JPH1160601A - セルロース系担体及びその製造方法 - Google Patents

セルロース系担体及びその製造方法

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JPH1160601A
JPH1160601A JP23776197A JP23776197A JPH1160601A JP H1160601 A JPH1160601 A JP H1160601A JP 23776197 A JP23776197 A JP 23776197A JP 23776197 A JP23776197 A JP 23776197A JP H1160601 A JPH1160601 A JP H1160601A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粒子径を大きくすることができ、比較的低い
線速度で通液してもパーフュージョン効果を生じるセル
ロース系担体及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 パーフュージョン型のセルロース系担体
であって、アルカリ性溶液中に多孔質のセルロース系小
粒子を懸濁させて懸濁液とし、前記懸濁液を、酸性溶液
に接触させて、前記セルロース系小粒子の粒子間に空隙
を設けるように、前記セルロース系小粒子を相互に連結
させてなるセルロース系粒子体からなるセルロース系担
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パーフュージョン
型のセルロース系担体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】粒子を貫通する通し細孔と、この通し細
孔に相互連絡した細孔であって、通し細孔に比べて孔径
が小さいサブ細孔とを有する粒子を、クロマトグラフィ
ー用担体、アフィニティークロマトグラフィー用担体、
酵素固定化用担体として容器に充填し、適切な線速度で
通液した場合、従来の通し細孔を有さない担体に比べ、
担体内における溶質の移動が速く(パーフュージョン効
果)なり、それぞれの目的とする作業を高速で達成する
ことが知られている(特表平4−500726号公報、
特表平6−507313号公報)。本明細書中、上述の
通し細孔とサブ細孔とを有する粒子からなる担体をパー
フュージョン型担体という。
【0003】パーフュージョン型担体としては、パーセ
プティブ・バイオシステムズ社製のクロマトグラフィー
用担体であるポロス(POROS、商品名)が上市され
ている。このものは、スチレン−ジビニルベンゼン共重
合体の小粒子を集合させた担体である。従来入手可能な
パーフュージョン型担体は、粒子径が小さく(10×1
-6〜50×10-6m)、2.8×10-3m/s以上の
高い線速度で通液する場合にパーフュージョン効果を発
する。しかし、担体として容器に充填し、培養槽から得
られたままの溶液や、スラリー溶液、血液等を高い線速
度で通液する場合、粒子径が小さいために詰まりが生じ
やすかった。例えば、血液を通液した場合、血球がカラ
ム内又はカラム入口で詰まり、溶血を引き起こしてた。
また、通液速度を高速にした場合、詰まりが短時間で生
じてしまう。
【0004】しかしながら、これまでに、粒子径が大き
く、且つ、低い線速度で通液した場合に、パーフュージ
ョン効果が生じるパーフュージョン型担体は知られてい
なかった。更には、パーフュージョン型担体としてセル
ロース系のものは知られていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、粒子径を大きくすることができ、比較的低い線速度
で通液してもパーフュージョン効果を生じるセルロース
系担体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、パーフュージ
ョン型のセルロース系担体であって、アルカリ性溶液中
に多孔質のセルロース系小粒子を懸濁させて懸濁液と
し、前記懸濁液を、酸性溶液に接触させて、前記セルロ
ース系小粒子の粒子間に空隙を設けるように、前記セル
ロース系小粒子を相互に連結させてなるセルロース系粒
子体からなるセルロース系担体である。
【0007】また、本発明は、アルカリ性溶液中に多孔
質のセルロース系小粒子を懸濁させて懸濁液とし、前記
懸濁液を、酸性溶液に接触させて、前記セルロース系小
粒子の粒子間に空隙を設けるように、前記セルロース系
小粒子を相互に連結させてなるパーフュージョン型のセ
ルロース系担体の製造方法である。以下に本発明を詳述
する。
【0008】本発明で使用されるアルカリ性溶液として
は特に限定されず、例えば、水酸化ナトリウム水溶液、
水酸化リチウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化
セシウム水溶液、水酸化ルビジウム水溶液等を挙げるこ
とができる。上記アルカリ性溶液には、粘度調整のた
め、グリセリン、水溶性高分子等を添加してもよい。
【0009】上記アルカリ性溶液は、pHが13以上
(溶液濃度0.1規定以上)のものが好ましい。より好
ましくは、pHが14.3以上(溶液濃度2規定以上)
のものである。pHが13未満であると、セルロース系
小粒子を含む懸濁液として酸性溶液に接触させる場合、
上記セルロース系小粒子が相互に分散した状態となり、
連結させることができなくなる。なお、pHの値は、酸
又はアルカリの水溶液中における解離度=1、〔H+
×〔OH- 〕=10-14 としてpH=−log
10〔H+ 〕の式から求めた。従って、例えば、アルカリ
性溶液の濃度が0.1規定である場合pHが13とな
る。
【0010】本発明で使用されるセルロース系小粒子と
しては、ゲル濾過剤、セルロース性イオン交換体の原
料、アフィニティークロマトグラフィー用担体、高分子
担体、体液浄化用担体、化粧品添加剤等の用途に従来よ
り使用されているものを使用することができる。
【0011】上記セルロース系小粒子は、例えば、セル
ロース、セルロース誘導体、再生セルロース等のセルロ
ース系材料から構成される。上記セルロースとしては特
に限定されず、例えば、木綿繊維を脱脂したもの、麻
類、木材から得られるパルプ、パルプを精製して得られ
る精製セルロース等が挙げられる。
【0012】上記セルロース誘導体としては特に限定さ
れず、例えば、セルロースの水酸基の一部がエステル化
されたもの(エステル誘導体);セルロースの水酸基が
エーテル化されたもの(エーテル誘導体)等を挙げるこ
とができる。上記セルロースのエステル誘導体としては
特に限定されず、例えば、酢酸セルロース、プロピオン
酸セルロース、ニトロセルロース、りん酸セルロース、
酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、セルロースのジ
チオカルボン酸エステル(ビスコースレーヨン)等を挙
げることができる。上記セルロースのエーテル誘導体と
しては特に限定されず、例えば、メチルセルロース、エ
チルセルロース、ベンジルセルロース、トリチルセルロ
ース、シアノエチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロース、カルボキシエチルセルロース、アミノエチルセ
ルロース、オキシエチルセルロース等が挙げられる。
【0013】上記再生セルロースは、上記セルロース
を、一度、成形しやすいセルロース誘導体とし、成形し
た後に再びセルロースに変換したものであり、具体的に
は、例えば、酢酸セルロースやプロピオン酸セルロース
等のセルロースのエステル誘導体等を加水分解すること
により調製したもの等が挙げられる。
【0014】上記セルロース系小粒子は、用途に応じた
孔径を有する多孔質である。上記多孔質のセルロース系
小粒子は、例えば、特開昭63−90501号公報、特
開昭63−92602号公報等に開示されている方法に
より製造することができる。具体的には、例えば、以下
の方法等により上記セルロース系小粒子を製造すること
ができる。
【0015】(1)セルロースザンテートと水溶性高分
子化合物とを含むアルカリ性高分子水溶液及び水溶性の
アニオン性高分子化合物を混合して、該アルカリ性高分
子水溶液の微粒子分散液を調製し、上記分散液を加熱
し、又は、セルロースザンテートの凝固剤と混合して、
分散液中のセルロースザンテートを微粒子として凝固さ
せる。このとき、上記セルロースザンテートの微粒子
は、水溶性高分子化合物を含有しているので、これを除
去する。次いで、上記セルロースザンテートの微粒子を
酸で中和してセルロースを再生させ、上記セルロース系
小粒子を得る。
【0016】上記セルロースザンテートの微粒子を凝固
させる場合、上記のほか、上記分散液に酸を添加するこ
とによって行うことができる。この場合には、上記水溶
性高分子化合物を除去した後、添加した酸を中和させる
ことにより、セルロースを再生させ、上記セルロース系
小粒子を得る。
【0017】(2)ビスコース、炭酸カルシウム及び水
溶性のアニオン性高分子化合物を混合して、炭酸カルシ
ウムを含有するビスコースの微粒子分散液を生成させ、
上記分散液を加熱又は凝固剤を混合することにより上記
分散液中のビスコースを凝固させ、次いで、酸で中和し
てセルロースの微粒子を生成させる。その後、上記セル
ロースの微粒子を分散液から分離し、酸分解によって炭
酸カルシウムを除去した後乾燥させることにより、上記
セルロース系小粒子を得る。
【0018】本発明のセルロース系担体は、上記アルカ
リ性溶液中に上記セルロース系小粒子を懸濁させて懸濁
液とし、上記懸濁液を、酸性溶液に接触させることによ
り形成される。
【0019】上記アルカリ性溶液にセルロース系小粒子
を懸濁させる時間は、1分以上が好ましい。1分未満で
あると、上記セルロース系小粒子を充分に連結させるこ
とが困難である。より好ましくは、1時間以上である。
【0020】上記セルロース系小粒子の懸濁濃度は、5
0〜75体積%であることが好ましい。上記懸濁濃度と
は、懸濁液の体積に対する懸濁液中におけるセルロース
系小粒子の全体積の割合である。上記セルロース系小粒
子の懸濁濃度が50体積%未満であると、懸濁液の液滴
を酸性溶液に接触させた場合、断片状のセルロース系成
形体が得られ、その強度も弱く、75体積%を超える
と、滑らかな面を有する液滴が得られず、セルロース系
成形体の形状は、塊状となってしまう。より好ましく
は、60〜70体積%である。
【0021】上記液滴の大きさは、平均直径が3×10
-3m以下であることが好ましい。平均直径が3×10-3
mを超えると、表面張力の及ぼす作用が小さくなり、液
滴が形成されにくくなる。
【0022】上記懸濁液を液滴とする方法としては特に
限定されず、例えば、キャピラリーから上記懸濁液を気
相中に吐出する方法、噴霧器を利用する方法等を挙げる
ことができる。なかでも、微小化した液滴を得ることが
できるので、噴霧器等を利用することが好ましい。
【0023】上記噴霧器の種類としては、液滴の平均直
径を3×10-3m以下に細分化させることができる装置
であれば特に限定されず、例えば、回転円盤型、圧力ノ
ズル型、2流体ノズル型のもの等を挙げることができ
る。
【0024】上記回転円盤型噴霧器は、高速円盤上に溶
液を流して、遠心力により溶液を振り飛ばし、空気等の
気体と衝突させて噴霧化させるものである。上記圧力ノ
ズル型噴霧器は、高圧の溶液を小孔から吐出させて、溶
液を周囲の空気等の気体と衝突させて噴霧するものであ
る。上記2流体ノズル型噴霧器は、溶液自体は低圧で
も、圧縮ガスにより高速のガスで吹き飛ばして噴霧化す
るものである。
【0025】上記酸性溶液としては、pHが1以下(溶
液濃度0.1規定以上)のものが好ましい。より好まし
くは、pHが−0.3(溶液濃度2規定以上)以下のも
のである。pHが1を超えると、セルロース系小粒子を
含む懸濁液として酸性溶液に接触させる場合、上記セル
ロース系小粒子が相互に分散した状態となり、連結させ
ることが困難である。
【0026】上記酸性溶液としては特に限定されず、例
えば、塩酸水溶液、硫酸水溶液、硝酸水溶液、りん酸水
溶液等を挙げることができる。上記酸性溶液には、粘度
調整のため、グリセリン、水溶性高分子等を添加しても
よい。
【0027】上記懸濁液の液滴を上記酸性溶液に接触さ
せる方法としては特に限定されず、例えば、上記酸性溶
液中に上記液滴を浸す方法;上記酸性溶液を微細化、例
えば、霧状にして上記液滴に接触させる方法等を挙げる
ことができる。上記懸濁液の液滴を上記酸性溶液に接触
させる時間は、1分以上が好ましい。1分未満である
と、上記セルロース系小粒子を充分に連結させることが
できない。より好ましくは、1時間以上である。
【0028】なお、上記セルロース系粒子体において、
上記セルロース系小粒子が相互に連結されている態様
は、必ずしも共有結合によるものである必要はなく、実
質的に、粒子間の結合状態を安定して維持することがで
きる状態であればよい。例えば、セルロース系小粒子の
連結という場合、粒子間のセルロース分子の絡み合いに
よる連結、水素結合等の化学結合による連結等も含まれ
る。
【0029】上記セルロース系粒子体の平均直径は、上
記セルロース系小粒子の平均直径に対するセルロース系
粒子体の平均直径の比の値が50未満であることが好ま
しい。上記比の値が50以上であると、通し細孔となる
上記空隙が小さくなり、パーフュージョン効果が小さく
なる。上記セルロース系粒子体の平均直径は、用途に応
じて適宜設定される。通常、20×10-6〜3×10-3
mであることが好ましい。上記セルロース系粒子体を容
器に充填して、詰まりやすい溶媒を通液する場合には、
使用する上記セルロース系担体の平均直径は、100×
10-6m以上が好ましく、通液する速度は、詰まりが生
じない範中で、3×10-4m/s以上が好ましい。上記
平均直径が、100×10-6m未満であると、詰まりが
生じやすくなり、且つ、通液速度が3×10-4m/s未
満であると、パーフュージョン効果が小さく、目的とす
る時間当たり作業の効率が悪くなる。
【0030】上記セルロース系粒子体は、乾燥時の比表
面積がBET法において2×1042 /kg以上であ
ることが好ましい。2×104 2 /kg未満である
と、用途に応じる作用面積が小さくなる。より好ましく
は、5×104 2 /kg以上である。
【0031】本発明のセルロース系担体は、上に詳述し
たセルロース系粒子体自体を担体そのものとするもので
ある。上記セルロース系粒子体におけるセルロース系小
粒子の粒子間に空隙を設けるように、上記セルロース系
小粒子を相互に連結された複数のセルロース系小粒子か
らなり、上記粒子間の空隙が通し細孔となり、通し細孔
に面した連結後の複数のセルロース系小粒子の細孔がサ
ブ細孔となる。その形状は、通常、回転楕円体状又は球
状である。
【0032】本発明のセルロース系担体は、用途に応じ
た孔径を有するセルロース系小粒子及び上述の直径比を
設定することにより、多目的に使用することができる。
例えば、ゲル濾過用担体、セルロース性イオン交換体の
原料、アフィニティークロマトグラフィー用担体、香料
・薬品等の吸着用担体、菌体・酵素の固定化担体、体液
浄化用担体等の用途が挙げられる。
【0033】本発明の製造方法は、上記セルロース系粒
子体を、アルカリ性溶液中に多孔質のセルロース系小粒
子を懸濁させて懸濁液とし、上記懸濁液を、酸性溶液に
接触させて、上記セルロース系小粒子の粒子間に空隙を
設けるように、上記セルロース系小粒子を相互に連結さ
せて製造するものである。
【0034】本発明のセルロース系担体の製造方法は、
セルロース系小粒子を容易に連結させることができ、か
つ、上記セルロース系小粒子の粒子間に空隙を形成させ
ることができるので、本発明のセルロース系担体を製造
するのに好適である。また、本発明のセルロース系担体
の製造方法は、製造工程において有機溶剤を使用してお
らず、洗浄も容易であり、環境汚染を防止するうえで非
常に好ましい。
【0035】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0036】実施例1 平均直径20×10-6mの多孔質のセルロース小粒子
(チッソ社製)を、懸濁濃度が70体積%となるように
6規定の水酸化ナトリウム水溶液(pH=14.8)に
混入した。スターラーで充分攪拌した後、穴径0.7×
10-3mのキャピラリーで本懸濁液の液滴を5規定の塩
酸水溶液(pH=−0.7)に接触させたところセルロ
ース系担体を得た。粒子径は、約2×10-3mであっ
た。得られたセルロース系担体を純水で洗浄した。得ら
れたセルロース系担体内の液体をエタノールで置換して
から、2−メチル−2−プロパノールで置換し、凍結乾
燥機(Eiko Eng.CO Ltd.社製)を用い
て凍結乾燥させ、金を蒸着させた後、走査型電子顕微鏡
(トプコン社製)で観察したところ、図1に示すよう
に、得られたセルロース系担体の形状は球状であった。
図3に示すように、連結させたセルロース小粒子間に空
隙があった。また、図4に示すように連結後の多孔質の
セルロース小粒子の孔も観察できた。
【0037】比較例1 平均直径20×10-6mの多孔質のセルロース小粒子
(チッソ社製)を、懸濁濃度が70体積%となるように
純水に混入した。スターラーで充分攪拌した後、穴径
0.7×10-3mのキャピラリーで本懸濁液の液滴を5
規定の塩酸水溶液(pH=−0.7)に接触させたとこ
ろ、セルロース小粒子は、それぞれ分散した状態になっ
た。
【0038】比較例2 平均直径20×10-6mの多孔質のセルロース小粒子
(チッソ社製)を、懸濁濃度が70体積%となるように
6規定の水酸化ナトリウム水溶液(pH=14.8)に
混入した。スターラーで充分攪拌した後、穴径0.7×
10-3mのキャピラリーで本懸濁液の液滴を純水に接触
させたところ、円盤状のセルロース成形体が得られた。
振盪したところ、成形体の形状は崩れ、セルロース小粒
子はそれぞれ分散した状態になった。
【0039】比較例3 平均直径20×10-6mの多孔質のセルロース小粒子
(チッソ社製)を、懸濁濃度が40体積%となるように
6規定の水酸化ナトリウム水溶液(pH=14.8)に
混入した。スターラーで充分攪拌した後、穴径0.7×
10-3mのキャピラリーで本懸濁液の液滴を5規定の塩
酸水溶液(pH=−0.7)に接触させたところ、それ
ぞれが断片状のセルロース成形体が得られた。振盪した
ところ、成形体の形状は崩れ、セルロース小粒子はそれ
ぞれ分散した状態になった。
【0040】比較例4 平均直径20×10-6mの多孔質のセルロース小粒子
(チッソ社製)を、懸濁濃度が80体積%となるように
6規定の水酸化ナトリウム水溶液(pH=14.8)に
混入した。スターラーで充分攪拌した後、穴径0.7×
10-3mのキャピラリーで本懸濁液の液滴を5規定の塩
酸水溶液(pH=−0.7)に接触させようとしたとこ
ろ、滑らかな面を有する液滴が形成されず、得られたセ
ルロース系成形体の形状は、塊状であった。
【0041】実施例2 平均直径20×10-6mの多孔質のセルロース小粒子
(チッソ社製)を、懸濁濃度が70体積%となるように
6規定の水酸化ナトリウム水溶液(pH=14.8)に
混入し、懸濁液を作製し、スターラーで充分攪拌した。
2流体ノズル(同心円上に内ノズルと外ノズルを有す
る)の外ノズルから圧縮窒素ガスを噴出すると同時に内
ノズルから上記懸濁液を吐出した。窒素噴射圧は5×1
3 kg/m2 で、懸濁液の吐出速度は5.19×10
-43 /sであった。内ノズルの直径は2.6×10-3
m、外ノズルの直径は4.4×10-3mの2流体ノズル
を使用した。吐出高さは4mであった。酸性溶液中に本
発明のセルロース系担体を得た。平均粒子径は約200
×10-6mであった。
【0042】得られたセルロース系担体内の液体をエタ
ノールで置換してから、2−メチル−2−プロパノール
で置換し凍結乾燥機(Eiko Eng.CO Lt
d.社製)を用いて凍結乾燥させ、金を蒸着させた後、
走査型電子顕微鏡(トプコン社製)で観察したところ、
図5に示すように、得られたセルロース系担体の形状は
球状であった。図6に示すように、連結させたセルロー
ス小粒子間に空隙があった。また、図7に示すように、
連結後のセルロース系小粒子の孔も観察できた。
【0043】比較例5 実施例1、2及び比較例1〜4で使用したセルロース小
粒子と同一構造(孔径等)で平均直径が異なる多孔質の
セルロース粒子(平均直径179×10-6m)(チッソ
社製)を充填したカラム(内径0.01m、長さ0.0
5m)に、23.2度の生理食塩液(大塚製薬社製)
を、線速度約5×10-4m/sで流し、低密度リポタン
パク質(L−2139、SIGMA社製)を生理食塩水
で5倍に希釈した溶液100×10-93 をパルス的に
注入した。低密度リポタンパク質の濃度の経時変化を2
80nmの波長で吸光度計測器(ATTO社製)を用い
て測定した。図8に示すように、ピークトップの位置
は、溶出し始めた直後であることを確認できた。なお、
使用したセルロース粒子は、低密度リポタンパク質が粒
子内に入ることができる細孔を有するものである。従っ
て、上記溶出曲線の結果は、低密度リポタンパク質が上
記セルロース粒子内に入ることができる細孔がないため
ではなく、粒子径が大きいために、物質移動する距離が
長く、低密度リポタンパク質が、上記セルロース粒子内
に充分に移動できないまま、カラム内に充填したセルロ
ース粒子間の流れとともに、カラム出口から溶出するた
めであると考えられる。
【0044】実施例3 実施例2で得た担体(平均粒子径:約200×10
-6m、セルロース小粒子の平均直径に対するセルロース
担体の平均直径の比=10)を充填したカラム(内径
0.01m、長さ0.05m)に23.2度の生理食塩
液(大塚製薬社製)を線速度約5×10-4m/sで流
し、低密度リポタンパク質(L−2139、SIGMA
社製)を生理食塩水で5倍に希釈した溶液100×10
-93 をパルス的に注入した。低密度リポタンパク質の
濃度の経時変化を280nmの波長で吸光度計測器(A
TTO社製)を用いて測定した。図9に示すように、ピ
ークトップの位置は、比較例5に比べて遅いことを確認
できた。なお、本実施例で使用した担体は、比較例5で
用いたセルロース粒子(粒子径:179×10-6m)と
同様の細孔を有するセルロース小粒子(粒子径:約20
×10-6m)で構成されたパーフュージョン型担体(粒
子径:約200×10-6m)である。従って、上記溶出
曲線の結果は、担体の粒子径が大きくても、構造をパー
フュージョン型にすることにより、担体内の低密度リポ
タンパク質の物質移動が速くなり、低密度リポタンパク
質が担体内に充分に移動できたためであると考えられ
る。
【0045】
【発明の効果】本発明のセルロース系担体は上述の構成
よりなるので、その大きさ及び内部構造に応じて、ゲル
濾過用担体、セルロース性イオン交換体の原料、アフィ
ニティークロマトグラフィー用担体、香料・薬品等の吸
着用担体、菌体・酵素の固定化担体、体液浄化用担体等
の用途に好適に使用することができる。また、本発明の
セルロース系担体の製造方法は上述のとおりであるの
で、本発明のセルロース系担体を容易に製造することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のセルロース系担体の粒子表面を40
倍に拡大した写真である。
【図2】実施例1のセルロース系担体の粒子断面を40
倍に拡大した写真である。
【図3】実施例1のセルロース系担体の粒子断面を50
0倍に拡大した写真である。
【図4】実施例1のセルロース系担体の粒子断面を50
00倍に拡大した写真である。
【図5】実施例2のセルロース系担体の粒子表面を20
0倍に拡大した写真である。
【図6】実施例2のセルロース系担体の粒子表面を10
00倍に拡大した写真である。
【図7】実施例2のセルロース系担体の粒子表面を50
00倍に拡大した写真である。
【図8】比較例5に基づく低密度リポタンパク質の溶出
曲線を示したものである。
【図9】実施例3に基づく低密度リポタンパク質の溶出
曲線を示したものである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パーフュージョン型のセルロース系担体
    であって、アルカリ性溶液中に多孔質のセルロース系小
    粒子を懸濁させて懸濁液とし、前記懸濁液を、酸性溶液
    に接触させて、前記セルロース系小粒子の粒子間に空隙
    を設けるように、前記セルロース系小粒子を相互に連結
    させてなるセルロース系粒子体からなることを特徴とす
    るセルロース系担体。
  2. 【請求項2】 アルカリ性溶液は、pHが13以上のも
    のであり、セルロース系小粒子の懸濁濃度は、50〜7
    5体積%であり、酸性溶液は、pHが1以下のものであ
    る請求項1記載のセルロース系担体。
  3. 【請求項3】 セルロース系粒子体の平均直径は、セル
    ロース系小粒子の平均直径に対するセルロース系粒子体
    の平均直径の比の値が50未満である請求項1又は2記
    載のセルロース系担体。
  4. 【請求項4】 セルロース系粒子体の平均直径が、10
    0×10-6m以上であり、この粒子体を容器に充填して
    線速度3×10-4m/s以上で通液した場合にパーフュ
    ージョン効果が生じる請求項1、2又は3記載のセルロ
    ース系担体。
  5. 【請求項5】 アルカリ性溶液中に多孔質のセルロース
    系小粒子を懸濁させて懸濁液とし、前記懸濁液を、酸性
    溶液に接触させて、前記セルロース系小粒子の粒子間に
    空隙を設けるように、前記セルロース系小粒子を相互に
    連結させてなることを特徴とするパーフュージョン型の
    セルロース系担体の製造方法。
  6. 【請求項6】 アルカリ性溶液は、pHが13以上のも
    のであり、セルロース系小粒子の懸濁濃度は、50〜7
    5体積%であり酸性溶液は、pHが1以下のものである
    請求項5記載のセルロース系担体の製造方法。
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