JPH1182111A - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置

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JPH1182111A
JPH1182111A JP9246409A JP24640997A JPH1182111A JP H1182111 A JPH1182111 A JP H1182111A JP 9246409 A JP9246409 A JP 9246409A JP 24640997 A JP24640997 A JP 24640997A JP H1182111 A JPH1182111 A JP H1182111A
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仁 石井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】HC吸着触媒を用いた場合においても、脱離し
たHCを三元触媒層で良好に浄化できる内燃機関の空燃
比制御装置を提供すること。 【解決手段】HCの脱離中には(S1〜S3)、S5に
おいて、HC吸着材20Aから脱離したHCが三元触媒
層20Bへ拡散する速度と、排気ガス中の酸素が三元触
媒層20Bに取り込まれる速度と、の差を考慮して、H
C吸着触媒20の出口部における目標空燃比TFBYA
をリーン側に制御する。なお、目標空燃比TFBYA
は、HC吸着触媒の温度Tcに応じて可変設定する。S
6では、目標空燃比TFBYAが達成されるように、空
燃比センサ21の検出信号に基づくフィードバック制御
を行なう。そして、HC脱離量が、HC吸着量となった
ら、本フローを終了する(S4、S7、S8)。これに
より、脱離したHCの酸化に必要なO2 を三元触媒層の
表面に良好に吸着させることができ、以って脱離したH
Cを良好に浄化することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の空燃比
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の内燃機関の空燃比制御装置として
は、例えば、特開平6−81637号公報に開示される
ようなものがある。このものは、内燃機関の排気通路に
HC吸着材を介装し、冷機時に排気中のHCを前記HC
吸着材に吸着させ、暖機完了後に前記HC吸着材からH
Cを脱離させ、この脱離されたHCを、前記HC吸着材
の排気下流部に配設された三元触媒により浄化するよう
になっている。そして、この脱離時に、脱離開始からの
経過時間に応じて、燃料噴射弁からの燃料噴射量により
内燃機関に吸入される混合気の空燃比をリーン側に制御
し、これによって三元触媒の入口における空燃比の適正
化を図るようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図3
(A)に示すような、三元触媒層をHC吸着材の上層に
コーティング等した所謂HC吸着触媒を用いて、冷機時
にHCをHC吸着材に吸着し、暖機完了後にHC吸着材
からHCを脱離すると共に、この脱離したHCを前記三
元触媒層で浄化するようにした場合には、以下のような
惧れがある。
【0004】即ち、前記HC吸着材から脱離したHCを
前記三元触媒層で浄化する際において、HC吸着材から
脱離したHCが三元触媒層へ拡散する速度と、排気ガス
中の酸素(O2 )が三元触媒層に取り込まれる(吸着さ
れる)速度と、に差があるために、上記従来の空燃比制
御では、脱離したHCの酸化に必要なO2 量が三元触媒
層表面に十分に吸着させることができず、以って三元触
媒層表面におけるHC量とO 2 量とのバランスが崩れ、
HC吸着材から脱離したHCを良好に浄化できなくなる
惧れがあった。
【0005】本発明は、かかる実情に鑑みなされたもの
で、HC吸着触媒を用いた場合においても、脱離したH
Cを三元触媒層で良好に浄化できるようにした内燃機関
の空燃比制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1に記
載の発明にかかる内燃機関の空燃比制御装置は、図1に
示すように、HC吸着材の上層に三元触媒層を備えて構
成されるHC吸着触媒を排気通路に介装した内燃機関の
空燃比制御装置であって、前記HC吸着材からのHCの
脱離中に、前記HC吸着触媒の出口部の排気空燃比が所
定量リーンになるように、内燃機関の吸入混合気の空燃
比を制御する空燃比制御手段を含んで構成するようにし
た。
【0007】かかる構成とすれば、HC吸着材の上層に
三元触媒層を備えて構成されるHC吸着触媒を用いた場
合において、HCの脱離中に、HC吸着材から脱離した
HCが三元触媒層へ拡散する速度と、排気ガス中の酸素
(O2 )が三元触媒層に取り込まれる(吸着される)速
度と、の差を考慮して、HC吸着触媒の出口部における
空燃比を所定量リーンに制御するようにしたので、脱離
したHCの酸化に必要なO2 を三元触媒層の表面により
多く吸着させることができ、以ってHC吸着材から脱離
したHCを良好に浄化することができることとなる。
【0008】つまり、従来のように、HCの脱離量だけ
三元触媒(層)入口部の空燃比をリーン化するようにし
た場合における惧れ、即ちHC吸着材から脱離したHC
が三元触媒層へ拡散する速度と、排気ガス中の酸素(O
2 )が三元触媒層に取り込まれる(吸着される)速度
と、の差により、脱離したHCの酸化に必要なO2 量が
三元触媒層表面に十分に吸着させることができず、以っ
て三元触媒層表面におけるHC量とO2 量とのバランス
が崩れ、HC吸着材から脱離したHCを良好に浄化でき
なくなると言った惧れ、を抑制することが可能となる。
【0009】請求項2に記載の発明では、前記内燃機関
の吸入混合気の空燃比が、前記HC吸着触媒の出口部に
設けられた空燃比センサの検出値に基づいて、前記HC
吸着材からのHCの脱離中に、前記HC吸着触媒の出口
部の排気空燃比が所定量リーンになるように、フィード
バック制御されるように構成した。かかる構成によれ
ば、前記内燃機関の吸入混合気の空燃比を、前記HC吸
着材からのHCの脱離中に、前記HC吸着触媒の出口部
の排気空燃比が所定量リーンになるようにフィードバッ
ク制御することができるので、経時変化や外乱等があっ
ても、高精度に、脱離したHCの酸化に必要なO2 を三
元触媒層の表面に吸着させることができ、以ってHC吸
着材から脱離したHCを良好に浄化することができるこ
ととなる。
【0010】請求項3に記載の発明では、前記内燃機関
の吸入混合気の空燃比が、前記HC吸着材からのHCの
脱離中に、前記HC吸着触媒の出口部の排気空燃比が所
定量リーンになるように、フィードフォワード制御され
るように構成した。かかる構成とすれば、比較的簡単な
構成で、脱離したHCの酸化に必要なO2を三元触媒層
の表面に吸着させることができ、以ってHC吸着材から
脱離したHCを良好に浄化することができることとな
る。なお、HC脱離開始直後は、フィードフォワード制
御を行ない、その後はフィードバック制御を行なわせる
構成とすることも可能である。
【0011】請求項4に記載の発明では、前記所定量
が、HC吸着触媒の温度に応じて設定されるように構成
した。つまり、HCの脱離濃度(速度)は、HC吸着触
媒の温度と共に高く(速く)なる特性があるので、HC
吸着触媒の温度に応じて、前記所定量を変化させるよう
にすれば、常に、脱離したHCの酸化に必要なO2 を三
元触媒層の表面に吸着させることができ、以ってHC吸
着材から脱離したHCを良好に浄化することができるこ
ととなる。
【0012】請求項5に記載の発明では、前記HC吸着
触媒の温度を、内燃機関の運転状態に基づいて推定する
構成とした。かかる構成とすれば、前記HC吸着触媒の
温度を検出するためのセンサを省略することができるの
で、製品コストの低減を図ることができる。請求項6に
記載の発明では、前記HC吸着触媒の温度を、内燃機関
の燃料噴射量或いは吸入空気流量の積算値に基づいて推
定するようにした。
【0013】かかる構成とすれば、前記HC吸着触媒の
温度を検出するためのセンサを省略することができるの
で、製品コストの低減を図ることができると共に、比較
的簡単な構成で高精度に、前記HC吸着触媒の温度を推
定することが可能となる。
【0014】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、HC吸
着材の上層に三元触媒層を備えて構成されるHC吸着触
媒を用いた場合において、HCの脱離中に、HC吸着材
から脱離したHCが三元触媒層へ拡散する速度と、排気
ガス中の酸素が三元触媒層に取り込まれる(吸着され
る)速度と、の差を考慮して、HC吸着触媒の出口部に
おける空燃比を所定量リーンに制御するようにしたの
で、脱離したHCの酸化に必要なO2 を三元触媒層の表
面により多く吸着させることができ、以ってHC吸着材
から脱離したHCを良好に浄化することができる。
【0015】つまり、従来のように、HCの脱離量だけ
三元触媒(層)入口部の空燃比をリーン化するようにし
た場合における惧れ、即ちHC吸着材から脱離したHC
が三元触媒層へ拡散する速度と、排気ガス中の酸素が三
元触媒層に取り込まれる(吸着される)速度と、の差に
より、脱離したHCの酸化に必要なO2 量が三元触媒層
表面に十分に吸着させることができず、以って三元触媒
層表面におけるHC量とO2 量とのバランスが崩れ、H
C吸着材から脱離したHCを良好に浄化できなくなると
言った惧れ、を抑制することができる。
【0016】請求項2に記載の発明によれば、経時変化
や外乱等があっても、高精度に、脱離したHCの酸化に
必要なO2 を三元触媒層の表面に吸着させることがで
き、以ってHC吸着材から脱離したHCを良好に浄化す
ることができることとなる。請求項3に記載の発明によ
れば、比較的簡単な構成で、脱離したHCの酸化に必要
なO2 を三元触媒層の表面に吸着させることができ、以
ってHC吸着材から脱離したHCを良好に浄化すること
ができることとなる。
【0017】請求項4に記載の発明によれば、HC吸着
触媒の温度に応じて、前記所定量を変化させるようにし
たので、常に、脱離したHCの酸化に必要なO2 を三元
触媒層の表面に吸着させることができ、以ってHC吸着
材から脱離したHCを良好に浄化することができること
となる。請求項5に記載の発明によれば、前記HC吸着
触媒の温度を検出するためのセンサを省略することがで
きるので、製品コストの低減を図ることができる。
【0018】請求項6に記載の発明によれば、製品コス
トの低減を図ることができると共に、比較的簡単な構成
で高精度に、前記HC吸着触媒の温度を推定することが
可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施形態を、
添付の図面に基づいて説明する。本発明の一実施形態の
構成を示す図2において、機関11の吸気通路12には
吸入空気流量Qaを検出するエアフローメータ13及び
アクセルペダルと連動して吸入空気流量Qaを制御する
スロットル弁14が設けられ、下流のマニホールド部分
には気筒毎に電磁式の燃料噴射弁15が設けられてい
る。なお、燃料噴射弁15を各気筒の燃焼室に臨ませる
構成とし、本実施形態にかかる内燃機関を所謂筒内直接
噴射式内燃機関とすることもできる。
【0020】かかる燃料噴射弁15は、後述するように
してコントロールユニット50において設定される駆動
パルス信号によって開弁駆動され、図示しない燃料ポン
プから圧送されてプレッシャレギュレータ(図示せず)
により所定圧力に制御された燃料を噴射供給する。な
お、機関11の冷却ジャケットに臨んで設けられ、冷却
ジャケット内の冷却水温度Twを検出する水温センサ1
6が設けられている。
【0021】一方、排気通路17にはマニホールド集合
部近傍に、排気中の特定成分(例えば、酸素)濃度を検
出することによって吸入混合気の空燃比のリッチ・リー
ンを検出する酸素センサ18が設けられ、その下流側
に、理論空燃比{λ=1、A/F(空気重量/燃料重
量)≒14.7}近傍において排気中のCO,HCの酸
化とNOX の還元を行って排気を浄化する排気浄化触媒
としての三元触媒(所謂マニ触媒)19が介装されてい
る。
【0022】また、本実施形態では、三元触媒19の排
気下流側に、図3(A)に示すようなHC吸着材20A
の上層に三元触媒層(三元層)20Bをコーティング等
したHC吸着触媒20が介装されており、冷機時に排気
中のHCを前記HC吸着材20Aに吸着し{図3(B)
参照}、暖機完了後に前記HC吸着材20AからHCを
脱離すると共に脱離したHCを、前記三元触媒層20B
で浄化するようになっている{図3(C)参照}。
【0023】前記HC吸着触媒20の出口部には、排気
中の特定成分(例えば、酸素)濃度を検出することによ
って吸入混合気の空燃比をリーン領域からリッチ領域ま
でリニアに検出することができる空燃比センサ21が設
けられている。また、図2で図示しないディストリビュ
ータには、クランク角センサ22が内蔵されており、コ
ントロールユニット50では、該クランク角センサ22
から機関回転と同期して出力されるクランク単位角信号
を一定時間カウントして、又は、クランク基準角信号の
周期を計測して機関回転速度Neを検出できるようにな
っている。
【0024】ところで、CPU,ROM,RAM,A/
D変換器及び入出力インタフェース等を含んで構成され
るマイクロコンピュータからなるコントロールユニット
50では、各種センサからの入力信号を受け、通常時
(非脱離時)には、概略以下のようにして、燃料噴射弁
15の噴射量(延いては空燃比)を制御する。即ち、エ
アフローメータ13からの電圧信号から求められる吸入
空気流量Qaと、クランク角センサ22からの信号から
求められる機関回転速度Neとから基本燃料噴射パルス
幅(燃料噴射量に相当)Tp=c×Qa/Ne(cは定
数)を演算すると共に、低水温時に強制的にリッチ側に
補正する水温補正係数Kwや、始動及び始動後増量補正
係数Kasや、空燃比フィードバック補正係数LAMD1
等により、最終的な有効燃料噴射パルス幅Te=Tp×
(1+Kw+Kas+・・・)×LAMD1+Tsを演算
する。Tsは、電圧補正分である。
【0025】そして、この有効燃料噴射パルス幅Teが
駆動パルス信号として前記燃料噴射弁15に送られて、
所定量に調量された燃料が噴射供給されることになる。
上記空燃比フィードバック補正係数LAMD1は、三元
触媒19の上流側に設けられた酸素センサ18のリッチ
・リーン反転出力に基づいて比例積分(PI)制御等に
より増減されるもので、これに基づきコントロールユニ
ット50では基本燃料パルス幅Tpを補正し、燃焼用混
合気の空燃比を目標空燃比(理論空燃比)近傍にフィー
ドバック制御するものである。
【0026】ところで、前記HC吸着触媒20を用い
て、脱離したHCを、前記三元触媒層20Bで浄化する
場合には、HC吸着材20Aから脱離したHCが三元触
媒層20Bへ拡散する速度と、排気ガス中の酸素
(O2 )が三元触媒層20Bに取り込まれる(吸着され
る)速度と、に差があるため、従来のようにHC吸着触
媒20の入口部の空燃比をリーンに制御するだけでは、
脱離したHCの酸化に必要なO 2 量を三元触媒層20B
の表面に十分に吸着させることができず、以って三元触
媒層20Bの表面におけるHC量とO2 量とのバランス
が崩れ、HC吸着材20Aから脱離したHCを良好に浄
化できなくなる惧れがある{図3(C)参照}。
【0027】このため、本実施形態では、HC吸着材2
0Aから脱離したHCが三元触媒層20Bへ拡散する速
度と、排気ガス中の酸素(O2 )が三元触媒層20Bに
取り込まれる(吸着される)速度と、の差分を考慮し
て、空燃比を制御することで、三元触媒層20Bの表面
におけるHC量とO2 量とをバランスさせ、以ってHC
吸着材20Aから脱離したHCを良好に浄化できるよう
にしている。
【0028】即ち、HCの脱離時には、本実施形態に係
るコントロールユニット50では、各種センサからの入
力信号を受け、図4に示すようなフローチャートを実行
して、燃料噴射弁15の噴射量(延いては空燃比)を制
御する。なお、以下に説明するように、本発明にかかる
空燃比制御手段としての機能は、コントロールユニット
50がソフトウェア的に備えるものである。また、図4
のフローチャートは、機関11の始動時毎に実行される
ものである。
【0029】即ち、ステップ(図では、Sと記してあ
る。以下、同様)1では、冷却水温度Tw<コールド
(冷機)判定温度Aか否かを判定する。YESであれ
ば、コールド(冷機)時であるので、ステップ2へ進
む。NOであれば、通常運転時であるとして前述した通
常の空燃比制御を行なわせるべく、本フローを終了す
る。
【0030】ステップ2では、従来同様の手法によっ
て、基本燃料噴射量Tp(或いは吸入空気流量Qa)を
積算或いは加重平均して、HC吸着触媒20の温度Tc
を推定する。例えば、燃焼によって発生し排気を介して
HC吸着触媒20へ与えられた熱量{Tp(又はQa)
の積算値或いは加重平均値から算出できる}と、排気に
よりHC吸着触媒20から持ち去られる熱量{排気流量
(吸入空気流量Qa)等に相関する}などを考慮して、
触媒温度Tcを推定することができ、外気温度,水温T
w等を考慮すれば、より推定精度を向上できる。
【0031】また、燃料噴射量Tp,機関回転速度Ne
から、その運転状態が継続された場合の平衡触媒温度を
推定し、その推定値と、その運転状態での運転継続時間
(或いは時定数)などと、に基づいて、現在の触媒温度
Tcを推定すること等もできる。なお、図2に示した触
媒温度センサ23を介して、直接、触媒温度Tcを検出
する構成とすることもできる。
【0032】ステップ3では、触媒温度Tc>HC脱離
開始温度T1であるか否かを判定する。YESであれ
ば、HC吸着触媒20の温度が上昇し、冷機時に吸着し
たHCが、HC吸着材20Aから脱離するので、HC吸
着材20Aから脱離したHCが三元触媒層20Bへ拡散
する速度と、排気ガス中の酸素(O2 )が三元触媒層2
0Bに取り込まれる(吸着される)速度と、の差分を考
慮した空燃比制御を実行すべく、ステップ4へ進む。一
方、NOであれば、ステップ2へリターンする。
【0033】ステップ4では、吸着材20AのHC吸着
量を演算する。なお、HC吸着量は、例えば、基本燃料
噴射量Tp(或いは吸入空気流量Qa)の積算値に、吸
着効率αを乗算(Tp積算値×α)することで推定演算
することができる。つづくステップ5では、目標空燃比
TFBYA(HC吸着触媒20の出口部における目標空
燃比であり、リーン側に設定される)を演算する。ここ
で、目標空燃比TFBYAは、以下の式により演算す
る。
【0034】即ち、 TFBYA=Tc×γ ここで、Tc;HC吸着触媒20の温度、γ;目標空燃
比係数 つまり、図5に示すように、HCの脱離濃度(速度)は
触媒温度Tcで決まる(触媒温度に略比例する)から、
これに目標空燃比係数γ{≒『酸素(O2 )が三元触媒
層20Bに取り込まれる速度』/『HCの脱離速度』}
を乗算すれば、触媒温度に応じてHCを良好に浄化する
のに必要な酸素量延いては目標空燃比TFBYA(空気
重量/燃料重量)を求めることができることとなる。な
お、図6に示すようなテーブル等を参照して、HC吸着
触媒20の温度Tcに応じて、目標空燃比TFBYAを
設定するようにすることもできる。
【0035】そして、コントロールユニット50では、
最終的な有効燃料噴射パルス幅Te=Tp×(1+Kw
+Kas+・・・)×1/TFBYA+Tsを演算し、こ
の有効燃料噴射パルス幅Teを駆動パルス信号として前
記燃料噴射弁15に送り、所定量に調量された燃料を噴
射供給することになる。ステップ6では、HC吸着触媒
20の出口部に設けた空燃比センサ21の検出空燃比に
基づき、HC吸着触媒20の出口部における空燃比が、
目標空燃比TFBYA(リーン側に設定される)になる
ように燃料噴射量をフィードバック制御する。
【0036】つまり、Te=Tp×(1+Kw+Kas+
・・・)×1/TFBYA×LAMD2+Tsを演算
し、この有効燃料噴射パルス幅Teを駆動パルス信号と
して前記燃料噴射弁15へ送り、HC吸着触媒20の出
口部における空燃比が、目標空燃比TFBYAとなるよ
うにフィードバック制御されることになる。なお、上記
空燃比フィードバック補正係数LAMD2は、HC吸着
触媒20の下流側に設けられた空燃比センサ21の空燃
比検出信号(空燃比に対してリニアな信号として出力さ
れる)に基づいて比例積分(PI)制御等により増減設
定されるものである。
【0037】ステップ7では、吸着材20AのHC脱離
量を積算する。なお、HC脱離量は、例えば、以下の式
により推定演算することができる。 HC脱離量=Qa×Tc×β ここで、Qa;吸入空気流量、β;脱離量換算係数 つまり、図5に示すように、HCの脱離濃度(%、pp
m)は触媒温度で決まるので、Tc×βにより、触媒温
度に応じたHCの脱離濃度を算出することができ、ま
た、HCの脱離濃度に吸入空気流量Qa(l/min又
はg/min){排気流量(l/min又はg/mi
n)に相関する値である}を乗算すれば、HCの脱離量
を求めることができる。
【0038】そして、ステップ8では、ステップ7で求
めたHC脱離量の積算値と、HC吸着量と、を比較し、
HC脱離量の積算値≧HC吸着量であれば、HCの脱離
処理は完了したと判断して、通常(非脱離時)の空燃比
制御へ移行させる。一方、HC脱離量の積算値<HC吸
着量であれば、未だHCの脱離中であるので、本フロー
による空燃比制御を継続する必要があるので、HC脱離
量の積算値≧HC吸着量となるまで、ステップ5へリタ
ーンする。
【0039】このように、本実施形態によれば、HC吸
着触媒20を用いた場合において、HCの脱離中に、H
C吸着材20Aから脱離したHCが三元触媒層20Bへ
拡散する速度と、排気ガス中の酸素(O2 )が三元触媒
層20Bに取り込まれる(吸着される)速度と、の差を
考慮して、HC吸着触媒20の出口部における空燃比
を、脱離したHCの酸化に必要なO2 量を三元触媒層2
0B表面に十分に吸着させることができる目標空燃比T
FBYA(リーン空燃比)に制御するようにしたので、
HC吸着材から脱離したHCを良好に浄化することがで
きることとなる。
【0040】なお、図4のフローチャートにおけるステ
ップ6を省略して、所謂オープン制御(フィードフォワ
ード制御)により、HC吸着触媒20の出口部における
空燃比を、目標空燃比TFBYA(リーン空燃比)に制
御することもできる。この場合は、空燃比センサ21を
省略してもよい。ところで、従来のようにHC吸着材の
下流側にHC吸着材とは別個独立に三元触媒を設けたも
のでは、HCの脱離中には三元触媒の入口部の空燃比を
HCの脱離量に見合ってリーン化する(この場合、三元
触媒の出口部の空燃比は理論空燃比近傍に制御される)
のに対し、本発明は、HC吸着触媒20を用いた場合
に、HCの脱離中には、HC吸着材20Aから脱離した
HCが三元触媒層20Bへ拡散する速度より、排気ガス
中の酸素(O2 )が三元触媒層20Bに取り込まれる
(吸着される)速度が遅いことを考慮して、その分、H
C吸着触媒20の出口部の空燃比をリーンにして、三元
触媒層20Bの表面におけるHC量とO2 量とをバラン
スさせ、HC吸着材20Aから脱離したHCを良好に浄
化できるようにしたものである。
【0041】言い換えると、本発明は、HC吸着触媒2
0を用いた場合のHC脱離中において、三元触媒層20
Bの表面におけるHC量とO2 量とをバランスさせるた
めに、HC吸着触媒20の出口部の空燃比をリーン側に
制御することを、その本質とするものである。つまり、
本実施形態は、脱離したHCをより効果的に浄化するた
めに、目標空燃比TFBYAを最適値に設定する場合に
ついて説明したものであり、本発明は、これに限定され
るものではなく、HCの脱離中においてHC吸着触媒2
0の出口部の空燃比をリーン側に制御する構成とするだ
けでも、従来に対して脱離したHCを良好に浄化するこ
とができるものであり、従って、HCの脱離中において
HC吸着触媒20の出口部の空燃比をリーン側に制御す
るものは、本発明の範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すブロック図
【図2】本発明の一実施形態にかかるシステム構成図
【図3】(A)は、HC吸着触媒の構造を説明する図。
(B)は、冷機時(コールド時)におけるHC吸着触媒
の機能を説明する図。(C)は、暖機時(ホット時)に
おけるHC吸着触媒の機能を説明する図。
【図4】同上実施形態における空燃比制御を説明するた
めのフローチャート。
【図5】脱離HC濃度と、HC吸着触媒温度と、の関係
を説明するためのタイミングチャート。
【図6】脱離HC濃度と、HC吸着触媒温度と、の関係
を示すテーブルの一例。
【符号の説明】
11 内燃機関 12 吸気通路 13 エアフローメータ 14 スロットル弁 15 燃料噴射弁 17 排気通路 18 酸素センサ 19 三元触媒(マニ触媒) 20 HC吸着触媒 21 空燃比センサ(リニアセンサ) 22 クランク角センサ 50 コントロールユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02D 45/00 312 F02D 45/00 312R 364 364N 366 366F

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】HC吸着材の上層に三元触媒層を備えて構
    成されるHC吸着触媒を排気通路に介装した内燃機関の
    空燃比制御装置であって、 前記HC吸着材からのHCの脱離中に、前記HC吸着触
    媒の出口部の排気空燃比が所定量リーンになるように、
    内燃機関の吸入混合気の空燃比を制御する空燃比制御手
    段を含んで構成したことを特徴とする内燃機関の空燃比
    制御装置。
  2. 【請求項2】前記内燃機関の吸入混合気の空燃比を、前
    記HC吸着触媒の出口部に設けられた空燃比センサの検
    出値に基づいて、前記HC吸着材からのHCの脱離中
    に、前記HC吸着触媒の出口部の排気空燃比が所定量リ
    ーンになるように、フィードバック制御されることを特
    徴とする請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  3. 【請求項3】前記内燃機関の吸入混合気の空燃比が、前
    記HC吸着材からのHCの脱離中に、前記HC吸着触媒
    の出口部の排気空燃比が所定量リーンになるように、フ
    ィードフォワード制御されることを特徴とする請求項1
    又は請求項2に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  4. 【請求項4】前記所定量が、HC吸着触媒の温度に応じ
    て設定されることを特徴とする請求項1〜請求項3の何
    れか1つに記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  5. 【請求項5】前記HC吸着触媒の温度が、内燃機関の運
    転状態に基づいて推定されることを特徴とする請求項1
    〜請求項4の何れか1つに記載の内燃機関の空燃比制御
    装置。
  6. 【請求項6】前記HC吸着触媒の温度が、内燃機関の燃
    料噴射量或いは吸入空気流量の積算値に基づいて推定さ
    れることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1つ
    に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
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