JPH1171437A - アクリル系多層構造粒状複合体 - Google Patents
アクリル系多層構造粒状複合体Info
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- JPH1171437A JPH1171437A JP9245950A JP24595097A JPH1171437A JP H1171437 A JPH1171437 A JP H1171437A JP 9245950 A JP9245950 A JP 9245950A JP 24595097 A JP24595097 A JP 24595097A JP H1171437 A JPH1171437 A JP H1171437A
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Abstract
衝撃性、耐応力白化性、耐温水白化性、熱安定性等に優
れ、フイルム等の成形品や積層体等の製造に有効なアク
リル系重合体の提供。 【解決手段】 MMA80〜98.99wt%、アルキルアクリ
レート(AA)1〜20wt%、多官能性グラフト剤0.01〜1
wt%及び多官能性架橋剤0〜0.5wt%からなる単量体の重
合による最内層硬質重合体(a)、重合体(a)の存在下にA
A70〜99.5wt%、MMA0〜30wt%、多官能性グラフト
剤0.5〜5wt%及び多官能性架橋剤0〜5wt%からなる単量
体の重合による軟質層重合体(b)、並びに重合体(a)と重
合体(b)からなる重合体粒子の存在下にMMA90〜99wt
%及びAA10〜1wt%からなる単量体の重合によるTg8
0℃以上の最外層硬質重合体(c)よりなる3層構造のアク
リル系多層構造粒状複合体、並びにその凝集粒状体。
Description
造粒状複合体、それよりなる凝集粒状体、それらの製造
方法、前記アクリル系多層構造粒状複合体または凝集粒
状体からなる成形品、および積層体に関するものであ
る。本発明のアクリル系多層構造粒状複合体およびそれ
よりなる凝集粒状体は、成形性、積層成形性、熱安定性
に優れており、しかもそれらから得られる成形品や積層
体などは耐衝撃性、透明性、耐応力白化性、耐温水白化
性、熱安定性などに優れており、そのため、本発明のア
クリル系多層構造粒状複合体およびその凝集粒状体は、
それらの特性を活かして、フイルム、シート、板をはじ
めとする各種成形品、積層体に有効に用いることができ
る。
高い透明性を有し、耐候性に極めて優れており、しかも
射出成形、押出成形、その他の溶融成形が容易に行える
ことから、それらの特性を活かして各種成形品の製造や
その他の用途に広く用いられている。しかしながら、ア
クリル系樹脂は耐衝撃性が不足しており、応力が加わる
と、ひび割れ、欠けなどが発生し易い。また、透明性や
耐候性に優れるアクリル系樹脂を、フイルムやシートな
どの薄物の製造に用いることも試みられているが、薄物
では、強度の低い、極めて脆弱なものとなり、実用性の
あるフイルムやシートなどが得られない。
た欠点を改良するために、ゴム成分を導入して耐衝撃性
の向上や、フイルムなどの薄物における強度の向上をは
かることが従来から試みられている。しかしながら、従
来技術による場合は、透明性の低下による外観の不良、
導入したゴム成分に起因する耐候性の大幅な低下などが
生じ易く、透明性、耐候性および耐衝撃性を兼ね備える
アクリル系樹脂材料が未だ得られていない。
るアクリル系樹脂を得ようとして、アクリルゴム層を含
むアルキルメタクリレート系重合体多層粒状物およびそ
れを含有する重合体組成物が色々提案されている。それ
らは、いずれも耐衝撃性の向上を目的とし、そのために
ガラス転移点の低いポリアルキルアクリレートを核と
し、その上にメチルメタクリレートとアルキルアクリレ
ートを分割添加して重合させる方法が採用されている。
その結果、フイルムなどの薄物の成形は可能となるもの
の、アクリル系樹脂が本来有する卓抜した透明性が損な
われ、成形品は一般に青みかがった半透明状や白濁状
(ヘイズ状)となる。しかも、シートやフイルムは折り
曲げると、折り曲げ部分が白化し、いわゆる“応力白
化”が生ずるため、実用上の制約が大きい。
合体多層粒状物に関する従来技術を具体的に挙げると、
例えば、米国特許第3,450,632号明細書および
米国特許第3,562,235号明細書には、耐衝撃性
の向上を目的として、その核にポリアルキルアクリレー
トを主体とする弾性重合体を配置した多層構造粒状重合
体材料が記載されているが、これらのものは、熱安定
性、応力白化などの点で十分に満足のゆくものではな
い。
ら主としてなる硬質樹脂を核とする多層構造粒状重合体
も提案されており、例えば特公昭46−3591号公報
には、その内層(核)と外層をメチルメタクリレートお
よび/またはスチレンを主成分とする硬質樹脂から形成
し、両者の中間に架橋したポリアルキルアクリレート層
を配置した3層構造粒状重合体が記載されている。しか
しながら、この3層構造粒状重合体では、各層間のグラ
フト結合が十分ではなく、そのため該3層構造粒状重合
体を用いて得られる成形品は、半透明または不透明であ
り、しかも応力白化が大きく、折り曲げや延伸などの応
力が加えられると白化が生じ易く、メチルメタクリレー
ト系樹脂が本来有する特徴を失う。その上、この3層構
造粒状重合体はフイルムなどの薄物の成形時にその成形
幅を大きなものとすることができず、フイルムなどの薄
物用の素材としての適性に欠けている。
は、低ヘイズで耐衝撃性の重合体組成物を得ることを目
的として、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、
ポリアクリロニトリルなどの硬質熱可塑性重合体に、上
記した特公昭46−3591号公報に記載されているの
と類似した層構成を有する3層構造粒状重合体をブレン
ドした重合体組成物が提案されている。しかしながら、
この重合体組成物を用いて得られるフイルムやシートな
どの薄物の成形品は、折り曲げ白化が生じ易いというポ
リマーブレンド系の本質的な欠点を有しており、しかも
半透明または不透明であって透明性の点でポリメチルメ
タクリレートやポリスチレンなどに比べて大幅に劣って
いる。
は、上記した特公昭46−3591号公報に記載されて
いるのと類似した層構成を有する3層構造粒状重合体と
硬質熱可塑性アクリル樹脂とのブレンド物の層をポリカ
ーボネート樹脂基板に積層した積層板が記載されてい
る。この積層板で用いている前記3層構造粒状重合体
は、ガラス転移点の高い内外層の中間に低級アルキルア
クリレートから主としてなる弾性重合体の層を有する3
層構造粒状体であり、その3層構造粒状体を硬質熱可塑
性アクリル樹脂にブレンドすることによって耐衝撃性の
組成物が得られるとしている。しかしながら、該3層構
造粒状体は流動性が極めて悪く、そのためにそれ自身で
は成形性に劣り、単独ではフイルムなどの薄物の成形品
の製造に円滑に用いることができない。しかも、該3層
構造粒状体と硬質熱可塑性アクリル樹脂とからなるブレ
ンド物は、ポリマーブレンド系の本質的な欠点である、
上記したような折り曲げ白化を生じ易いという問題点
や、透明性に劣るという欠点を有している。
特公昭63−42940号公報、特公平7−68318
号公報、特開平5−320457号公報には、上記した
3層構造粒状重合体と類似した層構成を有し、特に、ガ
ラス転移点の高い内層と外層の間に低級アルキルアクリ
レートとスチレンなどの芳香族ビニル化合物との単量体
混合物から形成した弾性重合体の中間層を有する3層構
造粒状重合体が記載されており、この3層構造粒状重合
体では各層の屈折率を合わせることで透明性を保持する
ことが試みられている。しかしながら、この3層構造粒
状重合体ではその中間層をなす弾性重合体がスチレンな
どの芳香族ビニル化合物に由来する構造単位を有してい
ることにより、耐候性が低く、フイルムなどの薄物の成
形品の素材としては適用性に乏しい。
特公昭59−366455号公報には、3層構造を基本
とし、しかもその各層間にほぼ定率で変化する濃度勾配
を持つ中間層を更に設けた4層以上の多層構造粒状重合
体が記載されている。さらに、特公昭59−36646
号公報、および特公昭63−8983号公報には、中央
の軟質重合体層と最外層との間に1層以上の中間層を更
に有する4層以上の多層構造粒状重合体が記載されてお
り、また特公昭62−41241号公報には、軟質層−
硬質層−軟質層−硬質層というように4層以上を有する
多層構造粒状重合体が記載されている。しかしながら、
これらの多層構造粒状重合体は、いずれもその層数が合
計で4層以上の多層であるため、多層構造粒状重合体を
得るための重合工程が複雑で且つ長い重合時間を要し、
生産性に劣る。
大きく、温水浸漬時や、屋外で用いた場合の雨上がりの
気温上昇時などには、吸湿して白化し易い。特に、フイ
ルムなどの薄物の成形品では、前記した温水白化現象は
透明性の低下につながり、その商品価値を大きく損な
う。温水白化の防止策としては、従来、シクロヘキシル
メタクリレートのような疎水性の単量体をアクリル系樹
脂中に共重合させたり、シリコーン化合物や可塑剤など
の撥水性および/または疎水性化合物をアクリル系樹脂
中に添加して、温水の吸収を低減させる方法が試みられ
ているが、いずれも十分に満足のゆく結果が得られてい
ない。
リル系樹脂が本来有する良好な成形性、美麗な外観、高
い透明性、優れた耐候性などの特性を保持し、しかも他
の熱可塑性重合体や弾性重合体などとブレンドしなくて
も、それ自体で耐衝撃性および熱安定性に優れ、そのた
めに他の重合体とブレンドすることによって生ずる透明
性の低下や耐候性の低下を回避しながら、それ自身で外
観、透明性、耐候性、耐応力白化性、耐温水性、熱安定
性などに優れる各種成形品や積層体などの製品を良好な
成形性で円滑に生産性良く製造することのできるアクリ
ル系多層構造粒状複合体を提供することである。そし
て、本発明の目的は、複雑で時間のかかる重合工程や処
理工程を要せずに、簡単な重合工程や処理工程によっ
て、上記した優れた諸特性を有するアクリル系多層構造
粒状複合体を得ることである。さらに、本発明の目的
は、上記した優れた諸特性を有するアクリル系多層構造
粒状複合体からなる成形品および積層体を提供すること
である。
的を達成すべく鋭意研究を重ねてきた。そして、最内層
および最外層のそれぞれがメチルメタクリレートから主
としてなる特定の硬質重合体からなり、それらの中間に
特定の低級アルキルアクリレートから主としてなる軟質
重合体層を有し、該最内層、中間層および最外層を特定
の割合で含有し、しかも特定の平均粒度およびメルトフ
ローレートを有する3層構造粒状重合体を製造すること
に成功した。そして、それにより得られた3層構造粒状
重合体の物性を色々調べたところ、該3層構造粒状重合
体は、アクリル系樹脂が本来有する良好な成形性、熱安
定性、美麗な外観、優れた透明性や耐候性などの特性を
有すること、しかも他の熱可塑性重合体や弾性重合体な
どとブレンドしなくてもそれ自体で耐衝撃性、耐応力白
化性、耐温水白化性などに優れていること、そのために
他の重合体とブレンドすることによって生ずる透明性の
低下や耐候性の低下などを生ずることなく、それ自身で
外観、透明性、耐候性、耐応力白化性、耐温水白化性、
熱安定性などに優れる成形品や積層体などを良好な成形
性で生産性良く製造できることを見出した。特に、本発
明者らの製造した上記のアクリル系多層構造粒状複合体
は、フイルムなどの薄物の成形品への成形性が良好で、
それにより得られるフイルムなどは外観、透明性、耐衝
撃性などに優れ、折り曲げや延伸などの応力が加わって
も白化が生じず、温水にさらされても白化しないことを
見出した。
層構造粒状重合体を凝集させて、平均粒度が100〜5
00μm、見掛け密度が0.3g/cm3以上、および加
圧圧縮率が30%未満である凝集粒状体にすると、それ
により得られる凝集粒状体は飛散しにくく、取り扱い
性、成形性に優れ、押出成形や射出成形などの成形が円
滑に行えること、他の添加剤の凝集粒状体への分散性が
良好であること、取り扱い時や貯蔵中にブロッキングや
機器への付着が生じないこと、さらに該凝集粒状体を用
いて得られる成形品ではブツ(フィッシュアイ)の発生
がなく、力学的特性にも優れていることを見出し、それ
らの種々の知見に基づいて本発明を完成した。
粒状複合体であって; (I) 前記アクリル系多層構造粒状複合体が、 (i) メチルメタクリレート80〜98.99重量
%、アルキル基の炭素数が1〜8であるアルキルアクリ
レートの少なくとも1種1〜20重量%、多官能性グラ
フト剤0.01〜1重量%および多官能性架橋剤0〜
0.5重量%からなる単量体混合物を重合してなる最内
層硬質重合体(a); (ii) 上記の最内層硬質重合体(a)の存在下に、ア
ルキル基の炭素数が1〜8であるアルキルアクリレート
の少なくとも1種70〜99.5重量%、メチルメタク
リレート0〜30重量%、多官能性グラフト剤0.5〜
5重量%および多官能性架橋剤0〜5重量%からなる単
量体混合物を重合してなる軟質層重合体(b);並び
に、 (iii) 上記の最内層硬質重合体(a)と軟質層重合
体(b)からなる重合体粒子の存在下に、メチルメタク
リレート90〜99重量%およびアルキル基の炭素数が
1〜8であるアルキルアクリレートの少なくとも1種1
0〜1重量%からなる単量体混合物を重合してなるガラ
ス転移点が80℃以上の最外層硬質重合体(c);より
なる3層構造を有し; (II) アクリル系多層構造粒状複合体の重量に基づい
て、上記の最内層硬質重合体(a)を5〜30重量%、
軟質層重合体(b)を20〜45重量%および最外層硬
質重合体(c)を50〜75重量%の割合で有し; (III) 平均粒度が0.01〜0.3μmであり;且つ (IV) 230℃、3.8kg荷重下でのメルトフロー
レートが0.5〜20g/10分である; ことを特徴とするアクリル系多層構造粒状複合体であ
る。
層構造粒状複合体が凝集してなる凝集粒状体であって、
平均粒度が100〜500μm、見掛け密度が0.3g
/cm3以上、および加圧圧縮率が30%未満であるこ
とを特徴とする凝集粒状体である。
層構造粒状複合体および/または上記した凝集粒状体か
らなる成形品、並びに該アクリル系多層構造粒状複合体
および/または該凝集粒状体から形成された層を少なく
とも1層並びに他の熱可塑性重合体から形成された層を
少なくとも1層有する積層体を包含する。
レート80〜98.99重量%、アルキル基の炭素数が
1〜8であるアルキルアクリレートの少なくとも1種1
〜20重量%、多官能性グラフト剤0.01〜1重量%
および多官能性架橋剤0〜0.5重量%からなる単量体
混合物を水性媒体中で重合して硬質重合体を製造し、
(2)前記の重合工程(1)で得られる硬質重合体の存
在下に水性媒体中でアルキル基の炭素数が1〜8である
アルキルアクリレートの少なくとも1種70〜99.5
重量%、メチルメタクリレート0〜30重量%、多官能
性グラフト剤0.5〜5重量%および多官能性架橋剤0
〜5重量%からなる単量体混合物を重合して前記硬質重
合体上に軟質重合体が積層してなる重合体粒子を製造
し、そして(3)前記の重合工程(2)で得られる重合
体粒子の存在下に、水性媒体中でメチルメタクリレート
90〜99重量%およびアルキル基の炭素数が1〜8で
あるアルキルアクリレートの少なくとも1種10〜1重
量%からなる単量体混合物を重合して前記軟質重合体上
にガラス転移点が80℃以上である硬質重合体の層を形
成させることからなり、且つアクリル系多層構造粒状複
合体の製造に用いる単量体の全重量に基づいて、重合工
程(1)に用いる上記単量体混合物の割合が5〜30重
量%であり、重合工程(2)に用いる上記単量体混合物
の割合が20〜45重量%であり、そして重合工程
(3)に用いる上記単量体混合物の割合が50〜75重
量%であることを特徴とする、上記した本発明のアクリ
ル系多層構造粒状複合体の製造方法である。
リル系多層構造粒状複合体を含む水性分散液を凍結し、
次いでそれを融解した後、脱水および乾燥して、平均粒
度が100〜500μm、見掛け密度が0.3g/cm
3以上、および加圧圧縮率が30%未満である上記した
本発明のアクリル系多層構造粒状複合体の凝集粒状体を
製造する方法である。
する。本発明のアクリル系多層構造粒状複合体は、最内
層硬質重合体(a)よりなる最内層(核)、軟質層重合
体(b)よりなる中間層および最外層硬質重合体(c)
からなる3層構造粒状体である。本発明のアクリル系多
層構造粒状複合体における最内層硬質重合体(a)は、
上記のように、メチルメタクリレート80〜98.99
重量%、アルキル基の炭素数が1〜8であるアルキルア
クリレートの少なくとも1種1〜20重量%、多官能性
グラフト剤0.01〜1重量%および多官能性架橋剤0
〜0.5重量%からなる単量体混合物を重合することに
より得られる。
ルキル基の炭素数が1〜8であるアルキルアクリレート
(以下「C1〜8アルキルアクリレート」という)として
は、アクリル酸のC1〜8アルキルエステルであればいず
れでもよく特に制限されず、例えば、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、
n−ブチルアクリレート、s−ブチルアクリレート、t
−ブチルアクリレート、n−ブチルメチルアクリレー
ト、n−ヘプチルアクリレート、2−エチルヘキシルア
クリレート、n−オクチルアクリレートなどを挙げるこ
とができ、これらのアルキルアクリレートの1種または
2種以上を用いることができる。これらのうちでも、メ
チルアクリレートおよび/またはn−ブチルアクリレー
トが好ましく用いられる。
いる多官能性グラフト剤は、最内層硬質重合体(a)と
軟質層重合体(b)とを化学的に結合させ、また場合に
より更に最内層硬質重合体(a)に架橋構造を形成する
のに用いる。多官能性グラフト剤としては、前記した働
きを有する多官能性単量体であればいずれも使用可能で
あり、一般的には異なる重合性基を2個以上を有する化
合物が好ましく用いられる。多官能性グラフト剤の具体
例としては、アリルメタクリレート、アリルアクリレー
ト、モノ−またはジ−アリルマレエート、モノ−または
ジ−アリルフマレート、クロチルアクリレート、クロチ
ルメタクリレートなどを挙げることができ、これらの1
種または2種以上を用いることができる。そのうちで
も、アリルメタクリレートが、最内層硬質重合体(a)
と軟質層重合体(b)の結合能が高く、耐応力白化性お
よび透明性に優れる点から好ましく用いられる。
層硬質重合体(a)に架橋構造を形成して、成形時にア
クリル系多層構造粒状複合体が破壊することを防ぐため
に用いる。この多官能性架橋剤は、最内層硬質重合体
(a)の形成に当たって必要に応じて用いられる任意成
分である。多官能性架橋剤としては、重合時に最内層硬
質重合体(a)に架橋構造を形成し得る多官能性単量体
であればいずれも使用でき、例えば、ジアクリル化合
物、ジメタクリル化合物、ジアリル化合物、ジビニル化
合物トリビニル化合物などの従来既知の多官能性架橋剤
を用いることができる。より具体的には、例えば、エチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、トリビニル
ベンゼン、エチレングリコールジアリルエーテル、プロ
ピレングリコールジアリルエーテルなどを挙げることが
でき、これらの1種または2種以上を用いることができ
る。
は、その最内層硬質重合体(a)が、最内層硬質重合体
(a)の形成に用いる単量体混合物の全重量に基づい
て、上記のように、メチルメタクリレートを80〜9
8.99重量%、C1〜8アルキルアクリレートの少なく
とも1種を1〜20重量%、多官能性グラフト剤を0.
01〜1重量%および多官能性架橋剤を0〜0.5重量
%の割合で含む単量体混合物の重合により形成されてい
ることが必要であり、メチルメタクリレート90〜9
6.9重量%、C1〜8アルキルアクリレート3〜10重
量%、多官能性グラフト剤0.1〜0.5重量%および
多官能性架橋剤0〜0.2重量%からなる単量体混合物
の重合により形成されていることが好ましい。
量体混合物の全重量に基づいて、メチルメタクリレート
の割合が80重量%未満であると耐候性が低下し易くな
り、一方98.99重量%を超えると耐衝撃性が低下し
易くなる。また、最内層硬質重合体(a)の製造に用い
る単量体混合物の全重量の基づいて、C1〜8アルキルア
クリレートの割合が1重量%未満であるとアクリル系多
層構造粒状複合体が熱分解し易くなり、一方20重量%
を超えるとアクリル系多層構造粒状複合体から得られる
フイルムなどの成形品の温水白化が著しくなる。また、
最内層硬質重合体(a)の製造に用いる単量体混合物の
全重量に基づいて、多官能性グラフト剤の割合が0.0
1重量%未満であると、最内層硬質重合体(a)と軟質
層重合体(b)との結合が弱くなって、成形時にアクリ
ル系多層構造粒状複合体が破壊し易くなり、一方1重量
%を超えるとアクリル系多層構造粒状複合体の耐衝撃性
が低下する。また、上記したように多官能性グラフト剤
によって最内層硬質重合体(a)の架橋もある程度なさ
れるので、多官能性架橋剤は必ずしも使用する必要がな
いが、多官能性架橋剤を用いる場合は、最内層硬質重合
体(a)の形成に用いる単量体混合物の全重量に基づい
て、0.5重量%以下であることが必要であり、0.5
重量%を超えると、最内層硬質重合体(a)の架橋が過
度になって耐衝撃性が低下する。
複合体における軟質層重合体(b)よりなる中間層は、
上記した最内層硬質重合体(a)の存在下に、軟質層重
合体(b)の製造に用いる単量体混合物の全重量に基づ
いて、C1〜8アルキルアクリレートの少なくとも1種を
70〜99.5重量%、メチルメタクリレートを0〜3
0重量%、多官能性グラフト剤を0.5〜5重量%およ
び多官能性架橋剤を0〜5重量%の割合で含有する単量
体混合物を重合することによって形成されていることが
必要であり、C1〜8アルキルアクリレートの少なくとも
1種を90〜99重量%、メチルメタクリレートを0〜
10重量%、多官能性グラフト剤を1〜3重量%および
多官能性架橋剤を0〜2重量%の割合で含有する単量体
混合物を重合することによって形成されていることが好
ましい。
アルキルアクリレートとしては、最内層硬質重合体
(a)の製造に用いられるC1〜8アルキルアクリレート
について上記で挙げたのと同様のアルキルアクリレート
の1種または2種以上を用いることができ、そのうちで
もメチルアクリレートおよび/またはn−ブチルアクリ
レートが好ましく用いられる。また、軟質層重合体
(b)の製造に用いる多官能性グラフト剤としては、最
内層硬質重合体(a)の製造に用いられる多官能性グラ
フト剤について上記で挙げたのと同様の多官能性グラフ
ト剤の1種または2種以上を用いることができ、そのう
ちでもアリルメタクリレートが、軟質層重合体(b)と
最外層硬質重合体(c)との結合能が高く、耐応力白化
性および透明性に優れる点から好ましく用いられる。そ
して、軟質層重合体(b)の製造に必要に応じて用いら
れる多官能性架橋剤としては、最内層硬質重合体(a)
の製造に用い得る多官能性架橋剤について上記で挙げた
のと同様の多官能性化合物の1種または2種以上を用い
ることができる。
る単量体混合物の全重量に基づいて、C1〜8アルキルア
クリレートの割合が70重量%未満であると耐衝撃性が
低下し易くなり、一方99.5重量%を超えると耐応力
白化性および透明性が低下し易くなる。また、軟質層重
合体(b)の製造に用いる単量体混合物の全重量に基づ
いて、メチルメタクリレートの割合が30重量%を超え
ると耐衝撃性が低下し易くなる。このメチルメタクリレ
ートは必要に応じて用いられる任意成分であり、必ずし
も使用しなくてもよい。また、軟質層重合体(b)の製
造に用いる単量体混合物の全重量の基づいて、多官能性
グラフト剤の割合が0.5重量%未満であると、アクリ
ル系多層構造粒状複合体から得られるフイルムなどの成
形品や積層体の耐応力白化性が低下し、一方5重量%を
超えるとアクリル系多層構造粒状複合体の耐衝撃性が低
下する。さらに、多官能性架橋剤を用いなくても多官能
性グラフト剤によって軟質層重合体(b)の架橋がある
程度なされるので、多官能性架橋剤は必要に応じて用い
られる任意成分であって必ずしも使用する必要はない
が、多官能性架橋剤を用いる場合は、軟質層重合体
(b)の形成に用いる単量体混合物の全重量に基づい
て、5重量%以下であることが必要であり、5重量%を
超えると、アクリル系多層構造粒状複合体の耐衝撃性が
低下する。
合体における最外層硬質重合体(c)は、上記の最内層
硬質重合体(a)と軟質層重合体(b)からなる重合体
粒子の存在下に、メチルメタクリレート90〜99重量
%およびC1〜8アルキルアクリレートの少なくとも1種
10〜1重量%からなる単量体混合物を重合することに
よって形成されていることが必要であり、メチルメタク
リレート95〜98重量%およびC1〜8アルキルアクリ
レートの少なくとも1種5〜2重量%からなる単量体混
合物を重合することによって形成されていることが好ま
しい。また、最外層硬質重合体(c)は、そのガラス転
移点が80℃以上であることが必要であり、90℃以上
であることが好ましい。
量体混合物の全重量に基づいて、メチルメタクリレート
の割合が90重量%未満である(C1〜8アルキルアクリ
レートの割合が10重量%を超える)と、最外層硬質重
合体(c)のガラス転移点が80℃未満になり易く、ア
クリル系多層構造粒状複合体から得られるフイルムなど
の成形品や積層体の耐応力白化性が低いものとなる。一
方、最外層硬質重合体(c)の製造に用いる単量体混合
物の全重量に基づいて、メチルメタクリレートの割合が
99重量%を超える(C1〜8アルキルアクリレートの割
合が1重量%未満である)と、アクリル系多層構造粒状
複合体が熱分解し易くなる。
1〜8アルキルアクリレートとしては、最内層硬質重合体
(a)の製造に用いられるC1〜8アルキルアクリレート
について上記で挙げたのと同様のアルキルアクリレート
の1種または2種以上を用いることができ、そのうちで
もメチルアクリレートおよび/またはn−ブチルアクリ
レートが好ましく用いられる。
複合体では、アクリル系多層構造粒状複合体の重量に基
づいて、上記の最内層硬質重合体(a)を5〜30重量
%、軟質層重合体(b)を20〜45重量%および最外
層硬質重合体(c)を50〜75重量%の割合で有して
いることが必要であり、最内層硬質重合体(a)を10
〜20重量%、軟質層重合体(b)を30〜40重量%
および最外層硬質重合体(c)を50〜60重量%の割
合で有していることが好ましい。アクリル系多層構造粒
状複合体における最内層硬質重合体(a)の割合が5重
量%未満であると、アクリル系多層構造粒状複合体の熱
安定性が低下し、また最内層硬質重合体(a)の存在下
に軟質層重合体(b)を形成する重合反応(すなわちシ
ード重合)が円滑に行われなくなる。一方、最内層硬質
重合体(a)の割合が30重量%を超えると、アクリル
系多層構造粒状複合体の耐衝撃性および柔軟性が低下す
る。また、アクリル系多層構造粒状複合体における軟質
層重合体(b)の割合が20重量%未満であるとアクリ
ル系多層構造粒状複合体の耐衝撃性および柔軟性が低下
し、一方45重量%を超えるとアクリル系多層構造粒状
複合体の耐熱性および流動性が低下する。また、アクリ
ル系多層構造粒状複合体における最外層硬質重合体
(c)の割合が50重量%未満であるとアクリル系多層
構造粒状複合体の流動性およびフイルム形成性が低下
し、一方75重量%を超えるとアクリル系多層構造粒状
複合体の耐衝撃性および耐応力白化性が低下する。
複合体は、その平均粒度が0.01〜0.3μmの範囲
であることが必要であり、0.04〜0.2μmである
ことが好ましく、0.05〜0.15μmであることが
より好ましい。アクリル系多層構造粒状複合体の平均粒
度が0.01μm未満の場合は、その生産性を向上させ
るために系中の重合体濃度を上げる必要が生じ、その場
合には重合に用いる水性分散液の粘度が高くなり過ぎ
て、取り扱い性が低下する。一方、アクリル系多層構造
粒状複合体の平均粒度が0.3μmを超えると、それか
ら得られるフイルムなどの成形品や積層体などの耐応力
白化性が低下する。なお、本明細書でいうアクリル系多
層構造粒状複合体の平均粒度は、以下の実施例の項に記
載するように、アクリル系多層構造粒状複合体を含む水
性分散液を用いて吸光度法により求めた値をいう。
合体は、230℃、3.8kg荷重下でのメルトフロー
レートが0.5〜20g/10分であることが必要であ
り、0.8〜10g/10分であることが好ましい。ア
クリル系多層構造粒状複合体のメルトフローレートが
0.5g/10分未満であると、流動性が低く成形性に
劣ったものとなり、一方20g/10分よりも高いと、
力学的特性の劣ったものとなる。
製造方法は特に制限されず、上記した要件を備えている
アクリル系多層構造粒状複合体を製造し得る方法であれ
ばいずれの方法で製造してもよい。そのうちでも、本発
明のアクリル系多層構造粒状複合体は、(1)メチルメ
タクリレート80〜98.99重量%、アルキル基の炭
素数が1〜8であるアルキルアクリレートの少なくとも
1種1〜20重量%、多官能性グラフト剤0.01〜1
重量%および多官能性架橋剤0〜0.5重量%からなる
単量体混合物を水性媒体中で重合して硬質重合体を製造
し、(2)前記の重合工程(1)で得られる硬質重合体
の存在下に水性媒体中でアルキル基の炭素数が1〜8で
あるアルキルアクリレートの少なくとも1種70〜9
9.5重量%、メチルメタクリレート0〜30重量%、
多官能性グラフト剤0.5〜5重量%および多官能性架
橋剤0〜5重量%からなる単量体混合物を重合して前記
硬質重合体上に軟質重合体が積層してなる重合体粒子を
製造し、そして(3)前記の重合工程(2)で得られる
重合体粒子の存在下に、水性媒体中でメチルメタクリレ
ート90〜99重量%およびアルキル基の炭素数が1〜
8であるアルキルアクリレートの少なくとも1種10〜
1重量%からなる単量体混合物を重合して前記軟質重合
体上にガラス転移点が80℃以上である硬質重合体の層
を形成させることからなり、且つアクリル系多層構造粒
状複合体の製造に用いる単量体の全重量に基づいて、重
合工程(1)に用いる上記単量体混合物の割合が5〜3
0重量%であり、重合工程(2)に用いる上記単量体混
合物の割合が20〜45重量%であり、そして重合工程
(3)に用いる上記単量体混合物の割合が50〜75重
量%である、多段重合方法によって円滑に製造すること
ができる。その際に、上記の重合工程(1)〜(3)
は、好ましくは乳化重合によって実施され、特に重合工
程(2)および重合工程(3)は、一般的なシード重合
法によって行うことがより好ましい。
(3)を行う際に、連鎖移動剤を添加して重合体の分子量
を調節することによって、最終的に得られるアクリル系
多層構造粒状複合体のメルトフローレートを上記した
0.5〜20g/10分の範囲にすることができる。そ
の際の連鎖移動剤の種類は特に制限されず、従来既知の
ものを用いることができ、例えば、n−オクチルメルカ
プタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメル
カプタン、n−ヘキサデシルメルカプタンなどのアルキ
ルメルカプタン類;ジメチルキサントゲンジスルフィ
ド、ジエチルキサントゲンジスルフィドなどのキサント
ゲンジスルフィド類;テトラチウラムジスルフィドなど
のチウラムジスルフィド類;四塩化炭素、臭化エチレン
などのハロゲン化炭化水素などを挙げることができる。
連鎖移動剤は、一般に、重合工程(3)で用いる単量体
混合物100重量部に対して、0.05〜2重量部の割
合で用いることが好ましく、0.08〜1重量部の割合
で用いることがより好ましい。
重合中に凝集物が発生したり、重合槽付着物が重合体中
に混入すると、それにより得られたアクリル系多層構造
粒状複合体を用いてフイルムなどの成形品を製造したと
きに、ブツ(フィッシュアイ)が発生して製品価値が低
下する。そのため、重合工程(1)〜(3)を、凝集物
の生成を抑制し、且つ重合槽付着物の低減させ、且つそ
れらの重合体中への混入を極力回避しながら行うことが
重要である。そのための好ましい方法としては、単量体
混合物をその供給量を調整しつつ重合系に滴下などによ
って供給しながら重合工程(1)〜(3)を行う方法を
挙げることができる。その際の単量体混合物の供給速度
としては、重合工程(1)、重合工程(2)および重合
工程(3)のそれぞれにおいて、各重合工程に用いる単
量体混合物の全重量に基づいて、単量体混合物の各重合
系への供給割合を0.05〜3重量%/分としながら各
工程での重合を行うことが好ましく、0.1〜1重量%
/分の供給割合とすることがより好ましく、0.2〜
0.8重量%/分の供給割合とすることが更に好まし
い。
用いて、好ましくは乳化剤の存在下に乳化重合により行
う。重合開始剤の種類は特に制限されず、例えば、過硫
酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの水溶性の無機系
開始剤、前記の無機系開始剤に亜硫酸塩やチオ硫酸塩な
ど併用したレドックス開始剤、油溶性の有機過酸化物/
第一鉄塩、有機過酸化物/ナトリウムスルホキシレート
などのレドックス開始剤などを用いることができる。重
合系における重合開始剤ラジカル量が低下する場合は、
重合開始剤を分割して添加しながら重合を行ってもよ
い。
来慣用されているものの中から任意に選ぶことができ、
例えば、長鎖アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸ア
ルキルエステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩など
のアニオン系乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなど
のノニオン系乳化剤;ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレン
アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレントリデシ
ルエーテル酢酸ナトリウムなどのアルキルエーテルカル
ボン酸塩などのノニオン・アニオン系乳化剤を挙げるこ
とができる。
合槽中で行っても、または重合槽を変えて行ってもよい
が、同じ重合槽中で行うことが好ましい。上記した重合
工程(1)〜(3)を乳化剤を用いて乳化重合によって
行う場合に、乳化剤の種類、乳化剤の添加量、重合開始
剤の濃度、重合温度などを調節することによって、最終
的に得られるアクリル系多層構造粒状複合体の平均粒度
を上記した0.01〜0.3μmの範囲に調節すること
ができる。一般的に、重合工程(1)〜(3)のそれぞ
れを30〜120℃の温度で行うことが好ましく、50
〜100℃の温度で行うことがより好ましい。
において、必要に応じて、反応性の紫外線吸収剤、例え
ば2−[2−ヒドロキシ−5−(2−メタクリロイルオ
キシエチル)フェニル]−2H−1,2,3−ベンゾト
リアゾールなどを添加して重合を行って、耐紫外線性に
優れるアクリル系多層構造粒状複合体を製造してもよ
い。その場合の前記した紫外線吸収剤の添加量は、単量
体混合物100重量部に対して、0.05〜5重量部程
度の量とすることが好ましい。
の段階で凝集物が生成したり、重合槽付着物(スケー
ル)が生じた場合には、目開きが50μm以下、好まし
くは30μm以下の濾材を用いて、凝集物やスケールの
除去を行うことが好ましい。
度が0.01〜0.3μmのアクリル系多層構造粒状複
合体が水性媒体中に分散した分散液が生成する。分散液
からのアクリル系多層構造粒状複合体の分離・回収方法
は特に制限されず、アクリル系多層構造粒状複合体の物
性低下を招かない方法であればいずれの方法で行っても
よく、例えば、凍結凝固法、塩析凝固法、酸析凝固法、
凍結乾燥法、噴霧乾燥法などにより行うことができる。
その場合に、分離・回収したアクリル系多層構造粒状複
合体が未だ水分を含む場合は更に乾燥を行って、乾燥粉
末の状態にするとよい。凍結乾燥法や噴霧乾燥法による
場合は、一般に、平均粒度が上記した0.01〜0.3
μmの範囲にある乾燥粉末の形態のアクリル系多層構造
粒状複合体が得られ、また凍結凝固法、塩析凝固法、酸
析凝固法などによる場合は、一般に、アクリル系多層構
造粒状複合体(一次粒子)が複数凝集した凝集粒状体
(二次粒子)が得られる。
ちでも、凍結凝固法が好ましく採用される。凍結凝固法
による場合は、アクリル系多層構造粒状複合体中に含ま
れる不純物の洗浄除去が可能であり、塩析剤のような凝
固剤を使用しないことにより着色等の原因となる残留物
を含まないアクリル系多層構造粒状複合体が得られる。
しかも、凍結凝固法による場合は、アクリル系多層構造
粒状複合体(一次粒子)が複数凝集して、取り扱い性、
成形性に優れ、しかも成形したときにブツ(フィッシュ
アイ)の出現がなく、力学的特性に優れる成形品を得る
ことのできる凝集粒状体(二次粒子)を生成させること
ができる。
クリル系多層構造粒状複合体を含む水性分散液を−5℃
以下の温度で30分以上かけて徐々に凍結して凝固さ
せ、次いでそれを融解し、脱水、乾燥する方法が好まし
く採用され、それによって、一般に、平均粒度が100
〜500μm、見掛け密度が0.3g/cm3以上で、加
圧圧縮率が30%未満である不定形の凝集粒状体(二次
粒子)を得ることができる。この凝集粒状体は、飛散し
にくく、取り扱い性、成形性に優れており、貯蔵中にブ
ロッキングを生じにくく、添加剤を配合する際の分散性
に優れており、しかもそれから得られる成形品ではブツ
(フィッシュアイ)が発生せず、力学的特性に優れるも
のとなる。凍結凝固を前記したよりも速い速度で行う
と、凝集粒状体の平均粒度が上記したよりも小さくなっ
て、飛散し易く、取り扱い性の低下したものになり易
い。なお、ここでいう、アクリル系多層構造粒状複合体
の凝集粒状体の平均粒度、見掛け密度および加圧圧縮率
は、以下の実施例の項に記載する方法により測定した値
をいう。
よびそれよりなる凝集粒状体は、溶融成形が可能であ
り、熱可塑性重合体一般に採用されている成形方法およ
び成形装置を用いて成形を行うことができ、そのまま粉
体状の形態で、またはペレットなどの形態にして、例え
ば、押出成形、射出成形、ブロー成形、プレス成形、カ
レンダー成形、注型、溶融積層成形などによって、各種
成形品、例えば、フイルム、シート、板、管、棒、その
他の三次元構造の成形品や積層体を製造することができ
る。
合体およびそれよりなる凝集粒状体は、従来アクリル系
重合体が適さないとされてきた、フイルムやシートなど
の薄物の成形品の製造にも適しており、本発明のアクリ
ル系多層構造粒状複合体および/または凝集粒状体を用
いて得られる薄物の成形品は、耐衝撃性に優れ、しかも
耐応力白化性に優れていて折り曲げても白化が生じず、
耐温水白化性に優れていて温水に曝されても白化が生じ
ない。フイルムやシートなどの薄物の成形品や積層フイ
ルムなどの製造に当たっては、Tダイによる押出成形
法、インフレーション成形法などの従来既知の方法を採
用することができる。
複合体および凝集粒状体は、他の重合体、特にポリカー
ボネート系重合体、塩化ビニル系重合体、フッ化ビニリ
デン系重合体、メタクリル樹脂、ABS樹脂、AES樹
脂、AS樹脂などの熱可塑性重合体との接着性にも優れ
ており、そのため本発明のアクリル系多層構造粒状複合
体および/またはそれよりなる凝集粒状体と前記した熱
可塑性重合体を用いて、積層フイルムやその他の積層体
を円滑に製造することができる。その際の積層体の製造
法は特に制限されず、例えば、本発明のアクリル系多層
構造粒状複合体または凝集粒状体と上記した熱可塑性重
合体を溶融共押出して積層体を製造する方法、熱可塑性
重合体から予め製造したフイルム、シート、板などの上
に本発明のアクリル系多層構造粒状複合体または凝集粒
状体を押出被覆して積層体を製造する方法、熱可塑性重
合体から予め製造したフイルム、シート、板などを型内
に配置した状態で本発明のアクリル系多層構造粒状複合
体または凝集粒状体を射出成形や注型などにより型内に
導入して積層体を製造する方法、熱可塑性重合体から予
め製造したフイルム、シート、板などと本発明のアクリ
ル系多層構造粒状複合体またはその凝集粒状体をプレス
成形して積層体を製造する方法などを挙げることができ
る。
合体およびそれよりなる凝集粒状体には、必要に応じ
て、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、老化防止
剤、可塑剤、高分子加工助剤、滑剤、染料、顔料などの
公知の添加剤を配合することができる。これらの添加剤
の配合量は、本発明の目的を損なわない範囲で用いら
れ、一般に、アクリル系多層構造粒状複合体またはそれ
よりなる凝集粒状体100重量部に体して0.01〜2
0重量部の範囲で用いられる。
挙げて具体的に説明するが、本発明はそれらにより何ら
制限されるものではない。以下の実施例および比較例で
用いた「部」および「%」はそれぞれ重量部および重量
%を示す。また、実施例および比較例における各種物性
の測定および評価は以下にようにして行った。
集する前の粒状体)の平均粒度:アクリル系多層構造粒
状複合体を含む水性分散液を採取して、吸光度法により
その平均粒度を求めた。
なる凝集粒状体の平均粒度:ASTM標準篩により篩分
け行い、次式により重量平均による凝集粒状体の平均粒
度を求めた。
段目の篩に残った粉体の重量比率を示す。
集粒状体の見掛け密度:予め重量を測定しておいた10
0ml(100cm3)メスシリンダー[メスシリンダ
ー重量W0(g)]に、その約50ml程度の目盛りま
で凝集粒状体を入れて、メスシリンダーと凝集粒状体の
合計重量(W)(g)を測定する。その後、メスシリン
ダーを10cmの高さから落下させる操作(タッピン
グ)を10回行って、そのときの凝集粒状体の体積
(V)(ml=cm3)をメスシリンダーの目盛りで読
み取り、次式により凝集粒状体の見掛け密度を算出し
た。
−W0)/V
集粒状体の加圧圧縮率:直径61mm、高さ80mmの
円筒形容器[容積V0(mm3)]に凝集粒状体を一杯に
充填し、上から0.3kg/cm2の荷重を平均にかけ
て5分間加圧し、その時の凝集粒状体の体積(V)(m
m3)を測定し、次式により凝集粒状体の加圧圧縮率を
算出した。
V)/V0}×100
層構造粒状複合体の凝集粒状体より製造したペレットを
用いて、ASTM−D1238に準じて、230℃、
3.8kg荷重でのメルトフローレート(以下「MF
R」という)を測定した。
複合体の凝集粒状体より製造したペレットを280℃で
5分間ラボプラストミルを用いて混練し、そのときの状
態を目視で観察して、ゲル化および発泡が生じていない
場合を良好(○)、ゲル化および/または発泡が生じて
いる場合を不良(×)として評価した。
造粒状複合体の凝集粒状体よりなるペレットを用いて、
Tダイ押出成形機を使用して、シリンダー温度250
℃、ダイ温度240℃の条件下に、ダイリップ横幅30
0mmおよび上下空隙0.3mmのTダイを通して溶融
押出し、縦方向に10倍延伸しながら引き取ってフイル
ムを製造し、押出成形開始10分後から60分後までの
間に測定されたフイルムの最小厚さ(Dmin)(μm)
と最大厚さ(Dmax)(μm)から、次式により厚み変
動率を求め、下記の表1に示す評価基準にしたがってフ
イルム成形性を評価した。
in)/Dmin}×100
した積層板を目視で観察して、フローマークおよび層界
面における白化の有無を調べ、フローマークおよび層界
面の白化のいずれもが生じていない場合を良好(○)、
フローマークおよび/または層界面の白化が生じていた
場合を不良(×)として評価した。
複合体の凝集粒状体からなるペレットを用いて、射出成
形機(日本製鋼所製「N70A」)を使用して、溶融温
度250℃、射出圧力100kg/cm2、金型温度6
0℃の条件下に射出成形を行って、試験片を作製し、A
STM−D256に準じて、Vノッチ付アイゾット衝撃
強度を測定した。
クリル系多層構造粒状複合体の凝集粒状体からなるペレ
ットを用いて、射出成形機(日本製鋼所製「N70
A」)を使用して、溶融温度250℃、射出圧力100
kg/cm2、金型温度60℃の条件下に射出成形を行
って、引張試験用のダンベル試験片を作製し、オートグ
ラフ引張試験機(島津製作所製「AG−10TB」)を
用いて、5mm/分の引張速度で試験片を引き伸ばし、
10%伸び率の時の白化の有無を目視により観察し、白
化が生じていない場合を良好(○)、白化が生じていた
場合を不良(×)として評価した。
出成形で製造した厚さ2mmの積層板から幅10mmの
短冊状試験片を切り出し、常温(20℃)で90℃に折
り曲げて、折り曲げ部分における白化の有無を目視で観
察して、白化が生じていない場合を良好(○)、白化が
生じていた場合を不良(×)として評価した。
クリル系多層構造粒状複合体の凝集粒状体からなるペレ
ットを用いて、射出成形機(日本製鋼所製「N70
A」)を使用して、溶融温度250℃、射出圧力100
kg/cm2、金型温度60℃の条件下に射出成形を行
って、厚さ3mmの平板状の試験片を作製し、その厚さ
方向の光線透過率を波長600nmにて測定した。次い
で、その試験片を80℃の温水に12時間浸漬した後、
室温(20℃)の蒸留水に直ちに浸漬して室温まで冷却
し、蒸留水から取り出して、ガーゼで表面の水分をふき
取って、その厚さ方向の光線透過率を波長600nmに
て測定すると共に、白化の有無を目視にて観察し、白化
が全く生じていない場合を極めて良好(◎)、白化がほ
とんど生じていない場合を良好(○)、やや白化してい
る場合を不良(△)、白化が著しい場合を極めて不良
(×)として評価した。
出成形で製造した厚さ2mmの積層板から試験片を切り
出し、その試験片を80℃の温水に12時間浸漬した
後、室温(20℃)の蒸留水に直ちに浸漬して室温まで
冷却し、蒸留水から取り出して、ガーゼで表面の水分を
ふき取って、白化の有無を目視にて観察した。その際、
白化が全く生じていない場合を極めて良好(◎)、白化
がほとんど生じていない場合を良好(○)、やや白化し
ている場合を不良(△)、白化が著しい場合を極めて不
良(×)として評価した。
管および還流冷却器を備える反応容器内に、脱イオン水
150部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム1.5
部および炭酸ナトリウム0.05部を仕込み、容器内を
窒素ガスで充分に置換して実質的に酸素の影響がない状
態とした後、内温を80℃に設定した。そこに、過硫酸
カリウム0.015部を投入し、5分間撹拌した後、メ
チルメタクリレート14.67部、n−ブチルアクリレ
ート0.3部およびアリルメタクリレート0.03部か
らなる単量体混合物を20分間かけて連続的に滴下供給
し、添加終了後、重合転化率が98%以上になるように
さらに30分間重合を行って、最内層硬質重合体(a)
を製造した。 (2) 次いで、同反応器内に、過硫酸カリウム0.0
30部を投入して5分間撹拌した後、n−ブチルアクリ
レート29.4部およびアリルメタクリレート0.6部
からなる単量体混合物を40分間かけて連続的に滴下供
給し、添加終了後、重合転化率が98%以上になるよう
にさらに30分間重合を行って、最内層硬質重合体
(a)上に軟質層重合体(b)よりなる重合体層を有す
る層状粒状体を製造した。 (3) 次に、同反応器内に、過硫酸カリウム0.05
5部を投入して5分間撹拌した後、メチルメタクリレー
ト53.9部、n−ブチルアクリレート1.1部および
n−オクチルメルカプタン(連鎖移動剤)0.5部を含
む単量体混合物を100分間かけて連続的に滴下供給
し、添加終了後、重合転化率が98%以上になるように
さらに60分間重合を行って、軟質層重合体(b)上に
最外層硬質重合体(c)よりなる重合体層を有するアク
リル系多層構造粒状複合体を含む水性分散液(ラテック
ス)を得た。このラテックスを少量採取して、そこに含
まれているアクリル系多層構造粒状複合体の平均粒度を
上記したように吸光度法により求めたところ、0.09
μmであった。
多層構造粒状複合体のラテックスを、−20℃の温度で
1時間かけて凍結し、それにより得られた凍結物を3倍
量の80℃の温水中に投入して融解させて凝集スラリー
とした。次いで、この凝集スラリーを遠心分離機で脱水
した後、80℃で乾燥させて、アクリル系多層構造粒状
複合体の凝集粒状体を得た。この凝集粒状体の平均粒
度、見掛け密度および加圧圧縮率を上記した方法で求め
たところ、平均粒度165μm、見掛け密度0.48g
/cm3、加圧圧縮率10%であった。 (5) 上記(4)で得られたアクリル系多層構造粒状
複合体の凝集粒状体を押出機に供給して、溶融押出温度
240℃の条件下にペレット(直径2mm、長さ3m
m)を製造した。 (6) 上記(5)で得られたペレットの熱安定性を上
記した方法で評価すると共に、上記(5)で得られたペ
レットを用いて試験片を製造して、その各種物性を上記
した方法で調べたところ、下記の表4に示すとおりであ
った。
層硬質重合体(a)および最外層硬質重合体(c)を、
下記の表2または表3に示す単量体混合物を用いて行っ
た以外は実施例1と全く同様にして、アクリル系多層構
造粒状複合体のラテックスを製造し、それを用いてアク
リル系多層構造粒状複合体の凝集粒状体を製造した。得
られた凝集粒状体からペレットを製造し、それにより得
られたペレットの熱安定性を上記した方法で評価すると
共に、該ペレットを用いて試験片を製造して、その各種
物性を上記した方法で調べたところ、下記の表4に示す
とおりであった。
系多層構造粒状複合体を製造する際に、乳化剤の量を減
少させて、得られるアクリル系多層構造粒状複合体の平
均粒度を下記の表2または表3に示すように変えた以外
は実施例1と全く同様にして、アクリル系多層構造粒状
複合体のラテックスを製造し、それを用いてアクリル系
多層構造粒状複合体の凝集粒状体を製造した。得られた
凝集粒状体からペレットを製造し、それにより得られた
ペレットの熱安定性を上記した方法で評価すると共に、
該ペレットを用いて試験片を製造して、その各種物性を
上記した方法で調べたところ、下記の表4に示すとおり
であった。
内層硬質重合体(a)、軟質層重合体(b)および最外
層硬質重合体(c)の層比率を、下記の表2または表3
に示すように変えた以外は実施例1と全く同様にして、
アクリル系多層構造粒状複合体のラテックスを製造し、
それを用いてアクリル系多層構造粒状複合体の凝集粒状
体を製造し、該凝集粒状体からペレットの製造し、それ
により得られたペレットの熱安定性を上記した方法で評
価すると共に、該ペレットを用いて試験片を製造して、
その各種物性を上記した方法で調べたところ、下記の表
4に示すとおりであった。
クリレート80〜98.99重量%、C1〜8アルキルア
クリレート1〜20重量%、多官能性グラフト剤0.0
1〜1重量%および多官能性架橋剤0〜0.5重量%か
らなる単量体混合物を重合してなる最内層硬質重合体
(a)、C1〜8アルキルアクリレート70〜99.5重
量%、メチルメタクリレート0〜30重量%、多官能性
グラフト剤0.5〜5重量%および多官能性架橋剤0〜
5重量%からなる単量体混合物を重合してなる軟質層重
合体(b)、並びにメチルメタクリレート90〜99重
量%およびC1〜8アルキルアクリレート10〜1重量%
からなる単量体混合物を重合してなるガラス転移点が8
0℃以上の最外層硬質重合体(c)からなるアクリル系
多層構造粒状複合体であって、且つ最内層硬質重合体
(a):軟質層重合体(b):最外層硬質重合体(c)
の層比率(重量比)が、5〜30:20〜45:50〜
75の範囲にあり、MFRが0.5〜20g/10分の
範囲にある実施例1〜10のアクリル系多層構造粒状複
合体(凝集粒状体)は、熱安定性、フイルム成形性に優
れ、しかも耐衝撃性、耐応力白化性、耐温水白化性に優
れる成形品(フイルム)を製造し得ることがわかる。
ら、最内層硬質重合体(a)または最外層硬質重合体
(c)を構成する構造単位の割合が本発明の範囲から外
れていたり、最内層硬質重合体(a)、軟質層重合体
(b)および最外層硬質重合体(c)の層比率が本発明
の範囲から外れていたり、またはアクリル系多層構造粒
状複合体の平均粒度が本発明の範囲から外れている比較
例1〜7の場合は、アクリル系多層構造粒状複合体(凝
集粒状体)の熱安定性、フイルム成形性、得られる成形
品の耐衝撃性、耐応力白化性、耐温水白化性の1つ以上
において、物性が劣ったものとなることがわかる。
アクリル系多層構造粒状複合体の凝集粒状体からなるペ
レットを押出機(スクリュー径30mm)に供給してシ
リンダー温度250℃の条件下に溶融し、一方下記の表
4に記載した熱可塑性重合体のペレットを別の押出機
(スクリュー径50mm)に供給して、下記の表5に示
すシリンダー温度で溶融し、両方の溶融物を幅350m
mのシート製造用の共押出ダイに供給して、熱可塑性重
合体からなる層の両側にアクリル系多層構造粒状複合体
からなる被覆層(各被覆層の厚さ50μm)を有する全
体の厚さが2mmの2種3層からなる積層板を製造し
た。その際に、積層成形性を上記した方法で評価すると
共に、得られた積層板の耐応力白化性および耐温水白化
性を上記した方法で調べたところ、下記の表5に示すと
おりであった。なお、積層板におけるアクリル系多層構
造粒状複合体からなる被覆層の厚さは、積層板を試験片
を切り出し、その切断面を研磨してから光学顕微鏡を用
いて測定した。
よび比較例4のアクリル系多層構造粒状複合体よりなる
凝集粒状体からなるペレット(比較例8、比較例9およ
び比較例10にそれぞれ対応)を用いた以外は実施例1
1と同様にして積層板を製造し、測定評価した。その結
果を下記の表5に示す。
系多層構造粒状複合体は、熱可塑性重合体との積層成形
性に優れていること、しかも本発明のアクリル系多層構
造粒状複合体からなる層と熱可塑性重合体からなる層を
有する積層体は、耐応力白化性や耐温水白化性などの特
性においても優れていることがわかる。
およびそれよりなる凝集粒状体は、アクリル系樹脂が本
来有する良好な成形性、熱安定性、美麗な外観、優れた
透明性や耐候性などの特性を有し、しかも他の熱可塑性
重合体や弾性重合体などとブレンドしなくてもそれ自体
で耐衝撃性、耐応力白化性、耐温水白化性などに優れて
いるので、他の重合体とブレンドすることによって生ず
る透明性の低下や耐候性の低下などを生ずることなく、
それ自身で外観、透明性、耐候性、耐応力白化性、耐温
水白化性、熱安定性などに優れる成形品や積層体など
を、良好な成形性で生産性良く製造することができる。
特に、本発明のアクリル系多層構造粒状複合体およびそ
れよりなる凝集粒状体は、アクリル系樹脂において従来
不向きであるとされていた、フイルムやシートなどの薄
物の成形品においても、その成形性や物性が優れてお
り、本発明のアクリル系多層構造粒状複合体およびそれ
よりなる凝集粒状体を用いて得られるフイルムなどの薄
物の成形品は、外観、透明性、耐衝撃性などに優れ、折
り曲げや延伸などの応力が加わっても白化が生じず、温
水に曝されても白化しない。
複合体およびそれよりなる凝集粒状体は、他の熱可塑性
重合体に対する接着性に優れており、他の熱可塑性重合
体と共溶融押出やその他の方法で積層成形することによ
り、層間剥離がなく、耐応力白化性、耐温水白化性、力
学的特性などに優れる積層体を、良好な積層成形性で生
産性良く製造することができる。
複合体の凝集により得られる、平均粒度が100〜50
0μm、見掛け密度が0.3g/cm3以上、および加圧
圧縮率が30%未満である本発明の凝集粒状体は、飛散
しにくく、取り扱い性、成形性に優れ、押出成形や射出
成形などの成形を円滑に行うことができ、他の添加剤の
凝集粒状体への分散性が良好であり、取り扱い時や貯蔵
中にブロッキングや機器への付着が生じず、しかもブツ
(フィッシュアイ)の発生がなく、力学的特性に優れる
成形品を製造することができる。
リル系多層構造粒状複合体は、上記した重合工程(1)
〜(3)よりなる本発明の方法により円滑に製造するこ
とができる。また、上記した優れた特性を有する本発明
のアクリル系多層構造粒状複合体よりなる凝集粒状体
は、本発明のアクリル系多層構造粒状複合体を含む水性
分散液を凍結し、次いでそれを融解した後、脱水および
乾燥することからなる本発明の方法により円滑に得るこ
とができる。
Claims (10)
- 【請求項1】 アクリル系多層構造粒状複合体であっ
て; (I) 前記アクリル系多層構造粒状複合体が、 (i) メチルメタクリレート80〜98.99重量
%、アルキル基の炭素数が1〜8であるアルキルアクリ
レートの少なくとも1種1〜20重量%、多官能性グラ
フト剤0.01〜1重量%および多官能性架橋剤0〜
0.5重量%からなる単量体混合物を重合してなる最内
層硬質重合体(a); (ii) 上記の最内層硬質重合体(a)の存在下に、ア
ルキル基の炭素数が1〜8であるアルキルアクリレート
の少なくとも1種70〜99.5重量%、メチルメタク
リレート0〜30重量%、多官能性グラフト剤0.5〜
5重量%および多官能性架橋剤0〜5重量%からなる単
量体混合物を重合してなる軟質層重合体(b);並び
に、 (iii) 上記の最内層硬質重合体(a)と軟質層重合
体(b)からなる重合体粒子の存在下に、メチルメタク
リレート90〜99重量%およびアルキル基の炭素数が
1〜8であるアルキルアクリレートの少なくとも1種1
0〜1重量%からなる単量体混合物を重合してなるガラ
ス転移点が80℃以上である最外層硬質重合体(c);
よりなる3層構造を有し; (II) アクリル系多層構造粒状複合体の重量に基づい
て、上記の最内層硬質重合体(a)を5〜30重量%、
軟質層重合体(b)を20〜45重量%および最外層硬
質重合体(c)を50〜75重量%の割合で有し; (III) 平均粒度が0.01〜0.3μmであり;且つ (IV) 230℃、3.8kg荷重下でのメルトフロー
レートが0.5〜20g/10分である; ことを特徴とするアクリル系多層構造粒状複合体。 - 【請求項2】 最内層硬質重合体(a)、軟質層重合体
(b)および最外層硬質重合体(c)が、各重合体の形
成に用いる単量体混合物の全重量に基づいて単量体混合
物を0.05〜3重量%/分の供給速度で重合系に供給
しながら重合を行って形成したものである請求項1記載
のアクリル系多層構造粒状複合体。 - 【請求項3】 請求項1または2記載のアクリル系多層
構造粒状複合体が凝集してなる凝集粒状体であって、平
均粒度が100〜500μm、見掛け密度が0.3g/
cm3以上、および加圧圧縮率が30%未満であること
を特徴とする凝集粒状体。 - 【請求項4】 請求項1または2記載のアクリル系多層
構造粒状複合体あるいは請求項3記載の凝集粒状体から
なる成形品。 - 【請求項5】 フイルムまたはシートである請求項4記
載の成形品。 - 【請求項6】 請求項1または2記載のアクリル系多層
構造粒状複合体あるいは請求項3記載の凝集粒状体から
形成された層を少なくとも1層、および他の熱可塑性重
合体からなる層を少なくとも1層有することを特徴とす
る積層体。 - 【請求項7】 他の熱可塑性重合体からなる層が、ポリ
カーボネート系重合体、塩化ビニル系重合体、フッ化ビ
ニリデン系重合体、メタクリル樹脂、ABS樹脂、AE
S樹脂およびAS樹脂から選ばれる少なくとも1種から
なっている請求項6記載の積層体。 - 【請求項8】 (1)メチルメタクリレート80〜9
8.99重量%、アルキル基の炭素数が1〜8であるア
ルキルアクリレートの少なくとも1種1〜20重量%、
多官能性グラフト剤0.01〜1重量%および多官能性
架橋剤0〜0.5重量%からなる単量体混合物を水性媒
体中で重合して硬質重合体を製造し、(2)前記の重合
工程(1)で得られる硬質重合体の存在下に水性媒体中
でアルキル基の炭素数が1〜8であるアルキルアクリレ
ートの少なくとも1種70〜99.5重量%、メチルメ
タクリレート0〜30重量%、多官能性グラフト剤0.
5〜5重量%および多官能性架橋剤0〜5重量%からな
る単量体混合物を重合して前記硬質重合体上に軟質重合
体が積層してなる重合体粒子を製造し、そして(3)前
記の重合工程(2)で得られる重合体粒子の存在下に、
水性媒体中でメチルメタクリレート90〜99重量%お
よびアルキル基の炭素数が1〜8であるアルキルアクリ
レートの少なくとも1種10〜1重量%からなる単量体
混合物を重合して前記軟質重合体上にガラス転移点が8
0℃以上である硬質重合体の層を形成させることからな
り、且つアクリル系多層構造粒状複合体の製造に用いる
単量体の全重量に基づいて、重合工程(1)に用いる上
記単量体混合物の割合が5〜30重量%であり、重合工
程(2)に用いる上記単量体混合物の割合が20〜45
重量%であり、そして重合工程(3)に用いる上記単量
体混合物の割合が50〜75重量%であることを特徴と
する、請求項1記載のアクリル系多層構造粒状複合体の
製造方法。 - 【請求項9】 前記の重合工程(1)、重合工程(2)
および重合工程(3)において、各工程に用いる単量体
混合物の全重量に基づいて、該単量体混合物を0.05
〜3重量%/分の供給速度で各重合系に供給して各工程
での重合を行う請求項8記載の製造方法。 - 【請求項10】 請求項1または2記載のアクリル系多
層構造粒状複合体を含む水性分散液を凍結し、次いでそ
れを融解した後、脱水および乾燥することを特徴とする
請求項3記載の凝集粒状体の製造方法。
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