JPS583009B2 - 耐疲労性に優れたばね用ステンレス鋼の製造方法 - Google Patents
耐疲労性に優れたばね用ステンレス鋼の製造方法Info
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- JPS583009B2 JPS583009B2 JP2805378A JP2805378A JPS583009B2 JP S583009 B2 JPS583009 B2 JP S583009B2 JP 2805378 A JP2805378 A JP 2805378A JP 2805378 A JP2805378 A JP 2805378A JP S583009 B2 JPS583009 B2 JP S583009B2
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- stainless steel
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- intermediate annealing
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Description
【発明の詳細な説明】
この発明は耐疲労性に優れたばね用ステンレス鋼の製造
法に関するものである。
法に関するものである。
通信機器、測定機器、電気機器関係の各種スイッチやリ
レー、または建築用部品その他電子部品類などのばね材
料として従来よりベリリウム銅、リン青銅、洋白などが
用いられてきた。
レー、または建築用部品その他電子部品類などのばね材
料として従来よりベリリウム銅、リン青銅、洋白などが
用いられてきた。
しかし最近では廉価でより高い強度とバネ限界値を有し
、曲げ加工性が良好で、しかも耐食性に優れたステンレ
ス製の薄板もしくは線状ばねが、上記諸材料に代って多
用されるようになってきた。
、曲げ加工性が良好で、しかも耐食性に優れたステンレ
ス製の薄板もしくは線状ばねが、上記諸材料に代って多
用されるようになってきた。
さらに各種車輛の外装用薄板はね、ブレーキシュー用ば
ねや車輪カバー、そして乗用車のシートベルトリトラク
ター用うず巻きばねなどステンレス鋼のばね材としての
用途はますます増大の一途をたどっている。
ねや車輪カバー、そして乗用車のシートベルトリトラク
ター用うず巻きばねなどステンレス鋼のばね材としての
用途はますます増大の一途をたどっている。
かかるばね用ステンレス鋼としては、SUS301に代
表される準安定オーステナイト・ステンレス鋼と、17
−7PH鋼(SUS631)に代表される析出硬化型オ
ーステナイト・ステンレス鋼の2種をあげることができ
これらのうちSUS301などの準安定オーステナイト
・ステンレス鋼については冷間加工するだけでもマルテ
ンサイトが発生して著しく硬化するが、それにつづいて
多くの場合約200〜約550℃の焼戻し処理を施すこ
とによりさらに若干の硬度の増加がもたらされ、そして
またSUS631鋼などの析出硬化型ステンレス鋼では
冷間加工後約400〜600℃の析出硬化熱処理を施す
ことにより、所要の高い強度と加工性を与え得るので、
これらのオーステナイト・ステンレス鋼が耐食性に優れ
ている点と相まって、廉価な高力ばね材として用途はま
すます増大している。
表される準安定オーステナイト・ステンレス鋼と、17
−7PH鋼(SUS631)に代表される析出硬化型オ
ーステナイト・ステンレス鋼の2種をあげることができ
これらのうちSUS301などの準安定オーステナイト
・ステンレス鋼については冷間加工するだけでもマルテ
ンサイトが発生して著しく硬化するが、それにつづいて
多くの場合約200〜約550℃の焼戻し処理を施すこ
とによりさらに若干の硬度の増加がもたらされ、そして
またSUS631鋼などの析出硬化型ステンレス鋼では
冷間加工後約400〜600℃の析出硬化熱処理を施す
ことにより、所要の高い強度と加工性を与え得るので、
これらのオーステナイト・ステンレス鋼が耐食性に優れ
ている点と相まって、廉価な高力ばね材として用途はま
すます増大している。
ばね材として重要な特性には、ばねとしての強さ(硬度
や引張強度、そしてとくにリトラクター用うず巻きばね
などではばね限界値あるいはトルクもこれに密接な関連
を有する)と、疲労強度の二つがあり、これらの値が高
いほど優れたばね材ということができる。
や引張強度、そしてとくにリトラクター用うず巻きばね
などではばね限界値あるいはトルクもこれに密接な関連
を有する)と、疲労強度の二つがあり、これらの値が高
いほど優れたばね材ということができる。
しかるに従来の単なる冷間加工あるいはさらにその後の
焼戻し処理を経て作られたばね製品の疲労強度は第1図
に示すように、ビッカース硬度が約540以上の高強度
領域で硬度の上昇とともに低下の傾向があり、この点が
高力ばね材としてのオーステナイト・ステンレス鋼に残
された欠点であった(後述第1表に圧延条件を掲げた)
。
焼戻し処理を経て作られたばね製品の疲労強度は第1図
に示すように、ビッカース硬度が約540以上の高強度
領域で硬度の上昇とともに低下の傾向があり、この点が
高力ばね材としてのオーステナイト・ステンレス鋼に残
された欠点であった(後述第1表に圧延条件を掲げた)
。
近年ばね材の特性向上に対する要求はますます苛酷にな
りつつあり、従来材に比べより高強度(高硬度)でかつ
より優れた疲労特性を具備した材料が待望され、たとえ
ばその代表的実例として自動車シートベルトリトラクタ
ー用うず巻きばねに関して述べると、現在製造されてい
るものはビツカース硬度(Hv)520程度であるが、
シートベルトの張力を十分確保するためビツカース硬度
(Hv)550以上でしかも疲労強度も格段にたとえば
60kg/mm2程度以上に高い材料が必要になってき
たのである。
りつつあり、従来材に比べより高強度(高硬度)でかつ
より優れた疲労特性を具備した材料が待望され、たとえ
ばその代表的実例として自動車シートベルトリトラクタ
ー用うず巻きばねに関して述べると、現在製造されてい
るものはビツカース硬度(Hv)520程度であるが、
シートベルトの張力を十分確保するためビツカース硬度
(Hv)550以上でしかも疲労強度も格段にたとえば
60kg/mm2程度以上に高い材料が必要になってき
たのである。
第1図から分るように従来法による限りこれはきわめて
困難な要求であったのに対してこの発明の目的は、以下
に説明する特別な手段でこれを有利に解決し達成せんと
するところにある。
困難な要求であったのに対してこの発明の目的は、以下
に説明する特別な手段でこれを有利に解決し達成せんと
するところにある。
一般にオーステナイト・ステンレス鋼は、熱間加工後に
、中間焼鈍をはさんで数回の冷間加工をくり返すことに
よりばね材としての最終形状たとえば薄板もしくは線材
に加工されるが、この場合の中間焼鈍は冷間加工により
導入されたひずみをできるだけ開放し次の加工を容易に
するため、完全再結晶温度以上の1010〜1150℃
で行なわれるのが普通である。
、中間焼鈍をはさんで数回の冷間加工をくり返すことに
よりばね材としての最終形状たとえば薄板もしくは線材
に加工されるが、この場合の中間焼鈍は冷間加工により
導入されたひずみをできるだけ開放し次の加工を容易に
するため、完全再結晶温度以上の1010〜1150℃
で行なわれるのが普通である。
発明者らはかような冷間加工に際しその最終段階直前の
焼鈍(以下最終中間焼鈍という)を、従来法におけるよ
うに1010℃以上の高温で行なったものについては、
最終冷間加工あるいはその後の焼戻しの処理条件をいか
に変えても高硬度と高疲労強度を兼ね備えた材料を得る
ことがほとんど不可能であることを究明し製造工程条件
の影響を種々検討した結果、上述したようなオーステナ
イトステンレス鋼につき上記の最終中間焼鈍をとくに2
00℃以上1000℃以下のうち550℃をこえ750
℃に至るまでの範囲を除いた温度で30秒以上行なうこ
とを基本とし、この最終中間焼鈍前の冷間加工率を10
〜50%、最終中間焼鈍後の最終冷間加工率を40%以
上とした場合には、さらに必要に応じて200〜550
℃の温度で焼戻し処理を施したあとでもピツカース硬度
(Hv)500〜650の全範囲にわたって疲労強度が
従来法によった場合と比べて格段に高まることを見出し
、この種ばね材料の著大な性能改善に成功したのであり
、なかでもHv>550の場合は上記リトラクター用う
ず巻きばねなどの要求に対し完全に合致するものである
。
焼鈍(以下最終中間焼鈍という)を、従来法におけるよ
うに1010℃以上の高温で行なったものについては、
最終冷間加工あるいはその後の焼戻しの処理条件をいか
に変えても高硬度と高疲労強度を兼ね備えた材料を得る
ことがほとんど不可能であることを究明し製造工程条件
の影響を種々検討した結果、上述したようなオーステナ
イトステンレス鋼につき上記の最終中間焼鈍をとくに2
00℃以上1000℃以下のうち550℃をこえ750
℃に至るまでの範囲を除いた温度で30秒以上行なうこ
とを基本とし、この最終中間焼鈍前の冷間加工率を10
〜50%、最終中間焼鈍後の最終冷間加工率を40%以
上とした場合には、さらに必要に応じて200〜550
℃の温度で焼戻し処理を施したあとでもピツカース硬度
(Hv)500〜650の全範囲にわたって疲労強度が
従来法によった場合と比べて格段に高まることを見出し
、この種ばね材料の著大な性能改善に成功したのであり
、なかでもHv>550の場合は上記リトラクター用う
ず巻きばねなどの要求に対し完全に合致するものである
。
この発明は、上述したあまた試験研究の結果として見極
められた知見に基くものである。
められた知見に基くものである。
この発明は、完全オーステナイト化温度での溶体化処理
を経たオーステナイト・ステンレス鋼の冷間加工に当っ
て、その最終中間焼鈍の前に、10〜50%の減面加工
を施したのち、200℃以上、1000℃以下であるが
550℃をこえ、750℃に至るまでの範囲を除いた温
度で30秒以上にわたって上記の焼鈍を行い、続いて4
0%以上の減面加工を施してビツカース硬度500〜6
50とすることからなる耐疲労性に優れたばね用ステン
レス鋼の製造方法である。
を経たオーステナイト・ステンレス鋼の冷間加工に当っ
て、その最終中間焼鈍の前に、10〜50%の減面加工
を施したのち、200℃以上、1000℃以下であるが
550℃をこえ、750℃に至るまでの範囲を除いた温
度で30秒以上にわたって上記の焼鈍を行い、続いて4
0%以上の減面加工を施してビツカース硬度500〜6
50とすることからなる耐疲労性に優れたばね用ステン
レス鋼の製造方法である。
この発明の方法を施すべき適用鋼種は、上記した準安定
オーステナイト・ステンレス鋼ならびに、析出硬化型オ
ーステナイト・ステンレス鋼がすべて有利に適合し、こ
れを鋼組成(重量%)で示すと次のとおりである。
オーステナイト・ステンレス鋼ならびに、析出硬化型オ
ーステナイト・ステンレス鋼がすべて有利に適合し、こ
れを鋼組成(重量%)で示すと次のとおりである。
C:0.15%以下、Si:0.3 〜1.0%、Mn
:0.5 〜2.0%、Ni:6.0〜14.0%、C
r:13〜20%を基本成分とし、必要に応じAl:1
.5%以下、Mo:2.0%以下、Cu:3.0%以下
の何れか少くとも一種を含有し、残部はFeおよび通常
不可避な不純物よりなる。
:0.5 〜2.0%、Ni:6.0〜14.0%、C
r:13〜20%を基本成分とし、必要に応じAl:1
.5%以下、Mo:2.0%以下、Cu:3.0%以下
の何れか少くとも一種を含有し、残部はFeおよび通常
不可避な不純物よりなる。
かようなオーステナイト・ステンレス鋼の溶体化処理に
ついては、冷間加工に供する素材につきマルテンサイト
を逆変態させかつ加工ひずみを開放して材料を軟化して
おく必要をみたせばよく、一般に1010〜1150℃
の温度範囲で、従来通りに行えばよいが、1010℃未
満では完全には溶体化が完了せず、また1150℃をこ
えるとδフエライトが生じる恐れがある。
ついては、冷間加工に供する素材につきマルテンサイト
を逆変態させかつ加工ひずみを開放して材料を軟化して
おく必要をみたせばよく、一般に1010〜1150℃
の温度範囲で、従来通りに行えばよいが、1010℃未
満では完全には溶体化が完了せず、また1150℃をこ
えるとδフエライトが生じる恐れがある。
この発明において最終中間焼鈍の処理時間は、通常30
秒以上であればよく、多くとも15分間で充分目的が達
せられる。
秒以上であればよく、多くとも15分間で充分目的が達
せられる。
この発明では、上記40%以上の減面加工のあと、場合
により200℃〜550℃の温度で焼戻し処理を行って
もビツカース硬度500〜650となる耐疲労性に優れ
たばね用ステンレス鋼を製造することができる。
により200℃〜550℃の温度で焼戻し処理を行って
もビツカース硬度500〜650となる耐疲労性に優れ
たばね用ステンレス鋼を製造することができる。
以下この発明による効果をその確認実験の結果をまとめ
た図面に基いて説明する。
た図面に基いて説明する。
第2図は最終中間焼鈍温度と曲げ疲労強度(σf,kg
/mm2)との関係を、そして第3図は同じくビツカー
ス硬度との関係を示している。
/mm2)との関係を、そして第3図は同じくビツカー
ス硬度との関係を示している。
いずれも試験材はSUS301(1.2mm厚)を11
00℃で溶体化処理後、27%の冷間圧延を行ない、次
いで200〜1200℃間にわたって図にプロットした
各温度で5分間空冷による最終中間焼鈍を施し、続いて
50%の最終冷間加工を行ない、その後400℃で1時
間の焼戻し処理を施した0.45mm厚の板である。
00℃で溶体化処理後、27%の冷間圧延を行ない、次
いで200〜1200℃間にわたって図にプロットした
各温度で5分間空冷による最終中間焼鈍を施し、続いて
50%の最終冷間加工を行ない、その後400℃で1時
間の焼戻し処理を施した0.45mm厚の板である。
疲労試験は両振り平面曲げ疲労試験機で1000サイク
ル/分の繰り返し速度で行ない、3×106回の繰返し
曲げでの破断強度をσf(kg/mm2)とした。
ル/分の繰り返し速度で行ない、3×106回の繰返し
曲げでの破断強度をσf(kg/mm2)とした。
なおこのσfの値自身は、たとえ同一の試験材であって
も、もし試験方法が変われば変化する可能性があるので
、あくまでこゝでのべる試験の中での相対的な意味をも
つ。
も、もし試験方法が変われば変化する可能性があるので
、あくまでこゝでのべる試験の中での相対的な意味をも
つ。
これらの図から明らかなように、最終中間焼鈍温度が7
50〜1000℃のものは、従来通常に行なわれている
1010〜1150℃でのそれと比べて疲労強度が大幅
に上昇し、ビツカース硬度もいくぶん高くなる。
50〜1000℃のものは、従来通常に行なわれている
1010〜1150℃でのそれと比べて疲労強度が大幅
に上昇し、ビツカース硬度もいくぶん高くなる。
また同様に最終中間焼鈍温度が200〜550℃のもの
も、従来工程材に比べて疲労強度が10kg/mm2以
上上昇し、またビツカース硬度も50以上上昇している
。
も、従来工程材に比べて疲労強度が10kg/mm2以
上上昇し、またビツカース硬度も50以上上昇している
。
さらに第4図に、第2図および第3図の結果を含めこの
発明の規範内で条件を種々変化させた薄板ばね材の硬度
と疲労強度の関係を第1図の従来法による結果をも再掲
して示した。
発明の規範内で条件を種々変化させた薄板ばね材の硬度
と疲労強度の関係を第1図の従来法による結果をも再掲
して示した。
図示の番号を用いて第1表に圧延条件を、この発明の適
用についてはさらに最終中間焼鈍と、これを挾む冷延の
条件を示した。
用についてはさらに最終中間焼鈍と、これを挾む冷延の
条件を示した。
この発明によれば従来法と比べた場合、同一硬度で疲労
強度が大幅に上昇していることが明白に認められ、とく
にHV>550の高硬度でも従来法よりも格段に優れた
耐疲労性をもった材料の製造が可能である。
強度が大幅に上昇していることが明白に認められ、とく
にHV>550の高硬度でも従来法よりも格段に優れた
耐疲労性をもった材料の製造が可能である。
さてこのような結果をもたらす原因は必しも詳細明瞭と
は云い難いがこれを冶金学的に推察すると、まず最終中
間焼鈍温度が750〜1000℃の場合は、完全な再結
晶が起きないため前の工程の冷間圧延により導入された
加工ひずみ(転位などの格子欠陥)あるいはマルテンサ
イトからオーステナイトへの逆変態(この材料の逆変態
開始温度すなわちAS点は約550℃である)の際生じ
た変態ひずみが残留すること、などの理由により、次い
で行なわれる最終冷間加工でマルテンサイトがこれら母
相の格子欠陥や粒界を核として均一かつ微細に生じるこ
と、そしてこれらが疲労クラツクの伝播に対する抵抗と
なり、結局疲労強度が上昇するものと考えられる。
は云い難いがこれを冶金学的に推察すると、まず最終中
間焼鈍温度が750〜1000℃の場合は、完全な再結
晶が起きないため前の工程の冷間圧延により導入された
加工ひずみ(転位などの格子欠陥)あるいはマルテンサ
イトからオーステナイトへの逆変態(この材料の逆変態
開始温度すなわちAS点は約550℃である)の際生じ
た変態ひずみが残留すること、などの理由により、次い
で行なわれる最終冷間加工でマルテンサイトがこれら母
相の格子欠陥や粒界を核として均一かつ微細に生じるこ
と、そしてこれらが疲労クラツクの伝播に対する抵抗と
なり、結局疲労強度が上昇するものと考えられる。
これに対し1010℃よりも高温で焼鈍したものでは、
再結晶が完全に終了するので、ひずみのない粗大なオー
ステナイト組織が得られ、したがって次に行なわれる最
終冷間加工により生じたマルテンサイトは、その発生核
が少ないことおよび成長時の抵抗が少ないことによって
比較的粗大となり、、その結果疲労クラツクの伝播に対
する強固な抵抗とはなり得ないものと考えられる。
再結晶が完全に終了するので、ひずみのない粗大なオー
ステナイト組織が得られ、したがって次に行なわれる最
終冷間加工により生じたマルテンサイトは、その発生核
が少ないことおよび成長時の抵抗が少ないことによって
比較的粗大となり、、その結果疲労クラツクの伝播に対
する強固な抵抗とはなり得ないものと考えられる。
一方、200〜550℃の温度で最終中間焼鈍を行うと
、微細な鉄炭化物の析出や、転位のピン止めによる歪時
効が起り、引きつづき行なわれる最終冷間加工によって
マルテンサイトが、これら炭化物やピン止めされた転位
あるいは格子欠かんを核にして、均一かつ微細に生じ、
これらがやはり疲労クラツクの伝播に対する強固な抵抗
となると考えられる。
、微細な鉄炭化物の析出や、転位のピン止めによる歪時
効が起り、引きつづき行なわれる最終冷間加工によって
マルテンサイトが、これら炭化物やピン止めされた転位
あるいは格子欠かんを核にして、均一かつ微細に生じ、
これらがやはり疲労クラツクの伝播に対する強固な抵抗
となると考えられる。
最終中間焼鈍温度が200℃未満の場合は炭化物の析出
やひずみ時効が十分起こらず、組織が十分強化微細化さ
れないものと考えられる。
やひずみ時効が十分起こらず、組織が十分強化微細化さ
れないものと考えられる。
以上のように750〜1000℃の高温域もしくは20
0〜550℃の低温域のいずれの最終中間焼鈍によろう
とも、それに続く最終冷間加工によって等しく均一微細
なマルテンサイト組織が得られ、これが材料に高硬度と
高耐疲労性を付与せしめるのであって、高温域及び低温
域いずれの処理法も均しくこの発明の効果をもたらす機
構の面では同様である。
0〜550℃の低温域のいずれの最終中間焼鈍によろう
とも、それに続く最終冷間加工によって等しく均一微細
なマルテンサイト組織が得られ、これが材料に高硬度と
高耐疲労性を付与せしめるのであって、高温域及び低温
域いずれの処理法も均しくこの発明の効果をもたらす機
構の面では同様である。
これらに対し550℃を越え750℃に至るまでの温度
での最終中間焼鈍により却って疲労強度が低下するのは
、よく知られているようにクロムカーバイドが粒界に析
出するので、それが最終製品での疲労クラツクの発生位
置となることが原因と考えられる。
での最終中間焼鈍により却って疲労強度が低下するのは
、よく知られているようにクロムカーバイドが粒界に析
出するので、それが最終製品での疲労クラツクの発生位
置となることが原因と考えられる。
かような挙動は、この発明で所期したところと、本質的
に異なるので、この温度域についてはこの発明から除外
することとした。
に異なるので、この温度域についてはこの発明から除外
することとした。
この発明はマルテンサイトの加工誘起変態現象を利用す
るわけで、その意味からかような現象を生ずるすべての
オーステナイトステンレス鋼が対象となり、したがって
たとえば17−7PH鋼(SUS631)に代表される
析出硬化型ステンレス鋼のうち、加工誘起マルテンサイ
トを発生する型のものにも当然適用可能である。
るわけで、その意味からかような現象を生ずるすべての
オーステナイトステンレス鋼が対象となり、したがって
たとえば17−7PH鋼(SUS631)に代表される
析出硬化型ステンレス鋼のうち、加工誘起マルテンサイ
トを発生する型のものにも当然適用可能である。
この観点からこの発明による鋼組成が既述のように限定
されその技術的意義は次のとおりである。
されその技術的意義は次のとおりである。
C:0.15%以下;C含有量が多いほどより硬質のマ
ルテンサイトが形成されるのでばね材には望ましいので
あるが、あまり含有量が多いと、マルテンサイトの変形
能が劣化し、またオーステナイトが安定化しすぎるため
にマルテンサイトの形成そのものが困難となるから0.
15%を上限とした。
ルテンサイトが形成されるのでばね材には望ましいので
あるが、あまり含有量が多いと、マルテンサイトの変形
能が劣化し、またオーステナイトが安定化しすぎるため
にマルテンサイトの形成そのものが困難となるから0.
15%を上限とした。
Si:0.3〜1.0%;脱酸剤として最低0.3%必
要であるが、1.0%より多量に添加しても脱酸剤とし
ての効果は1.0%の場合と同様でむしろコストの上昇
を招くので上限を1.0%とした。
要であるが、1.0%より多量に添加しても脱酸剤とし
ての効果は1.0%の場合と同様でむしろコストの上昇
を招くので上限を1.0%とした。
Mn:0. 5 〜2.0%;脱酸剤として最低0.5
%は必要である。
%は必要である。
また圧延加工によって材料を硬化させるためには含有量
は多いほうがよいが、多すぎるとマルテンサイトの形成
を妨害し耐疲労性を劣化させるのでおのずから上限があ
りこれを2.0%とした。
は多いほうがよいが、多すぎるとマルテンサイトの形成
を妨害し耐疲労性を劣化させるのでおのずから上限があ
りこれを2.0%とした。
Ni:6.0〜14.0%;Niはオーステナイト・ス
テンレス鋼の必須成分であり、溶体化処理状態でδフエ
ライトが析出したり完全マルテンサイト変態が生じたり
するのを防ぐために6.0%以上必要であるが、あまり
多すぎると加工によるマルテンサイトの形成を妨害する
ばかりでなく、製造コスト過大になるので6.0〜14
.0%に限定した。
テンレス鋼の必須成分であり、溶体化処理状態でδフエ
ライトが析出したり完全マルテンサイト変態が生じたり
するのを防ぐために6.0%以上必要であるが、あまり
多すぎると加工によるマルテンサイトの形成を妨害する
ばかりでなく、製造コスト過大になるので6.0〜14
.0%に限定した。
Cr:13.0 〜20.0%;合金をステンレス鋼に
特徴づける元素であり、耐食性を確保するために最低1
3.0%は必要である。
特徴づける元素であり、耐食性を確保するために最低1
3.0%は必要である。
しかしあまり添加しすぎると母相中にδフエライトが析
出して熱間加工性が阻害されるので13.0〜20.0
%とした。
出して熱間加工性が阻害されるので13.0〜20.0
%とした。
以上が基本成分で、必要に応じて以下の3元素を添加す
る。
る。
それらの限定理由は次のとおりである。
Al:1.5l以下;析出硬化型オーステナイトステン
レス鋼に特徴づける元素で、添加量が多いほど析出硬化
が顕著になるが1.5%超になると表面欠陥や加工性に
問題が生ずるので1.5%以下とした。
レス鋼に特徴づける元素で、添加量が多いほど析出硬化
が顕著になるが1.5%超になると表面欠陥や加工性に
問題が生ずるので1.5%以下とした。
この発明でAlを添加しない場合は通常の準安定オース
テナイト・ステンレス鋼になるわけである。
テナイト・ステンレス鋼になるわけである。
Mo:2.0%以下;耐食性を一層向上させるために場
合によってMoを添加する。
合によってMoを添加する。
その含有量は最大2.0%までで必要にして十分であり
、それ以上の添加はコストアップを招くので2.0%以
下とした。
、それ以上の添加はコストアップを招くので2.0%以
下とした。
Cu:3.0%以下;圧延状態における加工性の改善と
低温焼戻しによる時効硬化の促進を計るために場合によ
ってCuを添加する。
低温焼戻しによる時効硬化の促進を計るために場合によ
ってCuを添加する。
その含有量は最大3.0までで必要にして十分であり、
それ以上の添加は熱間加工性の劣化を招くので3.0%
以下とした。
それ以上の添加は熱間加工性の劣化を招くので3.0%
以下とした。
この発明によるばね材の目標硬度は、Hv=500〜6
50であり、これが500未満であると従来のものに対
して疲労強度は大きくとも、ばねとして甚しく強度不足
であり、また650をこえると、硬すぎて加工性が劣化
するので、何れもステンレス鋼ばね材としては使用上不
具合を来す。
50であり、これが500未満であると従来のものに対
して疲労強度は大きくとも、ばねとして甚しく強度不足
であり、また650をこえると、硬すぎて加工性が劣化
するので、何れもステンレス鋼ばね材としては使用上不
具合を来す。
この発明においてとくに、最終中間焼鈍温度を300℃
〜550℃及び750〜1000℃と限定したのは、上
記のとおりこれらの温度範囲での処理により最終製品の
疲労強度が上昇するからである。
〜550℃及び750〜1000℃と限定したのは、上
記のとおりこれらの温度範囲での処理により最終製品の
疲労強度が上昇するからである。
次に最終中間焼鈍時間を30秒以上としたのは、少くと
もこの時間にわたる焼鈍を行わないと、750〜100
0℃の高温域ついてはマルテンサイトの逆変態が十分に
進行せず、また200〜550℃の低温域では炭化物の
析出と歪時効が十分でなく、何れも上述した所期の目的
に適合しないことになるからで、この最終中間焼鈍の処
理時間は、通常10分程度でも充分である。
もこの時間にわたる焼鈍を行わないと、750〜100
0℃の高温域ついてはマルテンサイトの逆変態が十分に
進行せず、また200〜550℃の低温域では炭化物の
析出と歪時効が十分でなく、何れも上述した所期の目的
に適合しないことになるからで、この最終中間焼鈍の処
理時間は、通常10分程度でも充分である。
最終中間焼鈍前の冷間加工率を10%以上50%以下と
したのは、10%未満の加工ではひずみを十分に導入で
きないこと、そして50%をこえると最終冷間加工率と
合わせた全加工率が過大となり、最終圧延工程中に極端
な硬度の上昇を生ずるため、圧延形状が悪くなり、板厚
不整が起こりやすいこと、そしてまたパス回数が増えて
作業能率が悪くなるからである。
したのは、10%未満の加工ではひずみを十分に導入で
きないこと、そして50%をこえると最終冷間加工率と
合わせた全加工率が過大となり、最終圧延工程中に極端
な硬度の上昇を生ずるため、圧延形状が悪くなり、板厚
不整が起こりやすいこと、そしてまたパス回数が増えて
作業能率が悪くなるからである。
最終冷間加工率を40%以上としたのは、40%未満の
加工率では、加工硬化が十分ではなく、HV≧500を
確保するのが困難で、ばねとしての強さ及び高いばね限
界値が得られないからである。
加工率では、加工硬化が十分ではなく、HV≧500を
確保するのが困難で、ばねとしての強さ及び高いばね限
界値が得られないからである。
なお最終冷間加工後に行なうことがあり得る焼戻し温度
範囲は200℃〜550℃が好適で、200℃未満の焼
戻しでは十分なひずみ時効が起こらずそして550℃以
上の温度ではオーステナイトへの逆変態により軟化し、
必要強度が得られなくなる。
範囲は200℃〜550℃が好適で、200℃未満の焼
戻しでは十分なひずみ時効が起こらずそして550℃以
上の温度ではオーステナイトへの逆変態により軟化し、
必要強度が得られなくなる。
以下この発明の実施例を第2表にまとめ、従来法との対
比で示す。
比で示す。
第2表における供試材は、50ton電気炉で溶製し、
分塊、熱延後中間焼鈍を入れた冷間圧延によって製造さ
れたSUS301冷延板で、その化学組成はC0.10
%、Si0.69、Mn0.89%、P0.026%、
S0.00%チ、Ni6.98%、Cr17.39%、
Mo0.11%である。
分塊、熱延後中間焼鈍を入れた冷間圧延によって製造さ
れたSUS301冷延板で、その化学組成はC0.10
%、Si0.69、Mn0.89%、P0.026%、
S0.00%チ、Ni6.98%、Cr17.39%、
Mo0.11%である。
この冷延板は1100℃で溶体化処理後この発明に従い
10〜50%のうち、27%と40%の冷間圧延を行な
い、ついで表に記載された各温度で5分空冷の最終中間
焼鈍後50%と63%でそれぞれ最終の冷間圧延を行な
い、続いて400℃で1時間の焼戻し処理を行ない0.
45mm厚の試験材としたものと1100および115
0℃での最終中間焼鈍を経て40〜63%の最終冷間圧
延をしたと同様な試験材の成績である。
10〜50%のうち、27%と40%の冷間圧延を行な
い、ついで表に記載された各温度で5分空冷の最終中間
焼鈍後50%と63%でそれぞれ最終の冷間圧延を行な
い、続いて400℃で1時間の焼戻し処理を行ない0.
45mm厚の試験材としたものと1100および115
0℃での最終中間焼鈍を経て40〜63%の最終冷間圧
延をしたと同様な試験材の成績である。
第2表にはこれら試験材の最終冷間圧延後、及び400
℃で1時間の焼戻し処理後の曲げ疲労強度とビツカース
硬度の値を示す。
℃で1時間の焼戻し処理後の曲げ疲労強度とビツカース
硬度の値を示す。
この発明によって処理されたものは、焼戻し処理の有無
にかかわらず従来法のものに比べ同硬度レベルで疲労強
度が4.5〜13kg/mm2も上昇し、この発明の工
程が最終製品の疲労強度を上昇させるうえできわめて有
効であることがわかる。
にかかわらず従来法のものに比べ同硬度レベルで疲労強
度が4.5〜13kg/mm2も上昇し、この発明の工
程が最終製品の疲労強度を上昇させるうえできわめて有
効であることがわかる。
とくにこの優れた疲労強度が高硬度で得られるところに
この発明の大きな特徴が存するといえるのである。
この発明の大きな特徴が存するといえるのである。
また、この発明の焼鈍温度範囲は、クロムカーバイドの
析出温度範囲と重なっていないため、耐食性の劣化も起
こらない。
析出温度範囲と重なっていないため、耐食性の劣化も起
こらない。
上記の実施例は、冷間圧延で作られた薄板の場合につい
ての性能を示したが、この発明の技術思想は原理的に線
引加工や押出など他の冷間加工にも適用可能であること
は自明である。
ての性能を示したが、この発明の技術思想は原理的に線
引加工や押出など他の冷間加工にも適用可能であること
は自明である。
第1図は従来の製造法によった場合のSUS301のビ
ツカース硬度に対する曲げ疲労強度の変化を示すグラフ
、第2図は最終中間焼鈍温度に対する曲げ疲労強度の変
化を示すグラフ、第3図は同じくビツカース硬度の変化
を示すグラフ、第4図はこの発明法によった場合と従来
法によった場合の製品のビツカース硬度に対する曲げ疲
労強度の変化を示す比較グラフである。
ツカース硬度に対する曲げ疲労強度の変化を示すグラフ
、第2図は最終中間焼鈍温度に対する曲げ疲労強度の変
化を示すグラフ、第3図は同じくビツカース硬度の変化
を示すグラフ、第4図はこの発明法によった場合と従来
法によった場合の製品のビツカース硬度に対する曲げ疲
労強度の変化を示す比較グラフである。
Claims (1)
- 1 完全オーステナイト化温度での溶体化処理を経たオ
ーステナイト・ステンレス鋼の冷間加工に当って、その
最終中間焼鈍の前に、10〜15%の減面加工を施した
のち、200℃以上1000℃以下であるが、550℃
をこえ、750℃に至るまでの範囲を除いた温度で30
秒以上にわたって上記焼鈍を行い、続いて40%以上の
減面加工を施し、場合によってはさらに200〜550
℃の温度で焼戻し処理を施してビツカース硬度Hvを5
00〜650とすることを特徴とする高強度で耐疲労性
に優れたばね用ステンレス鋼の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2805378A JPS583009B2 (ja) | 1978-03-11 | 1978-03-11 | 耐疲労性に優れたばね用ステンレス鋼の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2805378A JPS583009B2 (ja) | 1978-03-11 | 1978-03-11 | 耐疲労性に優れたばね用ステンレス鋼の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS54120225A JPS54120225A (en) | 1979-09-18 |
| JPS583009B2 true JPS583009B2 (ja) | 1983-01-19 |
Family
ID=12238004
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2805378A Expired JPS583009B2 (ja) | 1978-03-11 | 1978-03-11 | 耐疲労性に優れたばね用ステンレス鋼の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS583009B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1982003575A1 (en) * | 1981-04-16 | 1982-10-28 | Philip O Badger | Implantation of molybdenum disulfide into certain metallic surfaces by mechanical inclusion |
| CN110064896B (zh) * | 2019-06-18 | 2021-04-13 | 青海金泽恩新材料科技有限公司 | 一种平面涡卷弹簧的制备方法 |
-
1978
- 1978-03-11 JP JP2805378A patent/JPS583009B2/ja not_active Expired
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS54120225A (en) | 1979-09-18 |
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