JPS6145689B2 - - Google Patents
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- JPS6145689B2 JPS6145689B2 JP57139897A JP13989782A JPS6145689B2 JP S6145689 B2 JPS6145689 B2 JP S6145689B2 JP 57139897 A JP57139897 A JP 57139897A JP 13989782 A JP13989782 A JP 13989782A JP S6145689 B2 JPS6145689 B2 JP S6145689B2
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- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D8/00—Modifying the physical properties of ferrous metals or ferrous alloys by deformation combined with, or followed by, heat treatment
- C21D8/02—Modifying the physical properties of ferrous metals or ferrous alloys by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips
- C21D8/04—Modifying the physical properties of ferrous metals or ferrous alloys by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips to produce plates or strips for drawing, e.g. for deep-drawing
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Description
本発明は超深絞り用焼付硬化性鋼板の製造方法
に関するものである。 近年、自動車産業界では車体軽量化による燃費
向上と安全性の追求から高強度鋼板に対する要望
が高まりつつある。一方、自動車の販売性は車体
のスタイリングで左右される風潮にあることか
ら、従来に増して鋼板のプレス成形性が重要視さ
れてきた。このような背景から、プレス成形時に
は良好な成形性を示し、塗装焼付後に、降伏強
度、引張強度の上昇する特性、即ち焼付硬化性を
有する鋼板に対する要求が高まつている。本発明
はかかる要求を満足する超深絞り用焼付硬化性鋼
板の製造方法に関するものである。 焼付硬化性を有しない超深絞り用鋼板の製造方
法に関するものとしては、Tiキルド鋼板(特公
昭44−18066号公報)及びNbキルド鋼板(特公昭
54−1245号公報)の2つの系統のものが知られて
いる。しかしながらこれらの鋼板は、鋼板中の
C、Nを完全にTiあるいはNb等の析出物として
固定しているために、プレス成形後の塗装焼付時
に歪時効現象が起こらず、従つて焼付硬化性を有
しないものである。 次に、焼付硬化性を付与した超深絞り用鋼板の
製造法としては、Nb添加鋼において鋼中のC、
N、Al含有量に応じてNbを添加し、Nb(at
%)/{固溶C(at%)+固溶N(at%)}をある
範囲内に制限することにより、鋼板中の固溶C、
固溶N量をコントロールし、さらに焼鈍後の冷却
速度を制御することを特徴とする方法(特公昭55
−141526号、55−141555号公報)がある。 しかしながら、実際に調査検討してみると、か
かる製造法には次のような欠点がある。まず熱延
巻取温度、焼鈍温度、焼鈍後の冷却速度に対する
制限である。Nb添加鋼では熱延で高温巻取(巻
取温度≧700℃)を必要とする。通常の巻取温度
では完全再結晶温度が非常に高くなつて、連続焼
鈍炉の可能温度範囲(通常は約850℃以下)では
未再結晶部が残つていたり、またNb量の多少に
よつて材質の変動が大きい。高温巻取を行なつた
場合には、熱延コイルのコイル長手方向端部を除
いては約800〜850℃の焼鈍温度で高いr値の鋼板
が得られることは種々報告されている通りであ
る。しかし、高温巻取を行なうということは、ス
ケールが厚くなり酸洗能率を極端に落すだけでな
く、コイル端部は冷却速度が速いために通常の巻
取温度と同じ程度の材質となり、十分な材質が得
られないので歩留の低下はNbキルド鋼では特に
大きいものがある。 第2は焼鈍温度と焼鈍後の冷却速度の問題であ
る。前記の公知技術にある如く、高温(約900℃
以上)で焼鈍すると熱延で析出していたNb
(C,N)あるいはAINが再溶解するために固溶
N、固溶Cが増加し時効性が大きくなる。また、
焼鈍後の冷却速度を該特許にあるように、400℃
までを50℃/sec以下あるいは、400℃までを50
℃/sec以上かつ400℃から200℃までを10℃/sec
以下という様に、徐冷しなければ、固溶N、固溶
Cの影響により遅時効性とならないのである。
Nb添加鋼の場合に特に問題となるのは、高温で
再溶解するAINであり、常温時効性に対して問題
となるのはこのN時効によるものである。 第3の欠点は亜鉛めつき特性である。一般に溶
融亜鉛めつきを行なつた場合、鋼中のSi含有量が
約0.3%を越えるとめつき密着性が劣化するとさ
れている。これは鋼板表面に濃化するSiによつて
薄い酸化膜が生成され、地鉄と溶融亜鉛との反応
が良好に進まないためとされる。かかる理由から
溶融亜鉛めつきを行なう材料では、表面濃化Si量
を抑えるため鋼中のSi含有量を約0.3%以下に制
限して製造に供してきた。しかしながら引張強度
40Kg/mm2以上の鋼板を製造する場合、二次加工
割れの問題からP含有量が制限され、その他の合
金元素を添加して高強度化しなければならないに
もかかわらず、かかるめつき密着性の観点からSi
およびMnを添加できないため、実質上40Kg/mm
2を超える引張強度を有する性能の良好な亜鉛め
つき超深絞り用焼付硬化性鋼板は非常に難しい。
以上のSiの表面濃化現象は、徐冷却時における一
般現象であり、現在まで解決されない問題点であ
つた。 本発明者等は、従来技術であるNb添加鋼のも
つこれらの欠点を詳細に検討した結果、本質的な
原因は次の3点であるという結論を得た。 (1)熱延巻取時の温度履歴に大きく影響される
AINの析出。(2)焼鈍温度および焼鈍後の冷却速度
に依存して固溶C、固溶N量が変化すること。(3)
焼鈍後の冷却速度に依存する合金元素の粒界ある
いは表面への濃化の3点である。 (1) については、実際Nb添加鋼ではNbは炭化物
を形成するが、窒化物形成傾向は比較的弱く、
窒素はAINとして析出している。AINは通常の
巻取温度では形成され難く、巻取温度を700℃
以上にしないと熱延板中では析出せず、冷延後
の連続焼鈍時に微細析出物として析出し、結晶
粒の成長を抑制し、降伏強度を高くしたり、伸
びを低下させる等の材質劣化を引き起こす。 従つて、高温巻取をした場合でも、熱延コイ
ル長手方向中心部はAINが析出するが、冷却速
度の速いコイル長手方向前後端部では巻取時に
AINが析出しないことから通常巻取時と同様、
降伏強度の上昇、伸び、r値の極端な低下をも
たらすものである。また、熱延巻取温度の微妙
なバラツキやコイルの中央部、端部ではAINの
析出の程度に差がでてくるために、熱延コイル
の前、後端部の材質劣化やコイル内材質のバラ
ツキが生ずるものである。 (2) については、高温焼鈍を行なうと、熱延巻取
時に析出していたNb(C,N)やAIN等の析
出物が、その温度における溶解度積になる如く
再溶解し、固溶C,固溶Nが増加する。特に
AIN溶解に起因する固溶Nは固溶Cに比較して
常温時効性が大きいため、遅時効性という目標
材質に反することになる。また、焼鈍時に存在
する固溶C、固溶Nはその後の冷却過程でNb
(C,N)あるいはAINとして析出するが、特
にAINの析出速度は約815℃にピークを持ち低
温になる程小さくなるため、高温域での徐冷却
が必要となる。該特許では、400℃までを徐冷
もしくは400℃までを急冷して400℃から200℃
までを徐冷しなければならないとしているが、
実質上400℃から200℃の温度域での析出速度は
極めて小さく、高温域での徐冷却が必要という
ことになる。いずれにしてもかかる製造法では
焼鈍温度、焼鈍後の冷却速度のコントロールが
不可欠であることに変わりはない。(3)について
は既に述べた通りである。 以上述べてきた考えに基づいて、熱延巻取温度
に依らずにコイル内材質の均質性が良好であり、
焼鈍温度及び焼鈍後の冷却速度に依らずに焼付硬
化性が付与でき、さらに二次加工脆性の問題がな
く、溶融亜鉛めつき鋼板製造法時にめつき密着性
が良好な超深絞り用鋼板製造方法の考え方は以下
のようなものになつた。 即ち、NはAINではなくTiによつてTiNとして
仕上げ熱延前に析出させ、以下の熱延巻取時、冷
延、再結晶焼鈍時には再固溶、析出といつた反応
を起こさない、言いかえれば熱延以降の工程はN
に関しては材質に無関係ということである。また
Cは主としてNbによつてNbCとして析出させる
が、焼付硬化性を熱延巻取温度、焼鈍温度、焼鈍
後の冷却速度に関係なく安定して付与するため
に、C量の含有範囲を、Nb添加量のみとの関係
できまるExcessC量(C(%)−12/93Nb(%)の
値 で定義する)が、10〜50ppmの範囲に制御した
鋼板が本発明の基本的な考え方である。 本発明鋼が従来のNb添加鋼と比較して著しく
優れた材質特性を有するのは、TiをNbと共に複
合添加したことに依存するものである。即ち鋼中
のNはTiによつてTiNとして既に熱延加熱炉中で
析出している。公知の如くTiNは窒化物として極
めて高温から安定析出物となるために、熱延、冷
延、再結晶焼鈍の各製造工程において何ら変化す
るものではなく、従つて、かかる製造工程の影響
によつて材質が何ら影響を受けるものではない。
Nbを単独に添加した鋼板では、熱延巻取温度に
よつてAINとしてのNの析出量が著しく変動する
ために通常巻取では、巻取段階において存在する
固溶N量が多く、再結晶焼鈍時に微細析出する
AINあるいはNbNの影響で降伏強度が高く、伸
び、r値が低く目標とする材質特性が得られな
い。また高温巻取の場合においても、コイル長手
方向前後端部では巻取時の冷却速度が速いため、
通常巻取相当の材質となることは既に述べた通り
である。 本発明は鋼中のNをTiNとして熱延加熱炉中で
すでに析出させており、TiNは極めて高温から安
定な析出物であるから上記の如く、熱延巻取温度
によつて析出量が変化するものではない。また、
TiNは周知の如くサイズの大きい析出物であるか
ら再結晶焼鈍時に結晶粒の成長を妨げ材質を劣化
させるものではない。 以上の如く、本発明鋼はTiの添加により、熱
延巻取温度に関わらず、通常巻取でも良好な材質
を得る製造法となる。また、高温巻取を行なつた
場合においても、コイル内材質は極めて均質なも
のとなり、製造歩留の低下は全く考慮する必要が
ない。 次に、焼鈍温度及び冷却速度の影響であるが、
本発明鋼はNをTiNとして固定しており、焼鈍温
度に比較して極めて高温の温度域においても安定
な析出物であるために、高温焼鈍でも再固溶する
ことはなく固溶N量にはほとんど全く影響しな
い。従つて焼付硬化性は固溶C量のみに依つて決
定されるものである。冷却速度に関してもかかる
理由から考慮する必要はなく任意の冷却速度でよ
い。また、室温まで急速冷却したとしても何ら常
温時効性に対して影響を及ぼすものではない。 仮りに高温焼鈍を行なつて熱延巻取時に析出し
ていたNbCの一部が再固溶したとして、固溶C量
がわずかに変動したとしても急速冷速をすること
により、Cをはじめとする元素の粒界への偏析が
極端に低くなるため、論文等に記載の如く、粒界
が高純であることの効果により時効処理後、降伏
点伸びが出現することはない。 Tiを複合添加した本発明鋼により、以上のよ
うに焼鈍温度、冷却速度に依存せずに純粋に鋼中
のC、Nb量のみを制御することにより、実質上
非時効である超深絞り用焼付硬化性鋼板が製造で
きるものである。 更に本発明鋼では、Tiの複合添加により前述
の如く、焼鈍後の冷却速度に依存せずに製造可能
なため、Si,Mn等を添加して40Kg/mm2を超え
る引張強度の高い高強度溶融亜鉛めつき鋼板製造
時に、めつき密着性の極めて良好な、従来にない
優れた鋼板を製造できる。 溶融亜鉛めつき鋼板のめつき密着性は、既に述
べたように、焼鈍冷却中に鋼板表面に濃化する主
としてSi等の合金元素の影響により劣化するた
め、Si含有量は約0.3%以下に制限されていた。
このため特に引張強度40Kg/mm2以上の性能の良
好な超深絞り用亜鉛めつき鋼板は、これまで実質
上製造されていないと言える。この欠点も、本発
明鋼ではTiの複合添加により材質は冷却速度に
ほとんど全く依存せず、急速冷却も可能となり、
表面に濃化するSi等の合金元素を著しく低減でき
るため、かかるSi含有量の高い超深絞り用焼付硬
化性高強度鋼板の製造が可能となるものである。 以上述べてきた如く、本発明鋼はTiの複合添
加により、従来の鋼板にない種々の材質特性を兼
ね備えた全く新しい性格の鋼板であり、極めて有
利なものである。 次に成分範囲について述べる。前述の如くTi
添加量はNとの関係で決まる。Tiを添加するの
は、NをAINあるいはNbNとして析出させると、
その析出量が巻取温度によつて大きく左右された
り、焼鈍温度、焼鈍後の冷却速度によつて、最終
的に鋼板中の固溶N量が影響されるために、コイ
ル長手方向端部の材質が劣化したり、コイル内材
質のバラツキが大きくなつたり、さらには材質の
巻取温度、焼鈍温度、冷却速度に依存して大きく
変化するのを防ぐためである。 調査してみると、このようなNの効果は、含有
量20ppm以下では大きくないため、Ti添加量の
下限はTiで固定できないN量が20ppm以下とな
るように決まる。即ち48/14〔N(%)−0.002%
(20ppm)〕<Ti(%)である。この場合に、Nは
〔Ti、Al〕Nとして比較的高温でも安定な析出物
になつているために、実質上全N量をTiNとして
析出させたのと同様な効果を有することが実験の
結果確められている。またTi添加量の上限は、
TiをNとの当量(即ち48/14N(%))以上に添
加すると硫化物を形成したり、炭化物となつて延
性及び二次加工性を劣化させたり、焼付硬化性の
制御を困難にする、さらにはP添加時にリン化物
を形成して材質を悪くするのでTiはNとの当量
以上は添加しないことが望ましい。以上よりTi
添加量は48/14〔N(%)−0.002%〕<Ti(%)≦
48/14N(%)となる。 一方NbはCとの関係で決まり、ExcessC量
(C(%)−12/93Nb(%)が10〜50(ppm)の
範囲内で、かつNb量が0.02%以下であることが
望ましい。従つてNb添加量はNb(%)≦0.02%か
つ93/12〔C(%)−0.005%(50ppm)〕≦Nb
(%)≦93/12〔C(%)−0.001%(10ppm)〕と
なる。 Nb量の下限は、実質上非時効となる限界から
決まる。Nbに対する当量を超えるC量が50ppm
以上になると鋼板内の固溶Cが多くなり過ぎ、焼
付硬化性は大きくなるが、時効後、降伏点伸びが
現れ、外板用素材として適さない。Nb量の上限
は固溶Cが適当量残存するように決定される。
ExcessC量が10ppm以下になると、最終的な固
溶C量が少くなり過ぎ、急速冷却の場合でも、焼
付硬化性を十分付与できない。ExcessC量が10〜
50ppmの範囲の場合に、焼鈍温度冷却速度に関
わらず安定して焼付硬化性を付与でき、かつ実質
上非時効となる(第5図に示す)。 更にNb添加量が0.02%を超えると、微細NbC
析出量が増加するために、再結晶温度が著しく上
昇したり、NbCによる析出強化要素が大きくな
り、YPの上昇、EI、r値の低下の原因となるの
で本発明鋼の目標材質からはずれるものである。 第1図、第2図は本願発明鋼のTi、Nb含有量
範囲をN、C量との関係で図示したものである。
第3図、第4図はTi、Nb量と材質の関係から本
発明の範囲を示したものである。 第3図は、Nb量を一定量(0.008%)に固定
し、Ti量を変化させた場合の材質特性値であ
る。他の合金成分はC:0.0035、Si:0.01、Mn:
0.25、P:0.020、S:0.010、sol.Al:0.040、
N:0.0040(各wt%)および残部は実質的にFe
からなる試料について、a:コイル長手方向中心
部、b:コイル長手方向前後端部を示した。熱延
巻取温度は700℃の高温巻取、焼鈍条件は800℃×
30秒、冷却速度は、室温までの冷却速度が100
℃/secである。 また、焼鈍後の調質圧延率は0.8%である。Ti
量がNをAINとして析出させるかわりにTiNとし
て固定するために不十分な量の場合、即ち48/14
〔N(%)−0.002%〕>Tiの場合には、コイル前後
端部の材質劣化(YPの上昇、El、r値の低下、
BH量(第7図参照)が過大)が大きい。コイル
前後端部は巻取時の冷却速度が速いため、通常巻
取に相当する材質を表わすことになり、かかる
Ti量の領域では低温巻取時に良好な材質を確保
できないことになる。逆にTiをNに対する当量
(48/14N(%))以上添加した場合には、コイル
前後端部、通常巻取時の材質劣化は小さいが、
TiNを形成するために必要な量を超えるTiが含有
されているために、硫化物、炭化物を形成して延
性、r値を劣化させる結果となつている。 また、この領域ではTiがTiCとして析出物を形
成するために、固溶C量が少くなり、適当な焼付
硬化性が得られない。上記の範囲にTi量をコン
トロールすれば、固溶C量はExcessC量で決ま
り、焼鈍温度、冷却速度に依らずに焼付硬化性を
付与できる。 第4図は、Ti量を、Nを固定するに足る量だ
け一定量(0.013%)添加し、Nb量を変化させた
場合の材質特性値である。他の合金成分はC:
0.0030、Si:0.01、Mn:0.25、P:0.020、S:
0.010、sol.Al:0.040、N:0.0040(各wt%)お
よび残部は実質的にFeよりなる試料について、
a:コイル長手方向中心部、b:コイル長手方向
前後端部の材質を示した。他の製造条件は第3図
の場合と同様である。 Nb量を従来のNb添加鋼で使用されている量よ
りも著しく低い量、93/12〔C(%)−0.005%〕
≦Nb(%)≦93/12〔C(%)−0.001%〕かつNb
≦0.02%を満たすように添加すれば、適当な焼付
硬化性を付与できることを示している。 ここに適当な焼付硬化性とはBH=3〜5Kg/
mm2である。Nb量が上記範囲を超えて含有され
ると、コイル前後端部あるいは通常巻取時に微細
NbCの影響でNbCによる析出強化要素が大きくな
り、YPの上昇、El、r値の劣化等材質が劣化
し、また再結晶温度も著しく上昇する。さらに焼
付硬化性も十分付与できなくなり、本願発明の主
旨をはずれることになる。 第5図はExcessC量(C(%)−12/93Nb
(%))と焼付硬化性の関係を示したものである。
焼鈍後の冷却速度は室温まで100℃/sec一定とし
た。ExcessC量のうちどれだけの割合が最終的に
固溶C量として残るかは別としても、固溶C量は
ExcessC量と比例して残存する。従つて、固溶C
量と対応する焼付硬化性はExcessC量と対応する
ことになる。 第6図は連続焼鈍における冷却サイクルを示し
たものであり、は冷延鋼板、溶融亜鉛めつき鋼
板(合金化処理なし)用サイクル、は合金化溶
融亜鉛めつき鋼板用サイクルである。 焼鈍後の冷却速度は、Tiを複合添加した本発
明鋼では、既に述べてきたように室温まで任意で
よいが、二次加工脆性、溶融亜鉛めつき性の観点
から、室温までの急速冷却(270℃/sec)が望ま
しい。 次にTi、Nb以外の合金成分範囲は、C:0.007
%以下、Si:0.8%以下、Mn:1.0%以下、P:
0.15%以下、Al:0.01〜0.1%、N:0.01%以下及
び他の不可避的不純物、残部実質的にFeから成
るものである。 C量が多いと必然的にCを固定するためのNb
量がそれだけ多く必要となり、製造コストが高く
なり、またNbCの生成量が増えるため、析出強化
要素が大きくなり、結晶粒の成長が阻害され、r
値の低下、降伏強度の上昇、伸びの低下を導く。
このため超深絞り性鋼板の製造という観点からC
は0.007%以下とする。 Siは溶融亜鉛めつき鋼板を製造する場合、めつ
き層皮膜の密着性を低下させる傾向を有するが、
本発明では室温までの急速冷却により表面濃化の
影響を抑制できるため、0.8%以下とする。 本発明鋼はTi添加量が低く、固溶Cが残存す
る鋼板であり、更に急速冷却により粒界偏析量を
著しく低減できるために、二次加工割れを起こし
難いが、Pがさらに多量に含まれると、粒界偏析
量が多くなり、粒界を脆化させ、二次加工割れを
助長するため、Pの上限を0.15%とする。 AlはTi、Nb添加前の溶鋼脱酸剤として加える
が、少量すぎる場合には、Alによる脱酸が十分
に行なわれず、Ti、Nbが脱酸剤として働くた
め、Ti、Nbの歩留低下が著しくなり、焼付硬化
性の制御も困難になる。逆に多量に加えると
Al2O3介在物が増加して好ましくない。以上の理
由によりAlは0.01〜0.1%とする。 NはTiNとしてTiに固定されるが、N含有量が
多いと必要なTi量が増加し好ましくない。この
ためNは0.01%以下とする。 Ti、Nbを複合添加した鋼板としては、特公昭
54−12883号公報、特開昭54−131536号公報、特
開昭56−166331号公報、特開昭57−35673号公報
等に開示されているが、これらはいずれもTi、
Nbを複合添加することを発明の基本思想とする
ものではなく、Ti、NbあるいはZr、V、Cr等を
単にC、Nを析出せしめる添加元素として任意に
選択されるものである。 該特許においては、TiはNを析出せしめるに
止まらずCをTiCとして析出せしめ、C、Nによ
る時効性を抑制するため、いずれもTiおよびNb
の総添加量とC、N量との関係で目標材質を得る
ものである。また、該特許は非時効深絞り鋼板を
発明の基本思想とするものであり、鋼中に固溶C
を適当量残存せしめ、焼付硬化性を付与するもの
ではない。 本発明鋼は既に述べた通り、極低炭素鋼に微量
のTi、Nbを添加することを必須条件とし、極め
て高い深絞り性と焼付硬化性を付与することを根
本原理とする。Tiの添加は材質に悪影響を及ぼ
すNを無害化するためであり、上記発明の如く、
TiCをも生成せしめるものではない。更に、Nb
の添加は固溶C量を常温時効性に対して有害とな
らない範囲内に低減せしめ、固溶Cの残存により
焼付硬化性を付与する目的にある。 従つて本発明鋼は、Ti、Nbを複合添加するこ
とを基本思想とするが、Tiの添加はNの無害
化、Nbの添加はCによる常温時効性の無害化と
焼付硬化性を付与することにあり、いずれもN
量、C量に対して当量以下の微量添加である。ま
た、極低炭素鋼を基本成分とする本発明鋼は、
Ac3点以上の焼鈍を行なうとランダム方位結晶粒
を生成せしめ、r値の劣化を招くため、焼鈍温度
は再結晶温度以上Ac3点以下となる。さらに、焼
鈍後の冷却速度は任意でよく、生産性、めつき特
性、鋼板の二次加工脆性の観点からは70℃/sec
以上が望ましく過時効処理も必要としない。 以上の理由から本発明鋼は、根本原理及び得ら
れる鋼板の材質とも該特許とは本質的に異なる。 本発明鋼は、Ti、Nb含有量を従来の鋼板に比
較して著しく低減せしめているため、再結晶温度
は熱間圧延条件に関わらず低い。熱間圧延時に高
温巻取を行なうことにより、析出物の凝集が促進
され、再結晶温度は更に低下する。従つて本発明
鋼は低温焼鈍でも高いr値が得られ、ブリキの如
き極薄鋼板製造に対しても超加工用鋼板を提供す
るものである。 本発明においては、TiN,NbCを粗大析出させ
ることにより、発明の範囲内で熱延条件に左右さ
れずに高い材質を得るものである。TiNの析出開
始温度、NbCの析出開始温度は、それぞれ鋼中の
N,Ti量,C,Nb量に依存し、かかる量が少な
い場合は、析出開始が低温となつて析出物が粗大
化しにくい。 かかる観点から、本発明の主旨に沿つて実施例
に示した範囲から、TiとNbの総和の下限を0.014
%、上限は同様に実施例に示した範囲に基づき
0.027%とする。これはTiとNbの総和が0.027%を
超えると、逆に炭化物(NbC)が微細になつて降
伏強度が上昇したり、再結晶温度が上昇したりす
る弊害が生じるためである。 又、本発明での熱延仕上げ温度は、Ar3未満で
は圧延中にフエライト相が混入して深絞り性を劣
化させるのでAr3以上とする。 次に巻取り温度について述べると、本発明にお
いては、炭化物、窒化物を粗大凝集させることに
より、深絞り性を高めている。かかる効果は、巻
取り温度が高いほど顕著となる。かかる観点から
実施例に示す範囲に基づき、巻取り温度を600℃
以上と限定するものである。
に関するものである。 近年、自動車産業界では車体軽量化による燃費
向上と安全性の追求から高強度鋼板に対する要望
が高まりつつある。一方、自動車の販売性は車体
のスタイリングで左右される風潮にあることか
ら、従来に増して鋼板のプレス成形性が重要視さ
れてきた。このような背景から、プレス成形時に
は良好な成形性を示し、塗装焼付後に、降伏強
度、引張強度の上昇する特性、即ち焼付硬化性を
有する鋼板に対する要求が高まつている。本発明
はかかる要求を満足する超深絞り用焼付硬化性鋼
板の製造方法に関するものである。 焼付硬化性を有しない超深絞り用鋼板の製造方
法に関するものとしては、Tiキルド鋼板(特公
昭44−18066号公報)及びNbキルド鋼板(特公昭
54−1245号公報)の2つの系統のものが知られて
いる。しかしながらこれらの鋼板は、鋼板中の
C、Nを完全にTiあるいはNb等の析出物として
固定しているために、プレス成形後の塗装焼付時
に歪時効現象が起こらず、従つて焼付硬化性を有
しないものである。 次に、焼付硬化性を付与した超深絞り用鋼板の
製造法としては、Nb添加鋼において鋼中のC、
N、Al含有量に応じてNbを添加し、Nb(at
%)/{固溶C(at%)+固溶N(at%)}をある
範囲内に制限することにより、鋼板中の固溶C、
固溶N量をコントロールし、さらに焼鈍後の冷却
速度を制御することを特徴とする方法(特公昭55
−141526号、55−141555号公報)がある。 しかしながら、実際に調査検討してみると、か
かる製造法には次のような欠点がある。まず熱延
巻取温度、焼鈍温度、焼鈍後の冷却速度に対する
制限である。Nb添加鋼では熱延で高温巻取(巻
取温度≧700℃)を必要とする。通常の巻取温度
では完全再結晶温度が非常に高くなつて、連続焼
鈍炉の可能温度範囲(通常は約850℃以下)では
未再結晶部が残つていたり、またNb量の多少に
よつて材質の変動が大きい。高温巻取を行なつた
場合には、熱延コイルのコイル長手方向端部を除
いては約800〜850℃の焼鈍温度で高いr値の鋼板
が得られることは種々報告されている通りであ
る。しかし、高温巻取を行なうということは、ス
ケールが厚くなり酸洗能率を極端に落すだけでな
く、コイル端部は冷却速度が速いために通常の巻
取温度と同じ程度の材質となり、十分な材質が得
られないので歩留の低下はNbキルド鋼では特に
大きいものがある。 第2は焼鈍温度と焼鈍後の冷却速度の問題であ
る。前記の公知技術にある如く、高温(約900℃
以上)で焼鈍すると熱延で析出していたNb
(C,N)あるいはAINが再溶解するために固溶
N、固溶Cが増加し時効性が大きくなる。また、
焼鈍後の冷却速度を該特許にあるように、400℃
までを50℃/sec以下あるいは、400℃までを50
℃/sec以上かつ400℃から200℃までを10℃/sec
以下という様に、徐冷しなければ、固溶N、固溶
Cの影響により遅時効性とならないのである。
Nb添加鋼の場合に特に問題となるのは、高温で
再溶解するAINであり、常温時効性に対して問題
となるのはこのN時効によるものである。 第3の欠点は亜鉛めつき特性である。一般に溶
融亜鉛めつきを行なつた場合、鋼中のSi含有量が
約0.3%を越えるとめつき密着性が劣化するとさ
れている。これは鋼板表面に濃化するSiによつて
薄い酸化膜が生成され、地鉄と溶融亜鉛との反応
が良好に進まないためとされる。かかる理由から
溶融亜鉛めつきを行なう材料では、表面濃化Si量
を抑えるため鋼中のSi含有量を約0.3%以下に制
限して製造に供してきた。しかしながら引張強度
40Kg/mm2以上の鋼板を製造する場合、二次加工
割れの問題からP含有量が制限され、その他の合
金元素を添加して高強度化しなければならないに
もかかわらず、かかるめつき密着性の観点からSi
およびMnを添加できないため、実質上40Kg/mm
2を超える引張強度を有する性能の良好な亜鉛め
つき超深絞り用焼付硬化性鋼板は非常に難しい。
以上のSiの表面濃化現象は、徐冷却時における一
般現象であり、現在まで解決されない問題点であ
つた。 本発明者等は、従来技術であるNb添加鋼のも
つこれらの欠点を詳細に検討した結果、本質的な
原因は次の3点であるという結論を得た。 (1)熱延巻取時の温度履歴に大きく影響される
AINの析出。(2)焼鈍温度および焼鈍後の冷却速度
に依存して固溶C、固溶N量が変化すること。(3)
焼鈍後の冷却速度に依存する合金元素の粒界ある
いは表面への濃化の3点である。 (1) については、実際Nb添加鋼ではNbは炭化物
を形成するが、窒化物形成傾向は比較的弱く、
窒素はAINとして析出している。AINは通常の
巻取温度では形成され難く、巻取温度を700℃
以上にしないと熱延板中では析出せず、冷延後
の連続焼鈍時に微細析出物として析出し、結晶
粒の成長を抑制し、降伏強度を高くしたり、伸
びを低下させる等の材質劣化を引き起こす。 従つて、高温巻取をした場合でも、熱延コイ
ル長手方向中心部はAINが析出するが、冷却速
度の速いコイル長手方向前後端部では巻取時に
AINが析出しないことから通常巻取時と同様、
降伏強度の上昇、伸び、r値の極端な低下をも
たらすものである。また、熱延巻取温度の微妙
なバラツキやコイルの中央部、端部ではAINの
析出の程度に差がでてくるために、熱延コイル
の前、後端部の材質劣化やコイル内材質のバラ
ツキが生ずるものである。 (2) については、高温焼鈍を行なうと、熱延巻取
時に析出していたNb(C,N)やAIN等の析
出物が、その温度における溶解度積になる如く
再溶解し、固溶C,固溶Nが増加する。特に
AIN溶解に起因する固溶Nは固溶Cに比較して
常温時効性が大きいため、遅時効性という目標
材質に反することになる。また、焼鈍時に存在
する固溶C、固溶Nはその後の冷却過程でNb
(C,N)あるいはAINとして析出するが、特
にAINの析出速度は約815℃にピークを持ち低
温になる程小さくなるため、高温域での徐冷却
が必要となる。該特許では、400℃までを徐冷
もしくは400℃までを急冷して400℃から200℃
までを徐冷しなければならないとしているが、
実質上400℃から200℃の温度域での析出速度は
極めて小さく、高温域での徐冷却が必要という
ことになる。いずれにしてもかかる製造法では
焼鈍温度、焼鈍後の冷却速度のコントロールが
不可欠であることに変わりはない。(3)について
は既に述べた通りである。 以上述べてきた考えに基づいて、熱延巻取温度
に依らずにコイル内材質の均質性が良好であり、
焼鈍温度及び焼鈍後の冷却速度に依らずに焼付硬
化性が付与でき、さらに二次加工脆性の問題がな
く、溶融亜鉛めつき鋼板製造法時にめつき密着性
が良好な超深絞り用鋼板製造方法の考え方は以下
のようなものになつた。 即ち、NはAINではなくTiによつてTiNとして
仕上げ熱延前に析出させ、以下の熱延巻取時、冷
延、再結晶焼鈍時には再固溶、析出といつた反応
を起こさない、言いかえれば熱延以降の工程はN
に関しては材質に無関係ということである。また
Cは主としてNbによつてNbCとして析出させる
が、焼付硬化性を熱延巻取温度、焼鈍温度、焼鈍
後の冷却速度に関係なく安定して付与するため
に、C量の含有範囲を、Nb添加量のみとの関係
できまるExcessC量(C(%)−12/93Nb(%)の
値 で定義する)が、10〜50ppmの範囲に制御した
鋼板が本発明の基本的な考え方である。 本発明鋼が従来のNb添加鋼と比較して著しく
優れた材質特性を有するのは、TiをNbと共に複
合添加したことに依存するものである。即ち鋼中
のNはTiによつてTiNとして既に熱延加熱炉中で
析出している。公知の如くTiNは窒化物として極
めて高温から安定析出物となるために、熱延、冷
延、再結晶焼鈍の各製造工程において何ら変化す
るものではなく、従つて、かかる製造工程の影響
によつて材質が何ら影響を受けるものではない。
Nbを単独に添加した鋼板では、熱延巻取温度に
よつてAINとしてのNの析出量が著しく変動する
ために通常巻取では、巻取段階において存在する
固溶N量が多く、再結晶焼鈍時に微細析出する
AINあるいはNbNの影響で降伏強度が高く、伸
び、r値が低く目標とする材質特性が得られな
い。また高温巻取の場合においても、コイル長手
方向前後端部では巻取時の冷却速度が速いため、
通常巻取相当の材質となることは既に述べた通り
である。 本発明は鋼中のNをTiNとして熱延加熱炉中で
すでに析出させており、TiNは極めて高温から安
定な析出物であるから上記の如く、熱延巻取温度
によつて析出量が変化するものではない。また、
TiNは周知の如くサイズの大きい析出物であるか
ら再結晶焼鈍時に結晶粒の成長を妨げ材質を劣化
させるものではない。 以上の如く、本発明鋼はTiの添加により、熱
延巻取温度に関わらず、通常巻取でも良好な材質
を得る製造法となる。また、高温巻取を行なつた
場合においても、コイル内材質は極めて均質なも
のとなり、製造歩留の低下は全く考慮する必要が
ない。 次に、焼鈍温度及び冷却速度の影響であるが、
本発明鋼はNをTiNとして固定しており、焼鈍温
度に比較して極めて高温の温度域においても安定
な析出物であるために、高温焼鈍でも再固溶する
ことはなく固溶N量にはほとんど全く影響しな
い。従つて焼付硬化性は固溶C量のみに依つて決
定されるものである。冷却速度に関してもかかる
理由から考慮する必要はなく任意の冷却速度でよ
い。また、室温まで急速冷却したとしても何ら常
温時効性に対して影響を及ぼすものではない。 仮りに高温焼鈍を行なつて熱延巻取時に析出し
ていたNbCの一部が再固溶したとして、固溶C量
がわずかに変動したとしても急速冷速をすること
により、Cをはじめとする元素の粒界への偏析が
極端に低くなるため、論文等に記載の如く、粒界
が高純であることの効果により時効処理後、降伏
点伸びが出現することはない。 Tiを複合添加した本発明鋼により、以上のよ
うに焼鈍温度、冷却速度に依存せずに純粋に鋼中
のC、Nb量のみを制御することにより、実質上
非時効である超深絞り用焼付硬化性鋼板が製造で
きるものである。 更に本発明鋼では、Tiの複合添加により前述
の如く、焼鈍後の冷却速度に依存せずに製造可能
なため、Si,Mn等を添加して40Kg/mm2を超え
る引張強度の高い高強度溶融亜鉛めつき鋼板製造
時に、めつき密着性の極めて良好な、従来にない
優れた鋼板を製造できる。 溶融亜鉛めつき鋼板のめつき密着性は、既に述
べたように、焼鈍冷却中に鋼板表面に濃化する主
としてSi等の合金元素の影響により劣化するた
め、Si含有量は約0.3%以下に制限されていた。
このため特に引張強度40Kg/mm2以上の性能の良
好な超深絞り用亜鉛めつき鋼板は、これまで実質
上製造されていないと言える。この欠点も、本発
明鋼ではTiの複合添加により材質は冷却速度に
ほとんど全く依存せず、急速冷却も可能となり、
表面に濃化するSi等の合金元素を著しく低減でき
るため、かかるSi含有量の高い超深絞り用焼付硬
化性高強度鋼板の製造が可能となるものである。 以上述べてきた如く、本発明鋼はTiの複合添
加により、従来の鋼板にない種々の材質特性を兼
ね備えた全く新しい性格の鋼板であり、極めて有
利なものである。 次に成分範囲について述べる。前述の如くTi
添加量はNとの関係で決まる。Tiを添加するの
は、NをAINあるいはNbNとして析出させると、
その析出量が巻取温度によつて大きく左右された
り、焼鈍温度、焼鈍後の冷却速度によつて、最終
的に鋼板中の固溶N量が影響されるために、コイ
ル長手方向端部の材質が劣化したり、コイル内材
質のバラツキが大きくなつたり、さらには材質の
巻取温度、焼鈍温度、冷却速度に依存して大きく
変化するのを防ぐためである。 調査してみると、このようなNの効果は、含有
量20ppm以下では大きくないため、Ti添加量の
下限はTiで固定できないN量が20ppm以下とな
るように決まる。即ち48/14〔N(%)−0.002%
(20ppm)〕<Ti(%)である。この場合に、Nは
〔Ti、Al〕Nとして比較的高温でも安定な析出物
になつているために、実質上全N量をTiNとして
析出させたのと同様な効果を有することが実験の
結果確められている。またTi添加量の上限は、
TiをNとの当量(即ち48/14N(%))以上に添
加すると硫化物を形成したり、炭化物となつて延
性及び二次加工性を劣化させたり、焼付硬化性の
制御を困難にする、さらにはP添加時にリン化物
を形成して材質を悪くするのでTiはNとの当量
以上は添加しないことが望ましい。以上よりTi
添加量は48/14〔N(%)−0.002%〕<Ti(%)≦
48/14N(%)となる。 一方NbはCとの関係で決まり、ExcessC量
(C(%)−12/93Nb(%)が10〜50(ppm)の
範囲内で、かつNb量が0.02%以下であることが
望ましい。従つてNb添加量はNb(%)≦0.02%か
つ93/12〔C(%)−0.005%(50ppm)〕≦Nb
(%)≦93/12〔C(%)−0.001%(10ppm)〕と
なる。 Nb量の下限は、実質上非時効となる限界から
決まる。Nbに対する当量を超えるC量が50ppm
以上になると鋼板内の固溶Cが多くなり過ぎ、焼
付硬化性は大きくなるが、時効後、降伏点伸びが
現れ、外板用素材として適さない。Nb量の上限
は固溶Cが適当量残存するように決定される。
ExcessC量が10ppm以下になると、最終的な固
溶C量が少くなり過ぎ、急速冷却の場合でも、焼
付硬化性を十分付与できない。ExcessC量が10〜
50ppmの範囲の場合に、焼鈍温度冷却速度に関
わらず安定して焼付硬化性を付与でき、かつ実質
上非時効となる(第5図に示す)。 更にNb添加量が0.02%を超えると、微細NbC
析出量が増加するために、再結晶温度が著しく上
昇したり、NbCによる析出強化要素が大きくな
り、YPの上昇、EI、r値の低下の原因となるの
で本発明鋼の目標材質からはずれるものである。 第1図、第2図は本願発明鋼のTi、Nb含有量
範囲をN、C量との関係で図示したものである。
第3図、第4図はTi、Nb量と材質の関係から本
発明の範囲を示したものである。 第3図は、Nb量を一定量(0.008%)に固定
し、Ti量を変化させた場合の材質特性値であ
る。他の合金成分はC:0.0035、Si:0.01、Mn:
0.25、P:0.020、S:0.010、sol.Al:0.040、
N:0.0040(各wt%)および残部は実質的にFe
からなる試料について、a:コイル長手方向中心
部、b:コイル長手方向前後端部を示した。熱延
巻取温度は700℃の高温巻取、焼鈍条件は800℃×
30秒、冷却速度は、室温までの冷却速度が100
℃/secである。 また、焼鈍後の調質圧延率は0.8%である。Ti
量がNをAINとして析出させるかわりにTiNとし
て固定するために不十分な量の場合、即ち48/14
〔N(%)−0.002%〕>Tiの場合には、コイル前後
端部の材質劣化(YPの上昇、El、r値の低下、
BH量(第7図参照)が過大)が大きい。コイル
前後端部は巻取時の冷却速度が速いため、通常巻
取に相当する材質を表わすことになり、かかる
Ti量の領域では低温巻取時に良好な材質を確保
できないことになる。逆にTiをNに対する当量
(48/14N(%))以上添加した場合には、コイル
前後端部、通常巻取時の材質劣化は小さいが、
TiNを形成するために必要な量を超えるTiが含有
されているために、硫化物、炭化物を形成して延
性、r値を劣化させる結果となつている。 また、この領域ではTiがTiCとして析出物を形
成するために、固溶C量が少くなり、適当な焼付
硬化性が得られない。上記の範囲にTi量をコン
トロールすれば、固溶C量はExcessC量で決ま
り、焼鈍温度、冷却速度に依らずに焼付硬化性を
付与できる。 第4図は、Ti量を、Nを固定するに足る量だ
け一定量(0.013%)添加し、Nb量を変化させた
場合の材質特性値である。他の合金成分はC:
0.0030、Si:0.01、Mn:0.25、P:0.020、S:
0.010、sol.Al:0.040、N:0.0040(各wt%)お
よび残部は実質的にFeよりなる試料について、
a:コイル長手方向中心部、b:コイル長手方向
前後端部の材質を示した。他の製造条件は第3図
の場合と同様である。 Nb量を従来のNb添加鋼で使用されている量よ
りも著しく低い量、93/12〔C(%)−0.005%〕
≦Nb(%)≦93/12〔C(%)−0.001%〕かつNb
≦0.02%を満たすように添加すれば、適当な焼付
硬化性を付与できることを示している。 ここに適当な焼付硬化性とはBH=3〜5Kg/
mm2である。Nb量が上記範囲を超えて含有され
ると、コイル前後端部あるいは通常巻取時に微細
NbCの影響でNbCによる析出強化要素が大きくな
り、YPの上昇、El、r値の劣化等材質が劣化
し、また再結晶温度も著しく上昇する。さらに焼
付硬化性も十分付与できなくなり、本願発明の主
旨をはずれることになる。 第5図はExcessC量(C(%)−12/93Nb
(%))と焼付硬化性の関係を示したものである。
焼鈍後の冷却速度は室温まで100℃/sec一定とし
た。ExcessC量のうちどれだけの割合が最終的に
固溶C量として残るかは別としても、固溶C量は
ExcessC量と比例して残存する。従つて、固溶C
量と対応する焼付硬化性はExcessC量と対応する
ことになる。 第6図は連続焼鈍における冷却サイクルを示し
たものであり、は冷延鋼板、溶融亜鉛めつき鋼
板(合金化処理なし)用サイクル、は合金化溶
融亜鉛めつき鋼板用サイクルである。 焼鈍後の冷却速度は、Tiを複合添加した本発
明鋼では、既に述べてきたように室温まで任意で
よいが、二次加工脆性、溶融亜鉛めつき性の観点
から、室温までの急速冷却(270℃/sec)が望ま
しい。 次にTi、Nb以外の合金成分範囲は、C:0.007
%以下、Si:0.8%以下、Mn:1.0%以下、P:
0.15%以下、Al:0.01〜0.1%、N:0.01%以下及
び他の不可避的不純物、残部実質的にFeから成
るものである。 C量が多いと必然的にCを固定するためのNb
量がそれだけ多く必要となり、製造コストが高く
なり、またNbCの生成量が増えるため、析出強化
要素が大きくなり、結晶粒の成長が阻害され、r
値の低下、降伏強度の上昇、伸びの低下を導く。
このため超深絞り性鋼板の製造という観点からC
は0.007%以下とする。 Siは溶融亜鉛めつき鋼板を製造する場合、めつ
き層皮膜の密着性を低下させる傾向を有するが、
本発明では室温までの急速冷却により表面濃化の
影響を抑制できるため、0.8%以下とする。 本発明鋼はTi添加量が低く、固溶Cが残存す
る鋼板であり、更に急速冷却により粒界偏析量を
著しく低減できるために、二次加工割れを起こし
難いが、Pがさらに多量に含まれると、粒界偏析
量が多くなり、粒界を脆化させ、二次加工割れを
助長するため、Pの上限を0.15%とする。 AlはTi、Nb添加前の溶鋼脱酸剤として加える
が、少量すぎる場合には、Alによる脱酸が十分
に行なわれず、Ti、Nbが脱酸剤として働くた
め、Ti、Nbの歩留低下が著しくなり、焼付硬化
性の制御も困難になる。逆に多量に加えると
Al2O3介在物が増加して好ましくない。以上の理
由によりAlは0.01〜0.1%とする。 NはTiNとしてTiに固定されるが、N含有量が
多いと必要なTi量が増加し好ましくない。この
ためNは0.01%以下とする。 Ti、Nbを複合添加した鋼板としては、特公昭
54−12883号公報、特開昭54−131536号公報、特
開昭56−166331号公報、特開昭57−35673号公報
等に開示されているが、これらはいずれもTi、
Nbを複合添加することを発明の基本思想とする
ものではなく、Ti、NbあるいはZr、V、Cr等を
単にC、Nを析出せしめる添加元素として任意に
選択されるものである。 該特許においては、TiはNを析出せしめるに
止まらずCをTiCとして析出せしめ、C、Nによ
る時効性を抑制するため、いずれもTiおよびNb
の総添加量とC、N量との関係で目標材質を得る
ものである。また、該特許は非時効深絞り鋼板を
発明の基本思想とするものであり、鋼中に固溶C
を適当量残存せしめ、焼付硬化性を付与するもの
ではない。 本発明鋼は既に述べた通り、極低炭素鋼に微量
のTi、Nbを添加することを必須条件とし、極め
て高い深絞り性と焼付硬化性を付与することを根
本原理とする。Tiの添加は材質に悪影響を及ぼ
すNを無害化するためであり、上記発明の如く、
TiCをも生成せしめるものではない。更に、Nb
の添加は固溶C量を常温時効性に対して有害とな
らない範囲内に低減せしめ、固溶Cの残存により
焼付硬化性を付与する目的にある。 従つて本発明鋼は、Ti、Nbを複合添加するこ
とを基本思想とするが、Tiの添加はNの無害
化、Nbの添加はCによる常温時効性の無害化と
焼付硬化性を付与することにあり、いずれもN
量、C量に対して当量以下の微量添加である。ま
た、極低炭素鋼を基本成分とする本発明鋼は、
Ac3点以上の焼鈍を行なうとランダム方位結晶粒
を生成せしめ、r値の劣化を招くため、焼鈍温度
は再結晶温度以上Ac3点以下となる。さらに、焼
鈍後の冷却速度は任意でよく、生産性、めつき特
性、鋼板の二次加工脆性の観点からは70℃/sec
以上が望ましく過時効処理も必要としない。 以上の理由から本発明鋼は、根本原理及び得ら
れる鋼板の材質とも該特許とは本質的に異なる。 本発明鋼は、Ti、Nb含有量を従来の鋼板に比
較して著しく低減せしめているため、再結晶温度
は熱間圧延条件に関わらず低い。熱間圧延時に高
温巻取を行なうことにより、析出物の凝集が促進
され、再結晶温度は更に低下する。従つて本発明
鋼は低温焼鈍でも高いr値が得られ、ブリキの如
き極薄鋼板製造に対しても超加工用鋼板を提供す
るものである。 本発明においては、TiN,NbCを粗大析出させ
ることにより、発明の範囲内で熱延条件に左右さ
れずに高い材質を得るものである。TiNの析出開
始温度、NbCの析出開始温度は、それぞれ鋼中の
N,Ti量,C,Nb量に依存し、かかる量が少な
い場合は、析出開始が低温となつて析出物が粗大
化しにくい。 かかる観点から、本発明の主旨に沿つて実施例
に示した範囲から、TiとNbの総和の下限を0.014
%、上限は同様に実施例に示した範囲に基づき
0.027%とする。これはTiとNbの総和が0.027%を
超えると、逆に炭化物(NbC)が微細になつて降
伏強度が上昇したり、再結晶温度が上昇したりす
る弊害が生じるためである。 又、本発明での熱延仕上げ温度は、Ar3未満で
は圧延中にフエライト相が混入して深絞り性を劣
化させるのでAr3以上とする。 次に巻取り温度について述べると、本発明にお
いては、炭化物、窒化物を粗大凝集させることに
より、深絞り性を高めている。かかる効果は、巻
取り温度が高いほど顕著となる。かかる観点から
実施例に示す範囲に基づき、巻取り温度を600℃
以上と限定するものである。
【表】
【表】
以下、実施例について述べる。
実施例 1
第1表は本発明鋼および比較のために用いた供
試鋼の化学成分を示したものである。 上記の供試鋼を熱間仕上温度910℃、巻取温度
は700℃の高温巻取および、600℃の通常巻取で板
厚40mmに熱間圧延し、0.8mmまで冷間圧延した
後、第6図に示す焼鈍サイクルを用いて連続焼
鈍ラインにて焼鈍し冷延鋼板を製造した。但し焼
鈍温度は800℃、保定時間30秒、冷却速度は室温
まで100℃/sec一定とした。その後調査圧延を1
%の圧延率で加えた。その材質試験を第2表(i),
(ii)に示す。
試鋼の化学成分を示したものである。 上記の供試鋼を熱間仕上温度910℃、巻取温度
は700℃の高温巻取および、600℃の通常巻取で板
厚40mmに熱間圧延し、0.8mmまで冷間圧延した
後、第6図に示す焼鈍サイクルを用いて連続焼
鈍ラインにて焼鈍し冷延鋼板を製造した。但し焼
鈍温度は800℃、保定時間30秒、冷却速度は室温
まで100℃/sec一定とした。その後調査圧延を1
%の圧延率で加えた。その材質試験を第2表(i),
(ii)に示す。
【表】
【表】
第2表(i),(ii)より本願発明によるNo.1〜No.5の
鋼板は、コイル内材質が均質でバラツキが極めて
小さく、巻取温度によらず通常巻取相当でも良好
な材質が得られることが明らかである。また二次
加工割れの心配がなく化成処理性も良好である。
さらに成分変化にかかわらず、焼付硬化性が精度
よく制御できる優位性を示している。 比較材No.6、No.7、No.8はTiが本発明範囲か
らはずれている。No.6、No.8はTi量が低すぎる
ためNbキルド鋼に近い材質となり、通常巻取の
場合及び高温巻取時のコイル端部の材質劣化が大
きく、またAlNの溶解による固溶Nの影響によ
り、時効処理後降伏点伸びが出現している。 No.7はTi量が多過ぎるためTiキルド鋼に近い
材質となり二次加工割れが起こり易く、また化成
処理性、焼付硬化性が劣る。No.9はNb量が本発
明範囲をはずれ、Nbキルド鋼に近い材質とな
り、通常巻取の場合及び高温巻取時のコイル端部
の材質劣化が極めて大きく、またNb量が多いた
め化成処理性が劣る。また比較鋼No.6〜8はTi
量、Nb量が本発明範囲をはずれることから焼付
硬化性を適当な値にコントロールすることができ
ない。 本発明鋼No.1〜No.5は冷却速度を変化させた場
合にも第2表と同様、常温で実質上非時効であ
り、かつ3〜5Kg/mm2の焼付硬化性が得られる
ことを確認した。 実施例 2 第3表は本発明鋼および比較のために用いた供
試鋼の成分組成を示したものである。
鋼板は、コイル内材質が均質でバラツキが極めて
小さく、巻取温度によらず通常巻取相当でも良好
な材質が得られることが明らかである。また二次
加工割れの心配がなく化成処理性も良好である。
さらに成分変化にかかわらず、焼付硬化性が精度
よく制御できる優位性を示している。 比較材No.6、No.7、No.8はTiが本発明範囲か
らはずれている。No.6、No.8はTi量が低すぎる
ためNbキルド鋼に近い材質となり、通常巻取の
場合及び高温巻取時のコイル端部の材質劣化が大
きく、またAlNの溶解による固溶Nの影響によ
り、時効処理後降伏点伸びが出現している。 No.7はTi量が多過ぎるためTiキルド鋼に近い
材質となり二次加工割れが起こり易く、また化成
処理性、焼付硬化性が劣る。No.9はNb量が本発
明範囲をはずれ、Nbキルド鋼に近い材質とな
り、通常巻取の場合及び高温巻取時のコイル端部
の材質劣化が極めて大きく、またNb量が多いた
め化成処理性が劣る。また比較鋼No.6〜8はTi
量、Nb量が本発明範囲をはずれることから焼付
硬化性を適当な値にコントロールすることができ
ない。 本発明鋼No.1〜No.5は冷却速度を変化させた場
合にも第2表と同様、常温で実質上非時効であ
り、かつ3〜5Kg/mm2の焼付硬化性が得られる
ことを確認した。 実施例 2 第3表は本発明鋼および比較のために用いた供
試鋼の成分組成を示したものである。
【表】
【表】
上記供試鋼は本発明範囲の鋼および比較材に合
金元素を添加して高強度化したものである。No.1
〜6までの鋼を実施例1の場合と同一の条件によ
り冷間圧延まで行ない、第6図に示すサイクル
を用いて連続焼鈍し、冷延鋼板を製造した。但し
焼鈍温度は800℃、保定時間30秒、冷却速度は10
℃/sec、50℃/sec、70℃/sec、100℃/sec
(室温まで一定)とした。 供試鋼No.7は熱延仕上温度880℃、巻取温度540
℃で板厚4.0mmに熱間圧延し、0.8mmまで冷間圧延
した後、焼鈍温度720℃で箱型焼鈍に供した。 No.1〜6の材料について冷却速度100℃/sec
(室温まで一定)の場合の材質を第4表に示し、
同時にNo.7の材質結果も示した。
金元素を添加して高強度化したものである。No.1
〜6までの鋼を実施例1の場合と同一の条件によ
り冷間圧延まで行ない、第6図に示すサイクル
を用いて連続焼鈍し、冷延鋼板を製造した。但し
焼鈍温度は800℃、保定時間30秒、冷却速度は10
℃/sec、50℃/sec、70℃/sec、100℃/sec
(室温まで一定)とした。 供試鋼No.7は熱延仕上温度880℃、巻取温度540
℃で板厚4.0mmに熱間圧延し、0.8mmまで冷間圧延
した後、焼鈍温度720℃で箱型焼鈍に供した。 No.1〜6の材料について冷却速度100℃/sec
(室温まで一定)の場合の材質を第4表に示し、
同時にNo.7の材質結果も示した。
【表】
【表】
第4表により、本発明鋼は高強度化した場合に
もr値が極めて高く、延性も優れている。軟鋼板
の場合と同様にコイル内材質も均質で化成処理性
も良好であり、また、焼付硬化性も目標値通り得
られている。さらにP等合金元素の添加量が多い
にもかかわらず二次加工割れが起こり難いのは固
溶Cが存在して粒界を強化しているためと、室温
までの急速冷却により粒界偏析P量が著しく低減
されているためである。 第4表(2)に冷却速度を変化させた場合の二次加
工脆性の発生限界を示す。試験温度は−50℃であ
り、試験片はシヤーエツジであり、円筒成形した
場合の外径を30mmφ一定とした。(試料は全て高
温巻取材のコイル長手方向中心部)
もr値が極めて高く、延性も優れている。軟鋼板
の場合と同様にコイル内材質も均質で化成処理性
も良好であり、また、焼付硬化性も目標値通り得
られている。さらにP等合金元素の添加量が多い
にもかかわらず二次加工割れが起こり難いのは固
溶Cが存在して粒界を強化しているためと、室温
までの急速冷却により粒界偏析P量が著しく低減
されているためである。 第4表(2)に冷却速度を変化させた場合の二次加
工脆性の発生限界を示す。試験温度は−50℃であ
り、試験片はシヤーエツジであり、円筒成形した
場合の外径を30mmφ一定とした。(試料は全て高
温巻取材のコイル長手方向中心部)
【表】
【表】
第4表(2)の結果より、P添加を行なつて高強度
鋼板化した場合には二次加工割れの発生限界は軟
鋼板の場合と比較して劣化するが、本発明鋼は
Tiの複合添加によつてもNb添加鋼とほぼ同じレ
ベルであり、二次加工割れを発生し易いTiキル
ド鋼(No.5の材料はTiキルド鋼に近い材質であ
る。)よりも優れる。Nb添加鋼と同一レベルの二
次加工割れ特性を得るには冷却速度は任意で良い
が、箱焼鈍で製造したAl・K鋼並みの限界絞り
比を得るには70℃/sec以上の冷却速度で冷却す
るのが望ましい。本発明鋼では、Tiの複合添加
により急速冷却も可能であり、Pの粒界偏析量を
著しく低減できるためかかる効果が生まれてくる
ものであり、本発明鋼の優位性を示すものであ
る。 比較材No.4はNb添加量が多いために通常巻取
の場合及び高温巻取時のコイル端部の材質劣化が
極めて大きく、化成処理性が劣る。また、Nb量
が多過ぎるために急速冷却の場合でも、焼付硬化
性を付与できない。No.5の材料はTi含有量が多
過ぎて二次加工割れを起こし易く、化成処理性が
劣るという欠点を有し、さらに焼付硬化性を付与
できない。 No.6の材料はTi量がNをTiNとして固定するに
必要な量に足らないため、Nb添加鋼に近い材質
となり、通常巻取時および高温巻取時のコイル前
後端部の材質劣化が極めて大きく、焼付硬化性の
バラツキが大きいという欠点を有する。(通常巻
取材の材質は実施例1の場合と同様いずれも高温
巻取材のコイル前後端部とほとんど同じ材質を示
したので特に記述しない。) 実施例 3 第1表、第3表に示す供試鋼の全てについて、
実施例1の場合と同一条件にて冷間圧延まで行な
つた後、第6図,で示す焼鈍サイクルを用い
て、溶融亜鉛めつき鋼板を製造した。焼鈍温度は
800℃、焼鈍時間は30秒であり、冷却速度は室温
まで一定の100℃/secの冷速で冷却した。 第6図は合金化処理を行なわない場合に相当
し、は合金化処理を行なつて合金化亜鉛めつき
鋼板を製造する場合である。これらの場合、冷却
速度のコントロールは鋼板が亜鉛めつき浴に入る
までの冷却速度、めつき浴を出てから室温になる
までの冷却速度を、ともに制御した。 上記の製造結果は以下の通りである。 1 機械試験値は第2表、第4表に示した値とほ
とんど同じであり亜鉛めつきを行なつたこと
は、本発明の主旨に何ら反するものはなかつ
た。合金化処理を行なうことは530℃程度で約
10秒保持されるが、焼付硬化性に実施例1、2
と差がないことは、大部分のCの析出が500℃
に比較し、より高温域で起こるためと理解され
る。かかる理由により材質特性値は特に示さな
い。但し、亜鉛めつきを行なつた場合のめつき
密着性を第5表に示す。
鋼板化した場合には二次加工割れの発生限界は軟
鋼板の場合と比較して劣化するが、本発明鋼は
Tiの複合添加によつてもNb添加鋼とほぼ同じレ
ベルであり、二次加工割れを発生し易いTiキル
ド鋼(No.5の材料はTiキルド鋼に近い材質であ
る。)よりも優れる。Nb添加鋼と同一レベルの二
次加工割れ特性を得るには冷却速度は任意で良い
が、箱焼鈍で製造したAl・K鋼並みの限界絞り
比を得るには70℃/sec以上の冷却速度で冷却す
るのが望ましい。本発明鋼では、Tiの複合添加
により急速冷却も可能であり、Pの粒界偏析量を
著しく低減できるためかかる効果が生まれてくる
ものであり、本発明鋼の優位性を示すものであ
る。 比較材No.4はNb添加量が多いために通常巻取
の場合及び高温巻取時のコイル端部の材質劣化が
極めて大きく、化成処理性が劣る。また、Nb量
が多過ぎるために急速冷却の場合でも、焼付硬化
性を付与できない。No.5の材料はTi含有量が多
過ぎて二次加工割れを起こし易く、化成処理性が
劣るという欠点を有し、さらに焼付硬化性を付与
できない。 No.6の材料はTi量がNをTiNとして固定するに
必要な量に足らないため、Nb添加鋼に近い材質
となり、通常巻取時および高温巻取時のコイル前
後端部の材質劣化が極めて大きく、焼付硬化性の
バラツキが大きいという欠点を有する。(通常巻
取材の材質は実施例1の場合と同様いずれも高温
巻取材のコイル前後端部とほとんど同じ材質を示
したので特に記述しない。) 実施例 3 第1表、第3表に示す供試鋼の全てについて、
実施例1の場合と同一条件にて冷間圧延まで行な
つた後、第6図,で示す焼鈍サイクルを用い
て、溶融亜鉛めつき鋼板を製造した。焼鈍温度は
800℃、焼鈍時間は30秒であり、冷却速度は室温
まで一定の100℃/secの冷速で冷却した。 第6図は合金化処理を行なわない場合に相当
し、は合金化処理を行なつて合金化亜鉛めつき
鋼板を製造する場合である。これらの場合、冷却
速度のコントロールは鋼板が亜鉛めつき浴に入る
までの冷却速度、めつき浴を出てから室温になる
までの冷却速度を、ともに制御した。 上記の製造結果は以下の通りである。 1 機械試験値は第2表、第4表に示した値とほ
とんど同じであり亜鉛めつきを行なつたこと
は、本発明の主旨に何ら反するものはなかつ
た。合金化処理を行なうことは530℃程度で約
10秒保持されるが、焼付硬化性に実施例1、2
と差がないことは、大部分のCの析出が500℃
に比較し、より高温域で起こるためと理解され
る。かかる理由により材質特性値は特に示さな
い。但し、亜鉛めつきを行なつた場合のめつき
密着性を第5表に示す。
【表】
上記結果より、本発明鋼は亜鉛めつき特性も極
めて良好である。特に第3表の試料はSi含有量が
高いにもかかわらず密着性が良好であるのは、急
速冷却により表面濃化Si量を著しく低減できてい
るためである。 第1表−No.7、第3表−No.5の試料はTi含有
量が多いために、地鉄と溶融亜鉛の合金化反応が
促進されて、過合金化が進みメツキ層中に硬くて
脆い合金層が形成されたために、密着性が劣化し
たものと考えられる。第1表−No.9、第3表−No.
4の材料も本発明鋼に比べ密着性が劣るのはNb
添加量が多いためと推定される。この観点から
も、合金元素としてTi、Nb添加量の低い本発明
鋼は優位性を有する。 実施例 4 第1表に示す供試鋼No.1,2,8を熱延仕上温
度910℃、巻取温度700℃で板厚2.3mmに熱間圧延
し、0.2mmまで冷間圧延した後、第6図に示す
焼鈍サイクルにより連続焼鈍し、ブリキを製造し
た。焼鈍温度ST=650℃、均熱時間20秒、冷却速
度10℃/sec一定である。その後調質圧延を0.8%
の圧下率で加えた。その材質結果を第6表に示
す。
めて良好である。特に第3表の試料はSi含有量が
高いにもかかわらず密着性が良好であるのは、急
速冷却により表面濃化Si量を著しく低減できてい
るためである。 第1表−No.7、第3表−No.5の試料はTi含有
量が多いために、地鉄と溶融亜鉛の合金化反応が
促進されて、過合金化が進みメツキ層中に硬くて
脆い合金層が形成されたために、密着性が劣化し
たものと考えられる。第1表−No.9、第3表−No.
4の材料も本発明鋼に比べ密着性が劣るのはNb
添加量が多いためと推定される。この観点から
も、合金元素としてTi、Nb添加量の低い本発明
鋼は優位性を有する。 実施例 4 第1表に示す供試鋼No.1,2,8を熱延仕上温
度910℃、巻取温度700℃で板厚2.3mmに熱間圧延
し、0.2mmまで冷間圧延した後、第6図に示す
焼鈍サイクルにより連続焼鈍し、ブリキを製造し
た。焼鈍温度ST=650℃、均熱時間20秒、冷却速
度10℃/sec一定である。その後調質圧延を0.8%
の圧下率で加えた。その材質結果を第6表に示
す。
【表】
上記結果より、本発明鋼はTi、Nb添加量を著
しく低減せしめているため、再結晶温度が著しく
低く、低温焼鈍によつて極薄鋼板の製造が可能で
あり、超加工用極薄鋼板を提供するものである。
比較鋼No.8はNb添加量が高く低温焼鈍では未結
晶である。 以上のように、Ti、Nbを複合添加することを
必須条件とし、TiはNを固定する範囲内で添加
し、NbはExcessC量が10〜50ppmとなる如く添
加することにより、熱延巻取温度、焼鈍温度、冷
却温度に依らずに、従来にない極めて優れた種々
の特性を有する超深絞り用焼付硬化性鋼板が得ら
れることになり、本発明の新規性が示された。
しく低減せしめているため、再結晶温度が著しく
低く、低温焼鈍によつて極薄鋼板の製造が可能で
あり、超加工用極薄鋼板を提供するものである。
比較鋼No.8はNb添加量が高く低温焼鈍では未結
晶である。 以上のように、Ti、Nbを複合添加することを
必須条件とし、TiはNを固定する範囲内で添加
し、NbはExcessC量が10〜50ppmとなる如く添
加することにより、熱延巻取温度、焼鈍温度、冷
却温度に依らずに、従来にない極めて優れた種々
の特性を有する超深絞り用焼付硬化性鋼板が得ら
れることになり、本発明の新規性が示された。
第1図はTi添加量とNとの図表、第2図はNb
添加量とCとの図表、第3図、第4図はTi、Nb
複合添加鋼の材質に及ぼすTi量およびNb量の影
響を示す図表、第5図はExcessC量(C(%)−
12/93Nb(%))と焼付硬化性の関係を示す図表、
第 6図は焼鈍サイクルを示す説明図、第7図はBH
の説明図である。
添加量とCとの図表、第3図、第4図はTi、Nb
複合添加鋼の材質に及ぼすTi量およびNb量の影
響を示す図表、第5図はExcessC量(C(%)−
12/93Nb(%))と焼付硬化性の関係を示す図表、
第 6図は焼鈍サイクルを示す説明図、第7図はBH
の説明図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 C:0.007%以下,Si:0.8%以下, Mn:1.0%以下,P:0.15%以下, Al:0.01〜0.1%、N:0.01%以下 及び他の不可避的不純物から成り、 かつTiとNbを複合添加することを必須条件と
し、Tiは48/14〔N(%)−0.002%〕<Ti(%)
かつTi(%)≦48/14N(%) を満たす範囲内で含有し、 Nbは93/12〔C(%)−0.005%〕≦Nb%≦93/
12〔C(%)−0.001%〕 かつNb≦0.020%を満たし、 TiとNbの合計量が0.014%〜0.027%を満たす範
囲内で、添加した成分の鋼を、Ar3変態点以上の
仕上温度で熱延した後、600℃以上の巻取り温度
で巻取り、かかる後、冷間圧延後、再結晶温度以
上A3点以下の温度で連続焼鈍することを特徴と
する超深絞り用焼付硬化性鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13989782A JPS5931827A (ja) | 1982-08-13 | 1982-08-13 | 超深絞り用焼付硬化性鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13989782A JPS5931827A (ja) | 1982-08-13 | 1982-08-13 | 超深絞り用焼付硬化性鋼板の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5931827A JPS5931827A (ja) | 1984-02-21 |
| JPS6145689B2 true JPS6145689B2 (ja) | 1986-10-09 |
Family
ID=15256155
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP13989782A Granted JPS5931827A (ja) | 1982-08-13 | 1982-08-13 | 超深絞り用焼付硬化性鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5931827A (ja) |
Families Citing this family (15)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6126756A (ja) * | 1984-07-17 | 1986-02-06 | Kawasaki Steel Corp | 良化成処理性を有する極低炭素鋼板 |
| JPS61276931A (ja) * | 1985-05-31 | 1986-12-06 | Kawasaki Steel Corp | 焼付硬化性を有する超深絞り用冷延鋼板の製造方法 |
| JPS6267120A (ja) * | 1985-09-19 | 1987-03-26 | Kobe Steel Ltd | 焼付硬化性および耐たて割れ性にすぐれかつ高r値を持つ冷延鋼板の製造方法 |
| JPS62109927A (ja) * | 1985-11-06 | 1987-05-21 | Nippon Steel Corp | 焼付硬化性および加工性の優れた冷延鋼板の製造方法 |
| JPS62112731A (ja) * | 1985-11-11 | 1987-05-23 | Kawasaki Steel Corp | 深絞り性に優れた焼付硬化性鋼板の製造方法 |
| JPS63143265A (ja) * | 1986-12-05 | 1988-06-15 | Kawasaki Steel Corp | 焼付硬化性に優れた有機被覆鋼板の製造方法 |
| JP3365632B2 (ja) * | 1991-03-15 | 2003-01-14 | 新日本製鐵株式会社 | 成形性の良好な高強度冷延鋼板と溶融亜鉛メッキ高強度冷延鋼板およびそれらの製造方法 |
| CA2067043C (en) * | 1991-04-26 | 1998-04-28 | Susumu Okada | High strength cold rolled steel sheet having excellent non-aging property at room temperature and suitable for drawing and method of producing the same |
| KR940702231A (ko) * | 1992-06-22 | 1994-07-28 | 미노루 다나까 | 우수한 소부 경화성, 비시효 특성 및 성형성을 가진 냉간압연 강판 및 열침지 피복 냉간압연 강판, 및 그의 제조방법(cold rolled steel sheet and hot dip ainc-coated cold rolled steel sheet having excellent bake hardenability, non-aging properties and formability, and process for producing same) |
| US5690755A (en) * | 1992-08-31 | 1997-11-25 | Nippon Steel Corporation | Cold-rolled steel sheet and hot-dip galvanized cold-rolled steel sheet having excellent bake hardenability, non-aging properties at room temperature and good formability and process for producing the same |
| US5897967A (en) * | 1996-08-01 | 1999-04-27 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Galvannealed steel sheet and manufacturing method thereof |
| JP3958921B2 (ja) | 2000-08-04 | 2007-08-15 | 新日本製鐵株式会社 | 塗装焼付硬化性能と耐常温時効性に優れた冷延鋼板及びその製造方法 |
| JP4639996B2 (ja) | 2004-07-06 | 2011-02-23 | 住友金属工業株式会社 | 高張力冷延鋼板の製造方法 |
| US9290835B2 (en) | 2005-10-05 | 2016-03-22 | Nippon Steel & Summitomo Metal Corporation | Cold-rolled steel sheet excellent in paint bake hardenability and ordinary-temperature non-aging property and method of producing the same |
| WO2020196293A1 (ja) * | 2019-03-22 | 2020-10-01 | 日本製鉄株式会社 | 熱延コイルの製造装置及び製造方法 |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5412883A (en) * | 1977-06-30 | 1979-01-30 | Tokyo Keiki Kk | Rejection circuit of supersonic crack detector |
| JPS5825436A (ja) * | 1981-08-10 | 1983-02-15 | Kawasaki Steel Corp | 遅時効性、異方性小なる深絞り用冷延鋼板の製造方法 |
-
1982
- 1982-08-13 JP JP13989782A patent/JPS5931827A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5931827A (ja) | 1984-02-21 |
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