JPH1171190A - 炭化珪素−シリコン複合材料の製造方法 - Google Patents

炭化珪素−シリコン複合材料の製造方法

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JPH1171190A
JPH1171190A JP9244780A JP24478097A JPH1171190A JP H1171190 A JPH1171190 A JP H1171190A JP 9244780 A JP9244780 A JP 9244780A JP 24478097 A JP24478097 A JP 24478097A JP H1171190 A JPH1171190 A JP H1171190A
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silicon carbide
silicon
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producing
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JP9244780A
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Yoshio Nakamura
好男 中村
Yushi Horiuchi
雄史 堀内
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Coorstek KK
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Toshiba Ceramics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 型を用いずに、成形型を用いた方法で得られ
る製品に匹敵するような緻密で強度の強い所望の形状を
有する立体形状体を、簡易且つ迅速に得ることのできる
経済性に優れた炭化珪素−シリコン複合材料の製造方法
の提供。 【解決手段】 メソフェーズ含有ピッチが被覆された炭
化珪素粉末と熱可塑性樹脂とを有する均一混合物の加熱
溶融物をノズルの開口部から押し出しながら支持台上を
走査して支持台上に所望の形状に溶融物を射出した後、
該溶融物を硬化させて硬化層を作製する過程を有する立
体形状体を作製する工程と、上記で得た立体形状体を不
活性雰囲気下で加熱処理して炭化珪素及び炭素とからな
る焼成体とする工程と、上記で得られた焼成体にシリコ
ンを含浸させ、炭化珪素−シリコン複合材料とする工程
とを有する炭化珪素−シリコン複合材料の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性、耐薬品
性、耐酸化性、高強度等の優れた特性を示す炭化珪素−
シリコン複合材料の製造方法に関する。更に詳しくは、
炭化珪素粉末と熱可塑性樹脂とからなる均一混合物の溶
融と硬化の工程を利用した硬化層の形成により、成形型
を用いいることなく迅速に立体形状を有する炭化珪素−
シリコン複合材料が得られる炭化珪素−シリコン複合材
料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭化珪素−シリコン複合材料は強度が大
きく、耐酸化性等に優れるため、各種装置の構造材料や
各種工具等に広く用いられている。炭化珪素−シリコン
複合材料は、通常、炭化珪素粉末と炭素源となるフェノ
ール樹脂や炭素粉末等からなる混合物を所望の形状に成
形して得られた成形体を焼成して、炭化珪素と炭素とか
らなる焼成体を作製した後、その焼成体にシリコンを含
浸させて製造されている。この炭化珪素と炭素からなる
焼成体の特性に重要な影響を与えるのが炭化珪素粉末を
所望の形状に形作るための成形工程である。その成形方
法として、従来は、CIP(冷間等方加圧)成形法や、
石膏型のような吸水性の型を用いる鋳込み成形法等の特
定の成形型を用いる成形方法が用いられていた。しか
し、このような成形型を用いる成形方法では、型を製作
するための費用や作製時間を要し、更に、複雑な立体形
状体の成形においては型による制約もある。このため、
例えば、特開平8−151267号公報においては、型
を用いずにCADモデルから所望形状の硬化層を直接作
製し、その硬化層を連続的に積層することによって立体
形状体を成形する迅速造形方法が提案されている。更
に、最近では、同様な迅速造形方法の一つとして、熱可
塑性樹脂−セラミックス混合系を熱溶融してノズルから
押し出し、特定形状の硬化層を形成した後、更に同様の
走査を繰り返すことによって硬化層を積層して立体形状
となす成形法(以下、溶融堆積法と呼ぶ)が提案された
〔M.K.Agarwalaら、Solid Free
form Fabrication Symposiu
m要旨集、頁1(1995)参照〕。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た溶融堆積法を、そのまま炭化珪素−シリコン複合材料
の成形方法に適用すると以下のような問題が生じる。即
ち、溶融堆積法を用いて、上記したように熱可塑性樹脂
を成形助剤(結合材)として用い、炭化珪素粉末と混合
した混合物で所望の形状に成形後、成形体を焼成した場
合、熱可塑性樹脂の炭化収率は10%以下に過ぎずない
ため、得られる焼成体中の炭素源とは殆どならないので
下記のような問題が生じる。 (i)焼成体の残存炭素含有量が少ないと、焼成体にシ
リコンを含浸させた場合のシリコンの濡れ性が悪くな
り、焼成体中に充分にシリコンが含浸されないため、欠
陥を有する炭化珪素−シリコン複合材料となる。また、
残存炭素含有量が少ないため焼成体の強度が低く、形状
によっては、製造工程において持ち運ぶ際に破損を生じ
易く製品の歩留りが悪くなる。 (ii)焼成体の炭素含有量が少ないと、シリコンの含
浸工程において炭素とシリコンとの反応から生成する炭
化珪素量が少なくなり、結果として、複合材料中に占め
る炭化珪素の割合が低くなって、得られる炭化珪素−シ
リコン複合材料の強度が低くなる。
【0004】これらの問題に対する一つの解決方法とし
て、焼成した場合に高い炭化収率を示す樹脂を熱可塑性
樹脂と混合して使用することが考えられる。例えば、一
般に用いられているフェノール樹脂は炭化収率が50%
程度と高いが、フェノール樹脂は熱硬化性樹脂であるた
め、炭化珪素粉末と樹脂との均一混合物を加熱溶融して
ノズルから押し出す際や、炭化珪素粉末と樹脂とを加熱
して樹脂を軟化させて均一に混合して中間成形物を形成
し、その後に該中間成形物を再度加熱溶融して成形に用
いるような場合に、加熱溶融した混合物の流動性が劣
り、成形が困難になるという問題が生じる。
【0005】従って、本発明の目的は、先に述べた熱可
塑性樹脂−セラミックス混合系を加熱溶融して所望形状
の硬化層を形成した後、更に、硬化層を積層して立体形
状体を作製する溶融堆積法の手法を炭化珪素−シリコン
複合材料へ有効に応用し、成形型を用いることなく適宜
に所望の立体形状を有する製品が得られ、且つ、従来の
成形型を用いた方法に匹敵するような緻密で強度の強い
炭化珪素−シリコン複合材料を、簡易且つ迅速に得るこ
とのできる経済性に優れた炭化珪素−シリコン複合材料
の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、下記の本
発明によって達成される。即ち、本発明は、メソフェー
ズ含有ピッチが被覆されている炭化珪素粉末と熱可塑性
樹脂とを有する均一混合物を加熱溶融し、該溶融物をノ
ズルの開口部から押し出しながら支持台上を走査して支
持台上に所望の形状に溶融物を射出した後、該溶融物を
硬化させて硬化層を作製する過程(a)からなる立体形
状体を作製する工程(1)と、上記工程(1)で得た立
体形状体を不活性雰囲気下で加熱処理して、該立体形状
体を炭化珪素及び炭素とからなる焼成体とする工程
(2)と、上記工程(2)で得られた焼成体にシリコン
を含浸させ、炭化珪素−シリコン複合材料とする工程
(3)とを有することを特徴とする炭化珪素−シリコン
複合材料の製造方法、更に、立体形状によっては、上記
の立体形状体を作製する工程(1)が、過程(a)と過
程(a)と同様の操作を繰り返して過程(a)で作製し
た硬化層の上に更に硬化層を所望の高さになるまで積層
していく過程(b)とからなる炭化珪素−シリコン複合
材料の製造方法である。
【0007】本発明の炭化珪素−シリコン複合材料の製
造方法では、炭化珪素粉末として、その焼成品が黒鉛類
似の構造を有するメソフェーズカーボン微粒子が含有さ
れたピッチが表面被覆されている炭化珪素粉末を用いる
ため、結合材として炭化収率の低い熱可塑性樹脂を用い
ているにもかかわらず、これらの均一混合物からなる成
形体を焼成した場合に焼成体の炭素残存量が高くなる。
更に、メソフェーズカーボン微粒子は焼成された後にも
球形を保持しているため、焼成体にシリコンを含浸させ
た場合に、焼成体中へのシリコンの濡れ性が改善され、
含浸が容易となり、且つ、上記したように焼成後におけ
る炭素残存量が高いため、焼成体自身の強度が高まり、
持ち運び等によって破損することがなく、また、焼成体
にシリコンを含浸させることによって得られる炭化珪素
−シリコン複合材料中の炭化珪素の占める割合を高める
ことができる。この結果、炭化珪素−シリコン複合材料
の強度が高まる。
【0008】更に、本発明の炭化珪素−シリコン複合材
料の製造方法では、形成材料である炭化珪素粉末として
表面にピッチが被覆されたものを用いているため、セラ
ミックスと樹脂との均一混合物を得るための混合工程
や、該混合物から成形体を得る成形工程において、炭化
珪素粒子とそれぞれの装置表面との摩擦が緩和されるの
で装置の内面の摩耗が防止される。この結果、炭化珪素
粉末と熱可塑性樹脂との均一混合物を容易に得ることが
できると共に、得られる混合物を加熱溶融してノズルか
らスムーズに押し出すことができるので、成形性が向上
する。また、炭化珪素粒子に炭素源となるメソフェーズ
含有ピッチが被覆されているため、成形体全体に炭素源
となるピッチが均一に分散されることとなる。そのた
め、得られる焼成体全体に炭素が均一に存在し、結果と
して、極めて均質な炭化珪素−シリコン複合材料を得る
ことが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の態
様を挙げて本発明を詳細に説明する。本発明の炭化珪素
−シリコン複合材料の製造方法においては、上記したよ
うにメソフェーズ含有ピッチが被覆されている炭化珪素
粉末と、該粉末の成形助剤(結合材)として添加される
熱可塑性樹脂とを有する均一混合物を用いるが、以下、
該混合物に使用する材料について説明する。
【0010】先ず、本発明の炭化珪素−シリコン複合材
料の製造方法において使用する炭化珪素粉末としては、
その平均粒径が0.1〜50μm、好ましくは1μm〜
20μmのものを用いるとよい。即ち、粒径が0.1μ
mより小さすぎると、熱可塑性樹脂との混合が困難とな
り、また、混合物の粘性が上がるので流動性を与えるの
に多量の樹脂が必要となってしまい、熱処理して焼成体
を形成した場合に、その強度が低下したり、熱処理工程
での収縮率が大きくなる等の問題を生じる。一方、粒径
が50μmより大きいと、混合物を溶融してノズルの開
口部から射出する際に目詰まりを起こし易く、また、目
詰まりを防止するために押し出しノズルの口径を大きく
すると、微細な成形ができなくなる。また、成形体の表
面粗さは炭化珪素粉末の粒径やノズルから押し出された
溶融物のラインの太さに依存するため、粒径の大きい粉
末を使用したり、口径の大きいノズルを走査させて硬化
層を形成し、更には、必要に応じて硬化層を積層して成
形体とすると成形体の表面粗さが大きくなるという問題
も生じる。なお、本発明においては、焼成体中へのシリ
コンの含浸や珪化反応を阻害しない範囲内であれば、炭
化珪素粉末に他のセラミックス粉末を添加したものを使
用してもよい。
【0011】本発明で使用するメソフェーズ含有ピッチ
で被覆された炭化珪素としては、具体的には、例えば、
特開昭61−136906号公報や特開昭64−755
66号公報に記載された方法等により、所定粒径の炭化
珪素粒子とメソフェーズピッチ前駆体とを処理して製造
されたものを用いることができる。通常、この際の処理
温度は350〜550℃である。また、本発明において
は、炭化珪素粒子表面に被覆されるメソフェーズ含有ピ
ッチの量を、炭化珪素量に対して1〜50重量部とする
のが好ましく、更に好ましくは5〜30重量部とすると
よい。即ち、メソフェーズ含有ピッチの量が50重量部
を超えると、カーボン分が多くなり過ぎて、焼成体にシ
リコンを含浸させた際に、未反応カーボンが多く残存し
てしまう一方、1重量部未満であると、最終製品中に必
要なカーボン分を供給することが困難となる。
【0012】上記のようにして炭化珪素の表面に被覆さ
れたメソフェーズ含有ピッチは、焼結した場合の炭化収
率が90wt%と高く、焼成体に高い濃度の炭素を与え
ることができる。また、本発明で使用するメソフェーズ
含有ピッチは、熱処理工程において、軟化溶融しないと
いう特徴を有している。
【0013】本発明の炭化珪素−シリコン複合材料の製
造方法では、上記したメソフェーズ含有ピッチで被覆さ
れた炭化珪素と共に、その成形助剤(結合材)である熱
可塑性樹脂を用いる。この際に使用し得る熱可塑性樹脂
としては、熱可塑性を有すれば特に限定されないが、具
体的には、例えば、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリ
スチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリエチレ
ングリコール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロー
スやプロピオン酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポ
リビニルブチラール等が挙げられる。本発明において
は、特に、不活性雰囲気にて熱処理して焼成した場合
に、できるだけ炭素収率の高い樹脂を用いることが好ま
しい。
【0014】熱可塑性樹脂の添加量としては、メソフェ
ーズ含有ピッチで被覆された炭化珪素100重量部に対
して5〜100重量部、好ましくは10〜50重量部と
するとよいがこれに限定されず、均一混合物を加熱溶融
し、ノズルから押し出して成形するのに充分な流動性を
付与することができればよい。最終製品に高い濃度の炭
素を与えるためには、均一混合物中の熱可塑性樹脂の添
加量をできるだけ少量とすることが好ましい。しかし、
熱可塑性樹脂の添加量が5重量部よりも少な過ぎると、
均一混合物を加熱溶融してノズル開口部から押し出す際
に溶融物が流動性に欠け、溶融物がスムーズに射出され
ず、得られる成形体の構造欠陥の原因となる。
【0015】即ち、例えば、ノズルの開口部から加熱溶
融物を押し出しながらノズルを走査し、図3(b)に示
したように、押し出されたライン状の溶融物同士が互い
に隣接するようにして平板形状を形成する場合に、加熱
溶融された混合物が流動性に欠けると、夫々のライン状
の溶融物9が横に広がらないので、成形した平板の側面
を観察すると、図4(a)に示したように、互いの密着
性に欠けて隙間8が大きくなってしまう。これに対し、
ある程度の流動性を有する混合物を使用すれば、図4
(b)に示したように、夫々のライン状の溶融物が横に
広がって、お互いに密着した隙間の少ない状態となるた
め、緻密な成形物となる。
【0016】一方、均一混合物中の結合材である熱可塑
性樹脂の添加量が多くなると流動性は充分になるもの
の、多くなり過ぎると、硬化層を必要に応じて積層して
立体形状体を作製し、該立体形状体を焼成して炭化した
場合に焼成体の収縮率が大きくなってしまう。このた
め、焼成する前の積層体を作製する場合の寸法設定が難
しかったり、焼成体の強度が低下したり、シリコンが含
浸された焼成体の強度が低下する等の問題が生じる場合
がある。
【0017】更に、本発明の炭化珪素−シリコン複合材
料の製造方法においては、材料の軟化溶融および成形工
程を円滑に進めるための溶融・成形助剤として、均一混
合物中に、熱可塑性樹脂と共に低融点のパラフィンのよ
うなワックスや滑剤を添加してもよい。滑剤としては、
各種脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪酸エステル等を用
いることができる。
【0018】本発明の炭化珪素−シリコン複合材料の製
造方法では、上記で説明したメソフェーズ含有ピッチが
被覆されている炭化珪素粉末と熱可塑性樹脂とを有する
均一混合物を加熱溶融し、該溶融物をノズルの開口部か
ら押し出しながら支持台上を走査して支持台上に所望の
形状に溶融物を射出した後、該溶融物を硬化させて硬化
層を作製する過程(a)、更には、必要に応じて、過程
(a)と同様の操作を繰り返して更に硬化層を所望の高
さになるまで積層して均一混合物の硬化層を積層してい
く過程(b)によって立体形状体を作製する工程(1)
と、該工程(1)で得た立体形状体を不活性雰囲気下で
加熱処理して、該立体形状体を炭化珪素及び炭素とから
なる焼成体とする工程(2)と、上記工程(2)で得ら
れた焼成体にシリコンを含浸させ、炭化珪素−シリコン
複合材料とする工程(3)とを有することを特徴とす
る。以下、これらの各工程について説明する。
【0019】先ず、工程(1)について説明する。該工
程(1)は、先に説明した均一混合物を加熱溶融し、該
溶融物をノズルから押し出しながら支持台上を走査し、
支持台上に所望の形状に溶融物を射出した後、該溶融物
を硬化させて硬化層を作製する過程(a)を少なくとも
有し、更に、所望する立体形状に応じて必要であれば、
該過程(a)と同様の操作を繰り返して上記過程(a)
で作製した硬化層の上に更に同様の硬化層を所望高さに
なるまで積層する過程(b)とからなる。
【0020】この際に使用する均一混合物としては、メ
ソフェーズ含有ピッチが被覆されている炭化珪素粉末と
熱可塑性樹脂とを有する加熱溶融物をノズルから押し出
しながら走査して射出した場合に、これらの材料が均一
に混じり合った状態で押し出されればいずれのものでも
よいが、予め、上記の材料が均一に混合した中間成形物
を作製しておけば、該中間成形物を必要に応じて必要な
だけ加熱溶融して、その後の過程及び工程に適宜に供す
ることができるので便宜上好ましい。
【0021】中間成形物を作製する際には、先に挙げた
ようなメソフェーズ含有ピッチが被覆されている炭化珪
素粉末と熱可塑性樹脂、およびその他の溶融或いは成形
助剤を、加熱機能を備えた押し出し成形装置を用いて、
120〜180℃程度の温度に加熱し熱可塑性樹脂や各
種助剤を軟化溶融させて十分に混練し、次いで、押し出
し成形して、例えば、直径0.2〜2.0mm程度の棒
状の中間成形体を得ればよい。即ち、炭化珪素粉末と熱
可塑性樹脂とを均一に混合する場合に、熱可塑性樹脂
は、通常、常温では固体粉末であるので、加熱しない状
態であると粉体同士を混合することになる。しかし、上
記のように加熱して、熱可塑性樹脂を軟化溶融させて流
動性を持たせた状態で炭化珪素粉末と混練すれば、粉末
同士を混合する場合に比べてより均一に混合できる。
【0022】そして、工程(1)の過程(a)では、こ
のような均一混合物からなる中間成形物を加熱溶融し、
該溶融物をノズルの開口部から押し出しながら支持台上
を走査させて、支持台上に所望の形状に溶融物を射出し
た後、該溶融物を硬化させて硬化層を作製する。この際
の具体的な手順としては、図1に示したように、上記の
ようにして得た棒状の中間成形体1を加熱装置3を有す
るノズル4内に供給して加熱し、該棒状成形体1を加熱
溶融すると同時にノズル4の開口部から溶融物を押し出
しながら、支持台上にノズルを連続的に移動走査させ
て、例えば、図3(b)に示したようにして、所望の平
板形状に溶融物を射出する。押し出しされた炭化珪素を
含む溶融物は温度降下によって自発的に硬化し、所望の
形状の硬化層5が形成される。この際に必要であれば、
溶融物を強制的に冷却して硬化速度を促進させ、硬化層
を作製する過程を迅速に行なってもよい。上記におい
て、硬化層を所望形状とする方法としては、例えば、コ
ンピューターにより制御されたノズルの往復走査や回転
走査等の各種の走査を適宜に組み合わせて行えばよい。
【0023】本発明においては、例えば、平板形状の材
料を形成する場合には、上記の過程(a)によって所望
の大きさの硬化層を1層形成して立体形状体を作製する
工程(1)を終了してもよい。しかし、所望する立体形
状によっては、その後、過程(b)で、過程(a)と同
様の操作を繰り返し、過程(a)で作製した硬化層の上
に新たに硬化層を積層し、更に所望の高さとなるまでこ
れを繰り返して硬化層を順次積層して、図3(a)に示
したような均一混合物からなる硬化層が積層されて構成
された立体形状体7を作製して工程(1)を終了すれば
よい。
【0024】上記した第2の硬化層の形成を行なう場合
の具体的な手順としては、例えば、1層目を作製した
後、硬化層を有する支持台を所望の高さだけ降下させた
後、先に述べた過程(a)と同様の操作により、第2の
硬化層6の形成を行う(図2参照)。この際、支持台の
位置を固定したまま、ノズルを所望の高さだけ上昇させ
てもよい。上記の操作において、降下させる支持台の高
さ、或いは上昇させるノズルの高さは、ノズルの太さ、
材料の冷却収縮の度合い等に依存するので、これらを勘
案して適宜、決定すればよい。先に述べたように、本発
明においては、所望高さになるまで硬化層を積層すれば
よく、1段の硬化層で所望の高さに達した場合には、上
記した硬化層を積層する過程(b)は不要である。本発
明において使用するノズルの太さは、目的とする成形体
の表面粗さ、使用する原料粉末の粒径を考慮して決定す
ればよいが、通常は、例えば、内径が、0.1〜1.8
mm程度のものを使用する。
【0025】更に、上記工程(1)において、より緻密
な立体形状体を得るためには、順次硬化層を積層して立
体形状の成形体を作製する場合に、硬化層を形成する際
のノズルの走査方向を、先に硬化層を形成した場合の走
査方向に対して垂直に交わるように交叉させることが好
ましい。即ち、図5(a)及び(b)に示したように、
第1層目の(a)層と第2層目の(b)層を順次積層さ
せて、隣り合った硬化層の走査方向が互いに十字に交叉
するようにノズルを走査させたり、図5(c)及び
(d)に示したように、第1層目の(c)層と第2層目
の(d)層を順次積層させて、隣り合った硬化層の走査
方向が互いに垂直に交叉するように斜めにノズルを走査
させることが好ましい。上記したように硬化層を積層し
ていくことによって、図3(c)に示したように、得ら
れる立体形状体7を側面から観察した場合に、ライン状
の加熱溶融物9の重なりによって形成される隙間8が小
さい緻密な立体形状体を得ることができる。また、交叉
させるようにして作製した方が積層された各硬化層の安
定性もよい。
【0026】次に、本発明においては、上記のような工
程(1)で得た立体形状体を、下記に説明する工程
(2)によって、不活性雰囲気下で加熱処理して炭化珪
素及び炭素とからなる焼成体とする。即ち、具体的な手
段として、アルゴン、窒素等の不活ガス雰囲気下にて加
熱処理し、樹脂の熱分解とピッチの炭化を行って炭化珪
素および炭素とからなる焼成体を得る。この際、焼成を
1400〜1800℃の範囲内で行なうことが好まし
い。本発明において、立体形状体を炭化するために、こ
のような温度で加熱処理する際には、通常の熱可塑性樹
脂の分解温度である200〜600℃の範囲における昇
温を、成形体の破損を防ぐために緩やかに行なうことが
好ましい。
【0027】本発明の炭化珪素−シリコン複合材料の製
造方法においては、最終工程である工程(3)で、上記
工程(2)で得られた焼成体にシリコンを含浸させて、
炭化珪素−シリコン複合材料とする。シリコンの含浸に
は、公知の方法を適用できる。即ち、焼成体を溶融した
シリコン中に浸漬させる、溶融したシリコンに接触させ
る等して行なうことができる。本発明においては、この
際に行なう焼成体へのシリコンの含浸を、アルゴン等の
不活性雰囲気下若しくは真空下にて行なうことが好まし
い。
【0028】
【実施例】次に、本発明の実施例及び比較例を挙げて、
本発明を更に詳細に説明する。但し、本発明は、下記の
実施例によって限定されるものではない。先ず、図1
に、本発明の実施例で使用した、メソフェーズ含有ピッ
チが被覆されている炭化珪素粉末と熱可塑性樹脂とを有
する棒状成形体1を供給装置2に挿入し、加熱装置3に
て加熱溶融させ、該加熱溶融物をノズル4から射出した
後、溶融物を硬化させて硬化層5を成形するための装置
の概念的な説明図を示す。図1において、供給装置2、
加熱装置3およびノズル4は一体となっており、コンピ
ュータを用いたX−Y制御機構により同一平面上を自由
に走査して、支持台上に所望の形状の硬化層を形成させ
ることができるように構成されている。また、このよう
にして形成された硬化層を所望の高さまで自由に昇降さ
せることが可能なように、不図示のz軸精密制御装置が
設けられている。
【0029】図2は、図1に示した装置を使用して、第
1の硬化層5の上に第2の硬化層6を設けた状態を示し
た説明図である。即ち、第1の硬化層5が設けられてい
る支持台を、z軸精密制御装置によって所望の高さに下
降させた後、上記した第1の硬化層5を設けたのと同様
の工程によって、加熱溶融物をノズルから押し出しなが
ら走査させて、第1の硬化層5の上に溶融物を積層した
後、硬化させて第2の硬化層6を形成する。本発明で
は、図1に示した装置を使用して、更に、上記のような
操作を順次繰り返して行って、炭化珪素粉末と熱可塑性
樹脂とを有する硬化層を積層して、図3(a)に示した
ような立体形状の成形体を得る。
【0030】実施例1 (メソフェーズ含有ピッチが被覆されている炭化珪素粉
末の作製)平均粒径が12μm(#1,000)、4μ
m(#3,000)および#1.2μm(#8,00
0)の炭化珪素を6:10:4の重量比で混合し、メソ
フェーズ含有ピッチの被覆量が10wt%になるよう
に、エチレンヘビーエンドタールのメソフェーズピッチ
前駆体で処理して、メソフェーズ含有ピッチが10wt
%被覆された状態の炭化珪素粉末(以下、単に被覆炭化
珪素粉末と呼ぶ)を得た。
【0031】(棒状の中間成形体の作製と立体形状成形
体の成形)上記の方法で得た被覆炭化珪素粉末82重量
部に対して、ポリメチルメタクリレート8.2重量部、
平均分子量2万のポリエチレングリコール4.5重量
部、パラフィン3.3重量部およびステアリン酸メチル
2重量部を添加した材料を用いて、下記の方法によって
均一混合物からなる棒状の中間成形体を作製した。即
ち、加熱装置付きの押し出し成形機を使用して、上記の
材料を、減圧下、160℃に加熱しながら均一に混合
し、次いで押し出し成形して直径1.2mmの棒状の中
間成形体を得た。
【0032】次いで、上記で説明した図1に示した装置
に、上記で得られた棒状の中間成形体を供給し、加熱部
分を160℃に加熱した。図1に示した装置の加熱部に
強制的に棒状成形体を送る装置を稼動させて加熱溶融
し、口径0.8mmを有するノズル4から該溶融物を押
し出しながらノズルを走査して、溶融物を支持台上に射
出して、幅30mm、長さ50mmの硬化層を得た。次
に、z−軸制御装置により、上記で得られた第1層目の
硬化層を降下させ、その後、その上に上記と同様の操作
を行なって、幅30mm、長さ50mmの第2層目の硬
化層を形成させた。かかる操作を連続的に行い、幅30
mm、長さ50mmで厚さが10mmの板状の成形体を
形成した。
【0033】(焼成)上記のようにして得た板状の成形
体を、アルゴン雰囲気下、700℃まで40時間を要し
て昇温し、有機物を熱分解した。更に、1600℃まで
昇温して、その温度で2時間保持して炭化珪素に被覆さ
れたピッチを炭化して焼成体を得た。
【0034】(シリコン含浸及び製品の評価)次に、上
記のようにして得た焼成体を、真空条件下、1500℃
に加熱して溶融したシリコン中に浸漬して1時間保持し
た。そして、シリコンが溶融している状態で含浸体を引
き上げた後、炉を冷却した。更に、表面に付着している
余分なシリコンを除去して、幅約30mm、長さ約50
mmで厚さ約10mmの板状の炭化珪素−シリコン複合
材料を得た。この製品の密度は2.93g/cm3 であ
った。得られた製品から、幅4mm、高さ3mmの断面
を有する長さ40mmのテストピースを切り出し、室温
3点曲げ強さを測定した。この結果、曲げ強さは360
MPaであり、充分な強度を有していた。また、得られ
た製品を目視で観察したところ、隙間がなく緻密な表面
を有しており、クラック等の構造欠陥も見られなかっ
た。また、得られた複合材料の破断面をSEMにより観
察した結果、シリコンの未含浸部分は認められなかっ
た。これは、メソフェーズ含有ピッチが被覆されている
炭化珪素粉末を用いたため、焼結体の炭素残存量が高ま
り、結果として、シリコンの焼成体に対する濡れ性がよ
くなってシリコンが焼成体に充分に含浸されるので、シ
リコンを含浸した際に生成する炭化珪素量も高まったた
めと考えられた。
【0035】実施例2 実施例1と同様の材料を用い、各硬化層を円環状の硬化
層とした以外は実施例1と同様の操作により、内径30
mm、外径42mmで高さ20mmの円筒状の成形体を
形成した。その後、実施例1と同様にして、炭化、焼成
およびシリコンの含浸を行って、円筒状の炭化珪素−シ
リコン複合材料を得た。この製品を目視で観察したとこ
ろ、実施例1と同様に、緻密な表面を有しており、クラ
ック等の構造欠陥も見られなかった。更に、形状保持性
もよいことが確認できた。
【0036】比較例1 表面無処理とした以外は実施例1と同様の炭化珪素粉末
80重量部に対して、ポリメチルメタクリレート8.9
重量部、平均分子量2万のポリエチレングリコール5.
3重量部、パラフィン3.6重量部およびステアリン酸
メチル2.2重量部を添加した材料を用い、実施例1と
同様の装置で、同様の軟化温度で混練りすると同時に押
し出し成形して、実施例1と同様の棒状の中間成形体を
得た。その後、更に実施例1と同様にして、平板状の成
形体を形成した後、該成形体を焼成した後、シリコンを
含浸させる工程を経て、幅30mm、長さ50mmで厚
さが8mmの板状の炭化珪素−シリコン複合材料を得
た。得られた複合材料の密度は2.73g/cm3 であ
った。
【0037】得られた複合材料について実施例1と同様
にして室温3点曲げ強さを測定した結果、220MPa
であった。また、得られた複合材料の破断面をSEMに
より観察した結果、シリコンの未含浸部分が認められ
た。実施例1および2と本比較例との比較で明らかなよ
うに、被覆炭化珪素粉末を用いることによって、シリコ
ンの含浸性が改善され、製品強度が向上することが確認
された。
【0038】参考例1 平均粒径12μmおよび1.2μmの炭化珪素粉末を
1:1の重量比で混合した粉末89重量部、一次粒子径
30nmの炭素粉末8.9重量部、分散剤としてフミン
酸アンモニウム0.2重量部およびエマルジョン型バイ
ンダー1.9重量部を添加物全量に対して約27重量部
の水に添加し、ポットミルを用いて24時間撹拌し、形
成材料を得た。次に、上記で得られたスラリーを石膏型
に注入し、その後、硬化させる鋳込み成形法によって、
厚さ8mm、縦および横が50mmの板状の成形体を得
た。得られた成形体を室温下で乾燥した後、実施例1と
同様にして焼成および含浸を行なって、炭化珪素−シリ
コン複合材料を得た。嵩密度は2.95g/cm3であ
った。実施例1と同様にしてテストピースに加工して室
温3点曲げ強さを測定した結果、390MPaであっ
た。実施例1と参考例1とを比較した結果、実施例1
は、成形型を用いない簡易な方法であるにもかかわら
ず、得られた炭化珪素−シリコン複合材料が、参考例1
で行なった成形型を用いて炭化珪素−シリコン複合材料
を得る従来の鋳込み成形方法によって得られる製品に近
い嵩密度および曲げ強さを有することが確認された。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
所望する形状毎に型を作製する必要がないので、型の製
作に要する時間および費用を削減することができ、且
つ、型を用いずに複雑形状を有する各種の製品を歩留り
よく簡便に得ることのできる工業上極めて有用な炭化珪
素−シリコン複合材料の製造方法が提供される。また、
本発明によれば、メソフェーズ含有ピッチが被覆された
炭化珪素粉末を用いるため、結合材として炭化収率の低
い熱可塑性樹脂を用いても、焼成体の炭素残存量が向上
し、且つ焼成体へのシリコンの含浸が容易となり、得ら
れる炭化珪素−シリコン複合材料の炭化珪素量を高める
ことができる。その結果、緻密で曲げ強度に優れる等、
成形型を用いる従来法によって得られる炭化珪素−シリ
コン複合材料に匹敵する優れた特性を有する製品が得ら
れる工業上極めて有用な炭化珪素−シリコン複合材料の
製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における加熱溶融物の硬化層を形成する
ための一装置の概念的説明図である。
【図2】第1の硬化層上に第2の硬化層を形成する状態
を示した説明図である。
【図3】本発明の一実施例となる硬化層を積層して形成
した立体形状体の(a)斜視図、(b)平面図、(c)
側面図である。
【図4】本発明において用いる加熱溶融物の流動性の違
いによる硬化層の形状の違いを示す説明図である。
【図5】本発明における硬化層を積層する際のノズルの
走査方法の説明図である。
【符号の説明】
1 棒状の中間成形体 2 中間成形体の供給装置 3 加熱装置 4 ノズル 5 第1層目の硬化層 6 第2層目の硬化層 7 立体形状体 8 隙間 9 ライン状の溶融物

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メソフェーズ含有ピッチが被覆されてい
    る炭化珪素粉末と熱可塑性樹脂とを有する均一混合物を
    加熱溶融し、該溶融物をノズルの開口部から押し出しな
    がら支持台上を走査して支持台上に所望の形状に溶融物
    を射出した後、該溶融物を硬化させて硬化層を作製する
    過程(a)からなる立体形状体を作製する工程(1)
    と、 上記工程(1)で得た立体形状体を不活性雰囲気下で加
    熱処理して、該立体形状体を炭化珪素及び炭素とからな
    る焼成体とする工程(2)と、 上記工程(2)で得られた焼成体にシリコンを含浸さ
    せ、炭化珪素−シリコン複合材料とする工程(3)とを
    有することを特徴とする炭化珪素−シリコン複合材料の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 立体形状体を作製する工程(1)が、前
    記過程(a)と過程(a)と同様の操作を繰り返して過
    程(a)で作製した硬化層の上に更に硬化層を所望の高
    さになるまで積層していく過程(b)とからなる請求項
    1に記載の炭化珪素−シリコン複合材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂をメソフェーズ含有ピッチ
    が被覆されている炭化珪素粉末100重量部に対して5
    〜100重量部添加することを特徴とする請求項1又は
    請求項2記載の炭化珪素−シリコン複合材料の製造方
    法。
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