とした原子炉圧力制御装置。 - 【請求項7】 請求項4乃至請求項6に記載の原子炉圧
力制御装置において、前記可変設定は原子炉起動からの
運転期間に基づいて行うようにしたことを特徴とした原
子炉圧力制御装置。 - 【請求項8】 請求項4乃至請求項6に記載の原子炉圧
力制御装置において、前記可変設定は原子炉の炉心状態
に基づいて行うようにしたことを特徴とした原子炉圧力
制御装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9202595A JPH1138180A (ja) | 1997-07-14 | 1997-07-14 | 原子炉圧力制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9202595A JPH1138180A (ja) | 1997-07-14 | 1997-07-14 | 原子炉圧力制御装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1138180A true JPH1138180A (ja) | 1999-02-12 |
Family
ID=16460083
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9202595A Pending JPH1138180A (ja) | 1997-07-14 | 1997-07-14 | 原子炉圧力制御装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1138180A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007170359A (ja) * | 2005-12-26 | 2007-07-05 | Hitachi Ltd | タービン制御装置 |
-
1997
- 1997-07-14 JP JP9202595A patent/JPH1138180A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007170359A (ja) * | 2005-12-26 | 2007-07-05 | Hitachi Ltd | タービン制御装置 |
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