JPH11503559A - 銀ベースの接点材料からなる成形品の製造方法 - Google Patents
銀ベースの接点材料からなる成形品の製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
銀ベースの接点材料から成る成形品の製造のために、本発明では銀及び金属酸化物から成る粉末混合物を形成し、これを粉末冶金法により成形品に加工し、その際金属酸化物は金属に還元される。金属酸化物粉末は金属粉末よりも極めて微細な粒度の粉末が得られるので、作用成分として混入された平均粒度1μm以下の金属を有する接点材料が得られる。その微細な粒度によりこの種の接点材料は特に有利な開閉特性を示す。
Description
【発明の詳細な説明】
銀ベースの接点材料からなる成形品の製造方法
本発明は銀ベースの接点材料から成る成形品の製造方法に関する。更に本発明
はこのような接点材料並びにこのような接点材料から成る成形品に関する。
電力工業用の低電圧開閉器、例えば遮断器又は補助電磁開閉器の接触子には一
定の作用成分を含む銀ベースの接点材料がずっと以前から効果を認められている
。接点材料の開閉特性に有利に作用する作用成分としては金属も金属酸化物も公
知である。銀ベースの金属製接点材料の代表的物質としては例えば銀−ニッケル
(AgNi)及び銀−鉄(AgFe)がある。酸化物接点材料の代表的物質とし
ては例えば銀−酸化鉄(AgFe2O3)を挙げることができる。
酸化物接点材料は金属製接点材料に比べて溶着傾向が僅かであるのに対し、後
者は特に低電流でより長い寿命を有する。
接点材料の一定の特性を測定するには通常「材料工学定期刊行誌/材料工学ジ
ャーナル7」(1976年)第381〜389頁に記載されているそれぞれ接点
材料から成る接触子を使用する試験用開閉器を挙げることができる。
特に銀−ニッケル接点材料は良好な開閉特性を有するが、しかしこれは製造時
又は作動中に摩擦により形成されるニッケル屑並びに開閉器製品として形成され
る酸化ニッケルが時には人体に有害な作用を与える欠点がある。
欧州特許第0586411号明細書から金属が作用成分として鉄及びレニウム
を1〜50質量%、もしくは0.01〜5質量%を含んでいる銀ベースの接点材
料が公知である。その際レニウムが1質量%以下のものでもこのような接点材料
の特性を改善することが判明している。この接点材料は安定した加熱挙動を有し
ながら接点の加熱が僅かであり、是認し得る溶着傾向及び所定の開閉流強度に関
して高寿命であることを特徴とする。
この欧州特許第0586411号明細書によれば、銀−鉄−レニウム接点材料
は銀−及び鉄−レニウム合金粉末の混合により又は銀、鉄及びレニウムから成る
別々の粉末を混合することにより製造される。この粉末混合物を引続き型プレス
又は押出プレス並びに焼結により成形部材もしくは半製品に加工する。このよう
な材料の組織構造、即ち銀マトリックス中の作用成分の大きさ及び分布は市販の
金属粉末もしくは合金粉末の粒度により予め規定されている。粗い金属粉末の使
用は粗い粒度に、また微細な粒度の金属粉末の使用により微細な粒度の組織構造
となる。技術的に必要な量で製造される最も微細な鉄−粉末は平均約5μmの粒
度を有する。鉄−レニウム粉末は相応する溶融物の噴射により製造され、同様に
約5μm又はそれ以上の平均粒度を有する。
接点材料から成形品を製造するには主として2つの異なる粉末冶金法が公知で
ある。成形技術の場合粉末混合物は型プレスにより成形部材に押圧され、焼結及
び場合によっては更なる加圧により完成成形品に加工される。成形品を接触子の
形に形成するために、成形部材は基台に接触子を硬ろうにより確実に接合するた
め純銀層と共にプレスすることができる。
成形技術により製造される成形品には粉末の形で添加される均質な粒度の作用
成分が不規則に銀マトリックスを介して分散されている。成形品の組織構造は十
分に等方性である。
押出プレス技術の場合粉末混合物はまず多孔性のプレス加工品又はコアにプレ
ス及び/又は焼結される。プレス加工品又はコアは場合によっては純銀層(上述
)と共に押出プレスによりひもの形に押圧され、これから成形品が切断され、場
合によってはその後の処理が行われる。
押出プレス技術により製造された成形品中には銀及び場合によっては作用成分
の粉末粒子が押出プレス方向に形作られもしくは整列され、それにより異方性に
、即ち列状の組織構造が形成される。
接点材料の組織構造によりその電気開閉特性、例えば焼損、接触抵抗及び溶着
力が基本的に決定される。
国際特許出願公表第95/08833A1号明細書には銀−金属酸化物材料か
らなる接触子を支持体と硬ろう又は溶接により接合する方法が記載されている。
その際接触子の表面近くの範囲で接点材料の金属酸化物の少なくとも一部が金属
に還元される。これからは接触子もしくは接点材料の開閉特性に有利に作用する
組織構造の変化は達成されない。上記の方法は数100μmまでの薄さの溶接及
びろう接可能の層の製造に適するに過ぎない。
本発明の課題は、従来技術に比べて有利な開閉特性を有する接点材料からなる
成形品並びにそのような接点材料自体の製造方法を提供することにある。更に本
発明の課題は改善された開閉特性により特に電力工業用の開閉器に適する接点材
料からなる接触子を提供することにある。
この課題は銀ベースの接点材料から成る成形品の製造に関しては、本発明によ
り銀及び金属酸化物からなる粉末混合物を形成し、これを粉末冶金法により成形
品に加工し、その際金属酸化物を金属に還元することにより解決される。
その際本発明は、微細な組織構造の接点材料が粗い組織構造の接点材料に比べ
て良好な開閉挙動を有するという認識から出発する。接点材料の特性スペクトル
は、銀マトリックス中の作用成分の平均粒度を小さくすることにより著しく改善
することができる。
銀ベースの接点材料の開閉特性もしくはこの接点材料からなる成形品の開閉特
性が、作用成分の平均粒度が1μm以下の場合極めて有利であることは広範囲の
測定から期待される。このような接点材料は、平均粒度が数μm範囲である市販
の金属粉末を使用した場合には公知の粉末冶金製造方法ではもちろん形成するこ
とはできない。
しかし金属酸化物粉末ではその粒度が1μmよりもはるかに小さいものが得ら
れることから、金属粒子の代わりに金属酸化物粉末を使用し、引続いて金属酸化
物の還元により金属の作用成分の平均粒度がナノメータ範囲である接点材料を得
ることができる。また金属酸化物粉末とは異なり多くの金属粉末が自然発火性で
あるので、金属酸化物粉末を使用した場合には搬送及び加工基準を厳しくせずに
加工することができる。このようにして製造コストを削減することができる。
金属酸化物の還元は、粉末混合物のその後の加工工程で圧縮度が増し金属酸化
物を完全に還元することが困難になるので、粉末混合物状態で行われると有利で
ある。
また金属酸化物の還元はなお十分に高い有孔率又はガス透過性を有する成形品
の未加工品でも実施可能である。このような未加工品は例えば後にひもの形に押
出プレスされる押出プレス技術により用意されるコアである。しかしまたこのよ
うな未加工品は新たなプレス及び焼結により成形部材が製造される前の成形技術
で製造される予備製品であってもよい。
金属酸化物の還元は還元雰囲気で熱処理により行うと有利である。熱処理を銀
の融点以下の500℃の温度範囲、即ち混和された作用成分を考慮して500〜
1000℃の温度で、有利には700℃で行うと特に効果的である。その際還元
雰囲気は同時に場合によっては必要となる焼結用保護ガスとして利用してもよい
。このようにして焼結及び還元は接点材料を製造する際に1つの加工工程で行う
ことができる。
還元雰囲気としては通常焼結に用いられる気体の水素(H2)を使用すると有
利である。
粉末冶金法による製造方法で必要とされる焼結及び加圧工程により、粉末の形
で添加された作用成分は凝塊になる。これは特に極めて小さな粒度の金属酸化物
の粉末の形の作用成分が添加された場合に生じる。金属酸化物として1μm以下
、有利には100〜500nmの粒度を有する粉末を使用すると、開閉特性にと
って有利な粒度の作用成分が接点材料中に得られる。
製造された接点材料もしくは接点材料から成る成形品は、粉末混合物に別の金
属又は別の金属酸化物が混和された場合有利な開閉特性を示す。その際上記のよ
うにこの別の金属酸化物は別の金属に還元される。しかしこの別の金属酸化物を
粉末混合物の還元後に初めて混和することも考えられる。この場合製造された接
点材料は酸化物作用成分を含有するであろう。
粉末混合物に銀(Ag)、酸化鉄(Fe2O3/Fe3O4)及びレニウム(Re
)又は銀(Ag)、酸化レニウム(ReO)及び鉄(Fe)又は銀(Ag)、酸
化レニウム(ReO)及び酸化鉄(Fe2O3/Fe3O4)を添加すると特に有利
である。
接点材料に関しては本発明の課題は、その平均粒度が1μm以下、有利には1
00〜500nmである少なくとももう1つの金属成分を有する銀ベースの接点
材料により解決される。この種の接点材料は極めて良好な開閉特性の他に、特に
溶着傾向が極めて僅かであり、また高寿命を有する。
金属の作用成分として鉄(Fe)及びレニウム(Re)を有している接点材料
は有利な開閉特性を有する。その際鉄(Fe)が1〜50質量%及びレニウム(
Re)が0.01〜5質量%であると有利である。
接触子に関する課題は本発明により接点材料から成る接触子の形の成形品によ
り解決される。その際接触子を基台に確実に硬ろうにより接合するために付加的
に純銀層を設けることができる。この種の接触子は電力工業用の開閉器、特に低
電圧開閉器用に適している。
本発明の実施例を以下の実験結果並びに図面に基づき詳述する。その際
図1は本発明による押出プレス法で製造されたAg(FeRe95/5)8.
8材料の押出プレス方向に垂直な組織構造を、
図2は従来技術による押出プレス法で製造されたAg(FeRe95/5)8
.8材料の押出プレス方向に垂直な組織構造を、
図3は本発明による押出プレス法で製造されたAg(FeRe95/5)8.
8材料の押出プレス方向に並行な組織構造を、
図4は従来技術による押出プレス成形法で製造されたAg(FeRe95/5
)8.8材料の押出プレス方向に並行な組織構造を
示すものである。
本発明の実施例として銀−鉄−レニウム材料を製造する。それには銀粉末Ag
にレニウム粉末Re(粒度約5μm)及び酸化鉄粉末Fe2O3/Fe3O4(粒度
10nm以下)を混和する。この粉末混合物を未加工品又はコアに更に加工し、
これを700℃の温度でH2雰囲気で酸化鉄を鉄に還元するために焼き鈍しする
。更に接触子への加工は上記の押出プレス法により公知の条件下に行われる。
粉末混合物の組成は、作用成分の鉄(Fe)及びレニウム(Re)の合計質量
部が完成材料中8.8%であるようにされる。その際鉄とレニウムの比は19/
1に選択されている。この材料を以後Ag(FeRe95/5)8.8と記載す
るが、その際比95/5は鉄粉末とレニウム粉末の製造技術上の混合比である。
図1及び図3はこのようにして製造されたAg(FeRe95/5)8.8材
料の押出プレス方向に並行ないしは垂直な微細構造を示す。銀マトリックス中の
レニウム及び鉄粒子(押出プレス方向に垂直に測定したもの、図1参照)の平均
粒度は1つの範囲では明らかに1μm以下である。従来方法により製造されたA
g(FeRe95/5)8.8材料(押出プレス方向に垂直なその組織構造は図
2に示されている)に比べて銀マトリックス中に埋込まれている作用成分との差
異は明らかである。同様のことは本発明又は従来技術により製造された押出プレ
ス方向に並行なAg(FeRe95/5)8.8材料の組織構造を示す図3及び
図4にも見られる。
この材料の開閉挙動にとって重要なパラメータとして材料の溶着力を「材料工
学定期刊行誌/材料工学ジャーナル 7」(1976年)第381〜389頁に
基づく以下の試験条件でテストした。
−検体寸法:10mm×10mm
−接触面:球状R=80mm
−表面状態:捩れ
−閉速度:1m/秒
−接触力:60N
−最初の3回のバウンドの弾み時間:5ミリ秒
−分離速度:7.4×10-4m/秒
−試験電圧:220V
−投入及び遮断電流:1000A
−開閉回数: 1000回
溶着力値はその累積度数で示されており、その際ワイブル関数による縦座標及
び横座標は対数により分けられている。AgFeRe接点材料の場合最初の開閉
工程で機械的加工は高い溶着力の要因となり得るので、従来技術により製造され
たAgFeRe材料との比較は99.8%の値を利用した。
その結果本発明方法のAg(FeRe95/5)8.8材料の
溶着力は237N(99.8%)、
従来法の粗い組織構造のAg(FeRe95/5)8.8材料の
溶看力は530N(99.8%)
であることが判明した。
この結果は本発明により製造されたAgFeRe接点材料の溶着挙動が従来法
により製造されたものに比べて55%改善されたことを意味する。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. 銀及び金属酸化物からなる粉末混合物を形成し、これを粉末冶金法により 成形品に加工し、その際酸化金属を金属に還元することを特徴とする銀ベースの 接点材料からなる成形品の製造方法。 2. 粉末混合物中の金属酸化物を 還元することを特徴とする請求項1記載の方法。 3. 未加工品の成形品中の金属酸化物を還元することを特徴とする請求項1記 載の方法。 4. 金属酸化物の還元を還元雰囲気で熱処理により行うことを特徴とする請求 項1乃至3のいずれか1つに記載の方法。 5. 熱処理を500〜1000℃の温度、有利には700℃の温度で実施する ことを特徴とする請求項4記載の方法。 6. 還元雰囲気が水素(H2)であることを特徴とする請求項4又は5記載の 方法。 7. 金属酸化物として粒度1μm以下、有利には100〜500nmの粒度の 粉末を使用することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載の方法。 8. 粉末混合物に別の金属又は別の金属酸化物を混ぜ合わせることを特徴とす る請求項1乃至7のいずれか1つに記載の方法。 9. 粉末混合物に銀(Ag)、酸化鉄(Fe2O2/Fe3O4)及びレニウム( Re)又は銀(Ag)、酸化レニウム(ReO)及び鉄又は銀(Ag)、酸化 レニウム(ReO)及び酸化鉄(Fe2O3/Fe3O4)を添加することを特徴と する請求項8記載の方法。 10. 平均粒度が1μm以下、有利には100〜500nmである少なくとも もう1つの金属成分を有する銀ベースの接点材料。 11. 別の金属成分として鉄(Fe)及び/又はレニウム(Re)が用いられ ていることを特徴とする請求項10記載の接点材料。 12. 鉄(Fe)を1〜50質量%及びレニウム(Re)を0.01〜5質量 %含有していることを特徴とする請求項10記載の接点材料。 13. 請求項10〜12のいずれか1つに記載の接点材料からなる成形品。 14. 特に低電圧開閉器用の電力工業用の開閉器に用いられる接点材料として 形成されている請求項13記載の成形品。
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