JPH1179455A - 媒体搬送装置とその製造方法 - Google Patents

媒体搬送装置とその製造方法

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JPH1179455A
JPH1179455A JP26266497A JP26266497A JPH1179455A JP H1179455 A JPH1179455 A JP H1179455A JP 26266497 A JP26266497 A JP 26266497A JP 26266497 A JP26266497 A JP 26266497A JP H1179455 A JPH1179455 A JP H1179455A
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JP
Japan
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medium
transport
strip
stator
moisture
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Application number
JP26266497A
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English (en)
Inventor
Hideyuki Kobayashi
秀幸 小林
Masayasu Sato
正康 佐藤
Shinji Hayakawa
慎司 早川
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 固定子1は、その表面に、シリコン系樹
脂をコーティングして形成された、防湿層14を備え
る。 【効果】 環境特性、特に耐湿特性が大きく改善され
た。従って、梅雨時等、湿度の高い環境でも、媒体搬送
力低下が、無視できるようになった。更に、防湿層14
の形成には、特殊な技術を必要としないので、媒体搬送
装置の耐湿特性改善に要する、コストアップを最低限に
抑えることができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリン
タ、ファクシミリ、現金自動入出金装置等において、用
紙その他の媒体を装置各部に搬送するために用いられる
媒体搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複写機、プリンタ、ファクシミ
リ、現金自動入出金装置等に用いられる媒体搬送装置と
しては、ゴムローラを用いた回転型電磁モータ駆動の媒
体搬送装置が一般的であった。ところが、この装置は、
回転型電磁モータ自体の消費電力が大きいことや、発熱
量も大きいことが、問題であった。更に、回転型電磁モ
ータや多数のゴムローラを装置内部に配置するため、装
置が大型になり小形化するにも限界があった。
【0003】そこで、これらの問題を改善するために、
近年静電アクチュエータを用いた媒体搬送装置の技術開
発が進行中である。この技術は、例えば『特開平2−2
85978号公報』により紹介されている。この装置
は、絶縁層内部に帯状電極を有する固定子と、同じく絶
縁層内部に帯状電極を有する移動子から構成される。固
定子と移動子双方の帯状電極に直流電圧を印加して双方
の帯状電極間に発生する静電気力を用いて移動子を移動
させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な静電アクチュエータを用いた媒体搬送装置には、以下
に記すような解決すべき課題が残されていた。この装置
の搬送力は、誘電分極によって絶縁体表面に発生する正
負の静電荷の電荷量に、比例する。その電荷量は、固定
子の基材及び帯状電極周辺の絶縁層を形成する、絶縁材
料の絶縁抵抗値に大きく依存する。一方、この絶縁材料
の絶縁抵抗値は、環境特性、特に耐湿特性に大きく依存
する。従って、梅雨時等、湿度の高い環境では、媒体搬
送力が著しく低下する、という解決すべき課題が残され
ていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上の点を解
決するために、次の構成を採用する。〈構成1〉搬送路
を搬送される搬送対象物に、所定の静電気力を加えて、
所定の方向へ搬送する固定子を備え、この固定子には、
基材上に形成した複数の帯状電極と、この基材上で帯状
電極を覆う絶縁層と、上記基材と絶縁層全体を覆う防湿
層を設けたことを特徴とする媒体搬送装置。
【0006】〈構成2〉搬送路を搬送される搬送対象物
に、所定の静電気力を加えて、所定の方向へ搬送する固
定子を製造する場合において、基材上に複数の帯状電極
を形成し、この基材上で帯状電極を覆うように絶縁層を
形成し、乾燥処理をした後、低湿度雰囲気下40℃以上
に加熱した状態で、溶剤に対するシリコン系樹脂の割合
を、70重量%以上90重量%以下で希釈し、真空脱泡
したものに浸漬して、防湿層を形成することを特徴とす
る媒体搬送装置の製造方法。
【0007】〈構成3〉搬送路を搬送される搬送対象物
に、所定の静電気力を加えて、所定の方向へ搬送する固
定子を備え、この固定子には、基材上に形成した複数の
帯状電極と、この基材上の帯状電極と上記基材全体を覆
う防湿層を設けたことを特徴とする媒体搬送装置。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
について詳細に説明する。図1は、具体例1の構成図で
ある。本発明による媒体搬送装置の説明をする前に発明
の理解を容易にするために媒体搬送装置の主要部であ
る、静電アクチュエータについて図を用いて説明する。
【0009】(静電アクチュエータの構成)図2は、静
電アクチュエータの斜視図である。静電アクチュエータ
は、固定子1と搬送媒体2を備える。固定子1は、基材
11と、帯状電極12と、絶縁層13とから構成されて
いる。基材11は、絶縁体であり、ガラス、エポキシ系
樹脂、フッ素系樹脂、繊維混入樹脂、ポリイミド系樹
脂、等を用いることができる。
【0010】帯状電極12は、金、銀、銅等、導電性材
料であれば良い。基材11の上に無電界メッキ、箔張り
付け等した後、エッチング等によって形成される。電極
ピッチ及び電極幅は、この静電アクチュエータの目的、
用途に応じて設計される。更に複数の帯状電極12は、
3相に相別接続されている。以後3相のそれぞれをA
相、B相、C相と名付け、A相に接続された電極を12
A、B相に接続された電極を12B、C相に接続された
電極を12Cと記す。
【0011】絶縁層13は、帯状電極12間相互の絶縁
を目的として電極表面、側面に塗布される。絶縁性の樹
脂、例えばフッ素系樹脂をコーティングしたり、ポリイ
ミドフィルムを接着したり等して形成される。厚さは任
意であるが、厚くし過ぎると搬送力が弱まり、逆に薄す
ぎると気中放電しやすくなるので、目的、用途に合わせ
た適切な設計が必要である。搬送媒体2は、用紙や紙幣
等の紙葉類や、キャッシュカードやプリペイドカード等
のカード類その他、本発明による媒体搬送装置によって
搬送されるすべての媒体を意味する。次に静電アクチュ
エータの動作について説明する。
【0012】(静電アクチュエータの動作)図3、図4
は、静電アクチュエータの動作説明図である。動作の理
解を容易にするために、一枚の搬送媒体2を細分化し
て、それぞれ2A1〜2B3と記す。また、複数の帯状
電極12を、3相に相別接続して、A相に接続された電
極を12A1〜12A4、B相に接続された電極を12
B1〜12B4、C相に接続された電極を12C1〜1
2C4と記す。更に静電気力を実線(吸引力)及び点線
(反発力)で表す。静電気力が搬送媒体2の搬送方向
(図上左から右方向)に働く時は、実線又は点線の上に
○印を付し、搬送方向と反対方向に働く時は、×印を付
す。
【0013】(a)は、初期分極の動作を示す。初期分
極とは、静電アクチュエータの動作の初期に、搬送媒体
2の表面に静電荷を発生させる動作である。A相に負電
圧、B相に正電圧、C相に正電圧を印加する。以後負電
圧をN、正電圧をP、0電圧をGで表し、(a)の状態
を(N、P、P)と記す。帯状電極12A1〜12C4
に、直流電圧(N、P、P)を印加すると、この直流電
圧によって、搬送媒体2の内部に誘電分極が生じ、媒体
表面に、対向する帯状電極12A1〜12Cと反対の静
電荷が発生する。搬送媒体2は絶縁体なので、この発生
した静電荷は、細分化した媒体2A1〜2B3にその極
性を維持したまま帯電する。
【0014】この状態で、細分化した媒体2A1〜2B
3に帯電した静電荷と、帯状電極12A1〜12C4上
に蓄積された静電荷との間に、静電気力は、以下のよう
に働く。細分化した媒体2A1〜2B3と各々対向する
帯状電極12A1〜12B3との間に強い吸引力が、搬
送媒体2を固定子1に吸着する方向に働く。同時に、細
分化した媒体2A1と帯状電極12B1の間、細分化し
た媒体2C1と帯状電極12B1及び12A2との間、
細分化した媒体2A2と帯状電極12B2の間、細分化
した媒体2C2と帯状電極12B2及び12A3との
間、細分化した媒体2A3と帯状電極12B3の間に、
搬送媒体2に対して、搬送方向と反対方向への力が働
く。
【0015】更に、細分化した媒体2B1と帯状電極1
2A1及び12C1との間、細分化した媒体2A2と帯
状電極12C1の間、細分化した媒体2B2と帯状電極
12A2及び12C2との間、細分化した媒体2A3と
帯状電極12C2の間、細分化した媒体2B3と帯状電
極12A3の間に、搬送媒体2に対して、搬送方向への
力が働く。但し、既に記したように、搬送媒体2を固定
子1に吸着する方向に強い吸着力が働いているので、搬
送媒体2は、そのままの位置にとどまる。
【0016】(b)帯状電極12A1〜12C4に、直
流電圧(P、N、G)を印加する。細分化した媒体2A
1〜2B3と各々対向する帯状電極12A1〜12B3
との間に強い反発力が、搬送媒体2を固定子1から浮か
す方向に働く。同時に、細分化した媒体2A1と帯状電
極12B1の間、細分化した媒体2C1と帯状電極12
B1及び12A2との間、細分化した媒体2A2と帯状
電極12B2の間、細分化した媒体2C2と帯状電極1
2B2及び12A3との間、細分化した媒体2A3と帯
状電極12B3の間に、搬送媒体2に対して、搬送方向
への力が働く。
【0017】更に、細分化した媒体2B1と帯状電極1
2A1との間、細分化した媒体2B2と帯状電極12A
2との間、細分化した媒体2B3と帯状電極12A3の
間に、搬送媒体2に対して、搬送方向と反対方向への力
が働く。この状態では、搬送媒体2に対して、搬送方向
への力(○印)の個数が、搬送媒体2に対して、搬送方
向と反対方向への力(×印)よりも多いため、搬送媒体
2は、帯状電極12の1ピッチ移動して(c)に至る。
(c)の状態では、細分化した媒体2A1〜2B3と各
々対向する帯状電極12B1〜12C3との間に強い吸
引力が、搬送媒体2を固定子1に吸着する方向に働く。
従って、搬送媒体2に対して、搬送方向への力(○印)
の個数の大小にかかわらず、搬送媒体2は、そのままの
位置にとどまる。
【0018】次に、(d)に移り、帯状電極12A1〜
12C4に、直流電圧(G、P、N)を印加する。細分
化した媒体2A1〜2B3と各々対向する帯状電極12
B1〜12C3との間に強い反発力が、搬送媒体2を固
定子1から浮かす方向に働く。同時に、細分化した媒体
2A1と帯状電極12C1の間、細分化した媒体2C1
と帯状電極12C1及び12B2との間、細分化した媒
体2A2と帯状電極12C2の間、細分化した媒体2C
2と帯状電極12C2及び12B3との間、細分化した
媒体2A3と帯状電極12C3の間に、搬送媒体2に対
して、搬送方向への力が働く。
【0019】更に、細分化した媒体2B1と帯状電極1
2B1との間、細分化した媒体2B2と帯状電極12B
2との間、細分化した媒体2B3と帯状電極12B3の
間に、搬送媒体2に対して、搬送方向と反対方向への力
が働く。この状態では、搬送媒体2に対して、搬送方向
への力(○印)の個数が、搬送媒体2に対して、搬送方
向と反対方向への力(×印)よりも多いため、搬送媒体
2は、帯状電極12の1ピッチ移動して(e)に至る。
(e)の状態では、細分化した媒体2A1〜2B3と各
々対向する帯状電極12C1〜12A4との間に強い吸
引力が、搬送媒体2を固定子1に吸着する方向に働く。
従って、搬送媒体2に対して、搬送方向への力(○印)
の個数の大小にかかわらず、搬送媒体2は、そのままの
位置にとどまる。
【0020】次に、(f)に移り、帯状電極12A1〜
12C4に、直流電圧(N、G、P)を印加する。細分
化した媒体2A1〜2B3と各々対向する帯状電極12
C1〜12A4との間に強い反発力が、搬送媒体2を固
定子1から浮かす方向に働く。同時に、細分化した媒体
2A1と帯状電極12A2の間、細分化した媒体2C1
と帯状電極12A2及び12C2との間、細分化した媒
体2A2と帯状電極12A3の間、細分化した媒体2C
2と帯状電極12A3及び12C3との間、細分化した
媒体2A3と帯状電極12A4の間に、搬送媒体2に対
して、搬送方向への力が働く。
【0021】更に、細分化した媒体2B1と帯状電極1
2C1との間、細分化した媒体2B2と帯状電極12C
2との間、細分化した媒体2B3と帯状電極12C3の
間に、搬送媒体2に対して、搬送方向と反対方向への力
が働く。この状態では、搬送媒体2に対して、搬送方向
への力(○印)の個数が、搬送媒体2に対して、搬送方
向と反対方向への力(×印)よりも多いため、搬送媒体
2は、帯状電極12の1ピッチ移動する。以後同様の動
作を繰り返して搬送媒体2は、搬送方向へ移動する。以
上で静電アクチュエータの説明を終り、再び図1に戻っ
て本発明による媒体搬送装置について説明する。
【0022】〈具体例1の構成〉図1(a)及び(b)
より、具体例1による媒体搬送装置は、固定子1と、搬
送媒体2と、電源5と、駆動部6と、制御部7とを備え
る。ここで搬送媒体2は、媒体搬送装置の付属物と解す
ることもできるが、本発明では、動作説明上構成要素と
して扱う。固定子1は、既に静電アクチュエータの構成
で説明したように、基材11と、帯状電極12と、絶縁
層13を備える。更に、具体例1では、上記構成要素の
他に、防湿層14を備える。基材11としてエポキシ系
樹脂を用いた。厚さ形状等の設計に自由度を持たせるた
めである。帯状電極12として、銅電極を用いて、電極
ピッチ0.4mm、電極幅0.1mmで形成した。絶縁
層13として、約40μmの厚さにソルダーレジストを
コーティングした。
【0023】防湿層14は、防湿処理を目的として固定
子1の表面にコーティングした防湿材である。フッ素系
樹脂、シリコン系樹脂、エポキシ系樹脂等、耐湿特性の
良好な樹脂が使用可能である。本具体例ではシリコン系
樹脂を用いた。防湿層14の形成時に、その表面に凸凹
が発生しないこと、更に内部に気泡がないこと等の注意
が必要であり、形成時に粘度の調整が求められる。そこ
で、シリコン系樹脂を主溶剤であるトルエンで希釈した
後、真空脱泡処理した。更に、予め40℃以上に加熱し
て十分乾燥させた固定子1に、低湿度雰囲気のもとで、
浸漬法によって約40μmの厚さに形成した。種々実験
の結果、浸漬法によって厚さ数十μmの膜をえるには、
シリコン系樹脂を主溶剤であるトルエンで70%から9
0%に希釈する必要があることを確認した。これらの操
作によって、表面に凸凹がなく、気泡を内封しない防湿
層の形成が可能であることを実験的に確認した。
【0024】搬送媒体2は、用紙や紙幣等の紙葉類や、
キュッシュカードやプリペイドカード等のカード類その
他、本発明による媒体搬送装置によって搬送されるすべ
ての媒体を意味する。電源5は、帯状電極12に印加す
る直流電圧を供給する電源であり正電圧と、負電圧と、
0電圧(接地電圧)の3出力を有している。駆動部6
は、電源5の出力を、A相、B相、C相のそれぞれに、
正電圧と、負電圧と、0電圧(接地電圧)を切り換えて
供給する部分である。制御部7は、駆動部6の相切り換
えを行う部分である。搬送方向、搬送速度等の制御をこ
の相切り換えによって行う。
【0025】〈具体例1の動作〉図1(a)に示すよう
に、搬送媒体2を固定子1の上に載せて搬送を開始した
と仮定する。(b)は、以後の動作を説明するために固
定子1と搬送媒体2と、電源5と、駆動部6と、制御部
7の接続、及び位置関係を示した構成図である。搬送開
始時に制御部7の制御によって、駆動部6は、帯状電極
12に直流電圧(N、P、P)を印加する。
【0026】この直流電圧(N、P、P)によって帯状
電極12に蓄積された電荷によって、その電極と対向す
る搬送媒体2の位置に、極性反対の静電荷が帯電する。
以後、制御部7の制御に基づいて、駆動部6が直流電圧
の極性を(P、N、G)、(G、P、N)、(N、G、
P)と切り換えるごとに、搬送媒体2は、帯状電極1ピ
ッチずつ搬送される。この動作は、既に静電アクチュエ
ータの動作で説明した動作と全く同様である。
【0027】ここでは、直流電圧の極性変更を3段階の
搬送パターン(P、N、G)、(G、P、N)、(N、
G、P)に限って説明したが、このパターンにこだわる
必要はない。搬送媒体2の前進、後退、搬送速度等をも
含めて、搬送媒体装置の目的、用途に合わせて変更可能
である。
【0028】また、本具体例では、固定子1の上に搬送
媒体2を直接載せて搬送したが、絶縁体で構成した移動
子を備え、その上に搬送媒体2を載せて、移動子と一体
にして搬送することも可能である。これら搬送媒体2と
移動子を含めて搬送対象物と定義する。
【0029】更に、本具体例では、基板状の直線搬送装
置を例にあげて説明した。しかし、固定子1をフィルム
状のフレキシブル基板等で制作することも可能である。
従って、湾曲状の曲線搬送路を備える媒体搬送装置も容
易に実現可能である。次に、本具体例による搬送媒体装
置の耐湿特性に関する実証実験について説明する。
【0030】(具体例1による搬送媒体装置の耐湿特性
に関する実証実験)実証実験(a)、固定子1(図1)
に防湿層14を備えた媒体搬送装置Aと、固定子1(図
1)に防湿層14を有しない媒体搬送装置Bを作成し
て、その双方を加湿前に、室内環境にて10分間連続往
復搬送動作をさせて動作状態を測定した。その結果、双
方全く異状なきことを確認した。実証実験(b)、上記
A、Bを40℃95%の恒温恒湿槽中に放置して1日経
過毎に、上記測定をした。その結果、Bは、3日経過後
に全く動作しなくなったが、Aは10日経過後も特性劣
化なきことを確認した。
【0031】以上の判定基準として、到達率を重視し
た。到達率とは、実際に移動したピッチ数を、理論値で
除した値である。上記(a)でA、Bとも、95〜10
0%であったものが、上記(b)では、Bは、3日経過
後に20%以下に低下し、Aは10日経過後でも95%
以上を維持していた。
【0032】〈具体例1の効果〉具体例1による媒体搬
送装置は、固定子1に、シリコン系樹脂コーティングに
よる、防湿層14を備えることによって、以下の効果を
得た。 1.環境特性、特に耐湿特性が大きく改善された。従っ
て、梅雨時等、湿度の高い環境でも、媒体搬送力低下
が、無視できるようになった。 2.防湿層14の形成には、特殊な技術を必要としない
ので、媒体搬送装置の耐湿特性改善に要する、コストア
ップを最低限に抑えることができた。
【0033】3.シリコン系樹脂特有の滑りの良さによ
って、固定子1上を搬送される搬送対象物の動作が緻密
になった。更に、防湿層14を、低湿度雰囲気のもと
で、予め溶剤で70%から90%に希釈し、真空脱泡し
たシリコン系樹脂に、予め40℃以上に加熱して乾燥さ
せてある固定子を浸漬して、形成することによって以下
の効果を得た。
【0034】4.防湿層14の厚さを薄く均一に備える
ことができるため、防湿層14に起因する搬送力の低下
を無視することができた。 5.防湿層14を凸凹なく、形成でき、かつ、固定子表
面の気泡、キズ等にもシリコン樹脂がよく浸漬したた
め、接着強度の強い膜を形成することができた。
【0035】〈具体例2〉図5は、具体例2の構成図で
ある。図より、具体例2による、媒体搬送装置は、固定
子3と、搬送媒体2と、電源5と、駆動部6と、制御部
7とを備える。ここで搬送媒体2は、媒体搬送装置の付
属物と解することもできるが、本発明では、動作説明上
構成要素として扱う。具体例1と異なるのは、固定子3
のみであり、その他は全て具体例1と同様である。具体
例1との差異についてのみ説明する。
【0036】固定子3は、基材11と、帯状電極12
と、絶縁防湿層15を備える。具体例1による固定子1
との差異は、具体例1における絶縁層13(図1)に換
えて絶縁防湿層15を備える。更に、防湿層14(図
1)を有していない。その他は具体例1の固定子1と同
様である。絶縁防湿層15は、帯状電極12を備えた、
基材11の表面にコーティングした、絶縁材を兼ねた防
湿材である。フッ素系樹脂、シリコン系樹脂、エポキシ
系樹脂等、耐湿特性が良好で、かつ絶縁性の高い樹脂が
使用可能である。
【0037】本具体例ではシリコン系樹脂を用いた。絶
縁防湿層15の形成時に、その表面に凸凹が発生しない
こと、更に内部に気泡がないこと等の注意が必要であ
り、形成時に適度の粘性が求められる。そこで、シリコ
ン系樹脂を、主溶剤であるトルエンで希釈した後、真空
脱泡処理した。更に、十分乾燥させた、帯状電極12を
備えた基材11に、低湿度雰囲気のもとで浸漬法によっ
て約80μmの厚さに形成した。この時、基材11の帯
状電極12側のみならず、その裏側にもシリコン系樹脂
が付着しても問題はない。
【0038】具体例2の動作は具体例1の動作と全く同
様である。更に、全く同様の特性を示すことを、以下に
記す実証実験でも確認した。次に、具体例2による搬送
媒体装置の耐湿特性に関する実証実験について説明す
る。
【0039】(具体例2による搬送媒体装置の耐湿特性
に関する実証実験)実証実験(c)、固定子3(図5)
に絶縁防湿層15を備えた媒体搬送装置Cと、固定子1
に防湿層14を有しない媒体搬送装置D(実証実験a、
bの媒体搬送装置Bと同一構成)を作成して、その双方
を加湿前に室内環境にて10分間連続往復搬送動作をさ
せて動作状態を測定した。その結果双方全く異状なきこ
とを確認した。
【0040】実証実験(d)、上記C、Dを40℃95
%の恒温恒湿槽中に放置して1日経過毎に、上記測定を
した。その結果、Dは、3日経過後に全く動作しなくな
ったが、Cは10日経過後も特性劣化なきことを確認し
た。
【0041】以上の判定項目として、到達率を重視し
た。到達率とは、実際に移動したピッチ数を、理論値で
除した値である。上記(c)でC、Dとも、95〜10
0%であったものが、上記(d)では、Dは、3日経過
後に20%以下に低下し、Cは10日経過後でも95%
以上を維持していた。実証実験(c)、実証実験(d)
は、実証実験(a)、実証実験(b)と全く同様の結果
を示していることを確認した。
【0042】〈具体例2の効果〉具体例2による媒体搬
送装置は、固定子3に、シリコン系樹脂コーティングに
よる、絶縁防湿層15を備えることによって、以下の効
果を得た。 1.具体例1による、絶縁層13と、防湿層14を形成
する2つの工程を、絶縁防湿層15を形成する1つの工
程で兼ねることができるため、媒体搬送装置の耐湿特性
改善に要するコストをより一層ダウンすることが可能に
なった。 2.更に具体例1による効果を全て維持することが可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】具体例1の構成図である。
【図2】静電アクチュエータの斜視図である。
【図3】静電アクチュエータの動作説明図(その1)で
ある。
【図4】静電アクチュエータの動作説明図(その2)で
ある。
【図5】具体例2の構成図である。
【符号の説明】
1 固定子 2 搬送媒体 5 電源 6 駆動部 7 制御部 11 基材 12 帯状電極 13 絶縁層 14 防湿層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 搬送路を搬送される搬送対象物に、所定
    の静電気力を加えて、所定の方向へ搬送する固定子を備
    え、 この固定子には、 基材上に形成した複数の帯状電極と、 この基材上で帯状電極を覆う絶縁層と、 前記基材と絶縁層全体を覆う防湿層を設けたことを特徴
    とする媒体搬送装置。
  2. 【請求項2】 搬送路を搬送される搬送対象物に、所定
    の静電気力を加えて、所定の方向へ搬送する固定子を製
    造する場合において、 基材上に複数の帯状電極を形成し、 この基材上で帯状電極を覆うように絶縁層を形成し、 乾燥処理をした後、低湿度雰囲気下40℃以上に加熱し
    た状態で、 溶剤に対するシリコン系樹脂の割合を、70重量%以上
    90重量%以下で希釈し、真空脱泡したものに浸漬し
    て、防湿層を形成することを特徴とする媒体搬送装置の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 搬送路を搬送される搬送対象物に、所定
    の静電気力を加えて、所定の方向へ搬送する固定子を備
    え、 この固定子には、 基材上に形成した複数の帯状電極と、 この基材上の帯状電極と前記基材全体を覆う防湿層を設
    けたことを特徴とする媒体搬送装置。
JP26266497A 1997-09-10 1997-09-10 媒体搬送装置とその製造方法 Pending JPH1179455A (ja)

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