JPH1186909A - 電解質含浸膜 - Google Patents

電解質含浸膜

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JPH1186909A
JPH1186909A JP9241099A JP24109997A JPH1186909A JP H1186909 A JPH1186909 A JP H1186909A JP 9241099 A JP9241099 A JP 9241099A JP 24109997 A JP24109997 A JP 24109997A JP H1186909 A JPH1186909 A JP H1186909A
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membrane
electrolyte
impregnated
porous
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JP9241099A
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Yuzuru Ishibashi
譲 石橋
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非水電解液を含浸した膜に外圧が加わった場
合でも、該電解液が漏液し難い特性を有する隔膜を提供
する。 【解決手段】 膜面方向及び膜の表裏に連通した孔を有
する極性樹脂製多孔質膜の全周辺端部における孔が閉塞
されていることを特徴とする電解質含浸膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はリチウム電池に代表
される非水電池用の隔膜に関する。さらに詳しくは、漏
液のない電解質含浸膜に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、携帯電話やパソコン等の小型化、
軽量化のために高エネルギー密度の電池が要求され、こ
れに対応する電池として非水系のリチウムイオン電池が
開発されている。この電池の正極および負極の電極間に
は電解液に膨潤することのないポリオレフィン製多孔質
隔膜が配置されている。該ポリオレフィン製隔膜を用い
た場合には、電解液の漏出が起こりやすいため、電池構
造体全体を重厚な金属容器でパッケージして電解液の漏
出を防止している。
【0003】これに対して最近、電解液の漏液がなく、
非金属製パッケージの採用が可能で電池の薄型化や軽量
化の点で優れた、いわゆるポリマー電池の開発が行われ
ている。このような電池として、ポリオレフィン製隔膜
の代わりにリチウムイオン導電性ポリマーを用いた電池
が提案されている。例えば、特開平8−195220号
公報では、アクリロニトリル系樹脂に電解液を含有させ
た、多孔度が10%から80%の多孔膜を隔膜部分に用
いることによって、充放電高率が優れた電池ができるこ
とが開示されている。該多孔性リチウムイオン導電性ポ
リマー膜の製法として、予め多孔性ポリマー膜を作成
し、リチウム塩を含有する非水電解液中に浸漬すること
によって、孔中に該電解液を保持させる方法が提案され
ている。また、特開平8−250127号公報では、フ
ッ化ビニリデン系樹脂製多孔質膜に電解液を含浸させた
膜を隔膜部分に用いることによって、電池を構成するこ
とができることが開示されている。
【0004】多孔質体としては独立気孔型と連続気孔型
とがあるが、前者の場合には電解液の含浸が極めて遅い
ために、電池の生産性が悪いという問題点がある。一
方、連続気孔型の場合には、含浸速度が速い長所がある
ものの、含浸した膜に外圧が加わった時に、容易に内部
の液が漏出してしまうという問題点を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、非水電解液
の含浸速度が速く、かつ、耐漏液性に優れた隔膜を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するものである。すなわち本発明は、 (1)膜面方向及び膜の表裏に連通した孔を有する極性
樹脂製多孔質基材膜の、全周辺端部における孔が閉塞さ
れていることを特徴とする電解質含浸膜。 (2)膜の全周辺端部がシールされている上記(1)の
電解質含浸膜。 (3)極性樹脂が、アクリロニトリル系樹脂、フッ化ビ
ニリデン系樹脂の群から選ばれた少なくとも1種からな
る上記(1)の電解質含浸膜。 (4)極性樹脂製多孔質基材膜が、その表面層に平均孔
径0.01μm〜10μmの開口部を複数有する上記
(1)の電解質含浸膜。 (5)極性樹脂製多孔質基材膜の全周辺端部において、
孔が該膜の構成樹脂によって閉塞されている上記(1)
の電解質含浸膜。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いる基材膜は、膜面方向およ膜の表裏に連通した孔を
有していることが必要である。その連通性を有すること
によって、リチウム塩を含有する非水電解液に浸漬する
だけで、その空孔中に非水電解液が短時間で含浸するこ
とが可能になる。電解液が含浸した多孔膜は、イオン伝
導度の高いポリマー膜になり、非水電池用の隔膜として
優れた性能を示す。基材膜の連通性はその透水性を測定
することによって評価することができる。この透水性
が、10〜100000リットル/m2 /hr/atm
の範囲が好ましく、1000〜50000リットル/m
2 /hr/atmの範囲が特に好ましい。10リットル
/m2 /hr/atm未満では、隔膜として使用した場
合の電池性能が劣る傾向が見られる。一方、10000
0リットル/m2 /hr/atmを超えると、耐漏液性
が劣る傾向がでてくる。
【0008】本発明の極性樹脂製多孔質基材膜を形成す
るポリマーは、アクリロニトリルホモポリマーおよびア
クリロニトリルと共重合可能なビニルモノマーとの共重
合体等のアクリロニトリル系樹脂、フッ化ビニリデンホ
モポリマーやフッ化ビニリデンと六フッ化プロピレンと
の共重合体等のフッ化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル系
樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、メタアクリレート系樹
脂、ポリエーテルケトンやポリエーテルエーテルケトン
等の芳香族ケトン系樹脂、ポリスルホン、ポリエーテル
スルホンの群から選ばれる少なくとも1種のポリマーで
ある。これらの樹脂は、ホモポリマーでも良いし、コポ
リマーでも良いが、電気化学的に安定であることが好ま
しい。これらのうちでも、アクリロニトリル系樹脂およ
びフッ化ビニリデン系樹脂が、長期的にも安定であっ
て、特に好ましい。上記以外のポリマーでは、連通性の
良好な多孔質膜を得ることが困難であったり、非水電解
液との親和性が低いために、例え端部の孔が閉塞されて
いたとしても、表面孔から容易に漏出してしまう傾向が
見られる。
【0009】膜の内部からの漏液を防止するためには、
本発明においては基材膜の全周辺端部において、孔が閉
塞されている必要がある。通常、基材膜の内部には、表
面層の開口部より比較的大きな孔が開いており、その孔
は三次元的に連通している。したがって、膜内部におけ
る膜面方向への液の流動性は、膜の両表面間の流動性よ
りはるかに大きい。そのため、膜厚方向に圧力が加わっ
たときに、膜の端部から電解液が漏出してしまう。膜の
全周辺端部において、膜内部の孔を閉塞させて膜中央部
と膜外部との連通性を絶つことによって、膜の内部に存
在する電解液が端部から漏出することが防止される。
【0010】本発明の膜の構造について、図を用いて具
体的に説明する。図1は膜の一例を示す平面図である。
図2は膜の他の例を示す平面図である。図3は、図1の
A−A’線における膜の断面の一部拡大図である。この
発明では、基材膜の周辺1の端部2の部分に、図3に示
す膜内部6の孔8が閉塞された、孔の閉塞部分4を有す
る。これによって、膜中央部3と膜外部7との孔による
連通性が絶たれており、電解液が漏出することを防止で
きる。孔の閉塞部4は、端部2内であれば任意の位置に
設けることができるが、できるだけ外側に近い方が漏液
防止の効果が大きくて好ましい。孔の閉塞部分4は、必
ずしも膜の周囲全体にわたって切れ目なく形成されてい
なくても良いが、好ましいのは、周囲全体がシールされ
ている膜である。なお、端部2とは、膜の最外周部から
膜面に沿って相対する辺までの直線距離の20%以内の
領域をいう。
【0011】膜の形状は、平面が図1の例のような長方
形でも、また、図2の例のような円形状であってもよ
く、電池の形状や性能によって適宜決定される。膜内部
の孔の閉塞方法は、特に限定されるものでなく、公知の
方法が実施できる。例えば、端部を接着剤等で封止する
方法や端部を加熱圧着する方法が実施できる。なかで
も、加熱圧着する方法が、最も簡便であり、不純物の混
入の懸念が少なくて好ましい。
【0012】一方、たとえ膜端部の孔が閉塞されていて
も、膜の表裏に連通している孔が存在するので、その表
面孔から電解液を含浸できる。この含浸速度を大きくと
り、かつ、逆にその表面孔からの電解液の漏出を防止す
るためには、膜表面の平均孔径が0.01μm〜10μ
mの範囲にあることが好ましい。膜表面の平均孔径が
0.01μm未満では、含浸速度が低下するし、10μ
mを超えると電解液の漏液性が大きくなる傾向が強くな
る。この値は、0.05μm〜5μmの範囲が特に好ま
しい。膜表面の平均孔径は、SEMによる画像解析によ
って求められる。特に、孔の形状が真円でない場合に
は、面積相当径を計算して求めることができる。
【0013】また、多孔質基材膜の表面孔径が、電極を
構成している活物質等の粒子径よりも十分小さいこと
が、内部短絡を防止する上で望ましい。一方、電解液の
含浸を容易にするためには、孔径を大きくした方が有利
である。従って、片側表面の平均孔径と他の表面の平均
孔径とが異なり、大きい方の平均孔径(ΦL)と小さい
方の平均孔径(ΦS)の比(ΦL/ΦS)が1.5以上
であることが好ましく、特に、その比が2以上であるこ
とが好ましい。1.5未満の場合には、電解液の含浸速
度が遅い場合がある。このような孔径比の膜の中でも、
片側表面側から他の表面側に向かって開口孔径が次第に
大きくなる傾斜構造をとる膜が、電解液の含浸が容易で
あると同時に内部短絡を起し難く、特に好ましい。
【0014】また、膜の表面孔の形状は、円形状または
楕円状であることが好ましい。楕円状の場合には、長径
と短径との比が、10以下であることが好ましく、5以
下であることが特に好ましい。この値が10を超える場
合や、延伸した膜においてしばしば観察されるスリット
状の場合には、孔の鋭角部分に応力が集中し易いため
に、電極の活物質粒子で押し広げられる力が加わった時
に容易に破壊が進行して短絡に至る傾向がある。
【0015】本発明において、極性製多孔質基材膜の空
隙率は、10%〜95%の範囲にあることが好ましく、
さらに好ましくは20%〜90%、さらに好ましくは4
0%〜85%である。10%未満では電解液を含浸した
ときのイオン伝導度が充分に高くなく、また95%を超
えると充分な強度が得られにくい。膜の厚さは、一般的
には1μm〜500μm程度、好ましくは10μm〜3
00μm、さらに好ましくは20μm〜100μmがよ
い。1μm未満では強度が必ずしも十分とはいえず、電
極間で短絡しやすくなる。また、500μmを越える膜
厚では、膜全体の実効電気抵抗が高くなりすぎるうえ、
電池の体積当たりのエネルギー密度が低くなる傾向があ
る。
【0016】本発明において、極性樹脂製多孔質基材膜
は、膜面方向および膜の表裏に連通した孔を有している
ことが必要であるが、その他の詳細な構造は特に限定さ
れるものではない。例えば、(a)少なくとも一方の表
面に内部よりも緻密な層を有し、内部に巨大空孔及び三
次元網目構造を有している膜、(b)少なくとも一方の
表面に内部よりも緻密な層を有し、内部が三次元網目構
造である膜、(c)表面及び内部とも三次元網目構造で
ある膜、(d)片側表面に緻密な層を有し、該表面層の
下部に巨大空孔からなる層とから構成される2層構造で
ある膜、(e)少なくとも両表面に緻密な層を有し、内
部に巨大空孔からなる層から構成される3層若しくは5
層構造の膜等が挙げられる。ここで巨大空孔とは、その
最大長径が膜厚の10%以上の長さである空孔をいう。
これらの構造の中でも、(a)、(b)及び(c)の膜
が、機械的強度が良好であるので好ましい。
【0017】本発明の膜は架橋されていてもよい。本発
明の極性樹脂の中には、例えばアクリロニトリル系樹脂
やフッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体等の
ように、リチウムイオン二次電池で用いられる有機電解
液によって膨潤する性質を有する場合がある。そのため
に、容易に変形してしまい、電極間の短絡を生じ易いこ
とがある。このような場合には、架橋構造を付与するこ
とによってその形態を保持させ短絡を防止できる。この
架橋構造は、重合時、多孔質基材膜の形成前、形成後の
どの段階でも導入することができるが、多孔質基材膜の
形成後に導入する方法が特に好ましい。
【0018】架橋の方法としては、重合時に多官能のモ
ノマーを用いる方法、重合後に電子線、γ線、X線、紫
外線等の輻射エネルギーを照射する方法、また、重合後
にラジカル開始剤を含有させて熱や輻射エネルギー照射
により反応させる方法、共重合体に含まれるアミド基や
カルボキシル基等をホルマリンあるいは多価アルコール
を用いて架橋する方法等を用いることができる。重合後
に架橋構造を導入する場合、新たに単官能または/およ
び多官能のモノマー成分を共存させておくこともでき
る。これらの方法の中でも、夾雑物や未反応官能基が残
存しにくいので、重合後、特に基材膜の形成後に、電子
線、γ線、X線、紫外線等の輻射エネルギーを照射する
方法が好ましい。
【0019】なかでも、膜厚が100μm以下の場合に
は、電子線照射による架橋が経済的であり、特に好まし
い。電子線照射により架橋を行う場合には、照射量は5
〜100Mradの範囲であることが好ましく、さらに
好ましくは10〜80Mradの範囲である。5Mra
d未満では架橋の効果が十分でなく、100Mradを
超えるとポリマーの崩壊が顕著になる傾向が生じる。
【0020】この架橋構造形成の確認は、未架橋ポリマ
ーが可溶な溶剤への溶解性により確認することができ
る。即ち、架橋構造を有する重合体は可溶性溶剤に溶解
しない成分を有し、均一溶解しないことから架橋構造形
成を判別することができる。極性樹脂製多孔質基材膜の
製造法は、特に限定されるものではなく、公知の溶融法
や湿式法等の方法が適用できる。例えば、特開昭49ー
53258号公報、特開昭53−41385号公報、特
開昭58−27728号公報、特開平3−215535
号公報、特公昭61−38207号公報、特開昭54−
16382号公報、特開昭58−91732号公報、特
開昭63−296940号公報の各公報に記載の方法等
で製膜することができる。
【0021】すなわち、溶融法は、重合体を可塑剤や無
機粉体等と共に溶融後、平膜状に成形し、その後に可塑
剤や無機粉体等を抽出除去する方法である。また、湿式
法は重合体を界面活性剤や添加剤等と共に溶媒に溶解し
ておき、この溶液を薄膜状で非溶媒中に浸漬することで
凝固させ、溶媒や界面活性剤及び添加剤等は洗浄除去
し、次いで、必要により熱水処理や湿熱処理を行った
後、乾燥処理を行う方法である。凝固させる段階におい
ては、ポリマー溶液を非溶媒中に直接平膜状に押し出し
て浸漬することにより、膜の両面に緻密な層を有する膜
が製造でき、また、ガラスのような基板上に流延したも
のを基板ごと非溶媒中に浸漬することによって、片面に
緻密な層を有するものが製造できる。さらに、原液組成
や非溶媒液組成やそれらの温度などの条件を適宜選択す
ることによって、緻密な層を全く有さないものを製造す
ることもできる。また、乾燥処理の前あるいは後に、必
要により延伸処理やスリット処理を行うこともできる。
【0022】上記のようにして得た多孔質基材膜は、そ
の後の任意の段階において、全周辺端部の孔を閉塞する
処理を行うことができる。例えば、使用製品の仕様に基
づいた寸法に加工した後に、その全周辺端部の孔を加熱
圧着あるいは接着剤の塗布等の手段によって閉塞したう
えで、必要な加工を施して使用製品に用いることができ
る。また、使用製品の仕様に基づいた寸法に加工し、使
用製品に組み込む途中あるいは組み込んだ後に、全周辺
端部の孔を加熱圧着あるいは接着剤の塗布等の手段によ
って閉塞したうえで、使用製品を完成させることもでき
る。
【0023】この発明の電解液含浸膜を製造する際、多
孔質基材膜を非水系電解液に浸漬して電解液を含浸させ
る工程は、膜の全周辺端部の孔を閉塞する前、または閉
塞後のいずれでも良い。電解液としては公知のものが用
いられる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下実施例によって本発明をさら
に詳細に説明する。本実施例および比較例では、エチレ
ンカーボネート/プロピレンカーボネート/γ−ブチロ
ラクトンの1:1:2混合溶媒にLiBF4 を1.5m
ol/リットルの濃度で溶解した液(富山薬品社製)を
電解液として用いた。なお、必要により以下の前処理を
行ったサンプルを用いて、下記のように測定を行った。 《前処理》膜サンプルを、100倍以上の重量のプロピ
レンカーボネートに室温で1時間浸漬した後、100倍
以上の重量の純水中に1時間浸漬した。次いで、20倍
量の重量のエタノール中に浸漬した後、60℃で真空乾
燥を4時間行った。
【0025】(1)断面構造及び表面平均孔径 断面構造は、膜サンプルを液体窒素を用いて凍結させた
後に割断し、その断面をSEM(日立製作所製SEM
S−800型)を用いて観察した。表面平均孔径は、上
記と同様にSEMを用いて膜表面を観察し、孔が円形で
ない場合には、画像解析を行って面積相当直径を求め、
その面積基準の平均値を平均孔径とした。 (2)厚みの測定 膜サンプルを表面が平滑なガラス板(厚み1mm)2枚
で挟み、その厚みをデジタルマイクロメーターで測定し
た。上記ガラス板2枚の厚みを別途測定し、前期測定値
からガラス板分の値を差し引いて求めた。
【0026】(3)空隙率の測定 膜サンプルをエタノール(特級試薬)に浸漬して親水化
処理を行ったのち、室温で2時間以上純水に浸漬して空
隙内を完全に純水で置換した。次いで、膜表面の水を拭
き取った後、空隙に純水を含む膜の重量(A)を測定し
た。続いて、該膜サンプルを真空中で60℃で4時間以
上乾燥して、空隙内の水を除去し、ポリマー部のみの重
量(B)を測定した。これらの重量と膜の構成ポリマー
及び水の真比重(dp、dw)とから、次式によって計
算で求めた。 空隙率(%)=((A−B)/dw)/(B/dp+
(A−B)/dw)×100 なお、水の真比重(dw)は1.0とした。 (4)透水量の測定 膜サンプルを直径25mmに打ち抜いた後、エタノール
(特級試薬)中に浸漬して親水化した。次いで超純水中
に浸漬して純水に置換し、該膜を有効面積3.5cm2
のメンブランフィルターホルダーに組み込んで超純水を
充たした。5分間1atmの静水圧をかけ、透過した水
の重量を測定した。この時の超純水の温度を測定し、そ
の温度での純水の真密度と粘度から、25℃における1
時間当たりかつ1m2 当たりの透水量(リットル/m2
/hr/atm、25℃)を計算した。
【0027】(5)イオン伝導度 膜サンプルを室温で電解液中に浸漬して、電解液を含浸
した。この電解液含浸膜をステンレス製電極で挟み込む
ことで電気化学セルを構成した。通常の交流インピーダ
ンス法に基づいて、この電極間に交流を印可して抵抗成
分を測定し、コールコールプロットの実数インピーダン
ス切片からイオン伝導度を計算した。なお、インピーダ
ンスの測定は、EG&G社、389型インピーダンスメ
ーターを用い、周波数100kHz〜10Hzで行っ
た。電解液の含浸と測定操作は露点−60℃以下のドラ
イ環境下で行った。
【0028】(6)耐漏液性 10×10cm角の膜サンプル20枚を60℃で真空乾
燥した後、総重量を精秤して膜の乾燥重量(Wp)を求
めた。次いで、室温で電解液中に浸漬して、電解液を含
浸した。この電解液含浸膜の表面に付着した電解液を拭
き取ったのち、20枚の総重量を精秤して電解液含浸膜
重量(Wx)を求めた。該電解液含浸膜20枚を厚み1
mmのSUS製板に挟み、油圧プレスを用いて20kg
/cm2 の圧力を加えながら5分間保持した。このとき
油圧プレス台を10度手前に傾斜させた状態に保持し、
膜から滲み出てきた液が、流れて膜から離れるようにし
た。その後、圧力を開放して電解液含浸膜を回収し、そ
の総重量(Wy)を精秤して、次式によって漏液率を計
算した。 漏液率(%)=((Wx−Wy)/(Wx−Wp))×
100
【0029】
【実施例1】 (基材膜の製造)フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプ
ロピレン共重合体(エルフ アトケム製Kynar28
01:ヘキサフルオロプロピレン12wt%含有品)1
7重量部、ポリビニルピロリドン(BASF製K−3
0)15重量部、N−メチルピロリドン(東京化成社製
特級試薬)68重量部からなる溶液を調製し、50℃で
ガラス板上にキャストした。直ちに30℃の75wt%
N−メチルピロリドン水溶液中に浸漬して凝固させ、
水、エタノールで洗浄後乾燥した。次いで、該多孔質膜
に電子線照射(照射量30Mrad)し、架橋した多孔
質膜を作成した。
【0030】上記の架橋した多孔質膜の断面を観察する
と、両表面に比較的緻密な層を有していて、内部は数μ
m〜10μm以上の空孔が連通した三次元網目構造をと
っていた。両表面の平均孔径は、それぞれ0.5μm、
2.7μmであり、その比が5.4であった。該多孔質
膜は、膜厚65μm、空隙率68%であり、透水量が9
300(リットル/m2 /hr/atm、25℃)であ
った。該多孔質膜を10×10cmの大きさにカット
し、全周辺(10cmの4辺)の最外周部から5mmの
部分をヒートシーラーを用いて加熱圧着した。この膜の
端部断面をSEMで観察したところ、膜内部の孔が閉塞
され、膜中央部側と膜外部との連通性が絶たれていた。 (電解液含浸膜の製造)該多孔質膜を電解液中に浸漬し
たところ、数秒以内に含浸し、完全に透明になった。こ
の電解液含浸膜のイオン伝導度は1.3mS/cmであ
った。該電解液含浸膜の耐漏液性を調べたところ、漏液
率が1%未満でしかなく、良好な耐漏液性を有している
ことが確認された。
【0031】
【実施例2】 (基材膜の製造)フッ化ビニリデン重合体(呉羽化学製
KF#1000:ホモポリマー)17.2重量部、ポ
リエチレングリール#200(和光純薬工業製)11.
5重量部、界面活性剤(花王製:Tween80)0.
8重量部、ジメチルアセトアミド(東京化成社製特級試
薬)70.5重量部からなる溶液を調製し、60℃でガ
ラス板上にキャストした。直ちに70℃の水中に浸漬し
て凝固させ、水、エタノールで洗浄後乾燥して多孔質膜
を作成した。
【0032】該多孔質膜の断面を観察すると、両表面に
比較的緻密な層を有していて、内部には約20μmの巨
大空孔部と三次元網目構造部を有していた。両表面の平
均孔径は、それぞれ0.1μm、0.3μmであり、そ
の比が3.0であった。該多孔質膜は、膜厚50μm、
空隙率81%であり、透水量が1090(リットル/m
2 /hr/atm、25℃)であった。 (含浸膜の製造)該多孔質膜を電解液中に浸漬したとこ
ろ、数秒以内に含浸し、完全に透明になった。この電解
液含浸膜を100℃で30分間加熱したのち、室温に戻
した。この電解液含浸膜のイオン伝導度は1.0mS/
cmであった。
【0033】該多孔質膜を10×10cmの大きさにカ
ットし、全周辺(10cmの4辺)の最外周部から5m
mの位置をヒートシーラーを用いて加熱圧着した。この
膜の端部断面をSEMで観察したところ、膜内部の孔が
閉塞され、膜中央部側と膜外部との連通性が絶たれてい
た。該電解液含浸膜の耐漏液性を調べたところ、漏液率
1%未満でしかなく、良好な耐漏液性を有していること
が確認された。
【0034】
【実施例3】 (基材膜の製造)アクリロニトリルホモポリマー(極限
粘度1.1)16重量部、ジメチルスルホキシド(東京
化成社製特級試薬)68重量部、ポリエチレングリコー
ル#600(和光純薬社製一級試薬)16重量部からな
る溶液を調製した。この原液を80℃でガラス板上に流
延したのち、60℃の60重量%ジメチルスルホキシド
水溶液中に浸漬して凝固させたのち、大量の水で洗浄し
た。次いで、緊張状態で90℃の熱水中に10分間保持
したのち、2軸延伸機で1.2倍に延伸し、50℃で乾
燥して多孔質膜を得た。次いで、該多孔質膜に電子線照
射(照射量20Mrad)し、架橋した多孔質膜を作成
した。
【0035】上記の架橋した多孔質膜の断面を観察する
と、片側最表面に約0.5μmの厚みの緻密な層を有し
ていて、内部に三次元網目構造を有していた。両表面に
は円形状の孔が開口しており、その平均孔径は、それぞ
れ0.07μm、1.2μmであった。すなわち、両表
面の孔径比が17である。該多孔質膜は、膜厚35μ
m、空隙率77%であり、透水量が850(リットル/
2 /hr/atm、25℃)であった。 (含浸膜の製造)該多孔質膜を電解液中に浸漬したとこ
ろ、数秒以内に含浸し、完全に透明になった。この電解
液含浸膜を60℃で30分間加熱したのち、室温に戻し
た。この膜のイオン伝導度は1.2mS/cmであっ
た。
【0036】該電解液含浸膜を10×10cmの大きさ
にカットし、全周辺(10cmの4辺)の最外周部から
5mmの位置をヒートシーラーを用いて加熱圧着した。
この膜の端部断面をSEMで観察したところ、膜内部の
孔が閉塞され、膜中央部側と膜外部との連通性が絶たれ
ていた。該電解液含浸膜の耐漏液性を調べたところ、漏
液率が1%未満でしかなく、良好な耐漏液性を有してい
ることが確認された。
【0037】
【実施例4】 (基材膜の製造)アクリロニトリル/メチルアクリレー
ト/メタリルスルホン酸ソーダ3元系共重合体(それぞ
れ95/4.5/0.5重量%、極限粘度1.2)17
重量部、硝酸(東京化成社製特級試薬)83重量部とか
らなる溶液を調製して5℃に保持し、ガラス板上に流延
した。20℃に温調した水中に浸漬して凝固させたの
ち、大量の水で洗浄した。次いで、緊張状態で90℃の
熱水中に10分間保持したのち、2軸延伸機で1.3倍
に延伸し、50℃で乾燥して多孔質膜を得た。該多孔質
膜に電子線照射(照射量45Mrad)し、架橋した多
孔質膜を作成した。
【0038】上記の架橋した多孔質膜の断面を観察する
と、片側表面に比較的緻密な層を有していて、内部には
膜厚方向の長さが約25μmである巨大空孔と三次元網
目構造を有していた。両表面の平均孔径はそれぞれ0.
1μm、0.3μmであり、その比が3.0であった。
該多孔質膜は、膜厚80μm、空隙率72%であり、透
水量が900(リットル/m2 /hr/atm、25
℃)であった。 (含浸膜の製造)該多孔質膜を電解液中に浸漬したとこ
ろ、数秒以内に含浸し、完全に透明になった。この電解
液含浸膜のイオン伝導度は1.5mS/cmであった。
【0039】該電解液含浸膜を10×10cmの大きさ
にカットし、全周辺(10cmの4辺)の最外周部から
5mmの位置をヒートシーラーを用いて加熱圧着した。
この膜の端部断面をSEMで観察したところ、膜内部の
孔が閉塞され、膜中央部側と膜外部との連通性が絶たれ
ていた。該電解液含浸膜の耐漏液性を調べたところ、漏
液率が1%未満でしかなく、良好な耐漏液性を有してい
ることが確認された。
【0040】
【実施例5】 (基材膜の製造)アクリロニトリル/メチルアクリレー
ト/メタリルスルホン酸ソーダ3元系共重合体(それぞ
れ95/4.5/0.5重量%、極限粘度1.2)16
重量部、プロピレンカーボネート(東京化成社製特級試
薬)34重量部、ジメチルスルホキシド(東京化成社製
特級試薬)34重量部、ポリビニルピロリドン(BAS
F社製K−17)16重量部からなる溶液を調製した。
この原液を80℃でガラス板上に流延したのち、60℃
の80重量%ジメチルスルホキシド水溶液中に浸漬して
凝固させた。次いで、大量の水で水洗し、緊張状態で9
0℃の熱水中に30分間浸漬したのち、50℃で乾燥し
て多孔質膜を得た。該多孔質膜に電子線照射(照射量3
0Mrad)し、架橋した多孔質膜を作成した。
【0041】上記の架橋した多孔質膜の断面を観察する
と、片側表面に比較的緻密な三次元網目構造の層を有し
ていて、内部は比較的孔径の大きな空孔が連結した三次
元網目構造であった。両表面には円形状の孔が開口して
おり、その平均孔径は、それぞれ0.5μm、1.8μ
mであった。すなわち、両表面の孔径比が3.6であ
る。該多孔質膜は、膜厚45μm、空隙率70%であ
り、透水量が1000(リットル/m2 /hr/at
m、25℃)であった。
【0042】該多孔質膜を11.5×11.5cmの大
きさにカットし、全周辺(11.5cmの4辺)の最外
周部から20mmの間の全領域に、本実施例と同じアク
リロニトリル系共重合体を10重量%で溶解したNMP
溶液を塗布し、該塗布部分を加圧しながら60℃で真空
乾燥した。次いで、全周辺の最外周部から15mmづつ
をカットして、カット後の最外周部から5mmの部分の
孔が閉塞された10×10cmの多孔質膜を作成した。
【0043】この膜の端部断面をSEMで観察したとこ
ろ、膜内部の孔が閉塞され、膜中央部側と膜外部との連
通性が絶たれていた。 (含浸膜の製造)該多孔質膜を電解液中に浸漬したとこ
ろ、数秒以内に含浸し、完全に透明になった。この電解
液含浸膜のイオン伝導度は1.4mS/cmであった。
該電解液含浸膜の耐漏液性を調べたところ、漏液率1%
でしかなく、良好な耐漏液性を有していることが確認さ
れた。
【0044】
【比較例1】膜の周辺端部における孔の閉塞処理を行わ
なかった以外は、実施例1と同様にしてフッ化ビニリデ
ン系樹脂製多孔質膜を作成した。この膜の端部断面をS
EMで観察したところ、膜内部の孔が、膜中央部側と膜
外部とで連通していた。該多孔質膜を電解液中に浸漬し
たところ、数秒以内に含浸し、完全に透明になった。こ
の電解液含浸膜の室温におけるイオン伝導度は1.3m
S/cmであったが、耐漏液性を調べたところ、漏液率
は29%であった。
【0045】
【比較例2】膜の周辺端部における孔の閉塞処理を行わ
なかった以外は、実施例2と同様にしてポリフッ化ビニ
リデン製電解液含浸膜を作成した。この膜の端部断面を
SEMで観察したところ、膜内部の孔が、膜中央部側と
膜外部とで連通していた。この電解液含浸膜の耐漏液性
を調べたところ、漏液率は42%であった。
【0046】
【比較例3】膜の周辺端部における孔の閉塞処理を行わ
なかった他は、実施例3と同様にしてポリアクリロニト
リル製電解液含浸膜を作成した。この膜の端部断面をS
EMで観察したところ、膜内部の孔が、膜中央部側と膜
外部とで連通していた。この電解液含浸膜の耐漏液性を
調べたところ、漏液率は26%であった。
【0047】
【比較例4】ポリプロピレン(三井東圧社製、EBグレ
ード)45重量部とジシクロヘキシルフタレート55重
量部とを2軸押出機で溶融ブレンドしてペレット化し
た。次いで押出機を用いてTダイより薄膜状に押出し、
水槽に導いて冷却した。次に、該薄膜を1−1−1トリ
クロロエタンに浸漬して、膜中のジシクロヘキシルフタ
レートを抽出した。その後、延伸装置を用いて130℃
で2.2倍に延伸して多孔質膜を得た。
【0048】該多孔質膜は、両表面にほぼ円形状の孔が
開口しており、その平均孔径は0.5μmであり、膜厚
35μm、空隙率65%であった。該多孔質膜を10×
10cmの大きさにカットし、実施例1と同様にして全
周辺部の孔の閉塞処理した。この膜の端部断面をSEM
で観察したところ、膜内部の孔が閉塞され、膜中央部側
と膜外部との連通性が絶たれていた。次に、密封できる
ガラス容器に該多孔膜を入れて、容器内を10mmHg
以下に減圧した。その後、減圧した容器内に電解液を注
入し、30分間放置して含浸させた。この電解液含浸膜
の耐漏液性を調べたところ、漏液率は66%であった。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、リチウムイオン含有非
水電解液を含浸した極性樹脂製多孔質基材膜に外圧が加
わった場合でも、電解液が漏液し難いという効果が得ら
れる。したがって、本発明の電解液含浸膜は、リチウム
イオンポリマー電池等非水系電池用の隔膜材料として有
用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例を示す膜の平面図である。
【図2】本発明の他の例を示す膜の平面図である。
【図3】図1におけるA−A’線における膜の断面の一
部拡大図である。
【符号の説明】
1 膜の周辺 2 膜の端部 3 膜中央部 4 孔の閉塞部分 5 膜の表(裏)面 6 膜内部 7 膜外部 8 孔

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膜面方向および膜の表裏に連通した孔を
    有する極性樹脂製多孔質基材膜の、全周辺端部における
    孔が閉塞されていることを特徴とする電解質含浸膜。
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