JPH117832A - 極低温用絶縁材及びエポキシ系接着剤 - Google Patents

極低温用絶縁材及びエポキシ系接着剤

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JPH117832A
JPH117832A JP4031398A JP4031398A JPH117832A JP H117832 A JPH117832 A JP H117832A JP 4031398 A JP4031398 A JP 4031398A JP 4031398 A JP4031398 A JP 4031398A JP H117832 A JPH117832 A JP H117832A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極低温下でも絶縁性及び接着性に秀れた極低
温用絶縁材及びエポキシ系接着剤を提供するものであ
る。 【解決手段】 ガラスクロスとポリイミド樹脂フィルム
とを数平均分子量10000以上の高分子を5%(重
量)以上混入したエポキシ樹脂組成物を介して付設して
成るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、極低温下でも絶縁
性及び接着性に秀れた極低温用絶縁材及びエポキシ系接
着剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】超電導
コイルの使用時など、極低温において超電導状態を確保
し維持するためには、絶縁材の絶縁破壊電圧などの絶縁
能力も重要であるが、絶縁材と導電体との接着状態が特
に重要となる。
【0003】絶縁材の材料としては、よくガラス繊維と
エポキシ樹脂とからなるガラス繊維強化複合材が使用さ
れるが、このガラス繊維強化複合材を極低温にまで冷却
すると、樹脂部にクラックが発生してガラス繊維強化複
合材が剥離したりする現象が生じてしまう。そして、ガ
ラス繊維強化複合材が剥離すると超電導材が容易に可動
でき、超電導材が振動して発熱し、この振動に伴う温度
上昇によって超電導状態が壊れてしまう現象(いわゆる
クエンチ現象。)が起きてしまうという問題がある。
【0004】一方、高性能の絶縁材として、ガラス繊維
強化複合材などの一般的な絶縁材と比較して約10倍以
上の絶縁破壊電圧を示す、信頼性の高いポリイミド樹脂
フィルムが使用されている。しかし、このポリイミド樹
脂フィルムは接着性が悪いという欠点を有している。
【0005】従って、ポリイミド樹脂フィルムと例えば
導電材とを接合する場合、或いはポリイミド樹脂フィル
ムをガラスクロスを介して接合する場合においては、エ
ポキシ樹脂などの比較的接着力の高い樹脂を接着剤とし
て使用することで接着性の悪さを補っている。
【0006】しかし、上記構成によっても、極低温域に
おいては各構成材料間での各々の熱収縮率の違いから歪
みが生じ、接着力が不十分となる(尚、常温域において
は良好に接着される。)。
【0007】本発明は、上記問題点を解決するもので、
極低温条件においてもポリイミド樹脂フィルムの高い絶
縁性を有効に発揮させることができる極低温用絶縁材及
びエポキシ系接着剤を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】無機基材とポリイミド樹
脂フィルムとを数平均分子量10000以上の高分子を
5%(重量)以上混入したエポキシ樹脂組成物を介して
付設して成ることを特徴とする極低温用絶縁材に係るも
のである。
【0009】また、無機基材に数平均分子量10000
以上の高分子を5%(重量)以上混入したエポキシ樹脂
組成物を含浸させて成る無機基材プリプレグに、ポリイ
ミド樹脂フィルムを貼り合わせて成ることを特徴とする
極低温用絶縁材に係るものである。
【0010】また、ガラス基材とポリイミド樹脂フィル
ムとを数平均分子量10000以上の高分子を5%(重
量)以上混入したエポキシ樹脂組成物を介して付設して
成ることを特徴とする極低温用絶縁材に係るものであ
る。
【0011】また、ガラス基材に数平均分子量1000
0以上の高分子を5%(重量)以上混入したエポキシ樹
脂組成物を含浸させて成るガラス基材プリプレグに、ポ
リイミド樹脂フィルムを貼り合わせて成ることを特徴と
する極低温用絶縁材に係るものである。
【0012】また、ガラスクロスとポリイミド樹脂フィ
ルムとを数平均分子量10000以上の高分子を5%
(重量)以上混入したエポキシ樹脂組成物を介して付設
して成ることを特徴とする極低温用絶縁材に係るもので
ある。
【0013】また、ガラスクロスに数平均分子量100
00以上の高分子を5%(重量)以上混入したエポキシ
樹脂組成物を含浸させて成るガラスクロスプリプレグ
に、ポリイミド樹脂フィルムを貼り合わせて成ることを
特徴とする極低温用絶縁材に係るものである。
【0014】また、ガラスクロスと伸度80〜160%
のポリイミド樹脂フィルムとを数平均分子量10000
以上の高分子を5%(重量)以上混入したエポキシ樹脂
組成物を介して付設して成ることを特徴とする極低温用
絶縁材に係るものである。
【0015】また、ガラスクロスに数平均分子量100
00以上の高分子を5%(重量)以上混入したエポキシ
樹脂組成物を含浸させて成るガラスクロスプリプレグ
に、伸度80〜160%のポリイミド樹脂フィルムを貼
り合わせて成ることを特徴とする極低温用絶縁材に係る
ものである。
【0016】また、ガラスクロスと下記の構造を有する
ポリイミド樹脂フィルムとを数平均分子量10000以
上の高分子を5%(重量)以上混入したエポキシ樹脂組
成物を介して付設したことを特徴とする極低温用絶縁材
に係るものである。
【化1】 また、ガラスクロスに数平均分子量10000以上の高
分子を5%(重量)以上混入したエポキシ樹脂組成物を
含浸させて成るガラスクロスプリプレグに、下記の構造
を有するポリイミド樹脂フィルムを貼り合わせて成るこ
とを特徴とする極低温用絶縁材に係るものである。
【化1】 また、請求項1〜10いずれか1項に記載の極低温用絶
縁材において、数平均分子量10000以上の高分子と
してポリビニルホルマール樹脂を使用したことを特徴と
する極低温用絶縁材に係るものである。
【0017】また、請求項1〜10いずれか1項に記載
の極低温用絶縁材において、数平均分子量10000以
上の高分子としてフェノキシ樹脂を使用したことを特徴
とする極低温用絶縁材に係るものである。
【0018】また、請求項1〜10いずれか1項に記載
の極低温用絶縁材において、数平均分子量10000以
上の高分子としてカルボキシル化NBRゴムを使用した
ことを特徴とする極低温用絶縁材に係るものである。
【0019】また、請求項1〜13いずれか1項に記載
の極低温用絶縁材において、エポキシ樹脂組成物を絶縁
材に対して30〜60%(重量)となるように混合せし
めて成ることを特徴とする極低温用絶縁材に係るもので
ある。
【0020】また、エポキシ系樹脂に数平均分子量10
000以上の高分子を5%(重量)以上混入して成り、
極低温条件において強固な接着力を有することを特徴と
するエポキシ系接着剤に係るものである。
【0021】また、エポキシ系樹脂にポリビニルホルマ
ール樹脂若しくはフェノキシ樹脂若しくはカルボキシル
化NBRゴムを5%(重量)以上混入して成り、極低温
条件において強固な接着力を有することを特徴とするエ
ポキシ系接着剤に係るものである。
【0022】
【発明の作用及び効果】本発明は、繰り返した実験によ
り得た効果を請求項としてまとめたものである。
【0023】ガラスクロスとポリイミド樹脂フィルムと
を数平均分子量10000以上の高分子を5%以上添加
したエポキシ樹脂組成物を介して付設した極低温用絶縁
材は、例えば、超電導コイルの絶縁材として使用される
場合など、極低温条件下においても秀れた接着力及び絶
縁力を発揮し、極低温用絶縁材の剥離やクラックが発生
しない。
【0024】本発明は、上述のように構成したから、極
低温条件においても接着力が十分あり、ポリイミド樹脂
フィルムの高い絶縁性を有効に発揮させることができる
実用性に秀れた極低温用絶縁材及びエポキシ系接着剤と
なる。
【0025】
【発明の実施の形態】図面は本発明の具体的な実施の一
例を図示したものである。
【0026】図1,2は、超電導材1を巻回してなる超
電導コイル2と該超電導コイル2を冷却する冷却部3の
内壁5とに極低温用絶縁材4a・4bを配設したもので
ある。
【0027】また、冷却部3には、該冷却部3を冷却す
る液体ヘリウムなどの冷媒を通過せしめる冷却管6を設
けている。
【0028】極低温用絶縁材4a・4bの配設方法につ
いて詳述する。
【0029】超電導材1に配設する極低温用絶縁材4a
として、まず、PBHを添加したエポキシ樹脂(即ち、
エポキシ樹脂組成物。)をガラスクロスに含浸させてガ
ラスクロスプリプレグを形成し、このガラスクロスプリ
プレグにポリイミド樹脂フィルムを貼り合わせ、プリプ
レグ状の極低温用絶縁材を形成する。
【0030】続いて、プリプレグ状の極低温用絶縁材を
超電導材1にらせん状に巻回し、超電導材1にプリプレ
グ状の絶縁層を形成する。
【0031】一方、冷却部3の内壁5に配設する極低温
用絶縁材4bとして、まず、PBHを添加したエポキシ
樹脂(即ち、エポキシ樹脂組成物。)をガラスクロスに
含浸させてガラスクロスプリプレグを形成し、このガラ
スクロスプリプレグにポリイミド樹脂フィルムを貼り合
わせ、更にポリイミド樹脂フィルム上にガラスクロスプ
リプレグを貼り合わせてプリプレグ状の極低温用絶縁材
を形成する。
【0032】続いて、プリプレグ状の極低温用絶縁材を
冷却部3の内壁5に壁紙のように配設し、冷却部3の内
壁5にプリプレグ状の絶縁層を形成する。
【0033】このように配設したプリプレグ状の絶縁層
を加熱硬化して、超電導材1と冷却部3との間隙に極低
温用絶縁材4a・4bを一体状に配設する。
【0034】本実施例は上述のように構成したから、超
電導材1と冷却部3との間隙に配設された極低温用絶縁
材4a・4bに剥離やクラックが生じず、超電導コイル
にクエンチ現象が発生しない実用性に秀れた極低温用絶
縁材となる。
【0035】
【実施例】以下、本発明の作用効果を裏づける実験例を
説明する。
【0036】ポリイミド樹脂フィルムは、常温における
引張伸度80〜160%のポリイミド樹脂フィルムとし
て、宇部興産(株)製のUPILEX R(下記化1参
照。常温における平均引張伸度130%。以下、UPI
LEX Rという。)を使用し、比較用として常温にお
ける平均引張伸度30%の宇部興産(株)製のUPIL
EX S(下記化2参照。以下、UPILEX Sとい
う。)及び常温における平均引張伸度70%のデュポン
(株)製のKAPTON H(下記化3参照。以下、K
APTON Hという。)を使用する。
【化1】
【化2】
【化3】 また、数平均分子量10000以上の高分子は、ポリビ
ニルホルマール樹脂としてチッソ(株)製のビニレック
E(下記化4参照。ポリビニルホルマール樹脂で数平均
分子量約100万。以下、PBHという。)、フェノキ
シ樹脂として東都化成(株)製のYP−50(下記化5
参照。数平均分子量58600。以下、フェノキシ樹脂
という。)、及びカルボキシル化NBRゴムとして日本
ゼオン(株)製のニッポール1072(下記化6参照。
カルボキシル変成アクリロニトリル/ブタジエン共重合
体で数平均分子量約30万。以下、NBRゴムとい
う。)を使用する。
【化4】
【化5】 尚、nは繰り返しを示し、一般的にn=100以上、平
均200程度。
【化6】 上記の化学式において、記号n,X,Y,Z,x,y,
zは、各々自然数を表している。nを除く記載した記号
は、各四角の括弧でくくられた構造式の混在比率を示し
ている。
【0037】化学式4の記号X,Y,Zの混在比率は、
一般に次の通りである。
【0038】X=78%以上 Y=4.5〜8.5% Z=9〜13% 化学式6の記号x,y,zの混在比率は、一般に次の通
りである。
【0039】x=1〜40%以上 y=52〜98% z=1〜8%である。
【0040】また、接着力の測定条件はJIS K 6
850に準ずる。尚、被着体はSUS304とし、この
被着体と介する絶縁材料との剪断破壊力を接着力とす
る。但し、温度条件は液体窒素温度(約77K以下)で
ある。また、耐電圧の測定条件はJIS K 6911
に準ずる。
【0041】<実験例1>エポキシ樹脂組成物の樹脂含
有率と接着力との関係を調べるため、高分子を添加した
エポキシ樹脂(即ち、エポキシ樹脂組成物。)を、樹脂
含有率を変えてガラスクロスに含浸させガラスクロスプ
リプレグを形成し、このガラスクロスプリプレグの接着
力及び耐電圧を測定した。尚、ガラスクロスプリプレグ
の厚さは50μmで、使用した高分子はPBHである。
【表1】 このように、樹脂含有率20〜60%(重量)のガラス
クロスプリプレグにおいて接着力30MPa以上とな
り、良好な接着力が発揮された。尚、耐電圧について
は、ポリイミド樹脂フィルムを入れた構成に比して低い
値となる。
【0042】<実験例2>エポキシ樹脂組成物における
高分子の添加割合と接着力との関係を調べるため、高分
子を添加したエポキシ樹脂(即ち、エポキシ樹脂組成
物。)を、高分子添加率を変えてガラスクロスに含浸さ
せガラスクロスプリプレグを形成し、このガラスクロス
プリプレグの接着力及び耐電圧を測定した。尚、ガラス
クロスプリプレグの厚さは50μmで、使用した高分子
はPBHである。
【表2】 このように、高分子添加率が5〜35%(重量)のエポ
キシ樹脂組成物において接着力30MPa以上となり、
良好な接着力が発揮された。尚、高分子添加率が40%
(重量)となると、高分子をガラスクロスに含浸させる
ことができずガラスクロスプリプレグを形成することが
できない。
【0043】<実験例3>ガラスクロスとポリイミド樹
脂フィルムとをフィルムーガラスクロス貼り合わせ構造
とした絶縁材の樹脂含有率と接着力との関係を調べるた
め、高分子を添加したエポキシ樹脂(即ち、エポキシ樹
脂組成物。)を、樹脂含有率を変えてガラスクロスに含
浸させてガラスクロスプリプレグを形成し、このガラス
クロスプリプレグにUPILEX Rを貼り合わせて絶
縁材を形成し、この絶縁材の接着力及び耐電圧を測定し
た。尚、ガラスクロスの厚さは30μm,ポリイミド樹
脂フィルムの厚さは25μmで、使用した高分子はPB
Hである。
【表3】 このように、樹脂含有率20〜60%(重量)のガラス
クロスプリプレグにおいて接着力30MPa以上とな
り、良好な接着力が発揮された。また、耐電圧において
も実験例1と比較して約4倍の値となり良好な耐電圧と
なった。
【0044】<実験例4>ガラスクロスとポリイミド樹
脂フィルムとをフィルムーガラスクロス貼り合わせ構造
とした絶縁材の高分子添加率と接着力との関係を調べる
ため、高分子を添加したエポキシ樹脂(即ち、エポキシ
樹脂組成物。)を、高分子添加率を変えてガラスクロス
に含浸させてガラスクロスプリプレグを形成し、このガ
ラスクロスプリプレグにUPILEX Rを貼り合わせ
て絶縁材を形成し、この絶縁材の接着力及び耐電圧を測
定した。尚、ガラスクロスの厚さは30μm,ポリイミ
ド樹脂フィルムの厚さは25μmで、使用した高分子は
PBHである。
【表4】 このように、高分子添加率が10〜35%(重量)のエ
ポキシ樹脂組成物において接着力30MPa以上とな
り、良好な接着力が発揮された。また、耐電圧において
も実施例1と比較して約4倍の値となり良好な耐電圧と
なった。尚、高分子添加率が40%(重量)となると、
実験例2と同様にプリプレグを形成することができな
い。
【0045】<実験例5>実験例4において使用する高
分子による接着力及び耐電圧の変化を調べるため、高分
子としてPBHの変わりにフェノキシ樹脂及びNBRゴ
ムを添加した絶縁材の接着力及び耐電圧を測定した。
尚、使用した高分子以外の条件は実験例4と同様であ
る。
【表5】 このように、フェノキシ樹脂を添加した絶縁材はPBH
と同様の接着力及び耐電圧を示したが、NBRゴムを添
加した絶縁材の接着力は高分子添加率30%(重量)に
おいて30MPa以下となり不十分であった。従って、
NBRゴムではPBHやフェノキシ樹脂程の接着力は得
られないことが判明した。
【0046】これは、極低温下においては接着剤の伸縮
性が著しく低下し、接着体と接着剤との収縮差などの応
力を緩和することができず、接着剤或いは接着界面にク
ラック,剥離等が生じる原因となること、及び、PBH
やフェノキシ樹脂の分子構造はNBRゴムの分子構造と
比較して伸縮し易い構造であることから、極低温下にお
いてPBHやフェノキシ樹脂はNBRゴムよりも伸縮性
が高く、エポキシ樹脂の伸縮性の低下をより一層補い易
いのではないかとの推測される。
【0047】<実験例6>ポリイミド樹脂フィルム及び
ガラスクロスの厚さによる絶縁材の接着力及び耐電圧の
変化を調べるため、樹脂含有率及び高分子添加率を一定
に設定し、ポリイミド樹脂フィルムの厚さ及びガラスク
ロスプリプレグの厚さを変えたフィルムーガラスクロス
貼り合わせ構造の絶縁材の接着力及び耐電圧を測定し
た。尚、使用した高分子はPBHで高分子添加率は30
%(重量)であり、また、エポキシ樹脂の樹脂含有率は
40%(重量)である。
【表6】 このように、ポリイミド樹脂フィルム及びガラスクロス
の厚さが変化しても、絶縁材の接着力に殆ど影響が無い
ことが確認された。
【0048】尚、ガラスクロスの厚さが厚くなると耐電
圧が低下するのは、ガラスクロス積層板がポリイミド樹
脂フィルムより耐電圧が低いため、同一厚とすると絶縁
材全体としての耐電圧が低下してしまうためである。従
って、薄いガラスクロスにポリイミド樹脂フィルムを貼
着すると、薄くとも耐電圧が高い絶縁材となる。
【0049】<実験例7>ポリイミド樹脂の伸度による
絶縁材の接着力及び耐電圧の変化を調べるため、ポリイ
ミド樹脂フィルムとしてUPILEX S及びKAPT
ON Hを使用したフィルムーガラスクロス貼り合わせ
構造の絶縁材の接着力及び耐電圧を測定した。尚、ガラ
スクロスの厚さは30μmである。
【表7】 このように、伸度の低いポリイミド樹脂フィルムを使用
した絶縁材は伸度の高いポリイミド樹脂フィルムを使用
した絶縁材と比較して接着力が低下した。尚、伸度のよ
り低いUPIREX Sにおいては、どのような樹脂含
有率や高分子添加率に設定しても接着力が30MPa以
下となり不十分であった。
【0050】これは、実験例5と同様に、UPILEX
RがUPILEX SやKAPTON Hよりも伸度
が高く、極低温条件下でエポキシ樹脂はその伸縮性が低
下してもUPILEX R自体で応力の一部を緩和する
ことができるためではないかと推測される。
【0051】<実験例8>2枚のガラスクロスプリプレ
グとポリイミド樹脂フィルムとをガラスクロスーフィル
ムーガラスクロス貼り合わせ構造とした絶縁材の樹脂含
有率と接着力との関係を調べるため、高分子を添加した
エポキシ樹脂(即ち、エポキシ樹脂組成物。)を、樹脂
含有率を変えてガラスクロスに含浸させてガラスクロス
プリプレグを形成し、このガラスクロスプリプレグにポ
リイミド樹脂フィルムを貼り合わせ、更にポリイミド樹
脂フィルム上にガラスクロスプリプレグを貼り合わせた
絶縁材の接着力及び耐電圧を測定した。尚、ガラスクロ
スの厚さは50μm×2=100μm,ポリイミド樹脂
フィルムの厚さは25μmで、使用した高分子はPBH
である。
【表8】 このように、樹脂含有率30〜60%(重量)の絶縁材
において接着力30MPa以上となり、良好な接着力が
発揮された。また、耐電圧においても実験例1と比較し
て約3倍の値となり良好な耐電圧となった。
【0052】<実験例9>2枚のガラスクロスプリプレ
グとポリイミド樹脂フィルムとをガラスクロスーフィル
ムーガラスクロス貼り合わせ構造とした絶縁材の高分子
添加率と接着力との関係を調べるため、高分子を添加し
たエポキシ樹脂(即ち、エポキシ樹脂組成物。)を、高
分子添加率を変えてガラスクロスに含浸させてガラスク
ロスプリプレグを形成し、このガラスクロスプリプレグ
にポリイミド樹脂フィルムを貼り合わせ、更にポリイミ
ド樹脂フィルム上にガラスクロスプリプレグを貼り合わ
せた絶縁材の接着力及び耐電圧を測定した。尚、ガラス
クロスプリプレグの厚さは50μm×2=100μm,
ポリイミド樹脂フィルムの厚さは25μmで、使用した
高分子はPBHである。
【表9】 このように、高分子添加率が10〜30%(重量)のエ
ポキシ樹脂組成物を使用した絶縁材において接着力30
MPa以上となり、良好な接着力が発揮された。また、
耐電圧においても実験例1と比較して約3倍の値となり
良好な耐電圧となった。尚、高分子添加率が40%(重
量)となると、実験例2,4と同様にプリプレグを形成
することができない。
【0053】<実験例10>実験例9において使用する
高分子による接着力及び耐電圧の変化を調べるため、高
分子としてPBHの変わりにフェノキシ樹脂及びNBR
ゴムを添加した絶縁材の接着力及び耐電圧を測定した。
尚、使用した高分子以外の条件は実験例9と同様であ
る。
【表10】 このように、フェノキシ樹脂を添加した絶縁材はPBH
と同様の接着力及び耐電圧を示したが、NBRゴムを添
加した絶縁材の接着力はPBH及びフェノキシ樹脂と比
較して実用性において問題ないが若干低下した。
【0054】これは、実験例5と同様に、極低温下にお
いては接着剤の伸縮性が著しく低下し、接着体と接着剤
との収縮差によるズレなどの応力を緩和することができ
ず、接着剤或いは接着界面にクラック,剥離等が生じる
原因となること、及び、PBHやフェノキシ樹脂の分子
構造はNBRゴムの分子構造と比較して伸縮し易い構造
であることから、極低温下においてPBHやフェノキシ
樹脂はNBRゴムよりも伸縮性が高く、エポキシ樹脂の
伸縮性の低下をより一層補い易いのではないかとの推測
される。
【0055】<実験例11>2枚のガラスクロスプリプ
レグとポリイミド樹脂フィルムとをガラスクロスーフィ
ルムーガラスクロス貼り合わせ構造とした絶縁材のポリ
イミド樹脂フィルム及びガラスクロスの厚さによる絶縁
材の接着力及び耐電圧の変化を調べるため、樹脂含有率
及び高分子添加率を一定に設定し、ポリイミド樹脂フィ
ルム及びガラスクロスの厚さを変えた絶縁材の接着力及
び耐電圧を測定した。尚、ガラスクロスの厚さは2枚分
の厚さであり、また、使用した高分子はPBHで高分子
添加率は30%(重量)であり、また、エポキシ樹脂の
樹脂含有率は40%(重量)である。
【表11】 このように、ポリイミド樹脂フィルム及びガラスクロス
の厚さが変化しても、絶縁材の接着力に殆ど影響が無い
ことが確認された。尚、実験例6と同様にガラスクロス
の厚さが厚くなると耐電圧が低下する。
【0056】<実験例12>2枚のガラスクロスプリプ
レグとポリイミド樹脂フィルムとをガラスクロスーフィ
ルムーガラスクロス貼り合わせ構造とした絶縁材のポリ
イミド樹脂フィルムの伸度による絶縁材の接着力及び耐
電圧の変化を調べるため、ポリイミド樹脂フィルムとし
てUPILEX S及びKAPTON Hを使用した絶
縁材の接着力及び耐電圧を測定した。尚、ガラスクロス
の厚さは50μm×2=100μmである。
【表12】 このように、伸度の低いUPILEX SやKAPTO
N Hを使用した絶縁材は、伸度の高いUPILEX
Rを使用した絶縁材と比較して接着力が低下した。尚、
伸度のより低いUPILEX Sにおいては、どのよう
な樹脂含有率や高分子添加率に設定しても接着力が30
MPa以下となり不十分であった。
【0057】<実験例13>導電材との接着性が悪いポ
リイミド樹脂フィルムに高分子を添加したエポキシ樹脂
組成物を含浸させてプリプレグとし接着力及び耐電圧を
測定した。尚、ポリイミド樹脂フィルムとしてUPIL
EX Rを使用し、ポリイミド樹脂フィルムの厚さを5
0μmに設定した。
【表13】 このように、高分子添加率30%(重量)で、且つ樹脂
含有率5〜30%(重量)においてポリイミド樹脂フィ
ルムプリプレグの接着力30MPa以上となり、良好な
接着力が発揮された。尚、耐電圧はガラスクロスの約1
0倍となった。
【0058】以上の実験例の結果は、ポリイミド樹脂フ
ィルムとして伸度の高いUPILEX Rを使用し、接
着剤として元々接着力の強いエポキシ樹脂を使用し、更
にエポキシ樹脂に分子量が大きくて伸縮性の高い高分子
を含有せしめると極低温条件においても良好な接着力を
有する極低温用絶縁材となることを示唆している。
【0059】以上の実験例の結果をまとめると、 数平均分子量10000以上の高分子を5%(重
量)以上混入したエポキシ樹脂組成物を介してガラスク
ロスとポリイミド樹脂フィルム付設して成る極低温用絶
縁材は、極低温条件においても良好な接着力及び絶縁力
を有する。
【0060】 ポリイミド樹脂フィルムとして常温に
おける引張伸度80〜160%のポリイミド樹脂フィル
ムを使用するとより一層接着力が高まる。
【0061】 高分子として極低温において伸縮性の
高い高分子(ポリビニルホルマール樹脂やフェノキシ樹
脂)を使用するとより一層接着力が高まる。但し、若干
伸縮性の劣るカルボキシル化NBRゴムを使用しても実
用性において問題はない。
【0062】 エポキシ樹脂組成物を絶縁材に対して
30〜60%(重量)となるように混合するとより一層
接着力が高まる。
【0063】 上記のような条件を満たすエポキシ樹
脂組成物は、接着力の低いポリイミド樹脂フィルムにも
高い接着力を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の説明斜視図である。
【図2】本実施例の説明断面図である。
【符号の説明】
なし
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09J 163/00 C09J 163/00 H01B 3/40 H01B 3/40 E 13/00 561 13/00 561Z 17/60 17/60 C //(C09J 163/00 113:00)

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機基材とポリイミド樹脂フィルムとを
    数平均分子量10000以上の高分子を5%(重量)以
    上混入したエポキシ樹脂組成物を介して付設して成るこ
    とを特徴とする極低温用絶縁材。
  2. 【請求項2】 無機基材に数平均分子量10000以上
    の高分子を5%(重量)以上混入したエポキシ樹脂組成
    物を含浸させて成る無機基材プリプレグに、ポリイミド
    樹脂フィルムを貼り合わせて成ることを特徴とする極低
    温用絶縁材。
  3. 【請求項3】 ガラス基材とポリイミド樹脂フィルムと
    を数平均分子量10000以上の高分子を5%(重量)
    以上混入したエポキシ樹脂組成物を介して付設して成る
    ことを特徴とする極低温用絶縁材。
  4. 【請求項4】 ガラス基材に数平均分子量10000以
    上の高分子を5%(重量)以上混入したエポキシ樹脂組
    成物を含浸させて成るガラス基材プリプレグに、ポリイ
    ミド樹脂フィルムを貼り合わせて成ることを特徴とする
    極低温用絶縁材。
  5. 【請求項5】 ガラスクロスとポリイミド樹脂フィルム
    とを数平均分子量10000以上の高分子を5%(重
    量)以上混入したエポキシ樹脂組成物を介して付設して
    成ることを特徴とする極低温用絶縁材。
  6. 【請求項6】 ガラスクロスに数平均分子量10000
    以上の高分子を5%(重量)以上混入したエポキシ樹脂
    組成物を含浸させて成るガラスクロスプリプレグに、ポ
    リイミド樹脂フィルムを貼り合わせて成ることを特徴と
    する極低温用絶縁材。
  7. 【請求項7】 ガラスクロスと常温における引張伸度8
    0〜160%のポリイミド樹脂フィルムとを数平均分子
    量10000以上の高分子を5%(重量)以上混入した
    エポキシ樹脂組成物を介して付設して成ることを特徴と
    する極低温用絶縁材。
  8. 【請求項8】 ガラスクロスに数平均分子量10000
    以上の高分子を5%(重量)以上混入したエポキシ樹脂
    組成物を含浸させて成るガラスクロスプリプレグに、常
    温における引張伸度80〜160%のポリイミド樹脂フ
    ィルムを貼り合わせて成ることを特徴とする極低温用絶
    縁材。
  9. 【請求項9】 ガラスクロスと下記の構造を有するポリ
    イミド樹脂フィルムとを数平均分子量10000以上の
    高分子を5%(重量)以上混入したエポキシ樹脂組成物
    を介して付設したことを特徴とする極低温用絶縁材。 【化1】
  10. 【請求項10】 ガラスクロスに数平均分子量1000
    0以上の高分子を5%(重量)以上混入したエポキシ樹
    脂組成物を含浸させて成るガラスクロスプリプレグに、
    下記の構造を有するポリイミド樹脂フィルムを貼り合わ
    せて成ることを特徴とする極低温用絶縁材。 【化1】
  11. 【請求項11】 請求項1〜10いずれか1項に記載の
    極低温用絶縁材において、数平均分子量10000以上
    の高分子としてポリビニルホルマール樹脂を使用したこ
    とを特徴とする極低温用絶縁材。
  12. 【請求項12】 請求項1〜10いずれか1項に記載の
    極低温用絶縁材において、数平均分子量10000以上
    の高分子としてフェノキシ樹脂を使用したことを特徴と
    する極低温用絶縁材。
  13. 【請求項13】 請求項1〜10いずれか1項に記載の
    極低温用絶縁材において、数平均分子量10000以上
    の高分子としてカルボキシル化NBRゴムを使用したこ
    とを特徴とする極低温用絶縁材。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13いずれか1項に記載の
    極低温用絶縁材において、エポキシ樹脂組成物を絶縁材
    に対して30〜60%(重量)となるように混合せしめ
    て成ることを特徴とする極低温用絶縁材。
  15. 【請求項15】 エポキシ系樹脂に数平均分子量100
    00以上の高分子を5%(重量)以上混入して成り、極
    低温条件において強固な接着力を有することを特徴とす
    るエポキシ系接着剤。
  16. 【請求項16】 エポキシ系樹脂にポリビニルホルマー
    ル樹脂若しくはフェノキシ樹脂若しくはカルボキシル化
    NBRゴムを5%(重量)以上混入して成り、極低温条
    件において強固な接着力を有することを特徴とするエポ
    キシ系接着剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007238707A (ja) * 2006-03-07 2007-09-20 Fujikura Ltd エポキシ系接着剤、カバーレイ、プリプレグ、金属張積層板、プリント配線基板
KR20110095609A (ko) * 2010-02-19 2011-08-25 에스케이케미칼주식회사 필름접착제용 에폭시 수지 조성물
KR101082926B1 (ko) 2009-06-26 2011-11-11 황석성 극저온 바인더, 및 이를 이용한 흡착 패널을 포함하는 극저온 펌프

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