JPS6149247B2 - - Google Patents
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- JPS6149247B2 JPS6149247B2 JP53129118A JP12911878A JPS6149247B2 JP S6149247 B2 JPS6149247 B2 JP S6149247B2 JP 53129118 A JP53129118 A JP 53129118A JP 12911878 A JP12911878 A JP 12911878A JP S6149247 B2 JPS6149247 B2 JP S6149247B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- boron
- chromium
- substrate
- layer
- structural material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
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-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
- C23C—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
- C23C16/00—Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes
- C23C16/01—Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes on temporary substrates, e.g. substrates subsequently removed by etching
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Physical Vapour Deposition (AREA)
- Chemical Vapour Deposition (AREA)
Description
本発明は、パイプ状の硼素構造材の製造方法に
かかり、特に硼素構造材を構成する硼素の膜質や
機械的性質の向上と、硼素構造材の製造歩留りの
向上を図ることを目的とするものである。 硼素は、ダイアモンドに次ぐ硬度をもち、その
耐摩耗性も非常に大きいものであるため、切削工
具や摺動機械部品、軸受けなどに適した材料であ
る。また、比弾性率(弾性率/密度)が、現在知
られている物質中では最大という優れた特徴をも
つている。この性質は音波の伝幡速度が既存の物
質中で最大であることを意味し、音響材料として
特に有用である。 硼素応用製品を、鋳造や圧延といつた方法によ
つて、緻密な塊の状態で得ることは困難なことで
ある。このため、種々の硼素応用製品の製作にあ
たつては、ほとんどの場合、硼素以外の材料から
なる基体上に、蒸着法や、スパツタリング法、化
学蒸着法(以下CVD法という)などによつて硼
素以外の材料からなる基体上に硼素皮膜を形成し
た複合体として用いられる。 このような従来の方法で作られた複合構造材料
は、硼素の硬さやその優れた耐摩耗性を利用する
製品の場合には、大きな支障を生じることがな
い。ところが、比弾性率の大きさを利用しようと
するスピーカの振動板やカートリツジのカンチレ
バーなどの音響材料などでは、きわめて重大な支
障となる。すなわち、複合体の密度や弾性率は基
体の性質に大きく左右され、硼素本来の性質がそ
れによつて大きく減殺されるからである。一方、
硼素を化学的あるいは物理的な処理により基体か
ら分離させる試みは数多くあるが、蒸着された硼
素皮膜と基体との間に熱膨脹率の違いなどによつ
て歪が生じ、結果として、硼素皮膜にクラツクな
どが入つて十分に機械的強度のある硼素皮膜を歩
留りよく、得ることがむずかしかつた。 発明者らは、かかる従来の方法にあつた欠点を
除去するためには、タンタルやニオブ、モリブデ
ン、タングステンおよびチタンから選ばれた金属
からなる線材を用い、その表面にクロムあるいは
クロムの硼化物を所望の厚さに付着させて基体と
し、この基体上に硼素を化学蒸着することが有効
であることを見出した。 以下、本発明の方法について具体的に説明す
る。硼素をCVD法により、基体上に形成する方
法は、たとえば反応器内に置かれた基体を赤外線
加熱や高周波加熱、通電といつた方法で加熱し、
次式に示すような還元分解反応により硼素を析出
させる。 2BX3+3H2→2B+6HX (ただし、XはClやBr、Iなどのハロゲン元素で
ある。) CVD法に使用する原料ガスとしては、BX3の他
に、硼素の水素化合物などもある。 また、この硼素析出反応においては、加熱温度
や、反応器への原料の流入量などにより、種々の
結晶形が得られる。各種の結晶形のうちで、緻密
で、機械的性質に優れた硼素皮膜を得るために
は、β−ロンボヘドラル、テトラゴナル、あるい
は非晶質の硼素が望ましい。 次に、化学的方法により、基体を溶解除去し、
主に硼素単体からなるパイプを得る。このような
化学的作用を有する液としては、弗酸を主とする
液などが考えられる。また、特に効果的な液とし
ては、無水アルコールに、臭素、塩素、沃素、ま
たはこれら2種以上の化合物(三塩化沃素や一塩
化沃素など)や、これらの混合物を溶解させたも
のがある。 基体を構成するための金属としては、硼素の
CVDが高温度下(1000℃以上)で行なわれるた
め、また、通電による基体加熱が容易であること
を考えあわせると、タンタル、ニオブ、モリブデ
ン、チタンおよびタングステンが望ましい。これ
らの材料のうちでも、CVDが水素気流中で行わ
れるため、水素脆化の程度の小さいタンタルとモ
リブデン、タングステンがより望ましい。ま
た、、沈積した硼素皮膜と基体との熱歪を小さく
するためには、熱膨脹係数が硼素(約8×10-5/
℃)に近いタンタル(約7〜8×10-5/℃)やチ
タン(約8×10-5/℃)がより望ましい。 本発明の方法の主要な点は、上記金属からなる
線材の上にクロムあるいはクロムの硼化物を電気
メツキやCVD法、スパツター法により付着さ
せ、それを所望の厚さに被覆して基体とすること
にある。しかる後、硼素を基体上に析出させ、さ
らに基体を選択溶解して、硼素からなるパイプ状
の構造材を得るわけである。 従来、選択溶解をする過程で、硼素皮膜が破壊
したり、また得られた硼素構造材の機械的性質の
劣る場合があつた。本発明の方法により、これら
の点において、大巾な改善がなされた。 クロム板などをそのまま基体として用いた場
合、CVD時において、高温により基体そのもの
が変形を起こしたり、熱脹張係数が大きいため
に、硼素のCVD終了時に硼素皮膜に割れが生じ
た。塊状のクロムの硼化物を基体としたときも同
様であつた。すなわち、以上から、クロムまたは
クロムの硼化物の塊をそのまま、硼素のCVDの
基体として用いるのは、硼素と、クロムあるいは
クロムの硼化物との間の熱膨脹係数などの熱的性
質や機械的性質の違いから望ましいことではな
い。 したがつて、本発明の効果を発揮させるために
は、金属線材を被覆するクロムやクロムの硼化物
層の厚みには、おのずから望ましい厚さがある。
この望ましい厚さは、金属の厚みにも左右され
る。金属として、たとえば200〜300ミクロン外径
の線状のタンタルを使用した場合には、クロムや
クロムの硼化物の層の望ましい厚さは20ミクロン
以下であつた。厚すぎると、硼素皮膜に割れが生
じやすくなり、0.1ミクロン程度であると、本発
明による改善効果が明瞭には認められない。この
場合のもつとも望ましい被覆層の厚さは、0.5〜
2.0ミクロンであつた。 本発明による効果は、金属線材としてタンタル
を使用したときにもつとも大きい。これは、熱膨
脹係数が硼素のそれに近いこと、および、水素ぜ
い化の程度が比較的小さいことといつた理由によ
るものではないかと考えられる。 クロムを電気メツキ法、スパツタ法、あるいは
沃化クロムなどを原料とするCVD法により、基
体上に被覆した。どのようなクロムの被覆方法を
とろうと結果はほぼ同じであつた。 太さ250ミクロンのタンタル線にクロムを約3
ミクロンの厚さに被覆し、さらに、この上に硼素
を化学蒸着した。得られた材料の断面は図に示す
とおりであつた。図において、1はタンタル線、
2は硼素層である。3はX線回析で調べたとこ
ろ、クロムの硼素化合物層であつた。4は空隙で
ある。このことから、あらかじめタンタルに被覆
したクロムは、硼素のCVD中に硼化物に変換さ
れることがわかつた。なお、空隙4は断面の顕微
鏡観察で明瞭に認められないこともある。 以上のことから、本発明の効果が基体にクロム
を被覆した場合に発揮されるのは、第1に、硼素
に比べてクロムあるいはクロムの硼化物の熱膨脹
係数が大きく、クロムの硼化物層と硼素層との間
に、図示するような空隙が形成されやすいこと、
第2に、ある種のクロムの硼化物は硼素との結合
が比較的弱いこと(したがつて上述のような空隙
が生じやすい)がかかわりあいをもつているので
はないかと考えられる。したがつて、基体と硼素
との間に存在する熱歪が、空隙により緩和され、
それによつてパイプ状硼素構造材の割れなどが少
なくなり、その製造歩留りが向上する。 金属上のクロム硼化物層は、クロムを金属上に
付着させてから、硼素ハロゲン化物をクロムと反
応させるか、あるいは沃化クロムと硼素のハロゲ
ン化物からCVDを行なわせるか、あるいは、ク
ロム硼化物をスパツターするなどして形成しても
よい。これら方法で作られた構造物の断面などを
観察した結果、クロムを被覆材料とした場合のク
ロム硼化物層と差違を認めることはできなかつ
た。 以上詳しく述べたように、従来の方法によれ
ば、硼素のCVD時に、硼素皮膜が破壊したり、
基体を溶解除去する際に破壊したり、あるいは硼
素単体からなるパイプ状硼素構造材の機械的性質
が平均的に劣弱であつたりしたが、本発明の方法
により、すべての点で改善された。 さらに詳しくは、実施例で説明する。 直径250ミクロン、長さ800mmのタンタル線を準
備した。タンタル線を脱脂、洗浄したのち、それ
にクロムを直流スパツター法で付着させ、約2ミ
クロンのクロム層を形成した。次に、クロム層で
被覆されたタンタル線を通電により発熱させ、
1250℃の温度に保持し、これに三塩化硼素
(BCl3)1容量部と水素(H2)3容量部との混合
ガスを毎分1の割合で2分間流した。これによ
り、約50ミクロンの厚さの硼素層が形成された。 このようにして作つた試料を5mmの長さにヤ
グ・レーザー等で切断して、それを、市販の無水
メタノール200mlに臭素50gを溶解させた液に浸
漬して、タンタルおよびクロムの硼化物を溶解さ
せた。このとき硼素は溶解しない。得られたパイ
プの寸法は、内径250ミクロン、外径350ミクロ
ン、長さ5mmであつた。X像回折で調べた結果、
その結晶形は主にβ−ロンボヘドラルであつた。 次に、このパイプの抗折強度を測定した。測定
は、梁の長さを4mmとし、両端を支持梁の形で、
荷重Wを加えて、パイプが破壊したときの荷重よ
り求めた。その結果、5mmに切断したサンプルか
ら、基体を溶解除去する過程により、パイプを得
る収率は74%であり、得られたパイプ20本のうち
平均の抗折強度は403gであつた。この結果を下
表の試料1としてまとめて示す。 上記実施例と同様にして、下表に示す試料2〜
12を作り、それらについても調べた。クロムまた
はクロム硼化物によるタンタル線の被覆方法とし
ては、次のとおりである。試料2についてはクロ
ムを直流スパツター法で約4ミクロンの厚さに形
成した。試料3、4については、鉄を直流スパツ
ター法で1000オングストロームを超えない厚さに
付着させ、さらにクロムめつきをして、それぞれ
5ミクロン、8.5ミクロンの厚さのクロム層を形
成した。試料5、6、7については、まずクロム
を直流スパツター法で付着させてから、タンタル
線に通電して赤熱させて三塩化硼素と反応させ、
それぞれ3ミクロン、5ミクロン、5ミクロンの
厚さのクロム硼化物層を形成した。試料8、9、
10、11、12については、タンタル線に通電して赤
熱させ、それに沃化クロムと三塩化硼素と水素と
の混合ガスを接触させて、それぞれ4.5ミクロ
ン、5ミクロン、5ミクロン、5ミクロン、18ミ
クロンの厚さのクロム硼化物層を形成した。
CVD法でクロム層上またはクロム硼化物層上に
形成した硼素皮膜の厚さは47〜53ミクロンとし
た。硼素を沈積させるときの温度や、基体を溶解
して硼素パイプを得る収率、平均抗折強度、X線
回折で調べた結晶形について、下表にまとめて示
す。平均抗折強度は試料20本の平均値である。 比較のため、タンタル線をクロムで被覆するこ
となしに、直後その上にCVD法で硼素を50±3
ミクロンの厚さに付着させた。そのときの硼素沈
積温度、収率、平均抗折強度、結晶形について
も、下表にまとめて示す。平均抗折強度は試料20
本もしくはそれに達しないときにはその本数での
平均値である。
かかり、特に硼素構造材を構成する硼素の膜質や
機械的性質の向上と、硼素構造材の製造歩留りの
向上を図ることを目的とするものである。 硼素は、ダイアモンドに次ぐ硬度をもち、その
耐摩耗性も非常に大きいものであるため、切削工
具や摺動機械部品、軸受けなどに適した材料であ
る。また、比弾性率(弾性率/密度)が、現在知
られている物質中では最大という優れた特徴をも
つている。この性質は音波の伝幡速度が既存の物
質中で最大であることを意味し、音響材料として
特に有用である。 硼素応用製品を、鋳造や圧延といつた方法によ
つて、緻密な塊の状態で得ることは困難なことで
ある。このため、種々の硼素応用製品の製作にあ
たつては、ほとんどの場合、硼素以外の材料から
なる基体上に、蒸着法や、スパツタリング法、化
学蒸着法(以下CVD法という)などによつて硼
素以外の材料からなる基体上に硼素皮膜を形成し
た複合体として用いられる。 このような従来の方法で作られた複合構造材料
は、硼素の硬さやその優れた耐摩耗性を利用する
製品の場合には、大きな支障を生じることがな
い。ところが、比弾性率の大きさを利用しようと
するスピーカの振動板やカートリツジのカンチレ
バーなどの音響材料などでは、きわめて重大な支
障となる。すなわち、複合体の密度や弾性率は基
体の性質に大きく左右され、硼素本来の性質がそ
れによつて大きく減殺されるからである。一方、
硼素を化学的あるいは物理的な処理により基体か
ら分離させる試みは数多くあるが、蒸着された硼
素皮膜と基体との間に熱膨脹率の違いなどによつ
て歪が生じ、結果として、硼素皮膜にクラツクな
どが入つて十分に機械的強度のある硼素皮膜を歩
留りよく、得ることがむずかしかつた。 発明者らは、かかる従来の方法にあつた欠点を
除去するためには、タンタルやニオブ、モリブデ
ン、タングステンおよびチタンから選ばれた金属
からなる線材を用い、その表面にクロムあるいは
クロムの硼化物を所望の厚さに付着させて基体と
し、この基体上に硼素を化学蒸着することが有効
であることを見出した。 以下、本発明の方法について具体的に説明す
る。硼素をCVD法により、基体上に形成する方
法は、たとえば反応器内に置かれた基体を赤外線
加熱や高周波加熱、通電といつた方法で加熱し、
次式に示すような還元分解反応により硼素を析出
させる。 2BX3+3H2→2B+6HX (ただし、XはClやBr、Iなどのハロゲン元素で
ある。) CVD法に使用する原料ガスとしては、BX3の他
に、硼素の水素化合物などもある。 また、この硼素析出反応においては、加熱温度
や、反応器への原料の流入量などにより、種々の
結晶形が得られる。各種の結晶形のうちで、緻密
で、機械的性質に優れた硼素皮膜を得るために
は、β−ロンボヘドラル、テトラゴナル、あるい
は非晶質の硼素が望ましい。 次に、化学的方法により、基体を溶解除去し、
主に硼素単体からなるパイプを得る。このような
化学的作用を有する液としては、弗酸を主とする
液などが考えられる。また、特に効果的な液とし
ては、無水アルコールに、臭素、塩素、沃素、ま
たはこれら2種以上の化合物(三塩化沃素や一塩
化沃素など)や、これらの混合物を溶解させたも
のがある。 基体を構成するための金属としては、硼素の
CVDが高温度下(1000℃以上)で行なわれるた
め、また、通電による基体加熱が容易であること
を考えあわせると、タンタル、ニオブ、モリブデ
ン、チタンおよびタングステンが望ましい。これ
らの材料のうちでも、CVDが水素気流中で行わ
れるため、水素脆化の程度の小さいタンタルとモ
リブデン、タングステンがより望ましい。ま
た、、沈積した硼素皮膜と基体との熱歪を小さく
するためには、熱膨脹係数が硼素(約8×10-5/
℃)に近いタンタル(約7〜8×10-5/℃)やチ
タン(約8×10-5/℃)がより望ましい。 本発明の方法の主要な点は、上記金属からなる
線材の上にクロムあるいはクロムの硼化物を電気
メツキやCVD法、スパツター法により付着さ
せ、それを所望の厚さに被覆して基体とすること
にある。しかる後、硼素を基体上に析出させ、さ
らに基体を選択溶解して、硼素からなるパイプ状
の構造材を得るわけである。 従来、選択溶解をする過程で、硼素皮膜が破壊
したり、また得られた硼素構造材の機械的性質の
劣る場合があつた。本発明の方法により、これら
の点において、大巾な改善がなされた。 クロム板などをそのまま基体として用いた場
合、CVD時において、高温により基体そのもの
が変形を起こしたり、熱脹張係数が大きいため
に、硼素のCVD終了時に硼素皮膜に割れが生じ
た。塊状のクロムの硼化物を基体としたときも同
様であつた。すなわち、以上から、クロムまたは
クロムの硼化物の塊をそのまま、硼素のCVDの
基体として用いるのは、硼素と、クロムあるいは
クロムの硼化物との間の熱膨脹係数などの熱的性
質や機械的性質の違いから望ましいことではな
い。 したがつて、本発明の効果を発揮させるために
は、金属線材を被覆するクロムやクロムの硼化物
層の厚みには、おのずから望ましい厚さがある。
この望ましい厚さは、金属の厚みにも左右され
る。金属として、たとえば200〜300ミクロン外径
の線状のタンタルを使用した場合には、クロムや
クロムの硼化物の層の望ましい厚さは20ミクロン
以下であつた。厚すぎると、硼素皮膜に割れが生
じやすくなり、0.1ミクロン程度であると、本発
明による改善効果が明瞭には認められない。この
場合のもつとも望ましい被覆層の厚さは、0.5〜
2.0ミクロンであつた。 本発明による効果は、金属線材としてタンタル
を使用したときにもつとも大きい。これは、熱膨
脹係数が硼素のそれに近いこと、および、水素ぜ
い化の程度が比較的小さいことといつた理由によ
るものではないかと考えられる。 クロムを電気メツキ法、スパツタ法、あるいは
沃化クロムなどを原料とするCVD法により、基
体上に被覆した。どのようなクロムの被覆方法を
とろうと結果はほぼ同じであつた。 太さ250ミクロンのタンタル線にクロムを約3
ミクロンの厚さに被覆し、さらに、この上に硼素
を化学蒸着した。得られた材料の断面は図に示す
とおりであつた。図において、1はタンタル線、
2は硼素層である。3はX線回析で調べたとこ
ろ、クロムの硼素化合物層であつた。4は空隙で
ある。このことから、あらかじめタンタルに被覆
したクロムは、硼素のCVD中に硼化物に変換さ
れることがわかつた。なお、空隙4は断面の顕微
鏡観察で明瞭に認められないこともある。 以上のことから、本発明の効果が基体にクロム
を被覆した場合に発揮されるのは、第1に、硼素
に比べてクロムあるいはクロムの硼化物の熱膨脹
係数が大きく、クロムの硼化物層と硼素層との間
に、図示するような空隙が形成されやすいこと、
第2に、ある種のクロムの硼化物は硼素との結合
が比較的弱いこと(したがつて上述のような空隙
が生じやすい)がかかわりあいをもつているので
はないかと考えられる。したがつて、基体と硼素
との間に存在する熱歪が、空隙により緩和され、
それによつてパイプ状硼素構造材の割れなどが少
なくなり、その製造歩留りが向上する。 金属上のクロム硼化物層は、クロムを金属上に
付着させてから、硼素ハロゲン化物をクロムと反
応させるか、あるいは沃化クロムと硼素のハロゲ
ン化物からCVDを行なわせるか、あるいは、ク
ロム硼化物をスパツターするなどして形成しても
よい。これら方法で作られた構造物の断面などを
観察した結果、クロムを被覆材料とした場合のク
ロム硼化物層と差違を認めることはできなかつ
た。 以上詳しく述べたように、従来の方法によれ
ば、硼素のCVD時に、硼素皮膜が破壊したり、
基体を溶解除去する際に破壊したり、あるいは硼
素単体からなるパイプ状硼素構造材の機械的性質
が平均的に劣弱であつたりしたが、本発明の方法
により、すべての点で改善された。 さらに詳しくは、実施例で説明する。 直径250ミクロン、長さ800mmのタンタル線を準
備した。タンタル線を脱脂、洗浄したのち、それ
にクロムを直流スパツター法で付着させ、約2ミ
クロンのクロム層を形成した。次に、クロム層で
被覆されたタンタル線を通電により発熱させ、
1250℃の温度に保持し、これに三塩化硼素
(BCl3)1容量部と水素(H2)3容量部との混合
ガスを毎分1の割合で2分間流した。これによ
り、約50ミクロンの厚さの硼素層が形成された。 このようにして作つた試料を5mmの長さにヤ
グ・レーザー等で切断して、それを、市販の無水
メタノール200mlに臭素50gを溶解させた液に浸
漬して、タンタルおよびクロムの硼化物を溶解さ
せた。このとき硼素は溶解しない。得られたパイ
プの寸法は、内径250ミクロン、外径350ミクロ
ン、長さ5mmであつた。X像回折で調べた結果、
その結晶形は主にβ−ロンボヘドラルであつた。 次に、このパイプの抗折強度を測定した。測定
は、梁の長さを4mmとし、両端を支持梁の形で、
荷重Wを加えて、パイプが破壊したときの荷重よ
り求めた。その結果、5mmに切断したサンプルか
ら、基体を溶解除去する過程により、パイプを得
る収率は74%であり、得られたパイプ20本のうち
平均の抗折強度は403gであつた。この結果を下
表の試料1としてまとめて示す。 上記実施例と同様にして、下表に示す試料2〜
12を作り、それらについても調べた。クロムまた
はクロム硼化物によるタンタル線の被覆方法とし
ては、次のとおりである。試料2についてはクロ
ムを直流スパツター法で約4ミクロンの厚さに形
成した。試料3、4については、鉄を直流スパツ
ター法で1000オングストロームを超えない厚さに
付着させ、さらにクロムめつきをして、それぞれ
5ミクロン、8.5ミクロンの厚さのクロム層を形
成した。試料5、6、7については、まずクロム
を直流スパツター法で付着させてから、タンタル
線に通電して赤熱させて三塩化硼素と反応させ、
それぞれ3ミクロン、5ミクロン、5ミクロンの
厚さのクロム硼化物層を形成した。試料8、9、
10、11、12については、タンタル線に通電して赤
熱させ、それに沃化クロムと三塩化硼素と水素と
の混合ガスを接触させて、それぞれ4.5ミクロ
ン、5ミクロン、5ミクロン、5ミクロン、18ミ
クロンの厚さのクロム硼化物層を形成した。
CVD法でクロム層上またはクロム硼化物層上に
形成した硼素皮膜の厚さは47〜53ミクロンとし
た。硼素を沈積させるときの温度や、基体を溶解
して硼素パイプを得る収率、平均抗折強度、X線
回折で調べた結晶形について、下表にまとめて示
す。平均抗折強度は試料20本の平均値である。 比較のため、タンタル線をクロムで被覆するこ
となしに、直後その上にCVD法で硼素を50±3
ミクロンの厚さに付着させた。そのときの硼素沈
積温度、収率、平均抗折強度、結晶形について
も、下表にまとめて示す。平均抗折強度は試料20
本もしくはそれに達しないときにはその本数での
平均値である。
【表】
上表の結果から明らかなように、本発明の方法
によれば、硼素パイプの収率がよく、その平均抗
折強度も大きい。 比較例では、収率がある程度よくても、得られ
る硼素パイプの平均抗折強度が小さかつたり(試
料15)、平均抗折強度が大きくても、収率が悪か
つたりする(試料13)。無論、そのいずれについ
ても、全般的に悪いものも多い。 以上、タンタル線を使用した例について述べて
来たが、基体の形状、基体の下地金属(モリブデ
ン、ニオブ、チタン、タングステン)にかかわら
ず、上述と同等の結果が得られることを、実験に
より確認した。
によれば、硼素パイプの収率がよく、その平均抗
折強度も大きい。 比較例では、収率がある程度よくても、得られ
る硼素パイプの平均抗折強度が小さかつたり(試
料15)、平均抗折強度が大きくても、収率が悪か
つたりする(試料13)。無論、そのいずれについ
ても、全般的に悪いものも多い。 以上、タンタル線を使用した例について述べて
来たが、基体の形状、基体の下地金属(モリブデ
ン、ニオブ、チタン、タングステン)にかかわら
ず、上述と同等の結果が得られることを、実験に
より確認した。
図面は、本発明の方法により、タンタル線上に
クロム層を形成し、さらに硼素を化学蒸着して得
た試料の一例の断面を示す。 1……タンタル線、2……硼素層、3……クロ
ムの硼素化合物層、4……空隙。
クロム層を形成し、さらに硼素を化学蒸着して得
た試料の一例の断面を示す。 1……タンタル線、2……硼素層、3……クロ
ムの硼素化合物層、4……空隙。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 タンタル、モリブデン、ニオブ、チタンおよ
びタングステンから選ばれた金属からなる線材上
にクロムまたはクロム硼化物の層を形成して基体
と成し、この基体上に化学蒸着法により硼素層を
形成してから、前記基体を溶解除去して、硼素単
体からなるパイプ状の構造材を得ることを特徴と
する硼素構造材の製造方法。 2 基体を加熱した状態で、その上に硼素層を化
学蒸着法により形成することを特徴とする特許請
求の範囲第1項に記載の硼素構造材の製造方法。 3 金属線材に通電して発熱させ、その状態で基
体上に硼素層を化学蒸着法で形成することを特徴
とする特許請求の範囲第1項に記載の硼素構造材
の製造方法。 4 基体上に、β−ロンボヘドラル、テトラゴナ
ルまたは非晶質を主な結晶形とする硼素層を化学
蒸着法で形成することを特徴とする特許請求の範
囲第1項に記載の硼素構造材の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12911878A JPS5556011A (en) | 1978-10-19 | 1978-10-19 | Production of boron structural material |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12911878A JPS5556011A (en) | 1978-10-19 | 1978-10-19 | Production of boron structural material |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5556011A JPS5556011A (en) | 1980-04-24 |
| JPS6149247B2 true JPS6149247B2 (ja) | 1986-10-28 |
Family
ID=15001509
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP12911878A Granted JPS5556011A (en) | 1978-10-19 | 1978-10-19 | Production of boron structural material |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5556011A (ja) |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5216201A (en) * | 1975-07-29 | 1977-02-07 | Toshiba Corp | Manufacturing method of pick-up cantilever |
-
1978
- 1978-10-19 JP JP12911878A patent/JPS5556011A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5556011A (en) | 1980-04-24 |
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