JPH05320457A - アクリル系樹脂組成物 - Google Patents

アクリル系樹脂組成物

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JPH05320457A
JPH05320457A JP13506992A JP13506992A JPH05320457A JP H05320457 A JPH05320457 A JP H05320457A JP 13506992 A JP13506992 A JP 13506992A JP 13506992 A JP13506992 A JP 13506992A JP H05320457 A JPH05320457 A JP H05320457A
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JP
Japan
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weight
polymer
layer
acrylic resin
layer structure
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JP13506992A
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English (en)
Inventor
Kenji Sakuraba
健次 桜庭
Nobuhiro Kobayashi
信博 小林
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 透明性、耐衝撃性およびヘーズの温度依存性
に優れたアクリル系樹脂組成物を提供する。本発明のア
クリル系樹脂組成物は、比較的高温下で使用される車輌
外装品、たとえばリヤパネル等に好適に使用できる。 【構成】 硬質熱可塑性アクリル樹脂(A)40〜98
重量部と、3層構造アクリル系重合体(B)2〜60重
量部(合計100重量部)とからなるアクリル系樹脂組
成物。該3層構造アクリル系重合体(B)は、最内硬質
層重合体10〜30重量%、軟質層重合体35〜50重
量%、および最外硬質層重合体35〜50重量%からな
り、かつ平均粒子径が0.04〜0.09μmであり、
さらにグラフト率が30重量%以上であることを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクリル系樹脂組成物
に関するものであって、さらに詳しくは、透明性、耐衝
撃性およびヘーズの温度依存性に優れたアクリル系樹脂
組成物に関するものである。本発明のアクリル系樹脂組
成物は、比較的高温下で使用される車輌外装品、たとえ
ばリヤパネル等に好適に使用できる。
【0002】
【従来の技術】一般に、硬質熱可塑性アクリル樹脂の耐
衝撃性を改良する手段として、いわゆるエラストマ−成
分を導入する方法が行われている。そのような方法の一
つとして、ジエン系エラストマ−の導入が一般的である
が、ジエン系エラストマ−は耐候性が極めて劣るため、
屋外用途に対する方法としては適当でない。耐候性を低
下させることなく硬質アクリル樹脂に耐衝撃性を付与す
るために、アクリル系エラストマ−の導入が種々検討さ
れてきた。特にアクリル系エラストマ−としては、多層
構造を有するアクリル系重合体の例が多数提案されてい
る。
【0003】例えば、3層もしくは4層以上の多層構造
重合体と熱可塑性重合体とのブレンドによって透明性を
損なわずに耐衝撃性を改良したもの(特公昭55−27
576号公報)、3層構造を基本とし、かつこれらの各
層間にほぼ定率で変化する濃度勾配をもった中間層を有
するもの(特公昭58−1694号公報、特公昭59−
366455号公報)、3層構造を基本とし、中央軟質
層と最外層の間に一層以上の中間層を有するもの(特公
昭59−36646号公報、特公昭 63−8983号
公報)、軟−硬−軟−硬の4層構造を有するもの(特公
昭62−41241号公報)などが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、硬質ア
クリル樹脂が持つ好ましい特性を保持したままで耐衝撃
性を向上させる目的で、硬質アクリル樹脂と多層構造を
有するアクリル系重合体とからなるアクリル系樹脂組成
物に関する多くの提案がなされてきた。しかしながら、
これらのアクリル系樹脂組成物は、ヘーズの温度依存性
に関しては、なお十分に満足しうるものではなかった。
即ち、硬質アクリル樹脂と多層構造アクリル系重合体と
の常温での屈折率を一致させることによって、常温にお
いて透明なアクリル系樹脂組成物としているが、硬質ア
クリル樹脂と多層構造アクリル系重合体の屈折率の温度
依存性が異なるため、常温より高い、または低い温度条
件においては、両者の屈折率がずれてきて、ヘ−ズが大
きくなるという問題点があった。
【0005】従って、このような従来のアクリル系樹脂
組成物の有するヘ−ズの温度依存性に関する欠点を改良
し、広い温度範囲においてアクリル樹脂本来の優れた透
明性を維持しうる組成物が強く要望されてきた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アクリル
系樹脂組成物の透明性、耐衝撃性およびヘ−ズの温度依
存性を改良するために鋭意検討を重ねた結果、特定の多
層構造アクリル系重合体を用いることによって前記の目
的を達成しうることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】即ち、本発明は、メチルメタクリレ−ト単
位80重量%以上、アルキル基の炭素数が1〜8のアル
キルアクリレ−ト単位20重量%以下からなる硬質熱可
塑性アクリル樹脂(A)40〜98重量部と、3層構造
アクリル系重合体(B)2〜60重量部とからなるアク
リル系樹脂組成物であって、上記3層構造アクリル系重
合体(B)が、(1)メチルメタクリレ−ト80〜9
8.99重量%、アルキル基の炭素数が1〜8のアルキ
ルアクリレ−ト1〜20重量%、および多官能性グラフ
ト剤0.01〜5重量%からなる単量体混合物を重合し
て得られる最内硬質層重合体10〜30重量%、(2)
上記最内硬質層重合体存在下に、アルキル基の炭素数が
4〜8のアルキルアクリレ−ト75〜85重量%、芳香
族ビニル化合物15〜25重量%、多官能性架橋剤0〜
5重量%および多官能性グラフト剤0.05〜5重量%
からなる単量体混合物を重合して得られる軟質層重合体
35〜50重量%、(3)上記最内硬質層および軟質層
からなる重合体の存在下に、メチルメタクリレ−ト80
〜99重量%とアルキル基の炭素数が1〜8であるアル
キルアクリレ−ト1〜20重量%とからなる単量体混合
物を重合して得られる最外硬層重合体35〜50重量%
からなる3層構造を有し、(4)かつ、3層構造重合体
の平均粒子径が0.04〜0.09μmであり、(5)
さらに、当該3層構造重合体をアセトンにより分別した
場合のグラフト率が30重量%以上であることを特徴と
するアクリル系樹脂組成物である。
【0008】以下、本発明を説明する。本発明の硬質熱
可塑性アクリル樹脂(A)は、メチルメタクリレ−ト単
位80重量%以上、アルキル基の炭素数が1〜8のアル
キルアクリレ−ト単位20重量%以下とを重合したもの
である。ここで、炭素数が1〜8のアルキルアクリレ−
トとしては、メチルアクリレ−ト、エチルアクリレ−
ト、n−ブチルアクリレ−ト、i−ブチルアクリレ−
ト、2−エチルヘキシルアクリレ−ト等が挙げられ、メ
チルアクリレ−トとエチルアクリレ−トが特に好ましく
用いられる。
【0009】硬質熱可塑性アクリル樹脂(A)における
アルキルアクリレ−ト単位の割合は、1〜20重量%が
好ましい。該単位が1重量%未満では、硬質熱可塑性ア
クリル樹脂(A)の溶融粘度を下げる効果が不十分で、
成形時の流動性が低下する。また、樹脂の熱分解性が大
きくなり、成形品表面に銀条痕が発生しやすくなるので
好ましくない。一方、該単位が20重量%を越えると、
樹脂の熱変形温度が低下し、成形品が熱変形しやすくな
るので、実用性に劣るものしか得られない。
【0010】また、本発明における硬質熱可塑性アクリ
ル樹脂(A)は、クロロホルム中、25℃における還元
粘度(ηsp/C)が30〜90ml/gであることが好
ましい。還元粘度が30ml/g未満の場合は、樹脂の
機械的強度の低下が著しく、成形時および使用時に成形
品が破損しやすくなる。一方、還元粘度が90ml/g
を越える場合は、樹脂の溶融粘度が大きくなって成形性
が低下するので好ましくない。還元粘度としては、40
〜80ml/gが特に好ましい。
【0011】本発明における硬質熱可塑性アクリル樹脂
(A)の製造方法としては、特に制限は無く、懸濁重
合、乳化重合、塊状重合、あるいは溶液重合等の公知の
方法のいずれを用いても良い。ここで、重合開始剤とし
ては、通常のパ−オキサイド系およびアゾ系のものを用
いることができ、また、レドックス系とすることもでき
る。重合温度については、懸濁または乳化重合では30
〜100℃、塊状または溶液重合では80〜160℃で
実施しうる。さらに、生成樹脂の還元粘度を制御するた
めに、アルキルメルカプタン等を連鎖移動剤として用
い、重合を実施することもできる。
【0012】3層構造アクリル系重合体(B)を構成す
る最内硬質層重合体は、メチルメタクリレ−ト80〜9
8.99重量%、アルキル基の炭素数が1〜8のアルキ
ルアクリレ−ト1〜20重量%および多官能性グラフト
剤0.01〜5重量%からなる単量体混合物を重合して
得られる。ここで、アルキル基の炭素数が1〜8のアル
キルアクリレ−トとしては、硬質熱可塑性アクリル樹脂
(A)の項で述べたものが用いられる。最内硬質層重合
体におけるアルキルアクリレ−ト単位の割合は1〜20
重量%であり、該単位が1重量%未満では、重合体の熱
分解性が大きくなり、一方、該単位が20重量%を越え
ると、最内硬質層重合体のガラス転移温度が低くなり、
3層構造アクリル系重合体の耐衝撃性付与効果が低下す
るので、いずれも好ましくない。
【0013】多官能性グラフト剤としては、異なる重合
可能な官能基を有する多官能性単量体、例えば、アクリ
ル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸のアリルエ
ステル等が挙げられ、アリルメタクリレ−トが好ましく
用いられる。多官能性グラフト剤は、最内硬質層重合体
と軟質層重合体を化学的に結合するために用いられ、そ
の最内硬質層重合時に用いる割合は0.01〜5重量%
である。該単位の割合がこの範囲をはずれると、いずれ
も3層構造アクリル系重合体の耐衝撃性付与効果が低下
するので、好ましくない。
【0014】3層構造アクリル系重合体(B)を構成す
る軟質層重合体は、上記最内硬質層重合体存在下に、ア
ルキル基の炭素数が4〜8のアルキルアクリレ−ト75
〜85重量%、芳香族ビニル化合物15〜25重量%、
多官能性架橋剤0〜5重量%および多官能性グラフト剤
0.05〜5重量%からなる量部からなる単量体混合物
を重合して得られるものである。ここで、アルキル基の
炭素数が1〜8のアルキルアクリレ−トとしては、硬質
熱可塑性アクリル樹脂(A)の項で述べたものが用いら
れるが、n−ブチルメタクリレ−トや2−エチルヘキシ
ルメタクリレ−トが好ましく用いられる。る。芳香族ビ
ニル化合物としては、スチレンおよび置換スチレン誘導
体が挙げられ、スチレンが好ましい。また、アルキルア
クリレ−トと芳香族ビニル化合物の比率は、前者が多い
ほど生成重合体のガラス転移温度が低下し、即ち軟質化
できるのであるが、一方、樹脂組成物の透明性の観点か
らは、軟質層重合体の常温での屈折率を最内硬質層重合
体、最外硬質層重合体、および硬質熱可塑性アクリル樹
脂(A)に近づけるほうが有利となる。これらを勘案し
て両者の比率を選定するが、一般にはアルキルアクリレ
−ト75〜85重量%、芳香族ビニル化合物15〜25
重量%の範囲が用いられる。
【0015】多官能性グラフト剤としては、前記の最内
層硬質重合体の項で挙げたものを用いることができる。
ここで用いる多官能性グラフト剤は、軟質層重合体と最
外硬質層重合体とを化学的に結合するために用いられ、
その最内硬質層重合時に用いる割合は0.01〜5重量
%である。該単位の割合がこの範囲をはずれると、いず
れも3層構造アクリル系重合体の耐衝撃性付与効果が低
下するので、好ましくない。
【0016】多官能性架橋剤としては、ジビニル化合
物、ジアリル化合物、ジアクリル化合物、ジメタクリル
化合物などの一般に知られている架橋剤が使用できる
が、ポリエチレングリコ−ルジアクリレ−ト(分子量2
00〜600)が好ましく用いられる。ここで用いる多
官能性架橋剤は、軟質層の重合時に架橋構造を生成し、
弾性体としての効果を発現させるために用いられる。た
だし、先の多官能性グラフト剤を軟質層の重合時に用い
れば、ある程度は軟質層の架橋構造を生成するので、多
官能性架橋剤は必須成分ではない。即ち、多官能性架橋
剤を軟質層重合時に用いる割合は、0〜5重量%であ
る。該単位の割合が5重量%を超えると、3層層構造ア
クリル系重合体の耐衝撃性付与効果が低下するので、好
ましくない。
【0017】3層構造アクリル系重合体(B)を構成す
る最外硬質層重合体は、上記最内硬質層重合体および軟
質層重合体の存在下に、メチルメタクリレ−ト80〜9
9重量%およびアルキル基の炭素数が1〜8であるアル
キルアクリレ−ト1〜20重量%からなる単量体混合物
を重合して得られるものである。ここで、アルキルアク
リレ−トとしては、硬質熱可塑性アクリル樹脂(A)の
項で述べたものが用いられるが、メチルアクリレ−トや
エチルアクリレ−トが好ましく用いられる。最外硬質層
におけるアルキルアクリレ−ト単位の割合は、1〜20
重量%が好ましい。該単位が1重量%未満では、重合体
のの熱分解性が大きくなり、一方、該単位が20重量%
を越えると、3層構造アクリル系重合体粒子の粘着性が
増して、後処理等で取り扱いにくくなるほか、熱可塑性
アクリル樹脂(A)との相溶性が低下して、耐衝撃性や
耐候性に劣るものしか得られない。
【0018】また、最外硬質層の重合時に、熱可塑性ア
クリル樹脂(A)との相溶性向上を目的として、分子量
を調節するためアルキルメルカプタン等を連鎖移動剤と
して用い、実施することもできる。本発明の目的である
ヘ−ズの温度依存性と耐衝撃性のバランスの良いアクリ
ル系樹脂組成物を得るには、3層構造アクリル系重合体
(B)における各層重合体の比率を制御することが極め
て重要である。即ち、多層構造アクリル系重合体(B)
における各層重合体の比率は、最内硬質層が10〜30
重量%、軟質層がが35〜50重量%、および最外硬質
層が35〜50重量%である。ここで、最内硬質層重合
体の比率が10重量%未満では、ヘ−ズの温度依存性が
大きくなり、またシ−ド重合を完全に行うことが難しく
なり、一方、30重量%を越えると耐衝撃性の付与効果
が低下していずれも好ましくない。軟質層重合体の比率
が35重量%未満の場合は、耐衝撃性の付与効果に劣
り、一方、50重量%を越える場合は、ヘ−ズの温度依
存性が大きくなるのでいずれも好ましくない。また、最
外硬質層重合体の比率が、35重量%未満の場合は、ヘ
−ズの温度依存性および耐衝撃性付与効果に劣り、一
方、50重量%を越える場合は、耐衝撃性付与効果に劣
るため、いずれも好ましくない。
【0019】本発明の目的であるヘ−ズの温度依存性と
耐衝撃性のバランスの良いアクリル系樹脂組成物を得る
には、3層構造アクリル系重合体(B)における各層重
合体の比率を制御することと並んで、平均粒子径を制御
することも重要である。本発明の多層構造アクリル系重
合体(B)の平均粒子径は0.04〜0.09μmが必
要でであり、0.05〜0.08μmが好ましい。平均
粒子径が 0.04μm未満の場合には、耐衝撃性の付
与効果に劣り、一方、0.09μm%を越える場合に
は、ヘ−ズの温度依存性が大きく、いずれも好ましくな
い。
【0020】乳化重合法で本発明の3層構造アクリル系
重合体(B)を製造する場合、その平均粒子径を乳化剤
の種類、乳化剤の水相および単量体混合物相に対する割
合、最内硬質層形成時の単量体混合物相の水相への添加
速度、および重合温度によって制御できることは、当業
者において広く知られた技術の範囲内で可能である。さ
らに、平均粒子径の測定は、乳化重合終了時のラテック
スを透過型電子顕微鏡観察、吸光度法、あるいは光散乱
法などの公知の方法で実施しうる。また、アクリル系樹
脂組成物を超薄切片とし、四酸化ルテニウムで軟質層を
染色してから透過型電子顕微鏡観察することによって
も、3層構造アクリル系重合体(B)の粒子径を測定し
うるが、この場合は、軟質層までの輪郭を観察してお
り、最外硬質層の輪郭は硬質熱可塑性アクリル樹脂
(A)と区別できないことに留意すべきである。
【0021】また、本発明の目的であるヘ−ズの温度依
存性と耐衝撃性のバランスの良いアクリル系樹脂組成物
を得るには、3層構造アクリル系重合体をアセトンによ
り分別した場合のグラフト率を制御することも重要であ
る。本発明の3層構造アクリル系重合体(B)のグラフ
ト率は、30重量%以上である。グラフト率が30重量
%未満の場合には、ヘーズの温度依存性および耐衝撃性
付与効果に劣り、好ましくない。
【0022】本発明における3層構造アクリル系重合体
(B)は、逐次多段重合によって製造されるが、重合方
法としては乳化重合法を用いるのが望ましい。また、最
内層硬質重合体の存在下に、軟質層重合体、さらには最
外硬質層重合体を形成させるときには、新たな粒子が生
成しないことが必要であり、この目的のためにシ−ド重
合法が好適に用いられる。即ち、3層の重合を全て乳化
重合法で行う場合は、軟質層および最外硬質層の重合を
行う際に、乳化剤を新たに添加しないか、またたは、添
加量を新粒子が生成しない範囲にとどめることが重要で
ある。また、新たな粒子生成の有無は、ラテックスの電
子顕微鏡による観察によって、確認することができる。
各層の重合体を形成させるための適切な重合温度は、各
層とも30〜120℃、好ましくは、50〜100℃の
範囲で選ばれる。
【0023】乳化重合に用いられる乳化剤については、
特に制限は無く、従来慣用されているものの中から任意
のものを選ぶことができる。例えば、長鎖アルキルカル
ボン酸塩、スルホコハク酸アルキルエステル塩、アルキ
ルベンゼンスルホン酸塩などが挙げられる。また、この
際用いられる重合開始剤については特に制限は無く、通
常用いられている水溶性の過硫酸塩、過ホウ酸塩などの
無機系開始剤を単独で、あるいは亜硫酸塩、チオ硫酸塩
などを併用してレドックス開始剤系として用いることも
できる。さらに油溶性の有機過酸化物/第1鉄塩、有機
過酸化物/ソジウムスルホキシレ−トのようなレドック
ス開始剤系も用いることができる。
【0024】このような乳化重合方法によって得られる
3層構造アクリル系重合体は、ポリマ−ラテックスの状
態から公知の方法によって、塩析、洗浄、乾燥等の処理
を行うことにより、粒子状固形物として得られる。本発
明のアクリル系樹脂組成物は、硬質熱可塑性アクリル樹
脂(A)40〜98重量部と3層構造アクリル系重合体
(B)2〜60重量部(合計100重量部)とからなる
ものである。3層構造アクリル系重合体(B)の該組成
物における比率が2重量部未満の場合は、耐衝撃性が不
足し、60重量部を越える場合は、色調、ヘ−ズの温度
依存性、耐熱性および耐候性などが劣り、好ましくな
い。
【0025】本発明のアクリル系樹脂組成物の製造は、
3層構造アクリル系重合体(B)を硬質熱可塑性アクリ
ル樹脂(A)と押出機等を用いて溶融混練することによ
って実施しうる。アクリル樹脂組成物を製造するために
混練する際に、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止
剤、可塑剤、滑剤、染料、顔料等を必要に応じて、樹脂
組成物本来の特性を阻害しない範囲で添加することもで
きる。
【0026】このようにして得られたアクリル系樹脂組
成物を射出成形又は押出成形することにより、透明性、
耐衝撃性に優れ、ヘーズの温度依存性の低減された成型
品あるいはシ−トを得ることができる。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれにより何ら制限を受けるもので
は無い。なお、実施例、比較例における測定は以下の方
法もしくは測定機器を用いて行った。 〔Izod衝撃強度〕;ASTM D256 ヘーズ;積分球式ヘーズメ−タ−を使用して、厚さ1/
8インチの試験片の23℃及び70℃におけるヘーズを
測定した。
【0028】〔平均粒子径〕;3層構造アクリル系重合
体のラテックスをサンプリングして、固形分50ppm
になるように水で希釈し、分光光度計を用いて波長55
0nmでの吸光度を測定した。この値から、透過型電子
顕微鏡写真よりラテックス粒子径を計測したサンプルに
ついて、同様に吸光度を測定して作成した検量線を用い
て平均粒子径を求めた。
【0029】〔グラフト率〕;乾燥したパウダー状の3
層構造アクリル系重合体約0.3gを精秤し(W1)、
アセトン30mlを加え室温で一晩静置後、2時間振と
うする。2℃、26000rpmにて1時間遠心分離す
る。上澄み液をデカンテーションして除いた後、新たに
アセトン30mlを加え室温で1時間振とうする。振と
う後、2℃、26000rpmにて1時間遠心分離する
上澄み液をデカンテーションして除き、一晩風乾する。
100℃、4時間真空乾燥しデシケーター内で室温まで
冷却後、残留物の重量を秤量する(W2)。次式によ
り、アセトン不溶部{(X):重量%}を算出する。
【0030】 アセトン不溶部(X)=(W2÷W1)×100 3層構造アクリル系重合体(B)における最内硬質層重
合体および軟質層重合体の重量%をそれぞれYおよびZ
として、次式により、グラフト率(重量%)を算出す
る。 グラフト率={(X−Y−Z)÷(Y+Z)}×100 また、実施例及び比較例において用いた略号は、以下の
化合物を示す。
【0031】MMA;メチルメタクリレ−ト BA;n−ブチルアクリレ−ト St;スチレン MA;メチルアクリレ−ト ALMA;アリルメタクリレ−ト PEGDA;ポリエチレングリコ−ルジアクリレ−ト
(分子量200) DPBHP;ジイソプロピルベンゼンハイドロパ−オキ
サイド n−OM;n−オクチルメルカプタン
【0032】
【実施例1】内容積10リットルの還流冷却器付反応器
に、イオン交換水6360ml、ジオクチルスルホコハ
ク酸ナトリウム35.3gを投入し、250rpmの回
転数で攪拌しながら、窒素雰囲気下80℃に昇温し、酸
素の影響が事実上無い状態ににした。ナトリウムホルム
アルデヒドスルホキシレ−ト1.4gを添加して5分後
から、MMA721.7g、BA11.8g、ALMA
0.73g、よびDPBHP0.73gからなる単量体
混合物のうち30重量%を一括添加し、その直後から残
りの70重量%を20分間かけて連続的に添加し、添加
終了後さらに60分間保持して最内層の重合を完結させ
た。
【0033】次に、ナトリウムホルムアルデヒドスルホ
キシレ−ト1.1gを添加して5分後から、BA84
5.5g、St198.3g、ALMA2.1g、PE
GDA8.4gおよびDPBHP1.0gからなる単量
体混合物を120分間かけて連続的に添加し、添加終了
後さらに180分間保持して,軟質層の重合を完結させ
た。
【0034】次に、MMA981g、BA67.6g、
DPBHP1.0gおよびn−OM3.1gからなる単
量体混合物を40分間かけて連続的に添加し、添加終了
後さらに60分間保持した。次いで、95℃に昇温し6
0分間保持して、最外層の重合を完結させた。このよう
にして得られた重合体ラテックスを、少量採取し、吸光
度法により平粒子径を求めたところ0.075μmであ
った。
【0035】残りのラテックスを3重量%硫酸ナトリウ
ム温水溶液中へ投入して、塩析・凝固させ、次いで、脱
水・洗浄を繰り返したのち乾燥し、3層構造アクリル系
重合体(B−1)をパウダ−として得た。この3層構造
アクリル系重合体のグラフト率は、35重量%であっ
た。この3層構造アクリル系重合体(B−1)20重量
部と、MMA/MA=97.5/2.5重量比でクロロ
ホルム中、25℃における還元粘度(ηsp/C)が54
ml/gである硬質熱可塑性アクリル樹脂(A−1)8
0重量部とをヘンシェルミキサ−にて20分間混合した
後、30mmベント付2軸押出機(ナカタニ機械製、A
型)を用いて240℃でペレット化した。得られたペレ
ットをインラインスクリュ−射出成形機(東芝機械製、
IS−75S型)を用いて成形温度250℃、射出圧力
900kgf/cm2 、金型温度50℃の条件で所定の
試験片を作製し、物性測定を行った。
【0036】得られた樹脂組成物は、透明性、ヘーズの
温度依存性に優れ、かつ耐衝撃性も良好であった。結果
を表1に示す。
【0037】
【実施例2】実施例1において、最内層、軟質層、最外
層の比率を表1に記す通りに変えて3層構造アクリル系
重合体(B−2)を得、それ以外は、実施例1と全く同
様にして実施した。結果を表1に示す。
【0038】
【実施例3】内容積250リットルの密閉式耐圧反応器
に、イオン交換水157リットル、ジオクチルスルホコ
ハク酸ナトリウム876gを投入し、250rpmの回
転数で攪拌しながら、窒素雰囲気下80℃に昇温し、酸
素の影響が事実上無い状態ににした。ナトリウムホルム
アルデヒドスルホキシレ−ト34.8gを添加して5分
後から、MMA10820g、BA151g、ALMA
11.0g、およびDPBHP11.0gからなる単量
体混合物のうち30%を一括添加し、その直後から残り
の70%を20分間かけて連続的に添加し、添加終了後
さらに60分間保持して最内層の重合を完結させた。
【0039】次に、ナトリウムホルムアルデヒドスルホ
キシレ−ト27.9gを添加して5分後から、BA20
730g、St4863g、ALMA256g、PEG
DA66.5gおよびDPBHP25.6gからなる単
量体混合物を120分間かけて連続的に添加し、添加終
了後さらに180分間保持して,軟質層の重合を完結さ
せた。
【0040】次に、MMA30940g、BA1975
g、DPBHP32.9gおよびn−OM98.7gか
らなる単量体混合物を40分間かけて連続的に添加し、
添加終了後さらに60分間保持した。次いで、95℃に
昇温し60分間保持して、最外層の重合を完結させた。
このようにして得られた重合体ラテックスを、少量採取
し、吸光度法により平粒子径を求めたところ0.086
μmであった。
【0041】このようにして得られた重合体ラテックス
を、塩析・凝固させ、次いで、脱水・洗浄を繰り返した
のち乾燥し、3層構造アクリル系重合体(B−3)をパ
ウダ−として得た。これを用いて、以下は実施例1と同
様に実施した。結果を表1に示す。
【0042】
【比較例1】内容積10リットルの還流冷却器付反応器
に、イオン交換水5700ml、ジオクチルスルホコハ
ク酸ナトリウム21.0gを投入し、250rpmの回
転数で攪拌しながら、窒素雰囲気下80℃に昇温し、酸
素の影響が事実上無い状態ににした。ナトリウムホルム
アルデヒドスルホキシレ−ト1.2gを添加して5分後
から、MMA220g、BA7g、ALMA0.6g、
およびDPBHP0.23gからなる単量体混合物を添
加し、添加終了後さらに20分間保持して最内層の重合
を完結させた。
【0043】次に、ナトリウムホルムアルデヒドスルホ
キシレ−ト1.1gを添加して5分後から、BA130
0g、St300g、ALMA17g、PEGDA12
gおおよびDPBHP1.6gからなる単量体混合物を
90分間かけて連続的に添加し、添加終了後さらに12
0分間保持して,軟質層の重合を完結させた。次に、M
MA640g、BA40g、DPBHP0.7gおよび
n−OM2.0gからなる単量体混合物を20分間かけ
て連続的に添加し、添加終了後さらに60分間保持し
た。次いで、95℃に昇温し60分間保持して、最外層
の重合を完結させた。
【0044】このようにして得られた重合体ラテックス
を、少量採取し、吸光度法により平粒子径を求めたとこ
ろ0.089μmであった。このようにして得られた重
合体ラテックスを、塩析・凝固させ、次いで、脱水・洗
浄を繰り返したのち乾燥し、3層構造アクリル系重合体
(B−4)をパウダ−として得た。この3層構造アクリ
ル系重合体のグラフト率は26重量%であった。
【0045】これを用いて、以下は実施例1と同様に実
施した。結果を表1に示す。
【0046】
【比較例2〜7】比較例1において、最内層、軟質層、
最外層の比率、および平均粒子径を表1に記す通りに変
えて3層構造アクリル系重合体(B−5〜9)を得、配
合量を変えた他は、比較例1と全く同様にして実施し
た。結果を表1に示す。このように、本発明の範囲を逸
脱した場合には、透明性、ヘーズの温度依存性および耐
衝撃性のバランスのとれたアクリル系樹脂組成物を得る
ことができない。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、アクリル樹脂本来の優
れた透明性や成形加工性を有する上に耐衝撃性、及びヘ
ーズの温度依存性に優れたアクリル系樹脂組成物を提供
することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メチルメタクリレ−ト単位80重量%以
    上、アルキル基の炭素数が1〜8のアルキルアクリレ−
    ト単位20重量%以下からなる硬質熱可塑性アクリル樹
    脂(A)40〜98重量部と、3層構造アクリル系重合
    体(B)2〜60重量部とからなるアクリル系樹脂組成
    物であって、 上記3層構造アクリル系重合体(B)が、 (1)メチルメタクリレ−ト80〜98.99重量%、
    アルキル基の炭素数が1〜8のアルキルアクリレ−ト1
    〜20重量%、および多官能性グラフト剤0.01〜5
    重量%からなる単量体混合物を重合して得られる最内硬
    質層重合体10〜30重量%、 (2)上記最内硬質層重合体存在下に、アルキル基の炭
    素数が4〜8のアルキルアクリレ−ト75〜85重量
    %、芳香族ビニル化合物15〜25重量%、多官能性架
    橋剤0〜5重量%および多官能性グラフト剤0.05〜
    5重量%からなる単量体混合物を重合して得られる軟質
    層重合体35〜50重量%、 (3)上記最内硬質層および軟質層からなる重合体の存
    在下に、メチルメタクリレ−ト80〜99重量%とアル
    キル基の炭素数が1〜8であるアルキルアクリレ−ト1
    〜20重量%とからなる単量体混合物を重合して得られ
    る最外硬層重合体35〜50重量%からなる3層構造を
    有し、 (4)かつ、3層構造重合体の平均粒子径が0.04〜
    0.09μmであり、 (5)さらに、当該3層構造重合体をアセトンにより分
    別した場合のグラフト率が30重量%以上であることを
    特徴とするアクリル系樹脂組成物。
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