【発明の詳細な説明】
ヒドロキシル化芳香族のタンパク質架橋性化合物の局所塗布による、上皮過増殖
症の治療法
発明の分野
本発明は、上皮過増殖症の新たな治療法に関する。特に、皮膚の損傷の局所的
な治療に特定のクラスの化合物が用いられる。これらの化合物は概してヒドロキ
シル化芳香族のタンパク質架橋性化合物であり、広範な皮膚病に対して有用であ
る。
発明の背景
非腫瘍性および腫瘍性皮膚過増殖性疾患は広く見られ、ヘルスケア提供者にと
ってより一層の負担となっている。近年、皮膚への紫外線照射量が増加したため
、光線性角化症のような前悪性病変の発生が顕著に増加した。外表鱗状および基
底細胞ガン数は、現在米国において年間70万件を超える(American Cancer Soci
ety,1994)。同様の(足裏および生殖器の)イボおよび他の局所的な皮膚過増殖
症例は極めて広く見られる。
現在の所、臨床医の使用し得る効果的な治療法は十分には存在しない。これら
の症例に対する治療方式には、変異細胞を破壊するための、組織の切除または凍
結が含まれる。これらの方法は非選択的であり、過増殖細胞が残存して再発を引
き起こし、または正常な細胞が損傷して組織に創傷を生じる為、常に得られる処
置ではない。これらの方法は多く痛みを伴い、罹患者には耐え難い。(特に足裏
のいぼの治療において)過増殖性の皮膚の病変を局所的に剥離させ細胞を直接的
に殺すためには、サリチル酸のような剥離性の酸性化合物が用いられる。しかし
、この治療法は過増殖性細胞に対して選択的であるわけではなく、常に効果的で
あるわけではない。前悪性および悪性病変の治療には、ブレオマイシンおよび5-
フルオロウラシル(5FU )のような細胞毒性試薬の局所的塗布が用いられ、生殖
器のイボにはポドフィロトキシンが用いられる。これらの試薬は直接的な細胞毒
性によって働き、種々の機構によって増殖中の細胞のDNA 合成を阻害するため、
その毒性には多少の懸念が存在する。これらの試薬は正常な皮膚を完全に損傷さ
せ得るため、正常な皮膚との接触を避けるように極めて細心に塗布されねばなら
ず、これらの化合物を全身的に吸収することによっても患者は大きな危険にさら
され得る。腫瘍性皮膚病変の治療のために、ビタミンA 誘導体である各種レチノ
イドが近年導入された。しかしながら、これらの化合物は治癒性ではなく抑圧性
であり、これらの薬剤の投与を停止すると再発につながる。
上皮は皮膚の最も外側の層である。この器官は絶えず一連の再生を行っており
、上皮細胞の内層である上皮角質細胞が常に増殖しながら、グルタミン転移酵素
による細胞タンパク質の架橋によって、プログラムされた細胞死を引き起こす最
終分化を行って角質化した外皮を形成し、これが角質層を形成する。この過程は
過増殖性皮膚症、特にウィルス性病変、光線性角化症、および小腫瘍(ネオプラ
ズム)、また他の過増殖症例においては変異を受ける(Yuspa S.H.,Cancer Res.
,54,1178-1189,1994,Molecular Biology of the Skin-the keratinocyte,eds Da
rmon and Blumenberg,Chapter 7,207-243,1993)。
本発明の目的は、ヒドロキシル化芳香族のタンパク質架橋性試薬である、ある
クラスの化合物の局所的塗布による過増殖性上皮症の治療法を提供する事である
。この方法によって治療され得る過増殖性上皮症には、増殖調整機構が破壊され
た多くの皮膚病が含まれる。このような疾病の例には、一般的にイボを引き起こ
す乳頭腫ウィルス感染細胞および、皮膚の前悪性および悪性外表腫瘍がある。さ
らに、子宮頚部過増殖症例が本発明の方法によって局所的に治療され得る。
本発明の別の目的は、桂皮酸誘導体およびその類似分子(その飽和形態を含む
)、特にメチル 2,5ジヒドロキシ桂皮酸を過増殖性上皮病変の治療において用い
ることである。メチル-2,5ジヒドロキシ桂皮酸は、本発明において有用な化合物
のクラスの、好ましい1 つであり、過増殖性上皮病変の治療、特に基底または鱗
状細胞ガンの治療において、局所用製剤として極めて有効である。
本発明の更に別の目的は、足裏イボのようなより角質化した病変を伴う皮膚疾
患の治療において、疎水性ヒドロキシル化芳香族のタンパク質架橋性化合物を用
いることである。これらの化合物は優秀な組織透過性を有し、角質層の下部の上
皮疾病を治療するために用いられ得る。
発明の概要
本発明は、ヒドロキシル化芳香族のタンパク質架橋性化合物の局所的な塗布に
よる、過増殖性上皮疾患の治療法に関する。このクラスの化合物は、次の一般式
の化合物からなる:
(式中、
カリール); Y=H、アルキル;アラルキル、アルカリール;アリール;ヘテ
ロアリール;
−アルカリール;またはN−アラルキル);
構造式I中の点線--は二重結合が存在しうることを表し、構造式II中の点線--
の円は、環が完全に飽和した状態を表す。)
上の式は、アラルキルおよびアルカリール基の大きさが好ましくはC7からC13
であり、アリールが好ましくはC6からC12であり、ヘテロアリールがヘテロ原子(
例えばN 、O および/ またはS)を含み得るというようにさらに限定される。式II
においては、各V およびW は炭素またはヘテロ原子(例えばN 、O および/ また
はS)であり得る。
本発明は、腫瘍性および非腫瘍性上皮過増殖症の治療において、ヒドロキシル
化芳香族のタンパク質架橋性化合物を用いることに関する。特に、本発明は広範
な種類の局所的上皮過増殖疾患(いぼ、子宮頚部腫瘍、光線性角化症のような前
悪性病変、良性および悪性腫瘍を含む)の局所的治療を提供する。1つの好まし
い態様においては、メチル2,5-ジヒドロキシ桂皮酸(本明細書中ではMCと称する
)が局所的塗布によって利用される。
本発明は、ヒト腫瘍およびHPV 感染細胞の増殖を阻害するためのヒドロキシル
化芳香族のタンパク質架橋性化合物に関する。本発明はまた、正常な皮膚形成に
際して起きる変化と類似の細胞タンパク質の変化を誘導し、過増殖性細胞をより
正常な型に変換する。本発明の化合物の毒性は、生体内試験系としてネズミの皮
膚を用いて検査した。作用が二重機構である、即ち、増殖阻害およびタンパク質
架橋作用のため、本発明の試薬はこれらの過増殖性皮膚疾患のための臨床設備に
加えるに有用である。
図面の簡単な説明
図1.MCは上皮細胞系列の架橋タンパク質を増加させる。黒い四角は、HPV18 ヒ
ト上皮角質細胞を示す; 黒い丸は、SV40感染ヒト角質細胞を示す; 黒い三角は、
(SQCC-Y1)細胞を示す; 白い三角は、(SP-1)良性腫瘍マウス角質細胞を示す; 白
い四角は(308細胞)良性マウス角質細胞を示す; 白い丸は、(I-7)細胞マウス鱗状
細胞ガンを示す。
図2.MCによって誘導された、架橋タンパク質エンベロープ構造のSP-1細胞形態
。SP-1細胞を媒体(AおよびC)または250 μM のMC(BおよびC)で48時間処理した。
A およびB では、位相差対照顕微鏡写真を撮影した。C およびD では、細胞を2%
SDS,20mM DTT中に回収し、10分煮沸し、生じた試料の写真を撮影して、架橋角質
エンベロープの形成を示した。
図3.A:MCに応答したマウス初代角質化細胞の角質化の時系列。四角は1.4 mM
Ca2+を表し、三角は100 μM MC、1.4mMCa2+を表し、塗りつぶされた丸は1mM MC
、1.4mMCa2+を表す。B:MCはマウス初代角質化細胞において4 時間以内にMT
T の減少を阻害する。細胞を1.4mM Ca2+およびMCを含む培地中で4 時間インキュ
ベートし、次にMTT(培地中に0.5mg/ml)を加えてさらに4 時間インキュベートし
、フォルマザン生産の決定をした。
図4.マウス初代角質化細胞における架橋タンパク質の産生量と増殖阻害。細胞
増殖は黒色の四角で表し、架橋タンパク質の産生量は白色の四角で表す。結果は
3 つの組を用いた1 つの実験の±標準偏差(n=3)である。
図5.A431(ヒト子宮頚部ガン)細胞における架橋タンパク質の産生量と増殖阻
害。細胞の増殖は黒色の丸により、架橋タンパク質の産生量は白色の丸で示す。
結果は3 つの組を用いた1 つの実験の±標準偏差(n=3)である。
図6.グルタン転移酵素阻害剤はMCによる蛋白質の架橋を阻害しない。ハッチン
グ円柱はグルタミン転移酵素阻害剤で処理していないことを示し; 黒色の円柱は
100 μM のLTB2で処理したことを; 白色の円柱は100 μM のHPB2で処理したこと
を示す。結果は3 つの組を用いた1 つの実験の±標準偏差であり、2 つの独立の
測定を行った。
図7.MCはマウス初代角質化細胞におけるグルタミン転移酵素活性を増大させな
い。黒色の円柱は1.4mM Ca2+培地内での未処理細胞を表し; ハッチング円柱は1
mM MC で処理した細胞を表す。細胞質は「C 」で、膜画分は「M 」で表す。結
果は±標準偏差(n=2 )であり、同様の実験において繰り返された。
図8.MCは4 ℃および37℃においてマウス初代角質化細胞中に架橋タンパク質を
誘導する。「C 」は対照の試料を表す。結果は2 つの組を用いた1 つの実験の±
標準偏差であり、独立の実験を行った。
図9.胸腺欠損ヌードマウス皮膚へのMCの局所的投与。パラフィンに包埋した組
織より組織学的切片を得、ヘマトキシリンおよびエオシンによって染色した。パ
ネルa は媒体を用いた対照であり、パネルb は100 μM MC、パネルc は1mM MC、
パネルd は10mM MC 、パネルe は100mM MCである。拡大率は200 倍である。
図10.MC は移植されたSP-1細胞の腫瘍形成を阻害する。棒の上の数字は腫瘍を
生じた個体数/ 母集団の個体数を示す。パネルA においてはMCは週に2 回2 週間
投与された。パネルB においてはMCは週5 回で3 週間投与された。
図11.MC 誘導体によるSQCC-Y1 細胞における架橋タンパク質の産生。
図12.実施例9 および10に記載したヒドロキシル化芳香族のタンパク質架橋性
化合物の化学構造、結果は図11に示す。
図13.MC をヌードマウスの皮膚に局所的に投与した場合、急性の炎症または壊
死を起こさない。写真は実験終了と共に殺した後に撮影された。
発明の詳細な説明
本発明のヒドロキシル化芳香族のタンパク質架橋性化合物は高濃度において化
学的蛋白質架橋活性をもつ特定の一群の化合物である。本明細書に記載したこの
架橋効果は新規のものであり、上皮の過増殖性疾患に対して固有の重要性を有す
る。即ち局所的な投与によって薬剤を特定の作用部位に作用させ、上皮細胞の分
化に類似した過程によって細胞を殺傷する。
本発明は、効果的なタンパク質架橋性薬剤として働き、角質化細胞由来の細胞
の内在的な最終分化の過程で生じるものに類似したタンパク質性エンベロープを
産生する、ヒドロキシル化芳香族化合物を提供する。試験した全ての細胞型が本
発明のヒドロキシル化芳香族のタンパク質架橋性化合物に対して架橋性の反応を
示したことによって、いぼ、化学線角質化細胞腫のような前悪性病変および、良
性および悪性腫瘍を含む広範な種類の局所的な過増殖性上皮疾患の局所的な治療
の可能性が本薬剤には見込まれる。本明細書で用いる「病変」という用語は、境
界を持った病理学的組織変化または、点または斑状の皮膚疾患として定義される
。
本発明のヒドロキシル化芳香族化合物の架橋効果は迅速であり、異常な細胞の
除去のための細胞死をもたらす。低濃度においてはヒドロキシル化芳香族のタン
パク質架橋性化合物は細胞増殖およびチロシンキナーゼを阻害する(Umezawa et
al.,FEBS Lett.,314,3,289-292,1992,Hori et al.,J.Antibiot.,45,280-282,199
2,Umezawa et al.,FEBS Lett.260,198-200,1990)。これらの効果はまた過増殖性
疾患の治療において有用である。これらの効果に必要な濃度と架橋に必要な濃度
との違いは、架橋反応がMCのチロシンキナーゼを阻害する性質とは独立であるこ
とを示唆する。さらにチロフォスチン、ヘルビマイシンA およびラベンダスチン
A を含む確立したその他のチロシンキナーゼ阻害剤は架橋を誘導することができ
ない〔表II参照)。4 ℃においては細胞の諸過程および酵素活性が阻害される。
しかし、ヒドロキシル化芳香族の蛋白質架橋性化合物、とくにMCは4 ℃および37
℃において効果的に架橋
されたタンパク質を誘導する。このことは生物学的ではなく化学的な過程が含ま
れることを明確に示す。MCを用いた生体内(in vivo)の研究によって、正常な上
皮組織に対してMCが有害でないことが明らかになったが、特異的な病変への局所
的な投与に際して正常な皮膚を回避することが、近年使用されている細胞傷害性
の薬剤を用いた場合より重要ではなくなることが示唆される。これはMCが角質層
を透過できないことを反映していると考えられる。基底細胞腫のようなあまり分
化していない過増殖性疾患においては、MCが疾患領域の細胞を特異的に標的とす
るため、この効果は有用であると考えられる。
魚の目のような、より角質化した過増殖性疾患においてはより高度の組織透過
性が必要であろうし、また、より脂溶性の高いヒドロキシル化芳香族のタンパク
質架橋性化合物が用いられ得る。より脂溶性の高いヒドロキシル化芳香族のタン
パク質架橋性化合物の例は67H-69A 、67H-98A 、67H-124A、67G-146Aである。こ
れらの化合物は疎水性が増大しているため、より容易に皮膚を透過し、従って魚
の目のようなより角質化した皮膚疾患の治療において有効となる。さらに、これ
らの化合物は増大した安定性を有する。
本発明の方法において有用な一群の化合物は、特異的な機構で作用すると考え
られる。オルトまたはパラヒドロキシル化芳香族は、容易に対応するキノンへと
酸化されることが知られている。その結果得られるキノンは求核試薬の攻撃を受
け易い。従ってヒドロキシル化芳香族の架橋ははじめ、反応性のキノン中間体へ
の酸化によって起こり、求核成分(例えばタンパク質のSHまたはNH2側鎖)のビ
ス付加を受け、架橋を生じ得る。
本発明の1 つのヒドロキシル化芳香族のタンパク質架橋性化合物、MCは、血清
中で短い半減期を有する(Hori et al.,J.Antibiot.,45,280-282,1992)。この化
合物がその局所的な架橋効果を迅速に作用させ(図3)、血流中で希釈され、分解
されることで不活化し、全身的な副作用を防止することが出来る点で有利であり
得る。
芳香環のオルトまたはパラ位に置換基を持つ化合物は特に重要である。細胞へ
の透過性の増大のため、薬剤前駆体の形としてヒドロキシル基を分解から保護し
てもよい。そのような薬剤前駆体の誘導の例はエステル化である。細胞内に入る
とエステル分解酵素によって活性型の遊離のヒドロキシル化合物が遊離する。一
般構造式中のY 置換基の形もまた細胞の透過性に影響すると予想される。例えば
脂溶性のエステル基が細胞膜の透過性を増大させると期待される。
ヒドロキシル化芳香族のタンパク質架橋性化合物がタンパク質の架橋を誘導す
る能力が細胞種特異的であることは、この化合物が過増殖条件下でなんらかの特
異性を発揮することを示唆する。架橋効果に対するマウス初代角質化細胞の増大
した感受性は、正常な形質と関連がない。例えば包皮由来のヒト上皮角質細胞の
初期培養細胞は、MCが250 μM 以下でMCの架橋効果に反応しなかった。移植モデ
ルを用いた研究では、1 および100mM の濃度におけるMCの腫瘍形成阻止作用が示
された。ヒドロキシル化芳香族のタンパク質架橋性化合物は、細胞タンパク質を
架橋し、角質化したエンベロープ構造を形成し、上皮角質化細胞の正常な分化の
プログラムを引き起こす非生物学的機構による細胞死を誘導する。その増殖阻害
活性に加えて、本明細書に記載された一群の化合物の特異的な架橋能は、皮膚の
過増殖疾患の局所的な治療に対して新規の機構を提供する。
本発明の1 つの態様は、エルブスタチン類似物であり、チロシンキナーゼの阻
害とは独立な機構によって正常および悪性の上皮細胞中に架橋タンパク質のエン
ベロープを形成するメチル2,5-ジヒドロキシ桂皮酸を用いる。メチル2,5-ジヒド
ロキシ桂皮酸(MC)はチロシンキナーゼ阻害剤である。その上皮細胞分化誘導能
を評価するため、薬剤と共に48時間インキュベートされた後に架橋タンパク質性
エンベロープを測定した。試験した全ての細胞(初代角化細胞、マウスSP-1、3
08(乳頭腫)、1-7〔癌腫〕細胞およびヒト細胞株SQCC-Y1(鱗状腫瘍)、A431
(上皮腫瘍)およびHPV18 またはSV40感染角化細胞)において、MCは架橋タンパ
ク質を投与量〔0.1-1mM )に依存して増大させた。分化を確認する為に、MC処理
したマウス初代角質化細胞のグルタミン転移酵素(TGアーゼ)活性、TGアーゼ
阻害剤LTB-2 およびHPB-2 による蛋白質の架橋の阻害、および蛍光性のTGアーゼ
の基質であるダンシルカダベリンのエンベロープへの取り込み量を調べた。その
結果、本薬剤の作用機序へのTGアーゼの関与が否定された。MCは4 ℃において、
リン酸緩衝塩水中でインキュベートしたNIH3T3繊維芽細胞にもタンパク質性エン
ベロープを誘導したが、このことは非生理学的な過程であることを示唆する
。ジチオスレイトール(DTT 、20mM)を3T3 細胞に同時に投与することで、37℃
および4 ℃におけるMCによる架橋が防がれた。EGF 受容体を用いた試験管内(in
vitro)試験のウエスタンブロット解析によって、DTT はMCによるチロシンキナー
ゼの阻害を妨げないが、MCによって誘導されるEGF 受容体の可動性の妨害が阻害
されることが示されたが、これは薬剤または受容官能基の酸化は架橋形成に影響
しないことを示唆する。本発明は、MCが上皮細胞の分化を誘導しないが、高濃度
においてタンパク質の化学的な架橋を引き起こすことを示すものである。この効
果は増殖阻害性と共に、皮膚のいぼまたは外表腫瘍の局所的な治療において臨床
的に有用であると考えられる。
さらなる利用方法において、本発明は、癌誘発性の刺激に暴露された身体の特
定の部位に対して、MCのようなヒドロキシル化芳香族のタンパク質架橋性化合物
を含む組成物を予防薬として利用することによって、良性、前悪性および悪性細
胞の増殖を妨げる方法を含む。
本発明はまた、腫瘍を除去することまたは治癒させることのみでなく、予防薬
として利用して発病を防ぐということに効果的であることが見いだされた。腫瘍
の確立を防ぐために、本発明のヒドロキシル化芳香族のタンパク質架橋性薬剤は
、毎日好適には局部的に使用されるようにクリームおよび軟膏または化粧品の形
態で製剤化することが可能である。
本発明の方法において使用されるヒドロキシル化芳香族のタンパク質架橋性化
合物の有効な量は、さまざまで広い範囲にわたる。本発明の方法におけるヒドロ
キシル化芳香族のタンパク質架橋性化合物の典型的な量の範囲は、およそ0.0001
wt% ないし5wt%の間であり、好適には本発明に従って利用したヒドロキシル化芳
香族のタンパク質架橋性化合物の量は、およそ0.001wt.% から2wt.% の範囲にわ
たる。本明細書中において使用する、製剤の重量パーセントは、処置を行う部位
に効果的に運搬される物質濃度のことである。
一般的には、利用される化合物の有効な量および濃度とは、組成物を使用する
処置、すなわち抗腫瘍治療において必要な特性を示すような組成物中の量および
濃度のことである。特に、本発明の化合物は、タンパク質の架橋および細胞死を
引き起こす。この現象は、上皮過増殖病変の処置において正常な細胞の特性へ促
す利点がある。好適な量は、処方部位の特定の条件、処置を行う部位への有効成
分の運搬の速さ、および使用す製剤の適用回数に依存する。特定の利用における
好適な量は、当該技術分野において使用されている通常の薬剤的なスクリーニン
グ方法によって決定される。もし望むならば、治療部位の特定の条件に適用する
ように、過剰量の化合物が使用可能である。皮膚ネオプラズムの増殖阻害を観察
するためには、少なくとも域値量の本発明の化合物を腫瘍細胞に接触させること
が必要であることが見いだされた。この最小量は、腫瘍細胞1ミリリットルあた
り化合物がおよそ10ナノモル以上であるということがわかっている。
キャリヤー物質は薬学的製剤の技術分野において既知のものであり、溶媒また
は賦形剤と呼ばれる物質を含む。キャリヤーは、無機質または有機質を含み、化
合物を拡散させるために必要な十分な粘性を保持し、局部的に適用される組織に
対して十分な接着力を提供するものでなければならない。このようなキャリヤー
の例には、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(好
適には分子量がおよそ400 からおよそ8000のあいだである)のようなポリオール
、それらの適切な混合物、植物油、および当業者に既知の他の物質が含まれるが
、これに限られない。製剤の粘性は、例えば、高分子量のポリエチレングリコー
ルの使用といった、当該技術分野において既知の方法で調節することが可能であ
る。
ヒドロキシル化芳香族のタンパク質架橋性化合物およびキャリヤーに加えて、
製剤は、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸並びに、例えばパラヒ
ドロキシ安息香酸のメチル、エチル、プロピル、およびブチルエステルといった
抗微生物剤のような薬剤的に受容可能な添加物または調整物を含むことが可能で
ある。製剤はまた、増粘剤またはゲル化剤、乳化剤、潤化剤、色素、緩衝剤、安
定剤および当該技術分野において既知の技術に従ってブチルヒドロキシアニソー
ルのような酸化防止剤を含む保存剤も含むことが可能である。製剤はまた、ジメ
チルスルフィキシドのような浸透促進剤、ノノキシノールのような長鎖アルコー
ル、長鎖カルボン酸、プロピレングリコール、N-(2- ヒドロキシエチル)ピロリ
ドン、1-ドデシル- アザシクロヘプタン-2- オンなどを含むことが可能である。
利用方法および治療する病気に応じて、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼ
ラチンのような吸収遅延剤の使用が望ましい場合もありうる。
製剤の組成物は、ゲル、クリーム、軟膏、固形、液体、準固形などの薬学的な
製剤を提供するために製剤の技術分野において既知の成分を使用して調製するこ
とが可能である。製剤の特定の物理的形態は、望ましい処置方法および処方され
る患者に依存する。
本発明の薬学的組成物の典型的な製剤は、表Iにおいて説明する。記載した態
様において、好適な濃度範囲は、1mg/100ml-2g/100mlまたは0.0001%-5%w/w であ
る。水性の環境において不安定な誘導体には、局所的な利用を行うために以下の
製法が提供される。好適な軟膏を、ヒドロキシル化芳香族化合物を1ml の100%エ
タノール中に混合し、それから白色ワセリンまたはラノリンと混合することによ
って調製することが可能である。ローション用の単純な製法は、本発明のヒドロ
キシル化芳香族化合物を100%エタノール中に単に混合することによって調製され
る。あるいは、コレステロール以外の成分をすべて混合して(表1参照)融解す
るまで加熱することによって、親水性のワセリンを調製することが可能である。
融解したところで、コレステロールを添加する。この混合物は、すべての化合物
が溶解するまで撹拌する。冷却してから、ヒドロキシル化芳香族化合物を1ml の
100%エタノール中に予め溶解したものを混入する。水性の環境において安定な誘
導体には、さらに以下の製法が好適である:水(20% まで)を上述の親水性のワ
セリンに添加して油中水性の乳濁液を作成することが可能である。
コールドクリーム用には、ホウ酸ナトリウム及び水以外のすべての成分(表I
参照)を70℃で溶解する。この非水性成分へ、ホウ酸ナトリウムを水に溶解して
添加し、冷めるまで撹拌する。
特定の用量を提供するのに必要な特定の製剤における活性成分の濃度は、キャ
リヤーの特性および製剤に導入される特定の添加物に基づいて薬学的製剤の技術
分野に従事する者によって決定される。有意に高濃度で本発明の化合物を含む製
剤も、使用するキャリヤーおよび添加物によっては調製できると考えられる。も
し、キャリヤーが化合物を実質的に保持し続けてゆっくりとした割合で放出する
場合には、製剤中の化合物の濃度を実際に増加させることができ、効果的な処置
を行うために実際に増加が必要となるかもしれない。実用上、製剤は活性成分を
最小濃度で含むことが好ましく、これは望ましい数の処置法で病気を効率的に処
置するため、すなわち多数回投与を使用するためには、薬剤の有効量が少ない方
が受け入れ易いためである。この低濃度の限界は、キャリヤー媒体の輸送効率に
依存する。好適には、本発明の化合物は、製剤のおよそ0.0001からおよそ5 重量
パーセント含まれる。
本発明の好適な態様は、MCすなわちメチルジヒドロキシ桂皮酸を含む組成物を
含む。この組成物は、動物実験により、皮膚癌の腫瘍を治療するのに特に効果的
であることが知られている。治療部位に運搬されるMCの効率的な濃度は、とりわ
けキャリヤーおよび製剤に含まれる他の添加物に依存し、通常、製剤に含まれる
MCの濃度はおよそ0.0001からおよそ5 重量パーセントの範囲である。こうした範
囲は、本明細書において上述したように、濃度は、キャリヤー物質、使用する適
用数などに応じて幅広い範囲にわたって調節されるということがわかっていると
おり、説明的なものであって限定的なものではない。
局所的な利用において、本発明の組成物は、患者の病気の範囲または苦しむ部
位に利用される。”局所的な”という言葉は、本明細書において、特に皮膚のよ
うな上皮組織表面、固体状の腫瘍を皮膚から除去した部位のみならず、切除また
は何らかの変化を受けた皮膚の腫瘍表面のことである。あるいは、”局所的な”
は、子宮頚腫に対する製剤の利用についても含む。
局所的な利用に適した製剤の調製において、本発明の組成物は、通常適切な溶
媒と混合する。この目的に効果的な溶媒の例には、エタノール、アセトン、酢酸
、アルカリ水溶液、ジメチルスルホキシド、グリセリン、グリセロール、プロピ
レングリコール、ノノキシノール、エチルエーテル、ポリエチレングリコールな
どが含まれる。
さらに、アスコルビン酸(好適には0.1%)、ヒドロキシキノン、亜硫酸塩ナト
リウム、メタ亜硫酸塩などの酸化防止剤を製剤に添加することが可能である。
以下の実施例は本発明を説明するために特定の方法について実験を行ったもの
である。こうした実験は、本発明の非限定的な例である。他の態様は当業者には
容易に想定され、本発明の範囲内に含まれる。
実施例1
試薬。メチル2,5-ジヒドロキシ桂皮酸(MC)および表IIに記載したチロシンキナ
ーゼ阻害剤は、LC Laboratories,Woburn,Mass より入手し、MCに関連した化合物
(図10)はT.R.バーク博士、NCI,ベテスダの研究室において合成された。
3-(4,5- ジメチルチアゾール-2- イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド
(MTT)はSigma より入手した。
細胞培養。初代マウス角質細胞(ケラチノサイト)を、BALB/c新生マウスの皮
膚より単離した。初代角質細胞である良性ネオプラズマ角質細胞系列308 および
SP-1(ストリックランドら、Cancer Res.,48,165-169,1988 )およびマウス鱗状
細胞ガン細胞系列1-7(グリーンハルら.,Proc.Natl.Acad.Sci.,87,643-647,1990)
を、8%ウシ胎児血清(FCS)(chelexed)およびペニシリン20iu/ml,ストレプトマ
イシン20μg/ml(P/S)を含むイーゲルの最小培地で生育させた。特に明示しない
限り、培地中のCa2+濃度は0.05mMに調整した(ヘニングら.,Cells,19,245-254,19
80)。A431ヒト表皮状ガン細胞は、ATCC,ロックバイル、ミズーリ州より入手し
、常法のとうり10%FCS,P/S,グルタミン(2mM)およびピルビン酸(1mM)を含むDMEM
中で継代した。SQCC-Y1 ヒト鱗状細胞ガン細胞および発ガン性のないHPV18 およ
びSV40を感染させたヒト角質細胞は、それぞれハーバード大学、ボストン、マサ
チューセッツ州のジェームズ レインワルド博士およびジョージタウン大学、ワ
シントンD.C.のリチャード シュレーゲル博士の好意により贈与された。ヒト細
胞は、DMEM/Ham's F12 1:1,10%FCS,P/S および上皮細胞増殖因子10ng/ml の中で
培養した。
MC は上皮細胞系列において架橋タンパク質を増加させる。細胞を48時間MCと共
にインキュベートし、それから架橋タンパク質を単離し実施例1に記載したよう
に測定した。結果は一度の実験で±SD(n=3)であり、図1に示したように2-3 の
個々の決定因子を示す。MCは、正常な表現型の細胞(マウス初代角質細胞)、過
増殖細胞(SV40感染)、いぼ状細胞(HPV18 感染)、光線性角化細胞(SP-1,308)
,およびがん細胞(A431,SQCC-Y1,1-7)を含むヒトおよびマウス角質細
胞由来の細胞系列において架橋性エンベロープ産物を誘導した(図1-5)。
実施例2
MC に応答した初代マウス角質細胞の角質化時間経過。初代マウス角質細胞を0,
0.5,1,4 および48時間MCとともにインキュベートし、以下のように処理した。
角質化したエンベロープの測定。本測定は、以下の改変を伴い、文献に記載さ
れたように不溶性の架橋タンパク質エンベロープを測定する(ホウ- モンローら
.,Analytical biochem.,199,25-28,1991)。角質化したエンベロープは、2%ドデ
シル硫酸ナトリウム(SDS),20mM ジチオスレイトール(DTT)を含むリン酸緩衝液(P
BS)中に単層細胞を集めることによって調製した。付着しなかった細胞は培養液
中から沈澱させ、これを再びSDS/DTT 中に懸濁し、付着した細胞と共に保存した
。試料は10分間煮沸した。角質化したエンベロープ試料を、光学位相差を用いて
顕微鏡下で調べ、真空ポンプにつながっている96穴ドットブロット装置上にてRC
メンブレン(シュライヒャーおよびシェル、キーン、ニューハンプシャー州)に
適用した。試料をSDS/DTT で3回洗浄し、RC60メンブレン上に得られたタンパク
質のスポットを固定し、記載されたように染色した。スポットを切り出しし、1%
濃NH3OH溶液、66% メタノール(200μl)で一晩かけて溶出した。溶出物の吸光度
を600nm にてタイターテックプレートリーダーにて測定した。
角質化は、細胞を1mM で処理して4 時間以内に起こった。48時間後には、1mM
および100 μM の量はどちらも初代角質細胞を角質化するのに効果的であった(
図3A)。
MTT 細胞毒性測定。MTT は、ミトコンドリアのデヒドロゲナーゼ酵素によって
還元されて青いホルマザン産物になる色素である。細胞のMTT 還元能力は、細胞
の生存度(viability)を測定するのに使用可能である(モスマンT.,J.Immunol.Me
thods,65,55-63,1983)。示した時間のあいだMCと共にまたはMCを加えないで細
胞を96穴プレートにてインキュベートし、それから0.5mg/mlのMTT とともにさら
に4 時間インキュベートした。培地を除去し、88.9%DMSO,11.11%グリシン緩衝液
(100mM グリシン、100mM NaCl pH10.5)を個々のウェルに加えた。ホルマザンが
分解されるように20分間プレートを振とうさせ
、それから吸光度を570nm にてプレートリーダーにて測定した。
実施例3
マウス初代角質細胞における架橋タンパク質の生産と増殖の阻害。細胞を低密
度にて培養し、3 日間MCで処理した。それから、細胞の数を数えて、細胞数の増
加を未処理のコントロールと比較し、または細胞を架橋タンパク質測定用に処理
した(図4)。タンパク質の架橋はマウス初代角質細胞において1mM で4 時間以
内に開始して急速に起こり(図3A)、MTT 測定によって測定したところ、細胞死
をともなっていた(図3B)。
A431 ヒト表皮状がん細胞における架橋タンパク質の生産と増殖の阻害。細胞を
低密度にて培養し、3 日間MCで処理した。それから、細胞の数を数えて、細胞数
の増加を未処理のコントロールと比較し、または細胞を架橋タンパク質測定用に
処理した(図5)。
これらの結果は、細胞増殖に影響を与えるのに必要なMCの濃度はタンパク質の
架橋を促進するのに必要な濃度よりも低いことを示唆している。例えば、初代マ
ウス角質細胞において、細胞の20% のみが25μM のMCにおいて増殖を続ける一方
で、タンパク質の架橋を形成するためには50μM 以上のMCが必要である。A431細
胞において、75μM のMCは細胞増殖を有意に阻害するが、タンパク質の架橋への
影響は250 μM 以下の濃度では明確ではない。それゆえ、タンパク質の架橋は、
細胞増殖を阻害するのに必要な濃度よりも高い濃度が必要とされることが明らか
になった(図4 および5 )。
実施例4
グルタミン転移酵素阻害剤はMCによるタンパク質の架橋を阻害しない。初代マ
ウス角質細胞を75μM または1000μM のMCまたは10nMのスタウロスポリン(stsp
)とともに、100 μM のグルタミン転移酵素(TGase)阻害剤であるLTB2およびHPB
2を添加または添加しないで、48時間インキュベートした。阻害剤はMCまたはsts
p添加の30分前に添加した(図6 )。架橋タンパク質は、実施例2に記載した角
質化エンベロープ測定法によって測定した。図6 に示した結果は、MC架橋活
性はスタウロスポリンの活性同様にグルタミン転移酵素阻害剤によって影響され
ないことを示している。
MC はマウス初代角質細胞においてグルタミン転移酵素活性を上昇させない。マ
ウス初代角質細胞を示した時間のあいだ1.4mM Ca2+入りの培地中でインキュベー
トした。MCに誘導される架橋は4 時間以内に開始する(図3 参照)。細胞を細胞
質(C )とトライトン-X100 に可溶性の膜(M )画分に分離した(図7 )。それ
ぞれの画分はタンパク量を標準化し、リヒチら.,J.Biol.Chem.,260,1422-1426(1
985)の方法を使用してグルタミン転移酵素活性を測定した。実験の結果は、未処
理の細胞に比較して、架橋活性がみられる期間(4 時間)細胞をMCで処理しても
グルタミン転移酵素は刺激されないことを示している。TGase 活性を上昇させる
キナーゼ阻害剤であるスタウロスポリンによる誘導とは異なり、タンパク質の架
橋はグルタミン転移酵素(TGase)阻害剤によって阻害されず(ドルゴスおよびイス
パ、Cancer Res.,51,4677-4684,1991)(図6 )、細胞内のTGase 活性はMCによる
架橋が開始するときにも上昇しない(図7 )ことから、細胞内の架橋性酵素はこ
の効果に含まれないことが示唆された。
実施例5
MC は4 ℃および37℃にて初代マウス角質細胞における架橋タンパク質を誘導す る
。細胞を48時間4 ℃または37℃にてMCまたはスタウロスポリン(stsp)と共に
培地中でインキュベートし、それから架橋タンパク質を単離し、実施例2に記載
したように角質化エンベロープ測定法によって測定した。MCによる架橋は4 ℃お
よび37℃にておこり、これにより温度依存的であるスタウロスポリンとは異なり
、非生物学的な過程(むしろ、化学的過程)であることが示唆された。
実施例6
ある範囲のチロシンキナーゼ阻害剤について、308 およびSQCC-Y1 細胞におい
て架橋タンパク質のエンベロープを作成するための能力を試験した。すべての阻
害剤は、LC Laboratories,Woburn,Mass より市販品として入手された。使用した
濃度はチロシンキナーゼを阻害する範囲内であった。チロホスチンの濃度は、37
℃における培地への溶解度のために限定された。
表II.チロシンキナーゼ阻害剤はタンパク質の架橋を誘導しない
本発明のヒドロキシル化芳香族のタンパク質架橋性化合物でみられたタンパク質
の架橋活性は、どのチロシンキナーゼ阻害剤においてもみられなかった。この発
見は、本発明のヒドロキシル化芳香族のタンパク質架橋性化合物は、チロシンキ
ナーゼ阻害活性としては実質的に機能していないということを示している。実際
に、これら2つの活性の間にはなんの関係もみられない。
実施例7
無胸腺ヌードマウスの皮膚への局所的なMCの塗布。無胸腺マウスの皮膚へ塗布
し、毎週5回、2週間にわたって塗布した後にその毒性について、炎症、潰瘍ま
たは他の兆候を観察することによって、およびMCを塗布した後に無胸腺マウスの
皮膚のパラフィン埋包切片を顕微鏡を用いて観察することによって、MCの急性局
所毒性を測定した。8週齢のオスnu/nu マウスを5つの処置グループに分け、ア
セトン媒体中の10% DMSO中にてMCを局所的に投与した。マウスは、コントロール
媒体、100 μM MC,1mM MC,10mM MC または100mM MCで処理した。処理は1週間に
5回、2週間行い、それから動物を犠牲にして背側の皮膚を4 ℃で24時間カルノ
イ溶液中において、それから100%エタノールにて固定した。組織学的切片をパラ
フィン埋包組織から採取し、ヘマトキシンおよびエオシンで染色した。図13には
、ヌードマウスの皮膚に対するMCの効果を図示する。
MC はヌードマウスの皮膚に局所的に塗布した場合に、急性炎症または壊死を引 き起こさない
。8 週齢のオスnu/nu マウスを処置グループに分け、アセトン媒体
(25μl )中の10% DMSO中のMCを局所的に背側の皮膚に投与した。処理は1週間
に5回、2週間行った。MCをヌードマウスの背側の皮膚に局所的に処理した2週
間、塗布した部位における全身的な毒性の兆候または皮膚の変化について、動物
を観察した。100mM におけるパッチ状の茶色のしみ以外は何の変化も観察されな
かった(図13)。MCそのものは黄茶色なので、高濃度の薬剤の蓄積のためになん
らかの変色がおこったと予想される。顕微鏡を使用しての観察では、MCは10mMま
でなら正常な無胸腺マウスの皮膚に急性毒性または炎症を引き起こさない。試験
に使用した一番高い濃度である100mM では、上皮細胞の空胞が生じ、局所的な炎
症浸潤が観察されたが、明らかなネクローシスは観察されなかった(図9 )。
実施例8
皮膚移植およびin vivo における処置。文献に記載されたように(ストリック
ランドら.,Carcinogenesis,14,205,1993)、8X106個の新生SENCARマウス皮膚繊
維芽細胞とともに0.5X106個のSP-1細胞を使用して、無胸腺症のマウスに皮膚移
植を行った。ドーム(皮膚移植を行った部位に覆い被せるプラスチックのカバー
)を移植の一週間後に外し、それから一週間後に、局所的なMCの塗布を開始した
。薬剤は90% アセトン、10% DMSO媒体25μl を使用して適用した。週に一度、移
植の5週間目まで腫瘍の測定を記録した。
MC は移植したSP-1細胞の腫瘍形成を阻害する。移植は上記に記載したように行
った。ひとつのマウスグループでは、MCを1週間に2回、2週間塗布した(図10
A に示した)。第2のグループでは、MCを1週間に5日、3週間塗布した(図
10B に示した)。腫瘍は実験の終わりにカリパスを使用して測定し、腫瘍の表現
型を顕微鏡にて確認するために腫瘍を固定して切片を採取した。MCは、1mM およ
び100mM の濃度でヌードマウスの背中に移植された腫瘍細胞系列であるSP-1由来
の腫瘍の増殖を阻害した。実施例9
いくつかのヒドロキシル化芳香族タンパク質架橋試薬の合成 石油エーテル
は沸点が35〜60℃のものであり、溶媒の除去は減圧下での回転蒸発によって
行った。シリカゲル濾過はTLCグレードシリカゲル(5〜25μアルドリッチ
)を用いて行った。融点はMel Temp II融点装置で測定し、未補正で
ある。元素分析はジョージア州ノークロスのアトランティク マイクロラボ社か
ら得たものであり、断りがなければ理論値の0.4%以内である。迅速原子衝撃
質量スペクトル(FABMS)はVG 2035データシステム制御下のVGア
ナリティカル7070E質量分析計で得た。1H NMRデータはブルッカーA
C250(250MHz)計測器で得た。
桂皮酸類似体の合成 桂皮酸類似体の合成は、文献に記載の技術の直接的応
用によって行った。”方法A”および”方法B”とする2つの一般的な方法を用
いた:
方法A: カフェー酸 β−フェニルエチルエステル(CAPE、67H− 42−A)の合成
1.80g(10mmol)のカフェー酸、17.9mL(1
50mmol)のβ−フェニルエチルアルコールおよび100mgのp−トルエンス
ルホン酸のベンゼン(100mL)中の溶液をディーンスタークトラップで還流
しながら一晩撹拌した。溶媒および過剰のアルコールを蒸留によって除去し、残
留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/CHCl3)によって精
製した。生成物を結晶化(エーテル/石油エーテル)して、67H−42−Aを
純白の結晶1.0g(35%)として得た:融点128.0℃ 126〜128
℃)(Grunberger, D. et al., Experiment
ia,(1988) 44:230−2)。
3,4−ジフルオロ桂皮酸 β−フェニルエチルエステル(67J−17−A )
方法Aに記載のように3,4−ジフルオロ桂皮酸とβ−フェニルエチルア
ルコールとを反応させて、67J−17−Aを純白の結晶(収率38%)として
得た:融点53〜57℃;1H NMR(CDCl3)δ:7.49(d,1H,
J=16Hz),7.30−7.05(m,8H),6.27(d,1H,J=
16Hz),4.36(t,2H,J=7.0Hz),3.82(s,3H),
2.95(t,2H,J=7.0Hz);FABMS(NBA, +VE)m/
z 289(M+H)。分析(C17H14O2F2)C,H。
方法B: 2,5−ジヒドロキシ桂皮酸 β−フェニルエチルエステル(6 7H−124−A)の合成
2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒド(138
mg、1.0mmol)、430mg(0.93mmol)の(カルボキシメチル)−ト
リフェニルホスホニウムクロリド、β−フェニルエチルエステル[融点162〜
165℃(分解);148〜151℃](Bankova, V., et a
l., J. Nat. Prod. (1990) 53:821−4)およ
び粉末の無水K2CO3(586mg、4.24mmol)の無水DMF(2mL)中
の混合物を周囲温度で一晩撹拌した。次に、粗反応混合物をブライン(50mL
)中の0.5N HCl/酢酸エチル(3×50mL)の間で分配し、ブライン
(50mL)中の0.5N HCl、ブライン(2×50mL)で洗浄し、乾燥
し(MgSO4)、溶媒を除去して黒っぽいシロップ(577mg)を得た。粗
生成物をまずCHCl3、次いでCHCl3中の5%酢酸エチルを用いてシリカパ
ッドに通した。得られた淡黄色結晶をエーテル(石油エーテル)から再結晶して
、純粋な67H−124−Aをベージュ色の結晶(115mg、収率43%)と
して得た;融点123〜125℃;1H NMR(CDCl3)δ:7.86(d
,1H,J=16Hz),7.30−7.17(m,5H),6.88(d,1
H,J=2.7Hz),6.70(dd,1H,J=2.7Hz & 8.6H
z),6.64(d,1H,J=8.6Hz),6.44(d,1H,J=16
Hz),4.36(t,2H,J=7.1Hz),2.96(t,2H,J=7
.1Hz);ABMS(NBA, −VE) m/z 283(M−H)。分析
(C17H16O4)C,H。
2,3,4−トリヒドロキシ桂皮酸 β−フェニルエチルエステル(67H −80−C)
上記方法Bに記載のように2,3,4−トリヒドロキシベンズ
アルデヒドと(カルボキシメチル)−トリフェニルホスホニウムクロリド、β−
フェニルエチルエステルとを反応させて粗生成物を得、これをシリカパッドに何
回も通し、エーテル:石油エーテルから最終的に結晶化することによって精製し
て、純粋な67H−80−Cを19%の収率でベージュ色の結晶として得た:融
点144℃ 軟化 147〜150℃;1H NMR(DMSO−d6)δ:9.
77(s,1H),8.60(s,1H),7.78(d,1H,J=16Hz
),7.36−7.18(m,5H),6.95(d,1H,J=8.5Hz)
,6.37(d,1H,J=16Hz),6.36(d,1H,J=8.5Hz
),4.31(t,2H,J=6.9Hz),2.95(t,2H,J=6.9
Hz);FABMS(NBA、 −VE) m/z 299(M−H)。分析(
C17H16O5・1/4H2O)C,H。
2,4,5−トリヒドロキシ桂皮酸 β−フェニルエチルエステル(67H −98−A)
反応を周囲温度で2時間行った以外は上記方法Bに記載のよう
に3,4,5−トリヒドロキシベンズアルデヒドと(カルボキシメチル)−トリ
フェニルホスホニウムクロリド、β−フェニルエチルエステルとを反応させた。
何回もシリカゲルクロマトグラフィーに通すことによって精製して淡黄色泡状物
を得た。石油エーテル:エーテル中で粉砕して、67H−98−Aを21%の収
率で淡黄色の固体として得た:融点146〜149℃;1H NMR 9.62
(s,1H),9.52(s,1H),8.45(s,1H),7.75(d,
1H,J=16Hz),7.37−7.18(m,5H),6.87(s,1H
),6.38(s,1H),6.16(d,1H,J=16Hz),4.30(
t,2H,J=6.8Hz),2.95(t,2H,J=6.8Hz);FAB
MS(NBA、 −VE) m/z 299(M−H)。分析(C17H16O5・
1/4H2O)C,H。
カフェー酸 2−(2−ナフチル)エチルエステル(67H−72−B)
反応時間を3日に延長した以外は上記方法Aに記載のように、カフェー酸と2
−(2−ナフチル)エタノールとを反応させて、生成物を白色固体として得、そ
の後、クロマトグラフィーを行った。エーテル中で粉砕して純粋な67H−72
−Bを純白な固体として3%の全体収率で得た:融点174.5〜176.5℃
;1H NMR(DMSO−d6)δ:9.61(brs,1H),9.14(b
rs,1H),7.93−7.78(m,5H),7.52−7.42(m,3
H),7.04(s,1H),6.99(d,1H,J=8.1Hz),6.7
6(d,1H,J=8.1Hz),6.24(d,1H,J=15.9Hz),
4.43(t,2H,J=6.7Hz),3.14(t,2H,J=6.7Hz
);FABMS(NBA、 −VE) m/z 333(M−H)。分析(C21
H18O4・1/4H2O)C,H。
カフェー酸 2−(1−ナフチル)エチルエステル(67H−148−A)
反応時間を6日に延長した以外は上記方法Aに記載のようにカフェー酸と2
−(1−ナフチル)エタノールとを反応させて、生成物67H−148−Aを純
白な固体として21%の全体収率で得た:融点165〜168℃;1H NMR
(DMSO−d6)δ:8.21(d,1H,J=8.1Hz),7.97−7
.94(m,1H),7.84(t,1H,J=5Hz),7.64−7.39
(m,5H),7.03(d,1H,J=1.8Hz),6.99(dd,1H
,J=1.8Hz & 8.1Hz),6.23(d,1H,J=15.9Hz
),4.44(t,2H,J=7.0Hz),3.45(t,2H,J=7.0
Hz);FABMS(NBA、 −VE) m/z 333(M−H)。分析(
C21H18O4・1/4H2O)C,H。
3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン酸 β−フェニルエチルエ ステル(67H−69−A)
2(284mg、1.0mmol)のエタノール(
25mL)中の溶液をパル装置中、40psiのH2の下、10%Pd−C(1
00mg)上で水素添加した(2.5時間)。反応混合物をセライトに通して濾
過し、エーテル:石油エーテルから結晶化して、生成物67H−69−Aをオフ
ホワイト色の結晶(175mg、収率61%)として得た:融点72.5〜73
.5℃;1H NMR(DMSO−d6)δ:8.75(s,1H),8.67(
s,1H),7.36−7.18(m,5H),6.61(d,1H,J=8.
0Hz),6.57(d,1H,J=1.9Hz),6.40(dd,1H,J
=1.9Hz & 8.0Hz),4.21(t,2H,J=6.9Hz),2
.86(t,2H,J=6.8Hz),2.64(t,2H,J=6.9Hz
),2.49(t,2H,J=6.8Hz);FABMS(NBA、 −VE)
m/z 285(M−H)。分析(C21H18O4)C,H。
6.7−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸 β−フェニルエチルエステル(6 7H−46−A)
6N HCl(20mL)中の346mg(1.5mmol)の
6,7−ジメトキシ−2−ナフトイルアミド(Burke、T.R., et
al., J. Med. Chem. (1933) 36, 425−43
2)の全体を還流しながら撹拌し(24時間)、次に、冷却し、そして6,7−
ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸を紫色の固体(260mg)として集めた。方法
Aに記載のように225mg(1.10mMol)部をフェニルエチルアルコールで
エステル化した(反応時間2日)。クロマトグラフィー精製(CHCl3、その
後、酢酸エチル)して固体を得、これをCHCl3に懸濁し、濾過により集めて
、67H−46−Aを純白の針状結晶(100mg、全体収率25%)として得
た:融点175〜176℃;1H NMR(DMSO−d6)δ:8.33(s,
1H),8.24(s,1H),7.66(s,2H),7.38−7.17(
m,6H),4.50(t,2H,J=6.8Hz),3.07(t,2H,J
=6.8Hz);FABMS(NBA、 −VE) m/z 307(M−H)
。分析(C19H16O4・1/4H2O)C,H。
5,6−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸 β−フェニルエチルエステル(6 7H−52−A)
240mg(1.0mmol)の5,6−ジメトキシ−2−ナ
フエ酸(Burke、T.R.,et al., J. Med. Chem.
,(1933) 36, 425−432)の全体をそのままピリジン・HCl
(5.0g)と共にアルゴン下、180〜200℃で加熱した(40分)。過剰
のピリジン・HClを高真空下で留去し、残留物を1N HCl(20mL)と
混合して、5,6−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸を淡黄色固体として得、これ
を濾過によって集めた(160mg)。140mg(0.7mmol)部を、化合物
67H−46−Aの場合に記載したように、β−フェニルエチルアルコールと反
応させ、シリカゲルクロマトグラフィー(CHCl3)によって精製して、生成
物67H−52−Aを白色固体(1200mg、全体収率36%)として得た:
融点164〜166℃;1H NMR(DMSO−d6)δ:8.40(d,1
H,J=1.6Hz),8.07(d,1H,J=8.8Hz),7.80(d
d,1H,J=1.6Hz & 8.8Hz),7.49(d,1H,J=8.
6Hz),7.38−7.33(m,5H),7.25(d,1H,J=8.6
Hz),4.51(t,2H,J=6.8Hz),3.08(t,2H,J=6
.8Hz);FABMS(NBA、 −VE) m/z 307(M−H)。分
析(C19H16O4)C,H。
5,6−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸 メチルエステル(67G−146 −A)
この化合物は上記のように製造した。(Burke、T.R., e
t al., J. Med. Chem.,(1933) 36, 425−
432)。
6,7−ジヒドロキシイソキノリン−3−カルボン酸 メチルエステル塩酸 塩(67F−65−A)
この化合物は上記のように製造した。(Burke
、T.R., et al., Heterocycles (1992) 3
4, 754−764)。
7,8−ジヒドロキシイソキノリン−3−カルボン酸 メチルエステル塩酸 塩(67F−36−A)
この化合物は上記のように製造した。(Burke
、T.R., et al., Bioorg. Med. Chem. Le
tt. (1992) 2, 1771−1774)。
2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−1−フェニルアセトアミドエタン (67J−28−A)
チラミン・HCl(948mg、5.0mmol)の水性
NaHCO3(1.68g、25mL H2O中の20mmol)およびCHCl3(
25mL)中の激しく撹拌した混合物に、フェニルアセチルクロリド(660μ
L、5.0mmol)を滴加し、次に、反応混合物を周囲温度で撹拌した(1時間)
。有機層を集め、水性層のCHCl3抽出物25mLと一緒にし、一緒にした有
機層を1N HCl(25mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、溶媒を蒸発
させた。得られた泡状物を酢酸エチルと混合し、次に、エーテルで希釈し、白色
固体(225mg)を取り出し、廃棄した。濾液を、まずCHCl3中の25%
酢酸エチルを、次いで100%酢酸エチルを用いるシリカゲルクロマトグラフィ
ーによって精製した。生成物67J−28−Aは淡黄色シロップ(362mg
、収率27%)として得た;1H NMR(DMSO−d6)δ:7.38−7.
24(m,5H),6.37(d,1H,J=8.0Hz),6.62(d,1
H,J=2Hz),6.40(dd,1H,J=2Hz & 8.0Hz),5
.63(brt,1H),3.14(dt,2H,J=6.5Hz & 13.
0Hz),2.59(t,2H,J=6.5Hz);高分解能FABMS C16
H16NO3(M−H)として計算した理論値 270.1130、実測値 27
0.1117、分析(C16H17O3) H,N;C 理論値 69.69、実測
値 70.11。
3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン酸 β−(3,4−ジヒド ロキシフェニル)エチルアミド(67J−32−A)
先の反応に記載のよう
に製造した348mg(1.0mmol)の3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)
プロパン酸 ペンタフルオロフェニルエステルの無水ジメチルホルムアミド(2
mL)中の溶液に、チラミン・HCl(227mg、1.2mmol)およびトリエ
チルアミン(209μ、1.5mmol)を加え、反応混合物を撹拌した。2時間後
、溶媒を高真空下の蒸留によって除去し、残留物を先の反応に記載のようなシリ
カゲルクロマトグラフィーによって精製して、生成物67J−32−Aを白色泡
状物(338mg、定量収率)として得た; 1H NMR(DMSO−d6)δ
:8.75(s,1H),8.72(s,1H),7.84(t,1H,J=5
.6Hz),6.65−6.57(m,4H),6.44−6.39(m,2H
),3.20−3.11(m,2H),2.52−2.46(m,2H),2.
28−2.22(m,2H);高分解能FABMS C17H18NO5(M−H)
として計算した理論値 316.1185、実測値 316.1146、分析(
C17H19O5・1/2H2O) H,N;C 理論値 62.14、実測値 62
.57。実施例10
MCが架橋を誘導するという初めの観察に基づいて、一連の15の芳香族化合
物を同様な活性について調べた。これらの化合物はOH基がフッ素で置換されて
いる67−J17A以外は、いずれもオルト−またはパラ−ヒドロキシル置換形
を有していた。予備試験で、いくつかの化合物は架橋可能であるが、他の化合物
は試験濃度において弱いかあるいは不活性であることが示された。最も有効な化
合物のうちの4つを図12に”67H−69A”、”67H−98A”、”67
H−124A”および”67G−146A”として示す。これらの構造はタンパ
ク質架橋活性を明らかに示し、従って、本発明のヒドロキシル化芳香族タンパク
質架橋化合物に属する化合物である。これらの特定のヒドロキシル化芳香族タン
パク質架橋化合物は、過増殖性皮膚疾患の治療における局所用薬剤として有用で
ある。
図11に示す結果から、いくつかの構造的特異性が架橋プロセスにかかわって
いることが分かる。例えば、活性化合物67H−69−Aは不活性な67H−4
2−Aとは、側鎖二重結合がないことのみが異なっている。さらに、単一ヒドロ
キシルを不活性67H−42−Aに加えると、活性化合物67H−98−Aとな
る。構造的特異性の別の例は、環窒素の有無の点で異なる活性67G−146−
Aと不活性67F−36−Aとの比較によっても示される。
本出願における引例はすべて参照することによって本出願に記載されたものと
する。
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(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
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,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,U
G),UA(AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM
),AL,AM,AT,AU,AZ,BB,BG,BR
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,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,
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,VN
(72)発明者 ユスパ,スチュアート・エイチ
アメリカ合衆国メリーランド州20817,ベ
セズダ,カリタ・コート 8013
(72)発明者 バーク,テレンス・アール,ジュニア
アメリカ合衆国メリーランド州20817,ベ
セズダ,レイクヴュー・ドライヴ 7400,
ナンバー 410