JPH1143727A - 重力鋳造方法 - Google Patents

重力鋳造方法

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JPH1143727A
JPH1143727A JP19613297A JP19613297A JPH1143727A JP H1143727 A JPH1143727 A JP H1143727A JP 19613297 A JP19613297 A JP 19613297A JP 19613297 A JP19613297 A JP 19613297A JP H1143727 A JPH1143727 A JP H1143727A
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JP
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powder
vol
alloy
casting
molten metal
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JP19613297A
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English (en)
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Tetsuya Nukami
哲也 額見
Yukio Okochi
幸男 大河内
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Tiの活性化温度(750℃程度)より低い
鋳造温度でも、Tiのゲッター効果を発現させて重力下
で粉末成形体に金属溶湯を含浸させることができる重力
鋳造方法を提供する。 【解決手段】 AlまたはAl基合金粉末と、Ti粉末
と、脱酸・脱窒のためのTiの活性化温度よりも低温で
Alと発熱反応を起こす反応物質の粉末0.05〜30
vol%とから成る成形体に、金属または合金の溶湯を重
力下で含浸させる。反応物質としては、Ni、Cu、A
g等を用いることができる。含浸させる金属または合金
の溶湯は、典型的にはAl、Mg等の軽金属および軽合
金である。この重力鋳造方法により、一般には軽合金等
の合金を製造することができ、特に成形体中に更に強化
材を添加することにより、分散強化型金属基複合材料を
製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉末成形体に金属
または合金の溶湯を重力下で含浸させる重力鋳造法に関
する。
【0002】
【従来の技術】粉末成形体に金属溶湯を含浸させて合金
または金属基複合材料を製造する方法が知られている。
この方法を用いると、一般の鋳造法では均一な組織を得
難い組成の合金の製造、粉末の形で金属溶湯に添加した
のでは混合し難いような強化材を均一に分散させた金属
基複合材料の製造、更に強化対象部位に粉末成形体を配
置して金属溶湯で鋳ぐるむ局所的な複合強化等ができ
る。
【0003】粉末成形体に金属溶湯を含浸させるには、
成形体の微小な空隙に金属溶湯を十分に浸透させる必要
があるため、一般には高圧鋳造が行われる。しかし、高
圧鋳造法によらず通常の重力鋳造により含浸を行うこと
ができれば、生産性および製造コストの面で非常に有利
である。本出願人は、特願平8−321626号におい
て、AlまたはAl合金粉末、Fe合金粉末およびTi
粉末から成る粉末成形体を用いることにより、Tiのゲ
ッター効果を利用して重力鋳造によってAl溶湯を含浸
させることを提案した。すなわち、成形体中に含まれる
Tiの脱酸・脱窒反応により空隙内の空気が除去され、
空隙内の内圧が大きく低下して真空状態に近くなり、溶
湯に対する吸引作用が生じる。その結果、特に高圧鋳造
によらず通常の重力鋳造によっても空隙内へ溶湯を十分
に浸透させることができる。
【0004】しかし、Tiのゲッター効果を利用するに
は、Tiの脱酸・脱窒作用が容易に起きるようにTiが
活性化する温度で鋳造を行う必要がある。このTiの活
性化温度は750℃程度であり、これより低温での重力
鋳造では、含浸が十分に行われず、例えばAl基複合材
料の場合にAlマトリクスの高温強度が低下する等の不
具合が生ずる。
【0005】このようにTiをゲッターとして利用して
含浸を行う重力鋳造法は、Tiの活性化温度以下での鋳
造には適用できないという限界があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、Tiの活性
化温度(750℃程度)以下の低温でも、重力下で粉末
成形体に金属溶湯を十分に含浸させることができる重力
鋳造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の重力鋳造方法は、AlまたはAl基合金
粉末と、Ti粉末と、脱酸・脱窒反応のためのTiの活
性化温度よりも低温でAlと発熱反応を起こす反応物質
の粉末0.05〜30 vol%とから成る成形体に、金属
または合金の溶湯を重力下で含浸させることを特徴とす
る。
【0008】本発明の重力鋳造方法においては、脱酸・
脱窒のためのTiの活性化温度よりも低温でAlと発熱
反応を起こす反応物質が存在するので、溶湯と接触した
粉末成形体が溶湯からの熱により上記発熱反応の起きる
温度に昇温すれば、その反応熱により反応系の温度をT
iの活性化温度以上にまで昇温させることができる。し
たがって、注湯される溶湯温度(鋳造温度)自体はTi
の活性化温度以下であっても、Tiのゲッター効果を発
現させることができるので、粉末成形体の微小な空隙に
も重力下で溶湯を十分に浸透させることができ、重力鋳
造により良好な含浸を行うことができる。
【0009】Tiの活性化温度以上に昇温させる発熱反
応を起こすには、成形体中に上記反応物質が0.05 v
ol%以上存在する必要がある。ただし、反応物質が30
vol%以上存在しても鋳造物の脆化を助長するだけであ
り発熱効果の増大は見込めない。本発明においては、粉
末成形体中にTiと、Alと、反応物質とが共存しさえ
すれば、Alと反応物質との発熱反応によりTiの活性
化温度に到達させてTiのゲッター効果を発現させるこ
とができる。すなわち、金属または合金の溶湯であれ
ば、溶湯の種類にはよらず重力鋳造により含浸させるこ
とができる。
【0010】
【発明の実施の形態】含浸させる溶湯は上記のとおり特
に限定する必要はないが、本発明の重力鋳造方法に用い
る代表的な溶湯は、AlやMg等の軽金属および軽合金
の溶湯である。Tiの活性化温度よりも低温でAlと発
熱反応を起こす反応物質の含有量は、熱発生と脆化抑制
の両方の観点から、0.5〜10 vol%の範囲内である
ことが望ましく、1〜5 vol%の範囲内であることが最
も望ましい。
【0011】Tiの活性化温度よりも低温でAlと発熱
反応を起こす典型的な反応物質として、Ni、Cuおよ
びAgから成る群から選択された1種を単独で、または
2種以上を組み合わせて用いることができる。例えば、
反応物質としてNiを用いた場合、溶湯と接触して加熱
された成形体が昇温する過程においてNi+3Al→N
iAl3 という発熱反応が優先的に起きて、成形体およ
びその近傍の温度が上昇してTiが活性化され、Tiの
ゲッター反応(脱酸・脱窒反応)が起きて成形体空隙へ
の溶湯吸引作用が誘起され、重力鋳造が促進される。
【0012】発熱反応の生成物であるNiAl3 等の金
属間化合物は、製造された鋳造物中に微細に分散して高
温強度等の機械的特性の向上にも寄与する。高圧鋳造に
比べて、重力鋳造による含浸の利点は、生産性向上とコ
スト低減という製造面での利点ばかりでなく、成形体の
空隙内への吸引作用により溶湯が浸透するので高圧鋳造
時のような外圧負荷による成形体の亀裂発生も無くなる
という製品の品質面での利点も得られる。
【0013】本発明の重力鋳造方法は、一般には、粉末
成形体の構成成分であるAlまたはAl合金、Ti、お
よび反応物質(Ni,Cu,Ag等)と、含浸溶湯の構
成成分である金属または合金とから成る合金を製造する
ことができるし、特別な形態として、成形体に更に強化
材を含ませると、分散強化型金属基複合材料を製造する
ことができる。強化材としては、金属基複合材料に分散
強化材として用いられるものであればどのような種類の
ものでもよく、特に限定する必要はない。すなわち、材
質は金属、金属間化合物、酸化物、窒化物、炭化物、炭
窒化物、硼化物、その他のセラミックス等でよいし、形
態は粒状、繊維状等のいずれでもよい。一つの典型例と
しては、含浸溶湯をAl合金としてAl基複合材料を製
造する際に、成形体中に強化材としてFe合金粉末等を
添加して耐磨耗性等を向上させることができる。
【0014】本発明の粉末成形体の典型例においては、
AlまたはAl基合金粉末の含有量は10〜85 vol
%、Ti粉末の含有量は1〜30 vol%である。Alま
たはAl基合金粉末は、反応物質との発熱反応によりT
iを活性化するために10 vol%以上存在することが望
ましく、Ti量、反応物質量、空隙率を必要な値に確保
するために一般に85 vol%以下とするのが適当であ
る。
【0015】Ti粉末は、ゲッター効果を発現するため
に1 vol%以上存在することが望ましいが、30 vol%
より多量に存在しても更にゲッター効果が向上すること
はなく鋳造物の脆化を助長する傾向が現れる。このよう
に、上記範囲の含有量とすることにより、適度な空隙率
で成形体を容易に成形でき、Tiによるゲッター効果を
発現させて重力鋳造による成形体中への含浸を容易に行
うことができる。
【0016】一般に、成形体は空隙率が10 vol%〜6
0 vol%の範囲内であることが望ましい。空隙率が10
vol%未満になると、大きい成形力が必要になる上、空
隙内への溶湯浸透に対する抵抗力が大きくなり含浸が困
難になる。空隙率が60 vol%より大きくなると、成形
体の構造自体を維持することが困難になる。
【0017】
【実施例】
〔実施例1〕2024−37Si合金粉末(東洋アルミ
ニウム製、−100メッシュ)、Ti粉末(住友シチッ
クス製、−325メッシュ)、および本発明による反応
物質としてのNi粉末(INCO社製、type25
5)から成る粉末成形体(形状:φ30×10mm)を
作成した。成形体中での粉末の体積率は、Ti粉末は1
0 vol%で一定とし、2024−37Si合金粉末を4
0〜70 vol%の範囲で、Ni粉末を0〜30 vol%の
範囲でそれぞれ表1に示す種々の値として、粉末全体の
総体積率が80 vol%(すなわち空隙率20 vol%)に
なるようにした。
【0018】
【表1】
【0019】この成形体をAl合金溶湯(組成:JIS
−AC8A、温度:650℃)中に30秒間浸漬した
後、取り出して凝固させた。この方法は重力下で含浸を
行う通常の重力鋳造に対応しており、小さい試料と少な
い溶湯量で金型も要らずに実行できるため、条件を種々
変化させて実験を行うのに適した方法である。得られた
鋳造物に220℃×6時間のT6処理を施した後、光学
顕微鏡により組織を観察した。これによる含浸状態の判
定結果を表1に示す。判定の方法は、◎(特に良好:ポ
ア量が0.1 vol%以下)、○(良好:ポア量が0.1
vol%を超え1 vol%以下)、×(不良:ポア量が1 v
ol%を超える)とした。
【0020】表1に示したように、本発明により0.0
5 vol%〜30 vol%の範囲でNi粉末を添加すること
により、ポア量が1 vol%以下の良好な含浸状態が得ら
れる。更にNi粉末の体積率を1 vol%〜30 vol%の
範囲内に限定すると、ポア量が0.1 vol%以下の特に
良好な含浸状態が得られる。表1には示していないが、
Ni粉末の体積率を30 vol%より多量にしても、含浸
状態が更に向上することはなく、NiAl3 等の金属間
化合物が多量に生成して脆化の傾向が現れる。したがっ
て、Ni粉末の添加量は30 vol%を上限とすることが
適当である。 〔実施例2〕実施例1と同様に、粉末成形体の作成、溶
湯中への浸漬、T6処理を行った。ただし、Ti粉末の
体積率は5 vol%で一定とし、2024−37Si合金
粉末を45〜75 vol%の範囲で、Ni粉末を0〜30
vol%の範囲でそれぞれ表2に示す種々の値として、粉
末全体の総体積率が80 vol%になるようにした。
【0021】T6処理後に、光学顕微鏡観察を行い実施
例1と同じ方法で含浸状態を判定した結果、表2に示し
たように、Ni粉末の体積率と含浸状態との関係は実施
例1と同様であった。
【0022】
【表2】
【0023】〔実施例3〕実施例1と同様に、粉末成形
体の作成、溶湯中への浸漬、T6処理を行った。ただ
し、本発明による反応物質としてNiに代えてCuおよ
びAgをそれぞれ単独または両者を組み合わせて用い
た。成形体中での各粉末の体積率は、Ti粉末は10 v
ol%で一定とし、総体積率が80 vol%となるように2
024−37Si合金粉末、Cu粉末、Ag粉末の各体
積率を表3に示すように種々に組み合わせた。T6処理
後に、光学顕微鏡観察を行い実施例1と同じ方法で含浸
状態を判定した結果を表3に示す。表3に示したよう
に、本発明の規定範囲内の体積率で反応物質としてCu
粉末および/またはAg粉末を添加することにより、重
力鋳造によって十分良好な含浸状態が得られた。
【0024】
【表3】
【0025】〔実施例4〕2024−37Si合金粉末
(東洋アルミニウム製、−100メッシュ)70vol
%、Ti粉末(住友シチックス製、−325メッシュ)
5 vol%、および本発明による反応物質としてのNi粉
末(INCO社製、type255)5 vol%から成る
粉末成形体(形状:φ30×10mm)を作成した。成
形体中での粉末全体の総体積率は80 vol%である。
【0026】この成形体を、表4に示した種々の温度に
保持したJIS−AC8A合金溶湯中に30秒間浸漬し
た後、取り出して凝固させた。得られた鋳造物に実施例
1と同じくT6処理を施した後、光学顕微鏡観察を行い
実施例1と同じ方法で含浸状態を判定した結果を表4に
示す。表4に示したように、溶湯温度が650℃以上で
十分良好な含浸状態が得られた。従来の重力鋳造では、
Tiを活性化してゲッター効果を発現させ良好な含浸状
態を得るには、鋳造時の溶湯温度(鋳造温度)を750
℃以上にする必要があった。これに対して、本発明によ
れば従来より100℃低温でも十分良好な含浸が可能に
なる。
【0027】
【表4】
【0028】〔実施例5〕Fe−63wt%Cr−7C合
金粉末(福田金属製、−250メッシュ)20 vol%お
よびTi粉末(住友シチックス製、−325メッシュ)
5 vol%に、Al−38wt%Si合金粉末(東洋アルミ
ニウム製、−100メッシュ)とNi粉末(INCO社
製、type255)を、各々45 vol%と10 vol
%、または54 vol%と1 vol%、または55 vol%と
0 vol%になるように秤量混合し、粉末成形体(形状:
φ30×10mm)を作成した。
【0029】この成形体をAl合金溶湯(組成:JIS
−AC8A、温度:650℃)中に30秒間浸漬した
後、取り出して凝固させた。得られた鋳造物に220℃
×6時間のT6処理を施した後、光学顕微鏡により組織
を観察した。Ni粉末無添加(0 vol%)の場合には、
成形体にAl合金溶湯は含浸されておらず、成形体の空
隙がほぼそのままポアとして鋳造物中に存在していた。
【0030】Ni粉末を10 vol%または1 vol%添加
した場合には、マイクロポアを含めてどのようなポアも
存在せず、成形体への含浸が十分に行われていた。この
ように、本発明によりNi粉末を添加することにより、
単に合金溶湯中に浸漬することにより重力下で十分に含
浸が行われていており、重力鋳造による含浸が成されて
いた。
【0031】比較のために、Ni粉末無添加(0 vol
%)の場合と同じ配合組成の粉末成形体に、上記と同じ
くJIS−AC8A合金溶湯を高圧鋳造にて含浸させ
た。これは、高圧鋳造用の金型内に成形体を配置して5
00℃×1時間の余熱を行った後に、鋳造温度800
℃、金型温度280℃、加圧条件130MPa×30秒
で行った。鋳造後は直ちに70℃の温水中に焼き入れ、
次に上記と同じT6処理を施した。
【0032】本発明によりNi粉末を10 vol%または
1 vol%添加して重力鋳造した前述の試料と、上記Ni
粉末無添加で高圧鋳造した試料とについて、耐凝着性試
験を行った。その結果、本発明による重力鋳造材は高圧
鋳造材と同等の耐凝着性を示した。耐凝着性試験は、図
1に示すようにヒータ10を内蔵し互いに対向する台1
1、12から成る試験機により行った。台11には試験
片W(φ90×厚さ10mm)を、台12には相手材と
してエンジンのピストンリングを想定して17wt%Cr
ステンレス鋼窒化リング13を、それぞれ装着し、台1
2を矢印Y方向に往復運動させてリング13を試験片W
の表面に叩きつける。これを、温度280℃、面圧0.
1MPaにて10分間行った後、試験片W表面の凝着面
積を測定した。
【0033】更に、Ni粉末を増量して、Al−38wt
%Si合金粉末25 vol%、Ni粉末30 vol%とした
以外は上記と同じ条件で重力鋳造により溶湯含浸を行っ
て鋳造物を作成し、上記と同じくT6処理後に組織を観
察した。Ni粉末10 vol%および1 vol%の場合と同
様にポアは無かった。ただし、NiAl3 等の金属間化
合物が多量に析出したために体積膨張が起きており、若
干脆化の傾向が認められた。 〔実施例6〕Fe−63wt%Cr−7C合金粉末(福田
金属製、−250メッシュ)10 vol%およびTi粉末
(住友シチックス製、−325メッシュ)10 vol%
に、Al−38wt%Si合金粉末(東洋アルミニウム
製、−100メッシュ)とNi粉末(INCO社製、t
ype255)を、各々50 vol%と10 vol%、また
は59 vol%と1 vol%、または60 vol%と0 vol%
になるように秤量混合し、粉末成形体(形状:φ30×
10mm)を作成し、この成形体を実施例5と同じく重
力鋳造による溶湯含浸およびT6処理を行った。
【0034】光学顕微鏡観察による含浸状態の判定結果
は実施例5と同様であった。すなわち、Ni粉末無添加
(0 vol%)の場合には、成形体にAl合金溶湯は含浸
されておらず、成形体の空隙がほぼそのままポアとして
鋳造物中に存在していた。これに対して、Ni粉末を1
0 vol%または1 vol%添加した場合には、マイクロポ
アを含めてどのようなポアも存在せず、成形体への含浸
が十分に行われていた。このように、本発明によりNi
粉末を添加することにより、単に合金溶湯中に浸漬する
ことにより重力下で十分に含浸が行われていており、重
力鋳造による含浸が成されていた。
【0035】また、本発明によりNi粉末を10 vol%
または1 vol%含有する上記の成形体を、約300℃に
余熱した金型(JIS船金型)内に配置し、Al合金溶
湯(組成:Al−12wt%Si−5wt%Mg、温度:7
00℃)を注湯した。得られた鋳造物に実施例5と同じ
T6処理を施した後、組織観察したところ、マイクロポ
ア等の無い良好な含浸状態であることが確認された。
【0036】更に、Al−38wt%Si合金粉末に代え
て2024合金粉末を用いた以外は上記と同じ条件で重
力鋳造による含浸およびT6処理を行った場合にも、本
発明によりNi粉末を10 vol%または1 vol%添加し
た試料については上記と同様に良好な含浸状態が得られ
た。また、2024合金粉末の体積率を65 vol%と
し、Fe−63wt%Cr−7C合金粉末は添加せずに
(0 vol%)、Ti粉末を10 vol%、Ni粉末を5 v
ol%とした場合にも、マイクロポア等の無い良好な含浸
状態が得られた。ただしこの場合には耐凝着性の向上よ
りも強度特性の向上が顕著であり、Al−38wt%Si
を用いた場合に比べて約50%の強度向上が認められ
た。 〔実施例7〕Al−38wt%Si合金粉末(東洋アルミ
ニウム製、−100メッシュ)70vol%、Ti粉末
(住友シチックス製、−325メッシュ)5 vol%、N
i粉末(INCO社製、type255)5 vol%を秤
量混合し、粉末成形体(形状:70mm×20mm×2
0mm)を作成した。成形体における粉末全体の総体積
率は80 vol%(空隙率20 vol%)である。
【0037】この成形体をAl合金溶湯(組成:JIS
−AC8A、温度:650℃)中に30秒間浸漬した
後、取り出して凝固させた。得られた鋳造物に220℃
×6時間のT6処理を施した後、機械加工して引張試験
片を作製した。比較のために、上記のAl−38wt%S
i合金粉末(東洋アルミニウム製、−100メッシュ)
80 vol%から成る粉末成形体(空隙率20 vol%)を
作製し、上記と同じくJIS−AC8A合金溶湯を高圧
鋳造にて含浸させた。これは、高圧鋳造用の金型内に成
形体を配置して500℃×1時間の余熱を行った後に、
鋳造温度800℃、金型温度280℃、加圧条件130
MPa×30秒で行った。鋳造後は直ちに70℃の温水
中に焼き入れ、次に上記と同じT6処理を施した後、機
械加工して引張試験片を作製した。
【0038】上記の各試験片を200℃において引張試
験した結果、本発明による重力鋳造材は引張強さが約2
20MPaであり、高圧鋳造材の約250MPaとほぼ
同等の引張強さが得られた。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
Tiの活性化温度(750℃程度)より低い鋳造温度で
も、Tiのゲッター効果を発現させて重力下で粉末成形
体に金属溶湯を含浸させることができる重力鋳造方法が
提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、耐凝着性試験機の断面図である。
【符号の説明】
10…ヒータ 11,12…台 13…相手材(17wt%Crステンレス鋼窒化リング) W…試験片(円板) Y…往復運動の方向

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 AlまたはAl基合金粉末と、Ti粉末
    と、脱酸・脱窒反応のためのTiの活性化温度よりも低
    温でAlと発熱反応を起こす反応物質の粉末0.05〜
    30 vol%とから成る成形体に、金属または合金の溶湯
    を重力下で含浸させることを特徴とする重力鋳造方法。
  2. 【請求項2】 前記反応物質が、Ni、CuおよびAg
    から成る群から選択された1種以上の物質であることを
    特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記成形体が、更に強化材を含んで成る
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
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