JPH1154298A - 可搬式小型表面処理装置 - Google Patents

可搬式小型表面処理装置

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JPH1154298A
JPH1154298A JP9213420A JP21342097A JPH1154298A JP H1154298 A JPH1154298 A JP H1154298A JP 9213420 A JP9213420 A JP 9213420A JP 21342097 A JP21342097 A JP 21342097A JP H1154298 A JPH1154298 A JP H1154298A
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power
surface treatment
treatment apparatus
discharge
electromagnetic wave
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JP9213420A
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English (en)
Inventor
Kensuke Akutsu
顯右 阿久津
Akinori Iwata
顕範 岩田
Yasuyuki Tsuchiya
保之 土谷
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コロナ放電により生じるプラズマにより被処
理物表面にプラズマ処理を施すことができ、かつ電磁波
ノイズの放射を低減することができる可搬式小型表面処
理装置を提供する。 【解決手段】 可搬式の表面処理装置Tには、スイッチ
駆動用マグネットと接点スイッチとによって高周波数の
交流電力を発生させる簡素なスイッチ回路3と、スイッ
チ回路3から出力された高周波数の交流電力を高電圧に
変換する簡素な変圧回路4とがケーシング2内に配置さ
れてなる出力回路部1と、変圧回路4から出力された高
周波数・高電圧の交流電力を受け入れて被処理物に接近
したときにコロナ放電を惹起してプラズマを発生させる
放電処理部5とが設けられている。ここで、ケーシング
2の内周面には金属製の電磁波遮蔽層34が設けられ、
該表面処理装置Tからの電磁波ノイズの放射が低減され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高電圧・高周波数
の交流電力を生成する出力回路部と、該出力回路部で生
成された交流電力を放電極(放電線)に受け入れて該放
電極と被処理物との間にコロナ放電を生じさせて被処理
物に表面処理を施す放電処理部とを備えた、持ち運び可
能な可搬式小型表面処理装置に関するものであり、とく
に出力回路部から外部への電磁波ノイズの放射を防止な
いしは低減することができ、あるいは出力回路部での絶
縁破壊時等における安全性を高めることができる可搬式
小型表面処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、樹脂、紙、布あるいは金属(例
えば、アルミニウム、鉄)等で形成された被処理物の表
面に、接着剤を用いて他の部材を接着し、塗料を塗布
し、あるいは印刷を行う場合、被処理物表面への接着剤
ないしは塗料の接着性、印刷インキの印刷特性、該被処
理物表面の防曇性、洗浄性あるいは摩擦特性等を改良す
るために、該被処理物に対して表面処理が施される。そ
して、このような表面処理の1つとして、コロナ放電に
より空気中に生じるプラズマを被処理物表面に印加して
該表面を改質するといったプラズマ処理が知られてい
る。なお、かかるプラズマ処理は、例えば、1991年
に高分子刊行会から発行された雑誌「接着」の第35巻
第4号の24頁〜30頁に掲載された、記事「コロナ表
面処理」中に開示されている。
【0003】このようなプラズマ処理においては、コロ
ナ放電により被処理物近傍の空気中にプラズマを発生さ
せるプラズマ発生装置が用いられるが、従来のプラズマ
発生装置は、普通、高電圧・高周波数の交流電力あるい
はパルス状電力を放電極に印加し、該放電極を、略グラ
ンド電圧に保持された対向電極の上に配置された被処理
物に接触又は接近させ、放電極と対向電極ないしは被処
理物との間にコロナ放電を惹起して被処理物近傍の空気
中にプラズマを発生させるようになっている。そして、
このような被処理物のプラズマ処理に用いられる従来の
プラズマ発生装置は、高電圧を取り扱い、また安定した
プラズマを発生させるために放電間隔を一定にする必要
があるので、一般に固定式とされている。したがって、
被処理物は、搬送装置等を用いてプラズマ発生装置に搬
送され、該プラズマ発生装置内でプラズマ処理が施され
るようになっている。
【0004】しかしながら、このような被処理物のプラ
ズマ処理に用いられる従来のプラズマ発生装置は大がか
りな固定式であり、その電気容量が大きいので(例え
ば、数十Kw程度)、比較的単純な形状の被処理物を大
量かつ画一的に処理するのには適しているものの、比較
的複雑な形状の被処理物の処理、あるいは被処理物の一
部分のみに対して局所的にプラズマ処理を施し又は他の
部分よりも強いプラズマ処理を施すなどといった個別的
ないしは補修的な処理には不適であるといった問題があ
る。また、かかる大型で大容量のプラズマ発生装置は、
持ち運びが著しく困難であり、かつそのコストが非常に
高くなるといった問題もある。さらに、かかる従来のプ
ラズマ発生装置では、金属表面又は被処理面近傍に金属
部が露出している部分が存在している場合には、金属部
分に放電が集中し、処理が著しく不均一になるか、放電
極からスパークが発生し、該スパークによって被処理物
が損傷を受けることがあるといった問題がある。また、
鋼板の表面が塗膜などでおおわれている場合でも、ごく
小さなピンホールなどの塗膜欠陥が存在するときには、
上記の金属部分に放電が集中するといった問題が生じる
恐れがある。
【0005】そこで、本願出願人は、このような問題を
解決すべく、本願出願人にかかる特願平8−23872
号の明細書において、持ち運び可能な小型常圧プラズマ
発生装置(表面処理装置)を提案している。この小型常
圧プラズマ発生装置は、励磁と消磁とを繰り返すスイッ
チ駆動用マグネットと該マグネットによって開閉される
接点スイッチとによって高周波数の交流電力を発生させ
るスイッチ回路と、該スイッチ回路から出力された高周
波数の交流電力を高電圧に変換する変圧回路と、該変圧
回路から出力された高周波数・高電圧の交流電力を受け
入れて対向電極に接近したときにコロナ放電を惹起して
プラズマを発生させる放電極とを備えているが、ここで
スイッチ回路、変圧回路及び放電極はいずれも簡素な構
造であるので、該プラズマ発生装置は容易に持ち運ぶこ
とができ、かつその電気容量が小さくなるとともにその
製作コストが低減される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特願平
8−23872号の明細書に開示された、本願出願人に
かかる小型常圧プラズマ発生装置(表面処理装置)にお
いても、なお次のような問題がある。すなわち、この小
型常圧プラズマ発生装置においては、スイッチ回路ある
いは変圧回路、とくに接点スイッチで電磁波ノイズが発
生し、この電磁波ノイズがケーシングを透過して外部に
放射されるといった問題がある。とくに、近年、携帯電
話等の持ち運び可能な電気機器から放射される電磁波が
一種の公害源とされる傾向があるので、かかる小型常圧
プラズマ発生装置においても、電磁波ノイズの放射を極
力防止する必要がある。
【0007】また、このような小型常圧プラズマ発生装
置において、変圧回路等で絶縁破壊が生じた場合、交流
電源(例えば、単相100V交流電源)から供給された
電力が絶縁破壊箇所へ突入するといった現象、いわゆる
突入電流の発生を遮断する必要があるが、上記従来の小
型常圧プラズマ装置ないしは表面処理装置では、絶縁破
壊箇所への突入電流を確実に遮断することができないお
それがあるといった問題がある。
【0008】本発明は、上記従来の問題を解決するため
になされたものであって、コロナ放電により被処理物を
有効に表面処理することができ、さらには外部への電磁
波ノイズの放射を防止ないしは低減することができ、ま
た変圧回路等で絶縁破壊が生じた場合でも、絶縁破壊箇
所への突入電流の発生を確実に防止することができる軽
量で安価な可搬式小型表面処理装置を提供することを解
決すべき課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明の第1の態様は、(a)電源から供
給された電力から高周波数の交流電力を生成するスイッ
チ回路と、該スイッチ回路から出力された高周波数の交
流電力を受け入れる1次巻き線と該1次巻き線よりも巻
数の多い2次巻き線とを備えていて1次巻き線に受け入
れられた電力に対応して2次巻き線に高電圧・高周波数
の交流電力を生成する変圧回路とが、絶縁材料(例え
ば、樹脂)からなるケーシング内に配置されている出力
回路部と、(b)変圧回路の2次巻き線で生成された交
流電力を受け入れて被処理物に接近又は接触したときに
該被処理物との間にコロナ放電を惹起して被処理物表面
を処理する放電極(例えば、ステンレススチールのより
線)を備えた放電処理部とが設けられている可搬式小型
表面処理装置において、(c)ケーシングの外面と内面
との少なくとも一方に、導電性材料からなる電磁波遮蔽
層が設けられていることを特徴とするものである。な
お、放電極は、誘電体(例えば、フッ素樹脂製チュー
ブ)で被覆されているのが好ましい。ここで、電磁波遮
蔽層に適する導電性材料としては、例えば、金属、導電
性塗料、導電性フィルム等があげられる。また、電磁波
遮蔽層は、シート状でもメッシュ状でもよい。
【0010】この表面処理装置は、スイッチ回路と変圧
回路とがケーシング内に配置されてなる出力回路部と、
誘電体で被覆された放電極を備えた放電処理部とからな
る簡素で軽量かつコンパクトなものであり、容易に持ち
運ぶことができる。したがって、この表面処理装置を人
手であるいはロボットを用いて持ち運び、好ましくは誘
電体で被覆された放電極(放電部)を被処理物の所望の
部分に接触又は接近させることにより、該部分に表面処
理を施すことができる。このように、表面処理装置が簡
素な構造となるのでその製作コストが低減される。
【0011】この表面処理装置は、樹脂(プラスチッ
ク)、紙、布等の非導電性の材料及び/又はアルミニウ
ム、鉄等の導電性の材料(金属材料)からなる被処理物
に対して有効に用いることができる。具体的には、かか
る被処理物として、プラスチックフィルム、樹脂成型
品、PCM鋼板、印刷用紙等をあげることができる。そ
して、被処理物に表面処理を施す際には、表面処理装置
を被処理物の存在する位置に持ち運んで、該被処理物の
所望の部分に所望の強さで表面処理を施すことができ
る。したがって、深い溝や孔などの比較的複雑な形状の
被処理物の処理、あるいは被処理物の一部分のみに対し
て局所的に表面処理を施し又は他の部分よりも強い表面
処理を施すなどといった補修的ないしは個別的な処理を
も容易に行うことができる。
【0012】また、この表面処理装置には、ケーシング
の外面と内面の少なくとも一方に、導電性材料からなる
電磁波遮蔽層が設けられているので、スイッチ回路ある
いは変圧回路で発生した電磁波ノイズは電磁波遮蔽層に
よって遮蔽(ないしは吸収)され、該表面処理装置の外
部へは放射されにくくなる。このため、電磁波公害等の
発生を防止ないしは低減することができる。
【0013】本発明の第1の態様にかかる表面処理装置
においては、電磁波遮蔽層がアース接続部に接続されて
いるのが好ましい。なお、アース接続部はグランドある
いは電源コンセントのアース端子に接続されることにな
る。このようにすれば、電磁波遮蔽層の電磁波ノイズ遮
蔽効果が高められる。また、電磁波遮蔽層の厚さは0.
01mm以上、5mm以下の範囲内であるのが好まし
い。電磁波遮蔽層の厚さが0.01mmより薄いと十分
な電磁波の遮蔽効果が得られず、また5mmより厚いと
表面処理装置の重量が大きくなり、持ち運びに不便とな
るからである。
【0014】本発明の第1の態様にかかる表面処理装置
においては、スイッチ回路が、接点スイッチを高速で繰
り返し開閉させることにより電源から供給された電力を
高周波数の交流電力に変換するようになっているのが好
ましい。この場合、電源が交流電源であり、かつスイッ
チ回路が電源から供給される交流電力によって励磁状態
と消磁状態とが繰り返される電磁石を備えていて、接点
スイッチが電磁石の励磁状態と消磁状態の交替に伴って
開閉されるようになっているのがさらに好ましい。この
ようにすれば、非常に簡素かつコンパクトな構造でもっ
て、スイッチ回路内に高周波数の交流電力を効果的に惹
起することができ、ひいては放電極でコロナ放電を効果
的に惹起して、強いプラズマを発生させることができ
る。
【0015】本発明の第1の態様にかかる表面処理装置
においては、スイッチ回路が、電源から供給された電力
でもって、僅かな間隙を隔てて配置された電極対に火花
放電を生じさせて振動電流を惹起し、該振動電流によっ
て高周波数の交流電力を生成するようになっていてもよ
い。なお、この場合、スイッチ回路と変圧回路(テスラ
コイル)とからなる組立体は、テスラ変圧器をなす。こ
のようにすれば、スイッチ回路の構造がより簡素化され
る。
【0016】本発明の第2の態様は、(a)単相の交流
電源(例えば、家庭用の単相100V交流電源)から供
給された電力から高周波数の交流電力を生成するスイッ
チ回路と、該スイッチ回路から出力された高周波数の交
流電力を受け入れる1次巻き線と該1次巻き線よりも巻
数の多い2次巻き線とを備えていて1次巻き線に受け入
れられた電力に対応して2次巻き線に高電圧・高周波数
の交流電力を生成する変圧回路とが、絶縁材料(例え
ば、樹脂)からなるケーシング内に配置されている出力
回路部と、(b)変圧回路の2次巻き線で生成された交
流電力を受け入れて被処理物に接近又は接触したときに
該被処理物との間にコロナ放電を惹起して被処理物表面
を処理する放電極(例えば、ステンレススチールのより
線)を備えた放電処理部とが設けられている可搬式小型
表面処理装置において、(c)スイッチ回路へ電力を供
給する2本の導線のうち、交流電源の交流電力電位側極
子(アースされていない方の極子)に接続される方の導
線(以下、これを「電位側導線」という)の、交流電源
への接続部とスイッチ回路への接続部との間の部位をア
ース接続部に接続するアース導線が設けられ、該アース
導線に検電器が介設されていることを特徴とするもので
ある。なお、放電極は誘電体(例えば、フッ素樹脂製チ
ューブ)で被覆されているのが好ましい。
【0017】この表面処理装置においても、本発明の第
1の態様にかかる表面処理装置の場合と同様に、軽量で
コンパクトな該表面処理装置を人手であるいはロボット
を用いて持ち運び、誘電体で被覆された放電極を被処理
物の所望の部分に接触又は接近させることにより、該部
分に表面処理を施すことができ、かつ深い溝や孔などの
比較的複雑な形状の被処理物の処理、あるいは被処理物
の一部分のみに対して局所的に表面処理を施し又は他の
部分よりも強い表面処理を施すなどといった補修的ない
しは個別的な処理をも容易に行うことができる。
【0018】また、この表面処理装置においては、その
アース接続部がグランドあるいは電源コンセントのアー
ス端子に接続されているときには、該アース接続部がグ
ランド電位となるので、アース導線に介設された検電器
には電位側導線の電位に対応する電圧(電位差)がかか
り、該検電器がこの電圧を検出する。他方、表面処理装
置のアース接続部がグランドあるいは電源コンセントの
アース端子に接続されていないときには、検電器には何
ら電圧がかからないので、該検電器は動作しない。した
がって、検電器の動作(電圧検出)の有無で、該表面処
理装置がグランドあるいはアース端子にアースされてい
るか否かを容易に把握することができる。このため、表
面処理装置を使用する際にアースをとるのを忘れるなど
といった不具合が生じにくくなり、該表面処理装置の安
全性が高められる。
【0019】ここで、検電器はアース導線に直列に介設
された抵抗器とネオンランプとで構成されるのが好まし
い。このようにすれば、ネオンランプの点灯の有無によ
り、表面処理装置がアースされているか否かを目視で容
易に把握することができる。また、電位側導線からアー
ス接続部(ひいては、グランドないしは電源コンセント
のアース端子)へ流れる電流が極めて少なくなる。
【0020】本発明の第2の態様にかかる表面処理装置
においては、スイッチ回路が、交流電源から供給される
電力によって励磁状態と消磁状態とが繰り返される電磁
石と、該電磁石の励磁状態と消磁状態の交替に伴って開
閉される接点スイッチとを備え、該接点スイッチの開閉
により高周波数の交流電力を生成するようになってい
て、電位側導線に、交流電源への接続部側から順に電磁
石のコイルと接点スイッチと変圧回路の1次巻き線とが
直列に介設され、アース導線が、電位側導線の、交流電
源への接続部と電磁石のコイルとの間の部位をアース接
続部に接続するようになっているのが好ましい。
【0021】このようにすれば、例えば変圧回路の1次
巻き線で絶縁破壊が生じた場合、電源の電力電位側極子
から電位側導線に印加された電位(電圧)は、電磁石の
コイルと接点スイッチとを介して絶縁破壊箇所に伝播す
るので、絶縁破壊箇所への突入電流が生じない。したが
って、表面処理装置の安全性がさらに高められる。
【0022】本発明の第2の態様にかかる表面処理装置
においては、ケーシングの外面及び内面の少なくとも一
方に導電性材料からなる電磁波遮蔽層が設けられ、該電
磁波遮蔽層が上記アース接続部に接続されているのが好
ましい。この場合、電磁波遮蔽層の厚さは、0.01m
m以上5mm以下の範囲内であるのがより好ましい。こ
のようにすれば、スイッチ回路あるいは変圧回路で発生
した電磁波ノイズは電磁波遮蔽層によって遮蔽され、該
表面処理装置の外部へは放射されにくくなる。このた
め、電磁波公害等の発生を防止ないしは低減することが
できる。なお、電磁波遮蔽層の厚さを0.01〜5mm
にするのが好ましい理由は、第1の態様にかかる表面処
理装置の場合と同様である。また、電磁波遮蔽層に適す
る導電性材料も、第1の態様にかかる表面処理装置の場
合と同様である。
【0023】上記表面処理装置においては、放電極が、
可撓性を有するループ線状の金属部材(例えば、ループ
状のステンレススチールのより線)であり、上記誘電体
が、フッ素樹脂、シリコン樹脂、ポリウレタン、ポリオ
レフィン又は塩化ビニルからなり上記放電極を被覆する
チューブであるのが好ましい。このようにすれば、フッ
素樹脂、シリコン樹脂、ポリウレタン、ポリオレフィン
あるいは塩化ビニルなどといった誘電材料からなる被覆
部材によって放電極が被覆されるので、放電極でスパー
クが発生するのが防止されるほか、金属部分が表面に存
在している被処理物に対しても支障なくプラズマ処理を
施すことができる。また、高電圧が印加される放電極が
誘電材料すなわち絶縁材料で被覆されるので、高電圧を
取り扱う上での安全性が一層高められる。さらに、放電
極が可撓性を有するので、放電部を被処理物にソフトに
ないしは弾力的に接触させることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
的に説明する。図1と図2と図3(a),(b)とに示
すように、本発明にかかる小型かつ軽量で持ち運びが可
能な常圧仕様のプラズマ発生装置からなる可搬式の表面
処理装置Tには、絶縁材料(例えば、樹脂)からなる中
空略円柱形のケーシング2内に、単相交流電源(図示せ
ず)から供給された交流電力を高周波数の交流電力に変
換するスイッチ回路3と、該スイッチ回路3から出力さ
れた高周波数の交流電力を変圧して高電圧・高周波数の
交流電力を発生させる変圧回路4と、後記の各種通電系
統等とが配設されてなる出力回路部1が設けられてい
る。
【0025】さらに、表面処理装置Tには、変圧回路4
(2次巻き線)で発生した交流電力を受け入れる一方、
略グランド電圧(略アース電圧)に保持された被処理物
6に接触又は接近したときに、該被処理物6との間にコ
ロナ放電を惹起して被処理物近傍の空気中にプラズマを
発生させる放電処理部5が設けられている。なお、図2
に示す例では、被処理物6を略グランド電圧に保持する
ために、被処理物6は対向電極7に載せられ、この対向
電極7はアース部8(グランド)に接続されている。
【0026】出力回路部1の変圧回路4は、高周波損失
を抑制するために、巻数の少ない1次巻き線9と巻数が
多い2次巻き線10とが同心円筒形に配置された、いわ
ゆるテスラコイルとされている。なお、この変圧回路4
では、その出力を高めるためにフェライトコアの鉄心
(図示せず)が用いられている。かかる構造の変圧回路
4は、非常に簡素でかつ小型・軽量であるのにもかかわ
らず、十分な高電圧を惹起することができる。
【0027】なお、このように小型かつ軽量で変圧性能
の高い変圧回路4の寸法ないしは形状等の一例を次に示
す。 (1)変圧回路の寸法 (長さ200〜300mm、直径30〜60φmm) (2)変圧回路の出力ピーク間電圧 (15〜35kV) (3)変圧回路の電力容量 (10〜300W) (4)1次巻き線の巻き数 (3〜20回数) (5)2次巻き線の巻き数 (300〜800回数)
【0028】スイッチ回路3には、交流電源(図示せ
ず)から、夫々差し込みプラグ11の第1,第2端子1
2,13に接続された第1,第2導線14,15を介して
100Vの単相交流電力(例えば、50/60Hz)が
供給されるようになっている。ところで、一般に電力供
給業者から顧客に供給される家庭用、商業用あるいは工
業用の単相交流電力では、2つの配電端子(送電線)の
うち、一方の端子(交流電力電位側極子)には周期的に
変化する交流の電位が印加され、他方の端子(アース側
極子)はアースされて常時アース電位(グランド電位)
に保持されている。そして、この表面処理装置Tでは、
差し込みプラグ11の第1端子12は交流電源の交流電
力電位側極子に接続され、他方第2端子13は交流電源
のアース側極子に接続される。したがって、第1導線1
4(電位側導線)には周期的に変化する交流の電位が印
加されるが、第2導線15(アース側導線)は常時アー
ス電位に保持されることになる。
【0029】そして、スイッチ回路3への通電経路であ
る第1,第2導線14,15には、電界ノイズを除去する
ノイズフィルタ16と、スイッチ回路3への電力の供給
をオン・オフする電源スイッチ17とが設けられてい
る。また、差し込みプラグ11と電源スイッチ17との
間において、第1導線14にはヒューズ18(例えば、
2A用)が介設されている。さらに、電源スイッチ17
とスイッチ回路3との間の通電経路には、第1導線14
と第2導線15とを接続する接続導線19が設けられ、
この接続導線19に、第1抵抗器20と第1ネオンラン
プ21(例えば、赤色)とが直列に介設されている。か
くして、この第1ネオンランプ21は、電源スイッチ1
7がオンされてスイッチ回路3に電力が供給されている
ときには点灯され、他方スイッチ回路3に電力が供給さ
れていないときには消灯され、したがってスイッチ回路
3への電力の供給の有無を目視で容易に把握することが
できるようになっている。
【0030】そして、スイッチ回路3には、第1導線1
4に介設されたコイル22(インダクタンス)が、強磁
性体材料で形成されたロッドに巻き付けられてなるスイ
ッチ駆動用マグネット23(電磁石)が設けられてい
る。さらに、スイッチ回路3には、一端が第1導線14
のP1位置に接続された第1接点24と、一端が第1導
線14のP2位置に接続された第2接点25とからなる
接点スイッチSが設けられている。換言すれば、第1導
線14には、スイッチ回路3をオン・オフする接点スイ
ッチSが介設されていることになる。
【0031】接点スイッチSの第1接点24の、第2接
点25との対向面には第1接触部26が設けられてい
る。他方、第2接点25の、第1接点24との対向面に
は、第1接触部26と対応する位置に第2接触部27が
設けられている。また、第1接点24の、スイッチ駆動
用マグネット23との対向面には強磁性体片28が取り
付けられている。さらに、接点スイッチSに対しては、
該接点スイッチSの動作特性を調節するためのスイッチ
調節つまみ29が設けられている。このスイッチ調節つ
まみ29は、ケーシング2の後面壁2aに螺入され、そ
の軸線まわりに回動させることによりY1・Y2方向に移
動することができるようになっている。
【0032】第1導線14の先端部(差し込みプラグ1
1と反対側の端部)は、変圧回路4の1次巻き線9の一
方の端部(電位側端部)に接続され、第2導線15の先
端部(差し込みプラグ11と反対側の端部)は、1次巻
き線9の他方の端部(アース側端部)に接続されてい
る。また、第1導線14のP1位置と第2導線15のP3
位置とを接続する第3導線30には、電界ノイズの発生
を防止するためのノイズ除去用コンデンサ31が介設さ
れている。なお、第2導線15は、第5導線33を介し
て、変圧回路4の2次巻き線10の一方の端部(アース
側端部)に接続された第4導線32に接続されている。
つまり、変圧回路4の1次巻き線9及び2次巻き線10
のアース側端部はいずれも、常時アース電圧に保持され
る第2導線15に接続されている。
【0033】なお、スイッチ回路3を、このような構成
とせずに、電極対と簡素な継断機能を有するスイッチ、
あるいは半導体スイッチ(例えば、トランジスタ)を用
いて形成するようにしてもよい。また、スイッチ回路3
を、電源から供給された電力でもって、僅かな間隙を隔
てて配置された電極対に火花放電を生じさせて振動電流
を惹起し、該振動電流によって高周波数の交流電力を生
成するスイッチ回路としてもよい。この場合は、スイッ
チ回路3と変圧回路4とからなる組立体はテスラ変圧器
となる。
【0034】かくして、スイッチ回路3に、第1,第2
導線14,15を介して、所定の交流電力が供給された
ときには、スイッチ駆動用マグネット23が、該交流電
力の周波数に応じて励磁状態と消磁状態とを繰り返し、
これに伴って接点スイッチSが開閉される。すなわち、
スイッチ駆動用マグネット23が励磁状態となったとき
には、第1接点24に取り付けられた強磁性体片28が
スイッチ駆動用マグネット23に吸い付けられ、これに
伴って第1接触部26と第2接触部27とが離間して接
点スイッチSが開かれ、その結果スイッチ駆動用マグネ
ット23は消磁状態となる。そして、スイッチ駆動用マ
グネット23が消磁状態となったときには、第1接点2
4はそれ自身の弾性により元の位置に復帰し、これに伴
って第1接触部26と第2接触部27とが接触して接点
スイッチSが再び閉じられる。このようにして、接点ス
イッチSが高速で連続的に開閉され、これに伴ってスイ
ッチ回路3には高周波数の交流電力が惹起され、この交
流電力が変圧回路4の1次巻き線9に入力される。な
お、接点スイッチSの開閉特性ひいてはスイッチ回路3
で惹起される高周波数の交流電力の振動特性は、スイッ
チ調節つまみ29を好ましく調節することにより調節す
ることができる。
【0035】このようにして、スイッチ回路3によって
惹起された高周波数の交流電力が変圧回路4の1次巻き
線9に入力され、これに伴って変圧回路4の2次巻き線
10には高周波数・高電圧の交流電力が惹起される。こ
こで、2次巻き線10の電圧出力端は導電部材を介して
放電処理部5の放電線42に接続され、2次巻き線10
に惹起された高周波数・高電圧の交流電力は放電線42
に入力されるようになっている。なお、変圧回路4の2
次巻き線10のアース側端部は、前記のとおりアース電
位となる。
【0036】そして、ケーシング2の内周面には、金属
製の電磁波遮蔽層34が設けられ、この電磁波遮蔽層3
4は導線35を介してアース接続部36に接続されてい
る。差し込みプラグ11が所定の形態で電源コンセント
(図示せず)に差し込まれたとき、すなわち第1端子1
2が交流電力電位側極子に差し込まれ、第2端子13が
アース側極子に差し込まれたときには、このアース接続
部36は、電源コンセントのアース端子に接続され、し
たがって電磁波遮蔽層34はアースされることになる。
なお、電源コンセントにアース端子が設けられていない
場合は、アース接続端子36を適当なアース部(例え
ば、地面、金属製水道管等)に接続すればよい。
【0037】このように、出力回路部1においては、ケ
ーシング2の内面に、導電性材料からなるシート状の電
磁波遮蔽層34が設けられているので、スイッチ回路3
あるいは変圧回路4、とくに接点スイッチSで発生した
電磁波ノイズは、電磁波遮蔽層34によって遮蔽(ない
しは吸収)され、表面処理装置Tの外部へは放射されに
くくなる。このため、電磁波公害等の発生を防止ないし
は低減することができる。なお、電磁波遮蔽層34が導
線35とアース接続部36とを介してアースされている
ので、該電磁波遮蔽層34の電磁波ノイズ遮蔽効果が高
められる。
【0038】ここで、電磁波遮蔽層34の厚さは、0.
01mm以上、5mm以下の範囲内にあるのが好まし
い。電磁波遮蔽層34の厚さが0.01mmより薄いと
十分な電磁波の遮蔽効果が得られず、また5mmより厚
いと表面処理装置Tの重量が大きくなり、持ち運びに不
便となるからである。なお、電磁波遮蔽層34はメッシ
ュ状であってもよい。
【0039】また、電磁波遮蔽層34の材料は金属に限
定されるものではなく、導電性材料であればよい。例え
ば、導電性塗料、導電性フィルム等を用いることができ
る。なお、電磁波遮蔽層34をケーシング2の外周面に
設けてもよく、さらにはケーシング2の内周面と外周面
の両方に設けてもよい。
【0040】さらに、出力回路部1においては、第1導
線14の、ヒューズ18と電源スイッチ17との間の部
位と、電磁波遮蔽層34とを接続するアース導線37が
設けられている。したがって、第1導線14の上記部位
は、アース導線37と電磁波遮蔽層34と導線35とを
介してアース接続部36に接続されている。そして、ア
ース導線37に、第2抵抗器38と第2ネオンランプ3
9(白色)とが直列に配置されてなる検電器が介設され
ている。
【0041】かくして、差し込みプラグ11が所定の形
態で電源コンセント(図示せず)に差し込まれてアース
接続部36がアース端子に接続されるなどして、該アー
ス接続部36がアースされたときには、電磁波遮蔽層3
4からアース接続部36までの導電系統はアースされ
る。このとき、アース導線37に介設された第2抵抗器
38と第2ネオンランプ39とには、第1導線14の電
位に対応する電圧(電位差)がかかり、第2ネオンラン
プが点灯(白色)する。他方、アース接続部36がアー
スされていないときには、第2ネオンランプ39は、何
ら電圧がかからないので点灯しない。したがって、第2
ネオンランプ39の点灯(白色)の有無で、電磁波遮蔽
層34からアース接続部36に至る導電系統がアースさ
れているか否かを目視で容易に把握することができる。
このため、表面処理装置Tを使用する際にアースをとる
のを忘れるなどといった不具合が生じにくくなり、該表
面処理装置Tの安全性が高められる。この場合、第1導
線14からアース接続部36(ひいては、グランドない
しは電源コンセントのアース端子)へ流れる電流が極め
て少なくなる。
【0042】なお、アース導線37に介設する検電器
は、抵抗器とネオンランプとからなるものに限定される
ものではなく、電位ないしは電圧を検出することができ
るものであればどのようなものでも用いることができ
る。
【0043】また、出力回路部1においては、電源コン
セント(図示せず)の交流電力電位側極子に接続され、
したがって周期的に変化する交流の電位が印加される第
1導線14に、スイッチ駆動用マグネット23のコイル
22と、接点スイッチSと変圧回路9の1次巻き線9と
が直列に介設されているので、例えば変圧回路9の1次
巻き線9で絶縁破壊が生じた場合、交流電力電位側極子
から第1導線14に印加された電位(電圧)は、コイル
22と接点スイッチSとを介して絶縁破壊箇所に伝播す
る。この場合、第1導線14の電位は絶縁破壊箇所に伝
播するまでに、コイル22あるいは接点スイッチSによ
ってアース電位に近づけられるので、すなわち正電位の
場合は電位が低下し、負電位の場合は電位が上昇するの
で、絶縁破壊箇所への突入電流が生じない。したがっ
て、表面処理装置Tの安全性がさらに高められる。
【0044】ところで、出力回路部1の先端部には放電
処理部5が着脱可能に取り付けられているが、この放電
処理部5は、被処理物6との間にコロナ放電を生じさせ
る放電部40と、該放電部40を支持するとともに放電
線42ないしは該放電線42への通電経路を外部に対し
て遮蔽する外套部41とで構成されている。そして、放
電部40は、可撓性を有する(フレキシブルな)ステン
レススチールのより線(ワイヤ)ないしは道糸からなる
放電線42と、フッ素樹脂製チューブ(テフロンチュー
ブ)からなり放電線42を被覆する誘電体43とで構成
されている。ここで、放電線42の材料はステンレスス
チールに限定されるものではなく、導電性材料であれば
どのような材料を用いてもよい。また、誘電体43の材
料はフッ素樹脂(テフロン)に限定されるものでなく、
誘電性材料(例えば、シリコン樹脂、ポリウレタン、ポ
リオレフィン、塩化ビニル等)であればどのような材料
を用いてもよい。
【0045】なお、誘電体43を、放電線42(例え
ば、直径1mm)を直接被覆する第1のチューブ(例え
ば、外径2mm、内径1mm)と、該第1のチューブを
被覆する第2のチューブ(例えば、外径3mm、内径2
mm)とからなる2重構造のチューブとしてもよい。こ
のようにすれば、放電部40の可撓性を維持しつつ該誘
電体43の耐久性を高めることができる。
【0046】このように、本発明にかかる表面処理装置
Tは、スイッチ回路3と変圧回路4とがケーシング2内
に配置されてなる出力回路部1と、該出力回路部1に着
脱可能に取り付けられた放電処理部5とからなる簡素、
軽量かつコンパクトなものであり容易に持ち運ぶことが
できる。したがって、この表面処理装置Tを人手である
いはロボットを用いて持ち運び、放電部40を被処理物
6の所望の部分に接触又は接近させることにより該部分
に効果的にプラズマ処理を施すことができる。このよう
に、表面処理装置Tが簡素な構造となるのでその製作コ
ストが低減される。
【0047】本発明にかかる表面処理装置Tは、樹脂
(プラスチック)、紙、布等の非導電性の材料及び/又
はアルミニウム、鉄等の導電性の材料(金属材料)から
なる被処理物6に対して有効に用いることができる。具
体的には、かかる被処理物6として、プラスチックフィ
ルム、樹脂成型品、PCM鋼板、印刷用紙等をあげるこ
とができる。そして、被処理物6に表面処理を施す際に
は、表面処理装置Tを被処理物6の存在する位置に持ち
運んで、該被処理物6の所望の部分に所望の強さでプラ
ズマ処理を施すことができる。したがって、深い溝や孔
などの比較的複雑な形状の被処理物6の処理、あるいは
被処理物6の一部分のみに対して局所的にプラズマ処理
を施し又は他の部分よりも強いプラズマ処理を施すなど
といった補修的ないしは個別的な処理をも容易に行うこ
とができる。また、この表面処理装置Tにおいては、ス
イッチ回路3及び変圧回路4が絶縁材料からなるケーシ
ング2内に収容されるとともに、放電線42への通電経
路が絶縁体である外套部41によって完全に被覆されて
いるので、高電圧を取り扱う上における安全性が大幅に
高められる。
【0048】このように構成された本発明にかかる簡素
でコンパクトな表面処理装置Tの寸法、形状等の一例を
次に示す。 (1)寸法 :長さ445mm、本体外径48φmm (2)重量 :1000g (3)電源 :家庭用100V交流電源(50/60
Hz) (4)出力電圧:数KV〜数十KV (5)周囲温度:0〜40℃
【0049】以下、かかる表面処理装置Tを用いて、被
処理物6に対してプラズマ処理を施す方法(表面処理方
法)について説明する。かかる表面処理においては、例
えば図2に示すように、まずその電圧がグランド電圧
(アース電圧)に保持された対向電極7(接地電極)の
上に、樹脂(プラスチック)、紙、布等の非導電性の材
料及び/又はアルミニウム、鉄等の導電性の材料(金属
材料)からなる被処理物6(具体的には、例えばプラス
チックフィルム、樹脂成型品、PCM鋼板、印刷用紙
等)を載せる。なお、被処理物6が層状の金属を含む場
合、例えばPCM鋼板のような金属板上に樹脂、塗料等
がコーテイングされている層状部材である場合は、対向
電極7を設けることなく、該層状部材の金属板をアース
(接地)することができる。この場合も、強いコロナ放
電が惹起され、強いプラズマが生成される。
【0050】次に、表面処理装置Tを人手であるいはロ
ボットを用いて持ち運び、放電処理部5の放電部40
を、被処理物表面のプラズマ処理を施すべき範囲内の適
当な位置に接触させる。そして、放電部40を被処理物
表面に接触させたままプラズマ処理を施すべき範囲の上
を移動させる。ここで、放電部40は、例えば1〜2cm
/secの移動速度で万遍なく移動させるのが好ましい。
また、被処理物表面に通常のプラズマ処理を施す場合
は、放電部40を該被処理物表面上で1〜5回程度繰り
返し移動させるのが好ましい。
【0051】なお、放電部40を被処理物表面に接触さ
せる時間は、必要とされるプラズマ処理の強さに応じて
好ましく設定される。このとき、放電部40(放電線4
2)と対向電極7ないしは被処理物6との間にコロナ放
電が惹起され、このコロナ放電により被処理物表面近傍
の空気中にプラズマが生成され、このプラズマによって
被処理物表面がプラズマ処理される。このようにして、
被処理物6の表面に対して、接着剤を用いて他の部材を
接着し、塗料を塗布し、あるいは印刷を行う場合の、該
被処理物6の表面への接着剤ないしは塗料の接着性・密
着性、印刷インキの印刷特性、該表面の防曇性、洗浄性
あるいは摩擦特性等の各種表面特性が改良ないしは改質
される。
【0052】ここで、該被処理物表面のプラズマ処理を
施すべき部位に放電部40を接触させる時間を調節する
ことにより、該部位に施されるプラズマ処理の強度を調
節することができる。例えば、接触時間を長くすれば該
部分に強いプラズマ処理を施すことができる。したがっ
て、被処理物6の所望の部位に所望の強度のプラズマ処
理を施すことができる。
【0053】また、かかる表面処理装置Tにおいて、可
撓性を有する放電線42が誘電体43(フッ素樹脂製チ
ューブ)によって被覆されている放電極を用いた場合、
被処理物6にプラズマ処理を施す際には、誘電体43が
被処理物表面に接触しあるいは摺接・移動し、誘電体4
3と被処理物表面との間に生成されるプラズマによっ
て、火花放電を生じさせることなく、被処理物表面がプ
ラズマ処理される。また、その際、放電線42あるいは
誘電体43は、その弾力によって適度な押圧力でソフト
に被処理物表面に接触するので、被処理物表面に損傷を
発生させることなく短時間(例えば、数秒)でプラズマ
処理を完了することができる。この他にこれまでの大が
かりな固定式のものでは処理が不十分であった、深い溝
や孔などの部分も、その部分に応じた形態や材質を選択
することによってプラズマ処理を実施することができ
る。また、比較的複雑な形状を有し、処理面積が大きい
被処理物6を処理する場合には、固定式のものと併用す
ることで処理効率を高めることができる。
【0054】なお、放電線42を複巻きとし、これをフ
ッ素樹脂製チューブ等の誘電体43で被覆するようにす
れば、放電部40と被処理物表面との接触面積が大きく
なり、プラズマ処理に要する時間がさらに短縮される。
【0055】また、前記のとおり、この表面処理装置T
においては、ケーシング2の内面に電磁波遮蔽層34が
設けられ、かつ該電磁波遮蔽層34がアースされ、これ
によりスイッチ回路3あるいは変圧回路4で発生した電
磁波ノイズの外部への放射が低減されているが、以下、
電磁波遮蔽層34を備えた本発明にかかる表面処理装置
Tと、電磁波遮蔽層を備えていない表面処理装置とにつ
いて、電磁波ノイズ(雑音電界強度)の放射量を実測し
た結果を示す。
【0056】この電磁波ノイズの測定は、電気用品取締
法に基づく電気用品の技術上の基準を定める通商産業省
令に定める測定方法に準拠して、図4に示すような30
〜1000MHz用の測定装置を用いて行った。なお、
この測定装置ないしは測定方法は、一般に用いられてい
るので、その詳しい説明は省略するが、その概略はおよ
そ次のとおりである。
【0057】図4に示すように、この測定装置ないしは
測定方法においては、所定の高さHの回転台60の上に
供試材61(この場合は、表面処理装置)が配置され、
この供試材61に、所定の電源から、フィルタ63を備
えた導線62を介して所定の電力が供給される。そし
て、供試材61から所定の距離d(例えば、30m又は
10m)だけ隔てた位置に配置された同調ダイポールア
ンテナ64で、供試材61から放射される電磁波ノイズ
が受信され、この同調ダイポールアンテナ64で受信さ
れた電磁波ノイズが測定器65で検出される。
【0058】図5と図6とに、夫々、図4に示すような
30〜1000MHz用の測定装置ないしは測定方法に
より、電磁波遮蔽層34を備えた本発明にかかる表面処
理装置T(本案)と、電磁波遮蔽層34を備えていない
表面処理装置(比較例)とについて電磁波ノイズを測定
した結果を示す。図5及び図6から明らかなとおり、本
発明にかかる表面処理装置Tでは(本案)、比較例の表
面処理装置に比べて、周波数がおよそ600〜1000
MHzの領域での電磁波ノイズ(雑音電界強度)が低く
なっている。したがって、本発明にかかる表面処理装置
Tでは、電磁波公害の発生を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる表面処理装置の側面断面説明
図である。
【図2】 図1に示す表面処理装置の電気回路図であ
る。
【図3】 (a)は図1に示す表面処理装置の放電処理
部の側面図であり、(b)は該放電処理部の放電部の側
面断面図である。
【図4】 電磁波ノイズの測定装置の構成を示す模式図
である。
【図5】 本発明にかかる表面処理装置の電磁波ノイズ
の測定結果を示すグラフである。
【図6】 比較例にかかる表面処理装置の電磁波ノイズ
の測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
T…表面処理装置、S…接点スイッチ、1…出力回路
部、2…ケーシング、2a…ケーシングの後面壁、3…
スイッチ回路、4…変圧回路、5…放電処理部、6…被
処理物、7…対向電極、8…アース部、9…1次巻き
線、10…2次巻き線、11…差し込みプラグ、12…
第1端子、13…第2端子、14…第1導線、15…第
2導線、16…ノイズフィルタ、17…電源スイッチ、
18…ヒューズ、19…接続導線、20…第1抵抗器、
21…第1ネオンランプ、22…コイル、23…スイッ
チ駆動用マグネット、24…第1接点、25…第2接
点、26…第1接触部、27…第2接触部、28…強磁
性体片、29…スイッチ調節つまみ、30…第3導線、
31…ノイズ除去用コンデンサ、32…第4導線、33
…第5導線、34…電磁波遮蔽層、35…導線、36…
アース接続部、37…アース導線、38…第2抵抗器、
39…第2ネオンランプ、40…放電部、41…外套
部、42…放電線、43…誘電体(フッ素樹脂製チュー
ブ)、60…回転台、61…供試材、62…導線、63
…フィルタ、64…同調ダイポールアンテナ、65…測
定器。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電源から供給された電力から高周波数の
    交流電力を生成するスイッチ回路と、該スイッチ回路か
    ら出力された高周波数の交流電力を受け入れる1次巻き
    線と該1次巻き線よりも巻数の多い2次巻き線とを備え
    ていて上記1次巻き線に受け入れられた電力に対応して
    上記2次巻き線に高電圧・高周波数の交流電力を生成す
    る変圧回路とが、絶縁材料からなるケーシング内に配置
    されている出力回路部と、 上記変圧回路の2次巻き線で生成された交流電力を受け
    入れて被処理物に接近又は接触したときに該被処理物と
    の間にコロナ放電を惹起して被処理物表面を処理する放
    電極を備えた放電処理部とが設けられている可搬式小型
    表面処理装置であって、 上記ケーシングの外面と内面との少なくとも一方に、導
    電性材料からなる電磁波遮蔽層が設けられていることを
    特徴とする可搬式小型表面処理装置。
  2. 【請求項2】 上記放電極が誘電体で被覆されているこ
    とを特徴とする、請求項1に記載された可搬式小型表面
    処理装置。
  3. 【請求項3】 上記電磁波遮蔽層がアース接続部に接続
    されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載さ
    れた可搬式小型表面処理装置。
  4. 【請求項4】 上記電磁波遮蔽層の厚さが0.01mm
    以上、5mm以下の範囲内であることを特徴とする、請
    求項1〜3のいずれか1つに記載された可搬式小型表面
    処理装置。
  5. 【請求項5】 上記スイッチ回路が、接点スイッチを高
    速で繰り返し開閉させることにより電源から供給された
    電力を高周波数の交流電力に変換するようになっている
    ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1つに記載
    された可搬式小型表面処理装置。
  6. 【請求項6】 上記電源が交流電源であり、かつ上記ス
    イッチ回路が上記電源から供給される交流電力によって
    励磁状態と消磁状態とが繰り返される電磁石を備えてい
    て、上記接点スイッチが上記電磁石の励磁状態と消磁状
    態の交替に伴って開閉されるようになっていることを特
    徴とする、請求項5に記載された可搬式小型表面処理装
    置。
  7. 【請求項7】 上記スイッチ回路が、電源から供給され
    た電力でもって、僅かな間隙を隔てて配置された電極対
    に火花放電を生じさせて振動電流を惹起し、該振動電流
    によって高周波数の交流電力を生成するようになってい
    ることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1つに記
    載された可搬式小型表面処理装置。
  8. 【請求項8】 単相の交流電源から供給された電力から
    高周波数の交流電力を生成するスイッチ回路と、該スイ
    ッチ回路から出力された高周波数の交流電力を受け入れ
    る1次巻き線と該1次巻き線よりも巻数の多い2次巻き
    線とを備えていて上記1次巻き線に受け入れられた電力
    に対応して上記2次巻き線に高電圧・高周波数の交流電
    力を生成する変圧回路とが、絶縁材料からなるケーシン
    グ内に配置されている出力回路部と、 上記変圧回路の2次巻き線で生成された交流電力を受け
    入れて被処理物に接近又は接触したときに該被処理物と
    の間にコロナ放電を惹起して被処理物表面を処理する放
    電極を備えた放電処理部とが設けられている可搬式小型
    表面処理装置であって、 上記スイッチ回路へ電力を供給する2本の導線のうち、
    交流電源の交流電力電位側極子に接続される方の導線
    の、交流電源への接続部とスイッチ回路への接続部との
    間の部位をアース接続部に接続するアース導線が設けら
    れ、該アース導線に検電器が介設されていることを特徴
    とする可搬式小型表面処理装置。
  9. 【請求項9】 上記放電極が誘電体で被覆されているこ
    とを特徴とする、請求項8に記載された可搬式小型表面
    処理装置。
  10. 【請求項10】 上記検電器が、上記アース導線に直列
    に介設された抵抗器とネオンランプとからなることを特
    徴とする、請求項8又は9に記載された可搬式小型表面
    処理装置。
  11. 【請求項11】 上記スイッチ回路が、上記交流電源か
    ら供給される電力によって励磁状態と消磁状態とが繰り
    返される電磁石と、該電磁石の励磁状態と消磁状態の交
    替に伴って開閉される接点スイッチとを備え、該接点ス
    イッチの開閉により高周波数の交流電力を生成するよう
    になっていて、 交流電源の交流電力電位側極子に接続される上記導線
    に、交流電源への接続部側から順に、上記電磁石のコイ
    ルと、上記接点スイッチと、上記変圧回路の1次巻き線
    とが直列に介設され、 上記アース導線が、上記導線の、交流電源への接続部と
    上記電磁石のコイルとの間の部位をアース接続部に接続
    することを特徴とする、請求項8〜10のいずれか1つ
    に記載された可搬式小型表面処理装置。
  12. 【請求項12】 上記ケーシングの外面及び内面の少な
    くとも一方に、導電性材料からなる電磁波遮蔽層が設け
    られ、該電磁波遮蔽層が上記アース接続部に接続されて
    いることを特徴とする、請求項8〜11のいずれか1つ
    に記載された可搬式小型表面処理装置。
  13. 【請求項13】 上記電磁波遮蔽層の厚さが0.01m
    m以上、5mm以下の範囲内であることを特徴とする、
    請求項12に記載された可搬式小型表面処理装置。
  14. 【請求項14】 上記放電極が、可撓性を有するループ
    線状の金属部材であり、上記誘電体が、フッ素樹脂、シ
    リコン樹脂、ポリウレタン、ポリオレフィン又は塩化ビ
    ニルからなり上記放電極を被覆するチューブであること
    を特徴とする、請求項2〜7又は請求項9〜13のいず
    れか1つに記載された可搬式小型表面処理装置。
JP9213420A 1997-08-07 1997-08-07 可搬式小型表面処理装置 Pending JPH1154298A (ja)

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