JPS598380B2 - 顔料付螢光体の製造方法 - Google Patents

顔料付螢光体の製造方法

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JPS598380B2
JPS598380B2 JP53081210A JP8121078A JPS598380B2 JP S598380 B2 JPS598380 B2 JP S598380B2 JP 53081210 A JP53081210 A JP 53081210A JP 8121078 A JP8121078 A JP 8121078A JP S598380 B2 JPS598380 B2 JP S598380B2
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feo
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和人 岩崎
昇 小寺
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Mitsubishi Chemical Corp
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Kasei Optonix Ltd
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【発明の詳細な説明】 本発明は顔料粒子で表面を被覆された螢光体(以下「顔
料付螢光体」と称する)の製造方法、さらに詳しくは特
にカラーテレビジヨン用陰極線管に用いられる赤色顔料
粒子付赤色発光螢光体の製造方法に関する。
周知のようにカラーテレビジヨン用陰極線管の青色発光
螢光体、緑色発光螢光体および赤色発光螢光体の粒子表
面にそれぞれ青色顔料粒子、緑色顔料粒子および赤色顔
料粒子を付着させると、それらの顔料粒子のフイルタ一
効果によつて発光スベクトルのうちの一部の可視域がカ
ツトされて発光色が鮮明となりさらに螢光膜の顔料着色
による外光の吸収効果によつて反射光が減少するため映
像のコントラストが飛躍的に向上する(特開昭50−5
6146号)。
この顔料付螢光体は、例えばポリビニルピロリドンどゼ
ラチンの混合物、アラビアゴムとゼラチンの混合物等の
ような接着剤を用いて顔料粒子を螢光体粒子表面に付着
させることによつて製造される(特開昭50一5614
6号、特開昭53−5088号等)。
顔料付螢光体においては顔料粒子は螢光体粒子表面に均
一に、しかも強固に付着していることが重要であるが、
一般に上記従来の接着剤を用いる製造方法によつて得た
顔料付螢光体は、接着剤を使用するために螢光体粒子表
面における顔料粒子の均一性の点で問題のあるものであ
つた。すなわち接着剤を使用するために顔料粒子どうし
が互いに凝集を起し易く、このために螢光体粒子表面に
おける顔料粒子の均一性が損われるのである。顔料粒子
どうしが互に凝集しており螢光体粒子表面に均一に付着
していない顔料付螢光体は、一定の比反射率を得るため
には多量の顔料粒子を使用する必要があり、その結果著
しい輝度低下を生ずる。また一般に顔料粒子どうしの凝
集が多く顔料粒子が螢光体粒子表面に均一に付着してい
ない顔料付螢光体は、顔料粒仔の付着強度も充分でない
。接着剤の選択等製造方法に検討を加えることによつて
螢光体表面における顔料粒子の均一性はかなり改良する
ことができるが(例えば接着剤として上記アラビアゴム
とゼラチンの混合物を用いた場合には、上記ポリビニル
ピロリドンとゼラチンの混合物を用いた場合よりも螢光
体粒子表面における顔料粒子の均一性の優れた顔料付螢
光体を得ることができる)、接着剤を使用する限りこの
螢光体粒子表面における顔料粒子の均一性は常に問題と
なる。上述のように、従来顔料付螢光体は螢光体粒子表
面に接着剤によつて顔料粒子を付着させることによつて
製造されているが、このような製造方法によつて得られ
る顔料付螢光体は螢光体粒子表面における顔料粒子の均
一性が常に問題となるものであつた。
そしてこの螢光体粒子表面における顔料粒子の均一性の
問題は接着剤を使用する限り根本的に解決され得るもの
ではない。このような状況から、螢光体粒子表面に顔料
粒子が極めて均一に付着した顔料付螢光体を簡単に得る
ことができる、上記従来の接着剤を用いる製造方法とは
根本的に異なつた製造方法が望まれている。しかしなが
ら、そのような製造方法は従来知られていない。本発明
は赤色発光螢光体粒子表面に赤色顔料粒子が極めて均一
に付着した赤色顔料粒子付赤色発光螢光体を得ることが
できる。上記従来の接着剤を用いる製造方法とは根本的
に異なつた顔料付螢光体の製造方法を提供することを目
的とするものである。従来カラーテレビジヨン用陰極線
管の赤色発光螢光体に用いられる優れた赤色顔料粒子と
してべんがら(α−Fe2O3)が知られているが(特
開昭53−14177号)、本発明者等は赤色発光螢光
体にα−Fe2O3赤色顔料粒子を付着せしめる方法に
ついて種々の研究を行なつてきた。
その結果、上記従来の方法のようにあらかじめ生成され
たα−Fe2O3赤色顔料粒子を接着剤によつて赤色発
光螢光体に付着せしめるのではなく、まず赤色発光螢光
体と化学的に沈澱した水酸化鉄(l)〔Fe(0H)2
〕の分散液に酸素を供給することによつてその表面にα
一酸化水酸化鉄()〔α−FeO(0H)〕が付着した
赤色発光螢光体を得、しかる後このα−FeO(0H)
が付着した赤色発光螢光体を焼成して赤色発光螢光体粒
子表面にαFe2O3を生成せしめれば赤色発光螢光体
粒子表面にα−Fe2O3赤色顔料粒子が極めて均一に
付着した顔料付螢光体が得られることを見出し本発明を
完成するに至つた。本発明の顔料付螢光体の製造方法は
、赤色発光螢光体と化学的に沈澱したFe(0H)2の
分散液に酸素を供給してFe(0H)2をα−FeO(
0H)とし、次にこの分散液からα−FeO(0H)と
赤色発光螢光体の混合物を分離し、しかる後この混合物
を酸化性雰囲気中で250乃至750℃の温度で焼成し
て赤色発光螢光体粒子表面に付着したα−FeO(20
H)をα−Fe2O3とすることを特徴とする。
本発明者等は上記本発明の顔料付螢光体の製造方法に更
に検討を加えた。
その結果、上記本発明の顔料付螢光体の製造方法におい
て得られるα−FeO(0H)と赤色発光螢光体の混合
物をそのまま焼成するのではなく、この混合物を金属鉄
を含む硫酸鉄()(FeSO4)水溶液中に入れ、この
水溶液に酸素を供給することによつてα一FeO(0H
)を熟成せしめ、しかる後得られる熟成されたα−Fe
O(0H)と赤色発光螢光体の混合物を上記と同様に焼
成した場合には、得られる顔料付螢光体は赤色発光螢光
体粒子表面にα一Fe2O3赤色顔料粒子が極めて均一
に付着しているのは勿論のこと、上記本発明の製造方法
によつて得られる顔料付螢光体よりも高い赤色着色度を
有することを見出した。本発明のもう1つの顔料付螢光
体の製造方法は、上記本発明の顔料付螢光体の製造方法
にさらにαFeO(0H)の熟成工程が加わつたもので
あり、赤色発光螢光体と化学的に沈澱したFe(0H)
2の分散液に酸素を供給してFe(0H)2をα−Fe
O(0H)とし、次にこの分散液からα一FeO(0H
)と赤色発光螢光体の混合物を分離し、このα−FeO
(0H)と赤色発光螢光体の混合物を金属鉄を含むFe
sO4水溶液に入れ、この水溶液に酸素を供給すること
によつてα−FeO(0H)を熟成せしめ、次にこの水
溶液から熟成されたα−FeO(0H)と赤色発光螢光
体の混合物を分離し、しかる後この熟成されたα−Fe
O(0H)と赤色発光螢光体の混合物を酸化性雰囲気中
で250乃至750℃の温度で焼成して赤色発光螢光体
粒子表面に付着した熟成されたα−FeO(0H)をα
〜Fe2O3とすることを特徴とする。
以下本発明を詳しく説明する。本発明の顔料付螢光体に
おいては、まず赤色螢光体と化学的に沈澱したFe(0
H)2の分散液が調製される。
この分散液は、一般には赤色発光螢光体を分散せしめた
FesO4、Fe(NO3)2等のFe塩()の水溶液
に、NaOH.KOH等の水酸化物水溶液を添加混合し
てFe(0H)2沈澱を生成せしめることによつて調製
される。しかしながら、この方法に限られるものではな
く、例えばまず上記Fe塩()水溶液と水酸化物水溶液
とを混合してFe(0H)2沈澱を生成せしめ、これに
赤色発光螢光体を加える等赤色発光螢光体と化学的に沈
澱したFe(0H)2とが共存する分散液が得られれば
その調製方法に特に制限はない。
化学的に沈澱したFe(0H)2粒子は赤色発光螢光体
粒子と比較すると著しく微細であり、従つてこの分散液
中においてはFe(0H)2微細粒子は粒子間引力、物
理吸着等によつて赤色発光螢光体粒子表面に付着してい
るものと考えられる。次に上記分散液中に酸素を供給し
て分散液中のFe(0H)2を酸化してα−FeO(0
H)とする。
酸素の供給は分散液中に空気泡、酸素泡等を送り込むこ
とによつて行なわれるが、経済的な点から空気泡を用い
るのが一般的である。また酸素供給中に分散液の液温は
約30乃至70℃に保たれるのが好ましい。この酸素の
供給によつてFe(0H)2はα−FeO(0H)に酸
化されるが、その反応は下記の式で表わされる。
このようにして生成されるα−FeO(0H)の粒子径
は種々の条件によつて変化するものであるが(例えば酸
素供給速度を速め酸化速度を速くすると、α−FeO(
0H)の核生成が促進され、粒子径は小さくなる)、一
般に赤色発光螢光体粒子に比較して著しく微細である。
従つて生成されたα−FeO(0H)微細粒子は、Fe
(0H)2に代つて粒子間力、物理吸着等によつて赤色
発光螢光体粒子表面に付着するものと考えられる。なお
上記酸素の供給によるα−FeO(0H)の生成は、例
えば赤色発光螢光体を分散せしめたFe塩()水溶液に
空気泡を送り込みながらNaOH.KOH等の水酸化物
水溶液を添加してFe(0H)2沈澱を生成させながら
これをα一FeO(0H)とする等、先に述べたFe(
0H)2と赤色発光螢光体の分散液の調製と同時に行な
うこともできる。
次に上記分散液からα−FeO(0H)と赤色発光螢光
体の混合物を分離する。
このα−FeO(0H)と赤色発光螢光体の混合物の分
離は、分散液を放置しα−FeO(0H)と赤色発光螢
光体の混合物を沈澱せしめた後上澄み液をデカンテーシ
ヨンにて取除く等一般的な分離方法によつて行なわれる
。分離後、得られる混合物を水洗し、脱水した後乾燥す
る。このようにして得たα−FeO(0H)と赤色発光
螢光体の混合物において、α−FeO(0H)微細粒子
は先に述べたように粒子間力、物理吸着等によつて赤色
発光体粒子表面に付着しているものと考えられる。
次に上述のようにして得たα−FeO(0H)と赤色発
光螢光体の混合物を石英ルツボ、アルミナルツボ等の耐
熱性容器に充填し焼成を行ない、目的とするα−Fe2
O3赤色顔料粒子付赤色発光螢光体を得る。
焼成は空気中等の酸化性雰囲気中で250乃至750℃
の温度で行なう。この焼成によつて赤色発光螢光体表面
に付着したαFeO(0H)は脱水されてα−Fe2O
3となる。
その反応は下記の式で表わされる。上記焼成条件は厳守
されなければならない。
酸化性雰囲気以外の雰囲気中で焼成を行なつた場合には
α−Fe2O3は生成されず、従つて目的とする顔料付
螢光体は得られない。また焼成温度が250℃よりも低
い場合には上記脱水反応は起らず、一方焼成温度が75
0℃よりも高い場合には生成されたα−Fe2O3がキ
ラ一として赤色発光螢光体に作用して赤色発光螢光体の
発光輝度を著しく低下せしめる。より好ましい焼成温度
範囲は400乃至700℃である。焼成時間は充填量、
採用する焼成温度等により異なるが、一般には30分乃
至5時間が適当である。この焼成によつて赤色発光螢光
体表面に付着しているα−FeO(0H)はα−Fe2
O3となり、目的とするα−Fe2O3赤色顔料粒子付
赤色発光螢光体が得られる。
以上述べた製造方法によつて赤色発光螢光体粒子表面に
α−Fe2O3赤色顔料粒子が極めて均一に付着した顔
料付螢光体を得ることができるが、先に述べたように、
上述の製造方法にさらにα−FeO(0H)の熟成工程
を加えた製造方法によつて得られる顔料付螢光体は、上
述の製造方法によつて得られる顔料付螢光体よりも高い
赤色着色度を有する。
α−FeO(0H)の熟成は、赤色発光螢光体と化学的
に沈澱したFe(0H)2の分散液に酸素を供給するこ
とによつて得られる、α−FeO(0H)と赤色発光螢
光体の混合物を、金属鉄を含むFesO4水溶液中に入
れ、この水溶液に酸素を供給することによつて行なわれ
る。
酸素の供給はαFeO(0H)生成の場合と同様に水溶
液中に空気泡、酸素泡を送り込むことによつて行なわれ
るが、経済的な点から空気泡を用いるのが一般的である
。また酸素供給中に水溶液の液温は約30乃至80℃に
保たれるのが好ましい。金属鉄としては鉄粉、鉄粒、鉄
くず等が用いられる。このαFeO(0H)熟成反応は
下記の式で表わされる。上記反応式から明らかなように
、まずFesO4水溶液に酸素を供給することによつて
FesO4は酸化とともに加水分解されてα−FeO(
0H)とH2SO4が生成され、この生成されたα−F
eO(0H)がこの水溶液中に赤色発光螢光体と共に存
在するα−FeO(0H)微細粒子(種子結 1晶)を
成長(熟成)せしめるのである。
一方、同時に生成されたH2SO4は金属鉄と反応して
FesO4を補給する。このα−FeO(0H)の熟成
反応は、α−FeO(0H)微細粒子が所要の大きさに
成長するまで適宜行なわれる。反応速度にもよるが、こ
の熟成反応をかなり長時間行なつた場合でも得られる熟
成されたα−FeO(0H)の粒子径は赤色発光螢光体
の粒子径と比較すると著しく小さなものである。熟成反
応後、熟成されたα−FeO(0H)と赤色発光螢光体
の混合物を一エ般的な方法で水溶液から分離し、水洗、
脱水後乾燥する。このようにして得た熟成されたα一F
eO(0H)と赤色発光螢光体の混合物においても、熟
成されたα−FeO(0H)粒子は赤色発光螢光体表面
に付着しているものと考えられる。この混合物を先に述
べた焼成方法と同じ方法で焼成してα−Fe2O3赤色
顔料粒子付赤色発光螢光休を得る。なお一般にはα−F
eO(0H)の熟成反応は、赤色発光螢光体と化学的に
沈澱したFe(0H)2の分散液に酸素を供給すること
によつて得られるα−FeO(0H)と赤色発光螢光体
の混合物を一旦分散液から分離し、この混合物を別途に
調製された金属鉄を含むFesO4水溶液中に入れるこ
とによつて行なわれるが、条件的に可能であるならば、
α−FeO(0H)と赤色発光螢光体の混合物を分離す
ることなく分散液に直接金属鉄とFesO4を加えて分
散液中で行なつてもよい。
上記α−FeO(0H)の熟成工程を含む製造方法によ
つて得られる顔料付螢光体の方が、α−FeO(0H)
の熟成工程を含まない製造方法によつて得られる顔料付
螢光体よりも赤色着色度が高いのは、α−FeO(0H
)の熟成によつて赤色発光螢光体粒子表面に粒子径のよ
り大きい安定した、従つて赤色着色度のより高いα−F
e2sO4が生成されるためであると考えられる。本発
明の製造方法は主としてカラーテレビジヨン用陰極線管
に用いられる赤色発光螢光体に適用されるものであるが
、必ずしもこれに限られるものではなく、一般によく使
用される赤色発光螢光体全般にも適用されうることは言
うまでもない。
本発明の製造方法に用いられる赤色発光螢光体としては
、例えばマンガン付活オルソ燐酸亜鉛螢光体〔Zn3(
PO4)2:Mn〕、マンガン付活珪酸マグネシウム螢
光体(MgSiO3:Mn)、銀付活硫化亜鉛カドミウ
ム螢光体〔(Zn.Cd)S:3Ag〕、ユーロピウム
付活バナジン酸イツトリウム螢光体(YVO4:Eu)
、ユーロピウム付活酸硫化イツトリウム螢光体(Y2O
2S:Eu)、ユーロピウム付活酸化イツトリウム螢光
体(Y2O3:Eu)等が挙げられるがカラーテレビジ
ヨン用陰極線管に実用の赤色発光螢光体という点から、
YVO4:Eu螢光体Y2O2S:EU螢光体あるいは
Y2O3:Eu螢光体を用いるのが好ましい。これら本
発明の製造方法に用いられる赤色発光螢光体は平均粒子
径が3乃至15μのものが好適である。また本発明の製
造方法によつて赤色発光螢光体に付着せしめられるα−
Fe2O3の量は、用いる赤色発光螢光体の種類等によ
つて多少異なるが、一般には赤色発光螢光体100重量
部に対して0.01乃至5重量部が適当である。所要量
のα−Fe2O3が赤色発光螢光体粒子表面に生成され
るように上述本発明の製造方法の各製造条件が設定され
る。上述本発明の製造方法によつて得られる顔料付螢光
体は、赤色発光螢光体粒子表面にα−Fe2O3赤色顔
料粒子が極めて均一に付着したものであり、その赤色発
光螢光体粒子表面におけるα−Fe2O3赤色顔料粒子
の均一性は従来法によつて得られる顔料付螢光体よりも
著しく優れたものである。
第1図は本発明の製造方法によつて得られた顔料付螢光
体の反射スペクトルを例示するものであり、曲線aはα
−FeO(0Hノ熟成工程を含まない製造方法によつて
製造された顔料付螢光体の反射スペクトル、曲線bはα
−FeO(0H)熟成工程を含む製造方法によつて製造
された顔料付螢光体の反射スペクトルである。
なお曲線aおよびbの顔料付螢光体はいずれもほぼ等量
のα−Fe2O3が付着したY2O2S:EU螢光体で
ある。
曲線aおよびbから明らかなように、本発明の製造方法
によつて得られた顔料付螢光体は赤色に着色しているこ
とがわかる。このことは螢光体粒子表面にα−Fe2O
3が生成されていることを意味する。また曲線cと曲線
bの比較から明らかなように、α−FeO(0H)熟成
工程を含む製造方法によつて製造された顔料付螢光体(
曲線b)はα−FeO(0H)熟成工程を含まなX,j
造方法によつて製造された顔料付螢光体(曲線a)に比
較して赤色領域よりも短波長の波長領域の反射率が低下
して赤色着色度が高くなることがわかる。第2図は従来
法によつて得られた顔料付螢光体および本発明の製造方
法によつて得られた顔料付螢光体の電子顕微鏡写真(×
3000)であり、Aが従来法によつて得られた顔料付
螢光体、Bが本発明の製造方法によつて得られた顔料付
螢光体である。第2図−Aに示されるように、あらかじ
めαFe2O3赤色顔料粒子(写真において小さな粒子
)を接着剤によつて赤色発光螢光体粒子(写真において
大きな粒子)表面に付着せしめる従来法によつて得られ
た顔料付螢光体は顔料粒子どうしの凝集が観察され、赤
色発光螢光体粒子表面におけるα−Fe2O3赤色顔料
粒子の均一性は充分なものとは言えない。
これに対して第2図−Bに示される本発明の製造方法に
よつて得られた顔料付螢光体においては、第2図−Aに
示されるα一Fe2O3顔料粒子どうしの凝集は勿論の
こと、α−Fe2O3赤色顔料粒子らしきものはほとん
ど観察されない。
これは本発明の製造方法によつて得られる顔料付螢光体
が良好な赤色着色を示すということと考えあわせると、
本発明の製造方法によつて得られる顔料付螢光体におい
ては微細なα−Fe2O3赤色顔料粒子が赤色発光螢光
体粒子表面に膜状に均一に付着しているためであると考
えられる。なおα−FeO(0H)の熟成を充分に行な
うことによつて得た顔料付螢光体においては、赤色発光
螢光体粒子表面にα−Fe2O3赤色顔料粒子が観察さ
れたが、このα−Fe2O3赤色顔料粒子は第2図−A
に示されるα−Fe2O3赤色顔料粒子のように大きく
はなく、またこのように明確な粒子ではなく、赤色発光
螢光体粒子表面に均一に分布している。以上説明したよ
うに、本発明によれば赤色発光螢光体粒子表面にα−F
e2O3赤色顔料粒子を凝集なく極めて均一に付着せし
めた顔料付螢光体を得ることができる。
なお従来Fe(0H)2からα一FeO(0H)を生成
し、このα−FeO(0H)を焼成してα−Fe2O3
赤色顔料粒子を製造する方法および前記製造方法におい
てα−FeO(0H)を金属鉄を含むFesO4水溶液
中で熟成する方法は知られていた。しかしながら、この
α−Fe2O3赤色顔料粒子の製造方法を赤色発光螢光
体を介在させて行ない、赤色発光螢光体粒子表面にα−
Fe2O3赤色顔料粒子を凝集なく均一に生成せしめる
ことは従来全く知られておらず、本発明者等によつて初
めてなされたものである。
次に実施例によつて本発明を説明する。実施例 1 水100t、平均粒子径が7μのY2O2S:Eu螢光
体100f7およびFeSO4・7H200.87の混
合液を調製し、充分攪拌してY2O2S:Eu螢光体を
分散させると同時にFeSO4・7H20を溶解した。
このY2O2S:EU螢光体が分散したFesO4水溶
液に、0.2%NaOH水溶液50yを添加してFe(
0H)2を沈澱せしめた。次にこのようにして得たY2
O,S:Eu螢光体とFe(0H)2の分散液の液温を
30℃に保ち、流速21/分で空気泡を送り込んだ。2
時間後空気泡送入を止め、放置後上澄み液をデカンテー
シヨンにて取除き、得られるα−FeO(0H)とY2
O2S:EU螢光体の混合物を水洗し脱水して乾燥した
次にこのようにして得たα一FeO(0H)とY2O2
:EU螢光体の混合物をアルミナルツボに充填し、空気
中で600℃の温度で2時間焼成してα−Fe2O3赤
色顔料粒子付Y2O2S:EU螢光体を得た。
上述の製造方法によつて得た顔料付螢光体は分析の結果
Y2O2S:EU螢光体100重量部に対して0.3重
量部のα−Fe2O3が付着していることが判明した。
またこの顔料付螢光体の500nmおよび600nmに
おける反射率はそれぞれ45%および70%であり、5
00nmにおける反射率に対する600nmにおける反
射率の比は1.56であつた。さらにこの顔料付螢光体
を電子顕微鏡にて観察したところ、α−Fe2O3赤色
顔料粒子は第2図−Bに示されるようにY2O2S:E
u螢光体粒子表面に極めて均一に付着していた。実施例
2水100V、平均粒子径が7μのY2O2S:Eu
螢光体100VおよびFeSO4・ 7H200.1y
の混合液を調製し、充分攪拌してY2O2S:Eu螢光
体を分散させると同時にFeSO4・ 7H20を溶解
した。
このY2O2S:EU螢光体が分散したFeSO4水溶
液に、0.2%のNaOH水溶液25yを添加してFe
(0H)2を沈澱せしめた。次にこのようにして得たY
2O2S:EU螢光体とFe(0H)2の分散液の液温
を30℃に保ち、流速21/分で空気泡を送り込んだ。
2時間後空気泡送入を止め、放置後上澄み液をデカンテ
ーシヨンにて取除き、得られるα− FeO( 0H)
とY2O2S:EU螢光体の混合物を水洗した。
次に100yの水と0.2V(r)FeSO4・ 7H
20とからなるFeSO4水溶液に鉄粒IVを含ませた
熟成溶液に、上述のようにして得たα−FeO( 0H
)とY2O2S:Eu螢光体の混合物を入れ、液温を6
0℃に保つて攪拌しながら空気泡を21/分の流速で送
り込んだ。
6時間後空気泡送入を止め鉄粒を取除いた。
放置後上澄み液をデカンテーシヨンにて取除き、得られ
る熟成されたα− FeO( 0H)とY2O2S:E
U螢光体の混合)物を水洗し脱水して乾燥した。次にこ
のようにして得た熟成されたα− FeO( 0H)と
Y2O2S:Eu螢光体の混合物をアルミナルツボに充
填し、空気中で600℃の温度で3時間焼成してα一F
e2O3赤色顔料粒子付Y2O2S:Eu螢光体を得た
。上述の製造方法によつて得た顔料付螢光体は分析の結
果Y。
O2S:Eu螢光体100重量部に対して0.3重量部
のα−Fe2O3が付着していることが判明した。また
この顔料付螢光体の500nmおよび600nmにおけ
る反射率はそれぞれ36%および72%であり、500
nmにおける反射率に対する600nmにおける反射率
の比は2.00であつた。さらにこの顔料付螢光体を電
子顕微鏡にて観察したところ、α−Fe2O3赤色顔料
粒子は第2図−Bに示されるようにY2O2S:Eu螢
光体粒子表面に極めて均一に付着していた。上記2つの
実施例の製造方法によつて製造された顔料付螢光体を、
従来の製造方法(特開昭53−14177号に示された
、べんがら顔料をバインダを用いてY2O2S:Eu螢
光体表面に付着させる方法)によつて製造された顔料付
螢光体(これを従来例1、従来例2とする。従来例2は
、従来例1を実施例2にならつて熟成したもの)と比較
したデータを次に表にして示す。この比較では、両者の
積分反射率を揃えて、他の特性を比較した。
上記比較表から明らかなように、本発明の方法によるも
のと従来例とを比較してみると、積分反射率(すなわち
全波長における反射率を合計したもの、換言すれば分光
的に平均した反射率)を同じに揃えたとき、本発明によ
るものの方が従来法によるものよりも、(I)顔料が少
量で済む (゛) 620nmの反射率が高い(物体色がより赤く
、良好)(Ili)輝度が高い 0V) 600nm反射率/500nm反射率の比が高
い(赤い方により高い反射率を有している)という特性
上の長所を有し、本発明の方法が優れていることが確認
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の製造方法によつて得られた顔料付螢光
体の反射スペクトルを例示するものであり、曲線aはα
−FeO(0H)熟成工程を含まない製造方法によつて
製造された顔料付螢光体の反射スペクトル、曲線bはα
−FeO(0H)熟成工程が含む製造方法によつて製造
された顔料付螢光体の反射スペクトルである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 赤外発光螢光体と化学的に沈澱した水酸化鉄(II)
    〔Fe(OH)_2〕の分散液に酸素を供給して水酸化
    鉄(II)〔Fe(OH)_2〕をα−酸化水酸化鉄(I
    II)〔α−FeO(OH)〕とし、次にこの分散液から
    α−酸化水酸化鉄(III)〔α−FeO(OH)〕と赤
    色発色螢光体の混合物を分離し、しかる後この混合物を
    酸化性雰囲気中で250乃至750℃の温度で焼成して
    赤色発光螢光体粒子表面に付着したα−酸化水酸化鉄(
    III)〔α−FeO(OH)〕をべんがら(α−Fe_
    2O_3)とすることを特徴とする顔料付螢光体の製造
    方法。 2 焼成温度が400乃至700℃であることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載の顔料付螢光体の製造方
    法。 3 前記赤色発光螢光体100重量部に対して、前記べ
    んがら(α−Fe_2O_3)が0.01乃至5重量部
    生成されることを特徴とする特許請求の範囲第1項また
    は第2項記載の顔料付螢光体の製造方法。 4 前記赤色発光螢光体の平均粒子径が3乃至15μで
    あることを特徴とする特許請求の範囲第1項乃至第3項
    のいずれかの項記載の顔料付螢光体の製造方法。 5 前記赤色発光螢光体がユーロピウム付活酸硫化イッ
    トリウム螢光体(Y_2O_2S:Eu)であることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項乃至第4項のいずれか
    の項記載の顔料付螢光体の製造方法。 6 前記赤色発光螢光体がユーロピウム付活酸化イット
    リウム螢光体(Y_2O_3:Eu)であることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項乃至第4項のいずれかの項
    記載の顔料付螢光体の製造方法。 7 前記赤色発光螢光体がユーロピウム付活バナジン酸
    イットリウム螢光体(YVO_4:Eu)であることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項乃至第4項のいずれか
    の項記載の顔料付螢光体の製造方法。 8 赤色発光螢光体と化学的に沈澱した水酸化鉄(II)
    〔Fe(OH)_2〕の分散液に酸素を供給して水酸化
    鉄(II)〔Fe(OH)_2〕をα−酸化水酸化鉄(I
    II)〔α−FeO(OH)〕とし、次にこの分散液から
    α−酸化水酸化鉄(III)〔α−FeO(OH)〕と赤
    色発光螢光体の混合物を分離し、このα−酸化水酸化鉄
    (III)〔α−FeO(OH)〕と赤色発光螢光体の混
    合物を金属鉄を含む硫酸鉄(II)(FeSO_4)水溶
    液に入れ、この水溶液に酸素を供給することによつてα
    −酸化水酸化鉄(III)〔α−FeO(OH)〕を熟成
    せしめ、次にこの水溶液から熟成されたα−酸化水酸化
    鉄(III)〔α−FeO(OH)〕と赤色発光螢光体の
    混合物を分離し、しかる後この熟成されたα−酸化水酸
    化鉄(III)〔α−FeO(OH)〕と赤色発光螢光体
    の混合物を酸化性雰囲気中で250乃至750℃の温度
    で焼成して赤色発光螢光体粒子表面に付着した熟成され
    たα−酸化水酸化鉄(III)〔α−FeO(OH)〕を
    べんがら(α−Fe_2O_3)とすることを特徴とす
    る顔料付螢光体の製造方法。 9 焼成温度が400乃至700℃であることを特徴と
    する特許請求の範囲第8項記載の顔料付螢光体の製造方
    法。 10 前記赤色発光螢光体100重量部に対して、前記
    べんがら(α−Fe_2O_3)が0.01乃至5重量
    部生成されることを特徴とする特許請求の範囲第8項ま
    たは第9項記載の顔料付螢光体の製造方法。 11 前記赤色発光螢光体の平均粒子径が3乃至15μ
    であることを特徴とする特許請求の範囲第8項乃至第1
    0項のいずれかの項記載の顔料付螢光体の製造方法。 12 前記赤色発光螢光体がユーロピウム付活酸硫化イ
    ットリウム螢光体(Y_2O_2S:Eu)であること
    を特徴とする特許請求の範囲第8項乃至第11項のいず
    れかの項記載の顔料付螢光体の製造方法。 13 前記赤色発光螢光体がユーロピウム付活酸化イッ
    トリウム螢光体(Y_2O_3:Eu)であることを特
    徴とする特許請求の範囲第8項乃至第11項のいずれか
    の項記載の顔料付螢光体の製造方法。 14 前記赤色発光螢光体がユーロピウム付活バナジン
    酸イットリウム螢光体(YVO_4:Eu)であること
    を特徴とする特許請求の範囲第8項乃至第11項のいず
    れかの項記載の顔料螢光体の製造方法。
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