JPH1192499A - ヒト成長ホルモン変異体 - Google Patents

ヒト成長ホルモン変異体

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JPH1192499A
JPH1192499A JP9275277A JP27527797A JPH1192499A JP H1192499 A JPH1192499 A JP H1192499A JP 9275277 A JP9275277 A JP 9275277A JP 27527797 A JP27527797 A JP 27527797A JP H1192499 A JPH1192499 A JP H1192499A
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JP
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hgh
mutant
leu
growth hormone
lys
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JP9275277A
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Kunio Nakajima
邦夫 中島
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Sumitomo Pharma Co Ltd
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Sumitomo Pharmaceuticals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】血液中でのプロテアーゼに分解されにくいhG
H変異体を提供する。 【解決手段】天然型hGH配列134位Arg、135
位ThrをそれぞれAsp、Proに置換したhGH変
異体は、スロンビンに極めて分解されにくく、血中で安
定である。かつ天然型hGHと同様の生理活性を示す。
さらに、140位LysをAlaに変換したhGH(1
34Asp/135Pro/140Ala)は、プラス
ミンにも耐性を示し、実質上、血中では分解されない優
れたhGH変異体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、対分解酵素耐性を
高められた、ヒト成長ホルモン(以下、hGH)の変異
体、より詳しくは、血液中のプロテアーゼである、トロ
ンビンまたはプラスミンによる分解を受けにくいhGH
変異体に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、小人症治療などに用いられている
hGH医薬製剤は、主に組換え製法〔日本特許2521
413号など〕によるものであり、アミノ酸191個、
分子量約22kDの天然hGHと同一のアミノ酸配列を
有する。このような組換えhGHは、臨床応用された組
換えタンパクとして最も成功したもののひとつである
が、近年、hGHのアミノ酸を一部改変して、hGHタ
ンパク製剤の体内動態をさらに好ましいものにする技術
が試みられている。
【0003】即ち、元々の生理活性を保ちつつ、安定性
などの面で好ましい特性を示すhGHの改変体が種々特
許出願されている。代表的なものを下記に列挙する。 (1)149位AsnをAspに置換したもの〔特開平
1−275599〕。 (2)成長ホルモン中のシステイン残基の改変体〔特開
平3−4797〕。 (3)αヘリックス3領域の改変体〔特開平5−704
97〕。 (4)αヘリックス1領域の改変体〔特開平5−105
634〕。 (5)140位Lysのアミノ酸置換改変体〔特開平5
−199880〕。 (6)134位ArgをAla、Leu、Thr、Ph
e、Pro又はHisに置換したもの〔特開平5−31
0794〕。 特に、(6)特開平5−310794では、134位A
rgを別の中性あるいは弱塩基性のアミノ酸に置換し
て、天然型hGHとほぼ同等の活性を示す組換えhGH
変異体を得ている。134位、135位の間のファクタ
ーXaによる分解を防ぐとされている。また、(5)特
開平5−199880には、140位LysをAsnに
置換したものが開示されている。
【0004】しかしながら、(6)のhGH変異体が耐
性を示すとされるファクターXaは、血液由来のプロテ
アーゼとしては主要なものではない。この変異体が、プ
ラスミンやスロンビンのような血液中により多く存在す
るプロテアーゼに対して、耐性を示すかどうか、また、
血液中で安定かどうかは、同出願に開示されていない。
(5)に開示された変異体も、プラスミンやスロンビン
に対して安定であるということは示唆されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、天然
型hGHとほぼ同等の活性を示し、かつ生体への投与
時、血液中での安定性を高められた改変タンパク質を提
供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々のh
GHアミノ酸配列改変体を作成し、その対プロテアーゼ
安定性を評価した。その結果、プラスミンによる分解箇
所134位ArgをAspに、135位ThrをPro
に、更には140位LysをAlaに変換したhGH
が、hGH活性を損なうことなく、血液中での高い安定
性を示すことを見いだし、本発明を完成した。特に、1
34位の変換は、強塩基性残基Argから酸性残基As
pに変えるという、従前知られている置換より激しいも
のであったが、驚くべきことに生理活性は殆ど低下しな
かった。
【0007】すなわち、本発明は、下記の医薬に関する
ものである。 (1)天然型ヒト22kDa成長ホルモン(hGH)の
アミノ酸配列1−191位において、134位アルギニ
ン(Arg)および135位スレオニン(Thr)が、
それぞれアスパラギン酸(Asp)およびプロリン(P
ro)に、置換されており、スロンビンによる分解に耐
性を有することを特徴とするヒト成長ホルモン変異体。 (2)140位リジン(Lys)が、アラニン(Al
a)に置換されていることを特徴とする(1)のヒト成
長ホルモン変異体。 (3)天然型ヒト22kDa成長ホルモン(hGH)の
アミノ酸配列において、134位アルギニン(Ar
g)、135位スレオニン(Thr)および140位リ
ジン(Lys)が、それぞれアスパラギン酸(As
p)、プロリン(Pro)、およびアラニン(Ala)
に置換されており、スロンビンおよびプラスミンによる
分解に耐性を有するヒト成長ホルモン変異体。 (4)(1)〜(3)のヒト成長ホルモン変異体を有効
成分として含有する医薬製剤。
【0008】以下、詳細に本発明を説明する。本明細書
において、「天然型ヒト22kDa成長ホルモンのアミ
ノ酸配列」とは、日本特許2521413号、第20
頁、図8に記載されたアミノ酸配列1−191(配列番
号1)を意味する。本発明のヒト成長ホルモン変異体
は、上記のアミノ酸配列における134位Arg→As
p、135位Thr→Proおよび/または140位L
ys→Ala置換がなされたhGH活性を有するタンパ
ク質を言い、抗スロンビン、抗プラスミンあるいは、血
漿中で分解されにくいという特性を有する限り、その他
の位置のアミノ酸配列が置換、除去、付加等されていて
も、本発明の技術範囲に入るものとする。なお、hGH
活性とは、主として成長期にある、ヒトの脳を除く全組
織(特に骨)を成長させる総合的な成長促進活性を意味
する。すなわち、(1)ソマトメジン(IGF−I)誘
導を介した骨や軟骨の増殖促進作用、(2)アミノ酸の
細胞への取り込みとタンパク合成の促進、タンパク分解
の抑制作用、(3)中性脂肪代謝促進作用、(4)糖代
謝促進作用、(5)Na、K等、電解質貯留促進作用、
など公知のhGH生理活性の全部または一部を意味する
ものである。
【0009】「スロンビンによる分解に耐性を示す」と
は、hGH変異体の10分の1量(重量比)のスロンビ
ンと37℃24時間反応させたときに、実質的にhGH
変異体タンパクが分解されないことを言い、具体的に
は、SDS−PAGE分析で反応液からhGH(分子
量:約22kD)より分子量の小さいフラグメントが検
出されないことを意味する。
【0010】「プラスミンによる分解に耐性を示す」と
は、hGH変異体の20分の1量(重量比)のプラスミ
ンと37℃24時間反応させたときに、実質的にhGH
変異体タンパクが分解されないことを言い、具体的に
は、SDS−PAGE分析で反応液からhGH(分子
量:約22kD)より分子量の小さいフラグメントが検
出されないことを意味する。
【0011】(製造方法)本発明のhGH変異体の生産
方法としては、主に大腸菌を宿主に用いた組換え技術が
用いられる。天然型hGHのアミノ酸配列をコードする
DNA配列を含む公知のベクターを用い、134、13
5、および140位の改変を部位特異的突然変異法な
ど、自体公知の方法で行う。hGH変異体をコードする
ベクターを取得後、大腸菌などの宿主で、hGH変異体
を発現させ、製造することができる。
【0012】(hGH変異体遺伝子の取得)配列番号1
で示されるhGH・DNA配列を含むベクターを用い
て、本発明のhGH変異体の発現ベクターを構築する。
原料となるベクターは、公知のhGH遺伝子含有ベクタ
ーであれば、特に制限されないが、代表的なものとし
て、pKKhGH1〔Yamakawa,M.eta
l.、Biochimica et Biophysi
ca Acta 1009巻、156−160頁、(1
989)〕が挙げられる。134、135および140
位の置換には、オリゴヌクレオチドを用いた部位特異的
突然変異法が便利である。オリゴヌクレオチドプライマ
ーは、特に制限されないが、配列番号2〜配列番号5の
プライマーが好適である。
【0013】(発現ベクターの構築)発現ベクターに
は、適当な大腸菌、枯草菌、酵母、動物昆虫細胞等の宿
主内で増殖できるプラスミドやファージが選ばれるが、
例えば、大腸菌由来のpBR322、pBR325、
〔Gene、4巻121頁(1978)〕、pUC1
8、枯草菌由来pUB110〔Biochem.Bio
phys.Res.Commun.112巻,678頁
(1983)〕、COS細胞に好適なpCDM8等が挙
げられる。cDNAをプラスミドに組み込む方法として
は、常法が、マニアティス(T.Maniatis)
他、モレキュラー・クローニング(Molecular
cloning)、コールドスプリング ハーバー
ラボラトリー(Cold spring harbar
lab.)239頁(1982)に記載されている。
【0014】(宿主)宿主は、特に限定されないが、大
腸菌が大量生産に便利である。その他、細菌としては、
枯草菌(バチルス類)等、酵母としては、サッカロマイ
セス属、トルラ属、ピキア属等、動物細胞としては、C
OS細胞、CHO細胞、NSO細胞等が代表例である。
培養昆虫細胞、真菌、植物細胞、単細胞系だけでなく、
目的蛋白質遺伝子を組み込まれた昆虫や哺乳類、植物も
宿主の範疇に入る。
【0015】(活性測定)形質転換体から、公知の方
法、例えば、コロニー・ハイブリダイゼイション法〔G
ene,10巻 63頁(1980)〕およびDNA塩
基配列決定法〔Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA 74巻560頁(1977)〕を用い、所
望のクローンを選出する。また、COS細胞にて一過性
に発現させ、培養上清の生理活性を評価してクローン選
択することも可能である。発現されたhGH変異体蛋白
の生理活性は、Nb2細胞などの培養細胞の増殖促進作
用を測定することにより評価できる〔Gout,P.
W.et al.Cancer Research、第
40巻、2433−2436頁(1980)〕。
【0016】(精製)組換え技術により生産されたhG
H変異体蛋白は、生化学の分野で常用される精製方法に
て精製が可能である。イオン交換クロマトグラフィー、
ゲル濾過、逆相HPLC、硫安沈澱、限外濾過、SDS
−PAGEなどが適宜組み合わせて用いられる。hGH
に対する特異的抗体を用いた抗体カラムクロマトグラフ
ィーなども大量精製に好適である。hGH変異体蛋白に
対する抗体は、ポリクローナル、モノクローナル共に、
自体公知の方法で作製し得る。hGH特異的抗体は抗体
カラムに使用出来るだけでなく、ELISA等の免疫化
学的定量法に使用できる。
【0017】(製剤)製剤としては、注射剤、経口剤、
液剤、凍結乾燥品いずれも用いることが出来るが、特に
皮下投与用注射製剤が好ましい。これら非経口投与製剤
には、当該分野にて公知の安定化剤、担体を用いること
ができ、使用時に等張溶液として用いるのが好ましい。
医薬担体としては、例えば、アルブミン等の血漿由来蛋
白、グリシン等のアミノ酸、マンニトール等の糖を用い
ることができ、通常、皮下あるいは筋肉内投与用凍結乾
燥製剤に用いられる。また、水溶製剤、凍結乾燥製剤と
して使用する場合、凝集を防ぐためにTween80な
どの界面活性剤を添加するのが好ましい。長期の薬効を
要する場合は、公知のタンパク徐放性製剤用担体(コラ
ーゲン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、シリコンなど)
を用いて製剤する事もできる。
【0018】(使用方法および毒性)本発明のhGH変
異体製剤は、公知のhGH製剤と同様に使用しうる。h
GH変異体製剤の投与方法は、皮下投与、静脈投与、筋
肉内投与、いずれも可能であるが、皮下投与が通常用い
られる。hGHの投与量および投与回数は、患者の状態
や年令性別等により、適宜増減すべきものではあるが、
下垂体性小人症治療には、一般的には、体重kg当た
り、0.5IUを2〜4回/週投与する。hGHは過去
10年以上、臨床で使用された実績があり、本発明の変
異体もhGHと同様の生理活性を示すことから毒性は低
いと考えられる。
【0019】
【発明の効果】本発明のhGH変異体は、天然型hGH
とほぼ同等の活性を示し、かつ血液あるいは体液中で優
れた安定性を示す。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例にて説明する。 実施例1 ベクターの構築 ・hGH(R134D/T135P)をコードするDN
A ヒトhGH変異体の構造遺伝子に相当するDNA断片
(配列番号1)を担持するプラスミドpKKhGH1
と、大腸菌発現ベクターであるpUC18(ファルマシ
ア&アップジョン社)をXbaIとHindIIIで切
断し、つなぎ合わせて、pUC18hGHを得る。この
プラスミドと、プライマー1(配列番号2)とプライマ
ー2(配列番号3)を用いたPCRにより、134位に
Asp、135位にProをコードするDNA配列を導
入、hGH変異体DNA断片を増幅した(図1)。その
後、pCRTMII(インビトロゲン社)にて当該DN
A断片をクローニングし、これとpKKhGH1をXb
aIとBglIIでつないで、プラスミドpKKhGH
5を得た。このプラスミドは、hGH(R134D/T
135P)の遺伝子を担持する(図2)。 ・hGH(K140A)をコードするDNA 前記プラスミドpUC18hGHと、プライマー3(配
列番号4)とプライマー4(配列番号5)を用いたPC
Rにより、140位にAlaコドンを導入、hGH変異
体DNA断片を増幅した(図1)。その後、これとpK
KhGH1をHindIIIとBglIIでつないで、
プラスミドpKKhGH6を得た。このプラスミドは、
hGH(K140A)の遺伝子を担持する(図2)。 ・hGH(R134D/T135P/K140A)をコ
ードするDNA 前記プラスミドpKKhGH5とpKKhGH6をHi
ndIIIとBglIIでつないで、プラスミドpKK
hGH7を得た。このプラスミドは、hGH(R134
D/T135P/K140A)の遺伝子を担持する(図
2)。
【0021】実施例2 発現 実施例1で得られたhGH(R134D/T135
P)、hGH(K140A)、hGH(R134D/T
135P/K140A)をコードするDNA配列を、t
acプロモーターを有するプラスミドpKK223−3
(ファルマシア&アップジョン社)〔De Berr,
H.A.et al.Proc.Natl.Acad.
Sci.USA、第80巻、21−25頁(198
3)〕に導入し、それぞれの発現ベクターを得た。そし
て、常法に従って、大腸菌(JM103株)を形質転換
し、hGH(R134D/T135P)、hGH(K1
40A)およびhGH(R134D/T135P/K1
40A)発現株を培養して、ヒトhGH変異体の発現と
生産を行った。培養条件は、下記の通りである。なお、
対照として、pKKhGH1由来の天然型hGH遺伝子
も同じ条件で発現させた。hGH(R134D/T13
5P/K140A)の全アミノ酸配列は、配列番号6に
示される。
【0022】各hGH変異体発現ベクターで形質転換さ
れたJM103株を、アンピシリン50μg/mlおよ
びIPTG1mMを含むLB培地500ml:4本に植
え込み、37℃で36時間振とう培養した。IPTGを
培養の最初から系に添加することにより、良い発現効率
が得られた。
【0023】実施例3 抽出精製 培地から回収した菌体を遠心分離で集め、破砕後、不溶
性画分より、デタージェント処理にてhGH変異体を可
溶化し回収した。粗抽出液は(1)ミクロフィルター濾
過、(2)セファクリル S−200ゲル濾過、(3)
DEAEセファロースCL−6Bイオン交換クロマトグ
ラフィーを行い、精製した。hGH変異体は、いずれも
上記の処理でほぼ均一にまで精製された(図3、図
4)。
【0024】実施例4 hGH活性 精製されたhGH変異体を用いて、Goutらの方法
〔Gout,P.W.etal.Cancer Res
earch、第40巻、2433−2436頁(198
0)(前出)〕に従って、細胞増殖活性を評価した。即
ち、1x105個のNb細胞をシャーレに播種し、各h
GH変異体と陽性対照として天然型hGHとプロラクチ
ン10ng/mlを添加して(各3連)、24時間ごと
の細胞数を3日目までカウントした。hGH変異体はす
べて陽性対照と同じ活性を示した(図5)。
【0025】実施例5 対スロンビン耐性 精製されたhGH変異体を用いて、スロンビン分解に対
する耐性を検討した。即ち、各hGH変異体と対照とし
て天然型hGH、各5μgを1/10量(重量比)のス
ロンビンと、0.15MNaCl存在下、pH7.4の
トリス塩酸緩衝液中で37℃24時間インキュベート
し、培養液をTricine SDS−PAGEで分析
した。天然型hGHとhGH(K140A)は、ほぼ1
00%分解され、分解産物F−IとF−IIになった
が、hGH(R134D/T135P)およびhGH
(R134D/T135P/K140A)は全く変化し
なかった(図6)。
【0026】実施例6 対プラスミン耐性 精製されたhGH変異体を用いて、プラスミン分解に対
する耐性を検討した。即ち、各hGH変異体と対照とし
て天然型hGH、各5μgを1/20量(重量比)のプ
ラスミンと、0.15MNaCl存在下、pH7.4の
トリス塩酸緩衝液中で37℃24時間インキュベート
し、培養液をTricine SDS−PAGEで分析
した。天然型hGHとhGH(K140A)は、ほぼ1
00%分解され、分解産物F−IaとF−IIになっ
た。また、hGH(R134D/T135P)は、分解
されて、分解産物F−IbとF−IIとして検出され
た。しかし、hGH(R134D/T135P/K14
0A)は全く分解されなかった(図7)。
【0027】実施例7 血漿中安定性 精製されたhGH変異体を用いて、血漿中での安定性を
検討した。即ち、hGH変異体と対照として天然型hG
H、各5μgを25μlのヒト血漿を含む100μlP
BSと37℃でインキュベートした。1日および7日後
の反応液をウェスタンブロットで分析した。天然型hG
HとhGH(K140A)は、1日目でかなり分解され
たが、hGH(R134D/T135P)では、分解産
物は認められなかった。さらに、hGH(R134D/
T135P/K140A)では1日目、7日目を通し
て、殆ど全く分解産物は認められなかった(図8)。
【0028】実施例8 製剤例1 本発明のhGH変異体製剤のうち、代表的なものである
皮下投与用凍結乾燥あるいは水性製剤は、以下のように
製造することができる。 (1)精製組換えhGH変異体1mgに対し、グリシン
0.34mg、マンニトール9mg、非イオン性界面活
性剤:ポリソルベート80、0.2mgを加え、燐酸緩
衝液1ml(pH7.4、5mM)に溶解させ、hGH
変異体水溶液を得る。無菌的にバイアル充填し、常法に
従って凍結乾燥して、hGH変異体凍結乾燥製剤を得
る。(2)150mM塩化ナトリウム、0.01%ポリ
ソルベート80を含有する10mMクエン酸緩衝液(p
H6.0)でhGH変異体を5mg/mlになるように
調製し、hGH変異体水溶液を得る。
【0029】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:191 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源 生物名:ヒト 配列 Phe Pro Thr Ile Pro Leu Ser Arg Leu Phe Asp Asn Ala Met Leu Arg 1 5 10 15 Ala His Arg Leu His Gln Leu Ala Phe Asp Thr Tyr Gln Glu Phe Glu 20 25 30 Glu Ala Tyr Ile Pro Lys Glu Gln Lys Tyr Ser Phe Leu Gln Asn Pro 35 40 45 Gln Thr Ser Leu Cys Phe Ser Glu Ser Ile Pro Thr Pro Ser Asn Arg 50 55 60 Glu Glu Thr Gln Gln Lys Ser Asn Leu Glu Leu Leu Arg Ile Ser Leu 65 70 75 80 Leu Leu Ile Gln Ser Trp Leu Glu Pro Val Gln Phe Leu Arg Ser Val 85 90 95 Phe Ala Asn Ser Leu Val Tyr Gly Ala Ser Asp Ser Asn Val Tyr Asp 100 105 110 Leu Leu Lys Asp Leu Glu Glu Gly Ile Gln Thr Leu Met Gly Arg Leu 115 120 125 Glu Asp Gly Ser Pro Arg Thr Gly Gln Ile Phe Lys Gln Thr Tyr Ser 130 135 140 Lys Phe Asp Thr Asn Ser His Asn Asp Asp Ala Leu Leu Lys Asn Tyr 145 150 155 160 Gly Leu Leu Tyr Cys Phe Arg Lys Asp Met Asp Lys Val Glu Thr Phe 165 170 175 Leu Arg Ile Val Gln Cys Arg Ser Val Glu Gly Ser Cys Gly Phe 180 185 190
【0030】配列番号:2 配列の長さ:19bp 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列: GGAAACAGCT ATGACCATG
【0031】配列番号:3 配列の長さ:30bp 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列: GAAGATCTGC CCTGGATCGG GGCTGCCATC
【0032】配列番号:4 配列の長さ:30bp 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列: CAGATCTTCG CTCAGACCTA CAGCAAGTTC
【0033】配列番号:5 配列の長さ:20bp 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列: CAAGCTTGGC TGCAGGTCGA
【0034】配列番号:6 配列の長さ:191 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源 生物名:ヒト 配列 Phe Pro Thr Ile Pro Leu Ser Arg Leu Phe Asp Asn Ala Met Leu Arg 1 5 10 15 Ala His Arg Leu His Gln Leu Ala Phe Asp Thr Tyr Gln Glu Phe Glu 20 25 30 Glu Ala Tyr Ile Pro Lys Glu Gln Lys Tyr Ser Phe Leu Gln Asn Pro 35 40 45 Gln Thr Ser Leu Cys Phe Ser Glu Ser Ile Pro Thr Pro Ser Asn Arg 50 55 60 Glu Glu Thr Gln Gln Lys Ser Asn Leu Glu Leu Leu Arg Ile Ser Leu 65 70 75 80 Leu Leu Ile Gln Ser Trp Leu Glu Pro Val Gln Phe Leu Arg Ser Val 85 90 95 Phe Ala Asn Ser Leu Val Tyr Gly Ala Ser Asp Ser Asn Val Tyr Asp 100 105 110 Leu Leu Lys Asp Leu Glu Glu Gly Ile Gln Thr Leu Met Gly Arg Leu 115 120 125 Glu Asp Gly Ser Pro Asp Pro Gly Gln Ile Phe Ala Gln Thr Tyr Ser 130 135 140 Lys Phe Asp Thr Asn Ser His Asn Asp Asp Ala Leu Leu Lys Asn Tyr 145 150 155 160 Gly Leu Leu Tyr Cys Phe Arg Lys Asp Met Asp Lys Val Glu Thr Phe 165 170 175 Leu Arg Ile Val Gln Cys Arg Ser Val Glu Gly Ser Cys Gly Phe 180 185 190
【図面の簡単な説明】
【図1】hGH変異体を構築するためのプライマー。A
は、プライマーの位置、Bは、プライマーのDNA配列
を示す。
【図2】hGH変異体発現ベクターの構築図。
【図3】hGH変異体遺伝子発現産物のゲル濾過による
精製。図は、hGH(R134D/T135P)発現物
をセファクリル S−200カラムにかけ、溶出液をS
DS−PAGEで分析したものである。レーンBはクロ
マトグラフィー以前のサンプル、レーン1〜9は各フラ
クションを示す。クロマトグラフィーの条件は、カラ
ム:2.5x70cm、溶出液:10mM 2−メルカ
プトエタノールと0.1%SDSを含む50mMトリス
塩酸緩衝液(pH7.4)、流速:40ml/min、
フラクション体積:各6ml。
【図4】hGH変異体遺伝子発現産物のイオン交換クロ
マトグラフィーによる精製。図は、hGH変異体発現産
物の再生、透析後の画分をDEAEセファロースCL−
6Bにかけ、溶出液をSDS−PAGEで分析したもの
である。レーン1は天然型hGH、レーン2はhGH
(R134D/T135P)、レーン3はhGH(K1
40A)、レーン4はhGH(R134D/T135P
/K140A)を示す。クロマトグラフィーの条件は、
カラム:2.2x26cm、担持/溶出用緩衝液:0.
1mM EDTAを含む10mMトリス塩酸緩衝液(p
H8.0、0〜1MのNaClグラジエント溶出)、流
速:2ml/min、フラクション:各6ml。
【図5】hGH変異体の細胞増殖活性の評価。縦軸はN
b2細胞の数、横軸は、培養時間を表す。
【図6】スロンビン分解に対する耐性の評価。図は、ス
ロンビン処理した各hGH変異体をSDS−PAGEで
分析したものである。レーン1はスロンビン、レーン2
は天然型hGH(未処理)、レーン3、4、5、6は
は、それぞれ、1/10量のスロンビンと37℃24時
間処理された、天然型hGH:レーン3、hGH(R1
34D/T135P):レーン4、hGH(K140
A):レーン5、hGH(R134D/T135P/K
140A):レーン6を示す。
【図7】プラスミン分解に対する耐性の評価。図は、プ
ラスミン処理した各hGH変異体をSDS−PAGEで
分析したものである。レーン1はプラスミン、レーン2
は天然型hGH(未処理)、レーン3、4、5、6は
は、それぞれ、1/20量のプラスミンと37℃24時
間処理された、天然型hGH:レーン3、hGH(R1
34D/T135P):レーン4、hGH(K140
A):レーン5、hGH(R134D/T135P/K
140A):レーン6を示す。
【図8】血漿中安定性の評価。図は、血漿とインキュベ
ートした各hGH変異体をSDS−PAGEで分析した
もの。レーン1はスロンビン、レーン2は天然型hGH
(未処理)、レーン1、2、3、4は、それぞれ、血漿
を含む燐酸緩衝生理食塩水と37℃でインキュベートさ
れた、天然型hGH:レーン1、hGH(R134D/
T135P):レーン2、hGH(K140A):レー
ン3、hGH(R134D/T135P/K140
A):レーン4を示す。Aは1日目、Bは7日目の分析
結果である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】天然型ヒト22kDa成長ホルモン(hG
    H)のアミノ酸配列1−191位において、134位ア
    ルギニン(Arg)および135位スレオニン(Th
    r)が、それぞれアスパラギン酸(Asp)およびプロ
    リン(Pro)に、置換されており、スロンビンによる
    分解に耐性を有することを特徴とするヒト成長ホルモン
    変異体。
  2. 【請求項2】140位リジン(Lys)が、アラニン
    (Ala)に置換されていることを特徴とする請求項1
    記載のヒト成長ホルモン変異体。
  3. 【請求項3】天然型ヒト22kDa成長ホルモン(hG
    H)のアミノ酸配列において、134位アルギニン(A
    rg)、135位スレオニン(Thr)および140位
    リジン(Lys)が、それぞれアスパラギン酸(As
    p)、プロリン(Pro)、およびアラニン(Ala)
    に置換されており、スロンビンおよびプラスミンによる
    分解に耐性を有するヒト成長ホルモン変異体。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のヒト成長ホルモン変異体を
    有効成分として含有する医薬製剤。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000015664A1 (en) * 1998-09-10 2000-03-23 Bresagen Limited Modified human growth hormone
KR100994610B1 (ko) 2004-11-04 2010-11-15 한올바이오파마주식회사 변형된 성장 호르몬
JP2013518037A (ja) * 2010-01-22 2013-05-20 ノヴォ・ノルディスク・ヘルス・ケア・アーゲー 安定な成長ホルモン化合物
US9695226B2 (en) 2010-01-22 2017-07-04 Novo Nordisk Healthcare Ag Growth hormones with prolonged in-vivo efficacy
WO2018004294A3 (ko) * 2016-06-30 2018-08-09 주식회사 크레아플래닛 인간 성장호르몬 변이 단백질 또는 이의 트랜스페린 융합 단백질을 유효성분으로 포함하는 약학적 조성물
US11045523B2 (en) 2013-04-05 2021-06-29 Novo Nordisk Healthcare Ag Formulation of growth hormone albumin-binder conjugate

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