JPS6149248B2 - - Google Patents
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- Publication number
- JPS6149248B2 JPS6149248B2 JP54043234A JP4323479A JPS6149248B2 JP S6149248 B2 JPS6149248 B2 JP S6149248B2 JP 54043234 A JP54043234 A JP 54043234A JP 4323479 A JP4323479 A JP 4323479A JP S6149248 B2 JPS6149248 B2 JP S6149248B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- boron
- substrate
- alloy
- layer
- structural material
- Prior art date
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-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
- C23C—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
- C23C16/00—Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes
- C23C16/01—Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes on temporary substrates, e.g. substrates subsequently removed by etching
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Chemical Vapour Deposition (AREA)
Description
本発明は、パイプ状の硼素構造材の製造方法に
かかり、特に硼素構造材を構成する硼素の膜質や
機械的性質の向上と、硼素構造材の製造歩留りの
向上を図ることを目的とするものである。 硼素は、ダイアモンドに次ぐ硬度をもち、その
耐摩耗性も非常に大きいものであるため、切削工
具や摺動機械部品、軸受けなどに適した材料であ
る。また、比弾性率(弾性率/密度)が現在知ら
れている物質中では、最大という優れた特徴をも
つている。この性質は、構造材料として優れてい
ることを示すのみならず、また音波の伝播速度が
既存の物質中で最大であることをも意味し、音響
材料として特に有用である。 硼素応用製品を、鋳造や圧延といつた方法によ
つて、緻密な塊の状態で得ることは困難なことで
ある。このため、種々の硼素応用製品の製作にあ
たつては、ほとんどの場合、硼素以外の材料から
なる基体上に、蒸着法や、スパツタリング法、化
学蒸着法(以下CVD法という)などによつて硼
素皮膜を形成した複合体として用いられる。 このような従来の方法で作られた複合構造材料
は、硼素の硬さやその優れた耐摩耗性を利用する
製品の場合には、大きな支障を生じることがな
い。ところが、比弾性率の大きさを利用しようと
する、スピーカの振動板やカートリツジのカンチ
レバーなどの音響材料などでは、きわめて重大な
支障となる。すなわち、複合体の密度や弾性率は
基体の性質に大きく左右され、硼素本来の性質が
それによつて大きく減殺されるからである。一
方、硼素を化学的あるいは物理的な処理により基
体から分離させる試みは数多くあるが、蒸着され
た硼素皮膜と基体との間に熱膨張率の違いなどに
よつて歪が生じ、結果として、硼素皮膜にクラツ
クなどが入つて、十分に機械的強度のある硼素皮
膜を歩留りよく得ることがむずかしかつた。 発明者らは、かかる従来の方法にあつた欠点を
除去するためには、適当な金属で構成された下地
線材上に、鉄、コバルトおよびニツケルから選ば
れた少くとも1種の金属とクロムとの合金、また
はこの合金の硼化物を所望の厚さに被着させて基
体となし、つぎにこの基体上に硼素を化学蒸着す
ることが有効であることを見出した。 以下、本発明の方法について具体的に説明す
る。 硼素をCVD法により基体上に形成するには、
反応器内に置かれた基体を赤外線加熱や高周波加
熱、通電といつた方法で加熱し、たとえば、次式
に示すような還元分解反応により硼素を析出させ
ればよい。 2BX3+3H2→2B+6HX (ただし、XはClやBr、Iなどのハロゲン元素で
ある。) CVD法に使用する原料ガスとしては、上記硼
化物BX3の他に、硼素の水素化合物などもある。 また、この硼素析出反応においては、加熱温度
や、反応器への原料ガスの流入量などにより、
種々の結晶形が得られる。各種の結晶形のうち
で、緻密で、機械的性質に優れた硼素皮膜を得る
ためには、β−ロンボヘドラル、テトラゴナル、
あるいは非晶質の硼素が望ましい。 次に、化学的方法により、基体を溶解除去し
て、主に硼素単体からなるパイプを得る。このよ
うな化学的作用を有する液としては、弗酸を主と
する液などが考えられる。また、特に効果的な液
としては、無水アルコールに、臭素、塩素、沃素
またはこれらの2種以上の化合物(三塩化沃素や
一塩化沃素など)や、その混合物を溶解させたも
のがある。 下地線材を構成するための金属としては、硼素
のCVDが高温度下(1000℃以上)で行なわれる
ため、また、通電による基体加熱が容易であるこ
とを考えあわせると、タンタル、ニオブ、モリブ
デン、チタンおよびタングステンが望ましい。こ
れらの材料のうちでも、CVDが水素気流中で行
なわれる場合には、水素脆化の小さいタンタルと
モリブデン、タングステンが望ましい。また、沈
積した硼素皮膜と基体との熱歪を小さくするため
には、熱膨張係数が硼素(約8×10-6/℃)に近
いタンタル(約7〜8×10-6/℃)やチタン(約
8×10-6/℃)が望ましい。 本発明の方法の主要な点は、前記下地線材上
に、鉄、コバルトおよびニツケルから選ばれた少
くとも1種の金属とクロムとの合金、またはこの
合金の硼化物の層を電気メツキや、化学メツキ、
CVD法、スパツター法、蒸着法などにより、所
望の厚さに被着させて基体とすることにある。し
かる後、硼素を基体上に析出させ、さらに、基体
を選択溶解させるか、剥離除去して、硼素からな
るパイプ状の構造材を得るわけである。 上記基体を除去する方法のうち、確実性や生産
性から見て、選択溶解させる方法の方が優れてい
る。従来、基体を選択溶解する過程で、硼素皮膜
が破壊したり、また得られた硼素構造材の機械的
性質の劣る場合があつた。本発明の方法により、
これらの点において、大巾な改善がなされた。 クロム、鉄、コバルト、ニツケル、あるいはこ
れらの合金からなる板などをそのまま基体として
用いた場合、CVD時において、高温により基体
そのものが変形を起こしたり、熱膨張係数が硼素
に比べて一段と大きいために、硼素のCVD終了
時に硼素被膜に割れが生じたりした。また、クロ
ム、鉄、コバルト、もしくはニツケルの硼化物、
あるいは、これらの合金の硼化物からなる塊を、
そのまま硼素のCVDの基体として用いるのは、
硼素と硼化物基体との間の熱膨張係数などの熱的
性質や機械的性質の違いから望ましいことではな
い。 したがつて、本発明の効果を発揮させるために
は、下地線材を被覆する前記合金の層、あるいは
前記硼化物の層の厚みには、おのずから望ましい
厚さがある。この望ましい厚さは、下地を被覆す
る物質の種類や、下地の種類や厚みに左右され
る。下地として、たとえば200〜300μm外径の線
状のタンタルを使用した場合には、下地を被覆す
る物質の層の望ましい厚さは、ほぼ20μm以下で
あつた。それが厚すぎると、硼素皮膜に割れが生
じやすくなる。ところが、0.05μmよりも薄くな
ると、本発明による改善効果が明瞭には認められ
なくなる。この場合のもつとも望ましい被覆層の
厚さは、0.5〜2.0μmであつた。 本発明による効果は、下地線材としてタンタル
を使用したときにもつとも大きい。これは、熱膨
張係数が硼素のそれに近いこと、および水素脆化
の程度が比較的小さいことといつた理由によるも
のではないかと考えられる。 本発明は、下地線材上に鉄、コバルトおよびニ
ツケルから選ばれた少くとも1種の金属とクロム
との合金、またはこの合金の硼化物からなる層を
被覆することにより、効果を発揮するものであ
る。最終的に得られる硼素構造材の硼素の膜質や
機械的性質の検討によれば、適度な比率の上記合
金あるいは合金の硼化物が、もつとも本発明の効
果を発揮する。上記適度な比率は、下地の種類
や、合金の構成や、CVD時の条件等によりおの
ずから変わるものである。これらのことは、ニツ
ケルや、コバルト、鉄と下地との反応や、これら
の硼化物が比較的低温で溶けることと関係してい
ると考えられる。 下地線材上に上記合金を層状に被覆する方法と
しては、その物質により電気メツキ法、化学メツ
キ法、スパツタ法、蒸着法、あるいは適当な原料
ガスからのCVD法などを使用することができ
る。下地の種類や、構成元素の任意の比率の合金
が下地上に沈積しうる点で、蒸着法やスパツター
法が優れていた。二種以上の被覆方法が採用し得
る場合、比較検討を試みたが、結果は、被覆のな
い場合に比べて、本発明の効果はいずれの場合に
も発揮され、定性的には同じであつた。 太さ250μmのタンタル線に、上記合金を約1
μmの厚さに被覆し、さらに、この上に硼素を化
学蒸着した。得られた材料の断面は図に示すとお
りであつた。 図において、1はタンタル線、2は硼素層であ
る。3はX線回析で調べたところ下地タンタルに
被覆した物質の硼素化合物層であつた。4は空隙
である。このことから、あらかじめ下地タンタル
に被覆した合金は、硼素のCVD中に硼化物に変
換されることがわかつた。なお、空隙4は断面の
顕微鏡観察で明瞭に認られないこともある。 以上のことから、本発明の効果が下地線材上に
上記合金を被覆した場合に発揮されるのは、第1
に硼素に比べて、前記合金もしくはその硼化物の
熱膨張係数が大きく、図に示すように硼素層と硼
化物質層との間に空隙が形成されやすいこと、第
2に、前記硼化物と前記硼素との結合が比較的弱
いこと(したがつて上述のような空隙が生じやす
い)がかかわりあいをもつているのではないかと
考えられる。したがつて、下地と硼素との間に存
在する熱歪等の歪が、空隙により緩和され、それ
によつて硼素構造材の割れなどが少なくなり、そ
の製造歩留りが向上する。 下地線材上に上記合金の硼化物を層状に形成す
るには、これらの合金と硼素ハロゲン化物を反応
させるか、あるいは適当な原料ガスからCVDを
行なわせるか、あるいは硼化物をターゲツトとし
てスパツターするなどの方法を採用した。これら
の方法を経て作られた硼素構造材を検討した結果
は、上記合金を被覆材料とした場合と、本質的な
差異が認められなかつた。 以上詳しく述べたように、従来の方法によれ
ば、硼素のCVD時に、硼素皮膜が破壊したり、
基体を溶解等の方法で除去する際に破壊したり、
あるいは硼素のみからなるパイプ状硼素構造材の
機械的性質が劣弱であつたりしたが、本発明の方
法により、すべての点で改善された。 硼素の結晶形としては、CVD条件により、非
晶質、α−ロンボヘドラル、β−ロンボヘドラ
ル、テトラゴナルの結晶形が存在する。ただ、こ
れらのうち、硼素皮膜の緻密さからは、α−ロン
ボヘドラルは他の晶形に比べて若干使用しにく
い。また、どの晶形の硼素皮膜を生成しても、本
発明の効果は本質的に発揮された。 つぎに、具体的に実施例において説明する。 直径250μmのタンタル線を準備した。このタ
ンタル線を脱脂、酸でエツチング、洗浄したの
ち、それにクロムとコバルトの合金をターゲツト
として、高周波スパツター法で、約1.5μmの合
金層を形成した。ターゲツトはクロム70at%とコ
バルト30at%の合金からなつていた。 次に、合金で被覆されたタンタル線を基体と
し、これを通電により発熱させ、これに三塩化硼
素1容量部と水素3容量部の混合ガスを毎分1
の割合で流し、約50μmの厚さの硼素層を形成さ
せた。 このようにして作つた試料を5mmの長さにヤ
グ・レーザー等で切断して、それを、市販の無水
メタノール200mlに臭素50gを溶解させた液に浸
漬して、タンタルおよび前記合金の硼化物を溶解
させた。このとき硼素は溶解しない。得られたパ
イプの寸法は、内径250μm、外径350μm、長さ
5mmであつた。X線回折等で検討の結果、その結
晶形は、非晶質とβ−ロンボヘドラルを含むもの
であつた。 次にこのパイプの抗折強度を測定した。測定
は、梁の長さを4mmとし、両端支持梁の形で、中
央に荷重Wを加えて、パイプが破壊したときの荷
重より求めた。その結果、5mmに切断したサンプ
ルから、基体を溶解除去する過程において、破壊
することなく、パイプを取る収率は80%であり、
得られたパイプ20本のうち平均の抗折強度は450
gであつた。この結果を下表の試料1としてまと
めて示す。 上記実施例と同様にして、下表に示す試料2〜
17を作り、それらについても調べた。下表には使
用した下地、下地を被覆する材料、被覆方法、被
覆層の厚さ、基体を溶解して硼素パイプを得る収
率、平均抗折強度、X線回折等で調べた結晶形に
ついてまとめて示されている。平均抗折強度は試
料20本の平均値である。なお、表において、被覆
法にスパツターを採用した場合、下地を被覆する
材料の欄に記されている合金の組成は、ターゲツ
トの比率を示している。また、硼化処理は三塩化
硼素を使つて行なつた。 比較のため、タンタル線またはタングステン線
を被覆することなしに、そのまま基体として使用
し、直接その上にCVD法で硼素を約50μmの厚
さに沈積させた。そのときの結果もあわせて下表
に示す。
かかり、特に硼素構造材を構成する硼素の膜質や
機械的性質の向上と、硼素構造材の製造歩留りの
向上を図ることを目的とするものである。 硼素は、ダイアモンドに次ぐ硬度をもち、その
耐摩耗性も非常に大きいものであるため、切削工
具や摺動機械部品、軸受けなどに適した材料であ
る。また、比弾性率(弾性率/密度)が現在知ら
れている物質中では、最大という優れた特徴をも
つている。この性質は、構造材料として優れてい
ることを示すのみならず、また音波の伝播速度が
既存の物質中で最大であることをも意味し、音響
材料として特に有用である。 硼素応用製品を、鋳造や圧延といつた方法によ
つて、緻密な塊の状態で得ることは困難なことで
ある。このため、種々の硼素応用製品の製作にあ
たつては、ほとんどの場合、硼素以外の材料から
なる基体上に、蒸着法や、スパツタリング法、化
学蒸着法(以下CVD法という)などによつて硼
素皮膜を形成した複合体として用いられる。 このような従来の方法で作られた複合構造材料
は、硼素の硬さやその優れた耐摩耗性を利用する
製品の場合には、大きな支障を生じることがな
い。ところが、比弾性率の大きさを利用しようと
する、スピーカの振動板やカートリツジのカンチ
レバーなどの音響材料などでは、きわめて重大な
支障となる。すなわち、複合体の密度や弾性率は
基体の性質に大きく左右され、硼素本来の性質が
それによつて大きく減殺されるからである。一
方、硼素を化学的あるいは物理的な処理により基
体から分離させる試みは数多くあるが、蒸着され
た硼素皮膜と基体との間に熱膨張率の違いなどに
よつて歪が生じ、結果として、硼素皮膜にクラツ
クなどが入つて、十分に機械的強度のある硼素皮
膜を歩留りよく得ることがむずかしかつた。 発明者らは、かかる従来の方法にあつた欠点を
除去するためには、適当な金属で構成された下地
線材上に、鉄、コバルトおよびニツケルから選ば
れた少くとも1種の金属とクロムとの合金、また
はこの合金の硼化物を所望の厚さに被着させて基
体となし、つぎにこの基体上に硼素を化学蒸着す
ることが有効であることを見出した。 以下、本発明の方法について具体的に説明す
る。 硼素をCVD法により基体上に形成するには、
反応器内に置かれた基体を赤外線加熱や高周波加
熱、通電といつた方法で加熱し、たとえば、次式
に示すような還元分解反応により硼素を析出させ
ればよい。 2BX3+3H2→2B+6HX (ただし、XはClやBr、Iなどのハロゲン元素で
ある。) CVD法に使用する原料ガスとしては、上記硼
化物BX3の他に、硼素の水素化合物などもある。 また、この硼素析出反応においては、加熱温度
や、反応器への原料ガスの流入量などにより、
種々の結晶形が得られる。各種の結晶形のうち
で、緻密で、機械的性質に優れた硼素皮膜を得る
ためには、β−ロンボヘドラル、テトラゴナル、
あるいは非晶質の硼素が望ましい。 次に、化学的方法により、基体を溶解除去し
て、主に硼素単体からなるパイプを得る。このよ
うな化学的作用を有する液としては、弗酸を主と
する液などが考えられる。また、特に効果的な液
としては、無水アルコールに、臭素、塩素、沃素
またはこれらの2種以上の化合物(三塩化沃素や
一塩化沃素など)や、その混合物を溶解させたも
のがある。 下地線材を構成するための金属としては、硼素
のCVDが高温度下(1000℃以上)で行なわれる
ため、また、通電による基体加熱が容易であるこ
とを考えあわせると、タンタル、ニオブ、モリブ
デン、チタンおよびタングステンが望ましい。こ
れらの材料のうちでも、CVDが水素気流中で行
なわれる場合には、水素脆化の小さいタンタルと
モリブデン、タングステンが望ましい。また、沈
積した硼素皮膜と基体との熱歪を小さくするため
には、熱膨張係数が硼素(約8×10-6/℃)に近
いタンタル(約7〜8×10-6/℃)やチタン(約
8×10-6/℃)が望ましい。 本発明の方法の主要な点は、前記下地線材上
に、鉄、コバルトおよびニツケルから選ばれた少
くとも1種の金属とクロムとの合金、またはこの
合金の硼化物の層を電気メツキや、化学メツキ、
CVD法、スパツター法、蒸着法などにより、所
望の厚さに被着させて基体とすることにある。し
かる後、硼素を基体上に析出させ、さらに、基体
を選択溶解させるか、剥離除去して、硼素からな
るパイプ状の構造材を得るわけである。 上記基体を除去する方法のうち、確実性や生産
性から見て、選択溶解させる方法の方が優れてい
る。従来、基体を選択溶解する過程で、硼素皮膜
が破壊したり、また得られた硼素構造材の機械的
性質の劣る場合があつた。本発明の方法により、
これらの点において、大巾な改善がなされた。 クロム、鉄、コバルト、ニツケル、あるいはこ
れらの合金からなる板などをそのまま基体として
用いた場合、CVD時において、高温により基体
そのものが変形を起こしたり、熱膨張係数が硼素
に比べて一段と大きいために、硼素のCVD終了
時に硼素被膜に割れが生じたりした。また、クロ
ム、鉄、コバルト、もしくはニツケルの硼化物、
あるいは、これらの合金の硼化物からなる塊を、
そのまま硼素のCVDの基体として用いるのは、
硼素と硼化物基体との間の熱膨張係数などの熱的
性質や機械的性質の違いから望ましいことではな
い。 したがつて、本発明の効果を発揮させるために
は、下地線材を被覆する前記合金の層、あるいは
前記硼化物の層の厚みには、おのずから望ましい
厚さがある。この望ましい厚さは、下地を被覆す
る物質の種類や、下地の種類や厚みに左右され
る。下地として、たとえば200〜300μm外径の線
状のタンタルを使用した場合には、下地を被覆す
る物質の層の望ましい厚さは、ほぼ20μm以下で
あつた。それが厚すぎると、硼素皮膜に割れが生
じやすくなる。ところが、0.05μmよりも薄くな
ると、本発明による改善効果が明瞭には認められ
なくなる。この場合のもつとも望ましい被覆層の
厚さは、0.5〜2.0μmであつた。 本発明による効果は、下地線材としてタンタル
を使用したときにもつとも大きい。これは、熱膨
張係数が硼素のそれに近いこと、および水素脆化
の程度が比較的小さいことといつた理由によるも
のではないかと考えられる。 本発明は、下地線材上に鉄、コバルトおよびニ
ツケルから選ばれた少くとも1種の金属とクロム
との合金、またはこの合金の硼化物からなる層を
被覆することにより、効果を発揮するものであ
る。最終的に得られる硼素構造材の硼素の膜質や
機械的性質の検討によれば、適度な比率の上記合
金あるいは合金の硼化物が、もつとも本発明の効
果を発揮する。上記適度な比率は、下地の種類
や、合金の構成や、CVD時の条件等によりおの
ずから変わるものである。これらのことは、ニツ
ケルや、コバルト、鉄と下地との反応や、これら
の硼化物が比較的低温で溶けることと関係してい
ると考えられる。 下地線材上に上記合金を層状に被覆する方法と
しては、その物質により電気メツキ法、化学メツ
キ法、スパツタ法、蒸着法、あるいは適当な原料
ガスからのCVD法などを使用することができ
る。下地の種類や、構成元素の任意の比率の合金
が下地上に沈積しうる点で、蒸着法やスパツター
法が優れていた。二種以上の被覆方法が採用し得
る場合、比較検討を試みたが、結果は、被覆のな
い場合に比べて、本発明の効果はいずれの場合に
も発揮され、定性的には同じであつた。 太さ250μmのタンタル線に、上記合金を約1
μmの厚さに被覆し、さらに、この上に硼素を化
学蒸着した。得られた材料の断面は図に示すとお
りであつた。 図において、1はタンタル線、2は硼素層であ
る。3はX線回析で調べたところ下地タンタルに
被覆した物質の硼素化合物層であつた。4は空隙
である。このことから、あらかじめ下地タンタル
に被覆した合金は、硼素のCVD中に硼化物に変
換されることがわかつた。なお、空隙4は断面の
顕微鏡観察で明瞭に認られないこともある。 以上のことから、本発明の効果が下地線材上に
上記合金を被覆した場合に発揮されるのは、第1
に硼素に比べて、前記合金もしくはその硼化物の
熱膨張係数が大きく、図に示すように硼素層と硼
化物質層との間に空隙が形成されやすいこと、第
2に、前記硼化物と前記硼素との結合が比較的弱
いこと(したがつて上述のような空隙が生じやす
い)がかかわりあいをもつているのではないかと
考えられる。したがつて、下地と硼素との間に存
在する熱歪等の歪が、空隙により緩和され、それ
によつて硼素構造材の割れなどが少なくなり、そ
の製造歩留りが向上する。 下地線材上に上記合金の硼化物を層状に形成す
るには、これらの合金と硼素ハロゲン化物を反応
させるか、あるいは適当な原料ガスからCVDを
行なわせるか、あるいは硼化物をターゲツトとし
てスパツターするなどの方法を採用した。これら
の方法を経て作られた硼素構造材を検討した結果
は、上記合金を被覆材料とした場合と、本質的な
差異が認められなかつた。 以上詳しく述べたように、従来の方法によれ
ば、硼素のCVD時に、硼素皮膜が破壊したり、
基体を溶解等の方法で除去する際に破壊したり、
あるいは硼素のみからなるパイプ状硼素構造材の
機械的性質が劣弱であつたりしたが、本発明の方
法により、すべての点で改善された。 硼素の結晶形としては、CVD条件により、非
晶質、α−ロンボヘドラル、β−ロンボヘドラ
ル、テトラゴナルの結晶形が存在する。ただ、こ
れらのうち、硼素皮膜の緻密さからは、α−ロン
ボヘドラルは他の晶形に比べて若干使用しにく
い。また、どの晶形の硼素皮膜を生成しても、本
発明の効果は本質的に発揮された。 つぎに、具体的に実施例において説明する。 直径250μmのタンタル線を準備した。このタ
ンタル線を脱脂、酸でエツチング、洗浄したの
ち、それにクロムとコバルトの合金をターゲツト
として、高周波スパツター法で、約1.5μmの合
金層を形成した。ターゲツトはクロム70at%とコ
バルト30at%の合金からなつていた。 次に、合金で被覆されたタンタル線を基体と
し、これを通電により発熱させ、これに三塩化硼
素1容量部と水素3容量部の混合ガスを毎分1
の割合で流し、約50μmの厚さの硼素層を形成さ
せた。 このようにして作つた試料を5mmの長さにヤ
グ・レーザー等で切断して、それを、市販の無水
メタノール200mlに臭素50gを溶解させた液に浸
漬して、タンタルおよび前記合金の硼化物を溶解
させた。このとき硼素は溶解しない。得られたパ
イプの寸法は、内径250μm、外径350μm、長さ
5mmであつた。X線回折等で検討の結果、その結
晶形は、非晶質とβ−ロンボヘドラルを含むもの
であつた。 次にこのパイプの抗折強度を測定した。測定
は、梁の長さを4mmとし、両端支持梁の形で、中
央に荷重Wを加えて、パイプが破壊したときの荷
重より求めた。その結果、5mmに切断したサンプ
ルから、基体を溶解除去する過程において、破壊
することなく、パイプを取る収率は80%であり、
得られたパイプ20本のうち平均の抗折強度は450
gであつた。この結果を下表の試料1としてまと
めて示す。 上記実施例と同様にして、下表に示す試料2〜
17を作り、それらについても調べた。下表には使
用した下地、下地を被覆する材料、被覆方法、被
覆層の厚さ、基体を溶解して硼素パイプを得る収
率、平均抗折強度、X線回折等で調べた結晶形に
ついてまとめて示されている。平均抗折強度は試
料20本の平均値である。なお、表において、被覆
法にスパツターを採用した場合、下地を被覆する
材料の欄に記されている合金の組成は、ターゲツ
トの比率を示している。また、硼化処理は三塩化
硼素を使つて行なつた。 比較のため、タンタル線またはタングステン線
を被覆することなしに、そのまま基体として使用
し、直接その上にCVD法で硼素を約50μmの厚
さに沈積させた。そのときの結果もあわせて下表
に示す。
【表】
【表】
上表から、本発明の方法の効果は明らかであ
る。 なお、上表では下地の金属としてタングステン
およびタンタル線を用いた場合について示した
が、下地の金属(他にモリブデン、ニオブ、チタ
ン)に関係なく、本発明の効果は顕著であつた。
また、被覆方法としては、それぞれに難度が異な
るものの、電気メツキ法、化学メツキ法、スパツ
タ法、蒸着法、あるいはCVD法でも、本発明の
効果には本質的な差異はなかつた。
る。 なお、上表では下地の金属としてタングステン
およびタンタル線を用いた場合について示した
が、下地の金属(他にモリブデン、ニオブ、チタ
ン)に関係なく、本発明の効果は顕著であつた。
また、被覆方法としては、それぞれに難度が異な
るものの、電気メツキ法、化学メツキ法、スパツ
タ法、蒸着法、あるいはCVD法でも、本発明の
効果には本質的な差異はなかつた。
図面は本発明にかかる硼素構造材の製造方法を
説明するためのものである。 1……タンタル線、2……硼素層、3……硼素
化合物層、4……空隙。
説明するためのものである。 1……タンタル線、2……硼素層、3……硼素
化合物層、4……空隙。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 タンタル、モリブデン、ニオブ、チタンおよ
びタングステンから選ばれた金属からなる線材上
に、鉄、コバルトおよびニツケルから選ばれた少
くとも1種の金属とクロムとの合金、またはこの
合金の硼化物の層を形成して基体と成し、この基
体上に化学蒸着法により硼素層を形成してから、
前記基体を溶解除去して、硼素単体からなるパイ
プ状の構造材を得ることを特徴とする硼素構造材
の製造方法。 2 基体を加熱した状態で、その上に硼素層を化
学蒸着法により形成することを特徴とする特許請
求の範囲第1項に記載の硼素構造材の製造方法。 3 金属線材に通電して発熱させ、その状態で基
体上に硼素層を化学蒸着法で形成することを特徴
とする特許請求の範囲第1項に記載の硼素構造材
の製造方法。 4 基体上に化学蒸着法によりβ−ロンボヘドラ
ル、テトラゴナルまたは非晶質を主な結晶形とす
る硼素層を形成することを特徴とする特許請求の
範囲第1項に記載の硼素構造材の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4323479A JPS55136119A (en) | 1979-04-09 | 1979-04-09 | Manufacture of boron structural material |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4323479A JPS55136119A (en) | 1979-04-09 | 1979-04-09 | Manufacture of boron structural material |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS55136119A JPS55136119A (en) | 1980-10-23 |
| JPS6149248B2 true JPS6149248B2 (ja) | 1986-10-28 |
Family
ID=12658210
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4323479A Granted JPS55136119A (en) | 1979-04-09 | 1979-04-09 | Manufacture of boron structural material |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS55136119A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4856010B2 (ja) * | 2007-06-04 | 2012-01-18 | 株式会社アルバック | 触媒化学気相成長装置 |
| WO2017148067A1 (zh) * | 2016-03-01 | 2017-09-08 | 北京化工大学 | 一种层状非金属材料的制备方法 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5216201A (en) * | 1975-07-29 | 1977-02-07 | Toshiba Corp | Manufacturing method of pick-up cantilever |
-
1979
- 1979-04-09 JP JP4323479A patent/JPS55136119A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS55136119A (en) | 1980-10-23 |
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