JPS6116254B2 - - Google Patents
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- JPS6116254B2 JPS6116254B2 JP10198578A JP10198578A JPS6116254B2 JP S6116254 B2 JPS6116254 B2 JP S6116254B2 JP 10198578 A JP10198578 A JP 10198578A JP 10198578 A JP10198578 A JP 10198578A JP S6116254 B2 JPS6116254 B2 JP S6116254B2
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- acid
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- pinacolon
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明はピナコロン(第三級ブチルメチルケト
ン)の製造方法に関する。 ピナコロンの製法としては、アセトンの二量化
によつて得られるピナコールの酸触媒による転位
反応(ピナコール−ピナコロン転位反応)が古く
から知られている(たとえばOrg.Synth.,Coll.
Vol.,1 459〜463頁参照)。この反応は、アセ
トンの二量化の段階で有毒な塩化第二水銀が必要
なうえそれが大部分元素状水銀に変換される、金
属マグネシウム(または金属アルミニウム)が少
くとも化学量論的に必要でかつそれが塩に変換さ
れる、大過剰のアセトンが必要なうえそれが還元
されてイソプロパノールを副生するなど工業的大
規模で反応を実施するに際し種々の問題を伴う。 また、別法として2−メチル−2−ブテンとホ
ルムアルデヒドのプリンス反応により得られる
4,4,5−トリメチル−1,3−ジオキサンを
強酸の存在下に加水分解する方法も知られている
(ドイツ特許第714488号およびアメリカ特許第
4059634号参照)。 しかしながら、この方法もピナコロン収率が低
く、かつ多量の粘性副生物が生成し反応工程の面
だけではなく製品純度の点でも欠点を有する。 本発明者等は上述した如き問題点を解消するた
めに鋭意検討した結果、下記 一般式() 〔式()においてWおよびYは水素原子であ
り、XおよびZは同一もしくは異なりそれぞれ
OH,Cl,BrもしくはRCOO(但しRは水素原子
もしくは炭素数1〜3個のアルキル基である)を
表わすか、あるいはWおよびYの一方が水素原子
であり他方はXと一緒になつた単結合を形成し、
ZはOH,Cl,Br,HSO4,H2PO4,ClO4もしく
はRCOO(但しRは上記と同じである)を表わ
す〕で示される化合物を無機強酸水溶液中で加熱
することによつてピナコロンが容易に得られるこ
とを見出し、本発明に至つた。さらにこの反応に
際し反応系に無機強酸の塩を共存させると、ピナ
コロン収率が一層向上すると共に、使用する無機
強酸の濃度および量を低減しうることが判明し
た。 本発明においてピナコロンの生成は前記一般式
()で表わされる化合物の分解転位によるもの
であり、たとえば一般式()においてWおよび
Yがともに水素原子、Xが塩素原子であり、Zが
CH3COO基である化合物のピナコロンへの転位
は次式で示される。 本発明で原料として用いられる一般式()で
表わされる化合物は2−メチルブテン−2または
3−メチルブテン−1とホルムアルテヒドとの反
応で得られる4,4,5−トリメチル−1,3−
ジオキサンを経由し、あるいは経由せずに容易に
入手し得るものである(たとえばChem.Rev.51
505(1952)、Zhur.Obshchei Khim.27 2806
(1957)、および工業化学雑誌72 1715(1969)、
特公昭59−14011号公報参照)。具体的には2,3
−ジメチルブタン−1,3−ジオール、2,3−
ジメチル−3−クロルブタン−1−オール、2,
3−ジメチル−3−ブロムブタン−1−オール、
2,3−ジメチルブテン−2−オール−1、2,
3−ジメチルブテン−3−オール−1およびそれ
らの炭素数1〜4個の脂肪族カルボン酸エステル
などである。 本発明に好ましく用いられる無機強酸水溶液
は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、燐酸または過塩素
酸水溶液であり、それらは二種以上が混合使用さ
れてもよい。特に塩酸が価格、反応収率その他の
面から好ましい。反応混合物の水相中の酸濃度お
よび酸量は反応の進行により変化することがある
が、本発明では反応の全期間中にわたり反応系の
水相中における酸濃度が0.5モル/Kg以上好まし
くは1.0モル/Kg以上でかつ水相中の無機強酸の
量が反応系の原料に対して0.1倍モル以上好まし
くは0.5倍モル以上に保たれるならば、無機強酸
ならびに原料の種類に応じてそれぞれ満足できる
収率でピナコロンを得ることができる。 本発明において無機強酸と併用することのでき
る無機強酸の塩は反応系に少くとも部分的に可溶
であることが必要であるが、100℃における水に
対する溶解度が35以上のものが好ましい。中性
塩、酸性塩のいずれも使用可能であり、たとえば
リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、
セシウム、銅()、マグネシウム、カルシウ
ム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、カドミウ
ム、アルミニウム、スカンジウム、ジルコニウ
ム、チタン()、錫()、マンガン()、
鉄、コバルト()、ニツケル等の塩化物及び臭
化物、アンモニウム、ナトリウム、ルビジウム、
セシウム、マグネシウム、カドミウム、亜鉛、ア
ルミニウム、コバルト()、銅()、ニツケル
()、マンガン()等の硫酸塩、カルシウム、
銀、ストロンチウム、ナトリウム、バリウム、マ
グネシウム等の過塩素酸塩、硫酸水素ナトリウ
ム、硫酸水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム
等の酸性塩、さらには塩化硫酸マグネシウムカリ
ウム等の複合塩などを例示することができる。こ
の中でもモル溶解度が大きく、かつ反応条件下で
の水相中における安定性が高いものが好適であ
り、この点を考慮すると第二〜第四周期のアルカ
リ金属及びアルカリ土類金属の塩が最も好まし
い。反応に用いられる無機強酸の酸根と無機強酸
塩の酸根は必ずしも同一である必要はないが、反
応条件下で難溶性の塩を生成するような組合せは
避けねばならない。さらに無機強酸の塩は上記溶
解度が満たされる範囲内で二種以上を混合使用し
てもよいが、この場合も反応条件下で難溶性の塩
を生成する様な組合せは避けなければならない。 無機強酸の塩の使用量は反応条件下における水
相中の無機強酸の濃度に応じて該塩の溶解度の範
囲内で任意に選ぶことができ、たとえば無機強酸
の濃度が高い場合には少く、反対に該酸濃度が低
い場合には多くなるように変化させることができ
るが、無機強酸の酸根と無機強酸塩の酸根の和が
反応系の水相1Kgに対し少くとも2.5モル以上で
あるのが好ましい。換言すれば本発明の方法が無
機強酸水溶液の他に無機強酸塩を併用して行われ
る場合には無機強酸および無機強酸塩の両方に由
来する酸根の和の濃度は該水相1Kg当り少くとも
2.5モル以上であることが好ましい。無機強酸お
よび無機強酸塩に由来する酸根の濃度が反応系の
水相1Kgに対して2.5モル未満である場合は実用
的なピナコロン収率を得ることが困難であり、好
ましくない。 反応は水のほか反応に不活性な希釈剤の存在下
で行うこともでき、かかる希釈剤としては飽和炭
化水素類およびケトン類例えば、メチルブタン、
ヘキサン、シクロヘキサン、塩化ブチル、1,
1,1−トリクロルエタン、1,1,1,2−テ
トラクロルエタン、四塩化炭素、ピナコロン等の
疎水性の化合物を挙げることができる。しかし希
釈剤の使用によつて特に利益がもたらされること
はない。 反応温度は40〜200℃、特に60〜150℃の範囲が
好ましく、さらに反応の後期において少なくとも
80℃以上の温度で反応を仕上げる必要がある。反
応は通常大気圧以上30Kg/cm2以下の圧力で行われ
るが、この圧力は限定的なものではなく上記温度
条件が維持できればこの範囲を越えた圧力下でも
反応を行うことができる。反応が反応混合物の沸
点以上の温度で行なわれる場合反応圧力は該反応
温度に於ける該反応混合物の自在が適当であり、
不活性ガスによる加圧は特に必要でない。 反応方法としては、(1)無機強酸水溶液または無
機強酸および無機強酸塩を含む水溶液を撹拌しな
がら所定の反応温度に保ち、これに一般式()
で表わされる化合物の一種または二種以上の混合
物を連続的または断続的に添加しながら反応させ
る方法、(2)無機強酸水溶液または無機強酸および
無機強酸塩を含む水溶液に一般式()で表わさ
れる化合物の一種または二種以上を混合し、撹拌
しながら所定の温度に保ち反応させる方法等が用
いられる。一般には(1)の方法がより高いピナコロ
ン収率を与えるので好ましい。本発明の方法は連
続式、回分式の何れの方法によつても実施でき
る。反応時間は原料の使用量、無機強酸水溶液ま
たは無機強酸と無機強酸塩を含む水溶液の濃度な
らびに量、反応温度その他によつても当然変化す
るが、通常1〜20時間である。反応後の反応混合
物よりピナコロンを取得する方法としては、(a)有
機相を水相から分離したのち該有機相をそのま
ま、あるいは必要に応じて中和したのち蒸留に供
する方法、(b)反応混合物を中和した後そのまま、
あるいは有機相を水相から分離して蒸留に供する
方法、(c)反応混合物をそのまま蒸留に供する方法
等が用いられる。(a)または(c)の方法を用いるなら
ば水相の全部または一部を反応系に循環し再使用
することが可能であるが、ピナコロンの効率的な
分離・取得の面および操作上の観点からは(a)の方
法が最も好ましい。蒸留方法としては水蒸気蒸留
や通常の常圧または減圧蒸留が用いられる。 本発明において無機強酸塩を併用することは反
応収率を高め、あるいは反応収率を維持するうえ
で必要な無機強酸の濃度および量を低減させる効
果があるばかりでなく、反応混合物を有機相と水
相に分離する際に水相中に分配する有機物の量を
減少させるうえで有利である。 本発明で得られるピナコロンは溶剤として、ま
た農薬やゴム薬品等の合成中間体として工業上有
用である。 次に本発明を実施例によりさらに詳しく説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。なお実施例中の収率は特にことわりが
ない限り反応系に供給された出発原料に対する生
成ピナコロンのモル%を意味する。 実施例 1 撹拌機、還流冷却管、温度計および滴下ロート
を備えた300ml容の四頚フラスコに10重量%の塩
酸109.5g(塩化水素0.300モル)および塩化リチ
ウム22.6g(0.533モル)を仕込み、撹拌しなが
ら加熱した。液温が100℃になつた時点で純度
90.2%の2,3−ジメチルブタン−1,3−ジオ
ール(他は3−メチルペンタン−1,3−ジオー
ル)40.5g(0.310モル)を滴下ロートから4時
間にわたつて導入した。原料の導入に従つて反応
混合物は還流し、原料導入終了時の還流温度は
90.0℃であつた。反応は更に2時間還流させて仕
上げた。この時の還流温度(以下反応終了時温度
と呼ぶ)は90.5℃であつた。反応混合物を氷水浴
で冷却下撹拌しながら当量の水酸化ナトリウムを
徐々に添加して中和した。次に反応混合物から有
機相を分液しガスクロマトグラフイーにより分析
してピナコロン収率を求めた。結果を表1に示
す。 実施例2および3 塩化リチウムを共存させず塩酸の使用量を表1
のようにした以外は実施例1と同様に反応させ、
処理分析して表1の結果を得た。 【表】 実施例 4 実施例1と同じ装置に不純物として3−メチル
ペンタン−1,3−ジオール7.7%を含む純度
92.3%の2,3−ジメチルブタン−1.3−ジオー
ル39.6g(0.310モル)および濃度21.4wt%の塩
酸167.0g(塩化水素0.979モル)を仕込み撹拌し
ながら4時間加熱還流させた。この時の還流温度
は87.5〜95.0℃であつた。反応混合物を実施例1
と同様に処理、分析したところピナコロン収率は
52.5%であつた。 実施例5及び6 出発原料として2,3−ジメチル−3−ヒドロ
キシブチルアセテートを用いて塩酸量(HCl/原
料モル比)を1.50にした以外はそれぞれ実施例1
及び2と同様に反応させ処理分析して表2の結果
を得た。 【表】 【表】 仕込み水溶液基準の値
実施例7〜8 出発原料としてそれぞれ2,3−ジメチル−3
−クロルブチルアセテートおよび2,3−ジメチ
ル−2−ブテニルアセテートを用いて塩化マグネ
シウムの共存下に反応を行う以外実施例1と同様
に反応させ、処理分析して表3の結果を得た。 【表】 * 表2の場合と同じことを意味する
実施例9及び10 出発原料として2,3−ジメチルブタン−1,
3−ジオールジアセテート86.7モル%と2,3−
ジメチル−3−ヒドロキシブチルアセテート13.3
モル%からなる混合物を使用する以外はそれぞれ
実施例1および4と同様に反応させ処理分析して
表4の結果を得た。 【表】 実施例11〜12 無機強酸として硫酸および無機強酸塩として硫
酸水素ナトリウムを用いる以外は実施例1と同様
に反応させ処理分析して表5の結果を得た。 参考例1〜2 実施例11に於いて硫酸ナトリウムを併用せず、
無機強酸として濃度がそれぞれ10.0wt%および
20.5wt%硫酸水溶液を用いて実施例11と同様に反
応させ処理分析した。結果を表5に併記する。 【表】 【表】 実施例13〜21 撹拌機、還流冷却管、温度計および滴下ロート
を備えた300ml容の四頚フラスコに塩酸および場
合によつて更に無機強酸の塩としてLiClまたは
MgCl2を仕込み、撹拌しながら加熱した。液温が
100℃なつた時点で出発原料として一般式()
で示される化合物0.310モルを滴下ロートから4
時間にわたつて導入した。原料の導入に従つて反
応混合物は還流した。出発原料導入終了後、更に
2時間還流させて反応を仕上げた(この時の還流
温度を反応終了時温度を称する)。得られた反応
混合物を氷水浴で冷却下撹拌しながら当量の水酸
化ナトリウムを徐々に添加して中和した。次に反
応混合物から有機相を分液しガスクロマトグラフ
イーにより分析してピナコロン収率を求めた。結
果を表6に示す。 【表】 【表】
ン)の製造方法に関する。 ピナコロンの製法としては、アセトンの二量化
によつて得られるピナコールの酸触媒による転位
反応(ピナコール−ピナコロン転位反応)が古く
から知られている(たとえばOrg.Synth.,Coll.
Vol.,1 459〜463頁参照)。この反応は、アセ
トンの二量化の段階で有毒な塩化第二水銀が必要
なうえそれが大部分元素状水銀に変換される、金
属マグネシウム(または金属アルミニウム)が少
くとも化学量論的に必要でかつそれが塩に変換さ
れる、大過剰のアセトンが必要なうえそれが還元
されてイソプロパノールを副生するなど工業的大
規模で反応を実施するに際し種々の問題を伴う。 また、別法として2−メチル−2−ブテンとホ
ルムアルデヒドのプリンス反応により得られる
4,4,5−トリメチル−1,3−ジオキサンを
強酸の存在下に加水分解する方法も知られている
(ドイツ特許第714488号およびアメリカ特許第
4059634号参照)。 しかしながら、この方法もピナコロン収率が低
く、かつ多量の粘性副生物が生成し反応工程の面
だけではなく製品純度の点でも欠点を有する。 本発明者等は上述した如き問題点を解消するた
めに鋭意検討した結果、下記 一般式() 〔式()においてWおよびYは水素原子であ
り、XおよびZは同一もしくは異なりそれぞれ
OH,Cl,BrもしくはRCOO(但しRは水素原子
もしくは炭素数1〜3個のアルキル基である)を
表わすか、あるいはWおよびYの一方が水素原子
であり他方はXと一緒になつた単結合を形成し、
ZはOH,Cl,Br,HSO4,H2PO4,ClO4もしく
はRCOO(但しRは上記と同じである)を表わ
す〕で示される化合物を無機強酸水溶液中で加熱
することによつてピナコロンが容易に得られるこ
とを見出し、本発明に至つた。さらにこの反応に
際し反応系に無機強酸の塩を共存させると、ピナ
コロン収率が一層向上すると共に、使用する無機
強酸の濃度および量を低減しうることが判明し
た。 本発明においてピナコロンの生成は前記一般式
()で表わされる化合物の分解転位によるもの
であり、たとえば一般式()においてWおよび
Yがともに水素原子、Xが塩素原子であり、Zが
CH3COO基である化合物のピナコロンへの転位
は次式で示される。 本発明で原料として用いられる一般式()で
表わされる化合物は2−メチルブテン−2または
3−メチルブテン−1とホルムアルテヒドとの反
応で得られる4,4,5−トリメチル−1,3−
ジオキサンを経由し、あるいは経由せずに容易に
入手し得るものである(たとえばChem.Rev.51
505(1952)、Zhur.Obshchei Khim.27 2806
(1957)、および工業化学雑誌72 1715(1969)、
特公昭59−14011号公報参照)。具体的には2,3
−ジメチルブタン−1,3−ジオール、2,3−
ジメチル−3−クロルブタン−1−オール、2,
3−ジメチル−3−ブロムブタン−1−オール、
2,3−ジメチルブテン−2−オール−1、2,
3−ジメチルブテン−3−オール−1およびそれ
らの炭素数1〜4個の脂肪族カルボン酸エステル
などである。 本発明に好ましく用いられる無機強酸水溶液
は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、燐酸または過塩素
酸水溶液であり、それらは二種以上が混合使用さ
れてもよい。特に塩酸が価格、反応収率その他の
面から好ましい。反応混合物の水相中の酸濃度お
よび酸量は反応の進行により変化することがある
が、本発明では反応の全期間中にわたり反応系の
水相中における酸濃度が0.5モル/Kg以上好まし
くは1.0モル/Kg以上でかつ水相中の無機強酸の
量が反応系の原料に対して0.1倍モル以上好まし
くは0.5倍モル以上に保たれるならば、無機強酸
ならびに原料の種類に応じてそれぞれ満足できる
収率でピナコロンを得ることができる。 本発明において無機強酸と併用することのでき
る無機強酸の塩は反応系に少くとも部分的に可溶
であることが必要であるが、100℃における水に
対する溶解度が35以上のものが好ましい。中性
塩、酸性塩のいずれも使用可能であり、たとえば
リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、
セシウム、銅()、マグネシウム、カルシウ
ム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、カドミウ
ム、アルミニウム、スカンジウム、ジルコニウ
ム、チタン()、錫()、マンガン()、
鉄、コバルト()、ニツケル等の塩化物及び臭
化物、アンモニウム、ナトリウム、ルビジウム、
セシウム、マグネシウム、カドミウム、亜鉛、ア
ルミニウム、コバルト()、銅()、ニツケル
()、マンガン()等の硫酸塩、カルシウム、
銀、ストロンチウム、ナトリウム、バリウム、マ
グネシウム等の過塩素酸塩、硫酸水素ナトリウ
ム、硫酸水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム
等の酸性塩、さらには塩化硫酸マグネシウムカリ
ウム等の複合塩などを例示することができる。こ
の中でもモル溶解度が大きく、かつ反応条件下で
の水相中における安定性が高いものが好適であ
り、この点を考慮すると第二〜第四周期のアルカ
リ金属及びアルカリ土類金属の塩が最も好まし
い。反応に用いられる無機強酸の酸根と無機強酸
塩の酸根は必ずしも同一である必要はないが、反
応条件下で難溶性の塩を生成するような組合せは
避けねばならない。さらに無機強酸の塩は上記溶
解度が満たされる範囲内で二種以上を混合使用し
てもよいが、この場合も反応条件下で難溶性の塩
を生成する様な組合せは避けなければならない。 無機強酸の塩の使用量は反応条件下における水
相中の無機強酸の濃度に応じて該塩の溶解度の範
囲内で任意に選ぶことができ、たとえば無機強酸
の濃度が高い場合には少く、反対に該酸濃度が低
い場合には多くなるように変化させることができ
るが、無機強酸の酸根と無機強酸塩の酸根の和が
反応系の水相1Kgに対し少くとも2.5モル以上で
あるのが好ましい。換言すれば本発明の方法が無
機強酸水溶液の他に無機強酸塩を併用して行われ
る場合には無機強酸および無機強酸塩の両方に由
来する酸根の和の濃度は該水相1Kg当り少くとも
2.5モル以上であることが好ましい。無機強酸お
よび無機強酸塩に由来する酸根の濃度が反応系の
水相1Kgに対して2.5モル未満である場合は実用
的なピナコロン収率を得ることが困難であり、好
ましくない。 反応は水のほか反応に不活性な希釈剤の存在下
で行うこともでき、かかる希釈剤としては飽和炭
化水素類およびケトン類例えば、メチルブタン、
ヘキサン、シクロヘキサン、塩化ブチル、1,
1,1−トリクロルエタン、1,1,1,2−テ
トラクロルエタン、四塩化炭素、ピナコロン等の
疎水性の化合物を挙げることができる。しかし希
釈剤の使用によつて特に利益がもたらされること
はない。 反応温度は40〜200℃、特に60〜150℃の範囲が
好ましく、さらに反応の後期において少なくとも
80℃以上の温度で反応を仕上げる必要がある。反
応は通常大気圧以上30Kg/cm2以下の圧力で行われ
るが、この圧力は限定的なものではなく上記温度
条件が維持できればこの範囲を越えた圧力下でも
反応を行うことができる。反応が反応混合物の沸
点以上の温度で行なわれる場合反応圧力は該反応
温度に於ける該反応混合物の自在が適当であり、
不活性ガスによる加圧は特に必要でない。 反応方法としては、(1)無機強酸水溶液または無
機強酸および無機強酸塩を含む水溶液を撹拌しな
がら所定の反応温度に保ち、これに一般式()
で表わされる化合物の一種または二種以上の混合
物を連続的または断続的に添加しながら反応させ
る方法、(2)無機強酸水溶液または無機強酸および
無機強酸塩を含む水溶液に一般式()で表わさ
れる化合物の一種または二種以上を混合し、撹拌
しながら所定の温度に保ち反応させる方法等が用
いられる。一般には(1)の方法がより高いピナコロ
ン収率を与えるので好ましい。本発明の方法は連
続式、回分式の何れの方法によつても実施でき
る。反応時間は原料の使用量、無機強酸水溶液ま
たは無機強酸と無機強酸塩を含む水溶液の濃度な
らびに量、反応温度その他によつても当然変化す
るが、通常1〜20時間である。反応後の反応混合
物よりピナコロンを取得する方法としては、(a)有
機相を水相から分離したのち該有機相をそのま
ま、あるいは必要に応じて中和したのち蒸留に供
する方法、(b)反応混合物を中和した後そのまま、
あるいは有機相を水相から分離して蒸留に供する
方法、(c)反応混合物をそのまま蒸留に供する方法
等が用いられる。(a)または(c)の方法を用いるなら
ば水相の全部または一部を反応系に循環し再使用
することが可能であるが、ピナコロンの効率的な
分離・取得の面および操作上の観点からは(a)の方
法が最も好ましい。蒸留方法としては水蒸気蒸留
や通常の常圧または減圧蒸留が用いられる。 本発明において無機強酸塩を併用することは反
応収率を高め、あるいは反応収率を維持するうえ
で必要な無機強酸の濃度および量を低減させる効
果があるばかりでなく、反応混合物を有機相と水
相に分離する際に水相中に分配する有機物の量を
減少させるうえで有利である。 本発明で得られるピナコロンは溶剤として、ま
た農薬やゴム薬品等の合成中間体として工業上有
用である。 次に本発明を実施例によりさらに詳しく説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。なお実施例中の収率は特にことわりが
ない限り反応系に供給された出発原料に対する生
成ピナコロンのモル%を意味する。 実施例 1 撹拌機、還流冷却管、温度計および滴下ロート
を備えた300ml容の四頚フラスコに10重量%の塩
酸109.5g(塩化水素0.300モル)および塩化リチ
ウム22.6g(0.533モル)を仕込み、撹拌しなが
ら加熱した。液温が100℃になつた時点で純度
90.2%の2,3−ジメチルブタン−1,3−ジオ
ール(他は3−メチルペンタン−1,3−ジオー
ル)40.5g(0.310モル)を滴下ロートから4時
間にわたつて導入した。原料の導入に従つて反応
混合物は還流し、原料導入終了時の還流温度は
90.0℃であつた。反応は更に2時間還流させて仕
上げた。この時の還流温度(以下反応終了時温度
と呼ぶ)は90.5℃であつた。反応混合物を氷水浴
で冷却下撹拌しながら当量の水酸化ナトリウムを
徐々に添加して中和した。次に反応混合物から有
機相を分液しガスクロマトグラフイーにより分析
してピナコロン収率を求めた。結果を表1に示
す。 実施例2および3 塩化リチウムを共存させず塩酸の使用量を表1
のようにした以外は実施例1と同様に反応させ、
処理分析して表1の結果を得た。 【表】 実施例 4 実施例1と同じ装置に不純物として3−メチル
ペンタン−1,3−ジオール7.7%を含む純度
92.3%の2,3−ジメチルブタン−1.3−ジオー
ル39.6g(0.310モル)および濃度21.4wt%の塩
酸167.0g(塩化水素0.979モル)を仕込み撹拌し
ながら4時間加熱還流させた。この時の還流温度
は87.5〜95.0℃であつた。反応混合物を実施例1
と同様に処理、分析したところピナコロン収率は
52.5%であつた。 実施例5及び6 出発原料として2,3−ジメチル−3−ヒドロ
キシブチルアセテートを用いて塩酸量(HCl/原
料モル比)を1.50にした以外はそれぞれ実施例1
及び2と同様に反応させ処理分析して表2の結果
を得た。 【表】 【表】 仕込み水溶液基準の値
実施例7〜8 出発原料としてそれぞれ2,3−ジメチル−3
−クロルブチルアセテートおよび2,3−ジメチ
ル−2−ブテニルアセテートを用いて塩化マグネ
シウムの共存下に反応を行う以外実施例1と同様
に反応させ、処理分析して表3の結果を得た。 【表】 * 表2の場合と同じことを意味する
実施例9及び10 出発原料として2,3−ジメチルブタン−1,
3−ジオールジアセテート86.7モル%と2,3−
ジメチル−3−ヒドロキシブチルアセテート13.3
モル%からなる混合物を使用する以外はそれぞれ
実施例1および4と同様に反応させ処理分析して
表4の結果を得た。 【表】 実施例11〜12 無機強酸として硫酸および無機強酸塩として硫
酸水素ナトリウムを用いる以外は実施例1と同様
に反応させ処理分析して表5の結果を得た。 参考例1〜2 実施例11に於いて硫酸ナトリウムを併用せず、
無機強酸として濃度がそれぞれ10.0wt%および
20.5wt%硫酸水溶液を用いて実施例11と同様に反
応させ処理分析した。結果を表5に併記する。 【表】 【表】 実施例13〜21 撹拌機、還流冷却管、温度計および滴下ロート
を備えた300ml容の四頚フラスコに塩酸および場
合によつて更に無機強酸の塩としてLiClまたは
MgCl2を仕込み、撹拌しながら加熱した。液温が
100℃なつた時点で出発原料として一般式()
で示される化合物0.310モルを滴下ロートから4
時間にわたつて導入した。原料の導入に従つて反
応混合物は還流した。出発原料導入終了後、更に
2時間還流させて反応を仕上げた(この時の還流
温度を反応終了時温度を称する)。得られた反応
混合物を氷水浴で冷却下撹拌しながら当量の水酸
化ナトリウムを徐々に添加して中和した。次に反
応混合物から有機相を分液しガスクロマトグラフ
イーにより分析してピナコロン収率を求めた。結
果を表6に示す。 【表】 【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 下記一般式() 〔式()において、WおよびYは水素原子で
あり、XおよびZは同一もしくは異なりそれぞれ
OH,Cl,BrもしくはRCOO(但しRは水素原子
もしくは炭素数1〜3個のアルキル基である)を
表わすか、あるいはWおよびYの一方が水素原子
であり他方はXと一緒になつた単結合を形成し、
ZはOH,Cl,BrもしくはRCOO(但しRは上記
と同じである)を表わす〕で示される化合物を無
機強酸水溶液中で加熱することを特徴とするピナ
コロンの製造法。 2 反応系に少くとも部分的に可溶な無機強酸の
塩を共存させる特許請求の範囲第1項記載のピナ
コロンの製造法。 3 反応系に存在させる無機強酸および無機強酸
の量がそれらの酸根の合計である反応混合物1Kg
当り少くとも2.5モル以上である特許請求の範囲
第1項または第2項記載のピナコロンの製造法。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10198578A JPS5528941A (en) | 1978-08-21 | 1978-08-21 | Preparation of pinacolone |
| DE19792918521 DE2918521C3 (de) | 1978-05-15 | 1979-05-08 | Verfahren zur Herstellung von Pinacolon |
| NL7903751A NL185562C (nl) | 1978-05-15 | 1979-05-12 | Werkwijze voor het bereiden van pinacolon. |
| US06/039,300 US4224252A (en) | 1978-05-15 | 1979-05-15 | Production of pinacolone |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10198578A JPS5528941A (en) | 1978-08-21 | 1978-08-21 | Preparation of pinacolone |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5528941A JPS5528941A (en) | 1980-02-29 |
| JPS6116254B2 true JPS6116254B2 (ja) | 1986-04-28 |
Family
ID=14315129
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10198578A Granted JPS5528941A (en) | 1978-05-15 | 1978-08-21 | Preparation of pinacolone |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5528941A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS61274850A (ja) * | 1985-05-28 | 1986-12-05 | Hitachi Ltd | 工作機械の加工原点設定方法及び装置 |
| JPS6438241U (ja) * | 1987-06-09 | 1989-03-07 |
-
1978
- 1978-08-21 JP JP10198578A patent/JPS5528941A/ja active Granted
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS61274850A (ja) * | 1985-05-28 | 1986-12-05 | Hitachi Ltd | 工作機械の加工原点設定方法及び装置 |
| JPS6438241U (ja) * | 1987-06-09 | 1989-03-07 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5528941A (en) | 1980-02-29 |
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